『ライトノベル(ラノベ)、菜波、1円~』の電子書籍一覧
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「間に合った……」
窓から射し込む夕焼けが、闇を含んで夜へと塗り替えられようとしていて……その気配をひしひしと己が身に感じて、私はその場にしゃがみ込みこんだ。
自身を抱いてほんの数分……銀の髪色と肩ほどの長さや薄紅の虹彩はそのままに、私は変わってしまう。
ついさっきまでの、本来の性別の私はいなくなる。
そこにいるのは「女」へと変わってしまった「男(私)」だ。
日が昇り朝が来るまで、私は──…… -
自分の声に聞こえない声で幼なじみへと叫び、再び迫りくる触手と俺は対峙する。
遠くに、転がっている俺の長剣が見える。それさえ……!
拾えれば……と動くも、どうにも上手くいかなかった。
体のサイズが本当の俺と違いすぎるからか、上手く体が動かない。あと、やたらと揺れる胸が……おっぱいが邪魔だし!
触手が、俺を再びからめ取る。俺の体を女にしてどうするつもりなのか。
いや、愚問だ。古来から触手のすることは決まっているのだから。
捕まえた人間に、ドスケベなことをする! -
代々が聖騎士の家系でありながら反発し、そうならなかった元冒険者のバーテンダー・メルは、出てきた娼館の前で世界の魔王がひとり、色欲の魔兎ルグールクと出会う。
人間にしては生命力が強すぎるといちゃもんをつけられ、それはそうとお持ち帰り。
メルの精気を吸収した魔王は美少年から美少女へと性別を変える。
太古の英雄によって封印されている魔王の力が、メルによって解かれるが……? -
All your fault!! = ぜんぶ、お前のせいだ!!
道生は昼はお堅いサラーリーマン。
ストレス発散を目的に、夜は「男の娘・ミオ」としてデリヘル嬢出勤!
ある夜新規客が入りホテルへ向かうと、出てきたのは高校時代の同級生、紀明だった。
初めてで不安だったからと顔を綻ばせる紀明とは対象的に怒り心頭の道生。
道生が男の娘になるきっかけを作ったのは、紀明の心無い発言だったのだ。
俺がこうなったのは、ぜんぶ、お前のせいなのに――。
一方紀明にも人に言えない悩みが。
デリヘルが初めてどころか童貞で、しかも自分はゲイかもしれない。
でも、女の子みたいな男の子、「男の娘」に欲情できれば戻れるかもしれない、と。
素直に打ち明ける紀明に、道生は自分なりの復讐を思いついて――!? -
引きこもり精霊使い(エレメンタラー)、ハジめての冒険はキケンがイッパイ
精霊使い(エレメンタラー)のアリッサムは水の精霊オンディーアスとともに一人前になるための旅に出ていたが、早々に山賊に囲まれピンチに。
パニックで呪文を忘れてへたりこんだところを、とおりがかった戦士スターチスに助けられるが、
こんどはそのスターチスに絡まれてしまう。
――助けた代金は金貨1000枚。 ないなら体で払ってもらおうか!
