『文芸・小説、羽田圭介』の電子書籍一覧
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「じいちゃんなんて、早う死んだらよか」。
ぼやく祖父の願いをかなえようと、孫の健斗はある計画を思いつく。自らの肉体を筋トレで鍛え上げ、転職のために面接に臨む日々。
人生を再構築していく中で、健斗は祖父との共生を通して次第に変化していく――。
瑞々しさと可笑しみ漂う筆致で、青年の稚気と老人の狡猾さを描ききった、羽田圭介の代表作。
新しい家族小説の誕生を告げた第153回芥川賞受賞作が待望の文庫化! -
17歳で小説家デビューし、29歳で芥川賞を受賞した
羽田圭介は30代になったとき、精神の微妙な変化に
危機感を抱き、「初めて」の体験を敢えて自分に課した。
31歳から34歳まで、4年間かけて挑んだ数々の「初体験」は、
“微妙な年齢”に達した著者の「問い」から始まっている。
「身体の元気な三十代のうちにやっておいたほうが人生を豊かにできることが、
自分の今の生活の外側に色々とあるんじゃないか?
三十代前半は、体力が要るようなことはもちろん、
身体の一部である脳を用いてなにかを習慣化させたり、
習得したりすることが可能な、最後のスタート年齢となるかもしれない」
(「はじめに」より)
苦手意識や偏見を持っていたことに触れてみたとき、
凝り固まった思考にハッとすることがある。
憧れていたことを実際に体験してみると、
意外にも「恐ろしさ」に気付くことがある。
新たな資格を取りたいけど、自信がない。
何か趣味を持ちたいけど、続かない。
転職したいけど踏み出せない。
大人になるにつれて、自分の得意なこと、苦手なこと、
できること、できないことの幅を決めつけてしまい、
「初めて」に挑戦することを意識的に遠ざけていないだろうか――。
時に能動的に、時に偶発的に新しい体験をする――。
羽田圭介があるがままの姿と思考の変遷をさらした本書は、
新しい道へ一歩だけ踏み出し、人生に豊かさをもたらすきっかけとなりうる、
自己啓発本のような側面もある体験エッセイ。
「30代って、思い出の品を処分するときにそれなりに考えることがある年齡。人生でやるべきこと、やれないこと、やりたいけどできないことを分別して
考えるようになった人間が、後悔しないために、いろいろやっていく変な姿を楽しんでもらえたら」
(「はじめに」より)
◆目次
三十一歳の初体験
1 ホテルで朝食
2 市ヶ谷の釣り堀
3 ジェルネイル
4 女子中高生向けの映画
5 ふうろうカフェ
6 アイロンビーズ
7 俳優になる
8 築地市場で買いもの
9 市場で食事する
10 トランポリンエクササイズ
11 ミュージカル出演
12 十二単を着る
13 高地トレーニング
三十二歳の初体験
14 クリスマスケーキ作り
15 料理専門の家事代行
16 アユールヴェーダ
17 リアルな旅 と VR飛行
18 卓球教室
19 猫レンタル お出迎え
20 猫レンタル お別れ
21 VRアトラクション
22 ダンス教室
23 人間ドッグ
24 ゴルフ教室
25 ラップ教室
26 サッカーW杯観戦
27 黒染め
28 4時間かけた女装
29 原作小説のドラマ化の現場
30 パーソナルカラー診断
三十三歳の初体験
31 ユーチューバー
32 ユーチューバーになる
33 子ども向けユーチューブ教室
34 応援上映
35 もの壊し放題の空間
36 フラワーアレンジメント
37 メダルゲーム
38 サウナフェス
三十四歳の初体験
39 ボルダリング
40 ストレッチ専門店
41 ぶり一本釣り
42 サバ漁
43 古着を買う
44 瞑想
45 インナーケア&肌診断
46 狩猟体験 -
敵はヤクザ、刑事、そして国家権力――この仕事、ブラック過ぎて腹が空く。
芥川賞作家・羽田圭介だから書ける限りなく危険なお仕事&犯罪小説!
