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『中公文庫、801円~1000円、1年以内(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全73件

  • 「あれはいったい何だったのだろう――?」

    過去の人生において遭遇した、明確な恐怖とは言いがたい、けれど忘れることのできない記憶や小説。
    大ヒット作『恐怖の正体』(中公新書)で話題を呼んだ作家・精神科医である著者が、精神の根源に触れるそうした〈恐怖寸前〉の〈無意味で不気味なものたち〉に惹かれて渉猟した、異色の文学エッセイにして読書案内。

    刊行以来、ホラーや幻想文学の実作者を中心に、多くの読者から絶賛を得てきた名著に、書き下ろしの新章を増補した新版。
    誰もが体験しながら、ふだんの日常においては意識の底に沈められがちな〈あれ〉を求めて……読めばきっと、あなたも語りたくなる。

    推薦・澤村伊智
    解説・朝宮運河

    【目次】
    文庫版のためのまえがき
    まえがき

    1 隠蔽された顔――N・ホーソーン『牧師の黒のベール』
    2 本物そっくり――河野多惠子『半所有者』
    3 糞と翼――パトリック・マグラア『長靴の物語』
    4 姿勢と連想――古井由吉『仁摩』
    5 受話器を握る怪物――H・P・ラヴクラフト『ランドルフ・カーターの陳述』
    6 孤独な日々――日影丈吉『旅は道づれ』
    7 南洋の郵便配達夫――J・M・スコット『人魚とビスケット』
    8 描きかけの風景画――藤枝静男『風景小説』
    9 墜落する人――レイ・ブラッドベリ『目かくし運転』
    10 救われたい気持ち――高井有一『夜の音』
    11 果てしない日々――クレイ・レイノルズ『消えた娘』
    12 世界の構造――富岡多惠子『遠い空』
    13 グロテスク考――カースン・マッカラーズ『黄金の眼に映るもの』
    14 うふふ。――車谷長吉『忌中』
    16 昆虫的――内田百閒『殺生』+ブルーノ・シュルツ『父の最後の逃亡』
    16 入り込んでくる人――庄野潤三『黒い牧師』

    あとがき

    解説 朝宮運河

    〈本書は、無意味なものと不気味なものにまつわる探求報告であり、「あれはいったい何だったのだろう」という呟きの執拗な反復である。もし読者諸氏にも「あれはいったい何だったのだろう」との文言が病原菌のように感染すれば、著者としては嬉しい。寂しさがまぎれ、この世界に生を営んでいくことの不安を、幾分なりとも忘れさせてくれそうだからである。……〉(「まえがき」より)
  • 南北合一前夜、男たちの宿運が火花を散らす!
    ロマンあふれるもう一つの北方太平記

    いまや並ぶ者なき力を手にした三代将軍・義満。しかし、海からやってきたある男の出現で、風雲急を告げる。男は、九州に大きな旗を打ち立てた征西将軍・懐良親王の血を継ぐ水師。さらに世を忍び剣で生きる足利直冬の一子が絡んだことから、三つ巴の宿運が時代のうねりを巻き起こすことに……。『武王の門』次世代による南北朝統一をめぐる壮大なドラマ。
  • 橋本治の多彩な仕事について、各界の第一人者と語り合う。六つの対話から、稀有な作家の全貌が浮かび上がる対談集。
    「短篇小説」高橋源一郎/『ひらがな日本美術史』浅田彰/『小林秀雄の恵み』茂木健一郎/『窯変源氏物語』三田村雅子/『双調平家物語』田中貴子/「広告批評」天野祐吉/『リア家の人々』宮沢章夫(文庫版特典)
  • 安吾探偵登場!
    戦後の難事件を推理し、探偵小説を大いに論ず

    「文壇随一の探偵小説通」といわれた坂口安吾。ミステリ作品を手がける一方、自ら「安吾タンテイ」と名乗り、帝銀事件や下山事件など実際の事件について大胆な推理を展開した。本書はこうした事件評論・裁判傍聴記と、愛好する探偵小説を論じたエッセイを併録した一冊。文庫オリジナル。〈解説〉川村 湊

    ■目次
    Ⅰ 事件と裁判
    帝銀事件を論ず/切捨御免/哀れなトンマ先生/孤独と好色/下山事件推理漫歩(座談 江戸川乱歩・中館久平・坂口安吾)/国宝焼亡結構論/日大ギャング/〝能筆ジム〟/フシギな女/孤立殺人事件
       *
    チッポケな斧/裁かれるチャタレイ夫人/被告席の感情/チャタレイ傍聴記/見事な整理

    Ⅱ 推理小説論
    推理小説について/私の探偵小説/探偵小説とは/探偵小説を截る/「刺青殺人事件」を評す/推理小説論
       *
    新人へ/娯楽奉仕の心構え/感想家の生れでるために

    〈解説〉川村 湊
  • シャーロック・ホームズはここから始まった? 幻のデビュー作「ササッサ谷の怪」から、最後の小説となった「最後の手段」まで。探偵小説のみに留まらない希代のストーリーテラー、ドイルの魅力を再発見する名短篇全十四編を収録。〈解説〉北原尚彦
  • 互いに愛人がいながら離婚にふみきれない中年夫婦の、一見おだやかな日常を古典への愛をとりまぜて描いた傑作。小出楢重の挿絵八十余点を完全収載。
    〈解説〉千葉俊二〈註解〉明里千章

    愛することは出来ない
    までも慰(なぐさ)み物には
    しなかつたつもりだ
  • 第二次世界大戦中、ロス・アラモス研究所所長として世界で初めて原爆を完成させ、「原爆の父」と呼ばれたオッペンハイマー。
    戦後、原子力委員会のメンバーとなるが、アメリカの水爆開発に反対の立場を表明し、公職を追放された。原爆の父はなぜ水爆に反対したのか?

