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『コスミック出版、早瀬詠一郎、雑誌を除く(文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~32件目/全32件

  • 「向後は大奥から幕政を支えよ」──まさに青天の霹靂であった。将軍毒見役の桂修理之亮は、老中首座・阿部正弘に突如、こう告げられる。
    新たな御役は、大奥を警護する御広敷役──。千二百石の大身旗本となる上、阿部の姓を名乗り、己の末弟にまでなって欲しいという。異例の大出世に戸惑いながらも、阿部修理之亮は、大奥に向かった。
    待っていたのは、御年寄・瀧山であった。大奥総取締である。そこで言い渡された職務は、奥向の女中と城外に出、大奥、そして公儀に仇なす者を共に探索し、成敗するというものだった。
    だが、徳川家のため意気揚々と立ち上がる修理之亮の眼前に、現将軍・家定が現れて……。
    大奥出入り自由の若侍が、特権を活かして暴れ回る、期待の新シリーズ!
  • 傾いて“勾配”があることからその名が付いた浅草阿部川町の「紅梅長屋」。
    南町奉行所与力の紅三十郎が、遠山左衛門尉の命によりこの裏店に入居して一年余。すっかり住人の信頼を得、庶民の人情を知った三十郎の元に、評判の芸者・〆香(しめか)が訪れてきた。連れになった娘御・お蝶を預かって欲しいという。
    わけありのようだったが、美人芸者の願いは断れるはずもなく、しばらくの間、“父子”ふたりで暮らすこととなった。
    そんな折、品川沖に黒船がやってくるという噂が。長屋住人はお祭り騒ぎとなり、みんなで船見に出かけるという。仕方なく同行する三十郎だったが、この遠出がお蝶とその父、そして〆香の運命を左右することに!
    国難に立ち向かう左遷与力、その活躍を描く人気シリーズ、第三弾!!
  • 建物が傾き、“勾配”がある裏店、その名も紅梅長屋──。
    浅草阿部川町に佇むこの長屋に突如住み着き始めたのは、なんと南町奉行所与力の紅三十郎であった。
    「市中目付役となり、世の中の道理を知れ」との、町奉行・遠山左衛門尉の命を受け、大家として入居したのだ。
    承服できかねる左遷であったが、店子との日々の触れ合いで、徐々に心を開き始めた三十郎。
    そんな彼のもとに、住人の一人、徳松が相談にやってきた。吉原の遊女・朝衣に恋い焦がれたものの、とある親方に落籍されてしまったという。しかも女の方も徳松と別れ難かったようで……。
    二人のために腰を上げた三十郎であったが、その裏には意外な敵が待ち受けていた!
    市井の真の恋と人情を描く好評シリーズ、第二弾!!
  • 「紅梅長屋」──いかにも風流な名前の長屋が、浅草は阿部川町にあった。だがその名は、建物が傾いていて、“勾配”があることに由来するという。
    そんな古汚れた裏長屋に、とんでもない住人が住み着くことになった。紅三十郎、れっきとした南町奉行所与力である。
    融通が利かず、杓子定規な三十郎はある日、「世の中の道理を分からせるべく、八丁堀の屋敷を出て、市中目付役を仰せつける」との命を受ける。
    承服できぬまま長屋へ向かった三十郎であったが、そこには、様々な事情を抱えて暮らす住人の姿が。
    日々彼らと触れ合い、興味を持ち始めた三十郎。そして遠山金四郎よろしく、町人の味方となり、守ることに生きがいを感じつつあったのだが……。
    待望の新シリーズ、ここに開幕!
  • わずか二年前まで冷飯食いの身であった峰近香四郎は、今や千石の奉行にまで上り詰めていた。この出世街道はまだ続いているのか──。
    そんな折、赴任地の浦賀を突然訪れてきたのは、老中首座・阿部正弘であった。まさか、不行状を問われ罷免となってしまうのか!?
