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『大洋図書、クイーンズセレクション、猫十字社、501円~800円(マンガ(漫画))』の電子書籍一覧

1 ~5件目/全5件

  • 1984年に時代を先駆したギャグ作品『黒のもんもん組』の連載終結後、猫十字社氏は舞台を『プチフラワー』(小学館)に移して、この作品の連載を開始しました。
    『プチフラワー』は、竹宮惠子氏の「風と木の詩」、萩尾望都氏の「メッシュ」などをはじめとして、のちに長く語り継がれる作品を掲載し続けた、少女漫画の最先端の雑誌でした。
    この最先端の舞台で、猫十字社氏のギャグ作品はさらに豊かな広がりを見せます。
    この作品は、前作「黒のもんもん組」の延長線上に位置づけられており、また、確かにその過剰なまでのエネルギーの迸りは、前作に連なるものが感じられます。
    しかし、キャラクターと作者の距離感が微妙に変化しています。
    「黒のもんもん組」に登場するキャラクターは身近な人物を作者の圧倒的な才能で容赦なく(否定的な意味ではありません)デフォルメして動かしているのですが、本作に登場する人物は、キャラクター設定に一定度の設計意図が感じられます。
    キャラクターを勢いで動かすのではなく、作品世界の構築を前提として、キャラクターを位置づける意図が感じられます。
    そのため、本作は「黒のもんもん組」に比べ、ある意味で分かりやすく、より一般的な広がりを持った作品に仕上がっています。
    本作は、この意味で少女画ギャグ作品の優れた代表として位置づけられているのです。
  • 第一ページ目から突然に「しゃかしゃかしゃか」という擬音とともに、登場人物たちが意味なく駆け巡り(ゴキブリの走りをまねているそうです)、それを受けて「きりすとっ」という書き文字とともに人物が飛び上がります。
    さらにはコマの枠線を交差しながら人物たちが舞い始める……この圧倒的な展開で『黒のもんもん組』が幕を開けます。
    現代の私たちにとっても衝撃的な、このとてつもないセンスがなぜ生まれたのかを考えると、初出時の社会状況を参照したくなります。
    かつて日本は社会全体で一つの大きな価値観を共有していました。
    すべての人が等しく豊かになれる、という考え方で、背景には高度経済成長という日本社会の経済的発展がありました。
    しかし、進歩という光は多くの陰を生み出しました。
    様々な公害が発生するなど、この価値観はきしみ始めます。
    そして、この画一的な価値観の呪縛から解き放たれながら新しい表現が登場し始めました。
    少女漫画もこの時代に内容を深化させるとともに、多彩な表現が花開きます。
    これを牽引したのは萩尾望都、竹宮惠子、山岸凉子、大島弓子といった作家たちですが、ショートストーリーでは猫十字社の存在が光ります。
    本編が幕を上げる1978年は変化の時代の始まりにすぎません。
    時代の流れは加速度を加え、猛烈な勢いで狂騒の度合いを強めていきます。
    『黒のもんもん組』もこの時代の流れとともに爆発的なエネルギーを噴出していきます。
  • 本書の著者・猫十字社氏は、デビュー以来爆発的な創造力で少女漫画に新しい世界を切り拓いてきました。
    その作品はジャンルを縦横に横断し、多様で、すべてが今までにない圧倒的な輝きを放っていました。
    猫十字社氏はこの間、全身体で創作に没頭し、もてるすべての力を絞り出し、命がけで作品を描いてきました。
    できるだけ多くの読者に、美しい、悲しい、狂おしい、おかしい、そして輝かしい世界を届けたいと全力で疾走して22年……その結果……一時期、「壊れてしまった」のです。
    しかし「破壊され焼き尽くされて、草一本残っていない廃墟、どん底のなかで…ボロボロになった身体(あとかき)」という絶望的状況から、猫十字社氏は静かに、確かに蘇生します。