    天才物理学者が全存在をかけて、政治・社会・科学のあり方を問う。〈解説〉松下竜一・池内 了

    (目次)
    まえがき/原子力時代と科学者/核爆発/今日の問題としての原子力/とわられぬ心/原子兵器とアメリカの政策/科学と現代
    〈付録〉
    オッペンハイマー追放の経過(訳者)/米国原子力委員会事務総長 ニコルズ少将の書簡/オッペンハイマーの弁明/現著者について(訳者)

    文庫版への訳者あとがき

    パンドラの箱をあけた人 松下竜一
    解 説 池内 了
  • 星子は40代のシングルマザー。職業は(あまり売れていない)小説家。
    大学受験を控えた娘を見守る日々、娯楽好きの親友と楽しむカラオケやスーパー銭湯、忘れた頃に姿を見せる元夫、
    そして20代の男との間には恋が芽生えて!

    誰もが知っているあの歌や、たくさんの笑いをちりばめて
    大人のふつうの毎日が、幸せに一歩近づく物語
  • 闘いの傷を癒やすべく、箱根を訪れた愛之助は、孔雀という謎めいた美女と出逢う。あわや男女の仲になる寸前、愛之助は急遽江戸に呼び戻されてしまった。一方、江戸では、不良旗本と佳穗が真剣で対峙する最悪の事態が……。愛之助の前に再び現れた残虐な盗賊・煬帝、そして彼を執拗に追う孔雀の目的と正体とは!? 風雲急を告げる、シリーズ第二弾。
  • 神楽坂は筑土八幡町の工事現場で、猫が小判を掘り出した。飼い主の噺家は一躍時の人に、寄席は大入り満員。しかし小判が発見された土地のオーナーの娘が誘拐されてしまい――落語家になり損ねた過去を持つベテラン刑事・平林定吉と、食欲と腕力には自信ありの新人刑事・三崎優子、そして落語界の隠れた名探偵・林家正蔵師匠が街の事件を解決する。
    昭和50年代が舞台の落語ミステリ×警察小説第3作。


    目次
    第1話 埋蔵金伝説と猫の恩返し
    第2話 反魂香奇談
    第3話 熊の皮騒動
    あとがき
    解説 新津きよみ
  • 元式部丞・藤原為時の娘で二十歳の小姫(のちの紫式部)は、創作の腕を評価され、左大臣源雅信の娘・倫子に「物語の女房」として仕えていた。小姫の書いた「光る君」を主人公とする短編は、貴族社会の一部で評判を取り、回し読みされている。倫子の要望に従い次々と執筆しているうちに創作の「種」に詰まってしまった小姫は、ある日、隣家の中流貴族の娘で幼馴染みの月乃に「取材」へ誘われる。女房たちの間で噂になっている七の宮の恋の真相を知るため、宮が女と逢瀬を重ねているという廃院に行ってみようというのだ。月乃の父の荘園を治める荘官の子・鶴丸を供に、廃院に向かった三人だったが……。
    若き日の紫式部が、相棒とともに都大路の「謎」に迫る!


    【目次】
    第一話 六条の廃院
    第二話 尋ねゆく幻術士
    第三話 あこがれの草子
    第四話 車争い
    第五話 鳴滝参り
  • 第一章 生いたちの記
      幼年学校に落第・上京
      アルバイト・明大入学
      イザリになって小説家志願
    第二章 青春日記
      焼打ち事件で監獄行き
      政友会の院外団入り
      アジ演説でまたも投獄
      監獄数え歌
      演説会荒らし
      「伴ちゃん、えらくなったわネ」
      世界一周旅行へ
      禁酒国で大酒宴
      蔣介石氏夫妻のこと
    第三章 陣笠時代
      公認返上、クソ喰らえ!
      翼賛選挙で落選
      原敬首相と私
    第四章 恩讐の政界
      鳩山先生との出会い
      ほととぎす、九天高く
      吉田首相と私
      広川和尚の謀略
      吉田さんと喧嘩
      吉田退陣劇の内幕
      ワンマンの横顔
      大臣づくり秘話
      池田蔵相の誕生
      昭電事件の真相
      総裁公選敗戦の記
    第五章 戦後傑物伝
      政敵三木武吉と握手して
      新聞記者と鬼ごっこ
      三木さんの思い出
      緒方竹虎の風格
      西尾末広君との勝負
    第六章 忘れ得ぬ人々
      快男児・小林徳一郎
      「御三家」の思い出
      女傑・松本フミ
    第七章 私の素顔
      待合政治論
      仏像物語
      虎と私
      母のおもかげ
      頼みごと
      新聞にもの申す
      議会政治論
      私の句碑
  • ある日突然、地球に襲来した宇宙人。天狗、猫又、化け狸、異国の神や悪魔まで、異界から来た妖異に鬼太郎が挑む!
    〈収録作品〉UFO宇宙突撃隊/タイムマシン/ロケットハウス/竹やぶの小人/火星人現わる/エンバン実験/不思議な家/猫町切符/宇宙人落下/ムーン大王/狸ばやし/メキシコの石/かくれ蓑/終末株式会社/海坊主/奪衣婆/透明人間/悪魔博士/二人狸/わんたん妖怪/影くい猫/死人列車/つきもの
    巻頭カラー口絵を掲載。
  • ムツゴロウさん一周忌。動物との交流もギャンブルも命がけ。「勝負師」としての横顔に迫るエッセイ。〈巻末エッセイ〉末井昭
  • おちゃめな孫娘と頑固なばあさん
    2019年と1963年をまたぐ
    二人の冒険の行く先は?
     