イジワルな精霊と雄らしい戦士に挟まれて、アリッサムのドキドキ冒険ライフが始まる! -
伯爵家二男メルヴィンは家を出て冒険者をしていたが後継者である兄、アルヴァルが危篤だと、連れ戻された。だが「危篤」というのはある意味では嘘で、ある程度は真実であった。帰り着いた頃には生命の危機から逃れていたアルヴァルだが、どういうわけかメルヴィンへと継承権を置き換えると言う。意味がわからずメルヴィンは兄を見舞う。
そこには奇病により性別が変わってしまった兄。
「……勃起もんじゃねーか……ッ」
呆然としながらもメルヴィンがこぼしたひと言がこれであった。 -
「リオ、俺と番って」
予想していた懇願だが、オレは困ったように微笑った。子を成して群れを作りたいのならばオレではできないだろう。オレを見下ろしていた青い瞳が白く光った。
狼獣人は発情期を迎えて魔獣人化して魔力を得る。あえて魔法を受けながら「なるほど」とオレはうなずいた。
「ノラン……おまえ、獣人だと思ってたけど……」
そう言った時にはもう、オレの声は、肉体は、かわっていた。
男から女へと。 -
今しがた、店に入ってきたのは屈強な冒険者の男三人と、その腕の中で大事そうに横抱きにされている意識のない褐色肌のエルフ美少女だった。
俺はうちの宿を利用している唯一の宿泊客を思い浮かべる。砂漠出身と言っていたそのエルフの肌は確かに褐色で、冒険者登録をしている魔道士だったが……
一八歳ぐらいの美青年だったはず…… -
「……お戯れを……」
「戯れなんかじゃない、本気……なんだ」
投げられるターコイズブルーの瞳の奥に、誘惑(テンプテーション)の魔力が潜んで瞬く。
天蓋付きのベッドの上に押し倒され、切なげな眼差しを向けられせまられていても、誘惑に傾く欲望のままに動くわけにはいかなかった。
相手は王子殿下だ。ある種の情を持っていたとしても、呪いか契約か、内側に魔女を宿しているとしても…… -
真夜中、ひとり暮らしの部屋まで押しかけ、ドアを叩いてオレを起こしたのは……通う大学は違えど高校は同じだった俊彦だ。
こうしてやって来る時のこいつは、必ずと言っていいほど酔っ払っている。
1 今、恋に気づいた
2 夕餉のお誘い
3 だからまた酔いつぶれる
4 雨に濡れる
他
恋愛未満、友情以上
誰かと誰かの、小さな小さな物語(ストーリー) -
深夜、帰宅するとリビングで寝てしまった姉が。
「姉ちゃーん、末莉姉ちゃーん? 起きないよなぁ?」
一度寝入ると呼んでも揺すってもなかなか起きないのが仁山家の血筋。無論、オレもそれは同じだが、今の姉ちゃんは特に何をしても起きそうにない気がした。
じっくりと姉の寝姿を眺めるなんて、どうかしている。わかっていながらやめられないのは、オレが重度の姉(シスター)コンプレックスだからだろう。
オレの手は寝息に揺れている胸をわし掴んでいた。 -
白虎獣人ルウガは幼い頃に両親を亡くし魔女に引き取られた。現代で人の姿を取り暮らしていたが育ての魔女と似た気配を感知し、異形に襲われていた男、真木ハルカを救う。彼は魔女と淫魔の間の子で、ルウガに運命を感じて美少女へと変わる。魔女の素質に覚醒めたハルカに獣欲を叩き起こされたルウガは……
恋(うんめい)の歯車は、噛み合いはじめていた。 -
「……こういう娯楽のない場所では、夜這いが娯楽だなんてよく言うけど……」
まさか本当に夜這いを仕掛けてくるとは。しかも初日から。
どうしたものか。迎撃するのは簡単だ、入り口に魔法で死なない程度の罠でも仕掛けておけばいい。
しかしどうしたことか。唯一の娯楽かもしれない夜這いに、僕の心は躍っていたりする。
ここは「わからせて」あげたほうが良いのか、あえて「わからせ」られるのも一興か。
「どうしようかなぁ、女の子役はしたことないのに……」 -
止まっていた俺の時間がやっとで動き出した。
だけど、とても緩慢に。
ふと現実を見やって、過去の失意から這い上がって未来(さき)へ進まなければならないと思い立つのに……
◇1 いずれ思い出は遠い彼方(かなた)へと
眼差しの先にあったのは、いつだって俺ではない。
そしてあの瞳はもう戻らない。曇った双眸にさえ、俺を簡単には映してくれない。
◇2 残像
他
◇3 プリムラ……運命を開く
◇4 酒乱
◇5 コタツの攻防
BLショートストーリー集 -
