『文芸・小説、ハーパーコリンズ・ジャパン、エロティカ・アモーレ、アリソン・リチャードソン』の電子書籍一覧
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あの男の顔は二度と思い出したくもない。
でも、望遠鏡みたいなアレを忘れるなんて無理。
知的で自由な精神を持つアナは、10代の若さで伯爵未亡人となった。
社交界では理想的なレディとして振る舞いながらも、素顔のアナは性に奔放だった。
お相手は、父親である将軍のもとに駐屯している、若く逞しい新兵たち。
彼女との関係が知られたら文字どおり首が飛ぶ。彼らが秘密を漏らす心配は皆無で、
アナのみずみずしく溢れる若い性は、惜しみない快楽を謳歌していた。
ところがあるとき、アナは父親の命でパリに住む従兄ロバートの屋敷へ送られてしまう。
わがままなまでに疼く身体を慰めてくれる名も無き若い男たちはもういない。
ひょんなことからロバートに贔屓の娼館に連れていかれた彼女は一計を案じる。
娼婦たちが「身体もテクニックも最高なのに無愛想」と嫌っているスコットランド人の客――
ジェームズ・マッキアナンの相手を、わたしが務めるというのはどうかしら……。 -
おまえは俺を卑しい平民だと口では罵る。
だが、下の口はどうだ? こんなに欲しがってる…。
伯爵未亡人アナは、可憐な従妹シャーロットの婚礼のため、イギリス郊外の館に滞在していた。
シャーロットは類い希な美貌を持ち、気立てもよく、完璧なレディとして育てられた。
この無垢な令嬢が、夫となるつまらない子爵に一生の貞節を誓うことになる――
それがアナには不憫でならなかった。誓いを立てるその前に、彼女に贈り物をしたい。
アナは友人ロレンツォを呼びだした。イタリアの詩人で、放蕩者だが情に厚い男だ。
夜10時。屋敷の者が寝静まった頃、ロレンツォはするりと窓から入ってきた。
ベッドに横たわる、薄いナイトドレス姿のシャーロットの傍らにはアナが座っている。
「アナ。こんなにも美しいレディに奉仕する名誉をこの僕に与えてくれるとは……!」
ロレンツォの男性的魅力を目の当たりにしたシャーロットの胸が期待と不安に震える。
アナは優しくシャーロットの前を開いた。「さあ、あなたの美しい胸を見せてあげましょう」 -
「脚を開け、伯爵夫人。そこに触れたまえ」
ああ、正体も明かさぬ男にオーガズムを見られるなんて。
伯爵未亡人アナ・フォン・エスリンは、ここ2年ほど独り寝をかこつ暮らしだった。
30代に入ったばかりで、まさに熟れた果実ともいうべき身体をもてあましているのは、
ひとえにジェームズ・マッキアナンという憎らしい男のせいだ。
爵位も持たないくせに、科学技術者としてのし上がり、王室からも一目置かれる男。
彼は本気でアナを妻にと望み、舞踏会で、晩餐会で、彼女と顔を合わせる度に、
誘惑の触手で絡めとろうとする。二人の身分差などおかまいなしに。
そんな彼の傲慢さがいやでたまらないのに、ほかの男では満足できない。
悶々とするアナに、いとこのロバートが“君がいちばん欲しがっているもの”を贈ってくれた。
それは究極の愛の技巧を持った“理想の愛人”――。
ただし、目隠しをしていなければ会えない、謎の愛人だった。
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