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『パンローリング、401円~500円(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全119件

  • これからは、「これからの国」へ投資しよう!
     2005年9月8日のニュースで豊かさランキング11位に下がったとのニュースが流れた。「ベスト10を割ったのは初めてのこと」と報道されたが、それでも一般的に見て、「日本=豊かな国」の認識がくつがえされるものではない。 思い返せば、“豊かさ”を手にするまでの日本の道のりはラクなものではなかった。戦後の荒涼感からの脱却、所得倍増計画、いざなぎ景気、列島改造ブーム、安定成長、空前のバブル景気、そしてバブルの崩壊。紆余曲折を経てここまでたどり着いた。昭和30年代から本格的に「富国」を目指した日本の、いや日本国民のエネルギーが「今の日本」を築いてきたのである。

     日本人は努力家(勉強家)だと、よく言われる。それ故に、戦後の短い期間で成長できたと考えられている節もある。だが、国全体で上に突き進んでいくような勢いが日本固有のものかといえば、そんなことはもちろんない。戦後の復興を目指していた当時の日本を彷彿とさせるエネルギーがほかの国々にもある。ブラジル・ロシア・インド・中国といったBRICs諸国、タイ、ベトナムといった新興諸国が“それ”である。 これらの国々は、成熟しきった日本と違って伸びる余地がたぶんにある。要するに「これからの国」なのである。戦後、日本が経済成長してきたように、まだまだ未成熟な産業も多いのである。その国の産業全体の急成長が期待できるのである。誤解を恐れずに言うのならば……。銘柄選択にあまり頭を悩ませずに、その国の優良な基幹産業を選べば、ほぼ間違いはないとさえ言えるだろう。

     こうした新興諸国を投資セクターとしたファンドに投資して中長期的に資産を増やそうと提案しているのが本書である。「日本ではなく、金融商品の豊富な海外に口座を開設しましょう」「日本人にとって1番身近な金融センターでもある香港を拠点にしましょう」など、著者の経験に基づく情報を満載。海外投資初心者でも無理なく第一歩を踏み出せるように構成されている。 これからの主流は「これからの国」への投資! 本書を持って、海外投資の旅に出かけてはいかがだろうか。

    石田和靖 KazuyasuIshida
    株式会社ザ・スリービー代表取締役。会計事務所に10年間勤務、主に法人税業務と財務コンサルティング業務を中心に携わる。UAE、パキスタン、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシアなど中近東~東南アジアエリアの外国人経営者の法人を多く担当。その後、(有)ザ・スリービーを設立。年に十数回、香港・タイ・UAEなど各国を訪問し、香港やドバイの証券会社にも太いパイプを持つ。世界の投資情報を集約させるべく構築された、「海外分散投資に燃える同志が集まるSNS“WorldInvestors”」を企画・デザイン。著書に『15万円からはじめる本気の海外投資完全マニュアル』『タイ株投資完全マニュアル入門編』がある。
  • 企業も家計も、“成長の方程式”は非常に簡単だ。それは、「入るを計って、出るを制す」。売上ばかりを追っても、そこに生じるコストから目をそらしていては、企業として永続することはできない。売上拡大と経費削減という2輪に均等に力を注いで、企業として正しく進んでいくために――。情報を知恵に換えて、即効性の高いコスト削減につなげるコツを伝授する。
  • “為替は夜(ロンドンで)動く”
    外国為替のプロが集結するディーリングルームの全貌!

    “外国為替取引(FX)”。

    いまもっとももてはやされている投資のひとつだ。
    しかしあなたはその取引画面の向こう――つまり、「いま、自分がどんな人間と取引をしているか」を想像したことはあるだろうか?

    「外国為替」という世界最大の24時間市場で、もっとも重要な位置を占める“為替の中心”ロンドンのトップバンク。さらにその中の、部外者は立ち入ることのできないディーリングルーム。そのワンフロアの中心を陣取る約50人ほどの為替チームは、仕事内容から想像されるようなスマートなイメージとはほど遠い。彼らは体力自慢で、個性的だ。ときにつかみ合い寸前のバトルを繰り広げ、悪態をつき、電話を投げ、イスを蹴飛ばす。しかし同時に、仲間への思いやりがありチームプレイに長ける、憎めない人たちでもあるのだ。

    本書でお伝えするのは、そんなロンドンのディーリングルームで、個性的な為替チームに在籍した著者が見た、外国為替市場の知られざる舞台裏である。

    ・外国為替市場の大物とは
    ・ディーリングルームで見た世界経済の重大事件
    ・外国為替相場のプロにみるトレード方法
    ・数百億を稼ぐ超大物個人FXトレーダー“ランボー”とは
    ・外国からみた日本市場の特徴

    著者の鋭い観察眼から記された分析は、個人投資家にFXトレードの重要なヒントを提供するはずだ。

    外国為替取引の中心地「ロンドン」。そのなかで「テムズの取引所」と呼ばれた世界的トップバンクのディーリングルームに在籍した著者が「FX市場の舞台裏」を分かりやすく紹介する。FXで伝説を作ったトレーダー、心理戦を仕掛ける勝負師などのエピソードから、普段私たちが何気なく見ている為替レートの奥で葛藤する人々がイメージできる。また著者の鋭い観察眼から記された分析は個人投資家にFXトレードの重要なヒントを提供するはずだ。
  • 松本幸夫氏の心をスーッと楽にさせてくれた一文がある。
    アメリカ独立宣言起草者ベンジャミン・フランクリンが、アメリカ先住民(インディアン)について18世紀に書いた文章だ。当時のアメリカの白人にとって、先住民は野蛮人に見えた。そんな「上から目線」で、バージニア州政府は、先住民にこんな提案をした。
    「数人の青年をよこさないか。白人と同じ大学教育を無料で受けさせてやろう」
     先住民の回答は、次のようなものだった。
    「私たちはこんな経験をしたことがあります。昔、私たちの何人かの青年が、白人の大学で学びました。ところが卒業して帰国すると、彼らは走るということができなくなっており、森の中でどう生活すればよいかわからず、飢えや寒さの切り抜け方も、鹿の捕り方も知らないのです。しかも、私たちの言葉もよく話せなくなっていました。彼らは結局、役に立たなくなってしまったのです。ですから、ご厚意に感謝はしますが、ご提案はお受けできません。
    ただ、逆に提案します。バージニア州から数人の青年を、私たちの国によこしませんか。一生懸命お世話をします。知っていることを全部お教えします。そして、立派な人間に仕立てます」
    これを読んだ時、まだ若かった松本氏は、悩みの渦中でもがいていた。あがり症と赤面恐怖症で話もろくにできず、大学も留年ばかりで、自分が何者かもわからず、これといった能力も見つからず、劣等感まみれでいた。いじけて、自分を心身ともに小さく感じていた。いつも「下から目線」で世の中を見ていたのだ。
    それが、この一文でパッと目が開けた。自分は「白人社会」に同化しようと苦しむ必要はないのだ、むしろそうすることは自分を役立たずにすることなのだ、と。
    それよりも、自分の基準に依拠した立派な人間になっていくべきだと決心したのだった。
     本書は、本来の自分に立ち戻るノウハウを集めた本だ。
    気持ちが折れそうな時にも人生を走ることができ、人間関係の森の中で迷わず生活ができ、心の飢えや寒さを切り抜け、そして幸福を獲得する方法を述べたものだ。
     人間は、一度に二つのことはできない。やるべきことに集中していれば、感情に動じなくなる。逆に感情的になっていると、やるべきことがおろそかになる。今は何をすべきか常に意識して、それに集中すべきなのだ。
     あなたはずっと能力があるはずだ。あなたは、もっと価値の高い、素晴らしい人生を歩める。本書がその一助になる。
  • 松本幸夫氏は人前で話す機会が、年々増えてきていることを実感している。朝礼や会議での発言、勉強会や発表会、クライアントへの提案、プレゼンテーション、異業種交流会、さらにはプライベートのパーティーなども含めて……。あらゆる場面で、「人前での話」はついてまわる。

    企業社会においては、それが評価に直結することさえもある。だから、あがり症の人からベテランまで、「人前で緊張して上手に話せないこと」をみんなが不安に思っている。
     けれども、人前で話をすることは、とりたてて高級な行為ではないし、特殊な才能も必要としない。テクニックさえ身につけてしまえば、どんな人でも確実にその技術を向上ざせることができる。

     人材育成コンサルタントとして、20年を超える年月で15万人以上を指導し、みなが成長する様を見てきた松本氏の結論である。

     本書で紹介する「68の方法」は、心理学、呼吸法、さらには松本氏自身の経験などをベースに、人前で話すためのテクニックを集めたものだ。

     あがりやすく話ベタの人はもちろん、いくらか話し慣れた人まで、すべての人に通じる“ワザ”としてまとめてある。例えば、「今のままの自分でいい」と思うことだ。必要以上に自分をよく見せようとしなくていいし、等身大の、ありのままのあなたでいいのだ。そう思うと、気が軽くなるだろう。

     もちろん努力は必要だ。話し方のスキルをおろそかにしていいという意味ではない。「今のまま」、「ありのまま」の自分を見てもらうように考えれば、あなたのふるまいは落ちついてくる。声もうわずらない。だから、練習の成果を発揮できて、結果はどんどんよくなる。「今のままでいいんだ」と気づいたとき、あなたは大きく変わる!また、あなたに地位、肩書き、キャリアなど「自分のほうが上」なんていうプライドがあったなら、今すぐすべて捨ててしまうことだ。あなたが見栄やプライドをすべて捨て去って、「1人の人間」として話をしてみるとき、驚くほどあがらない自分に気づくだろう。

     一度にすべてをやろうなどと思わなくていい。どこからやってもいい。1項目ずつ、着実に実行していけば、効果はすぐにあらわれる。

    本書の“ワザ”を一つひとつ実行していこう。そうすれば、あなたの「あがり」は消えてなくなる。

     あなたは人前で落ち着いて、自信をもって話ができるようになる。あなたの人生は、ここからガラリと変わるのだ。
  • 混迷の時代の中、人は意識しながら、または無意識の中にも、「心の支え」となるものを見出そうとしている。新興宗教であったり、生きる指針であったり、それらを語り、書き、示そうとする者がいる。

     松本幸夫氏もライフワークの一つとして、知られざる偉才・巨人を調べることがある。

     その中で、松本氏は、「80:20の法則」を生きるヒントとし、ビジネスに、私生活に活用していくことに注目した。

     80:20の法則は、イタリアの経済学者パレートの唱えたものであり、本来、経済面で適用されるものである。だが、松本氏は、この法則には私たちの生き方そのものさえも左右してしまうような、思いがけない力があると考えた。つまり、「心の支え」としての80:20の法則というふうにとらえた。

    日本に住むわれわれは、春夏秋冬という自然の法則の流れの中で日々生きる。仮にどんなに暖冬だと騒いだとしても、いきなり真夏になるということはない。地球が、自転を過去何億年と同じように繰り返す限り、いや、地球誕生の45億年前と同じように「法則」通りに動いているからには、このリズムは崩れないものだ。

     あるいは、実際の地球上で通用しているニュートン力学も、宇宙空間でも通ずるというアインシュタインの相対性理論にしても、「法則」、「自然の理」として、われわれはその枠の中で生きている。

     同様にわれわれを動かしているのが、80:20の法則である。経済現象のみならず、われわれのあらゆる生活の局面においても通じることがわかってきた。

     近頃は、「それは私の仕事ではありません」といって平然としている若者も多い。しかし、自分のジャンルを広げ、人生勉強のつもりでいたら、すべてチャレンジする対象となるのではないかと松本氏は考える。二十代の時に迷い続けた自分を考えると、「心の支え」を説くことなど、まるで夢のようで、若い読者がもし私の二十代を知ったら、恐らくあきれてしまうだろうと松本氏は謙遜するが、そんな底辺にいたからこそ、今この自分があるのだと松本氏は感謝しながら本書をまとめた。

    80:20というのは思いの他、奥が深く、難しいことを分かりやすく伝えることを第一に、この法則をいかに「分かりやすく」説いていくのが本書の特色だ。あくまでもこれは「松本流」の捉え方であり、学問的な内容とは必ずしも合致しない。だが、松本氏が、極めて実践的なことだけは保証する一冊を、ぜひ読んでみてほしい。
  • 1つの言葉との出会いが、人生を変える。
     そんな、まるで魔法をかけられたような感覚を、松本幸夫氏は経験してきた。ぜひ、あなたにも体験してほしい。その想いで、本書は書かれた。
     本書は「片づけができない人」に気づきを与える言葉を厳選しまとめた。「私は一生片づけができないかもしれない…」というのは、あなたの思い込みにすぎない。人間は考え方が変わると、行動、習慣が変わる。行動、習慣が変われば、人生が本当に変わる。
     松本氏は、人財育成コンサルタントとして、のべ15万人のビジネスパーソンを指導してきたが、その中で気づいたのは、「仕事ができる人」はみな「片づけができる人」だということ。なぜ、「仕事ができる人」は、「片づけ上手」なのだろうか?
    部屋の状態は、そのままあなたの心の状態を表しているのだ。部屋や机の上がグチャグチャという人は、基本的に心が乱れている。
    だが、これは見方を変えるとチャンスかもしれない。なぜなら、「居は気を移す」というように、部屋をしっかり片づければ、心も自然と安定してくるということ。環境を変えれば、心の状態も変えられるということだ。
    つまり、片づけさえできるようになれば、心が安定し、その結果として、仕事、人間関係、恋愛など、人生がすべてうまく回りだすのだ。
     片づけは、最も簡単に人生を変える方法。片づけ上手になるために欠かせないものは「マインド」と「スキル」だ。思い込みや先入観を捨てなければ、何を学んでもムダということ。まずは心の中を空っぽにしてほしい。片づけは、あなたの心を空っぽにすることから始まるのだ。
     本書は「マインド編」「スキル編」に50の言葉を分けた。2日間であなたを「片づけができる人」に変えるセラピーになっている。 
     実は、松本氏は、小さい頃から極度の「あがり症」に悩んできたが、彼を変えたのは、セミナーでのある一言だった。
    「あがるのは、実はいいことなんですよ」
    「あがること」イコール「悪いこと」としか考えていなかった松本氏は、その言葉に衝撃を受け、と同時に、今までの考え方が根底から崩れた。「いいことなんだ」と考えられるようになると、次第に松本氏の行動は変わり、少しずつ、人前で話ができるようになった。
    たった一言。
    その言葉の魔法によって、松本氏の人生は大きく変わった。あなたの人生も、たった1つの言葉との出合いで変わるはずだ。きっと変えられる。本書が、あなたの実りある人生に必ず役立つ。
  • 人名辞典を探しても、載っていない人物。だが、偉人であり、確実に歴史を動かしてきた人々。そんな知られざる偉才、異能を紹介することは、松本幸夫氏のライフワークの一つだ。

     中村天風は、そんな「知る人ぞ知る」という偉才の人といってよい。

     インドの聖者カリアッパ師と出会い、死病を克服し、日本人初のヨガ直伝者として修行にあけくれた日々。さらには帰国後、実業界での地位を築いたものの、突如大道での辻説法者となる。やがては天風哲学を確立し、各界の人々の精神的な支柱となるに至る。
     自分は大宇宙のパワーと一体であるという自覚のもとに、人としての尊い生き方を徹底していく具体的な方法を天風は説いた。

     どうしたら日々力強く自信を持って生きていけるか。どうしたら勇気を持って、人々に力、夢、希望を与えるような生き方ができるのか。天風が活躍したのは、主に大正、昭和であったけれども、時代が変わろうとも人間には共通したものが存在している。

    実践を何よりも重んじた中村天風とは、いったいどんな人物だったのだろうか? 各界の著名人が、頭を垂れて教えを乞うたという、その「天風哲学」とは、はたしてどのような内容なのだろうか? 天風哲学は、もちろん天風の創意によるものである。自己暗示に見られるような心理学的な要素もあり、あるいは「潜在意識」「深層意識」の考え方、さらに武術や武道的な物の見方が説かれることもあった。その理論が、天風自身の生きざま・信条に混ざり合って、新たな「天風哲学」の成立をみたわけである。天風哲学は「行動のみ」ではなく、この「実証主義」の天風哲学に感動した人物が多くいる。

     中村天風の人物像のみならず、「天風哲学」のHOW TO DOが本書には盛り込まれている。また、天風哲学の実践法の基本についても述べられている。

     基本というのは決してあなどれず、そこから応用が可能になっていくものだし、基本の中に実は天風の教えのエッセンスが集約されている。

     さて、本書はいわば、楽しく、軽い気分で心の修練を行なってもらえるような、「道場」だと思って欲しい。この道場で天風哲学の基本を学ぶことにより、何年も本気で修行したのと同じ位に、読むだけで勇気が湧いてくる本である。どこでも手軽に、通勤時間であなたの心は磨き高められていく。

     天風哲学を一人でも多くの人に知ってもらい、さらには実践してもらうことによって、悔いのない人生という幸福を手にして欲しい。
  • 人間は、ある意味で「記憶」の蓄積した生き物だといえよう。もし、過去のことを一切覚えていなかったら、社会生活を営めないだろう。
    世の中に記憶力不足に悩む人は多い。「最近、ど忘れすることが多くなった」、「試験に必要なことが覚えられない」、「覚えてもすぐに忘れてしまう」など、老若男女を問わず共通した問題だ。「もっと記憶力を向上させたい」という願いは切実だ。

     そこで本書では、記憶力向上のための基本を、記銘、保持、想起という三つの流れから考えてみた。つまり同じ記憶力であっても、覚えられないというのと、想い出せないというのでは、流れの位置が異なるものだ。

     ビジネスマンは、時間不足に慢性的に悩まされている。記憶力を強化したくても、そんな時間がないという嘆きも多く聞かれる。多忙な人々のために、いつでも、どこでもできるのが本物の記憶力強化法だという信念のもとに、「通勤電車でできる記憶力強化法」を紹介している。特別な時間を費やすことなく、いつのまにか記憶力が向上してしまうことに驚かれるだろう。 