山賊殺しの異名を持つ戦士、アーザレアに山賊から助けられた獣人猫族のナズナ。
鬼のような迫力で戦う彼に最初は恐怖したものの、後に向けられた笑顔のギャップに抱かれたいと浮かべる。ナズナは『発情』の衝動を自覚し、猫族が成獣の姿へと変わる条件である『恋』をした。
離れたくない離れたくない一心で半ば強引にアーザレアについて行き、上手く彼をサポートすることで『相方』であると認めてもらうが『発情期』を迎えてしまった獣が、その衝動を抑えて乗り切ることは難しく… -
忘れられていた狐神は迷い込んだ幼児の願いを受諾した。三十路となった男の元に現たのは、美少女と見まがう真っ白なショタ狐。
「オレは嫁だから、スケベしたっていいんだぜ?」
神様、男じゃん…? と困惑している内にショタはロリ巨乳な狐耳娘に変わって誘う。
触れた感触はれっきとした現実だというのに、視覚が二次元めいていて… -
湿原一帯を領地とする伯爵家。嫡子であるエーリカは厳しすぎる後継者教育によって心をすり減らしていた。父の期待に応えなければとあせる反面、厳しく冷たい父親へと特別な感情を抱いてもいた。
そんな中、魔道士である叔父が帰還するが、一六歳となり成人の年齢となったエーリカは、さらに厳しさが増す後継者教育に不安を抱きながらも成人の儀式へと赴く。
だが大聖堂へと着くこともなく、エーリカは領主を恨む何者かに拐かされ、禁制品である媚薬によってメスへと堕ちて…… -
赤らめた頬と潤んだ瞳をそのままに、名残惜しそうに俺を見ている義弟。「駄目です」と拒絶し、押し返したくせに…
キスは、衝動的だった。あまりにも無防備に、極上の笑顔に俺を映すものだから…つい、奪わずにはいられなかったのかもしれない。
このまま、自覚してしまった「欲情」にまかせてしまいたくもなったが…現在(いま)はいない実妹の里子ではあるが、彼はその妹の夫であるということが強く浮かび上がる。それから姪の、里奈の存在も。
赤らめた頬と潤んだ瞳をそのままに、なぜか名残惜しそうに俺を見ている。「駄目です」と拒絶し、押し返したくせに… -
砂漠地帯を統治するディンブラント家と、古くから砂漠に住まう魔法戦士の一族砂漠の薔薇の間に婚姻話が持ち出される。
砂漠地帯を統治するディンブラント家と、古くから砂漠に住まう魔法戦士の一族「砂漠の薔薇」の間に、婚姻話が持ち出される。過去に深い傷を負わされた砂漠の薔薇アリウムと、領主の娘で騎士でもある男装の麗人ミモザ。ふたりで賊退治に赴くも、アリウムは夜に紛れてひとり、圧倒的な魔法で賊を殲滅してしまう。驚愕するミモザだったが、激しい戦いをする彼に潜んだ過去の傷を砂漠の夜に垣間見る。ミモザによって忘れていたはずの過去の傷を思い出し、動揺のままにアリウムは縋るが… -
砂エルフのラルディと銀狼族のカミールが出会ったのは八年前。死に際であったカミールの父親に子供だったカミールを託される。最後に抱かせて欲しいという願いを聞き入れるが、ラルディは初めて本気の恋を死にゆく父親に抱いてしまう。
やがて父親そっくりに育つカミールは国に定められた成人の年齢、一六歳を迎えて獣人特有の発情期を迎える。
求愛行動として夜毎ラルディに半端な夜這いを仕掛けるが、寝たふりをしてやり過ごすラルディだが… -
下級貴族アルメレク家の兄弟レオンとジャスリン。亡き父親に性的調教を受けてきたふたりは肉体の快楽に悩まされていた。
レオンは父が所有していた男娼館の存在を知りその権利を家督と同時に受け継ぎ、雇われ経営者であるヒューバートに男娼の仕事を教えてほしいと願い出る。
成人の年齢を迎えたジャスリンは、誰でもいいという気持ちでフットマンの青年フェルカを誘い身体を許す。
性交の中に感情の伴った甘美を見つけるふたりは…… -
羞恥が騎士の胸中を沸かせた。
視線をさまよわせた先にあったベッドの上、まだ眠っている従弟であり護るべき対象である王子を見つけて。
「こ……殺せっ! これ以上、僕を辱めるぐらいなら、いっそ……!」
王子の騎士として、従兄として、ラナにはそのような姿を見られたくはない。過去を思い出しても、『女』とされた自分の存在は果てしなくみじめであるというのに、護らねばならないはずの王子の目にメスの痴態をさらすなど、情けなさに死を選ぶしかない。 -
