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『講談社文芸文庫、セール・期間限定価格』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全351件

  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで

    広島で被爆した女性が、庭先に浦島草の咲く東京の家でひっそりと暮らす。そこへ11年ぶりにアメリカ留学から主人公の雪枝が帰って来る。後を追う恋人のマーレック。女性には雪枝の兄・森人との間に、自閉症の息子・黎がいた。多くの人物が広島の滅びの光景を引きずり、物語が進む。人間の無限の欲望と、その破滅を予感する作家が、女たちの眼を通して創出した、壮大で残酷な詩的小説世界。
  • 781(税込) 2024/5/23(木)23:59まで
    著:
    井上靖
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    熊野補陀落寺の代々の住職には、61歳の11月に観音浄土をめざし生きながら海に出て往生を願う渡海上人の慣わしがあった。周囲から追い詰められ、逃れられない。時を俟つ老いた住職金光坊の、死に向う恐怖と葛藤を記す表題作のほか「小磐梯」「グウドル氏の手套」「姨捨」「道」など、旺盛で多彩な創作活動を続けた著者が常に核としていた散文詩に隣接する人生の不可思議さ、奥深さを描く9篇。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    日野啓三
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    巨大な都市のゴミの捨て場所――夢の島。バイクを疾駆させ、主人公を惹きつける若い女。ゴミの集積地が、“魅惑の場所”に鮮やかに逆転する――時代の最尖端での光芒を放つ、日野文学の最高傑作。芸術選奨受賞作。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで

    ここにあるのは若気の過ちではなく、若気の夢、――軍国主義を呪い、詩を愛した日本の青年の知的な客気である。――<「あとがき三十年後」より>。1946年・敗戦翌年、<マチネ・ポエティク>のメンバー 加藤周一・中村真一郎・福永武彦の共同執筆により「世代」に連載された時評は、新しい時代の新しい文学を予告した。時代を超えた評論は日本近代文学史上必読の書となり、なお不動の地位にある。戦後日本文学はここに出発した。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    高橋和巳
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    碩学・吉川幸次郎の中国文学の高弟であり、戦後日本文学の思想を根源的に、果敢に継承しようとして早逝した著者。『悲の器』で圧倒的な出発を果たし、『邪宗門』『散華』等々、70年代までの現代日本を代表する文学・思想者、高橋和巳の文壇的出発前を含めた初期の思想を凝集した「志」エッセイ。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    芝木好子
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    没落した幕臣の娘が、15歳で神田の湯葉商の養女となり、養父を助けその半生を捧げる名作「湯葉」。すぐれた陶器や陶芸家に魅せられる父と娘の、微妙な心の揺曳を抒情的に描く「青磁砧」(女流文学賞受賞作)。男に執着する娼婦上りの女の業に迫る「洲崎パラダイス」。「青果の市」で芥川賞を受賞した著者の、中期を代表する3篇を収録。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著・その他:
    高橋たか子
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    すべて素顔の私。私らしい文章40篇を厳選――小説の中に表われる作家の分身……。自身そのように小説を書いてきたけれど、それは、<私>という人間そのものでは、決してない。おさない頃の京都の記憶、日々の生活を楽しんだ鎌倉、親しい友との旅、出会い、そしてパリでの霊的体験……。書きつづってきた文章の中から、40篇を選び出してみた、ほんとうの<私>をわかっていただくために。
    ◎高橋たか子「今、人生の最終段階にいる私は、私という者が大体どういう者であったかを、すくなくとも、すでに書いたエッセイをざっと並べる形において、わかっていただきたい、と思う。大体、と書いたが、全体は神のみぞ知る。<「著者から読者へ」より>
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    小島信夫
    著:
    森敦
