『実用、心理学、一般財団法人東京大学出版会、その他(レーベルなし)、0~10冊』の電子書籍一覧
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退勤後も仕事について考えてしまうのはなぜか。その苦痛の要因は何か。リモートワーク普及でより身近になった仕事と生活の切り替えの問題について、日本の組織人の実情に寄り添って検討し、開発した「自分ケア意識」を育むICTプログラムによる支援モデルを提案する。
【主要目次】
はじめに
Ⅰ ワーク・ライフ・バランスと「切り替え」の問題
1 仕事と生活の「切り替え」に関する先行研究
2 本書の目的と構成
コラム1 「仕事」と「生活」の関係に関する重要なテーマ
Ⅱ 「仕事切り替え困難」の体験と生起プロセス
3 生起プロセスに関する質的検討(研究1)
4 「仕事切り替え困難尺度」の開発(研究2)
コラム2 バウンダリー・マネジメント――仕事と生活の境界管理
Ⅲ 「仕事切り替え困難」の生起に関わる要因
5 ポストコロナ社会における自己調整の重要性(研究3)――リモートワーカーを対象にした研究報告
6 「切り替え」におけるセルフモニタリングの限界(研究4)――シフト制勤務の女性社員を対象にした調査から
7 セルフモニタリングから「自分ケア意識」へ(研究5)――日本人の特徴に寄り添ったセルフケアに向けて
コラム3 リモートワークでも仕事のスイッチを「オン」にするヒント
Ⅳ 「切り替え」支援プログラムの開発と検証
8 「自分ケア意識」を促進する「切り替え」支援プログラムの開発
9 開発した「切り替え」支援プログラムの検証と改善(研究6)――3カ月間の試験的実践報告から
コラム4 働き方の主体的なデザインに向けて
Ⅴ 持続可能な働き方の主体的な実現のために
10 これからの「切り替え」支援に向けて
あとがき
Appendix
第3章(研究1):概念の一覧
第4章(研究2):「仕事切り替え困難尺度」
第5章(研究3):リモートワーク低頻度群・高頻度群の全体相関
第8章:セルフモニタリングシステムで使用したチェック項目 -
「考え込むことなく、まわりに半ば委ねてしまおう!」
「関係論的なロボット」の事例から浮かび上がる
人間とロボットの共生の可能性
人間との関係やインタラクションに焦点を合わせ、〈お掃除ロボット〉や著者が開発した〈ゴミ箱ロボット〉といった「関係論的なロボット」の具体事例を紹介し、生態学的な観点からその実相を記述することで人間とロボットの共生の可能性を浮かび上がらせる。
【主要目次】
序
第1章 まわりを味方にしてしまうロボットたち
1 〈お掃除ロボット〉のふるまいを観察してみる
2 〈ゴミ箱ロボット〉の誕生
3 わたしたちとロボットとの相補的な関係
第2章 ひとりでできるってホントなの?
