『澁澤龍彦、501円~800円(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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著者の博学多識ぶりを証明するエッセイ集。
化学は錬金術の正統な娘ではなかったけれども、いかさま錬金術師をもふくめて、金属変成を夢みた多くの道士たちのでたらめな実験のなかから、数々の貴重な化学上の発見がもたらされたのは事実であった。いってみれば、化学は錬金術の私生児みたいなものだったのである。(「錬金術夜話」より)
博覧強記、博学多識で知られる澁澤龍彦が、錬金術をはじめ、処女生殖、タランチュラ、コクトー、泉鏡花、推理小説、絵画、舞台、映画など多種多様な事柄について、縦横無尽に論じたエッセイ集。
雑多なテーマを取り上げているように見えるが、一つひとつの作品が他者にはまねのできない切り口と深みをもっており、いつしか澁澤ワールドに引き込まれていく。 -
隠れた異才にスポットを当てる澁澤流文学史。
隠秘学を追究し女性崇拝者でもあったエリファス・レヴィ、あえて強盗や殺人を犯し、断頭台の露と消えたピエール・フランソワ・ラスネール、独特のナンセンス詩を書いた発明家シャルル・クロス、そして50歳以上も年の離れた少女を偏愛し、死の3日前まで愛の行為をつぶさに日記にしたためたサド侯爵――。
正当な文学史なら話題にのぼらないであろう“狂気”の人物13名を、独特の感性で発掘、評論した澁澤龍彦ならではの文学史。 -
人生に目的などありはしない──すべてはここから始まる。
曖昧な幸福に期待をつないで自分を騙すべからず。
求むべきは、今、この一瞬の確かな快楽のみ。
流行を追わず、一匹狼も辞さず、世間の誤解も恐れず、精神の貴族たれ。
人並みの凡庸でなく孤高の異端たれ。
時を隔ててますます新しい澁澤龍彦の煽動的人生論。
【目次】
第1章 幸福より、快楽を
第2章 快楽を拒む、けちくさい思想
第3章 快楽主義とは、何か
第4章 性的快楽の研究
第5章 快楽主義の巨人たち
第6章 あなたも、快楽主義者になれる
※電子版には文庫収録の三島由紀夫氏による推薦文は掲載しておりません。 -
澁澤龍彦没後30年。遺作となった伝説の傑作幻想小説が、いま新たな装いで!
平城天皇の皇子に生まれ、嵯峨天皇即位すると皇太子に立てられるも、父上皇と天皇との諍い(薬子の変)により廃された高丘親王。出家し弘法大師の直弟子となった親王は、東大寺大仏の再建に尽力するなど重要な働きを果たすが、晩年に至り朝廷に入唐求法の願いを出し、唐へ渡った。
親王の真の願いは、幼き日に父帝の寵姫藤原薬子に教えられ、憧れていた天竺を訪れることだった。
貞観七(865)年正月、高丘親王は唐の広州から海路、天竺へ向かった。鳥の下半身をした女、犬頭人の国など、怪奇と幻想の世界を遍歴した親王はやがて旅に病み、その心に去来したものとは……。
無類の面白さと、静かなる気品に満ちた傑作幻想小説。著者の死後に読売文学賞が与えられた。
高橋克彦さんの傑作解説も再収録! -
反社会、テロ、スキャンダル、ユートピアの恐怖と魅惑など、わいせつ罪に問われた「サド裁判」当時に書かれた時評含みのエッセイ集。若き澁澤の真髄。没後30年を機に新装版で再登場。
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古代ローマの饗宴での想像を絶する料理の数々、フランスの宮廷と美食家たちなど、美食に取り憑かれた奇人たちの表題作ほか、18のエッセイを収録。没後30年を機に新装版で再登場。
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母性の女神に対する愛の女神を貞操帯から語る「女神の帯について」ほか、乳房コンプレックス、サド=マゾヒズムなど、エロスについての16のエッセイ集。没後30年を機に新装版で再登場。
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ボマルツォの怪物庭園、プラハの怪しい幻影、ノイシュヴァンシュタイン城、骸骨寺、パリの奇怪な偶像、イランのモスクなど、初めての欧州旅行で収穫したエッセイ。没後30年を機に新装版で再登場。