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    独自の創作理論を打ち立てた、二大巨人による実践的文学論。文学の<現在>はここから始まる――独自の文学世界を打ち立てた二大巨人=小島信夫&森敦による長篇対談。昭和20年代半ばからの知己である二人が、これまでの交遊を振り返りつつ、創作理論の<現在>を縦横に語り合う。悲劇と喜劇、内部と外部、小説におけるモデル問題、夢と幻想、演劇論など、多岐にわたるテーマを通して、二人の文学の根柢に迫る、スリリングでアットホームな試み。幻の未刊長篇対談、待望の文庫化。
    ◎小島信夫「この対話は色々の問題をもってきて、互いに論じるというようなものとは大分ちがう。問題も材料も互い自身である。これは息苦しいものであるし、空を切ることもあるので、ときどき散歩をすることもある。ときには、自分自身をダマす必要もある。(略)今月、悲劇、喜劇という言葉が出現して、私は刺戟をうけた。まどろみかけた目がひらいた思いがした。(略)今回のような談話の中での文脈の中でおどり出たのだから、これは生きた言葉である。生きた言葉であるだけに、今後何度も俎上にのぼり、たのしまなければならない。」<「第四回・追記」より>
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで

    生の深奥を抉る明晰な衝撃。河野文学の中期秀作群――初期作品「美少女」「幼児狩り」、芥川賞受賞作「蟹」から、話題の『みらい採り猟奇譚』まで、著者の誠実な文学的展開の中で、中期と呼ぶべき中・短篇群。特に世評高い名篇「骨の肉」ほか、女流文学賞受賞の「最後の時」、更に「砂の檻」ほか4篇収録。男と女の関係、特に子供のいない女・妻と男・夫の関係を描き、抉り出されてくる生の深奥の類例のない明晰な衝撃。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで

    文学、芸術の全域にわたる鋭い文明批評の全7章――「変化しつつあるものは何だろうか? 芸術でない。政治でない。我々の時代の家庭である。」鋭敏な感性のきらめく詩集『月に吠える』や『青猫』でその天才的な稟質を示した近代詩人・朔太郎の、もう一つの詩人の優れた業績である〈アフォリズム集〉。警句と深い考察にみちた「結婚と女性」「芸術について」「孤独と社交」「著述と天才」「思想と闘争」など全7章。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    清岡卓行
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    絵画映像など全ゆる手の変幻清岡卓行の想像の冒険――ミロのヴィーナスがあのように魅惑的なのは、彼女が、その両腕を故郷であるギリシアの海か陸のどこか、いわば生ぐさい秘密の場所にうまく忘れてきたからだ。絵画・映像・音楽その他のあらゆる「手」の変幻を捉え、美や真実の思いがけない秘密の瞬間を析出した、清岡卓行の鮮やかな詩的想像力。エッセイ文学の名品。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    木下順二
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    強靭なる精神漲るエッセイ。情熱溢れる、鋭い思考――運命に対峙して歴史の狭間を主体的に生きる実存は、いかに可能か。ドラマの構造と、それはどう絡むのか。10代に一度は受洗したキリスト教を棄て、しかもなお「精神の極北としての神」を求める求道者・木下順二。民話劇『夕鶴』、『子午線の祀り』の作者が明かす濃密な創作世界の「原風景」。故郷での幼・少年期、漱石『三四郎』にも似た上京以後の「本郷」での生活、趣味の乗馬、歌舞伎・能への深い考察。エッセイの精粋。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    永井龍男
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    安穏・安全な「生」とは何か? 読売文学賞受賞の明篇――湘南で多少の土地を持ち、家を貸して自適生活する主人公。妻は仕事で不在がち。「安全な生活」とは何か……。元上司との様々なやりとりのあと、上司は妻を失う。南米・ボリビアでのバスの乗客の、何の苦痛もない死……。ささやかな生活の描写の中に、人生の哀歓をつむぎ出す、永井龍男独自の「美学」の結晶。『皿皿皿と皿』を併録。読売文学賞受賞作品。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで

    孤独な内奥の世界を追究。読売文学賞受賞の名篇――「チチキトク」の電報を受け取った時、女は父の幻影を見た。父の死後に結婚した夫とは、諍が絶えず、しばしば現われる父の霊に励まされながら、陰惨な殺人を重ねる。意識の底からつき上る、不気味な想念。愛憎渦巻く夫婦生活を背景に、現実と非現実の交錯する、妖しく孤独な内奥の世界を苛烈に描く衝撃作。読売文学賞受賞作品。
