『不破希海、101円~400円(文芸・小説、ライトノベル)』の電子書籍一覧
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明るく勝気な青年、志賀。しかし彼は生存率1%であるアルファ同種の生き残り子、生粋のアルファだった。番となれるのはオメガのみ。性を狂わせる種と蔑まれ続けたオメガを番としないため選んだ道は、本来の志賀を封じる人生だった。
小説家として基盤を築いたなか、舞い込んだ一通の手紙。差出人、墨谷の文章に惹かれ、交流を持つが、墨谷はオメガだった。
本能にのまれた志賀は、墨谷を深く傷つけてしまう。「これは愛なのか、本能なのか」真実を知り、愛を知る、大人のBL。 -
「萌え+」(もえぷらす)をテーマにしたBLアンソロジー。優等生とキュートなヤンキーの異色カップルがついに?渦井先生の「鬼島くんと天宮くん」が、ドキドキのラストを迎えます!吉野ルカ先生の「新月を見上げて」の最終回も見逃せない!他にも最高の盛り上がりを見せる連載作品が目白押し!是非あなたのお気に入り作品を見つけてみてね!
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個性的なオネエたちが切り盛りするバー・ヘルマ。バーテンダーとして働く礼士はその傍らで探偵を営み、客同士のトラブル解決などを請け負っていた。ある日、ノラネコのように薄汚れた少女・晶が母を訪ねて駆け込んできた。どうやら晶の母親は、礼士にも関わりのあるとある事件の鍵を握っているようで――!? 破滅を呼ぶドラッグに立ち向かう、オネエとノラネコの異色バディサスペンス!
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聖美は経理課で働いている。昼休みになると、いつも一人で弁当を食べていた。ある日、聖美の弁当をのぞき込んだ九堂が言った。「おいしそうだね。俺も食べてみたい」同じ経理課の九堂は大手の会社から転職してきた。聖美より十歳年上。落ち着いた雰囲気を漂わせ、女性社員から注目を浴びている。さらに、九堂は聖美に聞いた。「よく窓の外を見てるけど、何か理由はあるの」聖美には、夕方になるとそわそわする癖があった。暗くなる前に帰らなければ、と。九堂に指摘されて、聖美は当惑した。誰にも知られたくないことだったから。
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藍子は大学生。勉強とバイト三昧の忙しい日々を過ごしている。入学して間もなく、映画愛好会のチラシを配っていた柊と知り合った。気さくな人柄に魅了され、柊と親しくなりたいと思った藍子は入会することを決めた。互いに惹かれ合い、藍子と柊は交際を始める。とても幸せな日々を送っていたが、卒業が近づいたある日、柊の父親に呼び出された。「柊には、会社の後継者としてふさわしい縁談がたくさん来ている」別れて欲しい、と。
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収穫祭前の葉落ちの月、ネリネはずっと体の関係を持っていた長兄に貴族令嬢との婚姻が決まったことを理由に終わりを告げられる。
兄の下で働いていたネリネは傷つきながらも用心棒の仕事を続けていたが、観光に訪れていた貴族画家に、一番親しい友人にも見せたことのない泣き顔を、無意識に流していた涙を見られてしまう。
捨てられたことに傷ついたまま、兄との密事を忘れられず、ネリネは寂しさを自覚して画家と友人に身を預け…… -
「ところで織田くん。その趣味はいつ頃から発症なさったのです?」
「趣味じゃねぇよッ! 発症もしてねぇよッ!」夏休み。女の子しか募集していなかった超ド短期のアルバイト。姉ちゃんの「女装すれば?」という言葉にそそのかされ、実行してしまったオレ、織田明包。名前のフリガナを「アカネ」とだけ変え、あっさり採用されてしまったはいいが、癖になったらどうしようと思っていた矢先、クラス担任である平手先生に見つかってしまった。お話しましょうと女装のまま近所の公園まで連行され、どんな説教を受けるのかと思いきや……。