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澁澤が最後に描いた“偏愛の世界”随筆集。
少女、鉱物、交友、幻想、書物――1987年夏、咽頭癌が原因で惜しまれつつも帰らぬ人となった澁澤龍彦が、その晩年に表題作だけが定められた一冊のエッセイ集刊行を約していた。
晩年の澁澤のエッセイを元に編まれた、文字通り「最後の著作」には、鬼才が偏愛した世界が珠玉のように散りばめられている。
あとがきとして、妻である澁澤龍子が澁澤の闘病生活と、“最期”の場面を克明に描いており、貴重な記録でもある。 -
欄外の余白(マルジナリア)鏤刻の小宇宙。
強靭な思考力と該博の知識による、マルジナリア(欄外の余白に嵌め込まれた書き込み)の絢爛たる鏤刻の小宇宙・―エドガー・ポーのひそみにならい書き継がれた多彩な断章の集積が、いま異色の読書ノートとして顕現する卓抜なエッセイ集。
著者晩年の雑文集にて、映画「E・T」への考察、作家・石川淳への言及等、多彩な「マリジナリア」が、読書録として纏められている。 -
古代ローマの大博物学者プリニウスが書いた『博物誌』は当時の世界の見聞を収めた大事典として名高いが、なかでも火とかげサラマンドラや海坊主、大山猫など幻想的な動物たちが面白い!新アンソロジー。
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物と観念が交錯する「アラベスクの世界」。
蟻地獄の観察日記をつけ、好きな花といえばタンポポ。そして76年に一度飛来するハレー彗星を待ちわびる。裸体・虫・ポルノ・飛行船・地球儀……。古今東西の書籍を渉猟し孤高の境地を拓いた文学者が、初めて「私自身」=ミクロコスモス=を語りつつ綴った、物と観念が交錯するアラベスクの世界。
1978年30回にわたって「朝日ジャーナル」に連載された澁澤龍彦後期のエッセイ集。 -
澁澤龍彦 渾身の処女エッセイ集。
マルキ・ド・サドの思想を縦横に紹介しつつ、フーリエ、マルクス、トロツキー、ブルトン、バタイユなどの精読を通して、テロル、暴力、自由、美、ユートピアなどについて独自の考察を開示し、自らの文学的位相を確然と宣言した記念碑的なエッセイ8篇。
「ソドムの120日」を始めとするサド文学論や、サドの生涯を簡潔かつドラマチックに密度濃くまとめた小論等、筆者の冴え渡る筆遣いで、20世紀のサドが生き生きと甦る。
サド的明晰性につらぬかれた筆者の過激な想念が、いま再び思想の〈現在性〉を問う、澁澤龍彦31歳時の“渾身”の処女エッセイ集である。 -
「赤頭巾ちゃん」にしても「眠れる森の美女」にしても、本来は血なまぐさくセクシャルで残酷な民話だった。ペローの童話はその味わいを充分に残しながら、一方では皮肉な人間観察や教訓をおりこみ、童話文学の先駆的作品となった。この残酷で異様なメルヘンの世界を、澁澤龍彦は流麗な訳文で、いきいきと甦らせた。大人も子供もともに楽しめる決定版童話集!
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身も心も美徳に捧げ、美徳のために生きようとしたがために、悲惨な出来事に次々と遭遇し、不幸な結末をむかえるにいたる美少女ジュスティーヌ。悪徳に生きた姉ジュリエットの物語と対をなすこのジュスティーヌの物語は、サドの代表作として知られる傑作である。ジュスティーヌの物語には三つの異本があり、本書はその最後の稿にあたる決定版である。
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ガラスの金魚鉢に見つめられ、妄想を駆り立ててゆく男の心理を追う「撲滅の賦」、狼の子を宿す女の幻想を描いた「犬狼都市」のほか、両性具有の王と彫刻師が織りなす古代ギリシャ奇譚「陽物神譚」、彷徨する幽霊船上でのドラマ「マドンナの真珠」、著者唯一の推理小説ともいわれる「人形塚」など9編を収録。読む者を迷宮世界に引き込む魅惑の初期幻想小説集。
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