『徳間文庫、西村寿行(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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夕暮れの峠の茶屋に、一人の女性が車の故障で助けを求めてきた。親切を装う茶店の夫婦は彼女に猿轡を噛ませ凌辱する。峠で失踪した妻を探し執念の捜査を続ける警視庁刑事の曾我は、一年三か月後、白骨化した妻と対面した。一方、諏訪湖を見渡す峠に、茶店の借り受けを申し出る夫婦があった。店の所有者桐生は、夫婦を性の奴隷として屈従させ、異常な関係を続けるが……人間の業の深淵を描く表題作他、全四篇。
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気象環境研究所のエミリーは、生物全てが突然死したシルクロードの村を調査するため赤い国に入国し消息を断った。彼女は収容所で性奴隷となっていた。時宗(ときむね)首相は親戚にあたるエミリーの救出を仙石文蔵(せんごくぞう)ら超人四人組に依頼する。地獄から奇跡的に救出されたエミリーは強い正義感から今度は森林破壊調査のため南米アマゾンへ向かう。そこでは大国のエゴが絡む恐るべき実験が進んでいた……。
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政界の黒幕として君臨した槐島佐吉(けじまさきち)。彼は密かに小樽からレポ船に乗り、赤い国首脳と接触する。だが、オホーツク海で死体となった。敗戦時、槐島は赤い国と密約を交わし、首相にまで登りつめた。それをいま、軟禁中の反体制作家イワンに暴露されようとしていた。仙石文蔵は時宗首相からイワン拉致の依頼を受けるが、赤い国は先手を打ち仙石の愛人を人質にする。シベリアを舞台にした大死闘!
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強欲成金の親子に殺人予告状が送付され、道楽息子が殺された。戦慄した父親は暴力団に警護を頼むが、四十人近い組員もろとも皆殺しにあう。さらに財団連会長に新たな殺人予告状が届く。警視庁は万全の警備態勢を敷くが、娘になりすました何者かが侵入し、会長は殺害された。重大事案発生に、時宗(ときむね)首相は仙石文蔵(せんごくぶんぞう)を頼る。文蔵の戦時中国での因縁に絡む犯人像が浮かんだ。ハードロマン巨篇。
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赤い国が建造した最新鋭原子力潜水艦“赤い鯱(しゃち)”がオホーツク海で米国原潜のレーダーに捕捉された。米軍艦隊は総力を上げて追跡するが、巨大原潜は悠々と姿を消した。軍事優位逆転の事態に米国防総省は戦慄する。「赤い鯱を捕獲せよ」──仙石文蔵をリーダーとする四人の超人集団に白羽の矢が立った。深海潜水艇に乗り込んだ四人の男達は小笠原海溝へと潜航するが……大長篇ハードロマン。
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新型コロナウィルスの出現を予見したパニックサスペンス長篇!
イタリアのテロ組織リーダー、ジョルジュ・コロンボは、潜伏中に起こした交通事故現場から、愛人を残して逃走した。
その女性が原因不明の新型ウィルスに感染していた。
発症後の死亡率は百パーセント。戦慄が世界を走った。
各国が国境を封鎖し感染を食い止めようとするなか、癌病船・北斗号が病原体解明に乗り出した。
だが、なす術なく犠牲者は増え続けるばかり。
感染者と思われるコロンボも人質を盾に卑劣な逃亡を続ける。
唯一の手掛かりはアフリカの地にあった…。 -
人類とウィルスの闘いを描いた、壮大なスケールのヒューマン大作。
新型コロナの時代を予見した先駆的小説!
