『文芸・小説、その他(レーベルなし)、梓林太郎』の電子書籍一覧
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夏が終わりを告げる頃、北アルプス・赤岳ヒュッテの管理人が遺体となって発見された。山を熟知している管理人が遭難するはずがなかった。人が良い彼がなぜ、殺されなければならなかったのか。そこには、山小屋で起きていたあることが、源流だった――『遭難遺体の告発』。全7篇。アルプスの山々を舞台にした殺意と刑事の活躍を、熱量高く、切れ味鋭く描ききった短篇集。
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親友と思っていた出世が早い同期入社の男に蔑まれ、侮辱の言葉を投げつけられたら、サラリーマンはどうしたらいいのか?
上司の策略で左遷させられても、黙って従うのがサラリーマンなのか?
地方に飛ばされている間に、妻に浮気されたサラリーマンは、子どもや家庭のために見て見ぬフリをすべきなのか?
本書の中編4本に、それらの答が描かれている。
悔しさと悲しみを堪えるばかりが正しいことではない。不誠実な者たちに、冷徹に鉄槌を下す。怯まずやり抜くその胆力と正義感が、正しいサラリーマン人生に導く――。 -
ちょうどその日、冬の上高地で、カラマツの木に寄りかかるようにして立つ、氷に閉じ込められた遺体が発見された。いったい誰が、手間をかけた遺体をつくったのか。警察官の妻の射殺と関連ははたしてあるのか。稀にみる難事件に、長野県警豊科署の道原伝吉が挑む!一月下旬の朝、警視庁刑事の妻射殺事件のニュースで持ちきりだった長野県警豊科署に「妙な遭難者を発見」の通報が入った。現場は上高地の小梨平。遭難者は若い男性で、氷柱の中に閉じ込められた形で木の幹に添って立っていた。所持品から身元は割れたが、脇腹を二か所刺されていたため他殺と断定、殺人事件へ。手がかりも殺害動機も掴めず、捜査は難航。担当の道原伝吉刑事も、これだけ犯人像が浮かばない事件も珍しい―と。山岳ミステリーの第一人者・梓林太郎の渾身作。
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シリアスさを保ちつつ、軽妙かつ洒脱をふんだんに織り込んだ、梓林太郎の初期の意欲作だ。
大手総合商社の課長であり、東京調布の大地主でもある松代小弥太は、土日になると身分を隠し、新宿歌舞伎町あたりでヒッピーごとき姿形となる。「ヒッピ」と呼ばれる松代のそばにはいつも、真冬という名の年端もいかない女の子がいて、彼女がトラブルや事件、厄介事を持ち込んでくる。全6話の連作。クセになる面白さを秘めた珍作! -
南アルプスの仙丈岳に登っていた2つのパーティの計5人が、激しい吹雪のなか、仙丈小屋にたどり着いた。
両パーティの食料は底をつきかけていたが、天候の回復は見込めず、足止めをくっていた。そんな状況のなか、新たに雪男と見紛うような大男が、小屋に避難してきた。
大男は、リュックを失い、なにも持っていなかった。5人はその大男のために、食料を供出するばかりか、寝袋まで貸すことになったが、大男は当然の顔で、感謝の言葉すら口にしなかった。
大男さえいなくなれば、生きながらえるのではないか。追い詰められていた両パーティの5人は、思いもかけない決断をする――。 -
大規模な建設工事着工前に行われる環境調査を主業務とする会社社長の松宮達行は、寝汗をかくほどの不吉な予感に襲われていた。
予感が的中したかのように、家族が食中毒で入院することになる。その数日後には、松宮自身が交通事故に遭ってしまう。運転者はわからずじまい。轢き逃げだった。
いくら考えても、生命を狙われる覚えはなかった。それだけに、不幸な偶然が重なっただけとも思えたが……。
悪意をぶつけられた者は、どうやって切り抜けるのか。スリルに満ちた長編推理! -
夫婦仲が険悪になって別居生活をはじめた刑事は、家出少女を保護するうちに一緒に暮らし始めてしまった。
少女はしだいに、刑事にとって辛い現実を忘れさせる大切な存在になっていく。だが、刑事の生活を告発する手紙が署に送りつけられ、立場を悪くする。そんな折、幼児誘拐事件が起きる。悪いことは重なり、保護した少女の行方も分からなくなる。
残された少女の荷物から行き先の手掛かりを見つけ追っていくが、そこで事件が起きていた――。
刑事の職を棄ててまでも、少女への愛を貫こうとする男の純粋な執念の追跡が始まる。異色山岳ミステリー! -
北アルプス・蝶ヶ岳で死体が発見され、静岡市清水区在住の碓井公章と判明。公章は3日前にパーティーに出たきり行方不明となっていた。また、公章に付き添う石本はつ子も姿を消していた。刑事・道原伝吉は捜査を進めるが、上高地のホテルの宿泊者・白石英和が岳沢登山路で殺害される事件も発生。白石もまた清水在住だった。2つの事件の真相を追い、道原は清水へ飛ぶ!