    だが老中が口にしたのは、「御台様広敷番頭、並びに、将軍御側衆を兼ねよ」との将軍の密命であった。
    このおれが上様の御尊顔を間近に……。またもや信じられない大抜擢である。浦賀に別れを告げ、意気揚々と千代田城に登城する香四郎。そこで待っていたのは──。
    自ら幕臣の鏡と豪語し、日々奮闘する江戸っ子侍。見えてきたのは双六の上がりか否か。唸りを上げる妖刀村正を手に、今日も強敵に立ち向かう!
  • 二十年余も部屋住の身にあった峰近香四郎は出世を重ね、いつしか海岸防禦御用掛として蝦夷地に赴任する身となっていた。
    オロシャ船を見聞し、差し迫る危機を知った香四郎は、任期を終え江戸へ戻ってくる。が、旅の疲れを癒やす間もなく、次の大仕事が待っていた。
    香四郎を待ち構えていた老中首座・阿部正弘が放ったのは、「本日をもって浦賀奉行になってもらう」との驚愕の言葉だった。役高は千石──。異例の大抜擢である。
    だが、たびたび黒船が姿を現す湊は、攘夷派との闘いの場でもあった。
    大奥、さらに朝廷をも巻き込む陰謀に立ち向かい、幕臣として国のために励むことを誓う香四郎。
    異国との交渉に当たる最前線に立ち、今日も葵紋が刻まれた妖刀村正を閃かせる!
  • たった一年前まで、旗本家の冷飯食いの四男坊でしかなかった峰近香四郎は、出世を重ね、今や都の公卿家から正室を迎える身となっていた。
    だが、武州からの検分を終え江戸に戻ると、屋敷が府内から離れた中野村に移されていた。すわ、御家は都落ちか──!?
    そんな香四郎を待っていたのは、海岸防禦御用掛に任ず、という新たな下命であった。やはり左遷であったのか……。
    しかし江戸っ子侍は、時世の表舞台に立てるという気力と喜びを得て、意気揚々と任地へと向かう。
    そして、葵紋が刻まれた妖刀村正を手に、国防の最前線の荒波と風を切り裂くのであった!
    波乱の人生に翻弄されながら、国の未来を憂い、幕命に身命を賭す若侍の出世譚、好評の第六弾!!
  • 小身の旗本の家に生まれ、四男坊で部屋住の冷飯食いだった峰近香四郎は、家督を継ぐや、わずか一年足らずで順調に出世を重ね、今や伝奏屋敷の諸大夫兼幕府評定所留役で一千石取りにまでなっていた。
    しかも、公家の今出川家より正室を迎える大身に上り詰めたのだった。
    が、栄達の喜びは失意へと変貌する。突然、町中で十手持ちに捕えられ、伝馬町牢屋敷に入れられたのである。
    だれが、何の目的で私を?
    苦悩する香四郎であったが、隣の房には思いもよらぬ人物が……。これを僥倖と考えた香四郎は生きる活力を得て、ふたたび出世への道を歩むことになるのだった。
    果たしてひと騒動の果てに行き着いた香四郎の運命とは?今日も江戸っ子侍が葵紋入りの拝刀村正を閃かせる!
  • 伝奏屋敷の諸大夫で、正六位下にして主馬の官名まで賜った峰近香四郎──。五摂家の雄となる九条家の侍である。
    だがこの香四郎、つい先ごろまでは四男坊の冷飯くいだった。兄の死で家督を継ぐや、老中・阿部正弘や町奉行・遠山左衛門尉との出会いによって運命が急変し、大名にも劣らぬ駕籠で出仕する身分に上り詰めたのだった。
    ところが弘化となった今、国内の沿岸では異国船の出没が相次いでいた。
    このままでは外国の餌食にされてしまう──強い危機感を抱いた香四郎は、世の仕組みを立て直さんと、出世へのさらなる野望を秘める。
    国のため、民のため、菊の太刀を手にして立ち上がる江戸っ子侍!そして、そんな香四郎の目の前にふたたび老中が現れるのであった!!