たとえ眠っていたとしても、意識を半分起こしておくのが冒険者としては当然で。こうした野宿とくれば見張りを置いているとしても、いつもでも不穏な気配に対処できるようにしておくのが常識というものだ。
よって、仲間ふたりが、どういうつもりなのか性的興奮を剥き出しにしてこちらへ向けていることを……凄腕魔法戦士の一族として世界に知られている『砂漠の薔薇』たるオレが、気がつかないはずがないのだ。
……に、しても。こんな場所でよくもまぁ、そんな気になれるもんだな。 -
収穫祭前の葉落ちの月、ネリネはずっと体の関係を持っていた長兄に貴族令嬢との婚姻が決まったことを理由に終わりを告げられる。
兄の下で働いていたネリネは傷つきながらも用心棒の仕事を続けていたが、観光に訪れていた貴族画家に、一番親しい友人にも見せたことのない泣き顔を、無意識に流していた涙を見られてしまう。
捨てられたことに傷ついたまま、兄との密事を忘れられず、ネリネは寂しさを自覚して画家と友人に身を預け…… -
少年の唇が微笑む。
そこから覗いた尖った犬歯が鋭利な輝きを放つが、それはすぐに青年の首筋へと埋め込まれた。
熱い痛みに青年の表情がしかめられる。だがその次に流れ込んだのは、内側から支配する恍惚だった。
理性が、黒い瞳から消えていく。煤色だった左目が黒へと染まった。
魔法を消し去る破術の瞳が失われていく。劣情の燃え上がりを消し去ることができないのは、体内に流し込まれたそれが魔法ではないからだ――吸血鬼(ヴァンパイア)の種。
人間(ひと)を吸血鬼の贄(にえ)へと変えるための、呪いだ。 -
隣人は、金髪に青緑色の瞳を持った美青年。しかし薄い壁の向こうから聞こえるのは、男を攻める彼の声で……あ。もしかして……ゲイ、でいらっしゃる? お隣さん。「やかましわ!」俺は思わず壁を叩くが、あまり遠慮の気配はない。こんな迷惑を掛けられているにも拘らず、電車の中で偶然にも悪酔いして立てなくなっていた彼を見つけてしまった。なぜか放っておく気にはならなくて、つい、世話を焼いてしまう俺であったが……。
隣人は、金髪に青緑色の瞳を持った美青年。しかし薄い壁の向こうから聞こえるのは、男を攻める彼の声で……あ。もしかして……ゲイ、でいらっしゃる? お隣さん。「やかましわ!」俺は思わず壁を叩くが、あまり遠慮の気配はない。こんな迷惑を掛けられているにも拘らず、電車の中で偶然にも悪酔いして立てなくなっていた彼を見つけてしまった。なぜか放っておく気にはならなくて、つい、世話を焼いてしまう俺であったが……。 -
平日はリーマン、時々魔女。女装すると魔力が備わる特殊な男の娘魔女。魔女の試練で処女喪失しなければならなくて…
二十歳の時にこの難問を出されてはや五年、いくら僕が男の娘と呼ばれるぐらいに男っぽさが欠片もないとはいえ、性癖はあくまでノーマルなのである。こればかりは母さんの期待に応えてあげることはできない。
…この夜はまだ、そう思っていた。
なのに、飲みに行った仕事帰り、酔ってつぶれた後輩に処女を奪われた。その後に召喚した使い魔がなぜかその後輩で…? -
「ところで織田くん。その趣味はいつ頃から発症なさったのです?」
「趣味じゃねぇよッ! 発症もしてねぇよッ!」夏休み。女の子しか募集していなかった超ド短期のアルバイト。姉ちゃんの「女装すれば?」という言葉にそそのかされ、実行してしまったオレ、織田明包。名前のフリガナを「アカネ」とだけ変え、あっさり採用されてしまったはいいが、癖になったらどうしようと思っていた矢先、クラス担任である平手先生に見つかってしまった。お話しましょうと女装のまま近所の公園まで連行され、どんな説教を受けるのかと思いきや……。
「どうやら僕は、織田くんのことが好きになってしまったみたいです。交際しましょう」
意味、わかんないんですけど。 -
「だってひとり寝は趣味じゃないもん。なのに今夜は、お相手に恵まれなかったわけ。だから……いいでしょ? ルリ」
普段の室長代理ではなくボクの愛称で呼ぶのは……合図だ。
「はい……ジャレットさん」
魔法陣以外の楽しみを、ボクは知らなかった。肉体の快楽を教えてくれたのは、彼だ。
求められるのが嬉しい。甘美を味わうことが、楽しい。断ることなんてできない。抱かれ、繋がり、性交によって快楽を得ることが…今のボクにとって唯一の、魔法陣以外の楽しいことなのだから──…… -