世界保健機構WHOの付属機関リチャード・スコット記念財団は、
故人の遺志により超巨大船舶・北斗号を建造した。
人呼んで「癌病船」。財団の資金を惜しげもなく投入したこの医療船には、
最新鋭の医療機器が搭載され、三百名を超える医師が治療に従事していた。
船長はスコットの友人で誇り高き海の男、白鳥鉄善。
病院長には故人の構想に共鳴したゲーリー・ハリソンが就任。
八百人の患者を収容し、人類の叡智を集めた医療技術を駆使し、
ウィルスとの闘いの船出に就くが……。
世界中の難病患者の希望を乗せた巨大船は、
紛争の絶えない寄港地で、さまざまなトラブルに巻き込まれる。
はたして人類は病魔に打ち勝つことができるのか。
壮大なスケールで描く長篇アドヴェンチャーロマン。 -
九月、伊豆大島の岩肌にブダイ釣りに興じる一行――作家西村寿行と錚々たる編集者二十人。そのうち一人が奇声を発して巨大なトラ河豚を釣り上げた。が、死んだように凪ぐ海に、西村は異変を悟っていた。すでに一行は三途の川を渡ってしまったのだ。西村の料理したトラ河豚が原因で。そこは黄泉国、戻るすべはもうない。狂気に逸る日本の知性たちの、恐れを知らぬ地獄冥府への旅が、こうして始まった。
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由緒ある平家部落の全村民が、ある日、忽然と消え失せた! 秘境・鬼無村に何が起こったのか? 生き残った父・高時の口から消滅事件の恐るべき真相を知った逢魔麻紀子は、報復の決意を固め、警察庁特別捜査員・真庭正之と巨大な組織に反撃を開始したが、術中に陥ち、絶海の孤島・竹生島で涯しない凌辱の日々を送っていた……。
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平家の落人部落といわれる鬼無村の全村民が、ある日、忽然と消え失せた!謎を探る逢魔麻紀子の霊夢には、雲切り峠に棲むという透明な鬼と死力を尽くして闘う父・高時の苦悶の形相が……。秘境の地に、果たして何が起こったのか!? 見えない敵に向かって、秘伝の杖術を駆使する羽麻紀子と、警察庁特別捜査員・真庭正之の執念の反撃が始った。著者渾身のハードロマン大作。
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黄泉国もしょせんは幻戯、釈迦が仏教哲理を駆使して支配する異次元世界にすぎぬ――劫河に在るという地蔵菩薩の加護に賭けた西村は、猜疑と狂気、恐慌と日和見に明け暮れる編集者たちを糾合、遂に軍団を結び、冥府中枢への攻撃を画策。地獄を乗っ取ろうというのだ。鬼あり、奪衣婆あり、幻術吏あり。珍獣、珍酒限りなし。絢爛たる地獄図会の中、二十二人の妄者は嬉々として迷走していく。
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新宿にあるホテルの浴室で、関東道路公社調査課課長・高路の溺死体が発見された。酒に酔いタイルに頭部をぶつけ昏倒した末に死んだということらしいが、警視庁捜査一課の最古参である遠野松次刑事は、頭がぶつかるのを防ぐのにタイルの壁に掌紋を残さなかったことに不審を抱いた。捜査を開始するうちに、高路が、関東道路公社東京支社長とともに、野沢建設社長と会合していたことが明らかになってきた……。
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風雨吹き荒ぶ深夜、野上広に替わって妻が無免許運転をしていると、突然視界を塞ぐように赤と黄の蛾が舞い上がり、バンパーが何物かをはねた。気が付くと、若い女がうつ伏せに倒れている。夫婦は逃げ出した。一週間後、上田と名乗る男から脅迫電話があり、五十万円を要求された野上は支払うしがなかった。さらに一カ月後、再び野上家の電話が鳴った――。傑作中篇集。《幻の初期作品「炎の記憶」を初収録》
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明鏡流杖術の名手・逢魔紀魅は、死の床にある母・麻紀子から父の消息を知らされた。暗殺船〈レグルス号〉――東西両陣営に最も危険視されたクルーザー武装団のキャプテン・アキバが父だというのだ。同じ頃、暗殺船は某国政権転覆を請け負い、インド洋上にあった。そのアキバに、紀魅失踪の報がもたらされた……。血染めの海岸に凌辱の嵐ふくハードロマン巨篇。名作「峠に棲む鬼」続篇。
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警視庁捜査二課の三影は厚生年金福祉事業協会と関東観光をめぐる汚職の摘発・捜査に当たっていたが、事件の鍵を握ると思われる同協会設備課長江波は逮捕寸前に行方を絶った。関東観光の背後には、秋武の存在があった。秋武は厚生大臣とも昵懇な交際を持ち、名の売れた事業家だが、日本暴力集団の“陰の総長”と渾名されてもいる。三影は江波失踪後の留守宅を訪れた男を追って南アルプスに踏み込むが……。
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秋武と張に捕らえられ、未だ警察にその存在を知られていない、南アルプス山中の麻薬栽培農場で奴隷として死にも勝る屈辱を受けたうえ、殺人まで犯した三影にとって、官憲の力に頼らず、己の力だけで報復することのみが生き続ける理由となった。一方、秋武と張の間にも亀裂が生じつつあった。秋武は張の国外脱出を援助する交換条件として、張の支配する麻薬密輸密売の権利を手に入れようと計画しはじめたのだ。
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警視庁警視・徳田左近は海上遭難を装い、まんまと超豪華クルーザーに救出された。狙いは船のオーナーの御子神軍児。世界的な名花クレマチスに魅入られ、幻の新種の作出に執着する大コンツェルンの総帥でもある御子神が、一年前に公海上で水葬に付したクレマチス美術会副理事長・神崎の死因に疑惑があったからだ。妖しの花に溺れていく男の妄念を描く表題作他、好評徳田左近シリーズ二篇を収録。
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無法のブラジル奥地、開拓農園を匪賊(ガリンペーロ)・毒蛇(ジャララックス)が襲い、根岸夫妻は虐殺され、幼い兄弟だけが残された。日本の警察庁から派遣された浅脇警視正は、匪賊と日本の過激派が手を組んだとの情報を得、襲撃者を追う。それから五年後、復讐の決意を秘めている根岸兄弟の前に、再び暴行と掠奪のかぎりをつくす毒蛇が姿を見せた。ジャングルと貧困、凄絶な掟と赤い土(テーラ・ベーリョ)の地平に渦巻く野望。巨匠の異色バイオレンス巨編!