    高校入学を目前に、ふとした異変で
    昭和にタイムスリップしてしまった菜緒。
    時はオリンピック前年。
    口が悪く愛想なしの祖母を相棒に
    東京タワーから始まる物語は
    思わぬ出会いと発見にあふれて――

    やがて明らかになる、ばあさんの封印された過去。
    取り返しのつかない出来事を、菜緒は覆すことができるのか!?

    「ひょお、こりゃ面白くなってきた」「まったく、バカまごといると疲れるよ」
    愉快爽快、ラストに涙。阿川佐和子の長編小説。


    挿絵 石川えりこ
  • 日本の次は全人類のために、鬼太郎一行はいかだに乗って世界の妖怪退治に出発! 
    妖怪島で吸血鬼や双頭のミイラと対決。
    中央アジアの地下都市で砂妖怪に遭遇。
    ゴーゴンに石にされた鬼太郎の父を元の姿に戻すため、ねずみ男はルーマニヤの狼男のもとへ。
    フランス、イギリス、エジプト、ケニヤ……と世界各地で起こる不思議な事件を解決できるか!?
    全16話を収録
    巻頭カラー口絵を掲載。
  • いつでも訪れることができる、不思議にひろい場所。ときどき深呼吸をしたくなる原っぱ。かたくなな心に手をさしのべてくれ、暮らしの中で鏡のように光るもの。――詩は自分にとって実用のことばという著者が、みずみずしい感性で五三人の詩篇を選び、エッセイを添える。読者ひとりひとりに手渡される詩の世界への招待状。〈解説〉渡邊十絲子
  • SRO二代目室長に就任した芝原麗子は、これといった成果を上げられず、重圧に苦しんでいた。人員不足を埋めるべく新たに配属された夏目悠太郎が目をつけたのは、未解決の連続殺人事件。かつての銀幕のスター・鳳翔ルリ子の恐るべき欲望が悲劇を巻き起こす。一方、3年前にテロを企てた大宇宙真理の光教団は、教主・美福門太陽が罪を免れたことで力を取り戻しつつある。さらに、最凶シリアルキラー近藤房子の薫陶を受けた石塚麻友が、非情な殺人鬼へと変貌し――。大人気シリーズの新章が幕を開ける!
  • 住む場所をなくしあてもなくさまよう鬼太郎親子はいくつもの怪事件に巻き込まれる。千年の眠りから生き返った牛鬼。吸血木に変身させられる流行歌手。猫娘を窮地に陥れるニセ鬼太郎――危機に直面する鬼太郎を襲う悲劇とは?
    「鬼太郎夜話」は1967~68年に『月刊漫画ガロ』に連載された長篇作品。上巻は第1~10話を収録。
    巻頭カラー口絵を掲載。
  • けものが眼を醒ました
    ――読み継がれ、今なお新しい不朽の北方太平記


    「おまえがいるかぎり、敗れるはずがない」
    懐良親王と菊池武光はついに悲願の九州統一を果たす。
    海の民や山の民、そして高麗との交易を知り、「武士」のあり方をさえ変える「新しい国」を構想する懐良。
    そんな折、足利幕府の今川了俊が九州探題に任命される。
    自分の星を追う男たちの生を、壮大なスケールで描いた著者初めての歴史小説。
  • 「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。
    なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」

    「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして――荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。

    〈巻末対談〉新井素子×凪良ゆう
  • 失恋して傷心の鬼太郎は地獄へ行った父の帰りを待ちわびる。しかし、父が連れ帰ったのは予想外の人物だった。家を出た鬼太郎はスリルと刺激を満喫するが、人にだまされ、仕事を頼まれ、はては「物の怪」に命を狙われる。
    「鬼太郎夜話」は1967~68年に『月刊漫画ガロ』に連載された長篇作品。下巻は第11話から最終話まで収録。
    巻頭カラー口絵を掲載。
  • 推理小説とは何か? そしてその作法とは?
    日常的な発想法のヒント、創作メモの取り方、プロット作り、ストーリイの構成……鮎川哲也とともに戦後の本格ミステリシーンを支えた巨匠による、超実践的創作指南。
    多くの実作者・読者から支持を得てきた定評ある名著に、自身の作家人生をふりかえる晩年のインタビュー・エッセイ二篇を増補。
    〈解説〉円居挽