オレと妹は事故に遭い、オレの肉体と妹の魂は消えてしまった。そして、目覚めたオレは……──妹に、なっていた。
まるでほんの数秒前だったかのように、夏の朝に妹の千夏といっしょに立っていたバス停での情景が頭の中にはあるのだが、それは半年も前のことだったと知る。くだらない日常会話も、千夏の口から聞こえた幼なじみの話も、蝉の鳴き声も、全部憶えているのに、けたたましい衝撃音の後だけが……全て空白だった。
オレと妹は事故に遭い、オレの肉体と妹の魂は消えてしまった。そして、目覚めたオレは……──妹に、なっていた。 -
「繋がりましょう、魔力(うんめい)の糸で……──」
おとなびた声と口調でツタバに囁き、跪いた。その契約はまるで……魔女である彼女がツタバへと「服従」を誓ったかのように見えるが……。
「末永く、死が私たちが別(わか)つまで──……」
こちらへと魔女が唇を落とす。だがオレへのキスは脛ではなかった。さらに下、足の甲へと落とされた。それではまるでオレへと「隷属」する誓いのようであった。 -
王国に仕える隠密衆、トガクレ一族。修行を明けたオレは、第六王子殿下の護衛を仰せつかった。女装でメイドの格好で。
砂糖菓子のような甘い美形である王子だが、なぜかこの人、オレにだけセクハラとかしてくるんですけど!?危機的状況でもおかまいなしに!
「あぶない!」
と叫び終わらぬ内に、背後をひと蹴り!
「……まさか護衛対象である王子を蹴っぽるとはな」
スカートの中に頭を突っ込んで人の尻に顔を埋めてきた王子が悪い!とは声を大きくしては言えないが、生きているのだから結果オーライ! -
この高鳴る鼓動はときめきなんて甘いものではない。なぜなら
「逃がすかぁあぁッ! この、下着泥棒がぁあぁッ!」
握った拳に憤怒を乗せ、叫んだ勢いのままに突き出したそれは、美青年のみぞおちに見事キレイに決まる!
前のめりにお腹を押さえてうずくまる彼だったが、その細い肩からすべり落ちそうになっているパーカーから、チラリと覗いた肩紐がふと気になる。
「何でおまえが私のブラしとるんじゃあぁぁあぁぁッ!」 -
兄貴の漫画のアシスタントをすることになったはいいが「……何を見ても、ツッコミは無しの方向で……よろしく」との念押し。気圧されオレは思わず頷いたが、送られてきた原稿データにひと通り目を通したところで、いつもの男性向けのものではないと気付いて俺は驚愕した。
「……びーえる……だ。コレ……」
美女、美少女がメインのエロエロの男性向けを描いていたはずの兄貴が、いつの間にボーイズラブの世界に足を突っ込んでいたのかなんて……。
しかもそれらは俺への願望で? -
平野彦一は幕府の同心であったが、ある日ふらりと出奔する。流浪の身となり立ち寄った村で、火の玉が飛ぶという社殿へひとり立ち寄った。
そこで彦一は二匹の霊狐と出会う。金色の毛並みを持つおぼろと、弟である白銀の毛並みを持ったほむら。
「儂らは神域を護る狐にすぎませぬ。此処はまさしく夢と現の狭間に在る、儂ら狐の領域です」霊狐の領域に連れてこられた彦一は、甘く饗され劣情のままに二匹を抱く。快楽の中で親友の優吾と、遊里へと売られた晴という幼馴染みを浮かべるが… -
オカルト大好きな幼馴染みに誘われたのはかなり遅い初詣。しかし行き先は、廃墟と化した小さな神社。
ご利益は縁結びだと言う。今の雰囲気では縁を結ぶどころか無条件で縁をぶった切られてしまいそうなのだが。しかし『縁結び』と聞いてオレは、ちくりと胸に小さな痛みを感じた。
好きな相手がいるくせに、どうしてオレを誘ったんだ? 自分の気持ちもわからないのに腹が立ち、気が付けばオレは彼女を押し倒していた。
なのにこいつ……全然危機感ないんですけど!? -
無垢であり清純だったはずの第三王子ユーチャリスは成人を迎えたその日に国王陛下の愛妾になることを命じられる。調教によってメスへと仕立てられたユーチャリスは、悔しさにあふれた涙に歪む視界の中でふと……ふたりの兄の顔を思い浮かべる。
助けて欲しいと……思わず兄たちに縋りたくなってしまったが、男の身でありながら愛妾とされ実父にメスとして扱われていることを知られたくなくてはぐらかすが…… -
激しい雨の中、逃げ込んだ小さな軒先。お互いずぶ濡れ状態で、上着を脱げばワイシャツが肌に貼りつき透けていて、課長の筋肉やっぱりすげぇな…と見惚れていたが、立派な大胸筋がブラジャーに包まれているのが透けて見えて…