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死神シリーズ第7弾。八王子で警察官連続殺害事件、宗教法人の貸し切りバス爆破事件が相次いだ。当局の必死の捜査にもかかわらず、容疑者の顔は浮かんでこなかった。威信の失墜に蒼白となった警察庁警備局長は、テロリスト・ハンターとして世界に名を馳せた中郷広秋と伊能紀之に白羽の矢を立てた。毒を以て毒を制す――「死神コンビ」の復活だ。姿なき凶悪犯に容赦ない血の裁きを加えるときが来た。巨匠渾身の長篇ハードロマン。
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学生会館が出火し、居住者の学生一人が焼死した。被害者が所持していた現金も消えていた。所轄の中原刑事は学費滞納で除籍になっていた安田を自白へ追い込む。しかし男は法廷で自供を覆したのだ……裁判制度の矛盾を抉る長篇サスペンス!
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佐渡を飛び立ったセスナが北アルプス上空で行方を断った。搭乗者は東洋銀行頭取を始め五名。一方、プロダイバーの出雲も愛する妻子の帰宅を待ちわびていた。妻子が遭難したセスナに同乗した可能性を疑った出雲は佐渡に飛ぶ。彼はそこで妻が頭取に犯されたことを突きとめた。さらに、奇跡的に遭難者全員が救出されたが、その中に妻子の姿はなかった。出雲の執念の追及が始まった。復讐のハードロマン巨篇!
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記者・寺本徹が月山で異様な光を目撃した直後、巨大な土石流が発生した。同じ頃、悪天候を突き朝日連峰を深夜飛行するヘリがあった。ヘリに疑念を抱いた寺本は娼婦殺害容疑で追われるが、気象庁技官の協力を得て、真相追及に執念を燃やす!
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戦国時代の怪魚伝説が残る北陸の町に、ある日一人の男が忽然と現れ、自分は町の名家黒須家の次男平吉だと名乗る。当主吉孝は二十年前に行方不明となった弟の出現に不安を覚えた。莫大な遺産相続に加え、怪魚が現れた年に生まれた者は災いをもたらす、という黒須家の呪いを平吉が宿していたからだ。平吉の魔性は目覚め、あてがわれた嫁を嗜虐的に犯し、兄嫁をも肉欲で貫く。狂気の長篇官能ハードロマン。
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山東まさの車が、崖から濁流の天竜川へと転落した。目撃者は、彼女が車の前を走る白い犬を轢き殺そうとして追っているように見えたという。確かにブレーキを踏んだ跡はなかったが、犬の足跡もなかった。保険調査員、尾形は山東家が短命の女系家族で、明治時代に彼らの里が山津波で潰滅したことを知る。謎の背景には、数世代前の山東家のおぞましき因縁が関わっていたのだ。戦慄のハードロマン全七作。
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作家・能海十蔵は帰宅途中、交通事故に遭った女性を病院へ送り届ける。十三年後、死の床にある件の女性から、面会の申し出を受けた。宴席が用意され、もてなされる十蔵。が、気づくと監禁され理不尽な尋問が始まった。傑作ハードロマン集!
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東京地検のエリート検事・杜丘冬人は、新宿駅の雑路で突然、女性から強盗強姦犯人だと指弾される。濡れ衣を着せられたその日から地獄の逃亡生活が始まった。自分を罠に陥れた者は誰なのか。怒りだけが彼の支えだった。巨匠の最高傑作長編! 高倉健主演映画原作。
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