  • まさに青天の霹靂(へきれき)──。
    旗本家に生まれながら、冷飯くいであった峰近香四郎は、兄の急逝により御家を継嗣。
    お目見得となるや、筆頭老中・阿部正弘から長崎奉行支配の調役を拝命する。続けて南町奉行・遠山景元の懐刀となり、別格与力の任命を受けることになった。
    ところが、抜け荷の摘発で手柄を立てたはずの香四郎は、職を解かれ無役に……。
    失意の底にあった彼を訪ねてきたのは、また老中であった。授かっていた妖刀「村正」に代わり新たな太刀を拝領された香四郎。
    出世への道はまだ途絶えていなかったのだ。果たしてその御役とは──!?
    十六葉の菊が刻印された大小を手にした江戸っ子侍が、時代の荒波に呑まれそうな国を救うため、大きな風に立ち向かう!
  • 旗本の御家に生まれ、吉原の宴を心ゆくまで楽しんでいた峰近香四郎──。剣の修練は怠らずにいたが、なにぶん四男坊の冷飯くいで、毎日を気楽に過ごしていた。
    そんな若侍に青天の霹靂が。当主の兄が逝去、いきなり後嗣となり、お目見得の身分となったのであった。しかも、筆頭老中・阿部正弘の呼び出しを受け、長崎奉行支配の調役を拝命。妖刀「村正」とともに、直下の密命まで下されたのである。
    歩み出した道は出世へと続くのか。抜け荷商人を調べるために芝居町に潜入した香四郎だったが、そこで起こった心中事件をきっかけに、当代の人気奉行・遠山景元と出会う。
    そして、さらなる驚くべき拝命が……!! 風を斬り裂くような「村正」を手に、江戸っ子侍が出世街道を駆け上る!
  • 花の吉原に派手な宴を愉しむ若造がいる。峰近香四郎を名乗るこの男、朝帰りでいかにも気楽な身分のようだが、その身は五百石の旗本家の侍であった。が、四男坊で部屋住の冷飯食い。剣術の腕は優れていながらも、将来への望みは途方もなく薄かった……。そんな香四郎に運が向いてくる。御家人ながら当主として入婿する話が舞い降りたのだ。しかも目付心得を拝命、武州葛飾郡への巡検という御役まで頂戴する。意気軒昂に旅立つ香四郎。ところが任地で大事件に巻き込まれる。果ては、生か死か──!?宿命を呪う香四郎であったが、江戸へ戻され、想像を絶する人物と対面することに!出世への道は続くのか。型破りの江戸っ子侍が剣を握り、自らの命運を斬り開いてゆく!!
  • 本所松坂町の質屋の離れに住まう一人の隠居侍。絹川半四郎を名乗るこの男、四十男にしか見えない風貌と粋な出で立ちで、いまだ色恋沙汰のさめやらぬ色惚け侍であった。だが、もう一つの顔があった。剣術指南役を務める半四郎は、なにを隠そう、北町奉行の遠山左衛門尉より斬捨御免状を下された“影目付”として暗躍していたのである。 そんな半四郎に、生まれ故郷・遠州相良に赴いてほしいとの、奉行の命が下った。どうやら藩領の遠州灘に抜け荷騒動の種があり、未曽有の国難になるかもしれないというのだ。国の根幹を揺るがす悪だくみは決して許さぬ──! 闇の真相を探りながら、齢五十三の剣豪が、念流奧許皆伝の衰えぬ太刀筋で多勢の敵に立ち向かう!!
  • 江戸は両国回向院裏の松坂町。ここにひとりの隠居侍が住んでいた。剣術指南役を務める絹川半四郎である。だが隠居といっても、幸四郎ばりの二枚目にして見るからに粋な姿で、住まいの離れ座敷には日ごと夜ごと、入替わるように女どもがやってくると噂になっていた。
     そんな半四郎も剣の腕は確かで、若い頃は将軍御前試合に出場した過去もある。ある日のこと、その腕を見込んだ北町奉行・遠山影元から、驚くべき物を手渡された。奉行の花押とともに“切捨御免”と墨書された奉書紙である。探索方として市井のあれこれを調べて欲しいというのだ。大名屋敷、吉原、町家……。五十の色男侍が江戸を舞台に駆け巡り、問答無用の太刀筋を魅せる期待の新シリーズ、開幕!