「どうやら僕は、織田くんのことが好きになってしまったみたいです。交際しましょう」
意味、わかんないんですけど。 -
唐で学問を修めて帰国した鎌足の長子・定慧は皆から敬愛された。しかし、彼の出自を巡り中臣の父子は時代に翻弄されるのであった
本編の主人公は、古代史ではあまり名の知られていない鎌足の長男・定慧です。彼と彼の家族を長く見守り続ける棊子(碁石)の目を通して、いにしえの出来事が語られます。
過酷な運命に翻弄されながらも、懸命に道を求めた一組の父子の物語です。
※なお、定慧の母には諸説あり、小足媛であるという説は梅原猛氏のご考察を参考にしております。本作はあくまでも古代史をもとにしたフィクションとしてお楽しみいただければと思います。 -
一人暮らしの比呂。
口煩い同僚。妹と名乗る女性。
毎晩かかってくる無言電話。
キミは……いったい、誰なんだ?一仕事終えて帰宅すると、すぐに無言電話かかってくる。
それも、毎晩毎晩、一日も休まずだ。
少しはおかしいなと思うが、別に実害はない。
元々呑気な比呂は、あまり気にをしていなかった。
だが、学生時代の先輩で、今は職場の先輩でもある月浦は、異様に心配する。
それはまるで、比呂の知らないなにかを知っているかのような口ぶりだった。
そして突然現れる、比呂の妹と名乗る女性。
謎が謎を呼び、物語は混沌としていく。
お前は、いったい、誰だ? -
――昴は、龍の児だ。
美しく凶暴な弟と、優しく淫らな兄。
龍児伝説に縛られた町で繰り広げられる、愛と葛藤の物語。龍児は奉納を繰り返され、町を守る。
龍の児として崇められている18歳の昴は、町の古い言い伝えによって行動を制限されていた。
鬱屈した思いは優しく従順な義兄、朝燈に性欲として発散されている。
「今年の祭りでは奉納されたくない」昴の発言に怯える母と、身を挺して言い伝えを守らせる朝燈。
結界から出ようとする昴に龍神は牙を剥く。朝燈の献身は意外な結末を迎えて…。
レトロな雰囲気漂うエロティックファンタジー。 -
雨の日に起こる不可解な死亡事故。隆久と幸也には他人事だ。そんな二人の前に、突然、妙な男が現れる
雨の日に起こる不可解な死亡事故。とはいえ、それはまったく他人事。隆久と幸也は平凡な日常の中で起こっているその事件を口にはするが、ほとんど無関心だった。今日もバイトにいく幸也と、学校にいこうとする隆久。ところが幸也が顔面蒼白で帰ってくる。妙な大男に声をかけられたというのだが──二人の友情は互いを守ることができるのか? -
シラー、どうか僕を君の婿にしてほしい――王妃になりたくないから逃げようとしたのに、そんな口説き文句、ヒドい!
シラーは男爵令嬢だが、実情はワイナリーの主の娘で、礼儀作法なんて大嫌いなじゃじゃ馬娘。祖父の時代にワイン造りの功績が認められ、爵位を与えられたので「貴族もどき」と自虐している。サイファー王太子の妃選びの舞踏会に招待され、嫌々王宮に出向いてきたものの、やっぱり我慢できず広い庭園に逃げ出してしまう。そこで出会った美青年にスカートの中を覗かれてしまったのだけど、なんとその美青年こそが!
逃げるどころかお妃最有力候補になってしまって……。 -
研修期間が終わり、勤めている会社で行われた新入社員の歓迎会。同じテーブルを囲う人たちが催眠術について語っているのを黙って聞いていたが、話を振られて「信じない」と答えたところ、隣の席にやってきた男性が「俺で試してみるか?」と言ってきた。それは、入社したときの教育係でもあった上司だったのだけれど……。え、嘘……催眠術掛かっちゃったんですか?! 解き方なんて知らないのに、どうしたらいいのっ?!
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一途な片思いのその恋は、中学校より続く雲の上の切ない恋。
才能溢れるその絵の力で画家を目指す僚介は、誰もが現役合格を疑わない、難関美術大学の受験に失敗して強気な性格も一時休止。初めての挫折感を味わう敗因は……憧れのヒーローは忽然と姿を消した。
そんな僚介は、家族と同じ親友がゴリ押しするその店で、自分を探しているとしか思えない求人広告を目にするが――!?
