『余美太伊堂文庫(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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大都会には全国から人々が、新しい夢を求めてやってくる。そのロマンの花はどれも美しく、そして時に儚い。しかし、思い出としては永遠の命をもっている。1970年代のラオジ番組内でその放送中にたった1度読まれるためだけに書かれた放送詩。時を経て、どこか懐かしい放送詩が都会の写真とともに蘇った。心温まる一冊。
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「雪になる」は、O.ヘンリーの作品「最後の 一葉(原題:The Last Leaf)」にインスピレーションを受けて書きおろされました。書き下ろしたのは数々の時代小説を世に送り出してきた本庄慧一郎です。
「最後の 一葉」は1905年にニューヨーク・ワールド紙に掲載されました。1903年から1906年にかけて彼は毎週一編の作品を同紙に発表しており、生涯の中でも最も活発に創作活動を行なっていた時期の作品です。彼の代表作の一つと言ってもいいでしょう。
本作をリスペクトしつつ、舞台を日本に移し時代物として書きおろされた短編「雪になる」は、繊細に描かれた人物の描写と情感あふれるストーリーによって、なお一層、日本人である私たちの心の琴線にふれる作品となっています。
また本書には、O.ヘンリーの「最後の 一葉」を原語版(英語)で収録しています。
日本でも小中学校の教科書に採用されるなどして、彼の作品の中でも特に多くの人に知られた本作だけに「英語多読」にも適した内容となっています。電車での移動中や一息つく5分ほどの時間で効果的に多読をすすめられます。
本編とあわせてお楽しみいただければ幸いです。 -
昭和時代に現役で走っていた蒸気機関車の写真と石川啄木が汽車や旅を詠った短歌。そしてエッセイが繰り広げる電子書籍の旅をお楽しみください。
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身近な24種類の動物や昆虫をイラストとともに楽しめ、読み聞かせにも!
動物や昆虫のことはもちろん、世の中のことにも興味津々のケイちゃんと一緒に親子で考えられる1冊。
イラストには、いろいろな姿のケイちゃんが登場!どこにいるのか、楽しく探してみてね! -
B級娯楽映画が専門の「大都映画」撮影所が、売れっこ監督の甥っ子勇一にとっては、遊び場になっていた。
「大東亜戦争」が始まって、軍人や兵隊が肩をいからせてカッポしていた。
そして在郷軍人(兵役キャリアのある者)も町では大いばりしていた。
出征兵士の留守を守るきく子をねらって、在郷軍人の鹿島権三郎が貴重品の缶詰や米を持ち込んで迫ってきた。
勇一は撮影所の照明係の清志に相談した。
正義漢の清志は怒り、一計を案じた――。 -
昭和10年代(1935年~)以後、日本は「戦争という濁流」に巻き込まれていく。
「進め一億火の玉だ」などの大号令で、生活のすべてが厳しく規制され指導された。
子どもたちも「小国民」とよばれて「軍事教育」をうけた。
しかし、子どもたちは飼い主のいない犬コロのように逞しく生き続けた。
そのまぶしい笑顔の物語集。
「昭和――戦時下の子どもたち」シリーズとして出版されている以下の5タイトルを収録した短編集。
収録作品
・「映画撮影所とミツバチ/昭和16(1941)年のものがたり」
・「目標! アノ九官鳥/昭和17(1942)年のものがたり」
・「田端大橋の夕日/昭和18(1943)年のものがたり」
・「スルメいかの靴/昭和19(1944)年のものがたり」
・「もみじ川の春/昭和20(1945)年のものがたり」 -
本庄慧一郎 書き下ろし短編小説「蛇岩の霧が哭いた」
四人の男たちが江戸の豪商を襲って手にした黄金を、寒村の奥の丘に埋めた。
十年、素知らぬ顔で暮らした後に四人が集まって掘り出す――しかし、その日がきたが現れたのは、二人だった。
どういういきさつがあったのか、あとの二人は消されていたのだ。
繁次と金蔵は、黄金を埋めた甕のありかに胸おどらせて近づいていた。