  • 混迷を生き貫く思考の発条。花田清輝の秀抜の遺著――『乱世今昔談』をどうしても『ここだけの話』と改題希望した著者の遺志を実現し、遺著『箱の話』と合わせ、花田清輝の常にインターナショナルな、発見的思考の持続を顕彰し、混迷する思想・時代状況を生き、貫いて行く根源力を提示。今日さらに重要な意味を加え続ける、花田清輝の貴重な1冊。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    花田清輝
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    「映画的思考」とはなにか? 常に新しく鮮鋭な精神――19世紀末の象徴主義者の音楽的思考が、20世紀前半期における超現実主義者や抽象芸術家の絵画的思考や幾何学的思考に席をゆずったとすれば……。アヴァンギャルド芸術の否定の上に立つ、新しいレアリストは、映画的思考の持主かもしれません。「映画」やその周辺を語ることにより、真に新しい思考を導く、常にインターナショナルである著者の、鮮鋭な名エッセイ。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    清岡卓行
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    哀惜の想いで描いた恩師・阿藤伯海への鎮魂歌――川端康成とは東大同級で、上田敏令嬢への恋に破れたためか、生涯独身の漢詩人・阿藤伯海。法政教授時代は斎藤磯雄に、太平洋戦争下の昭和16年から19年まで旧制一高教授時代は、著者・清岡を初め、若き三重野日銀総裁、高木中央大学学長らに、多大な影響を与えた、高雅な人格と美意識を生きた文学者。痛切な哀惜の想いで描かれた、清岡卓行の恩師への「鎮魂歌」。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    花田清輝
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    低俗視されていた映画などB級文化の優性の発見――単行本刊行時「恥部を軽蔑するな! 恥部こそ生産的だ!」という挑発的な名コピーで、活字文化信仰を震撼させた快著。映画、演劇、ミュージカル、演歌、浪曲などを低俗と見なす風潮に敢えて抵抗し、溌剌とした批評精神と快適極まる説得力で、「B級文化」を「合法化」した先駆的なエッセイ群。常に既成価値を転倒し、未来性を追求する著者の強靱な力業。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    木下順二
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    本郷に生れ今も住む著者の半世。わが内なる本郷――鴎外、漱石をはじめ、本郷に住んだ文人たちや伯父・佐々醒雪、父母のこと、個人的な体験など、本郷を中軸に据え、そこにかかわる様々を語りながら、時代を生き生きと甦らせ、半生を映し出して行く。私が本郷を所有するのか、本郷が私を組み込むのか。本郷に染着する文化を見事に描ききる、『夕鶴』の作者の限りなき本郷愛着の記。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    庄野潤三
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    芸術選奨受賞の聞き書長篇。淡々と綴る浄福の世界――北陸の海端の、さびしい河口の町。快活で研究心に富み、情に厚く飾り気のない人柄の、小さな織物工場を営む老主人・紺野友次。家族の消息やありふれた日常の中に、年中行事、信仰、習俗などにささえられた、100年にも及ぶ一族の歴史が描かれ、懐かしい日本の原風景が刻される。地方に生活する人々の真情を淡々と綴る浄福の世界。芸術選奨受賞作品。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    花田清輝
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    「虚実皮膜」の間を飛翔する花田清輝の精神の冒険――東洲斎写楽の役者絵についての精妙な分析にはじまり、「芸」という虚と実の「皮膜」の「遊び」から、「役者」という虚にして虚ならず実にして実ならざる追求者に話を展開し、沢村淀五郎の芸談だとする『四徳斎雑記』を補助線として、独自な精神を奔放に飛行させる、花田清輝の世界。転形期をしたたかに生きる、不撓不屈の諧謔の精神。常に精神の前衛でありつづけた著者の代表的作品。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    訳・解説:
    木下順二
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    画期的と世評の高い翻訳と原作の真髄を説く評論――生の深奥に潜む根源の暗黒を描くシェイクスピアの名作を、改訳に改訳を重ね、画期と評される木下順二訳で収める。原文の台詞がもつ旺盛なエネルギーとイメージの喚起力を、いかに日本語に定着させるか。原作と翻訳の間に必然的に介在する「訳し得ぬもの」を、自からの翻訳体験を通して詳密に語り、『マクベス』理解の最良のアプローチとなった長篇評論「なぜシェイクスピアが訳せないか」を併録。