  • 幕府の御典医として、江戸城に登城していた酒匂於兎弥──。北辰一刀流の名手としての腕も買われ、寺社奉行・阿部正弘や北町奉行・遠山左衛門尉から信頼を得る美剣士でもあった。とある日、ご法度の役者買いをする大奥女中に遭遇。その始末の相談を遠山へ持ちかけた。奉行は、間もなく誕生する芝居町と大奥がどれほど関わっているか掴んでおきたい、と於兎弥に命を下す。裏で銭や手筈を調える商人を探れ、というのである。ところが、芝居小屋へ足を運んだ於兎弥はそこで辰平と名乗る役者と出会うことに。芝居者だが、その手付きや呼吸が剣の奥義を究めた者のそれであった。いったいこの男の正体とは──!?名刀「鵯丸」を手に、於兎弥は今日も政道を守る!
  • 歌舞伎役者と見まごうほどの美男ながら、千葉周作から認められる剣客として町で噂の酒匂於兎弥──。しかも、葵の御紋入りの駕籠が迎えに来る奥医師として、江戸城大奥にも登城していた。竜宮城さながらの美女たちを診療し、誰もが羨むような日々を送っていたのだ。とある日、一人の中臈が於兎弥へ相談を持ちかける。高価な装飾品を商う多くの贅沢屋が出入りを願い出てくるという。彼らを受け入れれば金目の物が大量に紛失する。大奥はそれを恐れていたのである。昵懇となった北町奉行・遠山左衛門尉と贅沢屋に探りを入れる於兎弥。だがその舞台は、予想だにしない場所へ……。北辰一刀流の名手にして幕府の政道を守る御殿医が、今日も名刀「鵯丸」を手に乱舞する!
  • 葵の御紋入りの駕籠で江戸城に入城する、天下の御典医・酒匂於兎弥──。千葉周作から認められる剣客ながら、蘭方医でもあった於兎弥は、必然、筆頭老中・水野忠邦の目に留まることになった。今日も忠邦から呼び出しを受けるが、その目的は意外なものだった。とある御用達商人にあって欲しい、との下命である。だがこれが、幕閣、ひいては国の将来を左右しかねない有事への端緒となることに……。そして、この日を境に突如、謎の刺客たちが次々に現れる。周作から授かった小太刀「鵯丸」をふるいながら、忠邦の真意をはかる於兎弥。わたしは忠邦どのの手足、隠密医者なのか!?自問自答する北辰一刀流、奥許皆伝の剣豪医師が、ご政道を再建するため、新たな闘いに挑む!
  • 剣聖・千葉周作から、自らの幼名にちなむ名を授けられた若武者がいた。二十一歳の美剣客、酒匂於兎弥である。於兎弥は歴とした旗本の五男坊だが、もう一つの顔があった。幼少より女難の相がある、と勘当されて医家修業に励み、いまでは腕の立つ蘭方外科医でもあったのだ。とある日、江戸城より至急の往診を頼まれた。患者は大奥の中臈。難なく施術を行なった於兎弥だったが、これを機にその運命は一変する。御目見得の奥医師に列することとなり、御城への登城、大奥への出入りが許されたのだ。次第に筆頭老中・水野忠邦の信任も得る於兎弥。果たして忠邦の真意とは──!?謀略が蠢く巨城で、北辰一刀流、奥許皆伝の小太刀を閃めかせる若き剣豪医師。その闘いの幕がいま上がる!