文化系美男子、体育会系美貌男子が織りなす「和」テイストの純愛・ラブストーリー。 -
「だって、篠原さんがいてくれるから」
突然の出会いから、いつの間にか指折り数えて待つ土曜日。
篠原と一緒の夕食は、家族を亡くし、毎日を精一杯生きる、何も無い拓歩の幸せな時間だった。
ところが、その幸せな時間には、実は理由があって――。
背伸びしたい恋と可愛いだけの恋。
等身大の恋物語第2弾! -
「綺麗で素敵な曲だけど……悲しくて寂しくて……大丈夫かな、隣の人……」
余儀なく新居に引っ越した有輝には、秘かな楽しみがあった。
それは必ず雨の日。隣の部屋から流れてくるピアノ曲を、こっそりベランダで聴くことだった。
そんな有輝は教育実習の初日、その音色の持ち主であり、隣に住む萩生田俊吾と出会うが――……。
戸惑いに笑顔、涙を越えて。
愛の音を紡ぐ二人の物語。 -
すみれには、なかなか恋人ができない。会社の同僚から男性を紹介してもらったが、あっけなく振られてしまった。そんなある日、すみれは幼なじみの丈哉と再会した。泣き虫だった頃が思い出されて恥ずかしかったが、幼なじみのポジションは居心地がよかった。このポジションでいつまでも安らいでいたいような。ここから先に進みたいような。すみれの気持ちは揺れ動く。
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小学校の入学式で出会った日から、香純は翔太郎に恋をしていた。けれど、翔太郎はサッカーに打ち込むために、すべての告白を断っていた。その気持ちを尊重して、香純は自分の想いを胸の中に隠してきた。高校の卒業式。長い片想いに区切りをつけるために、香純は翔太郎に打ち明けることを決意した。そんな香純に、クラスメイトの宏己が告白した。「好きです」と。宏己はサッカー部のメンバーであり、翔太郎の親友だった。
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和花子は華族の一人娘として、蝶よ花よと大切に育てられた。高等女学校に入学した年に、なつ江と惣治が新たな使用人として雇われた。二人とも和花子と同じ十三歳。けれど、なつ江は淫靡な雰囲気を漂わせ、惣治は小柄で痩せ細っている。和花子は惣治を弟のように思い、親しげに接した。歳月が過ぎ、一人前の庭師となった惣治はたくましい青年に成長した。庭の木を大切にしている和花子にとって、頼れる存在になっていた。一方、なつ江は和花子の父親に取り入って、正妻の座を奪うつもりだった。屋敷の中には不穏な空気が満ちていた。嵐は屋敷の中だけではなく、外でも吹き荒れていた。第一次世界大戦が終結して戦後恐慌が起こり、父親の会社にも暗い影を落とした。
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紫《ゆかり》は派遣社員として働いていた。上司の高梨は、若くして出世コースを歩んでいる。何かと絡んでくるが、紫には忘れられない人がいた。長く遠距離恋愛をしていたが、「もう待たなくていい」と言われたのだ。けれど、紫は未練がましく想い続けている。贈られたアメジストの指輪も捨てられない。アメジストは紫の誕生石だから。そのために、決して高梨の誘いに乗ることはなかった。ところが、衝撃的な事実を目の当たりにして、紫の恋心は打ち砕かれた。不覚にも高梨の前で泣いてしまう。さらに、高梨にも癒やせない傷があることを知り、紫の心に変化が訪れた。
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生理がこないと彼に相談したら「それ、オレの子?」ってどういうこと?! 「彼女と別れるつもりもない」って……私、彼女じゃなかったの?!
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看護師を目指して日夜悪戦苦闘中の杏菜。学校から帰ってきたら、なんだか怖そうな車が停まっているし、家には人相&服装の悪そうな男たちがいるではないか。何事かと思えば、事業が思わしくない父が不渡りを出したという。彼らの言い分は「お嬢さんが嫁いでくだされば借金は棒引きにします」というもの。そして彼らは力いっぱい任侠世界の人で。杏菜は組長に直談判に行くものの、逆に丸め込まれてしまう。70歳の組長の嫁になるの? 泣きそうな杏菜の前に現れたのは、竜爾という名の組長の息子。いきなり強引で濃厚なキスをしてきたかと思えば、今すぐ出て行けと突き放して――杏菜の未来はどうなるの!?
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長い休みは祖母と一緒に裁縫をするのが楽しみの私。祖母の家で完成させたハンドメイド作品は知り合いが委託販売してくれていて、仕事帰りにその店の前を通るのが日課になっている。しかし……ある日、遠巻きに店内の様子を窺っている怪しい人物を発見。それは毎日顔を合わせている男性なのだけれど、私に気付くと慌てて逃げていった。これは、後ろめたいなにかがあるということでは……? 考えたくないけれど、もしかして、ストーカーだったりします……?