    日に10万個近くが死滅していくといわれる脳細胞。人間の寿命と同様に、限りある“資源”でもあるわけだ。そんな大切な、21世紀に向けての貴重な資源を、最大限に活用してもらいたい。また、「記憶術」というと、いかにして記憶するかのテクニックである、とばかり考えがちである。確かに、記憶することは記憶術の要であるが、それだけではない。つまり、「覚える」というだけでは、本当の記憶術にはならないというのが松本幸夫氏の持論だ。だから、一口に記憶するといっても、記憶の流れについては最低限理解しておくことが欠かせない。

     記銘については、巷間、記憶術のテクニックが説かれている。しかし、本書では、まず「何のために記憶するか」を考えている点が他と異なる。それがないと、無目的にいたずらに量を覚えよう、競争しようという方向に向かってしまう。次に、人間の成長を考えている。今までできなかったことが、訓練によってできた。その時の喜びは子供の頃の自転車乗りとも共通している。記憶力が強化されると、自信がつき人間的にも成長していく。

     そして最大のポイントは、人間が記憶するのであって、私たちは記憶力マシーンではないということだ。当然そこには、感情もあるし体験も含まねばならない。人間性をも加味した真の記憶力を、本書によって、一人でも多くの人に身につけて欲しい。
  • 世の中に「こうすれば、あなたは成功できる」という、いわゆる願望実現の本というのは数多くある。もちろん、実践に結びつけて読んだなら、それなりに効果も見込まれるだろう。

    しかし、逆に「あなたの成功できないのはこれが原因だ」ということから説かれた「成功法」というのは、ほとんど見たことがない。こうするから失敗してしまうのだというのは、発想の転換にも通じるだろうし、何よりも新しい感覚がある

     松本氏は、運命は変えることが可能であると考える。自らの命を運んでいくのが運命であり、そこにはあなた自身の強い意志の力が作用する。失敗する人に共通していることは、失敗の原因を他に求めるという心の態度をもつことであろう。つまり、決して「自分」が失敗の原因だということに思い至らないのである。

     今なら、「売れない」原因は景気のせいにする人が多い。しかし、同じ経済環境の中でも「売れる」企業は存在しているし、売れている営業マンもいる。ただ、「景気」であれば、まだ先行きの変化が見込まれるから、決定的な要因とはならないかもしれない。そこには「景気がよくなれば売れる」という、ほのかな希望が見えるからだ。

     ところが、「運が悪いから」「自分はツイていないから」というような言い訳は絶望的である。というのは、運命は変えられない、運命だから仕方がないという前提のもとに、そこに失敗の原因をもっていくからだ。

     新しい成功法というと、すぐに興味を持って、何とかやってみよう、知りたいと思うものだ。その効果は別として、少なくともこんなことをしているから成功できないということを知っておいて全く損はないはずだ。

     本書は、基本的にはどのページから読み進んでいただいても構わない。読みやすく、一項目ずつで完結するような内容になっている。

     今までに様々な成功法、願望実現法を試みたが、どうも十分な成果を手にすることができないと嘆く人は、決して少なくないだろう。

     松本幸夫氏も、多くの相談を受ける中で、どうしてこの人たちはうまい具合に成功できないのだろう、といつも考えていたという。

     そんな「成功できない」エッセンスを集めてみたのが本書だ。わかりやすくいうと、ここに書いてある項目の「逆」をやっていけば間違いなく成功できる、ということになるだろう。本来は、本当の成功とは何かから説くべきであろうが、それは読み進むうちに必ず理解できる。自得したものこそ本当の力になるはずだ。

     松本氏が、40代に入って、物の見方・考え方が深まり、従来説いてきたような、安易なプラス思考、楽天思考だけでなく、一歩深めて考察した興味深い一冊だ。
  • 松本幸夫氏は、企業研修を通じて、何万人ものビジネスパーソンと接してきたが、その中に、発言前に必ず何秒も沈黙し、周囲を驚かせる人がいた。その人は、アガリ症対策として、深呼吸をゆっくり一回して、落ち着いてから、理路整然と話した。「以前は頭にカッと血がのぼり、言いたいことも言えずに悔しい思いばかりしていた」と彼は振り返りますが、その話し方にはもう、アガリ症のかけらもなかった。
     松本氏は感心すると同時に、「これは怒りの対処にも使える」と思ったのをきっかけにして、さまざまな自己コントロール法を集め、松本氏が考えた実践法も盛り込んだのが本書だ。 
     今でこそ周囲から「温厚」「大人物」などと言われる松本氏だが、若い頃は短気で、対人緊張が強く、自分の性格に悩んでいたという。頭で「怒るまい」と考えるだけでは、心が「怒らずにいられるか!」と反発してしまう。考えるより、視点を変えることが大切なのだ。名前を呼ぶことで、もう一人の自分が登場し、自己対話が始まって、感情から抜け出せる。松本氏は、数多くの企業研修をしているので、「トンデモ受講者」に遭遇する回数が少なくない。講師を鬼のような形相で攻撃したり、ほかの受講者の発言を妨害し続けたりする人には、正直、ムッとなりかけることもある。だが、松本氏は一度も怒りをあらわにしたことはないという。それは、「幸夫! お前は講師だろ。さあ笑顔で」と自分を励ましているからだ。そうすると実際に笑顔になれるから不思議だ。頭も切り替わり、「今までにない発言なので、さて、どうしたらいいでしょうか?」などと、講師目線でなく受講者と同じ立場で考えられるようになる。さらにすかさず、松本氏は、受講者名簿に目を落として相手の名前を確かめ、「○○さん、ご一緒に考えませんか」と呼びかけることを忘れない。自己重要感を与えられた相手は、トンデモ受講者から普通の受講者に戻ってくれるものだ。
     また、松本氏は、短期や対人緊張の克服のためにインドに渡り、系統的な長期修行と、生活の知恵的な即効対処法を手当たり次第に試みた。そして、徐々に「即効対処法は、何度もくり返すことで、長期修行と同じ効果を得られる」と気づいた。
    むしろ即効対処法のほうが、時間を犠牲にしたり、途中で挫折したりしないだけ、現代人向きで、感情を楽にできると同時に、性格も円満に変えられることを本書は訴える。
    人間は、怒らずに生きることは不可能だ。ならば、怒りを瞬時に忘れて気持ちをリフレッシュする方法を知り、根気よく使い続けるのがベスト。その場その場の怒りや感情、もつれをきちんと対処することが、やがて、すばらしい第二の天性をつくってくれるはずだ。怒りは自分を向上させる契機だと考え、イライラとムカムカだらけの世間を、明るく、ポジティブに生きていくために、本書をバイブルにしてほしい。
  • よく「仕事は忙しい人に頼め」といわれる。忙しい人ほど、スケジュールを立て、優先順位をつけて、段取りよく仕事をしているもので、そんな人は、“やりくり”上手で、頼んだ仕事もこなしてくれるわけだ。

     それでは、学生と社会人では、どちらが勉強しているのだろうか?

    「仕事」という制約がある社会人よりは、「勉強に使える時間そのもの」は、学生のほうが物理的に長いはずです。社会人が「仕事」に費やしている時間帯を、学生は「勉強」に使うことができ、圧倒的に「勉強に使える時間の長さ」は、学生のほうが多い。

     では、社会人はどうやって勉強していったらいいのか。そこで限られた時間で、どう効率的な勉強をするのかという学習の“質”が問われることになることを、松本幸夫氏は指摘する。そして、才能がもともとないからというように、勉強しない言い訳はいくらでもできるが、そんな形で「自分をごまかす」のはもうやめにするべきだとも指摘する。言い訳をやめない限り、車のアクセルを踏みながら、ブレーキを踏むのと同じで、前に進めない。言い訳をせずに集中して勉強しさえすれば、必ずあなたは今よりもずっと勉強がはかどるはずだ。

     また、いつ勉強するのが最も効率的かだが、当然「仕事中」には勉強できない。移動時間とか、スキマ時間に勉強するという手はあるが、「まとまった時間」ではないので、集中して、高度な中身を勉強するような時間にはならない。睡眠時間と仕事の時間を差し引いた、残りの時間で勉強することになる。

     また、研修をする時にも、松本氏が痛感することがある。

     入社して2、3年目の若い受講生に目標を尋ねると、意外なほど何もない。ところが、30代から40代くらいで、子供は小さいし、家のローンもあるし、仕事も忙しくて「ほとんど時間がとれない」というような社会人のプロの方が、「やりたい事」や目標をしっかりと持っていることが多いのだ。

     つまり、「忙しい人ほど、制約の中で、やるべきこと、したいことがわかっている」のだ。

     松本氏は、頼もしいなと思うと同時に、制約のある社会人のプロの方が、新入社員よりも“ヤル気”も高いことに驚く。社会人は各種制約のある中でこそヤル気が高まり、学生では考えつかない、できないような勉強法が発達しており、その“進化した”質の高い勉強法を、本書では伝えていく。

     自己投資は、一番効率のいい投資であって、決して裏切られることはない。勉強した努力は裏切らないと強く思う松本氏の勉強法が満載の珠玉の一冊だ。
  • 本書は、般若心経を独習したいという人全てのために書かれたものである。形式にとらわれることなく、自由に楽しく行なえるように、1日ごとにマスターしていけるようにできている。実践していくことに価値があり、般若心経のパワーを、行動にうつすことによって味わえる。

    松本幸夫氏は、般若心経を実行されている人から「具体的にどうやったらいいのかわからない」という質問をよく受ける。その答えともいえるのが本書の独習法である。もちろん般若心経は形にとらわれるものでなく、どのように行なおうと自由である。

    本書では、般若心経五大力が、テーマとなる。本書を読みながら、21日間がんばってみよう。一つの「五大力」という行を21日間続けることができたというのは、あなたの意志の強さを証明していることになる。

     あらゆる種類の願望をもっている人が世の中にいる。試験に合格したい、集中力をつけたい、人間関係を良くしたい、お金持ちになりたい、車が欲しい、恋人が欲しい、ストレスから解放されたい……など。

     それらの全ての願望をもつ人に、松本氏は「それなら般若心経五大力の実践をしなさい」と答え続けてきた。しかし、それだけでは、親切ではないなと感じた。できることなら、般若心経の実践的なテキスト、実践編ともいえるガイドブックを人々に与えられたらと想い続けていた。その想いが結実したのが本書だ。

     この21日間、般若心経五大力を実践したあなた。必ずプラスの結果が出てくる。
    明日からのあなたは何をしたらいいか。もちろん五大力をくり返し続けていくのである。
     ・声がかれ、たとえのどがつぶれようとも「読行」せよ!
     ・腕が疲れ、物を持てない位になったとしても「写行」せよ!
     ・頭の中でくり返し、もうダメだというその時まで「黙読行」せよ!
     ・目がかすんで、もう何も見えないという時までくり返して「見行」せよ!
     ・耳が痛くなり、限界がくるその時まで、徹底的に「聞行」せよ!

     五大力を、一つ一つどのように実行していったら良いかという「方法」をしっかりとマスターしていくことが大切で、本書はそのための手引書でもある。

     全く初めて「般若心経」のことを勉強したいという人がいるかもしれない。そういう人も含めて、まず般若心経の全文を目にして、イメージをつかむだけでも良いだろう。般若心経を「頭」でなくて、体で理解することが第一歩だ

    そして、本書が、あなたの座右の書、成功へのバイブルとなる。
  • 天風哲学の実践者は、すでに100万人を超えているといわれている。天風哲学は、約50年もの間、中村天風師によって説き続けられた。

     大正8年、天風師は、複数の会社の社長などそれまでに得ていた社会的地位を全て投げ捨てて、大道説法を始めた。この教えには「人生は二度も三度もないのだから、何があろうとも積極的に生き抜け!」という精神が流れている。そして積極的というのは、どんな場合にも「心を尊く、強く、正しく、清くもつこと」だと説いた。

     天風師は、インドのヨーガを探究し、「大自然の持つ偉大な力は、自分にも脈脈として流れている」という宇宙と自分との一体感を得た。大宇宙(梵)と小宇宙(我)との一体感は、インド哲学でいうところの「梵我一如」である。

    人間の頭で考えた知識、教えにはどうしても限界がある。ところが万物を生成したような「大自然」、「宇宙」、「気」といった人智を超えた力は、本来無限のものだ。そして、天風哲学の土台にあるのは、人生のあらゆる場でこの無限の力を活かすということなのである。

    「疲れ切っている」現代人達は、自分の力不足を実感し、「もっと力が欲しい」と望んでいる。天風哲学は、その力をどのようにしたら量多く取り入れられるかを説く。

    また、われわれはこの力の結晶であるともいう。そればかりではなく、日常の心得、家庭生活、対人関係というように生活を送るうえでの「基本」についても説いている。例えば、信念というと、力が体中にあふれて、何でも打ち負かしてみせるというような状態を思いがちだ。しかし、ここでいう信念とは「絶対的」なもので、肩の力が抜けた平常心である。本当の信念とは、安定した心の状態、とらわれない心のことだと天風師は教えてくれる 。

    幸いなことに、天風師自身の語った言葉は、貴重な資料として残されている。そこには、教科書的な教えとは一味違った「趣」が感じられる。口にする一言一句が、すべて殊玉の名言になっていく。これは、哲人天風師の大きな魅力であろう。

     その語り口調は、ただの説教調ではなくて「べらんめえ」口調であったり、時には聴き手を叱り、また時にはしんみりと語りかけてきたりとさまざまであったが、そのさりげない一言が思いの他、深い人生真理を気付かせるきっかけになっていく。

     本書では、天風師自身の「肉声」が読者に伝わるように、語り口調を混じえながら数々の「名言」を紹介していく。天風師の価値高い教えは、今もなお不滅である。その「生命」をここに名言の形でよみがえらせ、さらに一人でも多くの人に天風哲学を知らしめ、積極的に人生を生き抜く指針としてほしい。
  • 松本幸夫氏の専門は、「プレゼンテーション」、「交渉技術」、「セールストーク」というようなコミュニケーションのスキルで、その研修を年に200回程度行なっている。
    その中で最近浮かび上がってきたのが、「営業活動におけるプレゼンの大切さ」だ。
    松本氏は、若い頃、ひどいアガリ症を克服して、自らの研修を売り込むための営業に奔走した。そして、研修講師として17年目でようやく、「さすがですね」「プロは違います」ということをいわれるようになった。受講生の方から、「感動的でした」という声が出てくるようになった。
    だが、今になって松本氏は思う。「もし適格なアドバイスをしてくれる人が身近にいたら、ずっと早く今の域に達せられたのではないか」と。
    本書では、松本氏がプレゼン技術を毎日実践していく中でつかみとってきたことに、最新の発見も盛り込みながら、「“商品”を売り込む方法」を伝えていく。その最新の発見の中には、「落語」からヒントを得たものもたくさんある。
    営業に限らず、仕事の大半は“コミュニケーション”で成立している。プレゼン技術は、いまでも進化し続けている。セールスプレゼンの成否は、“きれいな図”の有無で決まるものではない。
    そもそも、“わかりやすい資料”があれば、「そのまま本当に契約につながるのだろうか?」、「本当のわかりやすさとは?」われわれは“わかりやすく”しようとすると、“視覚化”しようとする傾向がある。たとえば、人気のテレビ番組。いまどきの多くのテレビ番組では、登場人物が話していることをわざわざテロップ(映像中に入る文字や絵)として、これでもかというくらいに視覚化している。たしかに、私たちの情報収集量のうち80%以上が視覚によるものとされ、耳から入ってくる情報よりも、目から入ってくる情報のほうが“わかりやすい”。そんな傾向は、一般のプレゼンテーション(プレゼン)にも表われている。
     この本にもところどころに“図”(イラスト)が入っているが、はたしてそれだけで、あなたはこの本を「買おう」という気になるだろうか?
    本書そのものが、プレゼンだと思ってください。
    ところどころに入っている図は「プレゼンで見せる資料」、太字になっているところは「声を大にして訴えかけたいポイント」。あるいは、行間を空けてあるところが「話の最中の“問”(ま)」になっていたりする。文章術でいえば、改行もまた“問”といっていいでしょう。あなたも一緒に、「いま、『買わせる!』ために何が求められているか?」を考えてみよう。
    本書を読み終わったときにはきっと、自信をもってお客のもとへと駆けつける“あなた”が、そこにいるはずだ。
  • 昨今、「複雑系」という目新しい語が、マスメディアをにぎわすようになった。ところが、関連の書籍や記事等を読めば読むほど、ますます「わからなくなる」というのが現状だ。

     複雑系とは、一言でまとめれば、新しい物の見方ということになる。といっても、全く新しい理論が展開されるというよりも、従来の様々な学問分野を「統一」するような物の見方といってよい。

     物の見方、知の新しい枠組などというと、すでに用いられている「パラダイム・シフト」がある。ただ、そのパラダイム・シフトも狭い分野に限られた話ではなくて、物理学や生物学のみならず、経済学、社会学にまで拡がった想像以上の領域での「統合」であり「総称」ととらえて構わない。

    本書を読んだだけで、複雑系の法則がわかると思われる方もいるかもしれない。
    複雑系とは、「従来の法則が必ずしも当てはまらない」という特徴をもち、しかも「法則のないのが法則」というくらい、つかみどころのない性質をもつ。そこが、「複雑系とは難解だ」と思われてしまう一因でもある。複雑系を学んでいく上では特に、従来の学問、知識では対処できない部分が多く出てくる。だから、一度総てを捨てて器を空っぽにして「複雑系とは何なのか」を吸収してほしい。

