『海外文学、龍口直太郎』の電子書籍一覧
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スイスの診療所に入院していたアメリカの富豪の娘ニコルは、若いアメリカ人の医師ディックを恋し、やがて二人は結婚する。だが、ニコルには暗い過去があり、精神を病んでいた。ディックも夫と付添医師という二重の役目を負わされる。二人の子にも恵まれた平穏の暮らしのなかへ、ハリウッドの新進スター、18歳のローズマリーがあらわれ、ディックはその誘惑に抗しきれなくなる。深酒にふける彼のモラルの崩壊はこのときから始まる。だが、夫の愛情が冷めてゆくにつれて、ニコルは精神の健康をとり戻し、以前から秘かに彼女への思慕をつづけてきたトミー・バーバンへ走る。…「ジャズ時代」の申し子であった作者の野心作であり、すぐれたドキュメンタリーな作品ともいえる。
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シートン(1860~1946)は動物文学の作家として、アメリカが世界に誇る存在である。英国生まれだが彼が六歳のとき一家をあげてカナダに移住し、トロントの大学と、ロンドンのローヤル・アカデミーで教育を受けた。父の意向もあり、画家として身をたてたが、幼いときから大自然へ興味をもち、好きな野生動物の観察と研究に打ちこみ、ついにはその結果を文としてまとめるようになった。この動物記は、シートンの代表作を全4巻にまとめた決定版である。本巻には「狼王ロボ」、「銀の星」(烏)、「ぎざ耳小僧」(兎)、「街の吟遊詩人」(雀)、「スプリングフィールドの狐」、「怪物コウモリ」、「少年と大山猫」、「大灰色熊の伝記」の8編を収めた。動物たちへの愛情あふれる記述とともに、生きることの真の厳しさと、人間社会との深い関わりが浮き彫りになっている点が大きな特徴である。
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ほとんどすべての世界的に有名な作家は犯罪文学に貢献してきたのであります。この選集の目的は、「純文学」畑で名をあげた作家たちによって書かれた、ミステリと殺人、犯罪と探偵を扱った、粒よりの物語を読者に提供することにあります。それはディケンズ、マーク・トウェイン、ウィラ・キャザー、R・L・スティーヴンスン、リング・ラードナー、ジョン・スタインベック、ウィリアム・フォークナー、パール・バック、オールダス・ハックスリー、ウォルター・デ・ラ・メア、H・G・ウェルズ、モーパッサンなど、天分のある物語作家や練達の技巧家たちの手になったものばかりであります。そうです、だれか著名な作家を、「当代えりぬきの巨匠」を、だれでもいいから一人あげてごらんなさい。きっと、あなたはミステリ作家を名ざすことになります。そしてそのことを26回も繰り返して証明するために、わたしたちはこの短編の宝庫をあなたにささげるしだいです。これこそまさしく「犯罪の粋(クレーム・ド・クライム)」、読者大衆へのキャヴィアと申すべきでしょう…エラリー・クイーン。
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そもそもの発端は喧嘩っぱやいヤンキーが頭にくらったバールの一撃だった。世界がパッと暗くなり、再び正気にかえってみると、なんと時は伝説のアーサー王の時代。騎乗の騎士たちや、すそをひきずる女たちの中で背広姿が目立たぬはずはない。たちまち囚われの身となり死刑の宣告! しかし彼は進んだ知識を身につけた近代人。突然まよいこんだ中世で科学を駆使し、アーサー王と円卓騎士団をけむにまくヤンキーの活躍やいかに? マーク・トウェインがSF的発想で描くユーモアあふれる異色作。
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長年、ろくに肥料もやらずにタバコ栽培を続けた結果、不毛の地と化した南部の農村。その土地にしがみついて生きるジーター老人は棉花栽培の夢を捨てきれない。娘の兎口の手術費用の工面もできず、末娘のパールは口べらしのため、十二歳で嫁に出される。貧困と絶望がもたらす堕落と人間本来の欲望。アメリカ南部のプア・ホワイト(白人貧農)の暮らしを赤裸々に描き、社会に衝撃を与えたコールドウェルの代表作。
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時流に乗ることに憂き身をやつす知り合いの作家に、近年亡くなったある大家の伝記を書きたいので協力してくれと頼まれる作家の「わたし」。破天荒なその大家のことは、「わたし」は私事にいたるまで知悉していた……作家の世界、ジャーナリズムの世界、社交の世界を皮肉たっぷりにえぐってみせるモームの快作。きれいごとのお菓子と、苦味があるが飾り気のないビール……ここには小説を読む醍醐味が。
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自分の土地に金鉱脈があると信じて、15年も痩せた農地を掘りつづける老農夫タイ・タイは、物欲の権化である。娘婿のウィルは義理の姉妹に手を出し、長男ジムは弟の美しい妻を奪おうとして射殺される。
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