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「……目覚めさせたのは香菜だよ。覚悟してね」派遣社員だった香菜は働きながらも資格を取り、ついに新しい会社で正社員へと転職したばかり! 明るくて前向きなところが長所な香菜だったが新しい会社での新生活、ゼロからの人間関係ではさすがに疲れ……。そんな彼女をフォローしてくれたのが先輩の紺野択也。決して器用な人じゃないけれども不思議と人を惹き付ける、そんな彼に香菜も惹かれていき――? 「今は恋愛感情なくてもいいんです」彼と一緒にいたい。彼を知りたい――!「紺野先輩が大好きです」優しすぎてちょっと抜けている択也としっかりものだけれどなにもかもが初めての香菜。初々しい二人のラブストーリー!
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中学時代、美乃里はクラスメイトから嫌がらせをされて学校へ行けなくなった。周囲はたちまち美乃里から距離を置いたが、美術部の副顧問・堂園だけが励ましてくれた。「学校へ行けなくても、大好きな美術は続けよう」それが堂園と繋がる唯一の方法だと信じて。ついに美乃里の想いは通じた。二十歳の誕生日を迎える秋に、堂園と再会することができた。
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会社の同期と交際していたけれど、あをいは裏切られて失恋した。同僚たちから好奇の目で見られ、いたたまれなくなって会社を辞めた。もう二度と恋はしない。誰も好きになりたくないと思っていたのに、取引先の相手だった慈雨と再会して心が揺らぐ。慈雨とは話が合うと感じていた。けれど、お互いに踏み込めないまま「仕事の知り合い」以上にはなれなかった。それには理由があった。慈雨は手痛い失恋を経験していた。
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僕、シトリン・ラブラドライドが、この魔法専門のパブリックスクールの門をくぐったのは、この国で定められている成人の年齢、一六歳になった春のことだった。
優等生枠に選ばれて、主席入学者のジャスパー・カクタスとの二人部屋を寄宿舎に与えられたが…
その日の内に僕は知らされる。女の子のようにされる快感を。
実家でのいい子の僕も、昼間の学校での優等生である僕も、本当じゃない。夜が来て、ジャスパーによって暴かれる「淫乱なメス」である僕が……「本当」の自分だった。 -
アルバイト先のクリーニング店に週二回ほど訪れる常連の男性が私の想い人だ。誰にも話したことはないけれど、その人と言葉を交わせる短い時間を私はいつも楽しみにしている。
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いい子だ、願望かなえてかわいがってやるから――なんて自分勝手なの、こんなヤツだったなんて……。入社六年目の曽我宏子は倉庫の奥で資料を探していたが、後から入ってきた社員が宏子に気づかず電気を消してしまう。真っ暗な中脚立から落ち気を失う宏子。電気を消したのはイケメントリオの一人、石原黎だった。石原は宏子をお詫びのディナーに誘う。断っても強引に、しかも他の社員からの印象を良くした状態で。実は俺サマ暴言を吐く腹黒オトコで!?女性に不自由しないはずの石原だがなぜか宏子に執着する。彼いわく、宏子は二大条件をクリアしているらしい。そんな勝手ばかり言われても困る!!反発する宏子はいつしか彼に惹かれてゆき……?
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喫茶店でアルバイトをしている相楽明良は、バイト後の店内で何者かに襲われ、キスをされてしまう。犯人のあとを追った明良の前にあらわれたのは、店長の妹尾と常連客の宮本、それから親友の佑輔の三人だった。
――俺の唇を奪ったケダモノは誰だ!
犯人を探してやろうとする明良だったが、それは思わぬ方向に進んで……。
犯人探しは、恋の始まり。 -
付き合い始めて十年も経つと新鮮味はないけれど、他の人では得られない安心感がある。こんな関係も心地がよくて私は好きだ。……そう思っていたのは私だけ? 出張という理由で約束を反故にされた私が街中で見たのは、彼と見知らぬ女性が仲良く歩く姿。これってどういうことなの……?!
