『岩波書店(新書、実用)』の電子書籍一覧
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広島の悲劇は過去のものではない。一九六三年夏、現地を訪れた著者の見たものは、十数年後のある日突如として死の宣告をうける被爆者たちの“悲惨と威厳”に満ちた姿であり医師たちの献身であった。著者と広島とのかかわりは深まり、その報告は人々の胸を打つ。平和の思想の人間的基盤を明らかにし、現代という時代に対決する告発の書。
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現代の文化的創造は、歴史の真実に正しく立脚することによってはじめて可能となる。著者は、原始いらいの日本の文化の流れを、その担い手、文化的伝統の形成過程、海外の文化との交流などの視点からとらえ、その中から私たちが二一世紀に向けて真に継承すべきものを明らかにする。英訳されて海外にも広く紹介された旧著の全面改訂版。
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ポーランドの知的風土に始まり、交換という経済行為の背後に見えがくれする宇宙論的構図、女性が開示する文化のルーツ、政治の演劇的解釈など、現実の多義性を読みとき文化の全体像を回復しようとする試み。文化人類学が内包する知の挑発的部分のありかを示し、学問の形式を使って知の深層にふみこもうとする人のための入門書。
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科学に代表される〈近代の知〉は大きな成果を生んだ。しかし今日、その限界も指摘されはじめている。人間存在の多面的な現実に即した〈臨床の知〉が構築されねばならない。著者の積年の思索の結実である本書は、人間の知のあり方に新たな展望を開き、脳死や臓器移植などの医学的臨床の問題にたいしても明快な視点を提供する。
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小説は人びとの精神と生活のもっとも偽りのない鏡である。本書は、成島柳北や仮名垣魯文の開化期から、森鴎外や夏目漱石を経て芥川竜之介の死にいたるまで、明治・大正期の作家とその代表的作品のすべてを網羅した近代小説入門。円熟した批評家の深い洞察と鋭い批評は、作家たちの思想と作品の価値とをあますところなく解明している。
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維新政権が打ちだした神仏分離の政策と、仏教や民俗信仰などに対して全国に猛威をふるった熱狂的な排斥運動は、変革期にありがちな一時的な逸脱にすぎないように見える。が、その過程を経て日本人の精神史的伝統は一大転換をとげた。日本人の精神構造を深く規定している明治初年の国家と宗教をめぐる問題状況を克明に描き出す。
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自然現象とちがい、生きた人間の日々の営みを対象とする社会科学において、科学的認識は果して成り立つものだろうか。もし成り立つとすれば、どのような意味においてか。この問題に正面から取り組んだ典型的な事例としてマルクスとヴェーバーを取りあげ、両者の方法の比較検討の上に立って社会科学の今後の方向を問う。
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恐慌、侵略戦争、そして敗戦。この苦悩にあえぐ現代日本の現実を、何らかの形でゆり動かしたものは何か。その代表として、白樺派、日本共産党、生活綴り方運動、北一輝らの昭和維新の運動、戦後世代の五つをあげ、そこに体現された諸思想――観念論、唯物論、プラグマティズム、超国家主義、実存主義――の性格と役割を明らかにする。
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現実や世界を読み解いていくためのキー・ワード=術語。現在の〈知の組みかえ〉の時代にあって、著者は、記号、コスモロジー、パラダイム等、さまざまな知の領域で使われている代表的な四○の術語と関連語について、概念の明晰化を試みながらそれを表現の場で生かそうとする。現代思想の本質が把握できる、〈気になることば〉の私家版辞典。
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日本は高度成長を遂げて経済大国になったが、一方、英国はかつての大英帝国から小さな福祉国家へと変貌した。長年、ロンドン大学で理論経済学を講じている著者は、英国の中等・高等教育の実際の姿と、日本の画一的な教育の現状とを対比しながら、教育の社会における在り方を論じ、これからの日本の教育と経済の方途を示す。
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かつて、この国に「恋愛」はなかった。「色」や「恋」と区別される“高尚なる感情”を指してLoveの翻訳語がつくられたのは、ほんの一世紀前にすぎない。社会、個人、自然、権利、自由、彼・彼女などの基本語が、幕末―明治期の人びとのどのような知的格闘の中から生まれ、日本人のものの見方をどう導いてきたかを明らかにする。
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さまざまな外国語と比べて、日本語は一体どんな特徴をもっているのだろうか。発音・語彙・表記法・文法など、あらゆる角度から光をあて、日本語の面白さ、すばらしさ、欠点を具体的に解明する。ロングセラーの旧版をもとに、刊行後三○年の日本語の変容に即し全面的に手を加えるとともに、言語学の最新の成果を盛りこんだ決定版。
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安保闘争の頃に生まれ、高度成長と共に育った若者たちに、どのように「戦後」を語ったらよいのか。敗戦の混乱と、民主化への高揚した気分をどう伝えるか。平和運動、民主教育運動、市民運動などに積極的に参加してきた著者が、自らの体験と重ね合せて戦後史をふり返り、新しい視角を提示しつつ、若者と連帯する方法を考える。
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日本語の表記にとって漢字は不可欠の文字である。にもかかわらず、文字としての漢字がどのようにして生まれ、本来どのような意味を持つものであったかを知る人は少ない。中国古代人の生活や文化を背景に、甲骨文や金文、および漢字が形づくられるまでの過程をたずね、文字の生い立ちとその意味を興味深く述べる。
