『徳間文庫、澤田瞳子(文芸・小説)』の電子書籍一覧
1 ~8件目/全8件
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京都の幕府直轄御薬園で働く女薬師・真葛。
亡き母の仕込みを継ぐ色酢の麹造り職人・沙奈。
木肌の魅力に惹かれ根付職人に弟子入りするおりん。
妹の亥とともに秩父の峠で茶屋を切り盛りするそば打ち職人・蕗。
その身に霊を降ろす「口寄せ」を使う市子。
身体のみならず心の凝りもときほぐす揉み屋・絹。
当代の人気女性作家が、己の生きる道を自らの腕と業で切り開く女性職人の凛々しさを巧みな筆致で活写した、傑作時代小説アンソロジー。 -
師走も半ば、京都鷹ヶ峰の藤林御薬園では煤払いが行われ、懸人(かかりうど)の元岡真葛は古くなった生薬を焼き捨てていた。慌ただしい呼び声に役宅へ駆けつけると義兄の藤林匡(ただす)が怒りを滲ませている。亡母の実家、棚倉家の家令が真葛に往診を頼みにきたという。棚倉家の主、静晟(しずあきら)は娘の恋仲を許さず、孫である真葛を引き取りもしなかったはずだが……(表題作)。人の悩みをときほぐす若き女薬師の活躍。
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東海道の要所、箱根山。両親と兄弟を流行り風邪で亡くしたおさきは、引き取られた叔母にこき使われ、急峻を登る旅人の荷を運び日銭を稼いでいる。ある日、人探しのため西へ赴くという若侍に、おさきは界隈の案内を頼まれる。旅人は先を急ぐものだが、侍はここ数日この坂にとどまっていた。関越えをためらう理由は……(表題作)。東海道を行き交う人々の喜怒哀楽を静謐な筆致で描く連作集。
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若者たちの不安を煽るように、仏教推進の阿部上皇派が大学寮出身者を排斥し始め、儒教推進派の今上天皇・大炊帝との対立は激化していった。斐麻呂が尊敬する桑原雄依は、儒学派から崇仏派に寝返った高向比良麻呂を襲撃し、斬刑に処された。雄依の無二の親友で弓の名手であった佐伯上信は、義に殉じた雄依の心を胸に、大炊帝とともに最後の戦に臨む。権力や理不尽の中で生命を賭して「義」を貫こうとする大学寮の学生たち。彼らの思いはどこへ向かう?
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時は天平宝宇年間。藤原清河の家に仕える高向斐麻呂は14歳で大学寮に入寮した。ひそかに恋心を抱いていた清河の娘・広子のために、唐に渡った清河を迎えに行きたいという思いからだった。大学寮で学ぶのは儒学の基本理念である五常五倫。若者たちは互いに切磋琢磨しながら、将来は己が国を支えてゆくという希望を胸に抱いていた。だがそんな純粋な気持ちを裏切るかのように、政治の流れはうねりを増してゆく。第17回中山義秀文学賞受賞作品。
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京都鷹ヶ峰にある幕府直轄の薬草園で働く元岡真葛(まくず)。ある日、紅葉を楽しんでいると侍同士の諍いが耳に入ってきた。「黙らっしゃいッ!」――なんと弁舌を振るっていたのは武士ではなく、その妻女。あげく夫を置いて一人で去ってしまった。真葛は、御典医を務める義兄の匡(ただす)とともに、残された夫から話を聞くことに……。女薬師・真葛が、豊富な薬草の知識で、人のしがらみを解きほぐす。
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藤原氏一族が権勢を誇る平安時代。内供奉(ないぐぶ)に任じられた僧侶隆範(りゅうはん)は、才気溢れた年若き仏師定朝(じょうちょう)の修繕した仏に深く感動し、その後見人となる。道長をはじめとする貴族のみならず、一般庶民も定朝の仏像を心の拠り所としていた。しかし、定朝は煩悶していた。貧困、疫病に苦しむ人々の前で、己の作った仏像にどんな意味があるのか、と。やがて二人は権謀術数の渦中に飲み込まれ……。(第32回新田次郎文学賞受賞作)
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