    【目次】
    第一章 推理小説に作法があるか
    第二章 推理小説とはなにか
    第三章 発想の方法
    第四章 創作メモの活用
    第五章 プロットを練る
    第六章 ストーリイについて
    第七章 実作篇「三幕の喜劇」
    終 章 補遺と提言
    ミステリー随想 楽我鬼集
     附篇
    インタビュー 現役最高齢の推理小説作家(2004)
    エッセイ 隅の老人の思い出(2003)
  • 儂は九州をひとつの国にする
    ――読み継がれる北方歴史文学の原点

    叡山を出て六年余、一三四二年のその日、後醍醐天皇の皇子にして十四歳の征西将軍・懐良は、ついに九州の地を踏む。
    それは九州全土を南朝の旗の下に統べるという途轍もない戦いの始まりであった。
    薩南で島津と対峙していた時、菊池武光という若者が訪ねてきたことから、
    懐良の運命は加速する……。
  • 無垢な少女から妖艶な熟女まで一一。鴎外、花袋、荷風、漱石、谷崎、安吾、太宰たちが、憧れ、翻弄された女性たちを描く。女性は思春期を経て、恋愛・婚約・結婚に。悩みや荒みを抱えながら、やがては倦怠または不倫へと至ることも? 時代の変化に応じて、社会的自立や自覚が芽生えた主人公の生き様からは、近代日本の「女の一生」がみえてくる。
    (収録作品)
    森鴎外「杯」
    田山花袋「少女病」
    立原道造「白紙」
    永井荷風「庭の夜露」
    山川方夫「昼の花火
    泉鏡花「雪の翼」
    夏目漱石「硝子戸の中」
    中島敦「下田の女」
    谷崎潤一郎「青い花」
    芥川龍之介「なぜソロモンはシバの女王とたった一度しか会わなかったか?」
    高見順「強い女」
    堀辰雄「辛夷の花」
    坂口安吾「いずこへ」
    久生十蘭「姦」
    太宰治「葉桜と魔笛」
  • 「これからつぶやくひとふしは とても悲しい物語……」

    保険会社のコマーシャル・キャンペーン《幸せな家族》のモデルに選ばれた中道家。しかし撮影はなかなか進まず、やがて不気味な唄の歌詞にあわせたかのように、次々と家族が死んでゆく――

    刊行以来、全国各地の少年少女に衝撃を与えてきた伝説のジュヴナイル・ミステリ長篇、奇跡の復刊。

    〈解説〉松井和翠
  • 「日本のヌーヴェル・ヴァーグ」の旗手として戦後日本の映画界を切り拓いてきた大島渚。仕事を共にした俳優たちのスケッチ、同世代の監督たちへの鋭い批判、そして去りゆく人への愛惜を綴った、ベストエッセイ集。巻末に坂本龍一による弔辞、大島監督との思い出、小山明子夫人のエッセイを付す。
  • 江戸初期、書、陶芸、茶の湯など多方面で活躍した数寄者・本阿弥光悦とは――。光甫の「行状記」を筆記した孫娘が語る、光悦と家業の刀の鑑定、そして一族の風流で清貧な生活と美の世界。著者の代表作『清貧の思想』の先駆けとなった長篇小説。
    〈解説〉川村 湊

    【目次】
    巻一 鷹ヶ峰返上のこと
    巻二 妙秀がこと
    巻三 光悦がこと
    巻四 刀の目利きのこと
    巻五 紹益殿の訪れのこと
    〈解説〉川村 湊
  • 「なぜ本書が、(中略)かような一大傑作論考として結実したのかといえば、それは結婚が全部悪いのである。」(あとがきより)

    「どうして結婚したんですか?」
    この、デリカシーに欠けた、無配慮で苛立たしい“愚問”がもたらしたのは、人はなぜ冒険するのかという「最大の実存上の謎」への偉大な洞察だった!
    人生の下り坂に入ったと自覚する著者が、探検家としての思考の遍歴を網羅した傑作エッセイがついに文庫化。
    〈解説〉仲野徹(生命科学者)

    目次
    序 章 結婚の理由を問うのはなぜ愚問なのか
    第一章 テクノロジーと世界疎外――関わること その一
    第二章 知るとは何か――関わること その二
    第三章 本質的な存在であること(二〇一九年冬の報告)――関わること その三
    第四章 漂泊という〈思いつき〉――事態について その一
    第五章 人はなぜ山に登るのか――事態について その二
    終 章 人生の固有度と自由
  • 946(税込)
    著:
    馳星周
    レーベル: 中公文庫

    謀略に次ぐ謀略!
    有力皇族の誅殺、忍び寄る疫病の影――。
    藤原家の四子がこの国にもたらしたのは、栄光か、破滅か?
    直木賞作家にしてノワール小説の旗手が、古代史上最大の闇に迫る衝撃作。

    藤原武智麻呂、房前、宇合、麻呂の四兄弟は、父・不比等の意志を受け継ぎ、この国を掌中に収めるため力を合わせる。だが政の中枢には、不比等が唯一畏れた男、長屋王が君臨していた。
    皇族と藤原家。それぞれの野心がぶつかり合い、謀略が交錯するとき、古代史上最大の闇が浮かび上がる――。