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大手商社に勤める今泉は、ガンで妻を亡くして間もなく、常務の紹介で渋々見合いをした。断れば、出世はなくなる。常務はそんな難しい性格の人とわかっていながら、色よい返事ができずにいた。このとき、今泉には不倫関係の女性がいたのだ。
見合いを進めるには、愛人が邪魔だった。常務から返事を聞きたいといわれればいわれるほど、愛人が疎ましくなった。そこで今泉は、この愛人を北アルプス常念岳の登山に誘った……。
出世と新しい幸福を掴むために暴挙にでたごく普通のサラリーマンは、いったい何を掴めたのか。作者渾身の作! -
警視庁捜査一係の白鳥刑事、同じく一課の河津貴子、第十交通機動隊の月村修の3人は、中央アルプスの宝剣岳に登っていた。
4月ではあったが、山には雪があった。
登っていた者たちの耳に、空気を裂く音が届いた。その直後、雪が動き、雪崩が発生した。
警視庁の3人は危うく難を逃れたが、4人が死亡した。
空気を裂く音は、銃声ではなかったか? その振動が雪崩を引き起こしたのではないのか。
雪崩被害の当事者となった捜査一係の白鳥刑事は、月村修をしたがえ、地道な捜査に乗り出す――。
白鳥、月村の絶妙コンビが追う、長編山岳ミステリー。 -
大手食品メーカーにかかってきた突然の脅迫電話がかかる。「明日の二時までに十億円を用意しなければ、菓子を食べた人が死ぬ」
現金を輸送するため者として、犯人に指名されたのは、営業部員の三崎だった。
三崎と社長室員の小舟春美は、東京から山形の月山へ現金を車で運ぶことになった。
途中、同行していた小舟春美が姿を消してしまう。彼女の捜索のさなか、地元警察は出羽三山神社裏で男の死体を発見する。
事態は脅迫事件に殺人が加わったことで混沌とし、三崎までもが疑われてしまう。
三崎は自らの潔白を証明しようとするが、彼には後ろめたい過去があった。
東北の霊山で、過去と現在が交錯し、欲と裏切りが入り組む。息詰まる展開がつづく長編山岳ミステリー。 -
霞沢岳、大滝山、天狗ノコル、涸沢、帝国ホテルにほど近い上高地などを舞台にした、山岳の臨場感、醍醐味に溢れる6篇からなる短篇集。
「凍る沢」では、霞沢岳で拾ったカメラがきっかけとなって、隠されていた事件があぶり出される。
「暗い谷への接近」は、大滝山の麓に集まっていたカラスの群れから死体が発見されたことから事件が発覚する。
ほかに、「潜伏」「刺殺」「春の弾痕」と、いずれも山岳を舞台にした、切れ味するどいミステリー。 -
探偵の岩波がリーダーの冒険グループの女性メンバー真那津が、阪神淡路大震災で母を亡くした少女を連れて帰京した。唯一の肉親は父だったが、数年前に妻子を棄てて愛人とともに沖縄に逃げてしまったようだった。
成り行きで捜索をはじめた岩波は西表島に向かったが、父親は3年前から行方不明になっていた。
なぜ、姿を消したのか。捜索を進めるうちに、思いがけない真実が浮き上がったきた。父親は無事なのか? 肉親を亡くした少女に安寧は訪れるのか――。
南の島を舞台にした、異色ミステリー! -
残業で帰宅が遅くなったときのために、自宅とは別にアパートを持つ――。
妻の承諾のもと、遠距離通勤しているサラリーマンにとっての夢のひとつを叶えた銀行マンの相原亮介だったが、一本の恐ろしい脅迫電話がかかってきた。その電話の主は、相原が別宅でもあるアパートに部下の女子工員を連れこんでいた秘密を知っていたのだ。
バラされたくなければ山に登れ。脅迫者はなぜか、山に登れと命令してきた。相原は銀行マンとしての立場を守るため、平和な家庭を守るため、脅迫者に従ったが……。