     複雑系を研究している学者の中で、特に複雑性の経済学で知られるのがブライアン・アーサー教授である。複雑系を専門的に研究している代表として、アメリカのニュー・メキシコ州に1984年設立のサンタフェ研究所があり、アーサーはここの教授である。教授はミシガン大学で数学の修士号、カリフォルニア大学バークレー校でオペレーション・リサーチの博士号を取得している。そのアーサー教授の説く中に「ロックイン」という考え方がある。今までの大量生産の時代に経済学者が考えたことは、商品は売れる数が決まっていて、収益も減少していくこと。あるいは「収穫逓減の法則」のように、農産物であれ商品であれ、収穫は減っていく、という“常識”があった。ところが、アーサー教授は、例えばハイテク産業の場合、従来の経済原理は全く逆になることを見出した。例えば、競合商品がほんの少しの何らかの「先行」によって、ほとんどの市場をおさえてしまうことをロックインという

    「いま複雑系が新しいサイエンスのキーワードになりつつある」と立花隆氏も言っている。松本幸夫氏は、さらに新時代のサイエンスのみならず、「人生哲学」にまで通ずる何かがあると信じている。極端にいえば、複雑系とは私たちの人生をガラリと変えてしまうような理論であると松本氏は指摘する。

    元来、名教育者とは、わかりにくいことをわかりやすく説くことのできる人だ。松本氏も教育者の一人としてのプライドをかけて、本書は、できるだけ「わかりやすく」複雑系を簡潔に説き進めた1冊になっている。
  • 「早起きの効用はすごく大きいだろう。でも、起床を2~3時間は早めなければ、まとまったことはできまい。毎日そんな早朝に起きるなんて、自分には不可能だ」というのが、多くの人の「朝」に関する本音ではないだろうか。

    朝は、能力開発の効率が最も高い黄金の時間である。実際、松本幸夫氏が、これまで直接、間接に接してきた数多くの成功者、仕事のできる人、プラス思考の健康人は例外なく、朝の時間の使い方に独自の工夫をこらしていた。

    しかし、そういう人のすべてが、暗いうちから飛び起きて自己啓発や勉強、ジョギングなどに精出しているかというと、そうではないのである。成功者たちの多くは、凡人よりちょっと早起きしているだけだ。「早起きの効用」を説く人は多い。しかし、早起きだけに限定して朝を考えるのは、多忙なビジネスマンには現実的ではない。むろん、たった30分の早起き努力もしないようではいけない。頭にもウォーミングアップタイムが必要である。ギリギリまで眠っていて、あわてて家を飛び出すというのでは、早朝どころか通勤などの時間活用すらままならないことになる。

    成功者の多くは、難事に挑戦したりはしない。そのかわり彼らは、たとえ30分間の朝時間でも、それを2倍、3倍に活用するさまざまなノウハウを駆使することで、自己実現を果たしているのである。

    本書の目的は、そういう朝時間の「具体的活用術」を開発するところにある。
    早起きは大切だが、それは人生目標を達成するための手段である。早起きそのものには意味がない。朝につくり出した貴重な時間で「何かをなし遂げる」ことにこそ、早起きの真価があるわけだ。

    本書で、松本氏が長年蓄積してきた「朝、何をすればいいか」「それを具体的な能力開発や仕事にどうつなげるか」というノウハウをすべて公開している。

    「自分を朝型人間に改造しろ」などという難しい要求は一切ない。
    まずは、目覚まし時計をふだんより30分早めにセットすることから始めてもらいたい。こうして充実した朝を過ごせるようになると、能力や精神力が高まり、健康にもよいばかりか、人生そのものが変わってくる。毎日を、「今日はいい一日になりそうだ」という期待感を持ってスタートするのと、「ああ、また朝がきてしまった」という暗澹とした心境で始めるのとでは、あらゆる面で大差がついて当然だ。

    本書のノウハウで、今日の朝から「いい人生」を始めてもらいたい。
  • こんな経験はないだろうか?
    「部長は、山本のいうことはよく聞くのに、私が提案すると似たようなアイデアなのにまったく聞いてくれない。どうしてだろう?」、「どうも、自分の主張をうまくまとめられない。会議や営業で、もどかしい思いがあるんだよなあ」、「せっかくのプレゼンのチャンスだったのに、競合他社にやられてしまった。悔しい!」。いったい、なぜそうなってしまったのか?
     あるいは、同じように営業をしていても、売れる人と売れない人がいる。売れない人に多い“言い訳”は、「いやあ、大きな声ではいえないが、ウチは商品力がなくってね」、「会社の方針が時代に合わないんですよ」、「じつは、上司が悪いので、ヤル気にならないんですよ」など……。つまり、売れないセールスマンは、商品・上司・会社の方針というように、その原因を自分の「外」に求める。ところが、面白いもので、まったく同じ商品・同じ会社で同じ上司というセールスマンでも、「売れている」人がいるのも事実。不況だ不況だと騒いでも、売れる企業はあるし、売れているセールスマンも存在する。
    なぜ売れるセールスマンと売れないセールスマンがいるのか? 社の方針とか商品力のような、われわれの外部に原因があるのか?
     そんな時に必要なのは、「社内提案で確実に自分のものを通せる力」、「自分の主張を100%、社内でも社外でも伝えていく力」、「競合プレゼンを勝ち抜く力」だ。
     本書では、実践的な“説得力”を身につけてもらうために、プレゼンの基本ワザから裏ワザまでを具体的に紹介していく。
     たとえば、「説得力あるプレゼンの構成はどうしたらいいのか?」、「資料をスクリーンに映した時、どんな見せ方をしたらいいか?」、「プレゼンの本番中、どうしたら自信があると思われるのか?」、「商品を魅力的に伝えていくには、どうしたらいいのか?」、「プレゼン中、どこに立ったらいいのか?」、「トラブルを未然に防ぐには、どうしたらいいのか?」、「必要な下準備は、何か?」などといった技術だ。
    「下準備」の段階から「質疑応答」を終えるまで、順を追って解説。そして、最後の2日間(6、7日目)には、「トラブル」への対応術と、「〈状況別〉プレゼンの裏ワザ」も添えた。
     本書は、“即効性”のある本だ。プレゼンや提案営業に連戦連勝し、あなた自身の能力が社の内外で確実に認められるだけのスキルが必ず身につく。
     本書で、7日間、楽しく学んでほしい。
  • 松本幸夫氏の専門は、「プレゼンテーション」、「交渉技術」、「セールストーク」というようなコミュニケーションのスキルで、その研修を年に200回程度行なっている。

    その中で最近浮かび上がってきたのが、「営業活動におけるプレゼンの大切さ」だ。

    松本氏は、若い頃、ひどいアガリ症を克服して、自らの研修を売り込むための営業に奔走した。そして、研修講師として17年目でようやく、「さすがですね」「プロは違います」ということをいわれるようになった。受講生の方から、「感動的でした」という声が出てくるようになった。

    だが、今になって松本氏は思う。「もし適格なアドバイスをしてくれる人が身近にいたら、ずっと早く今の域に達せられたのではないか」と。

    本書では、松本氏がプレゼン技術を毎日実践していく中でつかみとってきたことに、最
    新の発見も盛り込みながら、「“商品”を売り込む方法」を伝えていく。その最新の発見の中には、「落語」からヒントを得たものもたくさんある。

    営業に限らず、仕事の大半は“コミュニケーション”で成立している。プレゼン技術は、いまでも進化し続けている。セールスプレゼンの成否は、“きれいな図”の有無で決まるものではない。

    そもそも、“わかりやすい資料”があれば、「そのまま本当に契約につながるのだろうか?」、「本当のわかりやすさとは」?われわれは“わかりやすく”しようとすると、“視覚化”しようとする傾向がある。たとえば、人気のテレビ番組。いまどきの多くのテレビ番組では、登場人物が話していることをわざわざテロップ(映像中に入る文字や絵)として、これでもかというくらいに視覚化している。たしかに、私たちの情報収集量のうち80%以上が視覚によるものとされ、耳から入ってくる情報よりも、目から入ってくる情報のほうが“わかりやすい”。そんな傾向は、一般のプレゼンテーション(プレゼン)にも表われている。

    この本にもところどころに“図”(イラスト)が入っているが、はたしてそれだけで、あなたはこの本を「買おう」という気になるだろうか?

    本書そのものが、プレゼンだと思ってください。

    ところどころに入っている図は「プレゼンで見せる資料」、太字になっているところは「声を大にして訴えかけたいポイント」。あるいは、行間を空けてあるところが「話の最中の“問”(ま)」になっていたりする。文章術でいえば、改行もまた“問”といっていいでしょう。あなたも一緒に、「いま、『買わせる!』ために何が求められているか?」を考えてみよう。

    本書を読み終わったときにはきっと、自信をもってお客のもとへと駆けつける“あなた”が、そこにいるはずだ。
  • 運命よりも心の力が勝れば、運命は心の支配下になる。これは中村天風師の言葉だ。

    多くの人は、人生の、特に「トラブル」に遭遇した時に、「運命だから仕方がない」とあきらめがちである。しかし、本当は天風師の説いたように、心の力によっていかようにも人生は好転させられる、運命は自分の力で切り拓けるのではないか。

    中村天風、本名三郎。師ほど波乱万丈という言葉が、当てはまる人は少ないだろう。約半世紀、人生を力強く生き抜く「心身統一法」俗にいう天風哲学を伝えた。

     本書では、天風師の生き様だけではなく、どうすれば自分の力で運命を切り拓いて人生の成功を手にすることができるのかを、師の教えより具体的に述べていく。「これも運命さ」と嘆くことの多かったようなあなたにこそ、じっくりと味わって読んでもらいたい。

     言霊というように、古来言葉には神秘的な力が宿るとされてきた。日常生活の中でも、「疲れた」とか「やっていられないよ」というような消極的な言葉を連発していると、本当にヤル気が失せて、力が抜けてしまったような体験がおありではないだろうか。言葉は、使い方さえ誤らなければ、私たちの運命を切り拓いていくだけの力を持っているものだ。ある時、天風師の周囲に、「弱い」という言葉がよく聞かれるようになった。

    例えば、「私はパソコンに弱い」とか、「英語に僕は弱いんだ」という場合の弱いである。上手でない、得意でないという意味である。弟子の前で、天風先生は次のような内容のことを説いた。「これからは弱いという言葉は使うな」。当然、ではどのようにいえばいいのかという疑問が、弟子の中から出た。すると天風先生はこういった。

    「弱いとは絶対にいうな。万一使わなければならない場合には、『強くない』といえ」、つまり、強くないというほうが、まだ「強」という字が入っているだけマシ、というのだ。弱音を吐かずに、自分の心に対して害を及ぼし、力の抜けてしまうようなことは決して口にしないのが鉄則である。

     もし、天風の教えを実践したなら、どんな人であっても、その潜在能力を十分に発揮して、「オンリーワン」の価値ある生き方ができるようになる。本書は実践することでさらに価値が増すものである。

     本当のプラス思考とはどんなものなのか、真の積極とは何か、読み進むうちに理解してもらえるであろう。

     人生上のさまざまなトラブル、苦労、悩みにあきらめかけている人(天風師のいう“運命難”の人)。どうも心に張りがなく、生きる志を失っている人。さらに“パワー”を失いつつある現代人すべてに、天風師の教えを知らしめたい。本書をくり返し読まれ、実践していくうちに、いつの間にか運命がパッと拓かれていることに気づくであろう。
  • 松本幸夫氏は、研修講師という仕事をしている。毎日のように30人、50人、ときには数百人の前で話をしている。キャリアは25年を超え、受講者は延べ人数にすると20万人にも及ぶ。
     ただ、始めから堂々と、説得力ある話、人を感動させる話ができていたわけではない。
     もともと松本氏は、極度のあがり症で、人前に立つとしどろもどろ、学校では先生の問いの答えがわかっても、指名されて話すのが嫌で、手があげられないくらいだった。今は、あまりにも慣れてしまい、少しは緊張したほうがいいと、むしろ「あがる」ことを意識しているような状態なのだ。
     松本氏が面白いなと思うのは、あれほどロベタであがり症な人間だったのに、今はスピーチやプレゼンテーションの仕方を「教える」側に立っていること。
    もちろん、一日にして成ったのではない。話し方の本の多読をはじめ、さまざまなチャレンジをしてみた。初級の話し方のクラスは、当時の大きな団体は全てといっていいくらい、 「武者修行」して回り、松本氏の話し方の「土台」になってきたのが、本書で説いているデール・カーネギーの教え、だった。
     本書では、デール・カーネギーをあまりよく知らない人のために、「カーネギーとはどんな人?」また、「なぜ今デール・カーネギーの教え、話し方が求められているのか?」、「カーネギーの教えが必要な時代背景」という、知っておくべき知識が述べられている。また、カーネギーの話し方教室の受講生は、1955年に5万人に、1980年代には15万人と急増したのである。なぜこれほどまでに、カーネギーの教え方が広く、長く求められてきているのだろうか?
    それよりも、「早くスキルが知りたい」、「すぐに使える話法を教えてくれ」という方もいるでしょう。そんなあなたは、まずは第3章の「上司を説得し、部下を動かす「松本流」カーネギーの5エッセンス」から読んでほしい。シンプルだがベストな話し方のスキル、心構えが述べられている。
     本書を読むことによって、ビジネスシーンは言うまでもなくプライベートでもいつでも、どんな場面でも、堂々とあなたらしく話すことができる、と松本氏は自負する。どんな場面でも、デール・カーネギーの教えに則って話をしたら、安心して、あなたらしく話ができる、つまりコミュニケーションの達人になれる。あとはほんの少しの勇気で、日々実践していくことだけだ。
  • あがり癖は、あなたが「誠実」だからと松本幸夫氏は指摘する。

     実は、松本氏は、以前人前に出ると顔が赤くなってしまい、しどろもどろの「超あがり症」だった。しかし今では、毎日のように20人、30人、時には200人位の前で話をするのを仕事とし、しかも“楽しく”やれているという。

     昔、話術の名手といわれラジオでも活躍した、徳川夢声という人がいた。彼は、「話し方のコツは“間”の取り方にある」と説いた。「何を話すのか」ではなく「何を話さないか」。つまり、「話さない」ことが大切なのだと語った。

     松本氏も、ドギマギして会話の間をつくってしまうのが恐怖だったという。言葉に詰まり無言になると、「あの人緊張してしまっている」「黙っちゃって変だな」などと人に思われてしまうのではないかと悩んだ。だが、本当は間や沈黙は悪いことではない。

     もしも、ペラペラと話ができたとしても、「この人とても思慮深い」、「誠実な人」、「落ち着いている」とは思われないだろう。

     少々沈黙したり、話の途中に間があったり、ドギマギしている様子のほうが、相手に「好感」をもたれるもので、慎重、誠実、思慮深い、親しみやすいというイメージがつきやすい。

     方言で話すことも同じで、自分の土地の言葉でじっくりと話せば、それがその人の「味」となり、人から好意的にとられる場合が多い。

     あなたがドギマギしたとしても、それが好印象につながる。そう思ったなら少しは安心して話ができるのではないだろうか。

     だから、「ドギマギ・あがりは悪いことだ」という思い込みをぜひ改めてもらいたい。現実にはうまくいかないことが多く、結果、いつものようにあがってしまう。盲点は、「現状を知る」ことをおろそかにしているか、まったく考えていないことにある。つまり、当てはまるケースと、そうでないケースがあり、「現状」をしっかりつかまない限り適切な対処法が「処方できない」というのが正しい。だから、「聴衆をニンジンだと思うこと」によって、堂々と話せる人もいる。孫子の兵法の中に、「彼(敵)を知り己を知れば百戦危うからず」とあるように、まず己を知ることが、あがりをやっつけるためには不可欠なのだ。

    あなたがそんなプロをめざすのなら、いくらでも力になりたいし、まったくその気がないとしても、どうしたらドギマギせずに堂々と自信をもって、言いたいことを言いたいときに伝えられるか、本書が必ず手助けとなるだろう。
  • 何か嬉しいことがあった時に、それまで体調が悪かったのに急によくなった経験がないだろうか。
     健康に目を向けるという意味では、健康法がブームになるのは好ましい。だが、一種の「健康でなくてはならない」という強迫観念、いわば「健康教」のようになったのではどこか釈然としないものが残る。身体的、精神的、社会的に良好な状態にあってこそ「真の健康」であるというのは、WHO(世界保健機構)の定義である。つまり、心と身体、そして仕事やプライベートな面でもバランスのとれた状態にあってこそ真の健康である。
     松本幸夫氏が主張したいのは、現代人の健康観というのは、あまりにも肉体、身体に偏重してはいないか、という点だ。とくにポイントになるのは、身体と精神、心の調和がとれてこそ、われわれは、ストレス過多ともいえる社会を生き抜くことが可能になるということだ。
     先述したWHOの健康の定義にしても、まず心と身体の調和をとることが先決だ。そうすれば、社会生活も良好になっていくものである。
    「病は気から」というのは「健康は気から」といいかえることもできる。
     中村天風先生は、「病は忘れることによって治る」と喝破した。しかも、自身の死病克服による体験から、どのようにしたら病を忘れることを、自分で説くことを決めた。天風先生の心身統一法は、どうすれば真の健康が得られるのかを詳細に説いている。本書では、松本幸夫氏自身のヨガ体験、インドの哲学、アーユルヴェーダ、陰陽哲学などに触れながら、天風流の心身健康の知恵を紹介していく。
     本書で一番強調したかったのは、「健康は土台」「健康からはじまる」ということである。つまり、健康になることが目的なのでなく、健康な心身を土台にして、何かをしていくのが人として生まれた使命であろう。だから、本書は読めば終わりではなく、ここから始まるのだ。
     英語で、卒業式のことをコメンスメント、つまり始業式という。学業を終えて、実社会でのスタートを切る記念すべき式、というわけだ。同様に、健康な心と身体をまず手にして、そこから世のため人のため、自分の「天職」をみつけ、人類の進歩、向上に尽力していくことが望まれる。身体だけでなく、心をも含めた健康を「真健康」という。さらに、健康を土台にして何かを成していくという意味も、「真健康」に含まれる。
     ブームに惑わされずに、真健康への道を、本書を読むことをきっかけにして突き進んでいってほしい。
  • 「病は気から」というフレーズがあるが、松本幸夫氏は、それは、学習法においても当てはまると考えている。つもり、学習する時に、「頭・身体・心のバランス」がとても大切であると指摘する。