「新しい任務を伝えに来た」「ある程度は休みがほしい。……俺でないと駄目なのか」「手が空いている人員が他にいない」(「内なる殺人者」より)
ガソリンスタンドのアルバイト、アレルギー持ちの殺し屋、写真週刊誌の女性記者。日々過酷な仕事に臨む三人が遭遇した、しびれるほどの〈時間外労働〉! -
外資系食料品メーカーの事務職として働く元地下アイドルの華美は、
生活費を切り詰め株に投資することで、
給与収入と同じ配当を生む分身(システム)の構築を目論んでいる。
恋人の直幸は「使わないお金は死んでいる」と華美を笑うが、
とある人物率いるオンラインコミュニティ活動にのめり込んでゆく。
そのアップデートされた物々交換の世界は、
マネーゲームに明け暮れる現代の金融システムを乗り越えゆくのだ、と。
やがて会員たちと集団生活を始めた直幸を取り戻すべく、
華美は《分身》の力を使おうとするのだが……。
金に近づけば、死に近づく。
高度に発達した資本主義、その欠陥を衝くように生まれる新たな幻影。
羽田圭介の新たな代表作。 -
編集者須賀は作家と渋谷で打ち合わせ中、スクランブル交差点で女の子を襲うゾンビを目撃。各地で変質暴動者=ゾンビの出現が相次ぐ中、火葬されたはずの文豪たちまで甦り始め…。デビュー10年目の極貧作家K、久しぶりに小説を発表した美人作家桃咲カヲル、家族で北へ逃げる小説家志望の南雲晶、区の福祉事務所でゾンビ対策に追われるケースワーカー新垣、ゾンビに噛まれてしまった女子高生青崎希。この世界で生き残るのは誰か?
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手配犯の顔を脳に焼き付け、雑踏で探す見当たり捜査。記憶、視力、直感だけが頼りの任務に就く警視庁の白戸は無逮捕が続き、刑事としての自信、存在意義を見失いかけていた。そんな時、見つけたのが死んだはずの元刑事。白戸が追い始めると元刑事にまつわる陰謀が露見する……。超デジタル時代に究極のアナログ捜査を貫く刑事を描く迫真の警察小説。
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その男には2つの顔があった。昼は高齢者に金融商品を売りつける高給取りの証券マン。一転して夜はSMクラブの女王様に跪き、快楽を貪る奴隷。よりハードなプレイを求め、死ぬほどの苦しみを味わった彼が見出したものとは――芥川賞選考委員の賛否が飛び交った表題作のほか、講師と生徒、奴隷と女王様、公私で立場が逆転する男と女の奇妙な交錯を描いた「トーキョーの調教」収録。
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年上の彼女を追いかけて、おれは恋の穴に落っこちた……高一の遠藤と高三の彼女のゆがんだSS関係の行方は?恋もギターもSEXも、ぜーんぶ“エアー”な男子の純愛を描く、各紙誌絶賛の青春小説!
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デリヘル嬢と、ホンダ・ビート。疾走する群像小説。首都圏から約1時間、地方都市に住まう主人公。予備校に通いつつ地元の友人たちと遊んでいたある日、ホンダの乗用車「ビート」を譲り受ける。クルマの改造、新たな出会い、そして恋。先日「スクラップ・アンド・ビルド」で第153回芥川賞を受賞した著者による、第142回芥川賞の候補にもなった快作!
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高校生でメジャーデビューを果たしたものの、バンド解散後は売れないギタリストとして燻っていた太郎。大学三年の秋、慌しく動き出す周囲の言動に違和感を覚えながらとりあえず始めたシューカツだったが……。「元有名人」枠などどこにもないというキビしい現実の中、太郎は内定獲得に向けて走り出していく。(講談社文庫)
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