エリート銀行マンの夢が、どこで悪夢となったのか。人生の破綻にスポットを当てた異色の山岳ミステリー! -
重度の腎機能障害で苦しんでいる若い女性・麻也子は、幸運にも移植手術をすることができた。
麻也子は友人の弓子にその幸運について話すうちに、臓器提供者・ドナーが気になりはじめる。そのうちに、どうやら腎臓バンクから得られたものではなく、父親の財力による闇ルートによって得られた腎臓を使った生体移植ではないかと疑いを持つ。罪悪感も日増しに強くなる。
白馬の別荘で静養する麻也子は、弓子の勧めで、私立探偵を頼みドナー探しを始める。すると間もなく、探偵・出雲が鹿島槍ヶ岳で死体で発見され、その遺志を継いで調査を始めた探偵や病院スタッフも他殺遺体で発見される。
臓器移植を巡る異色の山岳ミステリー! -
小学生が遠足で訪れ、カップルがデートにやってきていた大雪山系旭岳では、チングルマ、エゾコザクラなどが咲き誇っていた。
霧が深くなる中、熊が突然現れ、女性を襲った。霧が晴れると、女性は無惨な姿で発見された。
事故と思われたが、解剖の結果、殺人の可能性が高いことがわかった。
容疑者として北海道警が睨んだのは、当然、一緒に登山にやってきた婚約者だった。
だが、彼には崩せそうもないアリバイがある。
北海道警の刑事たちは、アリバイを崩せるのか。忍耐の捜査がはじまった。 -
霧ヶ峰の自然が好きで、東京から何度も登っていた北村真由子が行方不明になった。
宿泊を予定していた山荘では、経営者の五代芳昭を先頭に、合宿をしていた多くの大学生らも加わって捜索がはじめられた。
同時期に、霧ヶ峰を大々的に開発しようと、地元民と交渉をつづけていた東京の業者の責任者が殺害され、遺体で見つかった。
自然を破壊し開発を強引に進めようとする業者と、地元民との軋轢が殺害理由なのか?
そして、北村真由子は無事なのか。
帰還を願って捜索をつづけたが、山荘の近くのカラマツ林の中で、北村真由子は遺体が発見された。その近くからは、山荘の経営者・五代芳昭が愛用していた登山ナイフが見つかった。
警察では当然、五代を容疑者として取り調べることになったが……。
開発したい者と保存を願う者との思惑が絡んだ、長編山岳ミステリー。 -
悲劇ともいえる高校生の冬山遭難。この遭難は、なぜ、起きたのか――。
山岳部の女子生徒が、先生に色目を使ったことが原因なのか。
部員の父親に愛人がいたからか。
それとも、顧問の先生が絶対に明かすことのなかった秘密によるものなのか。
はたして、遭難は事故か、事件か。
冬の北アルプス山中、過酷な吹雪の中、生徒と先生が生きのびるために生命を賭ける。 -
木曽駒ヶ岳、宝剣岳がくっきりと眺められた晴天の駒ヶ根市の銀行に、強盗が押し入った。
犯人は逃走の途中で人質を取る。偶然通りかかった三十三歳の三奈子だった。
翌日には無事解放されるが、三奈子の人生は大きく変わっていくことになる。(表題・アルプス冬物語)。
ほかに、「無名沢」「赤い崩壊地」「下山近道」「地獄への縦走」「奥又白谷」「魔性の尾根」など全7編からなる山岳推理短編集。 -
ニュージーランド南島のクック山の登攀に挑戦していた綾部峻に、緊急帰国の報が届いた。友人の北条が後立山連峰鑓ヶ岳での墜死したというのだった。ところが北条の山行計画は北アルプスで、場所も山も違っていた。なぜ、彼は死ななければならなかったのか。なぜ、彼は古くから知られている山行記のコピーを持参していたのか。疑問が渦巻く中、新たな殺人が起きた。綾部は独自に調べる決意をした!
