『文芸・小説、経済小説、城山三郎』の電子書籍一覧
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戦後の荒廃と混乱の中で、資力もバックも、信用もないが、先見性と野武士的勇断を武器に、新しい世界に切り込んでいった男の集団。幾多の試練を持前の精神力と不可能を可能にする不撓不屈のバイタリティで克服し、ついに日本有数の旅行業社にまで発展させた男の野望と情熱を活写する実録企業小説。
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野心はあるがうだつの上がらぬ男の禍福を描く異色作
今田大六、37歳。私大を卒業、地方銀行に就職して12年、いまだにうだつの上がらぬ平社員であるが、ひそかに自身を名づけて「一発屋大六」。―いつの日か一発やって周囲を見返し、人生の生甲斐をつかみたいという熱烈な想いである。銀行の宿直のある夜、一千万円紛失事件が発生。疑惑は彼に向けられて、退職の破目となったが、資産数百億円を持つ、スーパーマン的相場師根岸剛造からさしのべられた、思いがけない救いの手。……。会社の機構に圧迫される現代サラリーマンの、脱サラへの夢を、豊かなユーモアと風刺の中に描く、傑作小説。 -
伝説の名機・紫電改の開発に命をかけた男たちの物語
〈グラマン・ヘルキャット〉に太刀打ちできる戦闘機がほしい! 緒戦以来、「零(ゼロ)戦」が日本の戦闘機の花形であったが、敵にヘルキャットが出現すると形勢逆転、「零戦」は餌食にされるばかりだった。だが、おそまきながら、この日本戦闘機部隊の悲願にようやく新型機の「紫電改」が応えようとしていた。「川西航空機」は、戦闘機メーカーとしては通りが悪い田舎会社であった。社長の川西竜三も、さしたる飛行機好きでもなかった。それがなぜ、当時としては、最高性能の戦闘機がつくれたのだろうか。軍部のいわれのない圧力をはねのけ、血の滲みでるような苦闘と熱意で新型機をつくりだした“飛行機にとり憑かれた男たち”の不屈のドラマ! -
実名実録の企業小説。創業期の情熱を描く青春小説
石鹸は、「たかだか石鹸…」と軽視されがちだが、明治時代には「文明開化を象徴」するような工業製品の一つだった。“日本の夜明けをになう新しい人間像”のモデルとして、島崎藤村の未完の大作『東方の門』にも登場する花王石鹸の長瀬富郎。そのころ混乱の場にあったこの業界に〈高級新石鹸〉として、アイデアを駆使して挑戦した花王石鹸の創立と発展の歴史。一企業が単なる「職場」以上の意味をもって、そこで働いたことのある人たちの「心の故郷(ふるさと)」たり得るかを問いかけ、男たちの経営に賭けた人生を描いた、感動の長編小説! -
メキシコに残置された支倉使節団の末裔を訪ねる旅
慶長18年、仙台、伊達政宗の使節支倉常長を団長とし、ルイス・ソテロ等の宣教師を含む総勢180名の一行が日本の港を出航した。幾多の困難な航海の末、メキシコに到着。さらにめざすイスパニアに到る頃、日本ではキリシタン禁止令が出された! 歴史の大きな波にもてあそばれ、帰国もままならぬ侍たちの運命は……? そして現在のメキシコに日本人の末裔らしき部族が生きていると聞いた著者は二つの点を結ぶ線を求めてメキシコに飛んだか……。経済小説を日本文学に定着させた著者の独自な歴史観を示唆する長編傑作! -
宮崎康平という人ありき。ノンフィクション小説の白眉
是が非でも、牽引力の強いあのC12機関車がほしい! 半島鉄道の田舎重役・屋代は必死だった。なにかと小会社の邪魔をする鉄道振興会の圧力をはね飛ばすために、非常手段のハンストも辞さない構えだ。なにしろ、大正時代に造られた、オンボロ機関車では、沿線の人口増の輸送に追いつけない。客車の窓ガラスはなく、屋根から雨が漏り、客は傘をさして乗っている。その上、馬力がないからたった3両の貨車しかひけず、野菜など生鮮食糧品が駅に山積みのまま腐ってしまう! 妻に愛想をつかされ、失明の悲運にもめげず、猛烈な経営者根性と湧きでるようなアイデア。すさまじい“男の生きざま”を描いた最高傑作。
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