1 「ひとりでできるもん!」
2 冗長な自由度をどう克服するのか
3 機械と生き物との間にあるロボット
4 おぼつかなく歩きはじめた幼児のように
5 〈バイオロジカルな存在〉から〈ソーシャルな存在〉へ
第3章 ロボットとの社会的相互行為の組織化
1 街角にポツンとたたずむロボット
2 〈アイ・ボーンズ〉の誕生
3 ティッシュをくばろうとするロボット
4 〈アイ・ボーンズ〉との微視的な相互行為の組織化
第4章 言葉足らずな発話が生み出すもの
1 言葉足らずな発話による会話連鎖の組織化
2 日常的な会話に対する構成論的なアプローチ
3 今日のニュースをどう伝えるか
4 ロボットたちによる傾聴の可能性
5 大切な言葉をモノ忘れしたらどうか
第5章 ロボットとの〈並ぶ関係〉でのコミュニケーション
1 公園のなかを一緒に歩く
2 ロボットと一緒に歩く
3 〈自動運転システム〉はどこに向うのか
4 ソーシャルなロボットとしての〈自動運転システム〉に向けて
【シリーズ刊行にあたって】
本シリーズは、ジェームズ・ジェローム・ギブソン( James Jerome Gibson, 1904-1979)によって創始された生態心理学・生態学的アプローチにおける重要なアイデアや概念――アフォーダンス、生態学的情報、情報に基づく直接知覚説、知覚システム、視覚性運動制御、知覚行為循環、探索的活動と遂行的活動、生態学的実在論、環境の改変と構造化、促進行為場、協調など――を受け継いだ、さまざまな分野の日本の研究者が、自分の分野の最先端の研究を一種の「エコロジー」として捉え直し、それを「知の生態学」というスローガンのもとで世に問おうとするものである。
生態学的アプローチのラディカリズムとは、真の意味で行為者の観点から世界と向かい合うことにある。それは、自らの立場を括弧に入れて世界を分析する専門家の観点を特権視するのではなく、日々の生活を送る普通の人々の観点、さらには特定の事象に関わる当事者の観点から、自分(たち)と環境との関係を捉え直し、環境を変え、そして自らを変えていくことを目指す科学である。
本シリーズでは、こうした生態学的な知の発想のもと、生態学的アプローチの諸概念を用いながら、執筆者が専門とするそれぞれの分野を再記述し、そこで浮かび上がる、人間の生の模様を各テーマのもとで提示し、望ましい生の形成を展望することを目的としている。
執筆者たちの専門分野はきわめて多様である。生態学的アプローチのラディカリズムと醍醐味をより広くより深くより多くの人々に共有してもらえるかどうか――本シリーズでまさに「知の生態学」の真意を試してみたい。 -
「間合いの本質とは、このリズムにこそある」
生態学的現象学の視点から明らかになる
間(ま、あいだ、あわい)や間合いのダイナミズム
日本の伝統的な芸術や芸能、武道の分野のなかで重要な役割を担い、日本の文化全般にとって美学的で哲学的な原理として長く論じられてきた間(ま、あいだ、あわい)や間合いについて生態学的現象学の視点からそのダイナミズムを明らかにする。
【主要目次】
序――間と間合いとは何か
1 間の日本文化、しかし普遍的であること
2 ま・あいだ・あわい・はざまの概念
3 間合いの概念
4 本書の目的と展開
第1章 生態学的現象学とは何か
1 現象学の目的
2 志向性とアフォーダンス
3 社会的アフォーダンスと間合い
4 促進行為場と充たされざる意味
5 共鳴(レゾナンス)としての知覚
第2章 技と型、その音楽的本質
1 技術の二つの実現――身体とテクノロジー
2 三枝博音の技術論
3 源了圓の型の理論
4 型はどれほど重要なのか――剣道における型
5 能楽における型
6 宇宙の流れ、バシュラールの持続批判
第3章 間合いとリズム
1 世阿弥における間=「せぬ隙」
2 能の時間性
3 間合いと臨床心理
4 間合いと活人剣(かつにんけん)
5 剣のリズム
6 拍子とリズムの哲学
第4章 花と離見の見
1 「秘するが花」
2 離見の見とは何か
3 「不及目の身所」を見る
4 役地と離見の見の同型性
5 呪言と幽霊の主体化
6 バフチンの腹話性とシテ地
7 再び、離見の見とは何か
8 物乞いとしての無心
第5章 流体としての身体
1 身体のリズム、宇宙のリズム
2 リズムは意志の自由に反するか
3 環境に浸る
4 植物の魂
5 草木成仏
6 海、宇宙の体液
第6章 間合いとアフォーダンス