    その一つのきっかけとなったのが、本編に登場する愛犬「りる」との出会いです。
    この作品は、愛犬とともに絶望の淵から静かに甦る日々が穏やかに綴られています。
    セリフは一切の余分な修飾がそぎ落とされ、まっすぐに心に沁みとおってきます。
    本書は日常的な「ペットとの付き合い方」という視点からも豊かな情報を提供してくれますが、その底流に流れているのは、「愛、信頼」という営為のかけがえのなさに対する、強く確かな、切実な思いにあります。
    本編は、この思いの大切さを幅広くお届けしたいため、一般誌で『週刊spa!』(扶桑社)に掲載されました。
  • 1978年のデビュー以来、猫十字社は漫画のあらゆるジャンルに挑戦し、さまざまな表現の手法を編み出していった。
    そして結実した作品は、とてつもなく優しく、大きく、悲しく、楽しく、猫十字社ならではの独創的な世界が繰り広げられていった。
    「小さなお茶会」、「黒のもんもん組」、「幻獣の國」……長期にわたる連載作品だけをとっても、メルヘン、ギャグ、ファンタジーと多様であり、その間に書かれた作品の一つ一つも、それぞれが唯一無二の内容である。
    この作品集はこのような多彩な顔を持つ猫十字社作品の軌跡を、短編作品を中心にて編み、垣間見ていく傑作集である。
    「宝石の女」は爛熟した19世紀初頭のパリを舞台に、ノンフィクションに形を借りた耽美的な異色作。
    「日々の泡」は日常から立ち現れるさまざまな思いを、幻想的なモチーフを使い、軽やかに描き感動的に昇華した珠玉作。
    「ヴィーナスの腰かけ」はふと、自分に立ち返る時を迎えた女性の心に寄り添った恋のお話。
    そして「獅子のいる里」、「水酔放浪記」は究極のファンタジー作品。
    民間神話の伝承をヒントに、生と死の彼岸からの穏やかで限りない救いに、心地よく酔いしれる作品。
    ここでは私たちの知っている時間は停止して、夢幻に満ちた世界が出現する。
    各作品は多彩だか、そこに通底するものは、生きることの喜びと痛み。
    この切実な思いが軽やかに、楽しく、切なく描き切られている。
  • 「小さなお茶会」、「黒のもんもん組」、「幻獣の國」など、メルヘン、ギャグ、ファンタジー……と、漫画の様々なジャンルに傑作を送り続けた猫十字社が、リアルな現実を舞台に描いた伝説の青春ラブストーリー。
    華本さんご一家は、長野県松本市に住んでいる。
    一家は男ばっかりの4人兄弟と、猫一匹の母子家庭。
    長男は社会人の医者だが、次男の蝶太郎、3男の梅士、4男の桜彦はいずれも地元の国立医大の学生であり、すべて美形で、バイク乗りである。
    猫の名前はミチゾー。
    この猫もまたオスで、青春真っ盛り。
    信州の美しい自然を背景に、学生生活真っただ中の3人と一匹の、かけがえのない、苦しいほどに甘美で切ない恋物語が綴られる。華やかな紅葉が織物のように山々を彩る秋の信州を舞台に、4男・桜彦の恋が描かれた「金の鯛やき 銀の蛸やき」。
    みずみずしい新緑の季節に紡がれた2男・蝶太郎の恋を描く「な、泣きそベイビー」。
    夏の松本を舞台に、猫のミチゾーが出会った新しい世界と恋を描いた「ミチゾー、その愛」。
    降り積もる雪に夕暮れの賑わいが包みこまれた静かな街で奏でられる、3男・梅士の失われた恋を描く「ライト・マイ・ファイア」。
    そして、女の子の視点から描いた美しい間奏曲のような「間物語」と「みゃんか」のシリーズ6作完全掲載。
    傷つきやすく、壊れやすく、そしてひりひりするようなさまざまな恋。
    かけがえない、青春の切実な時が、鮮やかに切り取られる。

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