『文芸・小説、海外文学、晶文社』の電子書籍一覧
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運命、この文学的なるもの
「運命とは、あえて大きくいうならば、人間の弱さと創造性に基づいた、本質的に文学的な観念なのだ」(本書より)──『存在の耐えられない軽さ』などの小説作品で知られ、長年ノーベル文学賞の有力候補に名を連ねながら惜しくも世を去った作家ミラン・クンデラ(1929–2023)。東と西、政治と文学、歴史と現在、偶然と必然のあいだを揺れ動く人間の運命を見つめ続けた作家の仕事を読み解く本格評論。第4回東京大学而立賞を受賞した博士論文を大幅改稿。
【目次】
序論 運命の星座
第1章 歴史の終わり、運命の終わり――『冗談』におけるメランコリー
第2章 成熟と小説――『生は彼方に』における自己批判
第3章 運命の皮肉、歴史の怪物――『ジャックとその主人』におけるアイロニー
第4章 世界と亡命――『笑いと忘却の書』における語りの視差
第5章 運命の様相――『存在の耐えられない軽さ』における偶然性
第6章 身振りと根拠――『不滅』における悲劇の散文化
第7章 「軽さ」を祝う――『無意味の祝祭』における反出生主義との対峙
結論 スターリンと天使
あとがき
参考文献
索引
【著者】
須藤輝彦(すどう・てるひこ)
1988年生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。ミラン・クンデラを中心として、チェコと中央ヨーロッパおよび啓蒙期の文学・思想を研究している。学部時代はヴェネツィアに、修士時代はプラハに、博士時代はパリに留学。学術論文のほか、一般読者向けの読み物として、ルポルタージュ「燃えるノートルダム」(集英社新書プラス)、「あいまいなチェコの小説家」(webゲンロン)、「批評の復習」(『文学+』WEB版)など。訳書に、モラヴィア美術館編『美術館って、おもしろい!』、アンナ・ツィマ『シブヤで目覚めて』(いずれも河出書房新社、阿部賢一との共訳)。 -
◎1999年に韓国・仁川(インチョン)で実際に起きた火災事件を題材にした著者初の長編小説、待望の邦訳刊行
ミシン会社で働くサンスと敬愛(キョンエ)。お荷物社員の二人がチームを組むことになった。すれ違い、空回りしながら距離を探り合う日々。やがて互いの過去が少しずつ関係を変えていく。そんな中、チームはベトナムへの派遣が決まり、それぞれの思いを胸に新しい地を訪れるが――。理不尽な火災事件で親しい人を失い、亡霊のように生きていた男女の転機と再生を描く。
[目次]
空白はやっかいだ
E
あなたと私のお別れ
空っぽの心
殺人は恋愛のように、恋愛は殺人のように
冷えきった夏
あなたには妹がいますか?
痛みにも気づかずに笑っていた
雨粒が頭上に降り注いでくる
オンニには罪がない -
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
今なお色褪せない、少年ファンタジーの名作が待望の復刊。
輝く夏の陽ざしのなか、12歳の少年ダグラスはそよ風にのって走る。その多感な心にきざまれる数々の不思議な事件と黄金の夢……。夏のはじめに仕込んだタンポポのお酒一壜一壜にこめられた、少年の愛と孤独と夢と成長の物語。巨匠ブラッドベリが贈る、少年ファンタジーの永遠の名作。
【山崎ナオコーラ氏、推薦!】
ファンタジーは日常にある。
散歩の道に、家事の途中に、黄金色の夏に……。
子どもと大人で、一緒に読みたい! -
暴動が起きた日から、世界は「あたしたち」と「あいつら」のふたつに分かれた――
1992 年、アメリカ・ロサンゼルス。私立高校での生活も終わりにさしかかり、アシュリーと友人たちは、学校よりもビーチで過ごす時間が長くなっていた。 4 月のある日の午後、ロドニー・キングという黒人男性を半殺しにした4人の警察官に無罪判決が下され、すべてが一瞬にして変わってしまう。激しい暴動・抗議活動が起き、生まれ育ったLA の街が燃え広がるなか、ただの女の子だったはずのアシュリーは「黒人の子」になった。白人の幼なじみとの不協和音、家族のなかの対立、自分への軽蔑……。
ブラック・ライヴズ・マター(BLM)の源流となったロサンゼルス暴動という、じっさいの歴史的事件に着想を得た長編小説。NYタイムズ・ベストセラー選出、ウィリアム・C・モリス賞ファイナリスト。
宇垣美里さん推薦!