や、ちょっと待て。透けブラ……? とは
なのになぜかこのタイミングで。
「好きなんだ、奥村」
本気の声に、表情に、眼差しに、心臓が痛い。なのに言葉の意味を、透けブラのせいなのかちゃんと理解することができなかった。 -
白い毛並みの猫の耳とふたつに分かれた尻尾を持つ少年の姿をした妖かしは、春海の数える唄声に誘われ深遠の闇での眠りから現し世へと身を起こす。
本来ならば妖かしを消滅させる祓師の力を持つ春海であったが、敵意のない白猫の妖かしに力を使うことはなく…
愛する者を亡くして孤独となり、失意していた春海の寂しさに、白猫の少年は惹かれる。
時折こぼされる「左雨」という名を耳にして、白猫は彼の寂しさに寄り添いながらその名を望んだ。 -
朝の満員電車、たまたま揺れと人混みに圧されて、ドア付近に立っていたリーマンに被さってしまった。美少年な可愛い見目にオレの性癖が暴走し、熱を押し付ける事故的接触。
もう二度と会える可能性などないだろうと思い込み、ひと時のラッキースケベを噛み締めながらのソロ活動で一発コースの流れに身を任せたが…何とその日の内にバイト先のカフェで早すぎる再会を果たす。
動揺を隠せないオレの手にこっそり名刺が舞い込むが、その裏に
─今朝の痴漢さんへ。
って。不可抗力ですから! -
「……で? それが、あの……アンバー将軍だと、言うのか?」
視察へ赴き一戦交えて帰って来た配下の騎士たちの話に、トアイルシィ国王陛下である僕、サンダーソニア・クラレッド・トアイルシィは、呆然と口を開くしかなかった。
目の前にいる細くて頼りない少女が、呪いを受けて変わってしまった猛将、白き老騎士、ズオウ・アンバー将軍であるとは、簡単に信じることなどできない。
「まぁ、細かいことは良いじゃろう」本人は、少女のものへと変わった声で、軽く流す。
「よくねーよ!」 -
「タマキくんは、私の理想とする可愛い女の子なのだ」
「すみません、いくら先輩が真剣に仰ったところで、僕は男です。イサリ先輩の目にどれだけ僕が可愛く映っていようとも、僕はれっきとした男ですからっ」
「では言い直そう。キミは私の、可愛い男の娘だ!」
「字面っ!!」
「じゃあ…メス男子…って、言えばいい?」
「余計に悪いです」
なぜか彼女は、男である僕を「カノジョ」にしようとしているのだ。そして女である彼女は、僕の「カレシ」になりたがっていた。 -
僕、シトリン・ラブラドライドが、この魔法専門のパブリックスクールの門をくぐったのは、この国で定められている成人の年齢、一六歳になった春のことだった。
優等生枠に選ばれて、主席入学者のジャスパー・カクタスとの二人部屋を寄宿舎に与えられたが…
その日の内に僕は知らされる。女の子のようにされる快感を。
実家でのいい子の僕も、昼間の学校での優等生である僕も、本当じゃない。夜が来て、ジャスパーによって暴かれる「淫乱なメス」である僕が……「本当」の自分だった。 -
生来、闇の色しか知らない盲目の佳人・栞。その瞳に唯一、映し出すことが出来たのは、闇から生まれたという妖人の姿だけであった。
初めて闇以外の色を眼にした栞は、犬の耳を生やした妖人に惹かれる。
名を持たなかった妖人は、栞に「空太郎」という名を付けてもらったお返しに、ひとつだけ願いを叶えてやると約束する。
たった数日の夜の逢瀬で、寂しさと情の境目にふたりして立つことになるのだが……。 -
「これよりあなたの所有物となります。ご主人様、どうかこの奴隷に名前をお授けください」
売れ残った犬族の奴隷青年は、少女の姿をした魔女、カンナ・ブルーレースに拾われて、ストックという名をもらう。
全焼した廃村の中で、春が訪れても氷の溶けることのない凍結湖の傍で、彼女は何十年もの間ひとりで暮らしていた。彼女は三つの呪いを背負う代わりに魔力を得た魔女である。そのうちのひとつ、「色慾」に堕ちるカンナの欲情のニオイに、彼は本能を駆り立てられる。 -
目を瞬(しばたた)かせて見るものの、気の所為にしておきたかった彼の肌色の割合がマックス一〇から減ることなど一ミリもなかった。それどころか……大事なトコロを隠すことなく堂々とわたしの視界へとさらしている。
……もしかして松本くんは、変態さんなのかしら?