    身体のどこにも異常がないとしても、心が不安定だったり、心配ごとがあったり、何かに恐怖したりすると、マイナス感情でいっぱいになってしまい、その人は本当の意味で健康体とはいえなくなる。そうなると、いかに頭がよくて「知力」があったとしても、高熱があったり、頭痛がしたり、体調が悪かったりすると、本当の実力は出せないものだ。もちろん、心が乱れていても力は出せない。学生時代のテストの時間を思い出してもらいたい。問題を一番から順に解いていったところ、三番目の問題がすぐにはわからない。ああでもない、こうでもないと頭をひねっているうちに時間切れ……。ところが、四番目や五番目の問題を見るとすぐにできるものばかり。しまったと後悔したようなご経験はないだろうか。あるいは、同じ時間学んでいくのであっても、似たような文系の科目ばかりやるよりも時に理数系の科目を混ぜたほうが能率が上がったという経験はなかっただろうか。
     松本氏は、これまで能(脳)力開発を専門に研究してきたが、「学び方」、「勉強法」によって能率がずいぶん違ってくることに最近気がついた。学生時代のテストに限ったことではなく、ビジネスの場においても、「学び方」「勉強法」のコツを知ってこれを実践していくことは重要なことではないだろうか。

     松本氏が、本書の中で繰り返し述べているのは、いかに心を安定させ、集中力を高め、学習効率を高めていくかということだ。そのため、呼吸法や食事法や睡眠法にも言及しているのは興味深い。

    新しい観点からの学習法として、本書の中でキーワードになるのは、「頭・身体・心のバランス」だ。学習というのは、決して頭脳だけで行うものではない。その人の性格・気質・心とは切り離せないものなのである。

    また、松本氏は、学習技法だけでなく、広い意味での「人の生き方」にまで本書で触れている。睡眠、食事、生体リズムということに結び付けた「人間」の学習の仕方を述べているのは、いかにも松本氏らしい。

    学習法というのは「人生の一部」であり、極論すると学習とは人生である、と松本氏は考える。学ぶというのは絶えず成長することであり、人生で成長を望む人はすべて、学習と重ねて人生を考えるべきであり、学習することそのものは目的ではなくて手段であるのだ。何のために学習していくのかということを、再度自問してもらいながら読み進めたい一冊だ。
  • 私たちの毎日は決断の連続だ。私たちは知らず知らずのうちに、多くの「決断」を迫られている。

     では果たして、その決断がスピーディーに迷わず下せているだろうか。また一度決めたことに対しても、優柔不断でフラフラと何回も元に戻すということをしていないだろうか。

     松本幸夫氏は、「決断-行動-成果」のサイクルを繰り返すことが、人生の成功者となるカギだと指摘する。彼は、20年間に、15万人以上のビジネスパーソンに人材育成コンサルタントを行なってきたが、その中で「成果を出す人」や「仕事のできる人」を何人も見てきたが、彼らが必ずもっている共通点に気づいた。

    「うまくいかなかったらどうしよう……」、「失敗して、責任をとらされたら……」といったことを、彼らは一切考えないし、そして、迷わない。決断までの時間は数秒。直感を重視し、3秒以上は考えこまない。むしろ時間をかけるほど、成果が落ちるとまで言っている。

     仮に行動の最中で何か問題が起こったとしても、それを速やかに軌道修正し、正しい方向に導いていくのだ。

     決めたことを行動に移し、それを続けていくことでどんな人でも必ず成功できる。しかし現実には、そのスタートである「決断」をできていない人が圧倒的に多いのではないだろうか。

    なぜ、私たちは迷い、行動できないのか。
    「絶対できない」と感じることであっても、うまくいくという可能性があるからこそ、私たちは迷うのだ。もしも100%ムリだと判断できていれば、迷いなど生じない。「迷う」というのは、そこにたとえ何%かであったとしても、成功の芽があるということになる。

     もちろん、チャンスがあったとしても、決断して行動できない人もいる。結局、その人たちは「何もしない人」、「何も考えない人」と同じことになる。先憂後楽ということばを知っているだろうか。これは「人よりも先に憂え、人よりも遅れて楽しむこと」(岩波国語辞典)である。イヤなことはさっさと片づけて、心に何の憂いもなくなってから、好きなことを思いっ切り楽しむことだ。これは、日々の仕事にもあてはまる。今日1日やらなくてはいけないことがあったとしたら、その中でイヤなこと、つらいことを午前中にこなしてしまうことだ。すると、1日の後半がグッと楽になる。松本氏は、これを[前半主義」と名づけている。

     本書は、それらのエッセンスを集約し、圧倒的な成果を出すための決断力・行動力についてまとめたものだ。「決断力をつけ、成果を生むための行動を起こす方法」は、誰にでもできることで、今日から無理なく実践できることばかりだ。大小極まりない選択という名の「決断」で満ちあふれている人生を、大きく踏みしめ、本書が、あなたの人生を変える大きなきっかけになることを切に願う。
  • 人間関係は、もともとままならないものである。だが、その中でも特に、会社の人間関係にはストレスを感じることが多いのではないだろうか。

    まず、自分では選べない。これだけでも理不尽である。
    次に、強いきずながない。利害関係や組織の論理で結ばれてはいるが、どこか砂のようにもろい関係だ。さらに、しばしば毎日、時には家族より長い時間、顔をつき合わせる。そのプレッシャーは大きい。

    その上、もつれやすい。年齢、性格、能力が違い、考え方、生き方、趣味にも共通点の薄い多数の人間が複雑にからみ合っているので、スッキリいくわけがないのである。また、「ウマが合う」というのは、あなたの先入観にすぎないことがわかってくるはずだ。意識して、今までと違うことにチャレンジしていくと、「ウマが合わない」と思っていた人が、実はそれほどではないことに気づくであろう。経験豊かな人(専門家)から助言を得ることが大切だ。一人の考えには限界があるが、客観的で親身な人の言葉からは大きなヒントが得られる。アドバイスを求め、それを参考に、「合わない」と思いこんでいる人と会ってみよう。お互いの誤解を解いて、仲よしになることを望もう。自分が「合わない」と思いこまない限り、世の中に合わない人はいないことがわかるはずだ。

    松本幸夫氏は、一般的な人間関係と会社の人間関係は、似てはいるものの別ものだと指摘する。そして、専門とするヒューマンスキル(生きる技術)とソーシャルスキル(社会への対応術)を、「会社の人間関係スキル」として総合したいと、常々考えていた。

    会社の人間関係も、よかれと思ってやったことが誤解されたり、一言で急に事態が好展開したりといったことの連続だ。計算通りにいかない。

    本書には、ただ聞くだけで評判を上げた右のカーネギーのような例をたくさんあげてある。そして、その根底にあるスキルを解説してある。

    「こうやればよかったのか」「知らなかった」ということも多いだろう。それらのことを改めたり、身につけたりした時、会社は、あなたにとって自己実現のための輝く舞台に変わっているはずである。そして、会社の人間関係も、ストレスであるどころか、楽しいものになっているに違いない。

    会社の人間関係は継続するものだ。その場しのぎの対処術でなく、「いい関係の継続」が求められる。そういう継続力を養う一助として、先人の名言やことわざもたくさん盛りこんだ。難しく考えなくていい。本書の実践で、あなたの会社の人間関係はがらりと変わる。
  • 人間が「不可能」だと考えていたことが、100年を経過したら「あたりまえ」になっていた事は多い。

     はたして、ライト兄弟が生きた100年前の人間の誰が空を飛ぶことを「あたりまえ」だと考えていただろうか。また、アポロが、月に着陸するまで、人類にとって「月世界」は夢の中での話にすぎなかった。

     事業でもスポーツでも、学問の世界でも、全てにおいて共通していることだ。発明、発見、創造、新記録。「不可能を可能にすること」こそが、キーポイントとなっている。

     では、何がこの原動力となるのか? それは「信念」である。
    たとえ地球上の誰一人として味方になってくれなくても、少しもゆるがない「信念」があったなら、どんなに批評、非難、中傷を受けようとも平然としていられるだろう。そして必ずそれは実現する。この世にただ一つの魔力があるとしたら、それは「信念の魔術」以外にはない。

    「あなたは、あなたが考える通りの人物である」。有名な哲学者エマソンの言葉だが、信念そのものを表現しているだろう。自分はどのような人間であるか? あなたの信念が、今のあなた自身なのだ。「私は億万長者である」心の底からそのように思い、実感できる“信念”があったなら、その人は間違いなく億万長者である。賢明な方なら気付いたことだろう。信念さえあったなら、たとえ今どのような境地にあろうとも思い通りの自分に変身できると。あなたが、もし思い通りに事が運ばないと嘆いているのなら、それは「信念」が不足していたか、全くなかった事を意味している。信念の魔術は、不可能を可能にしてしまう奇跡の力だ。

     思い通りの人生を歩むには、「私は思い通りになる」という信念がなければいけない。これこそ一番必要なものだ。自分の願望は必ず実現することを「知って」いたなら、つまり「信念」さえあったら絶対に願望は実現してしまう。

     では、どのようにしたら不可能がなくなってしまう「信念の魔術」をマスターできるのだろう。その詳細な具体的方法を述べていくのが本書の役割である。
     モーゼが海を真っ二つに分けたのも、キリストが病人に手を当てただけで治したのも、全て「信念」の力に他ならない。これは何も聖人だけの専売特許ではない。誰にでも可能な、実は「簡単な」コツがあるのだ。このコツを体得できたなら、素晴らしい人生があなたのものとなる。

     たくさんの人が、物が、お金が、向うの方から押し寄せてくることだろう。あなたは必ず楽しく、充実した、壮大な人生を歩むという「信念」のもとに、本書は書かれている。
  • 一般的な日本人の性格として、キチンと準備を整えた上で行動するという傾向があるだろう。たとえば、松本幸夫氏は、ビザの書き換えをする時に、キチンと全ての書類を整えて、自分の身分をハッキリとさせた上で出入国の管理事務所に行くというパターンをとる。ところが、欧米人や華僑は少し違うのである。とにかく「行動」が先というパターンが多い。ビザなしでも、身分がしっかりしていなくてもお構いなし。ゴーイング・マイ・ウエイというわけだ。
    ある時、「松本さん、どうして日本人のビジネスをやろうという人は“資本がなくて”、“まだ十分たまってなくて”と、よく口にするのですか」と、華僑に尋ねられた松本氏は、答えに苦しんだことがあるという。「それは、何事にもキチンとしなくては気のすまない私たち日本人の性向でしょうね」と答えておいた。
     華僑は、この点われわれ日本人と異なっている。つまり資本はあったにこしたことはないが、もしなくても全くお構いなしということだ。金があろうがなかろうが、とにかくできる商売からやっていく。これが華僑の商売魂といっても良い。何も立派なオフィス、秘書がいなくとも商売はスタートできるのである。日本にも、約8万人といわれる華僑がいる。彼らは、まさに裸一貫で日本に渡ってきて商売を始めたのである。もちろん、私たち日本人の欲望をうまく刺激して。そして、たとえば東南アジアにおいては生活の必需品、食料に関係している商売を支配してしまっているといっても過言ではない。「華僑がいなくなったら生きていけない人はたくさんいるよ」とは老華僑の言葉である。
     華僑は、全くのゼロからのスタートで、大成功をとげている人が多い。そこには、きっと何らかの成功哲学・法則のようなものがあると松本氏は信じた。松本氏は、タイに在住し、そして調査・研究を続けていった。調べていくままに、大切なポイントを書き記していくと、ある法則にピタリとおさまった。
     本書は、その華僑商法のエッセンスを、松本氏の体験もベースにとり入れながら、実践的に記したものである。どのようなビジネスを行なっている人であっても、必ず大きな参考になるはずだ。どのページから読んでも構わないが、守って欲しいことがある。それは、頭の中だけで理解するのでなくて、実行にうつしてもらいたいということだ。
     本書の特徴は、全てを実行していくことで“華僑商人”といえる位の商売上手にあなたを変身させてしまう点にある。そして、ビジネスを行なっている人にも座右の書として、参考にしていただきたい。
     華僑商法の研究は、社会に与えること、貢献する人になることである。本書が世に出ることによって、社会的なレベルでの成功者が次々に誕生するだろう。
  • 本書は、読者に、“普通とは異なる発想(逆発想)を身につけた、仕事が10倍「できる人」”に最速でなってもらう工夫を凝らした一冊だ。たとえば、

    ・プレゼンの際、うるさい場所では小声で話しだすほうがいい
    ・断られたら感謝すると、うまくいく
    ・マイナス要素もそえて話すほうが、信用され、説得力が出る
    ・ロベタでも、いやむしろロベタのほうが話し上手になれる
    ・プレゼン時にあえて視覚要素を排除することを心がける
    ・価格交渉をされたら、価格では応じないこと
    ・正しいことを主張するよりペーシングが大事(「嫌われる有能」は無能に等しい)
    ・吐く息を長くすると集中力が高まる
    ・アイデアを限界までたくさん出すと、むしろアイデアのネタはさらに出始める
    ・ある行動に疲れたら、違う行動をすることで積極的に休むことができる

     本書でご紹介する膨大な数のテクニックが、あなたの能力と魅力を10倍に引き出すと松本氏は確信する。

    「能力」というのは、「他人が認める」ことによって初めて生きるものだ。そして「能力」を開花させるには、普通とは異なる、ある種の逆転した発想(逆発想)にもとつく裏ワザ的な仕事術への開眼も必要となるのだ。松本氏は、発想を変え、まずは、もっと自分の実力、良さというものを認めてもらう努力をしたほうがいい、ということを指摘する。

     それには、まず、プレゼンテーション能力を高めることにつきる。プレゼンとは、何も大々的に大人数を前に行なうようなものばかりを指さない。自分の意思を伝えるのであれば、それは仮に視覚器材などを用いなかったとしても、プレゼンテーションと呼んでおかしくない。たとえば、会議で自分の意思を発表すること、研修会の中で発言すること、小集団での活動や商品説明など、おそらく意識していなくても、かなりの人は、仕事の中でプレゼンテーションをしている。では、あなたは常に、満足のいく結果を出せているか?堂々と、自信のあるプレゼンができているか?知っておくべきは、「プレゼン下手は損をする」ということだ。さらに、プレゼン能力や交渉力を生かすためにも、「コミュニケーション能力」を高めることを忘れてはいけない。本書では、こうしたスキルの磨き方がふんだんに盛り込まれている。

     本書でご紹介するポイントをすべて見直して、実践していったなら、イヤでも仕事の「できる人」となれるエッセンスが身に付き、「できる人」へと変身できる。
  • 「五大力」を実行するだけで、あなたは夢を現実のものとできる。

     論理、言語、記憶を司る左脳に対して、感情、創造力、音楽を生み出す右脳は、潜在意識と密接な関係を持っている。そして、理論を超越している般若心経は「右脳開発」の最新兵器となる。面白いのは、2500年前の教えが現代の最新の武器となるということだ。 
    「ものを見る」と脳に映像化される。この「映像」「イメージ」が潜在意識活用には重要である。脳の中のスクリーンにハッキリとイメージされたなら、必ず潜在意識が現実のものになる。これは研究家の間でしばしば説かれている。例えば「別荘」、「ヨット」、「外車」などの物をイメージし続ければいいという。さらに、そこにいる自分の姿が映像化できたなら成功者となれる。

     般若心経を「見る」ことは、この潜在意識活用とどんな関係があるのだろう?
    「見経」とは、一字一句を読むのではない。全体を眺めるのである。般若心経の全文を縮小コピーして定期入れや財布にしまっておく。そして暇な時に、ただ眺めるのである。その時同時にあなたの欲しい物をイメージする。物だけをイメージするよりも、般若心経の全文を眺めながら行なうと効果は倍増する。もちろん、般若心経を眺めるだけでもいい。
     般若心経をリズミカルに唱えることは右脳刺激になる。意味を考えずにただ眺める「見経」。りズミカルに唱えた般若心経を聞く「聞経」。これをバランス良く毎日くり返すのである。右脳開発そして潜在意識の活動に大変役立つのである。

     右脳開発の特効薬、それが般若心経だ。

     般若心経を読み、書き、黙読し、見る、聞くという五大力によって、クラスのリーダーになった少年がいる。彼は、般若心経を実践する前は、いわゆる「イジメ」をやられる側であった。しかし、毎日実践していくうちに、彼自身驚くほどに「人間改造」がなされた。それまでは青白く貧弱だった少年が、毎日五大力を行なっていたら、力に満ちあふれる「自信」ある人間になった。彼の変身のキーポイントは、般若心経五大力にあった。
    ぜひ本書を読んで、あなたもぜひ実践して欲しい。

    般若心経の効力を知っていただけでは何にもならない。その知識が実践、実行、行じられた時にこそツキが呼びこまれるのである。「実行せよ」これがたった一つの秘法だ。
    運命は自由自在に変えられるし、ツキをどんどん呼びこむのも可能だ。そしてその方法は五大力として紹介した。あとは、あなたが実行するだけだ。

    世界は理想郷へと一変するだろう。どのような願望も現実になる。本書がスタートとなる。
  • 550(税込)
    著:
    松本幸夫
    レーベル: ――

    欧米で、「武蔵」や「五輪書」がブームになって久しい。日本式経営が注目され、その一環としての武蔵ブームなのかもしれない。宮本武蔵というと、「二刀流」というイメージを抱かれる方も多いだろう。あるいは、生涯一度も負けなかった剣豪、勝つためには手段を選ばない武芸者、道を追求した男、とさまざまな評価がある。本書では「右脳開発」という観点から、武蔵をとらえてみたい。

    松本氏は、武蔵が二刀を自在に用いたということから、もしかしたら武蔵は右脳人間ではなかったか、と仮説を立てた。この仮説を決定づけてくれたのは、彼の芸術面での才能だ。
    右脳は「芸術脳」でもあり、音楽や絵画的な能力を司る。二刀流武蔵は左手を意のままに、
    意を超えて使用することによって右脳を自然に開発したに違いない。

