『文春文庫、篠田節子(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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偶然出会った二人の旅は――。心躍る人間賛歌
とある事情で東京を目指す女性が、なぜか強面ヤンキーの運転する軽トラに乗るはめに。旅のスリルと人間ドラマの妙味あふれる中篇集。
※この電子書籍は2021年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
現代人の心の淵と魂の再生を描く圧倒的筆力
豪農の跡取り、結木輝和はネパール人のカルバナと結婚したが、両親が相次いで死に、妻の奇異な行動で全財産を失う。怒り、悲しみ、恐れ、絶望……揺れ動き、さまよいながら、失踪した妻を探して辿り着いた場所は神の山ゴサインタンの麓だった。現代人の根源にある魂の再生を力強く描く、第10回山本周五郎賞受賞作。 -
科学の発展の先にあるものを描く、現代の黙示録!
レアメタル入りのウナギ、蘇生した縄文時代の寄生虫、高性能サル型ロボット…。
科学技術に翻弄される人類の幸福はどこにあるのか!?
駿河湾で揚がった巨大ウナギを食べた人間が食中毒にかかった。
原因はウナギの体内に残留していたレアメタルのパラジウム。
非鉄金属を扱う会社の社員・斎原は、そのウナギが日本の資源確保の切り札になると確信し、生息地を追ったが……(「深海のEEL」)。
科学技術に翻弄される人間たちを描く、現代の黙示録。 -
楽園は戦場と化した。女たち、生き残れ!
南国のリゾートに出掛けたOL3人は、内乱により戦場と化した島で生き残れるのか?
文明の意味を問う、スリルと感動の1300枚
ノンキャリ公務員の真央子、買い物依存症の祝子、不倫の恋に悩むOLありさの三人組は、バカンス先のバヤン・リゾートで、テオマバル国の内乱に巻き込まれる。
ゲリラの手に落ちた島で、虐殺を逃げ延び、彼女たちは生き残れるのか……?
圧倒的なスケールで、異文化接触地点(コンタクト・ゾーン)での女たちの闘いを描いた感動巨編。 -
四国遍路の帰路、冬の海に消えた父。
家族、男女関係の先に横たわる人間存在の危うさを炙り出した傑作長編。
企業戦士だけれど、子煩悩だった父。だが父は、二十年間ひとりの女性を愛し続けていた。
一度は夫の裏切りを許し、専業主婦として家庭を支えて生きてきた母は、父の退職後に発覚した事実に打ちのめされる。
それなりに安定した幸せな家庭を作ってくれた父が、四国の遍路を終えた時、冬の海に飛び込んだのは何故なのか。
家庭の外にもう一つの世界を持っていたその心中とは?
次女の碧は職場に休暇願いを出し、父の最後の旅を辿ろうと決めた。
日本の標準的で幸せな一人の企業戦士の、切なく普遍的な人間心理。
四国遍路のリアルな光景を辿るうち、読者も自身の人生、男と女の根源的関係に思いを馳せることになるに違いない。
変容し続ける作家・篠田節子の到達点。
解説・八重樫克彦 -
自殺者がのこした音楽テープは遺言なのか、それとも怨念なのか。曲を聴いた児童はひきつけを起こし、押入れのチェロはひとりでに弦をはじく。送り主は松本の旧家で作曲をたしなみ、同人誌を発行する「高等遊民」。気味の悪さにテープはうち捨てられるが、音楽だけ別のテープへと乗り移る。死者の真意をさぐるために音楽教師の瑞穂は奔走、その途上、彼女自身が封印してきた過去があばかれることに……。『女たちのジハード』で直木賞受賞の著者による異色ホラー長篇。
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脳に障害をもつ由希が奏でる超人的チェロの調べ。言葉を解せず、道徳を持たない女性にもたらされた才能は、中堅どころの音楽家によって恐るべき開花を遂げる。しかし、難曲をこなし、自在に名演奏を再現してみせるその旋律には、自己表現が決定的に欠けていた。彼女の音に魂を吹き込もうとするチェロ奏者・東野。<天上の音楽>にすべてを捧げる二人の前に次々と起こる超常現象と奇怪な事件。崇高な人間愛と世俗の欲望を圧倒的筆力で描く文芸ホラー長篇。
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「腕を一本、芋の根元に埋めてくれ」大教団幹部の伯父から託された奇妙な遺言。痴呆の進んだ老人の戯言なのか。葬儀にきた旧友の暗い表情は何を語るのか……。答えは遠い異国の大自然に埋もれていた。衝撃的な事実が神秘の世界を呼び起こす表題作ほか、男運が尽きた女が自殺しようと訪れた地で思わぬ運の反転を招く「ニライカナイ」、夫の幼児虐待の不気味さを描く「コンクリートの巣」など、別世界への扉を開けてしまった孤独な現代人の心の闇に迫る六つの幻想短編集。
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