『岩波書店、101円~400円(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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「『いちねんせい』では、抽象的、観念的じゃなくて、できるだけ子どもの現実に即した具体的な行動を書きたいと思っていました。……ぼくの詩の源は、ことばにはないんですよ。言語っていうとどうしてもちょっと抽象化しがちなところがあるんだけれど、こういう詩が書けるのも、たぶん自分が毎日の暮らしのなかに、なんか詩の源を見ていたっていうことと関係あるんだと思います。」
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「この本にあつめられた《わらべうた》は、詩のかたちをしているけれど、学校でならう詩とはちょっとちがう。かんたんに言うとこれらは、ふしのついたことばだ。いんさつされて本のページにならべられているところはおんなじだけど、ぼくとしては、だまって頭の中で読むんじゃなく、ふしをつけて口に出し、耳で聞き、からだを動かして遊んでほしいのさ、友だちと。」
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「……この詩集に収めた作は形も調べもさまざまだ。意図してそうしたわけではない。同じ土壌から匂いも色も違ういろんな花が咲くように、作者にも予想がつかないしかたで詩は生まれる。そこに働く力は作者自身の力量を超えている。「この詩で何が言いたいのですか」と問いかけられるたびに戸惑う。私は詩では何かを言いたくないから、私はただ詩をそこに存在させたいだけだから。不遜を承知で言えば、一輪の野花のように。」
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「三好達治先生に大変な御好意をいただいた。ありがたいと思う気持をどう表せばいいかわからない。1949年冬から1951年春頃までの作品から選んだ。排列はほぼつくった順である。」処女詩集
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「『ことばあそびうた』に収めた「ののはな」なんて、あまり短いんでね、二番もつくりたかったんですよ。で、一生懸命考えたんだけど、どうしても二番がつくれなかった。……ふつうの詩っていうのは、なんとなくこうインスピレーション的なもので、ポコッとことばが出てくるんだけど、「ことばあそび」に限っては全然それがなくて、もう完全に手仕事なんですね。だから、「かっぱらっぱかっぱらった」みたいな、そういう一行がフッと思い浮かぶと、あとは「かっぱ」「らっぱ」「はっぱ」「なっぱ」みたいに「ぱ」で終わる破裂音みたいなものを探していくわけです。」
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一官吏が不治の病にかかって肉体的にも精神的にも恐ろしい苦痛をなめ、死の恐怖と孤独にさいなまれながら諦観に達するまでを描く。題材には何の変哲もないが、トルストイの透徹した観察と生きて鼓動するような感覚描写は、非凡な英雄偉人の生涯にもまして、この一凡人の小さな生活にずしりとした存在感をあたえている。
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酌婦の身を嘆きつつ日を送る菊の井のお力のはかない生涯を描いた「にごりえ」。東京の下町を舞台に、大黒屋の美登利、龍華寺の信如、正太郎、長吉たち思春期の少年少女を描いた「たけくらべ」。吉原遊廓という闇の空間とその周辺に生きる人びとに目を向けた一葉の名篇を収める。詳細な注を加えての改版。(注・解説=菅聡子)
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「あいうえおの文字をおぼえることは、もちろんたいせつですが、文字より先に、あいうえおの音の豊かさを身につけることも負けずおとらずたいせつだと思うんです。ただ棒よみするんじゃなく、その一行一行の、一音一音の表情を味わってほしい。そのためには、あいうえおを、言ってみればひとつのおもちゃとして、親子で遊んでみるのもおもしろいんじゃないかな。」『かぼちゃごよみ』小学館児童出版文化賞受賞
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「手元に二冊のうすっぺらなノートブックが残っています。一冊は「傲慢ナル略歴」と題され、もう一冊は「電車での素朴な演説」と題されています。この二冊が私の詩の出発点でした。……その二冊のノートの中から、『二十億光年の孤独』に収めたものを除いた大部分を、この詩集に収録しました。」
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「《わらべうた》は日本にだけあるわけじゃない。……たとえば〈マザー・グース〉と呼ばれているのは、英語をはなす人々の《わらべうた》だ。……日本語の《わらべうた》と、英語の《マザー・グース》のあいだには、よくにたところもあるけれど、ちがっているところもある。この本の中の〈これはのみのぴこ〉というのは、〈つみあげうた〉というかたちで、これは日本の《わらべうた》にはみつからないかたちだし、〈だれもしらない〉なんかも、ちょっと〈マザー・グース〉ふうにつくってある。」
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細川忠利公の死で後を追った忠臣が18名を数えたのに、なぜか阿部弥一右衛門の場合は──許されぬ殉死が招く一族の悲劇。武士道が支配する封建制下の日本社会で、人間はいかなる思想心情のもとに生き、また死んだか。初期歴史小説の代表作「興津弥五右衛門の遺書」「佐橋甚五郎」の2篇を併せて収録。解説=斎藤茂吉。改版
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王朝末期の荒廃した都を舞台に展開する凄惨な人間絵巻「羅生門」、師漱石も賞賛した、長い鼻を持つ禅智内供の内心の葛藤「鼻」、芋粥に異常な執着を持つ男「芋粥」、女をめぐる盗賊の兄弟の確執「偸盗」。いずれも『今昔物語』『宇治拾遺物語』などに素材を得たもので、芥川王朝物の第1冊として編集。(解説=中村真一郎)
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