    〈解説〉木本好信(元龍谷大学教授、奈良時代政治史)
  • 夏川秋代は、夫を亡くして公団住宅にひとり暮らし。ある日、「(長女の巴と)家族になろうとしている」と語る若い男が突然やって来た。戸惑う秋代をよそに家に上がり込む謎めいた男。彼は本当に娘の婚約者なのか、それとも新手の詐欺なのか――。
     秋代には実は、長女だけでなく、二人の息子にも男の来訪について相談できない理由があった。アメリカで未婚のまま娘を産んだ長女、男らしさの抑圧に悩み在日韓国人のパートナーとうまくいかない長男、借金を重ねて妻子に出て行かれた次男……こじれた家族の関係は修復できるのか。
     現代文学の最前線を走る作家が、家族のあり方や人々のつながり方を問う渾身の長編。
    〈解説〉大前粟生
  • 一九六〇年代に登場し、熱い支持と批判を浴びつつ孤高の文学世界を創造した倉橋由美子。その多彩な短篇群から、桜庭一樹が厳選し紹介する。「パルタイ」他初期作品、「移転」他文庫初収録の後期幻想作品、人気を博した「残酷童話」シリーズ、エッセイまでを網羅した新たなベストセレクション。〈対談〉桜庭一樹・王谷 晶〈解説〉小平麻衣子
  • 一九四五年八月十五日、ポツダム宣言を受諾し武装解除を進める日日本軍にソ連軍が襲い掛かった。千島・樺太への進攻が新たに開始されたのだ! 本書は日ソ双方の戦争史料を徹底収集し、最後の日ソ戦に至る経緯と孤軍奮闘した守備隊の知られざる戦いを活写。戦闘の全貌を明らかにし、北方領土問題の根幹に迫る。〈解説〉庄司潤一郎・花田智之
  • その時分の私たちというのが、なんでも先生の真似をして見ようという、随分馬鹿気きっていた時分なのである。――師・夏目漱石をはじめ、寺田寅彦、鈴木三重吉、森田草平から芥川龍之介まで。漱石山房で、ともに文学談義を交わし、酒を呑み、気焔を上げた人々を、第一の弟子が回想する。文庫オリジナル
    〈コミックエッセイ〉香日ゆら

    目次より
    夏目漱石
     休息している漱石/漱石二十三回忌/漱石と恋愛/漱石二題/漱石と読書/漱石と画/漱石と烟草/偽物/注釈/「漱石発狂」の報告者/漱石文庫/漱石半身像/漱石のうちの猫/修善寺日記
    寺田寅彦と松根東洋城
     『漱石・寅彦・三重吉』序/「寅彦全集」/「破門」/『回想の寺田寅彦』序/漱石と寅彦/寅彦と死相/寅彦と俳諧/寅彦と羽子板/「御髭」/松根東洋城のこと
    鈴木三重吉
    三重吉の思い出/鈴木三重吉/三重吉のこと/青春記/写真
    安倍能成
    安倍のこと/眼鏡/アンシュリアム
    森田草平と内田百閒
    森田草平/『実説草平記』/誤植/誤伝の経路/チョッキのまぼろし/白髪
    野上豊一郎
    野上の死/野上のこと
    芥川龍之介
    芥川龍之介の死/一挿話
  • ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席ティンパニ奏者だった著者が、二大巨匠の芸術と人間を論じる。二人の指揮者とは、いわば上司・部下の関係であった著者が、自身の体験にもとづき、その本質に迫った証言の書でもある。そして、カラヤン晩年、一つの時代の終焉を予告し、指揮者とオーケストラの関係について総括する。フルトヴェングラーの指揮の一挙手一投足やカラヤンの閉じた目など、語られるエピソードも数多い。人間観察の書としての魅力も十分である。
    (目次)ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/ヘルベルト・フォン・カラヤン/フルトヴェングラーとカラヤン/ベルリン・フィルハーモニー・オーケストラ/支配人たち/音楽学生たち/危機へ至る道/大危機/その後/ヘルベルト・フォン・カラヤン財団の国際指揮者コンクール/ベルリン・フィルのオーケストラ・アカデミー/即興演奏/私のカラヤン作品
  • 竹藪の庵にひきこもり、都会に姿を現さず、一歩退いて人の世を眺める。来る者拒まず去る者追わず、集うは多士済々、談論風発、鯨飲酩酊、二日酔い……。“竹林の隠者”とよばれた作家が飄々と綴る身の処し方。「怠け者の記」「丘の上にひきこもり……」「何もせんぞ」などユーモラスで含蓄のある随筆を収める、文庫オリジナル作品集。〈編・解説〉荻原魚雷
  • 日本を代表する傑作妖怪マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめて一挙収録する文庫シリーズ、第10巻。母への思いを募らせた鬼太郎は、地獄行きを決行する。しかし道中には、いたるところに魑魅魍魎が待ち受けていて――。
    「鬼太郎地獄編」を含む全10話を収録。
    〈収録作品〉
    ぬけ首/皿合戦/井守/けらけら女/魔女ジニヤー/鬼道衆
    「鬼太郎地獄編」母を求めて地獄旅/血戦三途の川/閻魔危うし! 白骨軍団/最後の出会い
    巻頭カラー口絵を掲載。
  • 人の気持ちがわからない。人間に関心がない。コミュニケーションがとれない。勇太くんは、会話によって他人と信頼関係を築くことができない。それは母親に対しても
    同じだ。でも母にとっては、明るく跳びはねている勇太くんこそが生きる希望だ。
    幼児教育のプロとして活躍する母が世間一般の「理想の子育て」から自由になっていく軌跡を描いた渾身のルポルタージュ。子育てにおける「普通」という呪縛を問う。
  • 会員になれば3ヵ月で結婚できる――そんな評判を耳にして、東京青山の一等地に事務所を構える「スマイル結婚相談所」に、今日も男女が訪ねてくる。食品メーカー広報(30代女性)、洋酒メーカー勤務(30代男性)、家事手伝い(20代女性)、医薬品研究者(30代男性)など多種多様……。「人生は笑う練習」が信条の44歳社長・岸本達也は、34歳のスタッフ・葉山希とともに、彼らの「運命の出会い」をサポートできるか!? 『私が結婚をしない本当の理由』改題。