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日本人とアメリカ人のハーフである父とスウェーデン人の母を持つ私だが、身長は低くフランス人形のような幼い顔立ちをしている。それは個性かもしれないがコンプレックスでもある。その容姿と内向的な性格のせいか、短大在学時からの就職活動全部が不採用。採用通知を受け取れたのは、短大卒業から二か月が過ぎた頃だった。配属先は秘書課。秘書課といえば女性の園をイメージしてしまうけれど、就職した会社の秘書室には女性秘書が私一人だけだった。
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会社の新人研修で仲良くなった同期の藤澤は飲み友達でもある。お互いの交際相手について相談をしたりされたりもしていた。大学時代から付き合っている彼氏からのプロポーズ待ちだったはずなのに……同じ会社の女性を妊娠させてしまったとの理由で振られてしまった。同期の藤澤を呼び出して愚痴っているうちに酔いが回って……気が付いたら藤澤の部屋で身体を重ねていた。
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会社では真面目で几帳面なイメージを持たれているらしいけれど、私生活では駄目駄目人間。家事全般が苦手でズボラでごみの収集日を忘れることも多々ある。そんな私を支えてくれているのは近所に住む年上の幼馴染。モーニングコールから始まって、家事は勿論、帰りが遅くなったときのお迎えまで。とても頼れるオニイサンなのだ。
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「今日のトレーニングはいつも以上に頑張ったじゃないか。ご褒美をやるよ」一流のモデルを目指す有栖は、毎日のストレスから一日一粒のチョコレートがやめられない。そんなある日、社長が「あと五キロ痩せろ」と連れてきたのは、ボサボサ頭に黒縁眼鏡、無精髭の長身の専属マネージャー。手がけたモデルで成功しなかった女性はいないと言われる凄腕マネージャーらしいが、渡されたダイエットメニューは超ハード! それでもチョコをやめられない有栖に「言うとおりに頑張ったらご褒美をやる」というマネージャー。ご褒美のために努力する有栖だが、マネージャーからのご褒美はチョコじゃなくて……チョコ以上に甘いご褒美に痺れちゃう!
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真夜中、騒がしさと変な臭いで目を覚ました私は、身体を起こして様子を見るために窓へと近付いた。カーテンを捲ると目の前には炎と黒煙が見える。自分の住んでいるマンションの何処かの部屋が火事になっているらしい。しかし、窓や玄関からは煙が入り込んできてもう逃げられない。パニックを起こすと同時に過呼吸にも襲われて、もう駄目だと死を覚悟したとき……私は助け出された。勇敢な消防士さんに。しかし、命拾いをしたと安堵したのもつかの間、災難というものは重なるようで……検査入院の後自宅マンションに戻ると掲示板には退去のお願いが貼られていたのだった。
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心待ちにしていた有名フラワーアーティストの個展で作品を破損させてしまい、弁償する代わりにアシスタントとして仕事の手伝いをすることになったけれど……この人性格悪すぎ! 花には優しいのにどうして人間には攻撃的なの?! 自分が悪いとはいえ、その扱いには納得がいかない。けれど、仕事に慣れてくると徐々に態度も軟化していって……。
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瑞帆は母の病死後、勤めていた農業機械メーカーを退職し、父と二人で食堂を営んでいる。慣れない仕事に戸惑う中、酔った常連客の口説き文句を真に受け、彼の恋人に「自意識過剰女」と罵られてあえなく失恋。そんな瑞帆の元に子犬系後輩・拓海が帰ってきた。客に絡まれているところを助けてくれて見直したのも束の間、「男を甘く見るな」と強引にキスされる。それからも何かと迫ってくる彼。それは本心? それとも、ただ酔ってキス魔になってるだけ? 拓海の気持ちがわからないまま、彼のキスに翻弄されて……?
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念願のプラネタリウムへの就職ができたのに、施設がハイテク化されていて人間の行う業務は少ない。チケットの販売やもぎり、ホールでは注意事項を述べるだけで上映中はお客さまの監視。大好きな星空とはあまり関係のない仕事ばかりである。特にお客さまの監視はストレスだ。それも、場内担当を任されるときに限って非常識なお客様が来場するのだから私には運というものがないのかもしれない。そして、今日も困ったお客様が……。
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友人の結婚式の際、母に着付けてもらったことで興味を持った着物。自分一人で着られるようになりたくて、母の勧める着付け教室に通うことを決めた。母と同年代くらいの女性だと聞いていたのだけれど……実際に現れたのは、私よりも少し年上と思われる和装の似合う男性だった。彼の母親である着付けの先生がぎっくり腰で動けないため、着付けの指導を彼がしてくれるという。臨時とはいえ着付けの先生が男性だなんて……!