その道すがら、このあたりに住むらしい若い娘に出会う。
金蔵は、いきなりその娘に襲いかかり欲望を遂げようとするが――。 -
「江戸の闇」は、ご存じのようにさまざまな凶悪な盗賊らを生んだ。
だが、財宝や資産のないつましく暮らす一般の庶民は、盗賊など恐れる必要はなかった。
しかし、彼らは常に闇にひそむ「目には見えない摩訶不思議な霊力」なるものを恐れ、時には身をすくめていたようだ。
そしてもし、万が一にもその「不思議と怪奇の穴」に引きずり込まれることがあっても、当人たちは決して口外しなかったようだ――。
さてこの「大江戸エロチックホラー」と題した四つの物語は「不思議や奇怪なんて関係ないぜ」とおっしゃるあなたの心に「惑いやゆらぎという妙味」をもたらすことでしょう。
「大江戸エロチックホラー」シリーズとして出版されている4タイトルを収録した短編集。
収録作品
蛇岩の霧が哭いた
穴ぐら
かんべんならねぇ
首くくり -
日本の芸能史上、初めて「アイドル」とよばれた美少女・明日待子(あしたまつこ)。
そして「ムーランルージュ新宿座」という小劇場のステージは、その明日待子とチャーミングな若い踊り子たちの魅力にきらめいていた。
さらに、芝居の脚本を書いていた作家たちは、1950年代に始まった民間放送のラジオ・テレビのメインスタッフとして大活躍した。
とりわけ、昭和という時代を生きた踊り子たちの胸にしみる哀歓の物語!
※巻末付録として上演当時のパンフレット四部を収録。
ムーランルージュ新宿座 プログラム No.240
ムーランルージュ新宿座 プログラム No.278
ムーランルージュ新宿座 プログラム No.321
ムーランルージュ新宿座 プログラム No.326 -
「恋をする女のひとり言には、花の匂いがある」というフレーズはだれが書いたのか――忘れました。ごめんなさい。
今回「花迷宮/女たちのつぶやき」では、さまざまな人をたずねました。そしてその人の気持ちを、思いを「俳諷一行詩――五七五」にまとめてもらったのです。
皆さん正直にありのままの気持ちを記してくれました。それでお名前はイニシャルの発表にしました。
「女の恋と愛の物語」は、人それぞれの数だけあるのです。
小説やドラマの登場人物のせりふと違うのは、その一行のことばの中に余分な飾りのない、素直な思いが託されていることです。
じんわり胸に沁みてくることばが放つセクシーで甘やかな匂い――皆さんにまっすぐ届けます。 -
気軽に東京ヒッチはい句!
本書は、雑誌『東京人』に一九八七年から足かけ五年間にわたり、「とうきょうヒッチはい句」と題して掲載したコラムをまとめたものです。
前口上より──
「東京育ちということ」
江戸の時代から地方の男たちは「江戸」をめざして大挙してやって来た。「立身出生」を願い、「商売での自立」をめざして集まった。
現在も地方の農村・漁村の若者たちは続々と「東京」などの大都市をめざしてなだれ込むようにやってくる。
そして、やがて彼らは、結婚し、家庭をもつ。その住宅やマンションが、30年35年という長期ローンの完済期限がそのまま「東京都民」として永住することを意味する。
つまりそれは、そのまま「東京育ち」という条件にも充当することにもなるのだ。
かつて「東京郊外」といわれていた閑静な住宅地は、このところ急速に変貌している。
つまり、昔ながらの自然の興趣を遺していた和みのあった風景は、突如として現出した近代ビル(タワーマンションなど)によって、大きく変貌した。
たとえば、武蔵野市吉祥寺とか、杉並区とか、練馬区大泉・石神井辺とかの早くから住宅地として造成されてきた街よりも、もうひとつ外郭の「ひなびた風情の町」だった場所が、それこそいま眼を見張るように「近代化」を遂げている。
東京周辺でいえば、最近まで田や畑や雑木林だった半農村地域の変革は、むしろ驚異的ですらある。
たとえば埼玉県所以西とか、松戸・市川市以北、また横浜以西などなどの新タウンの開発造成地。
拙著「東京ろまんちっ句」に記録した街もすでに大変貌をとげている。
さて、急増する「東京新民」の皆さんにとっての――つまり、「人生を全うする街」は、どんな記憶を遺すのだろうか。
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