「もしかして」も何もないのかもしれないのだけれども。
思いがけないところから、裸コートと共に訪れたトキメキに……わたしは翻弄されていく。 -
オレの女装に弟が血迷う。
「目ぇ覚ませ! ド阿呆ーッ!」
と叫び、オレは後ろ回し蹴りを弟の脇腹へとキメるが……!
「その蹴り、もしかして兄ちゃん?」
蹴りが入るまでオレだと気付かないような阿呆の弟であったが、これがきっかけでこいつは覚醒してしまう。
オレへと向けられる弟の凄まじい感情に翻弄され、悩みに悩んでオレはなぜかまた、女装していた……。 -
「わかった。お前がそういうのなら……抱いてやる。ただし、無様に泣いて許しを乞うなよ? 途中で泣きわめいたところで中断は、無しだ」
苛立ちを眼差しに込めて言ってやる。
ゴクリ……と、彼……いや、彼だったはずの彼女は、はしたなくも喉を鳴らした。
これがついこの間まで、行動を共にして遊び呆けていた従弟であるところには、目を疑うところなのだが。彼女の父親と同じ目立つ銀髪と、僕と同じ濃い紫色の瞳は以前と変わらず「彼」であった。
従弟はいつの間にか、従妹となっていた。 -
深夜のオフィスで。
終電逃して舞い戻ってみれば、まだ残っていた主任があられもない姿に。
普段の主任と違いすぎて、俺の理性は欲情へと傾いた。
問い詰めると、やはりひとりで慰めていたらしいが……
おかしな方向へと突っ走り、主任は蠱惑的に囁く。
「お願い、もう……我慢できないからっ」
手が伸ばされる。俺の、股間に。
エロい期待を抱きながらも、戸惑ったが、リミッターが解除された俺の分身は野獣そのものであった。 -
「先生……これは、どういう……?」
「本当にキミたち兄弟は、よく似ているね」
教育実習生として母校を訪れた高坂鳴海は、指導教官となった小林が、自分の弟である育海とただならぬ関係であることを知らされる。そこから、小林が管理している理科準備室で、放課後の「指導」がはじまった。
快楽に流され、鳴海は小林の手によって淫らな身体へと調教されていく。
そんな鳴海の姿を、淫靡な熱と羨望と、罪悪感とをはらませた眼差しで、弟の育海は実習期間中ずっと見据えていた。 -
地元商店街の小さな書店で紫亜がバイトを始めたのは、二六歳の初夏だった。
失恋が理由で会社を辞めた紫亜はそこで、書店店長となっていた初恋のお兄さんと再会する。
鋭い目つきで三白眼の彼は昔から誤解されがちだが、中身はとても優しいと紫亜は知っている。思い出した初恋に、なぜか紫亜は、激しい欲情を内にくすぶらせながら過ごすことに。
日々を自慰で誤魔化し続けるがある日…紫亜は亮吾を殴って昏倒させていた。
ケダモノのような肉欲に駆られ、意識のない亮吾に跨る紫亜は……。 -
現実であるというのに妄想の中の心地へと理性が傾く。
「ふたりは……千花が好きなんだよね?」彼らふたりの根底には、僕の双子の妹である千花がいる。確かめるように訊ねると、ふたりして気まずそうに言葉を濁した。
本気か冗談かわからない妹の言葉から、僕が「腐男子」という深みへと沈んでしまったからはじまってしまった妄想と、繋がってしまった現実。
現実に邪な欲望を向けられて、欲情まみれの妄想から僕は、ふたりを誘う。
「僕を、代わりにしても……いいよ」 -
伝説の勇者に選ばれた俺、アリアス・ロットは、世界の魔王が一人、堕落の魔王ラズズの討伐を命じられた…はずだったが、なぜか、俺と魔王で妊活する羽目に。どっちが孕む?こうなれば、男のプライドを掛けて、ガチで殴り合いの勝負しかない!こうして夕陽を背景に、俺と魔王は拳を構えて睨み合うのであった。勝つのは、孕むのは、俺か魔王か、どっちだ!?