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マルクスはすでに古いという声を聞く。しかし、ほんとうにマルクスは古くなったのであろうか。著者はこう設問した上で、豊かな知見と闊達な筆とをもってマルクスとエンゲルスの生涯を描き、その思想の本質を紹介しながら、この声をきびしく批判する。マルキシズムへの案内書であると同時に、すぐれた人生論の書でもある。
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「コンプレックス」という言葉は日常的に用いられるが、その意味を正確に理解している人は少ない。それは、現代なお探険の可能性に満ちている未踏の領域、われわれの内界、無意識の世界の別名である。この言葉を最初に用いたユングの心理学にもとづいて、自我、ノイローゼ、夢、男性と女性、元型など、人間の深奥を解き明かす。
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さまざまな外国語と比べて、日本語は一体どんな特徴をもっているのだろうか。発音・語彙・表記法・文法など、あらゆる角度から光をあて、日本語の面白さ、すばらしさ、欠点を具体的に解明する。ロングセラーの旧版をもとに、刊行後三○年の日本語の変容に即し全面的に手を加えるとともに、言語学の最新の成果を盛りこんだ決定版。
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いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか――。ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現を引きながらコミュニケーションのしくみに新しい光をあて、記号論の基本的な考え方を述べる。分かりやすくしかも知的興奮に満ちた、万人のための入門書。
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スーパーや八百屋の店頭に並ぶバナナの九割を生産するミンダナオ島。その大農園で何が起きているか。かつて王座にあった台湾、南米産に代わる比国産登場の裏で何が進行したのか。安くて甘いバナナも、ひと皮むけば、そこには多国籍企業の暗躍、農園労働者の貧苦、さらに明治以来の日本と東南アジアの歪んだ関係が鮮やかに浮かび上がる。
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世界的に廃止の流れにあるなか、オウム真理教事件の死刑が大々的に執行された。先進国では例外として死刑制度を維持する日本とアメリカを比較することで日本が「独特の死刑存置国」であることを示す。秘密裏の執行、日本の刑事司法における否定の文化、死刑制度を取り巻く日本の政治社会文化までを鋭く分析する。
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ゲーム理論とは、ある種の意思決定を人間が行った結果、何が起きるかを予測する理論だ。と言うと何やら難しげに聞こえるかもしれないが、実は単純明快、初学者でもすぐ使いこなせる理論なのだ。相手の出方をどう読むか。経済問題の分析だけでなく、ビジネスの戦略決定にも必須の基礎知識を、新進気鋭の理論家が解説する。
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PD-1抗体による免疫療法は、がん治療の考え方を根本から変えた。偶然の発見を画期的治療法の開発へと導いた著者の研究の歩みをたどりながら、生命現象の不思議、未知の世界に挑むサイエンスの醍醐味、そして「いのち」の思想から日本の医療の未来まで幅広く論じる。ノーベル賞授賞式後の記念スピーチも収録する。
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権謀術数を是とする政治家、人心掌握に長けた戦略家……政治学の古典として、あるいは帝王学のバイブルとして愛され続けるマキァヴェッリ。しかし、その本当の姿は、彼が生きた時代から理解しなければ見えてこない。家族と祖国を愛し、自由と人間を愛するマキャヴェッリが真に伝えたかったことは何だったのか。
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ヨーロッパ・地中海世界の要たるこの地には、古来じつに多様な人びとが行きかい、ゆたかな歴史を織り上げてきた。リソルジメント(統一運動)以降の近現代史はもちろん、古代・中世における諸勢力の複雑な興亡も明快に叙述。北と南、都市と農村といった地域性や、文化史にも着目し、その歩みをとらえる。好評「歴史10講」シリーズ第四弾。
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バブル崩壊がきっかけとなって発生した数々の経済事件。それらはやがて、日本の金融・行政システムをも揺るがし、長年にわたって日本経済を苦しめることになった。「平成」が終わろうとする今、そこから何を未来への教訓とすべきか。新証言や新資料を発掘し、新たな視点から重要な事件を再検証。背後にある深い闇の奥へとわけ入る。
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バブルとバブルの崩壊から始まった平成時代。マクロ経済政策も、規制緩和中心の構造改革も、「失われた20年」を克服できないどころか、症状を悪化させてきた。セーフティネット概念の革新、反グローバリズム、長期停滞、脱原発成長論などをキー概念に、一貫して未来を先取りした政策提案を行ってきた著者による30年の痛烈な総括。
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“絶体絶命”の状況を、人はいかに生きうるのか。突然の膵臓がん宣告、生きるための治療の選択、何を食べればいいのか、術後の戸惑い、届かぬ患者の声、死の恐怖……。患者となって初めて実感した〈いのち〉の問題を、赤裸々に真摯に哲学する。「がん時代」を生きる人へ、そして未来に向けて書き遺された、いのちをめぐる提言。
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