    本書では、宮本武蔵の右脳開発の技術に学び、私たちが現代の戦場であるビジネスの中で、右脳をどのように活用していったら良いのかを説いていく。

    武蔵の名が今日にあるのは、彼の剣の技量や、芸術面での才能ばかりではない。もし、武蔵に「兵法三十五か条」や「五輪書」がなかったならば、彼は一介の剣豪、一介の画師にすぎなかったに違いない。これらの著作は、右脳ではなくて左脳中心の作業である。なぜなら、大脳の左半球は主に言語、論理脳であり、物を書くというのは主に左脳の働きによるからだ。つまり、武蔵は、芸術面で「右脳」を開発していたばかりか、文章をまとめる「左脳」の能力にも傑出していたということになる。

     宮本武蔵は、左右両脳をバランス良く発達させた、全脳思考の人間であった。しかも剣の技術という「肉体」面でも、超人的な力を発揮した。

    「五輪書」は、寛永20年(1643)10月、熊本の金峰山中腹、雲厳寺の霊厳洞で書かれたものといわれている。兵法を五つの道に分け、地の巻(兵法の道)、水の巻(兵法の理)、火の巻(実戦、勝負のこと)、風の巻(他流派のこと)、空の巻(兵法の究極)といった内容になっている。

     本書もこれにならい、地、水、火、風、空の五つの章から構成し、「頭脳開発」、中でも「右脳開発」を中心に話を進めていきたい。ビジネスマン、事業経営者、あるいは広く一般の方々の頭脳を意識的に開発する教本、つまり、新しい五輪書になるものと信じている。

     空理空論よりも「実戦」を重んじた武蔵と同じく、本書も実行されることによって、大きな力となる。
  • あなたは、「数字」や「数学」に対して、何らかのコンプレックスを持っているだろうか?
    「数字」や「数学」が苦手なのは、何もあなたが悪いわけではないと松本幸夫氏は考える。
    詰め込み式の教育を受け、「数学」の楽しさを学んでこなかったわけだから、それはむしろ当然のことではないだろうか? 苦手意識を持っているのは、何もあなただけではない。
    松本氏が、初めて海外に出たのはもう30年前になるが、訪れた国はインドだった。その際に、インド人が独特の「数の数え方」や「計算方法」を知り、非常に衝撃を受けた。
    数学嫌いの多い日本人が「インド式計算」に興味を持ち、計算を少しでも楽しもうとする傾向が出てきたことを、松本氏は歓迎しているが、1つだけ不満がある。
    それは、ビジネスパーソンはすでに「計算」を楽しむ段階ではないということだ。もし、あなたが小学生や中学生であれば、計算を楽しむだけでもいいだろう。だが、ビジネスの世界では、いかに使える「計算方法」を学んだとしても、それを仕事に活かせるまでに使いこなせなければ、意味がない。
    松本氏は、企業向けのセミナーも含めて、年間200回以上のセミナーをこなすので、数多くのビジネスパーソンと接する機会があるが、その中で、計算の速い人ほど素早い決断ができるということに気付いた。
    ビジネスは「意思決定」の連続。目の前に出てくる数字に敏感に反応し、素早く行動しなければ、もはやビジネスの世界では生き残れない。高度経済成長時代が終わり、今後の日本は人口も減少していく。そうした大幅な売上アップが期待できない中で、企業が生き残っていくためには、社員1人1人が貪欲に利益を追求していく必要がある。そのためには「会社の数字」に精通し、迅速な意思決定をしなければいけない。経理の人間だけが、数字を把握しておけばいいという時代は終わったのだ。
    だが、そうは言っても、潜在意識にまで刷り込まれた「数字が苦手」という意識はどうしようもなく、それを克服するために最適なのが「インド式計算」なのだ。インド式計算は、楽しみながら「数字に対する感覚」を身につけることができる。普段と違う計算方法を使うため、頭の体操になるし、脳を鍛えることにもつながる。IT業界を支えるインド人のような「鋭い数字感覚」を本書で身につけ、それを自分のビジネスや生活に活かしていこう。本書を読み終わったら、「あらゆる数字」を「インド式計算」で解いてみることを習慣づけてみよう。
  • 世の中がおかしな方向に向かおうとしている。
     松本幸夫氏は、人財育成コンサルタントとして、また作家として、さまざまなところで講演やセミナーを開催し、27年以上にわたっていろいろな企業の新入社員研修を行ってきた。最近になり、この病的ともいえる症状を目にするようになった。ある研修でのことだ。
    「では、これから10分間休憩に入ってください」
     そう言ったあと、松本氏は自分の目を疑った。誰も席から離れようとしない。しかも、シーンと黙ったまま。なぜ休憩だと言っているのに、席を立つ人が1人もいないのか……。
    「まだまだ研修は続きますので、今のうちにトイレに行ったり、自動販売機で飲み物を買ったりしておいたほうがいいですよ」
     そう言うと、ようやく1人、2人、3人と席を立ち、続けて全員が動きだした。些細な出来事かもしれませんが、松本氏の心の中になんともいえない不安を抱かせた瞬間だった。
     そしてその後、幾度となく同様の経験をした。例外と思いたかったが、これだけ繰り返されると、もはや若者特有の気質としかいえないのではないか、とも思えてきた。
     なぜ、誰も動こうとしないのか? 松本氏は考えたが、答えは出なかった。
     そこで思いきって、受講者に、「なぜ休憩しようとしないのですか?」と聞いてみた。
    「なぜ休憩しなければいけないのか、よくわかりません……」
    松本氏は、その答えの衝撃で思わず尻餅をつきそうになった。これまで、若者に対して「なぜだろう?」と思ったことをいろいろ思い返してみて、このひと言ですべてが腑に落ちた。
     松本は、この症例に名前をつけて徹底的に研究することにした。
    “納得しないと動かない症候群”
     研究を進めれば進めるほど、松本氏は、暗澹たる気持ちになり、彼ら自身や日本の将来を憂いた。なぜなら、この症候群が蔓延すれば、道徳的価値観や上下関係といった日本らしい慣習がことごとく破壊され、合理主義と怠慢がはびこるとんでもない国になるからだ。 
    また、会社組織やビジネスにおいて考えたときも、松本氏にはどうしても明るい未来が見えない。
     本書では、“納得しないと動かない症候群”の症例や恐ろしさ、処方箋などを松本氏の体験と研究をもとに伝えていく。“納得しないと動かない症候群”というフィルターを通して「若者」を眺めることで、これまで無意識レベルでしか認知できなかった問題がはじめて顕在化し、対処できるようになる。
  • 「メールの数はこれからも増える一方だろう。だいぶ負担になってきた。メールの時間を減らす工夫をしなければ」という人が非常に多い。ほんの数年前までは「メールのマナー」とか「メールソフトの使いこなし」で対処できていたのが、今はメール数のケタが違う。

     松本幸夫氏は、さまざまな企業で研修をしているが、「プロジェクトが立ち上がったとたんに200通を超えた」、「24時間対応しなければ追いつかない」というのが現状なのだ。今までのやり方では仕事時間が圧迫されて当然である。松本氏自身がメールに追われているのだ。だが、メールの速さは仕事の速さとはまったく関係しないことを肝に銘じてほしい。日に何回もメールをチェックする習慣を、まず、やめにしよう。メールチェックの回数が多い人は、強迫観念にとらわれているものだ。

     外国人も、「仕事時間中はおろか、オフタイムも、いや、ベッドの中でもメール、メールだ」と悲鳴をあげていた。メール時間の短縮は、世界的な話題なのだ。
    また、研修で接する人の中には、一日に500通を軽く超える人もいる。そんな人たちは、さすがに独自のメール術を身につけており、松本氏は大いに参考とすることができた。
     松本氏の研修テーマの一つは、時間術である。ことに朝の有効開発だ。朝イチに超短時間でまとめてメールを処理する。しかも「反応が速い」と印象づけ、重要メールにもしっかり対処というテーマの両立にずっと知恵を絞ってきた。

     そして、松本氏は「メール時短」に成功した。
    1 速読術、
    2 「捨てる!」技術、
    3 ランク分けテクニック、

    という三本柱からなる時短術を、さっそく今日から実践していただきたい。そして、メール問題を解決するには、メールチェックを午前中の10分間だけに集中することである。それが、松本氏とメールの達人たちの共同結論だ。

    メールの洪水から、仕事に集中する時間をたちまち取り戻すことができる。便利さは最大限に享受しつつ、である。

     そして、それは1日24時間の活性化につながることに気づくであろう。朝イチをうまく使えば、すべての時間を2倍にも3倍にも活用できるのだ。

     メールの数や内容は、個人差が非常に大きい。10分間で、文字通り完全に処理できる人もいれば、とにかく基本処理だけはすべてすますという人もいるだろう。

     誰でも使える汎用技術だけをセレクトしてある。本書で大きく飛躍した後に、いい個別応用をしていただければ幸いだ。
  • どのようにしたらビジネス・プレゼンテーションを成功させられるか、これが本書のテーマだ。

    現代は「プレゼンテーションの時代」といってもおかしくないくらいに、さまざまな機会にプレゼンテーションが行なわれるようになってきた。その目的は、聴衆を説得し、意思決定させ、さらには行動に移させること。あるいは、発表会や方針管理のように、情報の伝達を主目的とすることもある。

     プレゼンテーションの基本は変わらないが、学術会議と商品説明では、同じプレゼンテーションといっても注意すべきポイントは、かなり異なる。プレゼンテーションの目的として、あらゆる分野で共通しているのは、表現・伝達・説得等を目的にしているということだ。だから、規模の大小はあっても、国家間での交渉事も、子供のこづかい値上げも「プレゼンテーション」といえる。

    本書では、目的や状況に応じたプレゼンテーションの具体的な方法を説いたので、皆さんのニーズに合わせて活用してもらえる。

     ただ、いかに技術を身につけたとしても、実際に行なうのは人間。従来のプレゼンテーションにおいては、視覚機器や技術面でのハードは重視されてきたが、人間的なソフトの面がややおろそかにされていた。聴衆との問に円滑なコミュニケーションを図るのが、今後のプレゼンターの大きな役目となるので、本書では、人間的側面からもプレゼンテーションをとらえてみた。

     プレゼンテーションというのは、「本番」だけが全てではない。むしろ、会場の設営や聴衆分析、オリエンテーション、リハーサルといった段階で、成否が決まるといっても過言ではない。もちろん、本論・主張ポイントが充実しているというのは大前提だが、その上で徹底して準備しておくことが成功の秘訣になる。準備に時間をかけるだけでも、実際のプレゼンテーションでは落ち着いて、堂々とした態度で進めていける。

     アメリカのある調査では、一流企業の役員クラスの実に七割以上が、コミュニケーションを改善していくことによって、現在の地位を築いたと答える。プレゼンターと聴衆との双方向のコミュニケーション、これがプレゼンテーションに他ならない。つまり、プレゼンテーション能力が、社会的に認められるために必須の「武器」ともいえるわけだ。

     ビジネスに限らず、世の「一流」と呼ばれる人ほど、人一倍練習して汗を流している。本書を練習のためのガイドブックとして、ぜひ一流のプレゼンターとして活躍を目指してほしい。
  • 安岡正篤先生がこの世を去られたのは、昭和58年12月のことであった。その後、その教えは消えてしまうどころか、むしろ年を経るごとに、安岡先生の教えが求められ、
    学ぶ人の数も増え続けている。

    現在、「物質文明」はきわまり、「心の文明」へ入りつつあるという。心が重視される時代であるからこそ、「安岡教学」は人に求められるのであろう。「安岡教学」においては、知識・情報の伝達を第一義としない。徹底して人間を説き、人の心を説き続けている。

     進歩、向上していくという点から観て、世の中は「変わる」ものだ。だが、「変わらない」ものもある。というより「変えてはいけない」とさえいえるものだ。
    例えば、子を想う親心、弱者に対してのいたわり、思いやり、誠実さ……。「変わらない」人間の真理を説き続けているからこそ、安岡先生の教えは、私たちの心を強く打つのである。

     世のリーダーたる政財官界のトップクラスの人々が「師」として、精神的な支柱として、門を叩いた人物である。「師の師」たる人物であり、「巨星」と称されるべき人、それが安岡先生なのであった。

     では、その安岡先生の教えとはどのようなものであったのだろうか? 人生のある時点でとどまり、創造もせず、いわば機械的に生きるのが「宿命」と呼ばれるものだ。安岡先生は、学問修養をしていくと、宿命的な存在から飛躍できると説いた。実は、その教えを多くの人々に、わかりやすく知っていただくというのが、本書を著わした目的でもある。

    「安岡正篤の教えを学びたいけれども難解な気がする」という声を多く聞いたことがある。大きな理由の一つは、幼少から中国古典に馴れ親しんできた安岡先生が、「知っていて当然」としている内容が、私たちにとって「当然」ではないからだ。つまり、主に中国古典の「素養」において大きな差があるわけだ。

    理解度を高めていくのが不可欠となる。その辺を考慮して、わかりやすく、字句の説明も時として加えながら「語録」の形でまとめあげてみた。

     もしかしたら、すでに安岡先生の教えに長く接している方にとっては、「当然」のことも含まれているかもしれない。中には「くどい」とさえ思う方もいるだろう。しかし、山頂に至るには麓を通らねばならないことをご理解いただきたい。そして、始めて安岡先生の教えに接した方にとっては、「まだ学ぶことは多くある」と知って欲しい。

     本書は「安岡教学」の理解者、実践者を増やすための力になるものだ。
  • 〈本書の登場人物〉
     熱田 三郎(あつた さぶろう)
     この熱血選書シリーズの主人公。入社してはや3年、仕事の辛さ、楽しさがわかり始め、ますます仕事に燃え、着実に前進している。


    内容紹介
     心理学では、人が第一印象で他人に評価を下すと、なかなかその評価を変えようとはしないことがわかっている。これは、初頭効果と呼ばれている。
     服装、態度が重要だという理由も、そこにある。もし、外見から「この人の話は聞く価値がない」と判断されたら、話の内容以前の問題である。しかも初めに抱いたその人の印象 は、ずっと後まで変わらないものだ。初めのわずか数分間で、他人への評価がなされるという報告もあるくらいだ。
     また、話し手が「気を付け」の姿勢で直立不動、難しい表情をしていると、聴衆にも伝染してしまうものだ。逆に、肩の力を抜いてリラックスし、ニッコリ微笑して話すと、聴衆も安心して聞くことが出来る。リラックスした態度、にこやかな表情というのは伝染する。まず、話し手自身が態度、表情を友好的なものにすることを心がけたい。われわれが心を惹かれる話し方というのは、何も中身が素晴らしかったり、話し方の技術が洗練されているばかりではない。たとえ中身が不十分、技術は未熟であったとしても、汗を流しながら懸命に話をしている人の熱意に、われわれは心をうたれるものだ。
     ビジネスマンにとって、人前で堂々と話の出来る能力は、今や必須といえるでしょう。沈黙は金、腹芸、以心伝心では通用しなくなった。
    会議や商品説明会、研修会のみならず、社外でもスピーチをする機会は今後も増えこそすれ、減ることはないでしょう。特に管理職者になるほど、コミュニケーション能力が重要視され、中でも人前で自分の意志をしっかりと伝えることの出来る能力は、欠かせないものだ。
    ところが「何を話したらいいのかわからない」「どのように話したらいいのだろう」といった話の構成や、話し方の技法に関する知識不足の方が多いのが、現状。
    あるいは「あがり症でとても人前で話せない」、「変な質問が出たらどうしよう」、というように、話し方の技術以前の問題もある。
    実は、話し方というのは、話し手だけの問題ではない。大切なのは聞き手が理解してくれること、満足してくれることだ。だから、話し方というのは「聞かせ方」でもある。
    本書を読むことによって、あなたが人前での話し方は劇的に変わる。同時に、間違いなく人に聞いてもらえる話し手になれる。
  • 健康になりたい。そう願う現代人は多いはずだ。松本幸夫氏は「真の健康」というのは、これだけ行なっていれば良いというものではないと指摘する。つまり、もっと総合的に考える必要があるだろう。

    具体的には心の状態はどうあるべきか、食事は、呼吸の仕方は、さらに運動のやり方から日常生活全般の過ごし方に至るまで、すべてを総合して始めて「真の健康」が手にできるのではないだろうか。

    そこで中村天風師の教えが断然、価値を持つ。なぜなら、中村天風師の「真の健康」に関する教えというのは、間違いなく総合的なものであるからだ。

     まず、健康というのは総合的にとらえるべきだということを始めに明らかにしておきたい。天風は、真健康を欲するものに対してのアドバイスとして、「時候違いのものを食さぬこと」を挙げている。例えば、冬にスイカをあまり欲しないように、本来われわれは、あまり季節外れのものは受けつけないのである。簡単に言えば夏の季節の食べ物や産物は身体を冷やし、冬の場合は身体を暖める働きがある。

     次に忘れてならないことは、健康づくりの目的をはっきりさせるということである。
    健康づくりのみが目的となってしまうような状態を「健康教」と呼んでいる。健康になることが究極の目的と化してしまった人のことである。健康教の信者となるのだけは避けるべきだろう。むしろ健康になってから何をするのか、これを真っ先に決めておくことである。

     健康になることそのものが目的でなく、そこからスタートなのだということを二番目に言いたい。そして、もう一つは、健康というのは、身体のみの健康をいうのではないという考えかたである。身体の健康のみを考えている人は、心の持ちようでいくらでも体調が変わることに気付いていない人である。「病は気から」というのは本当である。「病は忘れた時に治る」という天風師のことばもあるくらいだ。

     すでに「医療費大国」というありがたくない名も我が国にはあるようだ。反面、ますます「半健康人」は増えている。これといった大きな病気はないにもかかわらず、自分が健康だ、と力強く断定できない人たちのことである。「半健康人」を一人でも多く、真の健康人へ生まれ変わらせることができたなら、これに勝る幸せなことはない。果たして、あなたは今本当に心身共に健康であろうか?