「自分自身を知るために、関係ないけど関係なくなんかない、貧富・性別・自分のルーツ。30年前を舞台にしながら、今と何ら変わらない問題を前に、等身大の少女の成長が眩しい」
「ときどき、女の子でいることはきついし、黒人でいることもきつい。その両方だと、二重の負担がかかってるのに、不平は言わせてもらえないようなものだ。自分の在り方について憶えておくべきことが多すぎる――」(本文より) -
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
いくら親でも、わたしの同意なしに写真をのせるのは、まちがってるってことだよね?
ダルムのママはインフルエンサー。ダルムが生まれてからのほぼすべて日々が、ママのSNSにのせられている。
インフルエンサーのママをもつばかりに、いつも「ほんとうの自分」でいられないダルム。
しかし、クラスメートのアラの言葉がダルムを変える。
SNSに勝手にだれかの写真をのせることは、なぜいけないのか?
自分がいやだと思ったときにどう行動できるのか?
韓国発、SNSを使うすべての人必読のものがたり。
目次
ママは#インフルエンサー
最初はそうじゃなかった
みんなとちがうナム・ダルム
今日のコンセプト
へいぼんなユン・アラ
だれにも言えないひみつ
消えたぼうし
うそのパレード
いやだと言う勇気
わたしはわたし!
インフルエンサーのママを告発します
善良な影響力 -
少年ミシェルはJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』のホールデン・コールフィールド、
あるいは忘れがたいレジャン・デュシャルムの『曖昧なる鼻』のミルミル加わって、
私たちの小説の記憶の中に長く留まるだろうことを断言する ―J.M.G ル・クレジオ
舞台は1970年代終わり頃のコンゴの大都市ポワント=ノワ ール。主人公はアルチュール・ ランボーの『地獄の季節』を愛読し、ブラッサンスを愛聴する少年ミシェル、12歳。ガールフレンドは愛くるしい同級生のカロリヌ。父親はフランス人所有のホテルで働き、白人客が残した本を家に持ち帰ってくる。母親はもう一人子供をほしがっていて、「お腹を開く鍵」はミシェルがもっていると呪術師が告げる。飛行機が頭上を横切り、ミシェルと年上の友人ルネスは着陸する国を夢見ている。自国はマルクス• レーニン主義一党独裁体制。ラジオからはテヘランアメリカ大使館人質事件、イラン皇帝シャーの死などのニュースが流れる。少年ミシェルの周りにおこる数々の波瀾、ユーモラスな出来事、不思議な経験を作家アラン・ マバンクは淡々と暖かい眼差しで描いていく。幼年・青春の思い出を下敷きにした感動の自伝小説。フランス語圏ブラック・アフリカを代表する作家の代表作待望の翻訳。 -
まだ時間はあるのです。世界が終わる瞬間にはゆっくりとたどり着くはずだから。
幼い頃に父を工場の事故で亡くしたソラとナナは、生活の意欲を失っていく母と行き着いた暗い半地下の住居で少年ナギと出会う。「無理してがんばったって、人生はある日突然断ち切られて、それでおしまい」。そう繰り返す母の言葉から抜け出せないまま大人になる姉妹と、行き場のない思いを抱え、暴力に飲み込まれていくナギ。世界の片隅でひっそりと寄り添う3人に訪れる未来のかたちとは――。
誰かを思う気持ち、拒む気持ち、責任、放棄、やすらぎ、恐れ……。現代韓国文学の旗手が、みずみずしくも濃密に生の息遣いを描く。第23回大山文学賞受賞作。 -
結婚を機にコペンハーゲンに移住したマイケル。なれないデンマークの文化に溶け込もうと、アンデルセンの作品にふれてみた。するとそこには、子どもの頃に知っていた童話とは違う、シニカルな世界がひろがっていた。アンデルセンの生き方に興味をもったマイケルは、日記や手紙を手がかりにして、アンデルセンを追体験するヨーロッパ縦断の旅に出る。そこで待ち受けていたものとは…。世界で最も愛される童話作家の知られざる心情を丹念に追った旅行記。『英国一家、日本を食べる』で大ブレークしたマイケル・ブースのデビュー作。
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