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山岳ミステリーの巨匠・梓林太郎の初の合本全3冊。
人気の人情刑事道原伝吉が管轄署内で起きた殺人事件の解明をすべく出張した作品を集めたもの。
「北海道雨竜殺人湿原」(諏訪署刑事 道原伝吉 出張捜査長編)
「蔵王高原殺人事件」(長野県警豊科署 道原伝吉刑事 動機不明連続殺人捜査長編)
「吉野山・常念岳殺人回廊」(豊科署刑事 道原伝吉 哀切苦悶捜査長編)
いずれも、心の機微を感じ取りながら捜査していく道原伝吉ならではの物語で、心に迫ってくる。 -
山で遭難した人を助けたい、素早い救助ができれば助けられる命が増えるはずだ──。
純粋な想いに衝かれて動き出した、北アルプスでの私設の遭難救助隊・岳人隊。
数人の規模ながら、着実に実績を積み上げていき、マスコミで取り上げられ、知名度があがった。
だが、有名になるにつれて妬まれ、予想もしない激しい妨害工作をされるようになる。
はたして彼らは、純粋な想いを貫けるのか、岳人隊は多方面からの圧力に押し潰されてしまわないか。
山岳小説の第一人者となった著者が、初めての書き下ろした記念碑的力作。 -
北アルプスで起きた2件の遭難死亡事故は、殺人ではなかったかとの投書が、長野県警刑事部「特殊犯罪捜査室」に寄せられた。
捜査をはじめてみると、明らかにおかしな点が出てきた。
同じ人物のパートナーが遭難していた。
彼らは、親しいつきあいをしていたわけでものに、北アルプスに向かったのだ。
これは事故なのか、事件なのか。刑事たちの地道な捜査がつづき、少しずつ真実が明らかになっていく。
驚愕の結末は、予想できないものだった。 -
JR亀有駅北口交番に、「幼い頃、おもちゃ屋からダッコちゃん人形を盗んでしまった。二十数年経ったが、後悔は消えない。お詫びのしるしにお金を返したいが、かつてのおもち屋はないので探してほしい」との手紙と1万円が届いた。
心温まる美談として新聞記事になった途端、殺人が起きた。
作者によると、「この作品は、新聞に出ていた小さな記事がヒントになった」のだそうだ。
そして、次のようにつづける。
「私は毎朝、あるいは深夜、新聞を読んでいるが、ふと思考が、記事とはべつの方向へ流れてゆくことがある。映画を観ていても同じで、目はスクリーンを向いているが、脳は別の映像を映している。いずれも記事なり、映画の1シーンから起爆剤のようなショックを受けたためで、その一瞬が、長編小説の結末のヒントになる場合がある」。
いくつものどんでん返しがつづくが、驚きだけでなく、悲しくせつない想いにもさせらる超一級の作品だ。 -
厳寒の2月末、中央アルプス空木岳で女性2人を含めた7人のパーティが遭難した。
テントの中で天候の回復を待ちつづけるが、天候は回復しない。
食糧は少なくなっていく。猛吹雪はつづき、捜索隊は近づくこともできない。
飢えと寒さに1週間、10日と晒されるうち、彼らの精神は少しずつ異常をきたしていく──。
山岳小説の第一人者梓林太郎の長編小説第4作目となる、みずみずしい迫力に満ちた力作だ。 -
うら若き雑誌記者の行方不明から事件ははじまった。
彼女の足跡を導くのは湖の畔に佇む謎の美女、その果てに中央アルプスで山男がつづけて殺害される。
思わぬ人間模様が明らかになるにつれ、姿を見せぬ殺人者が徐々にその正体を現していく。
信州の大自然を汚す人間の欲望を描いた長編山岳ミステリー。 -
山岳ミステリーの第一者の作家人生、充実期の山岳ミステリー集だ。意表をつく見事な展開を繰り広げる3つの中編からなり、いずれの作品も筆が冴え渡っている。表題の『虚線の山』は、槍ヶ岳から戻るはずの夫を待っていると、深夜、見知らぬ女から、衝撃の知らせを受けた。夫は、女の部屋で急死したという。夫の死の原因は何か、本当にその死は病死だったのか。悲しみに暮れる中、妻は動き出す。
『氷の密室』は、生活苦からやむなく自分の臓器を売ろうと決めた男にもちかけられた怪しいバイト。「臓器を売る気になったんだから」、どんなことでもできるはずだといい、100万円を振り込んできた。男はそれが罠と気づいたが、すでに抜けられなくなっていた……。
『殺人・クリヤ谷』は、母が亡くなる寸前、一人娘の浩子は金を貸していたと教えられる。その額、1500万円。借金をしている、下町で印刷会社を営む東川は、小狡かった。
返済する気がないとわかり、浩子はある危険な申し出を東川にしたのだった……。
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