1 庭園を歩く
2 環境と自己についての気象学的・海洋物理学的アプローチ
3 二人称の根源性
4 促進行為場としての間合い
【シリーズ刊行にあたって】
本シリーズは、ジェームズ・ジェローム・ギブソン( James Jerome Gibson, 1904-1979)によって創始された生態心理学・生態学的アプローチにおける重要なアイデアや概念――アフォーダンス、生態学的情報、情報に基づく直接知覚説、知覚システム、視覚性運動制御、知覚行為循環、探索的活動と遂行的活動、生態学的実在論、環境の改変と構造化、促進行為場、協調など――を受け継いだ、さまざまな分野の日本の研究者が、自分の分野の最先端の研究を一種の「エコロジー」として捉え直し、それを「知の生態学」というスローガンのもとで世に問おうとするものである。
生態学的アプローチのラディカリズムとは、真の意味で行為者の観点から世界と向かい合うことにある。それは、自らの立場を括弧に入れて世界を分析する専門家の観点を特権視するのではなく、日々の生活を送る普通の人々の観点、さらには特定の事象に関わる当事者の観点から、自分(たち)と環境との関係を捉え直し、環境を変え、そして自らを変えていくことを目指す科学である。
本シリーズでは、こうした生態学的な知の発想のもと、生態学的アプローチの諸概念を用いながら、執筆者が専門とするそれぞれの分野を再記述し、そこで浮かび上がる、人間の生の模様を各テーマのもとで提示し、望ましい生の形成を展望することを目的としている。
執筆者たちの専門分野はきわめて多様である。生態学的アプローチのラディカリズムと醍醐味をより広くより深くより多くの人々に共有してもらえるかどうか――本シリーズでまさに「知の生態学」の真意を試してみたい。 -
J・J・ギブソン発案の最重要概念であるアフォーダンス。その実相や可能性について心理学の歴史を遡ることで辿り、神経科学との接点をも探る。さらには対人関係や社会制度における社会的アフォーダンスを論じ、「流体の存在論」へといたる、シン・アフォーダンスの書。
【主要目次】
序(田中彰吾)
1 ビリヤード台としての自然
2 生命から始める
3 本書の構成
第1章 心の科学史から見たアフォーダンス(田中彰吾)
1 知覚をどう理解するか:近代哲学の観念論
2 精神物理学から実験心理学へ
3 ゲシュタルト心理学の挑戦
4 ギブソン知覚論の骨子
5 アフォーダンスの概念
第2章 アフォーダンスから見た脳:レゾナンスの神経科学に向けて(田中彰吾)
1 ギブソンとメルロ=ポンティの並行性:生態学的心理学と現象学
2 メルロ=ポンティによる「身体図式」概念の拡張
3 マトリックスとしての脳
4 アフォーダンスの神経科学
5 レゾナンスの神経科学に向かって
第3章 社会的アフォーダンスと環境とのエンカウンター(河野哲也)
1 社会的アフォーダンスの効用
2 アフォーダンスと意味
3 学習された意味と生得的に得られる意味
4 真正の知覚
5 プラグマティズムの記号論とアフォーダンス
6 アフォーダンスと意味の関係
7 アフォーダンスの特徴
8 人間同士のアフォーダンスと出会いの場
9 社会環境アフォーダンス
10 対人関係的アフォーダンス
11 社会制度アフォーダンス
12 社会制度と行動の制御
13 行為の流れ:共鳴、エンカウンター、充たされざる意味、促進行為場
第4章 ギブソンを超えて:海流的アプローチと存在即情報論(河野哲也)
1 流体の存在論:気象学的・海洋物理学的アプローチ
2 身体気象
3 認識と情報
4 存在即情報としての生態系
5 情報化による即自存在の生成
第5章 知の生態学の冒険、ふり返りと今後の展望(河野哲也/田中彰吾) -
【シリーズの特長】
・現在の認知科学の理論的基盤(身体・脳・社会)を明示した上で、新たな枠組みを紹介
・AI、ロボットなど情報科学との接点を明らかにするとともに、心の哲学との対話を展開
・認知科学の歴史を体系的に理解でき、研究射程を広げる手がかりともなる必携のシリーズ
【シリーズ各巻構成】
●『1 心と身体』嶋田総太郎編、2022年9月刊行
●『2 心と脳』川合伸幸編、2022年10月刊行
●『3 心と社会』鈴木宏昭編、2022年9月刊行
●『4 心をとらえるフレームワークの展開』横澤一彦編、2022年9月刊行
【シリーズ刊行にあたって(編集委員一同)】