     本書を読んで、こんな健康観があったのか、こんな健康法もあったのかと、新鮮な喜びと共に読み進めてもらいたい。
  • 松本幸夫氏は、年間100回前後、タイムマネジメントの研修をしている。その受講者の声の中で圧倒的なのが、「仕事に追われている」「仕事が多すぎて残業しても追いつかない」というような、仕事に追われてバタバタしているというものだ。

     たしかに仕事量は多いかもしれないが、なかにはイキイキとして、自分が時間の主人公になっているような「できる人」がいる。普通の人とどこが違うのか?

     あるいは、最近よく聞くのが、「うつ」の傾向があるビジネスパーソンの増加。厚生労働省のまとめによると、仕事上のストレスが原因でうつ病になり、2007年に労災認定を受けた人は前年比30%増の268件で過去最多。性格的には几帳面で責任感が強く、完璧主義の人が陥りやすいという。

     仕事に追われていつもバタバタしているあなた、どうも仕事が完璧にできない、思い通りにいかない、というあなたも、じつは「仕事を100%、すべて完璧にやろうとしている」のだ。これは土台ムリな話であって、心も体ももたなくて当たり前。

     もっと「手を抜きましょう」。これが、本書の提案だ。
     エッ? と思われる方も多いだろう。その疑問は当然だ。

    「もつと生産性を上げろ!」、「売上を伸ばせ!」、「効率化だ!」などと上司からいわれ続けてきたのに、いきなり「手を抜け」というのだから無理はない。 
    松本氏が提案するのは、「本当にあなた自身がやるべき仕事」に集中しろ、ということ。 そして、ほかの仕事はどんどん「手を抜け」、場合によっては「しなくていい」ということだ。

     すべての仕事を100%完璧に、というのはムリで、疲れ切ってしまう。毎日残業したって追いつくものではない。そうではなくて、「ここぞ」という仕事に集中して、そこに120%のパワーを結集させるのだ。そして、ほかはのんびりと、力を抜いて、「手抜き」をしていいのだ。

    「手抜き」上手は仕事の達人。そう思って間違いありません。仕事ができる人というのは、「仕事の効率がいい」人であり、イコール「仕事が速い」人。その“速さ”というのは、すべての仕事に同じ労力をかけるのではなく、的を絞った仕事を集中してこなす速さだ。これが理解できれば、仕事の効率は格段によくなり、いままでよりも2倍、3倍もパフォーマンスの高い仕事をこなしていける。

     このコツさえ覚えて体にしみ込ませれば、いままでの半分の労力で10倍の成果が出せる。あまり人には教えたくないコツを、本書がそっと教えてくれる。
  • 話しベタな人は、何とか上手に話をしたいと思うもので、松本幸夫氏もずっとそう思ってきた。
    ただ、実際には話しベタであっても、いくつものメリットがある。
    1 誠実な人と思われる
    松本氏は今、大まじめに「どうしたら話しベタの人のように話せるか」と考えている。わざとアイコンタクトをはずしてみたり、「わざと下手に話す」のが今の目標になっている。
     それほど、話しベタは誠実な人と思われる。
    2 話をよく聞いてもらえる
     あまりスラスラと話すと、右の耳から左の耳ヘスーッと通りすぎてしまって、頭にも心にも残らない。情報量が少なくて、つっかえつっかえ話しているからこそ、相手は「よく聞く」ことになる。また、あまり言いたいことがはっきりしないので「どういうことだろうか」と、相手は理解しながら集中して聞いてくれる。話しベタは、相手を集中させるのだ。
    3 相手を安心させる
     あなたが話しベタであればあるほど、相手は「自分のほうが上手」、「自分のほうが上」というような優越感をもち、相手のプライドをくすぐり、気分がよくて安心するのだ。
     ざっと考えただけで、こんなにも話しベタであることのメリットはある。だから、安心してあなたは、話しベタに対処して、少しずつ改善していくつもりでいてほしい。
     また、話術の「裏技」と言っていいかもしれないが、人から好かれてしまえば、話しベタなど気にならないはずだ。例えば、あなたの友人の何人かを思い浮かべてみよう。中には、「ロベタ」、「話しベタ」な人もいるだろうが、その人は、あなたが好感をもっている友人。友人、好意をもっているという人であれば、別にその人が話しベタだろうが、「どうでもいいこと」ではないだろうか? と言っても、あなたの「話しベタを克服しよう」という努力が、いらないわけではないが、「話しベタ」だから、もうダメ、人生おしまい、ということでは決してないのだ。
     実は、松本氏自身、以前は重度の「話しベタ、あがり症」だった。今も話し方やプレゼンの講座を年間150回ほどこなしている実体験からわかるのだが、「一般的な話し方では、話しベタの方にとってハードルが高い」と言っていいだろう。
     本書では、「話しベタ・ロベタ」であることを活かした話法を中心に紹介する。簡単に実践できるものばかりを集めているので、ぜひ取り組んでほしい。
  • ここにA氏とB氏という、年齢も同じで、仕事の能力も同程度の二人がいたとしよう。 A氏は、自分のいいたいことをズバリいってしまうタイプである。当然、反感を持たれるようなこともあるが、「彼の考えは、はっきりしている」と、“敵”陣営からも評価が高い。
     ところが、B氏のほうは、なかなか自分の思いを素直に表現することのできないタイプである。そのため、「あいつは何を考えているのかよくわからない」と、仲間からも敬遠されるようなことが多い。
     A氏のように「いいたいことをいう」ことは、対人関係においてだけでなく、自分自身にとっても大切なことである。というのは、「いいたいことをいえない」ことは大きなストレス要因となる。
    なぜいえないのか、それは第一に、「言い方がわからない」ためである。つまり、「話法」という技術的な問題になってくる。同じ内容のことをいう場合でも、「タバコを吸うな!」というよりも、「恐れ入りますが」「すいませんが」と一言つけ加えれば、ソフトな言い回しになるだろう。
     また、「君はいつもそうなんだから」と相手をとがめるよりも、「売り上げが20%ダウンしてるよ」とか、「今、11時だね」と、営業成績不振や、遅刻に対しても「事実」をつきつけるという言い方もある。
     本書では、どうしたら「いいたいことがいえるようになるか」を、アメリカで盛んな「アサーション」という自己主張の技術を応用しながら述べていく。本来、「アサーション」というのは心理療法の中の行動療法の一つとして、主にカウンセリングの場で用いられてきた「技法」を表わす言葉である。
     ただ、アメリカ流をそのまま取り入れてみても、日本人には不適当な部分もある。その辺は、「人間的な側面」や「和」を考慮した上で、日本人に合うように改善してみた。
     さて、あなたは今、いいたいことを、いうべきときにキチンといえる人だろうか。この問いに自信を持って「そうだ」と答えられる人には、本書は不要である。しかし、どうも自分は「いえないときがある」とか、自分に対して不満のある人には、本書はうってつけだ。
     そして、「アサーション」というものが、実はコミュニケーションに限ったことではなく、あなたの人生そのものにとって大事なことであるということにも気づいてほしい。そのことに気づき「アサーション」をしっかりと実践するとき、本書はあなたの人生を変えるといっても過言でない。
  • 「週末には自分の意志薄弱ぶりがわかるよ」と嘆く知人がいた。ジョギングは3週間坊主。英会話学校には3か月も通ったろうか。日曜坐禅会は2週間ともたなかった。

    「やる気はあるのに、なぜ長続きできないんだろう」と心細くつぶやいていたものだ。
    ところが、この知人をほめる男がいた。その男からすれば、「よく何にでも好奇心を燃やせるものだ」、「自分に合わないと思ったらサッとやめる決断力が俺にはなくてね」というのだ。

    知人は「そんなもんかなあ」と照れながらも、男のセリフが励みになったようだ。気をとり直して勉強にうち込むようになり、ついには税理士の難試験に合格してしまった。
    今では事務所をかまえて人を使う身分になっている。人生は見方しだい、考え方ひとつだと思ったものだ。

    仕事で頭が疲れる……74% 疲れない……24%
    仕事で体が疲れる……72% 疲れない……24%

    これは、労働省が1998年にまとめた「労働者健康調査」の結果だ。多くの人が「やっぱりみんなくたびれているんだなあ」と共感する数字ではないだろうか。ゆとりや時短が叫ばれたこともあるが、実現した例は聞かない。平日のストレスや疲れを回復するには、週休二日でも短いくらいだ。「ああ、また月曜日がきた」、「これではいけない」と思うのだが、何かまとまったことをする時間はとれそうにない……。

    だが、労働省による96年と95年の次の数字を見てみよう。

    年間実労働時間……1919時間     年間休日総時間……2664時間

    時間で比べるかぎり、労働より休息のほうがじつは長いのである。心身に疲れが残るのは、せっかくの休日をムダにすごしている証拠ではないだろうか。週末もやはり、使い方しだい、工夫ひとつなのではないだろうか。

    松本幸夫氏は、研修や講演の仕事を通じて、人間が考え方を変えるだけで驚くほど変わるという実例を数多く見てきた。また各種の能力開発の指導を通じて、どんな工夫をすれば自分が伸ばしたい力を効果的に伸ばせるかというノウハウをたくさん蓄積してきた。

    本書は、松本氏が長年蓄積してきた頭脳開発の方法を、
    1 誰でも簡単にできる、
    2 週末に最適だが平日にも実行できる、
    3 徹底して実践的、具体的、即効的1の三点に凝縮してまとめたものである。

    実行すれば全脳が活性化して記憶力や発想力、集中力が見ちがえるように高まるだけでなく、それが平日のビジネスや人間関係を日々に向上させていくことが実感できるだろう。
  • 会話の上手な人は、会社の中では人に好かれ、ビジネスでも「影響力」をもつようになってゆく。話し方ひとつで、上司も部下も、同僚やメンバー達も、さらに社外の取引先までも、すべてを「動かす」ことができる。

     もちろん、人を動かすような「説得力」や「雄弁術」の前に、知っておかなくてはいけないこともたくさんある。それは、「言ってはいけない」言葉であったり、「してはいけない」話し方であったりして「タブー」のようなことがある。あるいは、「こうしたほうが良い」という基本的なコミュニケーション術で見ると、「正しい聞き方」も欠かせない。

    「してはいけない」ことと、「こうしたほうが良い」「するべき」会話のスキルがわかっていて、それを日々の会話の中に活用したなら、必ず身についてゆくものだ。

     例えば、「雄弁家」の特徴としてもう一つ挙げられるのは、「感情」に訴えるのがうまい点だ。つらかったこと、悲しかったことを切々と訴えて、人の涙を誘う。また、嬉しい時には、打って変わって破顔一笑。周囲の心を和ませる。また、「好かれる人」は、人当たりが良いもの。その理由にはスマイルもあり、態度や物腰のやわらかさもある。しかし、それに加えて話し方が違う。中でも、ものごとを依頼する時も含めて、相手に「質問形で話す」のが大きな特徴。あなたが人に好かれたいのなら、ぜひ質問形を多く使ってみよう。

     上司であれば、部下に対して「このレポート頼むよ!」と強く言える立場ではあるでしょう。しかし、いつも命令調では「ソフトな」感じが出ない。時には「木曜までにできるかな?」、「この分量で大丈夫?」などと質問形を混ぜるようにすると、相手の立場も考えた良い上司になれる。電話でも、いきなり会話を始めるのではなく、「今、いい?」とちょっと質問形にするだけで、相手は良い印象をもつ。

     喜怒哀楽は誰でも持っている感情。だが、多くの人は、感情を表に出す話し方をあまりしていない。まずは、日常の会話の中で、今よりももっと感情移入してみよう。楽しい話ならもっと楽しそうに。悲しければ、周囲の涙を誘うくらいに、もっと悲しそうに話してみよう。

    そして、「雄弁家」には、一朝一夕ではなれないが、リハーサルの繰り返しで、あなたは必ず雄弁家になれる。

    松本幸夫氏は、人前で話すことを仕事にしている「プロ」。あなたも本書を読んで、その「コツ」さえわかって繰り返してゆけば、必ずプロ級の会話が身につく。一日でプロにはなれないから、欠かすことのできない基本の会話を、本書で完全にマスターしていこう。

     さらに「プロ」になるためのスキルも解説しているので、実行さえしたなら、必ず応用の会話も身につくだろう。
  • どんな人にも、「二人の自分」がいるものだ。

    「お金がほしい」自分と、「お金をほしがるのが恥ずかしい」自分。

    「九九パーセントは富で解決できる」と考える自分と、「富で解決できない一パーセントが大切だ」と思う自分。

    「成功の最大要因は運のような目に見えない力だ」と感じる自分と、「必要なのは努力であり、それ以外に頼るのは怠惰だ」と考える自分。

     あなたはどうだろうか。

    「お金を欲しがるのが恥ずかしい」という考えに傾きがちだとしたら、残念ながら、あなたは巨富や成功から最も遠い人生を生きている。あなたの考えは、誤りというわけではないだろうが、苦労している間に人生が終わる道を歩いており、ほとんどの人間が、あなたと同様の遠まわりをしているのだ。

    松本幸夫氏の経験では、そんな人の多くが、マーフィーを知ってから運命の大転換を成しとげ、成功人間になっているのである。

     マーフィー理論はシンプルだ。「よいことを思えば、よいことが起きます」という一言に要約される。

     仕事や日々の生活に忙しく埋没していると、自分の可能性とか、夢、潜在能力といったことにあまり考えが向かなくなりがちだ。その時間や意識のほんのわずかでいい。よいことを思ってみよう。例えば、金持ちは富裕意識を持っていて、その富裕意識がますますお金を引き寄せる。だから、あなたも富裕意識を持ってほしい。まだ富を手にしていなくても、意識を持つだけでいいのだ。意識は現実化する。

     そして、賢明なあなたは、もう悟ったことだろう。「お金がほしい」と素直に言う自分に従おうと。「目に見えない力」を信じようと。そのためには、小さなコツがいるが、本書では、そのコツを端的に示した。マーフィーは、お金持ちでない人にこう言う。「今すぐ富裕意識を持ちなさい」と。財産をまだ所有していない時点で、「すでにある」という意識を持ってしまうのである。「結果の先取り」ということだ。現実にお金を手にすることで富裕意識を持つのではない。先に富裕意識を持つことで現実の富を手に入れるのである。

     シンプルだから実現も簡単だとは限らない。「信じれば成功する」ということと、「何もしなくても成功する」ということは微妙に違うのだ。

     マーフィー理論は事実であり、万能である。だが、そこには、陥りやすい罠もあり、誤解が生じることもある。それらを回避し、成功への人生を、まっすぐに歩んでいただきたい。巨富を手にし、感謝の念で人生を満たしていただきたい。

     そのための案内書、成功への地図が本書である。
  • 松本幸夫氏は、中村天風師や安岡正篤師の人物研究をしていることもあって、全国各地から講演や研修に招かれる。そうした講演先で、「森信三先生をぜひテーマにしてお話していただきたい」という要望されることが多い。

     松本氏は一時期、日本語教育に関係したことがあり、その当時芦田恵之助の名とともに、同氏の影響を受けた「教育家」として森の名を耳にした。そして、天風師と安岡師に共通する、ある「教え」を残していることを発見した。もちろん、「全一学」という森ならではの教えにも共鳴する部分は多かった。

     よい教育者とは、わかりにくい内容を子供にさえわかるように「やさしく」教えるという。その点一つとってみても、森は一流の教育者と断言してよい。

     森信三は、いわゆるアカデミズムの世界で知られた大学者というのではない。むしろ、あえて「平凡」に徹した偉人といってよい。森は平成4年に97歳で亡くなったが、その教えは、今でも教育界において、さらには市井の「凡人」の中に生き続けている。

     森の教えというのは極めて具体的である。例えば、腰骨を立てろ、履物をそろえろ、立ったら椅子を中に戻せ、といった具合だ。高尚な理論の前に、「何をしたらよいのか」というレベルで教えは始まる。しかも、これは奥が深い。

     「教育」というのは、何も学校教育ばかりではない。親として子供を教育しなければならないし、ビジネスにおいて部下の教育ということもある。さらにいえば、「教える」というのは一方的なものではなく、教えたつもりの側が、逆に教えられるということも多くある。

     「物」から「心」の時代へということは久しくいわれてきている。物質文明、科学万能主義の時代は終わりつつある。「心」の時代には、多くの人が心の「羅針盤」を求めるものだ。天風師や安岡師の教えが再評価されているのもそうしたことと無縁ではない。宗教、自己啓発セミナーが盛んなのも同様の理由によるだろう。

     一見「平凡」と思えることでも徹底し尽せば、人は変われるのである。
     松本幸夫氏は、今までずっと「非几」な人を研究し、一歩でもそうした人に近づこうと努力してきた。二十代の頃は、能力開発の名のついた研修・セミナーなどを片っ端から受講した。それは、何とかして人よりも秀れよう、「非凡」な人になろうと考えていたからであった。できればグリーン車に乗り、スーパーシートに座り、一流と他人から認められたいという気持ちが強かった。ただ、一流と有名はイコールではない。もちろん、人格的にも優れた実力者が近くにいると、その言動はとても参考になる。

     「人生二度なし」というのは森の信条であった。それぞれの人生を、より輝かせるために本書を活用してもらいたい。
  • 現代は、ストレス過多の時代である。OA機器の普及に伴うテクノストレス、管理者のポスト不足、複雑で多様化する人間関係、さらには平均寿命が伸びる一方で、生きがいを失う高齢者も増えた。生きていくことが、即ストレスと共存するという意味合いを持つ時代になっている。

    ストレスを研究していくうちに松本幸夫氏は、ストレスというのは何も現代人に特有のものではないことに思い至った。中でも、わが国の歴史上『戦国時代』と呼ばれる時期は、とりわけストレスレベルの高い時代にあったと指摘する。