  • 天下のご政道をつつがなく推し進めるべく、江戸へ下向した六條頼母の元に、京から師匠の珈琳がやって来た。その目的は、関白の密命を遂げること―すなわち、公武の和合強化のため、頼母に将軍家の姫君を嫁がせることであった。即座に家斉の第二十七番子、久仁姫と対面するに至るが、その夜、頼母と珈琳は謎の忍びに襲われる。その狙いは、婚儀の破談か!?朝廷と幕府が近づことを嫌うのは、一体どこの誰なのか。敵の顔はまったく見えなかった。そんな折、常陸沖に異国船来航の噂が。真相を見極めるため水戸徳川城下に旅立った頼母と珈琳。ふたりの前に真の敵は姿を現すのか!菊と葵の紋が刻まれた粟田口の細太刀が閃く好評シリーズ、波乱の第四弾!!
  • 朝廷と幕府が手を携えるために──。従四位下の官位を有する六條頼母が、江戸へ下向し徳川へ仕えよと、下命を受けて丸一年。帝から粟田口の細太刀の拝領を賜り、関白から菊と葵の刻印入りの道中手形を贈られた頼母は、美貌の公家侍としてさまざまな騒動に巻き込まれては、並外れた剣術の腕前を披露する日々が続いていた。とある日、駒込にある破れ寺が賭場になっていることを知る。そこへ押し掛けたやくざものを追っ払ったものの、一件落着とはいかなかった。破れ寺がとんでもないものに変貌してしまい、寺社奉行をも巻き込む大騒動に発展するのだ。御出入り勝手の身を活かし、怒りの剣をふるう頼母は、江戸の安泰を守れるのか……。大人気シリーズ、第三弾!
  • 従四位下の官位を有する六條頼母──。内裏雛にも例えられる美貌の剣士は、都の尼寺で育った公達の子で、菊の紋所入りの羽織を纏う姿を目にした者は、帝の落し胤ではないかと噂し合った。その頼母に、帝から命が下る。朝廷に謀反の意なきこと示すため、江戸へ下って徳川に仕えよ、との仰せを授かり、銘刀・粟田口吉光を下賜されたのであった。小石川伝通院の寺侍として半年過ごしたある日、関白・鷹司政通より道中手形が届く。表には“諸国通行勝手たるべし”の文字に菊の紋、裏には葵の紋の焼き付け。まさに天下無双の手形であった。いずこへも立ち入りを許される道中で、とある大名家の不正をただす、という使命を果たさんと、頼母は無敵の細太刀を振り下ろす!好評シリーズ、第二弾!!
  • 将軍に成り代わって諮問し、下命する御側御用取次に出世していた田河意周は、ときに老中たちに頭を下げさせ、十二代・徳川家慶の意向を掌中にして、まさに権威の絶頂にいた。だが、家慶が薨去し、強力な後ろ盾を失ってしまう。すぐさま世子家祥(のちの十三代・家定)の懐柔策を練る意周。自分を唯一無二の相談役と思わせることが肝要だったのだが、この動きに危機感を憶える者が意外なところにいた。これまで出世の後押しをしてくれた筆頭老中・阿部正弘であった。そしてついに、表向き御用の白書院へ呼び出される。覚悟を決めた意周を待っていた、その命とは……。“出世双六”の上がりを目前に、思いがけぬ運命が待ち受ける好評シリーズ、波乱の第五弾!
  • 大名とは言うまでもなく、一万石以上の禄高がある者。ならば、遠州多々良に一万石のみを領する田河家藩主・意周はその最下級ということになる。その現実たるや、江戸城内では肩身が狭く、茶坊主にも悪さをされる始末であった。だが嘆くよりも、藩士と領民のため、幕閣内で出世してみせる──そんな野望を抱いて、今日も藩政に取り組んでいた。遠州灘に面した国表は、時折、異国船が姿を見せていた。その偉容に圧倒された意周は、無謀にも黒船と接触しようとする。そしてついにその日が……。ところがすぐさま、筆頭老中の使者が来た。国禁を犯したことを咎められ、取り潰しに遭うのか!? しかし、意周が耳にしたのは、信じ難い意外な言葉であった!大名の喜びと苦悩を描く、好評第二弾!!