伝統的な立場からは単なる情報の入口と出口と見なされていた「身体」は、現代認知科学では知性の重要なパートナーであることが明らかになっている。また、人間が行うような高度な認知を支える脳活動を探ることは長らく困難であったが、新たなテクノロジーにより、それを詳細なレベルで捉えることができるようになった。その結果、「脳」の各部位、そのネットワークの驚異的な働きが解明されるようになった。一方、われわれの心は身体、脳にとどまるわけではない。われわれはモノ、ヒトのネットワーク、すなわち「社会」の中で、様々な調整を行いつつ、日々の生活を巧みに営んでいる。したがって、社会は進化、発達を通して、われわれの心の中に深く組み込まれている。こうした心の本源的社会性は、様々なアプローチによってあらわになってきた。身体、脳、社会への注目に基づく変化が起こり始めてから数十年が経過する中で、さらにその先を見据えた、つまり第三世代の認知科学構築のためのフレームワーク、方法論の提案も活発になってきた。
このような動向を踏まえ、本講座は第1巻「心と身体」、第2巻「心と脳」、第3巻「心と社会」、第4巻「心をとらえるフレームワークの展開」という構成となった。各巻では、そのテーマの中で最も根源的であり、かつ最もアクティブに研究が展開している領域を章として配置した。加えてテクノロジーとのかかわり、哲学的な検討も重要であると考え、これらの分野の研究者による章も置かれている。 -
身体をメディアとする人間と世界、他者とのインタラクションを生態学的現象学の方法論を用いて記述分析する。身体のメディア性の機能的拡張や「傷つきやすさ」の概念について考察し、アフォーダンスを捉え直すことで身体と世界についての新たなパースペクティヴを切り開く。
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過去を思い出す行為である想起を通じて、想起者の体験へと接近し得る可能性を追求する。記憶痕跡論や記憶構成論等の主張を批判的に辿り、ギブソンの生態学的知覚論を経由することで「生きている想起」を説明可能な新たな記憶・想起論=生態学的想起論を構想する。
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近年、動物とひととの関係性にする問題が様々な場やレベルで深刻化している。その解決のための一助として、ひとから見える動物のありようを描き出し、動物の見え方が異なる構造をアフォーダンス理論を用いて整理の上、ひとと動物、環境の倫理的共生の可能性について展望する。
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人工物の意味とは何か? この問いに、サイボーグを導き手とし、それについて紡がれた言説を批判的に辿ることで漸近する。意味を先取りした能力/機能の「拡張」から、使用の経験を記述可能な「延長」への生態学的な転回が人工物理解の新たな視座を提供する。
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身体性に関連する認知科学・神経科学の主なトピックを取り上げ、自己と他者の身体的な相互作用を生態学的現象学から考察する。脳内過程ではなく、「脳―身体―環境」というエコロジカルな連続性のもとでの身体的経験の理解を通じて自己と他者が出会う社会的環境を描き直す。
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信頼と裏切りの起源とメカニズムを、進化ゲーム論と実験データからみごとに解明し、日本が従来の集団主義社会を脱し、他者一般に対する信頼で成り立つ開かれた社会を形成することの大切さを説く。 日経・経済図書文化賞受賞
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人間はどのように世界を認識しているか?「情報」という共通言語のもとに研究を進める認知科学が明らかにしてきた,知性の意外なまでの脆さ・儚さと,それを補って余りある環境との相互作用を,記憶・思考を中心に身近なテーマからわかりやすく紹介.自分はしっかりしていると思っている人こそ,読むべきである.
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