    第一に、戦国時代は下剋上といわれるように弱肉強食の時代であり、常に戦いという緊張の中で生き抜かざるを得なかった。親兄弟でさえもいつ、敵・味方に分かれて戦うかわからない。つまり、人間関係がストレス要因として大きく関わってくる時代であった。

    第二に、常に戦いとは命賭けであった。現代でも、確かにビジネス戦士が過労死で命を失う例もある。しかし、戦国時代では、負けるということは、すなわち死ぬことを意味していた。日々、命賭けで生きることは、これまた、大きな緊張の連続であったはずだ。

     人間には、どんな時にでも『生きる』という本能が備わっている。だから、戦国の世で緊張の連続にあった武将も、半ば本能的に生きるための行動をとっていた。さらには、工夫してストレスに立ち向かっていた例も多い。怒るというのは、ストレス解消の一つの方法である。例えば、織田信長は、その場では怒っても、すぐに平常に戻る性格であったという。なぜなら、怒ることによって、ストレスエネルギーが発散されてしまうからだ。合理主義者であった信長は、本能的に、体を動かすと気分が良いことに気付いていたはずだ。体を動かすのは、肉体の健康に良いというだけではなくて、ストレスを解消して、心の健康にも役立つことを知ってもらいたい。信長は「天下布武」つまり、武力によって天下を統一するという意味の印判を用いている。34歳の信長の、人生上の大目標が設定されたのである。人生に目標や生きがいのある人は、そうでない人に比べたら、はるかにストレス耐性が強い。「今がんばれば、やがて目標が達成できる」、「ここでの苦労は、必ず将来の夢につながる」と、ストレスを受けてもはね返す強い心を持つことになる。信長も同様であって、天下布武をスローガンにすることで、数々のストレスに耐えることが容易になったのである。

     本書では、史実に沿いながら、果たして戦国武将達は、苦難に直面した際に、いかなる方法で自己をコントロールして、能力を十分に発揮していったのかを探っている。

     現代の管理者が、戦国武将の生きざまを知ることによって、自分の生き方を見つけ、心の健康、家族の在り方等を考える上で参考になる一冊だ。
  • 実験心理学者のアルバート・メラビアンの説く『メラビアンの法則』というものがある。私たちが、人とコミュニケーションする場合の割合を決めたものである。何の割合だろうか? それは「言葉(話の内容)」「話し方(声の高低、スピード、イントネーションなど)」「身ぶり、手ぶり、姿勢、服装(ボディランゲージ)」の3つの要素の中で、合計を100とした際に、それぞれ何%を占めるかというものだ。

     メラビアンの実験結果によると、言葉(7%)、話し方(38%)、ボディランゲージ(55%)となっている。つまり、あなたが人とコミュニケートする際、何と話の内容は7%しか伝わっていないのである。残りの93%は、話しの内容以外の部分で決められてしまうのだ。また、『熱意なしに達成された偉業など、どこにも存在しない』。やる気、情熱、パワー、生命力、胆力、どんな呼び方であっても構わない。もし、われわれに“熱意”がなかったら、「偉業」は達成できないだろう。実力差が紙一重の場合に、勝敗を決定する最後のよりどころとは何だろうか? 大目標を実現しようとする時に、これがなければ始まらないというものは何か? 「熱意」である。熱意があったならば、あなたの不可能なことはゼロに近くなるだろう。イメージとしては、真っ赤に燃えさかる炉を載せて走る「機関車」を浮かべてもらいたい。あなたが人間機関車となった状態を心に想い描けば良い。

     この世のあらゆる成功者、成功物語を考えてもらいたい。その原動力は全て「熱意」である。シュリーマンのトロイの遺跡発見、エジソンの数々の発明、コロンブスの新大陸発見、ミケランジェロの天才的な創作品の数々……。その全てのスタートは「熱意から」なのである。

     松本幸夫氏が、本書で紹介するのは、誰にでも簡単にできる成功術についてである。成功法・成功哲学と呼ばれるものを研究し続けた結果、「簡単なものこそ効果が高い」ということに気付いた。

     簡単にできるということは、プラス面で考えたなら、長続きするということになる。 マイナス面では意識して変化をつけないと「マンネリ」におちいりやすい点だろう。楽しく、しかも長続きする成功術を、90紹介したい。どの項から入られても、あなたはその効果を実感できるはずだ。

     一つの集中できる最少単位として「3分」を考えてみた。三分間であれば、通勤電車の中だろうと、起きぬけのちょっとした時間にでも、簡単に実行できるだろう。

     いつでも、どこでも、誰にでもできる「3分間成功術」で、あなたは大成功者となる。あとは、実行あるのみだ。
  • 仕事・議論・人間関係は、弱肉強食! 本書では、不道徳な技術を伝授する。

     あなたは議論に負けて「悔しい思い」をしたことはないだろうか? 仕事やプライベートでの人間関係においては、どうしても理不尽なコミュニケーションが生まれる。

     あなたがこれまでに議論・交渉で負けたのは、相手が正しいからだろうか? ある意味でそうかもしれない。しかしもう一方の見方をすれば、あなたが負けたのは、議論・交渉のやり方を知らなかったからであり、あなたが論破する技術を知らなかったからだ。

     日本の教育では、ディベートはもちろん、相手と議論する方法を教えてくれない。議論する方法、人間関係の基本的なルールを知らなければ、あなたがいくら正論だと思って話しても負けるし、勝つ条件がそろっているようにみえても負けるものだ。

     あなたの議論する技術が弱いというのは、単に負けて悔しい、などという感情だけの問題ではない。「議論で勝てない、論破できない人は人生で損をする」ということだ。
    論破する必要がなければ使わなくてもいいが、論破する技術を身につけることで、交渉でも会議でも人生すべてが自分の思い通り進められるようになるだろう。

    松本幸夫氏、25年間、交渉術、話し方を様々なビジネスマンに指導してきた。本書で紹介する論破する技術をマスターすれば、どんな立場のどんな相手でも議論で負けなくなるはずだ。論理で負けないことは重要だ。人生はすべてコミュニケーションであり、人生は「交渉の連続」だからだ。

     本書では、相手を論破するスキルだけを教える。自分の主張を通す方法、相手の主張を崩す方法、論破しても嫌われない術などだ。

    「いつでも相手に議論で勝つことができる技術」、「自分が悪くても負けない技術」、「相手の議論のバランスを崩す技術」、「相手の心理を混乱させる技術」などは、マスターしておくことで、いざという時に勝つことができる。論破というのは、基本的に相手を「言葉で打ち負かす」のが目的だ。ただし喧嘩ではないのでルールはある。

    相手を100%論破してはいけない。いってもTKO止まりにしておくことが大切だ。基本的にコミュニケーションは、一過性ではなく継続的なものである。私達が日頃接する相手は、仮に担当が当人でなくなったとしても、「同じ会社、取引先」なので、やり過ぎは禁物である。リアルな勝負ではあるものの、相手を論破するにおいてはKO勝ちしてはいけない。
     ぜひ本書の論破する技術をマスターして、自分の人生を自分で決めることができるようになるはずだ。
  • 現在、仕事をバリバリこなし、企業の中枢を担う多くの管理者が、ストレス病にさらされているといわれている。急激なOA化の波は、新しいタイプのストレス(テクノストレス)を生み出した。現代人は、以前には考えもつかなかった、いわば「新種」のストレスにさらされている。例えば、代表的なのはハイテク時代のOA機器に対するテクノストレスと呼ばれるものだ。

    現代は日進月歩ならぬ秒進分歩の時代とさえいわれている。1日にわれわれの仕入れる情報量は、文庫本にして何と170冊以上もあるくらいだ。

     「癌」「心臓病」「脳血管障害」というのは日本人の三大死因とも呼ばれるが、これらはすべて多かれ少なかれストレスに起因していることは明らかである。しかも、高度成長期以来、日本を動かしてきたともいえる企業の会長、社長、副社長といったトップの方々がストレスが元で亡くなっている。驚くのは、新聞の死亡欄でもわかるように、人生80年時代にしては悲しいほどに早い死であるということだ。さらに、上司と部下に挟まれ、企業発展のためにひたすら働き続け、ストレスに悩まされている管理者の数は増えるばかりだ。管理者の多くは、「最近、ストレスがたまっていてね」、「忙しくて、休みもとれないよ」と語り、あたかもストレスの多いことがエリート管理者の証明であるかのように誤解している。 

    しかし、時代が求める『スーパー管理者』というのはストレスに陥ることなく自己管理ができて、いつも軽いフットワークで臨機応変に行動していける人ではないかと、松本幸夫氏は考える。本書は、現代にはびこる様々なストレスを撃退して、スーパー管理者としての手腕を思う存分発揮していくためのストレス対処法の手引となっている。

     管理者が、どのような点に注意し、具体的に何をしていけばよいのかといったストレス対処法を提案していく。同時に、ストレス耐性と予防に効果のある呼吸法、姿勢、ヨガのポーズなどもあわせて紹介していく。

     万一、ストレスが身近に感じられたとしても、これらのストレス耐性をしっかり身につけておけばストレスにおびえることなく、いつも健康体でいられる。かつ、スーパー管理者としての力量も惜しみなく発揮できるだろう。

     なお、「自分のストレスはいったいどのくらいのレベルだろう」と思われる読者のために、各章末に6つの分野からなるストレス・チェックを設け、加えて、各点数に応じて、どう対処したらよいのかを『ストレス診断』として示してある。診断表と診断を照らし合わせながら、あなたなりのストレス対処法を見つけていくことができるのも本書の特色だ。
  • ビジネス書では、ちょっとした“効率化ブーム”が続いているが、スピーディーに大量の仕事をこなすことが追求されがちではないだろうか?
     松本幸夫氏は、効率化一辺倒のビジネス書のあり方には、疑問を持ってきた。確かに、短時間で多量の仕事をこなすのは悪いことではない。ただ、スピードだけが目的化してしまっていいのだろうか?「そんな中で、本当に『効率化』だけを追求していいのか?」という疑問から、本書が生まれた。
     あなたは今、心の底から「これを成し遂げたい」「こんなことをしてみたい」という志や目標を持っているだろうか?
     もしも答えが「ノー」だとしたら、効率化は、自分自身の首を絞めることにもなりかねない。効率化して、創出された大切な時間の使い道がわからないと、何の気なしに新しい仕事を入れることになりかねない。すると、効率化したにもかかわらず、かえって以前よりも忙しくなって、苦しんでしまう。
     だから、仕事の効率化を“何のために”しているのかを、まずハッキリさせておくべきだ。
     松本氏自身、やみくもに自分自身の能力開発を行ってきた。しかし、いくらスキルが向上しても、心から虚しさが消えなかった。その時は、「何のために能力開発しているのか」がわからなかったからだ。また、松本氏は、研修ではもう偉ぶって教えていない。受講者には、1 徹底的に考えてもらい、2 現場で使う行動レベルに落とし込ませる。知識は、ネット時代の今、それだけではまったく用をなさなくなってきているのだ。インプットした知識・情報を、具体的に行動・実践レベルへ落とし込み、アウトプットを促す質的転換をはかる技術こそ、今後100年のマネジメントに求められることで、松本氏は、これを「トランスフォームマネジメント」と名付けた。
     本書は、効率化一辺倒の仕事術、ビジネス書に対しての反省や振り返りの意味で書かれた。
    「何のために効率化しなくてはいけないのか?」が、本書を読み進めていく中でハッキリとわかる。そして、あなたは、本書によって自己能力を飛躍的に高め、志や夢、目標を現実化することができる。
    「明確な志や目標がない」という人も、本書を読み進めていくうちに、あなた自身の志や目標が何だったのかが、鮮明になる。
     トランスフォーム仕事術とは、基本となる「タイムベースマネジメント」(時間術)と、「速読・速考・速書・速プレ」(4速スキル)による量から質への転換である。つまり効率化から目的・使命への質的な転換をいう。あなたの成功への旅のお手伝いが、本書の役目だ。
  • 松本幸夫氏が、タイムマネジメントや仕事術をテーマにした研修指導を始めてから大分、時間がたち、かれこれ20年近くになる。
     この間に、松本氏自身の研修指導のスタイルは、教えることから考えさせることに、さらには共に考え、そして今では松本氏自身が受講者から教わるような形に変化してきた。
     以前は、時間活用のスキルそのものがあまり世間に知られていなかったので、それを伝えていけば十分だった。たとえば「優先順位はこうつけましょう」とか、「スキマ時間はこう使え」とか。しかし、今は皆勉強していて、かなりレベルが高くなっている。
    今のニーズは、「自分が仕事やプライベートで活かすなら、どうしたらいいのか?」を知ることだ。この時世、この景気であり、ズバリ、「お金を稼ぐためにどのように時間を活用したらいいか」を知りたい人が多いのではないだろうか。
     しかし、企業の中での研修指導では、制約があり、そこまで露骨に、金儲けだけに特化した中身を伝えられない。
     そこで松本氏は、本書で稼ぎを飛躍的に変えてしまう時間活用法をあなたに伝える。アイデアのすべてを考え出して見ることがここでの肝心で、「思考の枠、スケールを拡大してみる」のがまず大切だと松本氏は指摘する。さらに、考えずにマネていくうちに、「もしかしたら、このように考えているのではないか?」という考え方の差にまで思い至るときが必ずやってくる。われわれは、「大きな差」を考えがちで、「何とかして成功法則をつかもう」と肩に力が入るものだが、本当の差は、思考のスケールも大切であるし、もうーつは、日常の習慣にあることに気づくだろう。それは決して大きなことではなくて、小さなことだ。松本氏が、特に強調していることは「小さな習慣」なのだ。ライバルがいたとしまして、差をつけるのは、小さなことをやっているかどうかだけといってもいいのだ。
     知りたいでしょう? イエスと答えた方に、その具体的なハウトゥドゥを伝授する。といっても、人の2倍3倍働いたとしても、稼ぎを1分間10万円にはできない。2倍にできたとしても100倍にするのは簡単ではないだろう。しかし、現実に「あなたの100倍の時給の人」は存在している。
     どこにあなたとの差があるのだろうか。どうしたらあなたがそうなれるのだろう。
     1分間を10万円にする、これから、その魔法の扉を開いていく。変わるのは今からだ。
     あなたはかならず劇的に飛躍できる。時間は平等、されど時間の使い方1つで、差は100倍、1000倍にもなる。時間力を磨けば稼ぎが変わる。
  • 松本幸夫氏は、人前での話し方やプレゼンテーションの指導をしているが、最近増えてきたのが、「社内講師を頼まれたけれど、いったい何をどう話せばいいのかわからない」という質問だ。
    最近は“景気”の問題もあって、「企業内で研修講師を頼んだら経済的」という風潮がある。現に、「松本先生、研修講師の養成をしてください」という企業からの依頼も増えている。
     あるいは、ビジネスパーソンが今までの自分のキャリアを生かして、ライフワークとして講師をしてみたいが、その方法がわからない、というケースもある。
     “プロ”は何が違うかというと、キャリアとか使命感などいろいろあるが、そこからくる自信が違う。まずは、「何のテーマなのか?」、「自分が話のできる分野は何か?」
    これをはっきりさせておくことだ。われわれは、知らないことについて話すことはできないし、言えたとしても底の浅いことしか言えない。
    今では松本氏は、どんな変わった受講者がいても、どんなにおかしな質問をされても簡単に対応できるという強い自信がある。
    松本氏は、研修講師を23年やっている。年間200回などというペースで講演を行なえるようになったのは、ここ10年くらいのもので、それまでは、長い下積み時代があった。
    当時松本氏は、まだ20代後半の若者で、それが「先生」として、受講者といっても平均40歳前後の人達に教えようとしていたわけだから、「この若僧が」とか「こんな奴に習う気はしない」となってしまっていただろう。それと比較すると、最近は楽になり、受講者の大半は松本氏より「年下」で、受講者もそれほどのキャリアがないからだ。
    自信とは、研修の世界のみならず、“人生”においても欠かせない、最重要なもののひとつではないだろうか? そんな大切な自信が、本書を読み進めていくうちにあなたにも伝わり、あなたの自信養成にも必ずつながるはずだ。
    趣味が同じだったり、年齢のような共通点があったりすると、人は早く親しくなることができるものだ。研修も同じで、ただ「自分が何を伝えるか……」を考えるのではなく、まずは自分という“人間”を知ってもらい、共感してもらうことが大切だ。
     松本氏は、あがり症克服とか話し方、交渉のようなコミュニケーション関係の書籍を、数多く書いてきたが、「研修講師」に特化して書いたのは本書が初めて。本書では、プロのエッセンスがギュツと詰まっているので、必見だ。
  • 松本幸夫氏は、今まで25年間で30万人以上のビジネスパーソンを指導してきたが、その悩みの中で最も多いのが、「とにかく片づけられない」ということだ。
     残念ながら、身のまわりを整理できない人というのは、ほぼ例外なく、仕事ができないし、人生もうまくいかない。あなたにも心当たりはないだろうか?
     机や部屋が汚い……。よく遅刻をする……。仕事の段取りが悪い……。アイデアがまとまらない……。人付き合いが苦手……。お金が貯まらない……。よくカゼをひく……。
     こうした人たちを、どうやって「仕事ができる人」、「人生がうまくいく人」にするかが、長年の松本氏の課題であった。
     そして、試行錯誤して生まれたのが、本書で紹介する「1分間整理術」だ。
     今までにたくさんのビジネスパーソンを指導してきて気づいたのは、「仕事ができる人」、「人生がうまくいく人」は、上手にものを捨てているということだ。
     不思議なもので、人間は一つのものを捨てれば、また新たなものが一つ手に入る。あなたがもし成長を続けたいと思うのであれば、古いもの、必要のないものはドンドン捨てていくしかない。「まずは、ここのスペースだけでいい」と場所を決めて、片づけてみよう。もしくは、「今日は1分間だけ」と決めて、その時間内でできることを、とりあえずやってみよう。すると、いつの間にか、机や部屋がすべてキレイに片づいているはずだ。
     人間は、手持ちできる荷物の量は限られており、これには、たいして個人差はない。
     とにかく、本書に書いてあることを、まずは1分間実践してみよう。本書に書いてあることは、今日からすぐに実践できることばかりですし、特殊なことは一切書いていない。そして、その効果はすでに30万人のビジネスパーソンが実証済みだ。
     実践してもらえれば、きっと、あなたの「仕事」や「人生」が好転し始めるはず。
     第1章は「机・部屋」の整理術で、机や部屋の「ムダなもの」を捨てるテクニックを解説。第2章は「時間」の整理術で、効率よく時間を使っていくためのテクニックを解説。
    第3章は「仕事」の整理術で、仕事をスピードアップざせていくためのテクニックを解説。
    第4章は「情報」の整理術で、効率的な情報処理のテクニックを解説。
    第5章は「人間関係」の整理術で、円滑なコミュニケーションをはかるためのテクニックを解説する。
    本書は、ビジネスパーソンにとって大きな武器になるので、ぜひ実践してみてほしい。
  • 今、短眠がブームだが、どうだろう。いたずらに睡眠を削る人が多いが、苦しい思いをしたり、昼間にポーッとしてしまったりという例が少なくない。短眠には、独自のスキルがあるのだ。それを無視して、単なる睡眠削減におちいってしまっては、短眠の素晴らしい効果も、遠くまで逃げ出してしまうだろう。