  • 御側御用取次──わずか一万石の譜代大名ながら、将軍の補弼にまで上り詰めた田河意周。朝廷の武家伝奏が近づいて来るほどの大役であったが、海防問題や将軍継嗣問題など、幕閣を巻き添えにする難題の対応に迫られ、城詰となってしまう日々が続いていた。そんな多忙の折、正室・お蘭が第一子を出産した。世継ぎとなる男の子ではなく姫君であったが、市と名付けられたこの幼子をめぐり、意周にある思案が浮かぶ。そして、下した決断──。将軍・徳川家慶、岳父・水戸斉昭、筆頭老中・阿部正弘らがその忠義を讃えたことで、意周は新たな局面を迎えることになる! 家臣や領民のため、野心を抱いて栄達を望んだ一大名の、数奇な運命を描く好評シリーズ、第四弾!!
  • 一生を冷や飯くいの居候と信じ、町人なみの生活を送っていた田河意周は、突如、藩主である長兄と世子が病死して、遠州多々良藩の当主となった幸運者であった。だが石高はわずか一万石……。そのための苦労と悲哀は数えきれないほどあった。大事な領民と藩士のため、立身出世する!まぎれもない大層な野心を抱く極小大名であった。水戸家・徳川斉昭の娘を娶り、奏者番の要職を賜るなど、順調に出世道を歩む意周はある日、江戸城大奥の使いに呼ばれる。大奥への口出しが多い岳父・斉昭の懐柔を懇願されたのだ。大奥との結びつきは、出世の大きな足掛かりになる──。意周と斉昭は、これをきっかけに驚くべき策略を思いつく!知られざる大名生活の情景を描く、好評第三弾!!
  • 多々良藩田河家七男坊の周七郎は、旅籠に芸者をあげて騒ぎ、女買いをする、無駄飯食いの居候。が、驚天動地の出来事が降り掛かった。現藩主の兄・意邦の子が亡くなって世子となり、直後、病弱だった意邦までも急逝してしまったのだ。居候が突如、藩主へ……。思いもしなかった幸運かもしれなかったが、慣れないことばかりで泣き入る日々が続く。そんな折、意周と名を改めた周七郎は、腹を括った。実は田河家は大名とは申せ、遠州の地にわずか一万石を領するのみで、江戸城内でも肩身が狭く、借銭も多い。大切な藩士と領民のため、藩の危機を救うには、幕閣内で出世し、要職に就くしかない、と思い知る。殿様の知られざる生活ぶりを交え、極小大名の逆転痛快劇を描く、期待の新シリーズ!
  • 「頭、いざとなったら江戸の町に火を付けてくれ」──慶応四年早春、陸軍総裁勝海舟は火消しの棟梁新門辰五郎に頼み込んだ。京で朝敵となった徳川慶喜が帰還後、恭順して籠る江戸城を目標に、薩長率いる東征軍が迫り来る寸前である。「火消しが火を付けるたぁ、ご冗談で」──だが、勝は本気だった。百万の民を大量の船で房総へ逃がし、敵の侵入に合わせ町を焼き尽くす。いわゆる焦土作戦を画策していたのだった。そんな勝の肚の内を読んだのが、敵の参謀ながら盟友の西郷吉之助である。このまま江戸に入れば甚大な被害を見る。ならば談判に応じるしかない。そしてついに、勝と西郷、決死の会見が実現する!江戸を守るため、命を賭して奔走した英雄たち、その活躍を描く渾身の書下ろし!!