    【目次】

    第一章 一日目~三〇日目
    第二章 三一日目~五八日目
    第三章 六一日目~八九日目
    エピローグ
  • 風が吹かないのに風に吹かれているような後姿には、料亭〈途上園〉に夢を託した骨董屋・珍品堂主人の思い屈した風情が漂う――。善意と奸計が織りなす人間模様を鮮やかに描く。表題作に自作解説エッセイ、珍品堂との買出し紀行を綴った一文を併せた決定版。〈巻末エッセイ〉白洲正子
  • 篠山街道、久慈街道、甲斐わかひこ路、近江路など古き時代の面影を残す旧街道。「旅に出たいために旅行記を書くことにした」著者は、昭和三十一年、街道めぐりに着手した。史実や文献を辿りつつ歩き、その今昔を風趣豊かに描き出した紀行文集。   
    〈巻末エッセイ〉三浦哲郎「久慈街道同行記」 
    【目次】
    篠山街道[京都・兵庫]/久慈街道[青森・岩手]
    甲斐わかひこ路[山梨]/備前街道[岡山]
    天城山麓を巡る道[静岡]/近江路[滋賀]
    「奥の細道」の杖の跡[宮城・岩手・山形]

    単行本あとがき/新潮文庫版あとがき
  • 日本を代表する傑作妖怪マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめて一挙収録する文庫シリーズ、第9巻。
    村人をつかまえて酷使する将棋の駒の一団。地上を支配するため太古の魔物を眠りから呼びさまそうとする妖怪。敵の企みを阻止するために鬼太郎の死闘が始まる! 全13話を収録。
    〈収録作品〉竹切り狸/黒坊主/土転び/地獄マラソン/魔猫/妖怪王将戦/ペナンガラン/木の子/こそこそ岩/妖犬/カニ妖怪/壺仙人/手足の怪

    巻頭カラー口絵を掲載。
  • あなたの幸を希う以外に何物もない――。鹿児島県知覧の特攻隊基地から飛び立った穴沢利夫少尉。二十三歳で散った法学徒が婚約者・智恵子へ宛てた便りには愛する者への一途な思いと純粋な真情が綴られていた。戦後六十年以上を経て、婚約者が語り尽くした、あの時代の現実とある愛のかたちとは。全面改稿を施したロングセラーの新版。
    【目次】
    まえがき
    第一章 出会い 図書館から戦場へ
    第二章 覚 悟 マフラーになりたい
    第三章 婚 約 たった一晩の子守唄
    第四章 特 攻 あなたをたどる旅
    生きる時代は選べない――新潮文庫版あとがき
    新版あとがき
  • 「俺は今後できるだけ庭でウンコする」
    サバイバル登山家と型にはまらぬ家族たちが都会の片隅で狩る・飼う・捌く! 
    いきなり野糞宣言する父、大ネズミの唐揚げを作る母、長男は受験失敗、次男のニート化、可愛いニワトリを絞める末娘……服部家の行く末は?
    日常の悩みを撃ち落とす爆笑繁殖エッセイ
    〈巻末付録〉角幡唯介との対談「探検家の家族はつらいよ!?」
  • 廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった――
    最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。
    若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。
    時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!

    第66回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)
  • 結婚したのは、唯一無二のはずだったひと。高丘さんに教えてもらった「魔法」で、むかしむかしの世に旅に出るようになるまでは。あるときは江戸吉原の遊女、さらには平安の世の女房として、梨子はさまざまな愛を知り……。『伊勢物語』をモチーフに、夢とうつつ、むかしと今のあわいをたゆたい、恋愛の深淵をのぞく傑作長編。〈解説〉千早 茜
  • 十年前、高校を卒業した元クラスメイトたちに、校庭に埋めたタイムカプセルの開封を兼ねて、同窓会開催の案内が届いた。SNSで高校生活の思い出に花を咲かす彼ら。だが、いじめが原因で転校した生徒の名前が書き込まれ……。近づく同窓会。はたして、タイムカプセルの中には何が!? モモコグミカンパニーとの対談を収録。〈解説〉一穂ミチ
  • ママがずっとわたしの恥部だった――。

    就活に失敗し、逃げるように結婚を選んだ桃嘉。
    優しい台湾人の母に祝福されるも、理想だった夫に一つ一つ
    〈大切なもの〉をふみにじられていく。
    台湾と日本のはざまで母娘の痛みがこだまする長編小説。
    織田作之助賞受賞作。