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「オレ、葉二のこと好きなんだよね。兄弟だからとか家族だからじゃなくって、恋愛感情の方でさ」「へー……」あまりにも簡単にサラリと口にするものだから、思わず流しそうになったが、すぐにものすごい動揺が俺を襲った。俺の兄、藤花は、女装しているわけでもないのに性別が行方不明で見た目はボーイッシュな美少女そのもの。突然の告白に翻弄し、誘惑されるがままに自分の感情もわからないままに流されて、俺は下半身の熱に従って兄を抱いた。
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「お兄ちゃんはチャラい」それは見た目のことなのか、バーテンダーという仕事のことなのかはたまた両方か。
とにかくそんな感じで俺を避け気味だった妹の愛加だが…。
冬のある日、湯けむりの中で目に入った妹の姿に、俺は驚愕させられる。そこからおかしな方向へと愛加は暴走していくが。
「お兄ちゃん、あたしの性奴隷になってよッ」
「魔法少女のノリで性奴隷と来るとはなぁ! こいつぁ驚いたぜ!」
まさかの要求に俺はやけくそ気味に笑うしかない。これも複雑な乙女心らしいが…? -
「な、ない!? 無くなって……るッ?」
オレ、鮭延悠市は、ひとりベッドの上で脚を開いて下着の中に手を突っ込み、寂しくなっている股間に対して狼狽えた声を上げた。
消えてしまった男の証、やわらかな膨らみを持ちはじめた胸、くびれが増した腰に大きくなったお尻。完全に、この身体は「女」だ。この姿はオレではない。オレの身体ではあるはずだが、違う。
暗い窓に映り込んだオレはまるで、ひとつ上の姉、琴梨姉ちゃんそのものだった。
琴梨姉ちゃんの葬儀が終わって、次の日だった。 -
脚をM字に開かされてビニールテープで縛られていることに気が付いた。腕も、頭の上でがっちりと縛られていて動かせない。いつの間に脱がされたのか思い出せない。茉夏は狼狽えながら身をよじる。しかしすぐに、自分をこうしたのが目の前の幼なじみであることを、朦朧としていた意識の記憶に思い出した。音彦はなぜかさみしげな微笑を返す。「好きだから、めちゃくちゃにしてやろうって思ったんだ」茉夏はされたことを許せなかったが、幼なじみを完全に嫌悪することができなかった。
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没落貴族の一人息子リュシアンは事情を隠して男娼となる。少女ドレスに身を包み、花となって初めてを、兄のように慕っていたイトコのアンリに鬻がれ、情交の甘さを知る。同じ男娼であるレミとも仲良くなり、度々訪れるアンリに抱かれて安らぎを得る日々。しかし、アンリを待つリュシアンの前に、逃げていた相手が現れる。「可愛いリュシアン。私だけの物にするはずだったのに……他人(ひと)の手によって穢されてしまったなんて……っ」歪んだ欲望を向けてくるその相手は……
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「義兄(にい)さんって、呼んじゃったんですぅ……ッ」彼女との情事の最中に、なぜかオレを呼んだという義弟。そこからどうしてかオレは、義弟に押し倒されていた。「お願い、試させて」などと懇願され、隣で妻が寝ているのにオレは流され……。ヤバイ……こんなの、おかしくなる。
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小国・アバネディアに住む高名な錬金術士、ライ・フリージアとその助手であり双子の弟であるシオン。そのふたりに、路上で花と春を売っていた女装少年ゼラニウムは拾われて錬金術士の弟子となる。三人での平和な生活が続く中で、ふとしたトラブルに見舞われたゼラニウムが抱いた渇望は……。望んではいけないと思いつつも、快感の中で彼はねだる。「ねぇ、ライ先生、シオンさん……ふたりでもっと、オレを束縛して?」
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