  • ものごころついたときは、京の尼寺に預けられていた六條頼母。位ある公家の血を引いている、と噂は立っていたが、羽織の背に菊の紋所が鮮やかに染まっているのを見た者は、帝の落し胤ではないかと、平伏した。そんな頼母が二十歳となった折、従四位下の官位を有するが故に、帝からある下命がもたらされる。将軍家への恭順を示すため江戸に下向し、橋渡し役として徳川へお仕えせよ、と申し渡されたのだった。小石川伝通院の寺侍となった頼母だが、畏れ多くもその身は帝の名代。寺社ばかりか大名家の屋敷にも“御出入り勝手”の証を得る。拝領した銘刀・粟田口吉光で不義を斬る頼母──。朝廷と幕府の名をもって天下を治めたいと渇望する美剣士の闘いがいま、幕を開ける!
  • 図抜けた美男であることで江戸の女たちを騒がしている、と評判の呉服屋の手代、左近司多聞──。実はこの多聞、それと知られた大名のご落胤で、若君と呼ばれて育ったが、悲しいかな十一番目に生まれた庶子。今後は人様のお役に立てるようにと、母御が町へ“捨てた”のだった。だが、身の回りに起こる男女の色恋沙汰に首を突っ込んでこれを解決し、確かに世間のお役に立っていた。さて、今回の多聞の活躍は!?酔漢の浪人が、舟宿を出た男女に包丁を振りかざした。調べによると女の方に振られた腹いせだというが、その裏には江戸を騒乱に陥れようとする浪士組の謀略が露見してくる。多聞は渾身の秘策を披露し、町の安泰をはかるが……。男女の生き様を情緒豊かに描く、シリーズ第三弾!!
  • 役者が舞台からそのまま降りてきたような色男、左近司多聞は、神田紺屋町の呉服屋「天満屋」の筆頭手代。だがその出生は、さる徳川家親藩、すなわち大名家のご落胤であった!十一男坊の冷や飯の不幸を見かねて母御が町へ“捨てた”のであったが、同じ境遇の親友とともに、身の回りの事件や色恋沙汰に首を突っ込み、治安に一役買っていた。ある日、川魚料理を堪能しようと深川へ出掛けた多聞。ここで夫婦を駕籠に乗せ界隈を練り歩く婚礼を目にする。ところが、野次馬でごった返す中、元藩士を浪人が斬殺、一転、修羅場と化した。大刀を大上段に構える浪人に対し、三つの流派の免許皆伝を持つ多聞が鯉口を切るが……。人情をたっぷり添えて江戸の男女を描く、好評シリーズ第二弾!
  • いつものように吉原の廓で目を覚ました、米問屋の若旦那伊三郎──。ただしこの朝は少し様子が違った。見世の主人が顔を出し、あなた様は勘当された、と一言。借銭の支払いを要求された。一文無しとなった伊三郎は、無い袖は振れず、とうとう男衆として働くことになる。客としては見ることができなかった色里の情景。そこには、男と女の悲喜こもごもがあった。笑い、涙、恋、そして艶……。吉原ならではの人間愛に包まれ、そこに現れる勝海舟、上野彦馬等との交流を通じて伊三郎は成長していく。だが、幕末の不穏な空気が押し寄せ、女を泣かせる浪士の姿も。町人ながら剣術修業に精進した伊三郎は、三都一の廓を守るため、颯爽と小太刀を抜く!人情噺満載の新シリーズ、開幕!!
  • 神田紺屋町の呉服屋「天満屋」筆頭手代、左近司多聞――。女客はみな目をトロンと潤わせる、役者にも見紛う色男である。しかもなにを隠そう、身分はれっきとした士分で、さる大名家の落とし胤であった!なにゆえ若殿さまが町中に舞い降りたのか。母御が徳川家親藩の五男坊以下、部屋住みである多聞を見かね、大店の手代に据えたのだ。不遇ではあったが、同じ境遇の親友もいた。寺社奉行に出世九郎右衛門と、町方同心となった錦之丞である。そして実の兄弟より堅固な契りを結んだ幼馴染み同士が、各々の立場で立ち回り。三人寄れば無敵の衆、とばかりに、ふりかかる色恋沙汰、身に迫る事件を一致団結、両断する!江戸の男女の生きざまが快活に描かれる、期待の新シリーズ!!

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