『文藝春秋、南木佳士(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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文学と医業という二足の草鞋を綱渡りのように穿いて四十余年。
総合病院を定年退職し、今は非常勤医師として働く著者が、近年の己を題材に編み上げた四篇。
「畔を歩く」:定年退職を機に、うつ病を発症してから負担の軽い健康診断担当になり、
時に肩身が狭い思いもしながらも、しかし生き延びるためには文筆を止める訳にはいかなかった日々を回想する。
おさまらぬ気持ちを、畔をしっかりと歩いて宥める。
「小屋を造る」:同年配の地元の男らと山から木を伐り出し、簡素な小屋を建て、焼酎で乾杯する。
「四股を踏む」:定年間際の診療で、超高齢の女性患者から、処女懐胎の体験談を聞く。
「小屋を燃す」:六年前に小屋を建てたのと同じメンバーで、老朽化した小屋を壊す。
といっても、二人の男は先に逝ってしまっていた。
解体跡で飲み食いを始めると、死んでいるはずの者たちが次々と現れる。
※この電子書籍は2018年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
火の山を望む高原の病院。そこで看護士の和夫は、様々な過去を背負う人々の死に立ち会ってゆく。病癒えず逝く者と見送る者、双方がほほえみの陰に最期の思いの丈を交わすとき、時間は結晶し、キラキラと輝き出す……。絶賛された第100回芥川賞受賞作「ダイヤモンドダスト」の他、理想の医療に挫折し、タイ・カンボジア難民キャンプ地での特異な体験に活路をもとめる医師と末期癌の患者として彼の前に現れたかつての恋人との日々を描いた「冬への順応」など短篇四本を収録する。
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ようやく新人賞はもらったものの、執筆に行き詰まっている作家の孝夫は、医者である妻・美智子が心の病を得たのを機に、故郷の信州へ戻ることにした。山里の美しい村でふたりが出会ったのは、村人の霊を祀る「阿弥陀堂」に暮らすおうめ婆さん、そして難病とたたかっている明るい娘・小百合ちゃん。静かな時間と豊かな自然のなかで、ゆっくりと自分を回復してゆく二人が見つけたものとは……。極上の日本語で語られる、大人のためのおとぎ話。2002年秋、映画化原作!
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短篇小説を思わせる、本をめぐる深いエッセイ。書き下ろしエッセイ集。本についてのエッセイだが、著者の人生のさまざまな場所や時間をめぐって紡がれ、短篇小説集を読む味わい。
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