    〈解説〉渡邊英理
  • 「何があっても日本以外の国の代表になるわけにはいかないと思った」。かつてリーチマイケルはそう語った。ラグビーは、代表選手の国籍を問わない。居住年数など一定の条件を満たせば、国籍と異なる国の代表としてプレーできる。多様なルーツを持つ選手たちは、なぜ「日本代表」となることを選んだのか。

    最初期の留学生として来日したノフォムリ・タウモエフォラウやラトゥ志南利、ニールソン武蓮傳。外国人初の代表キャプテンとなったアンドリュー・マコーミック。日本の生活・文化に魅せられたというトンプソンルーク。成績優秀ゆえに留学生に選ばれ、ラグビーに関してはほぼ素人で来日したホラニ龍コリニアシ。韓国代表を断って日本代表を目指した金喆元。日本代表が憧れだったという具智元。そして、日本の高校・大学で受けた恩をラグビーで返したいと言ったリーチマイケル……。さまざまな選手がさまざまな背景を背負って、日本代表チームに集ってきた。

    異文化の地で道を拓いた外国人選手たち、そして彼らを受け入れたチームメイトと関係者の奮闘があってこそ、今の日本代表がある。その歴史は、多様な人々との共生をさぐる日本社会とも重なってみえる。それぞれのライフヒストリーと、秘められた熱い思いをたどる
  • 日本を代表する傑作妖怪マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめて一挙収録する文庫シリーズ、第8巻。
    小豆飯を食べた人々の顔に、小豆畑が出現!? 差し入れの冷奴を食べたねずみ男は全身がカビだらけに。畑や山林を荒らされ怒った妖怪たちが、悪さをして人間を悩ませる。
    全13話を収録。
    〈収録作品〉
    小豆連合軍/めんこ天狗/逆さ首/化けぞうり/串ざし入道/吸血鬼ラ・セーヌ/豆腐小僧/家獣/麻桶毛/妖怪クリーニング/石妖/針女/魔女ロンロン
    巻頭カラー口絵を掲載。
  • シベリア鉄道での亡命旅行「トランク」、満洲で芸者をしていた女性の一人語り「幕切れ」。旅を愛した林芙美子は、自身の訪れた国々を積極的に小説に描いた。庶民目線を貫いたその筆は、戦前の日本人が海の向こうの〈大陸〉に抱いた希望と憧れ、そして敗戦で負った傷跡を克明に写し取っている。絶筆となった「漣波」ほか欧州、ロシア、満洲を描いた小説七篇と、川端康成が単行本『漣波』に寄せた「あとがき」を収録。〈解説〉今川英子
  • 慈恵病院(熊本市)が開設した「赤ちゃんポスト」は“命を救う”という理念のもと、理解を広げてきた。だが、実際の運用は想定外の連続である。2023年3月までに預けられた170人。そのうち病院が想定した早期新生児は76人。残りの約半数が、ある程度育った赤ちゃんだった。開設第一号は3歳児だ。障害児や外国人の赤ちゃんもいる。出産状況が分からないため医療者の負担も大きい。育った子は「出自を知る権利」を持ち合わせていない。さらに同病院は19年末、妊婦が匿名のまま病院で出産できる「内密出産」も導入した。そして近年では、別の団体が新たなポスト開設の構想まで公言し始めている。開設されて16年――赤ちゃんポストが日本社会に問いかけたものとは何か?「命」を巡るノンフィクション。

    文庫化にあたり、慈恵病院が新たに始めた内密出産の現状や、関西、北海道、東京でポスト開設を試みる人々への取材など、近年の動向を大幅加筆。
  • 今日もスタジオに集うのは、不思議なほど無気力な講師と、下手だが熱いおじさんたち。

    出世競争、妻との微妙な関係、町工場の後継者問題など、苦い思いや痛手を負った中高年世代。
    そんな彼らが打ち込むのは、男だけで踊る社交ダンス! 

    職場じゃなくても輝ける。いつもの景色が違って見える。
    そのステップが胸を打ち、躍動、爽快、ときどき涙。
    おじさんたちの〈もいちど青春〉物語!
  • 幕末維新から日清・日露戦争を経て、明治の終焉へ……。吉田松陰、坂本龍馬、西郷隆盛から乃木希典、岡倉天心まで、激動の時代を生きた人物の思想と矛盾と葛藤を描く。歴史における敗者への想像力が息づく、出色の歴史人物論集。文庫オリジナル。
    解説・渡辺京二


    【目次】
    吉田松陰/維新前夜の男たち/西郷隆盛の革命性と反動性/
    明治的マキャベリスト/高山樗牛/乃木伝説の思想/
    岡倉天心の面影/蘆花断想/内村鑑三先生/小泉三申論/頭山満
  • 日本を代表する傑作妖怪マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめて一挙収録する文庫シリーズ、第7巻。本巻から80年代連載の「新編」を収録開始。
    どんな妖怪も震え上がる妖怪の天敵・ヒ一族、地獄から脱走した亡者たちの死霊軍団……強大な敵を前に、新たな仲間も加わり、鬼太郎の戦いは続く!
    全12話収録。

