セーフサーチ設定を変更しました
ページの先頭です
GWコイン大還元祭
期間限定!初めての予約購入で最大コイン+20%還元!

『文芸・小説、女性向け、竹書房』の電子書籍一覧

1 ~1件目/全1件

  • NHKドキュメンタリー「目撃! 日本列島」でも放映されて、話題となった群馬の古希野球チームの強豪「西毛安中クラブ」に密着!

    メンバーは全員70歳以上で、そのほとんどがガンや脳動脈瘤、糖尿病、心筋梗塞など重度の持病を抱えているが、試合中のプレーは真剣そのものだ。
    全力疾走にヘッドスライディング……、プレー中に亡くなった人も一人や二人ではない。
    文字通りの“命懸け”の野球――。

    そして取材を進めている最中に、いつも冗談ばかり言って周囲を笑わせ、明るく元気だった一人が、突如帰らぬ人に……。
    旅立ちの日の直前、病室で最期に口にした、尽きることない野球への想いとは――。

    「……ハァハァ……編集長さぁ……9回裏2アウトになっちゃったよ」
    木村監督らしい表現だった。
    「下半身には転移はしてねぇよ……上半身全部だ」
    一言一句、聞き漏らすまいと耳をそばだてた。
    「一時間後にゃあ、意識が混濁しちゃって、なんてこともあるわけだからさ……話しておきたいと思ってさ……ハァハァ……取材、してくれよ」
    仕事をしろ! 僕はレコーダーをテーブルに置き、録音ボタンを押した。編集長が笑顔で、努めて明るい口調で言った。でも、声は細かく震えていた。
    「監督っ! もう一度、グラウンド、立ちたいでしょう! 」
    木村監督はそれには答えず、代わりに胸の前で、両方の人差し指を交差させ、バッテンを作った。
    なんすか、それ……。監督、なんですか、それは。なにがバッテンなんですか!
    「……ハァハァ……それは、言わないでくれよ……」
    木村監督の乾いた目尻を、一筋の涙が潤した。しかし、深く刻まれた皺の溝に溜まって、流れ落ちずに留まった。
    ついさっきの「思い残すことはねぇんだ」とは全然違う。その涙はどうしようもなく、本物だった。
    いつも冗談の合間に本音を差し込んでくる監督が、大好きな大好きな野球のことに触れられた瞬間、まるで無防備に涙を流したのだ。それほどまでに野球が――。
    本文より

    なぜ、70代にしてそこまで野球を愛し、命懸けで白球を追いかけるのか!?

    その理由に迫り、生命の意味をも問う、涙と感動のノンフィクション!!

・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。

ページ先頭へ

本を予約しました

※予約の確認・解除はこちらから

予約済み書籍

キャンセル及び解除等

発売日前日以降のキャンセル・返品等はできません。
予約の確認・解除、お支払いモード、その他注意事項は予約済み書籍一覧をご確認ください。