『三木卓(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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戦争の中で生きる希望を書き続けたアンネの短い生涯をいきいきと描くまんが人物伝。
アンネは隠れ家の中で、架空の少女キティへの手紙の形で、日記を書き続けました。
日記には、人種差別への抗議や、戦争が人びとにもたらす大きな悲しみと破壊、また、隠れ家の人たちの苦しみや異常な精神状態が、ありのまま記録されています。それだけでなく、隠れ家の中で、アンネが抱いた大きな希望、勇気、そして未来の夢や愛は、アンネがなくなって五○年たった今も世界中の若者に感動を与えているのです。(1996年発表作品)
解説「六○○万人のアンネ」より 篠 光子
【ご注意】※この作品は一部カラ―です。
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夏の夜の小さな事件が、真治と町の人気スター・彰五を友だちにした。純粋で奔放な生き方をする彰五たちの世界は、北の港町の大人には受け入れられないが、平凡な少年・真治に、新鮮でめくるめくような夏の日々を体験させた……。やさしく繊細な目で若者たちを生き生きと描いた、三木卓の少年小説の傑作。
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孤児だったわたしが、少年期をすごしたのは、産院、つまり、ミッドワイフの家。久しぶりにそこを再訪すると、相変らずクレゾールの匂いと、生殖の図式が満ち満ちている。陰性の性欲をもて余していた当時への回想、そして、ひそかに欲望の対象としていた娘との再会。性の本質と実在感を文学に結実しえた、著者の初期秀作集。
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その予感は娘の発作で始まった。極限の恐怖に誘われる衝撃の作品――平和な家庭での、いつもの風景の中に忍び込む、ある予兆。それは、幼い娘の、いつもと違う行動だった。やがて、その予感は、激しい発作として表れる。<破傷風>に罹った娘の想像を絶する病いと、疲労困憊し感染への恐怖に取りつかれる夫婦。平穏な日常から不条理な災厄に襲われた崇高な人間ドラマを、見事に描いた衝撃作。
◎距離が伸びる時には父親として病気に向き合い、距離が縮む時、一人の人間として感染症の恐怖に怯える中で語られる心の葛藤は、医学小説のそれではなく、もちろん恐怖小説のものでもなく、強いて言うなら、極めて純粋な戦記文学を読んでいる印象です。確かに、今まで読んだ全ての小説の中で、病棟という「戦場」の真実がここまで正確に描かれた作品を知りません。<石黒達昌「解説」より> -
鮎川信夫、谷川雁、田村隆一、長谷川龍生......。詩人たちが集い、いきいきと躍動していた1950-60年代。戦後の詩壇を鮮やかに彩った詩人たちの、知られざる素顔を描く記念碑的名著!
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人生の原点がここにある!混迷の時代に射す一条の光、現代語訳「方丈記」。満洲からの引揚者として激動の戦中戦後を生きた著者が、自身の体験を「方丈記」に重ね、人間の幸福と老いの境地を見据えた名著。
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【第69回芥川賞受賞作】「少年は疾走していた。木々の葉の間を縫って光は斜めに射し、放射する幕のなかで狂ったような霧が踊っていた」。敗戦で秩序の破壊された大陸で、無法と死に追われる少年の目に、飢えと疾病に晒された世界が焼きつく。芥川賞受賞作「鶸」をはじめ「砲撃のあとで」「曠野」「竪笛」「流れのほとり」など、戦争の生々しい傷あとを描く連鎖状作品を集める。表題作含む14編を収録。
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ことばの世界のセンス・オブ・ワンダー。異色児童文学
黒のおじさんの案内で、ぼくとタロが《ことばのプラネタリューム》をとおして知ったさまざまな星のことば――ことばの杖、立体文字、花文字など――とそこでくりひろげられる劇的なできごと。人間が生きていくうえで不可欠なことばの問題を、繊細な詩人の目でさまざまな角度からとらえた異色の長編作品。「鶸(ひわ)」で第69回芥川賞を受賞した著者得意の少年文学。 -
澄明な生々しさを喚起する時間旅行。傑作少年小説
大学受験に失敗した“ぼく”が、ぶらぶらと図書館通いをはじめたある日、偶然目にした〈満州のこども 五族協和の夕べ〉という切符をめぐって、持主の青年と力づくの奪いあいをする。その時、後ろの書だながくるりと反転して、そこにのぞいた闇の中へふたりもろとも放りこまれた。――1932年、日本の植民地として誕生した満州国で少年時代をすごした著者が、その体験から、時間を30年前に戻して自らに時間旅行をさせる。どきっとするような事実を目のあたりに再現し、詩人の豊かな感受性を駆使して、満州について、人間の生き方についてを問うファンタジー仕立ての長篇少年小説の隠れた名作。 -
日本にまだ固有の文字がなかった八世紀初頭に成立した『古事記』は、漢字の音と訓を利用して、神話や古くからの言い伝えを書き表した日本最古の書物である。国の成り立ちを説いた歴史の書にとどまらず、古代の人々の想像力にみちた豊かな文学性を感じさせる。とりわけここに収めた「上の巻」には、イザナキ・イザナミの国生み、天の岩屋戸、スサノオの八俣の大蛇退治など、日本神話としてなじみ深い話の数々が、飾り気なく力強く描かれている。ここには、日本人の心と行動すべての原初の姿を見つけることができる。
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