     松本幸夫氏は、年に約一〇〇回のタイムマネジメント研修をしている。時間をどのように効率よく使うかを考え、実践する。受講者からのフィードバックもあり、効果的な方法をどんどん編み出してきた。だが、隙間時間や早朝時間、通勤時間の有効活用とか、仕事の段取り術に至るまで、あらゆる方法を試して、「もう、これ以上は時間を削減しにくい」というところまできているのが現状だ。

     人と差をつけるには、睡眠を減らして自分の時間を創造していくしかない。つまり、タイムマネジメントの究極形態が、短時間睡眠なのである。

     そして、正しい短眠法を知ってほしいのだ。
     誰もが内心抱く、「寝ないと仕事の能率が下がる」「睡眠不足だと頭の働きが悪くなる」という心配にいつまでもつきまとわれることになる。個人差を考慮して、実践目標を四時間から五時間前後に置く。これを突き詰めれば、ニサイクル(三時間)の睡眠でも健康、爽快に生きられるはずである。フランスの英雄ナポレオンが実践していた「ナポレオン睡眠」である。これも、昼のうたた寝などを併用することで可能だ。ただ、短眠とはいっても、睡眠を単に短くすればいいというものではない。「なぜ」短くするのか、短眠で「どんな」成果が得られ、目標は何なのかといったこととセットになってこそ、威力を発揮することを付言しておこう。

     松本幸夫氏は、短眠法にタイムマネジメントを盛り込んでいるが、その中核には「プライムタイム」の考え方がある。プライムタイムとは、同じ時間を投資して、最も仕事の効果が高い時間帯のことをいう。

     正しい短眠法を実践すると、心配は、まったく逆だったことに気づくだろう。むしろ八時間以上ダラダラ眠るほうが仕事の能率が下がるし、頭の働きも悪くなる。
    松本氏は、眠りの「質」を高めるスキルが必要だと強調する。質の高い睡眠を集中してとることで、あなたはガラリと変身できる。頭は朝からフル回転で、アイデアがみるみる湧くようになる。体は軽くなり、疲れ知らずになるはずだ。

     仕事で成功するだけでなく、日々が充実してきて、人生にもっともっと前向きに取り組むヤル気に満ちあふれるだろう。

     そんな楽しい毎日が、短眠の恩恵によって、もたらされるのだ。二度とない人生を太く長く生きるために、本書によって正しい短眠法を身につけてほしい。
  • 仕事のできる人はどんな人だろうか?

    松本幸夫氏が抱くイメージは、あまりガツガツした様子を周囲には見せず、スマートに余裕を持って仕事をするといった感じだ。能力があって、短時間で集中して仕事をこなし、しかも眉間にしわを寄せずに余裕のスマイルの出せる人だ。

     そうなるためには、会社に行く前には臨戦態勢を整えて、出社即フルスピードを出せるように、備えなければいけない。

    が、松本氏は、前々から通勤電車で新聞を読んでいる人を見るたびに、違和感を覚えた。他の乗客の邪魔になるのは言うまでもないが、すでに後手に回っているのだ。家で新聞、ネットで情報収集のすんでいる人は、通勤電車では他の事をしている。当日の仕事の段取りをイメージしたり、出社してすぐ書く企画書のタイトルや中身を考えたり、セールストークをシミュレーションしたりと余念がない。つまり、通勤電車の中で何をしているかで、先手を取れるか後手に回るかが決まってしまっているのだ。「時間」というものは、誰にでも平等に与えられた資源といえる。例えば、鉄鉱石なら、“加工”していくことで、フライパンにもなれば、鉄のレールにもなれば、いかようにも形は変わり、結果は異なる。時間も似ていて、その使い方次第で、「死んで」しまうことにもなる。あなたは、一日、何にどのくらいの時間を費やしているだろうか? また、「時間」とは面白いもので、即効性のある使い方もあれば、時間はかかるが、やがては身になる使い方もある。一見その時は「ムダ」に思えても、後になって「成果」を生むこともある。松本氏は、著述の「本のネタ」とか、講演の「話材」などに、かつての自身の時間の活用の仕方を、「ありがたい」と思いながら現在活用している。

     時間は使い方次第です。「どう行動していくのか」で、実は私たちの将来、運命そのものが変わっていってしまうのです。

     本書では、朝出社してからの仕事術、短時間で仕事するといったテーマの話が満載だ。
    情報はどうしたらいいのか、メールの処理、会議の進め方、コミュニケーションのとり方など、時間をいかす発想を幅広くさせるような仕事術や幅広く新しいタイプの時間術が、本書には盛り込まれている。

    今まで何気なく通勤していた人が多いだろうが、その時点で、ダラダラした仕事で残業の一日か、集中して満足して定時でさっと帰り、人生を楽しむ一日にするのかが、すでに決まっているのだ。

    最近、ライフワークバランスという言葉がよく聞かれるが、人生における仕事とプライベートの両立をすることを表す。本書を手に取って、ぜひ素晴らしいライフワークバランスを実現してほしい。
  • 550(税込)
    著:
    松本幸夫
    レーベル: ――

    松本幸夫氏は、中村天風先生の教えを知れば知るほど、この尊く実践的な教えを「もっと多くの人に知ってもらいたい」という想いが強くなった。

    「教え」というのは、説いている「人間」を抜きにしては語れない。

    「天風伝を読んでみたい」「どんな生き方をした人なのですか」「もっと詳しく知りたい」などの多くの要望が松本氏に寄せられ、彼は、天風先生の生きざまやその波乱万丈の人生を、「天風の伝記」という形で書いてみることにした。これらの要望、質問、期待に応えるのは、現在の自分の使命であると感じているという。

     天風師の教えが広まっていく中で、心さえ強くなればいい、一種のガンバリズムだ、精神主義だ、と誤解する人もいる。そんな人には、天風師の生きざまを知ってもらうのが一番良い「クスリ」になる。

     天風先生は、弱気になったときの私たちに、ガツンと「喝」を入れてくれる。現代人は何かを失ってしまった。その「何か」とは信念や志、使命感であるかもしれない。その一端でも自分のものとしてつかみとっていただくために、天風先生の生涯をたどってみたい。

    生ぬるい考え方だけでは、人生の荒波に対抗できないだろう。もっと力強く、何ものにも打ち克つだけの不動の信念が必要だ。

     本物の積極思考とは何かを知るためには、まず天風師の生きざまを知ることである。「こんな人が本当にいたのか」という驚きから、「もっとよく知りたい」「実践してみたい」という意欲が湧いたなら、本書の目的は達成したのも同然だ。

     天風先生を語る上でのキーワードともいえる「ヨガ哲学」や「武道」については、松本氏も偶然若い時期から縁があり、本書の中でも触れられている。

    武道家としての、あるいはヨガ実践者としての天風師という観点をまったく取り払ってしまうと、天風哲学を真に理解、体得していくのは至難なものと松本氏は信じる。天風師が、どんな生き方をした人なのか本書を「伝記」として読んでいただいても、もちろん構わない。あるいは、天風哲学についても触れてあるから、天風哲学の「入門書」として読むことも可能だ。
  • 大脳の左半球には、体側の右半身を、右半球には体の左半身をコントロールする《指令塔》に相当する部分がある。もし右脳を強化したいのなら、体の左半分を意識して用いるといい。

     数字や文字の記憶、暗記は得意だが、どうも、何かアイデアを出したり、創造したりするのが苦手だという子供も多い。それは、左脳の中心の教育ということに加えて、体の「右側」を用いることが習慣になっていることも大きな原因になっている。つまり、右脳に刺激が充分にいっていないのだ。

     子供の頃から「左手」「左足」を意識して用いていくことによって、子供の創造性は高まり、直観力が高まりアイデアが次々に出てくるようになるはずだが、日本だけでなくインド、タイ、ビルマ等では左手を「不浄な手」としている。ポルトガル語やラテン語では、左手は「不吉な」という意味を持っている。

     だから、子供が先天的に「左利き」であっても、右利きに修正していくように躾をすることが大半だ。

    右手というのは、「左脳」への刺激となり、論理・文字・数字といった分野の能力は確かに高くなる。しかし、直観・絵画・感情・創造力といった右脳への刺激にはならない。 

    だから、松本幸夫氏は、日常生活の中で、「左」を用いる工夫をしてほしいと主張する。

     左手で鞄を持つ、左足から階段に登る、左手で扉を開く、左足からズボンに足を通すというように、普段は「右」を用いていることをあえて「左」に換えてみることだ。

     もちろん、一日ですぐに創造力がつくということにはならないが、くり返していくうちに、右脳が刺激されて活性化してくるものだ。

     そして、「これは、右脳強化そのものだ」と松本氏が注目するのが、「剣道」だ。

     剣道ほど体の「左半身」を用いるスポーツは他に珍しいからだ。一見すると、竹刀や木刀は両手で持っているように思われる。しかし、剣道で中心となるのは左手の握り、しぼりである。右手は、従であり、そえているにすぎない。

     しかも、構えた際の足の位置も特徴的だ。剣道では、左足で体重を支え、右足でふみこむ。左足が軸足になるから、体を動かす際にも左足のひざの動きによって、前後左右、ひねり等自在に動ける。

     「左手で剣を支え、体を左足で支える」これが剣道の基本だ。

     ということは、そのまま「右脳刺激」になっている。毎日、剣を振る度に、右脳へ刺激がいく。他のスポーツでは、このような「左」を中心に体を動かすスポーツは少ない。剣道においても、中心となるのは軸足の「左足」であり、これはそのまま右脳開発へとつながることを本書で理解してもらえる。
  • 超強運の持ち主になれる、具体的方法を伝えるのが本書のテーマ。だが、運というのは、自分ではどうにもならないのでは? 何か特別な能力がいるのでは? 本で読んだだけではどうにもならないのではないか? といった疑問もあるだろう。

     安心して下さい。
    あなたは超強運の持ち主に必ずなれる。

     運は、自分で呼びこめるものだし、特別な能力も必要ない。運は「本を読んだだけで」も良くなっていくのだ。

     世のなかには、原因と結果の「因果の法則」以外に、運を良くするために欠かせない、シンクロニシティという「法則」が存在する。これさえ知っていたなら、あなたは自分に強運を呼びこむことが可能になり、間違いなく強運の持ち主になれる。また、自分なりのパワースポットを持つのもいい。何も寺院ばかりがパワースポットではない。高層ビルや東京スカイツリーであったとしても、そこに行けば、安心できる、心が晴れやかになる、力がみなぎる、のならいいのだ。松本幸夫氏も、「癒し」のスポットを、何か所ももっている。松本氏は、20代後半から、いわば、フリーの仕事をしてきている。が、仕事で「このままだと大変」な状況となっても、必ず、不思議と「運」が向いて助かったことは、何回もある。これは、自分なりのパワースポットで「運をチャージしてきた」おかげであると、今は確信しているという。実は、パワースポットというのは、運というパワーを身につけられる場所なのだ。「あの場所に行った後、すごく運気が上昇した」「帰ってくると、いいことばかりが続く」というのが「本物」なのだ。ぜひとも、あなたのパワースポットを見つけ出し、常に運を蓄えておこう。

     良いことも悪いことも続けて起こる。これが、本書で述べる基本法則。

     良い考え、良いことば、良い出会い、そして良い行動。良いというのは、強運を呼ぶためにだ。これができれば必ず、あなたには「良いこと」が起こる。だから、なぜ本書を読むことによって、強運の持ち主になれるかハッキリするだろう。運を強くする本→良い運という流れができるからだ。

    「能力」は最低限の強運づくりの必要条件だが、本書で述べる「強運を呼びこむ方法」も併せたことによって、その運が松本氏にベストセラーを呼びこんでくれたという。ヒット作というのは、特にタイミングが大きくものをいうが、これは「超強運」を手にするためには欠かせない要素だ。ぜひ、あなたも本書を読んで、“超強運”をつかんでほしい。
  • あなたは、もしも自分がもっと頭がよかったら、もっと能力があったのなら、いろいろなことがうまくいくはずなのに、と思ったことはないだろうか。松本幸夫氏も、以前はそう考えていた時期があった。しかし今では、むしろ、「感じがいい人こそ、仕事や人生がうまくいく」のだと思うようになったという。

     いくら能力や技術、知識が人よりも優れていても、他人の「協力」なくして、人生はうまくいかない。職場でも、プライベートでも成功できている人はみな、周囲が「あの人のためなら」と力を尽くしてくれるくらいに、信頼されているのだ。

    「感じがいい人こそ、うまくいく」という話で、松本氏には思い当たることがある。

    新入社員時代の頃、松本氏は、研修企画の営業をしていて、様々な会社の人と会った。製薬、電気、保険、銀行、官公庁……。業界について相手の方が知識を多く持っているのは当然として、さらに松本氏の専門の研修についても相手がよく知っていたりした。

     そんな人々を相手にしていて、「この人は感じがいいな」とか、「いやな感じの人だ」と新人の松本氏は直感的に判断していた。面白いもので、そのときに「感じが悪かった人」というのは、何十年後かに、その会社や業界に「いなくなっている」ことが多くあった。一方で、「感じがいい人」というのはみな、例外なく「偉く」なっているのだ。あの人は本部長、あの人はついに社長というように、面白いように出世していった。

     もちろん、出世ばかりではない。感じがいいと、周囲の人も心がなごむし、楽しい雰囲気の職場づくりにも、一役買うことができる。つまり、結果として楽しい。なごやかなムードの中で仕事ができるので、必ず生産性も上がる。

    「楽しく仕事ができる」って、理想だと思わないだろうか。また、感じがいい人のまわりには、自然と人が集まる。「あの人と話していると、なぜか楽しい」とあなたを慕う人が増え、友達もできれば、人間関係でも悩み知らず。こう言うと、「でも、僕は特別に明るくないから」、「私は話ベタだし……」などと思う人もいるはずだが、心配はまったくいらない。

     本書では、「誰でも感じがいい人になれる話し方のコツ」を紹介する。特別な訓練が必要なものではなく、明日からでも試せるちょっとしたコツばかり。本書のノウハウを実践して「感じがいい人」になれば、仕事も、プライベートも思いのままになるのが実感できるはずだ。
  • 今よりも多い仕事の量を、これまでの10倍のスピードでこなせるようになる。こんなことをいうと、多くの方は「そんなはずはない」「絶対ムリだよ」ということでしょう。

     しかし、その不可能を可能にする方法があるとしたら……。

     仕事のスピードアップを考えたとき、まず欠かせないのは「時間の質」だ。じつは、あなたにとって、「質の高い」、「生産性の高い」時間がある。夕方になって、疲労がたまってきて頭もポーッとし始めたときに、いい仕事ができるだろうか。出社して仕事の下準備を整えて、「さあやるぞ!」と始めたときの仕事と、“質”が違うはずだ。あなたの能力の発揮度合いが高い時間帯を「プライムタイム」と呼ぶ。このプライムタイムに、「重要な仕事」や「やるべき仕事」を集中してこなせると、結果として仕事の大幅なスピードアップが図れる。もともと起床後2~3時間からがプライムタイムになるといわれ、例えば、6時に起床したら、9時ぐらいからプライムタイムに入っていく。ただし、プライムタイムは、その人の生活習慣によって左右されることも踏まえなければならない。続いて、以下の質問を考えてみてほしい。

    ・毎日スケジュールを立てて仕事をしていますか?
    ・ToDoリストは使っていますか?
    ・「スキマ時間」に何をするか決めていますか?
    ・1週間の仕事に優先順位はつけていますか?
    ・80%の完成度で終えていい仕事に、必要以上に時間をかけていませんか?
    ・自分の「プライムタイム」をはっきりつかんでいますか?
    ・小さな仕事にも締め切りを設けていますか?

     もしも、これらの質問の回答に、1つでも「ノー」があれば、要注意。

     実は、あなたは、「仕事量が多すぎる」のでも何でもない。仕事の「進め方」や「段取り」が悪いだけで、十分に仕事のスピードアップは可能だ。まずは本書を読んで、今の方法が改善できないか考えてみよう。

     それは、ただ単純に「作業スピードを上げるだけ」が、仕事のスピードアップの、メインのやり方ではない。もっとムリをせず、短時間で仕事を完了させてしまう方法がある。
     それには、ツールとして「手帳」を用いる。本書で学べるのはスケジュールの立て方だけではない。ただのタイムマネジメントではなくて、そこには目的意識、問題意識、全体展望など大前提としておさえるポイントがいくつかある。

    そして、ただ頭で考えるのではなくて、「視覚化する」ことが欠かせない。

     ぜひ本書を読み、手帳を用いて仕事を10倍スピードアップできるやり方を身に付けてほしい。

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