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「どの恐竜だったら、家で飼えますか?」自然科学博物館に勤める“恐竜博士”の北谷竜也は、ある雨の日、風変わりな質問を受ける。絵本作家を名乗った彼女は、恐竜を飼う話を描きたいのだという。竜也は彼女に、一体の肉食恐竜を紹介した。その恐竜はレイニーというニックネームを持ち、大型犬ほどのサイズで、全身をふさふさの羽毛で覆われた愛らしい姿をしている。彼女はレイニーに夢中になった。そして数ヶ月が過ぎたころ、竜也は偶然、まちなかのカフェで彼女を見かけた。難しげな顔で、男と話をする彼女。翌日、博物館に再来した彼女は、どこか元気がなくて……。恐竜博士と絵本作家、夢見がちな二人の、大人向けほんわかロマンス。
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弓子は二十七歳。雑居ビルの中にあるオフィスで働いている。一人娘のために、親からは結婚のプレッシャーを受けていた。けれど、お見合いではなく、恋愛から結婚に至りたいと考えている。そんなある日、ふとした出来事をきっかけにして、若い警備員と話をするようになった。「ダブルワークをしている」と聞いて驚いたが……。
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ある日、出張から帰ると私の大事な熱帯魚が死んでいた。落ち込む私に社長が紹介してくれたのは一軒のアクアショップ。地味な店だが、愛想のいい従業員は熱帯魚の飼い方を親切丁寧に教えてくれるし、熱帯魚の話ができて、熱帯魚がいっぱいで居心地は最高! 暇を見つけてアクアショップに通う私を見て、社長も興味を持ったらしく社長室で熱帯魚を飼いたいと言い出した。すっかり顔馴染みになった店員さんが水槽設置に来てくれたけれど……?!
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暇があれば図書館に通う本の虫。開館時間から閉館時間まで居座るのも珍しいことではない。そんなある日、高い位置の本が取れなくて唸る私を見て笑う男性が。本を取ってくれたのはありがたいけれど、今笑ったよね? 笑いましたよね? さらに「高校生?」だなんて訊いてきた。なんか凄く感じ悪いんですけど! そんな第一印象最悪の男性はどうやら図書館関係者らしい。
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私がテニススクールに通い始めるきっかけは一枚の生徒募集チラシだった。そこに載っていたコーチに一目惚れしてしまったのである。私はすぐに入会手続きをしてお目当てのコーチが指導する時間帯に通い始めた。それが二年前。なのに、運動が苦手な私は今でもコーチと親しくなれない上に、テニスの上達も見られない。今日も、道具の寄せ集めにボールをたくさん叩き込んでしまった。それを拾っていると、コーチの顔が近くにあって……。え? 今のって……キス?!
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彼は約束の場所に来なかった。何の前触れもなく突然姿を消したのだ。納得できない私は二年経っても約束の場所に立ち続けていた。そんなある日、終電間際のホームで電車から降りてくる彼を見つけた。声を掛けて呼び止めたけれど、その口から発せられたのは……“どちらさまですか?”という信じられない言葉。別れは決定的だった。なのに、偶然の再会がきっかけで会社を知られ、半ば強制的に連れて行かれた飲み屋で彼の発した言葉の意味を知る。頻繁に現れる彼と過ごす日々は長く続かない。怒り狂う彼の恋人に階段から突き落とされ、その日を境に音信不通となったのだ。そして再び巡ってきた約束の日、約束を知るはずのない彼がそこにいた。
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不況のせいで父が経営していた会社が倒産した。父の会社で働いていた私も当然職を失い、職安通いの日々。そんな中、追い打ちをかけるように両親が置手紙を残して蒸発。落ち込む私の前に現れたのは学生時代に付き合っていた元カレだった。住み込み家政婦の仕事を紹介され、その話に飛びついたけれど……勤務先は元カレのマンション。ねぇ……どうして私を雇ったの?