    〈収録作品〉
    妖怪万年竹/妖怪危機一髪/妖怪ラーメン/ガマ妖怪/吹消婆/妖怪猫魈/妖怪大百足/月の妖怪桂男/死霊軍団/煙羅煙羅/手長足長/海坊主先生
    巻頭カラー口絵を掲載
  • ガダルカナル撤退後、最前線基地の防備と航空戦の継続という使命を負った草鹿は、補給が途絶えても破損機を修理して航空戦を展開、食料と生活必需品、さらには火薬や魚雷までを自力で生産する。また敬愛する山本長官の戦死、陸軍との友好関係が描かれる。巧みな人材登用によって終戦までを自給自足で戦い抜いたサバイバル戦記。

    以下目次
    1 まえがき(戦況のあらまし)
    2 明朗豁達一意邁進
    3 陸海軍の協同戦線
    4 火山研究所と科学者の良心
    5 嗚呼山本元帥
    6 南東方面艦隊の歌
    7 武功抜群
    8 漂流記
    9 気象観測
    10 民政部の人々
    11 洞窟生活(陣地構築)
    12 施設作業の苦労
    13 いかもの食い
    14 現地自活
    15 兵器類の製造
    16 教育訓練の問題
    17 医務衛生のはなし
    18 珍客待てども来らず
    19 輸送潜水艦の労苦
    20 鼠輸送、蟻輸送
    21 ラバウル海軍航空隊
    22 終戦の憾み
  • 清朝の王女として生まれ、日本で教育を受け、祖国再興を画して上海にわたる。ジャンヌ・ダルクに憧れた少女時代や初恋の思い出を交えながら男装に至った経緯を語る。活動中にテロに遭遇、様々な危機を乗り越えながら使命に目覚めていく。巻末に熱河作戦従軍直後「婦人公論」に発表した手記を収録。伝説の「男装の麗人」による半生記を初文庫化。
  • アフリカで、中南米で、中央アジアで、ヨーロッパで……地球全土を覆いゆく、奇怪なる“譚(ものがたり)”の影!

    虚栄の裏の差別、愛憎の果ての復讐……人跡あるところ、必ずや悲劇あり。帝国主義と植民地支配の未だ吹き荒れる二十世紀、世界各地で起こった異妖なる事件の数々。近代社会と人間心理の暗部を、日本文学史上破格のイマジネーションで鋭く描き続けた鬼才による、異国を舞台にした怪奇と幻想のベスト・セレクション全8篇。
    好評『橘外男日本怪談集 蒲団』に続く、文庫オリジナル第二弾。

    【目次】
    令嬢エミーラの日記(1939)……コンゴ
    聖コルソ島復讐奇譚(1937)……ベネズエラ
    鬼畜の作家の告白書(1937)……アルゼンチン
    マトモッソ渓谷(1939)……ボリビア
    ムズターグ山(1947)……中央アジア
    殺人鬼と刑事(1955)……スウェーデン
    雪原に旅する男(1958)……アラスカ
    人を呼ぶ湖(1951)……スイス
     解説=倉野憲比古
  • 昭和二〇年八月一五日正午という、予告された歴史的時刻を無視して、日本の汽車は時刻表通りに走っていたのである(本文より)。昭和八年、ハチ公がいた渋谷駅、一六年、「不急不要」の旅が禁じられた中学生の夏、そして二〇年八月、駅で聞いた玉音放送――歴史の節目はいつも鉄道とともにあった。関連エッセイ、北杜夫との対談を増補した完全版。

    (目次より)
    第1章 山手線――昭和8年
    第2章 特急「燕」「富士」「櫻」――昭和9年
    第3章 急行5列車下関行――昭和10年
    第4章 不定期231列車横浜港行――昭和12年
    第5章 急行701列車新潟行――昭和2年
    第6章 御殿場線907列車――昭和4年
    第7章 急行601列車信越本線経由大阪行――昭和16年
    第8章 急行1列車稚内桟橋行――昭和17年
    第9章 第1種急行1列車博多行――昭和19年
    第10章 上越線701列車――昭和19年
    第11章 809列車熱海行――昭和20年
    第12章 上越線723列車―一昭和20年
    第13章 米坂線109列車――昭和20年
    増補(戦後篇)
    はじめに
    第14章 上越線708列車――昭和20年9月
    第15章 弘前駅、一ノ関駅――昭和20年秋
    第16章 熱海にて――昭和21年
    第17章 松江へ――昭和22年8月
    第18章 東北本線103列車――昭和23年4月
    増補版・あとがき

    巻末付録
    古い時刻表を読む
    自作再見『時刻表昭和史』
    それぞれの汽車旅 北 杜夫/宮脇俊三
    時刻表昭和史関連年譜
  • 舞台上で女優の足が、官能の道具から電話機へと変化を遂げる、そのエロチシズムへの感性を書きとめ、「リタ・ヘイワースは惜しくないけれど、ヒンドスタンを日本へ売ったのは、自分の生涯の失策だった」と、かつての夫から競走馬と比べられた女優の行く末についての考察を綴る……。

    「永遠の謎と美」の存在である女性の、生き方や感受性、美意識を、映画、音楽、演劇、文芸など幅広いジャンルの作品を手がかりに読み解き、絹のように上質な文章で紡ぐ。

    著者が最も健筆をふるった70年代から80年代の単行本未収録作品を集めたエッセイ集。

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