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地方銀行に勤務して三年目の宮本美咲は、明るく仕事も頑張る25歳。同期入社の石橋くんとは一緒に昼食を食べたり愚痴を言ったり、何でも話せる友達以上恋人未満の関係。優しく頼りになる彼に惹かれていく美咲だったけれど、「僕は、同じ職場の人とは付き合わない主義だ」と言われてしまう。気まずくなりたくない美咲は、恋心を封印して友人のままでいようと決意する。しかし、押さえようとすればするほど“好き……大好き”切ない想いが溢れだして……。奥手な銀行員、美咲の恋の行方は……?
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結婚を控えたOLの彩菜はホテルで知り合ったオーストラリア人と濃密な夜を過ごし女としての悦びに目覚める。マリッジブルーに陥る彩菜に次々と誘惑の魔の手が伸びてきて迷いを抱えたままながら抱かれてしまい。
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デートでやって来た動物園。楽しんでいた私たちの傍にやって来た女性集団がその気分をぶち壊した。もともとモテる男だが、私は自分が本命であると疑わなかったのに……彼の口から発せられた言葉は、私自身が浮気相手だというようなニュアンスだったのである。怒った私は持っていたソフトクリームを男性の顔に押し付けて一人で園内を歩いていた。そこに声を掛けてきたのは薄汚い恰好をした動物園の飼育員。ふれあい広場で小動物たちと触れ合い、落ち着きを取り戻した私は、頻繁にそこへと足を運ぶようになっていった。
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就活中のゆりはバイト先に現れた島田にスカウトをされて秘書として勤務。歓迎会で島田や先輩秘書の睦美に夜の手ほどきをうける。クビにならないようにと取引先の企業家を誘惑して関係を持つのだが…。
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誰もいない屋上でランチをして、昼寝をするのが入社して以来三年間続く私の日課。だけど、その日は違った。いつものようにアラームで目を覚ますと目の前には見知らぬ男性が立っていた。そして、自分に掛けられた上着。見覚えのないその人が違う会社の人であることだけは確かだ。「起きたか」初めて会ったその人はそう言って煙草の煙を吐き出した。それ以来、頻繁に遭遇するようになったけれど……あなたは誰? 何者なの? 毒吐きで意地悪で腹が立つのに……どうして惹かれていくの?
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湖雪には母親がいない。小学校へ入学した年に家を出て行った。以来、父親と助け合いながら二人で暮らしてきた。クリスマスの夜、「早く帰る」と言ったのに父親はなかなか帰って来ない。心細くなった湖雪はドアの外で待つことにした。雪がしんしんと降り、寒さが身に染みる。涙がこみ上げてきたときに、どこかから歌声が流れてきた。「どんな人が歌っているんだろう」――泣かないで、泣かないで。きれいな歌声は、まるで湖雪を慰めているように思えた。
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同僚に内緒でつきあっていた上司に突然、別れを告げられた彩。二股をかけられていた事実まで知り、ショックのあまり会社を休んでしまう。そんな彩を心配し、アパートへ見舞いにきてくれたのは、新入社員の羽鳥佑真だった。彩にとって佑真はかわいい弟のような存在。まったくの恋愛対象外だったが、ひょんなことで彼に「恋人の代役」を頼む羽目に。ところが、満月の夜、待ち合わせ場所に現れた佑真は、ふだんとは全く違い、落ち着いた大人の男の雰囲気を身にまとっていた。それはもう、一目で恋に落ちてしまいそうなカッコよさで――。年下男子に翻弄されるOL彩の甘くてちょっとエッチなロマンチック・ラブストーリー。
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月夜に“白馬の王子様”が現れた!? お人好しの泣き虫OL・水原桃と北欧の王子様が繰り広げるロマンチック・ラブストーリー♪
毎日のように上司に小言を言われ凹んでいた桃。そんなある晩、憧れの先輩社員に食事に誘われ有頂天に。ところが、待ち合わせ場所に向かう途中、少年達にぶつかりからまれてしまう。そこに颯爽と現れたのが、金髪碧眼の美青年・レオだった。助けたお礼に“逃げ道”を教えてくれと頼まれて……いったい、この人何者なの!? 突然、お姫様抱っこされたり、跪いて手を握られたり、涙をキスで拭われたり、ドキドキさせられっぱなしの桃。レオの素性を知らないまま、二人の甘酸っぱい逃避行が始まる!!
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