  • 『復興期の精神』の著者の代表的戯曲3篇を収録――虚実交錯する二元的批判構図を持ち、特異な発想と構想で、常に戦後文学に先鋭な問題を提起し続けた『復興期の精神』の著者・花田清輝の、代表的戯曲3篇。明治18年、自由民権運動を背景に、女壮士・新聞記者・講釈師・演歌師などを配して、その過激な運動の壊滅までの顛末を描いた諷刺喜劇「爆裂弾記」のほか、「ものみな歌でおわる」「首が飛んでも――眉間尺」を収録。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    花田清輝
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    近・現代をいかに超えるか? 著者の代表的エッセイ――〈前近代的なものを否定的な媒介として近代を超える〉……著者の生涯を貫ぬいて実践された主題に添って書かれた「柳田国男について」は、柳田国男の現代的な再発見を促がし、フォークロアや口承文芸、〈近代〉から排除されたB級文化話芸などが、教養主義的価値観から解放され陽の目を見た。活字中心の価値観に、根柢的改変を迫った、衝撃的エッセイ。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    石川啄木
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    明星派の詩人として出発し、三行書きの短歌で歌壇に新風を吹き込み、〈大逆事件〉との出会いにより現実を凝視、明治という時代を考察して、結核と貧窮のうちに夭折した、天才詩人・石川啄木。非凡な才能で先駆的思想を所有した彼の歌集『一握の砂』『悲しき玩具』などから短歌200首、「性急な思想」「時代閉塞の現状」などエッセイ6篇、「はてしなき議論の後」「飛行機」ほか詩12篇を収録。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    三木卓
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    小児麻痺で左足が不自由なカメラマンの「わたし」=郡司。彼が高校時代、憎悪を爆発させた体操教師・木宮。その娘で、郡司の憧憬と愛の対象、体操選手・とし子。偏執的人形師・英三三夫。左手に障害のある超能力者・亜矢……。人体の極限の美を追求する者と障害のある者――「わたし」は常に計り知れない距離と対峙する。二つの極を軸に、肉体と精神の微妙な領域を、“「わたし」の視点”で捉えた渾身の長篇力作。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    三木卓
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    名刹が点在し、高級住宅地が広がる古都・鎌倉。 だが、そんな町にも、様々な人生が交錯する「路地」がある。古書店主、観光人力車を曳く男、図書館勤めの小市民……、市井の7人それぞれが、過去に秘めている罪や愛が、彼らの平穏な日常を波立たせる一瞬を犀利に捉え、人生の細やかな真実を温もりとともに掬いあげる短編連作。谷崎潤一郎賞受賞作。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    辻井喬
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    月子の父親が陥れられることによって登場した小田村大助。奪われるようにして小田村と結ばれた月子。政治と実業の世界の鬼であった小田村は、また、奔放な性を生き、女性遍歴を重ねていく。運命にもてあそばれた月子は、短歌に道を見出すことで、傷を癒し、自らを支えようとする。――息子・由雄の眼を通し、母・月子、父・大助の愛憎の劇を冷徹に描いた自伝的作品。亡き母への痛切なる鎮魂歌。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    永井龍男
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    東京下町の思い出、四季折々変化する鎌倉の風物、昭和文士たちとの友情、懐かしさ溢れる名随筆の数々――作家としての早熟な才能を示した東京・神田育ちの青年は、菊池寛に誘われ文藝春秋社で編集者となった。しかし敗戦後は社を去り、以後筆一本の暮らしに入る……。人生の断片を印象鮮やかに描き出す短篇小説の達人が、横光利一、小林秀雄、井伏鱒二ら文学者との深い交流や、さりげなくも捨てがたい日常・身辺の雑事を、透徹した視線と達意の文章で綴った、珠玉の名随筆59篇。
    ◎「自分の小さかった時のことを思い出してみて、夜なべに針仕事をする母のすぐ脇に、寝床を寄せて眼をつむっていると、なに一つ言葉を交わすのでもないのに、うれしくてうれしくて、眠ったふりをしながら、いつまでも眠らずにこうしていたいと思ったことがあったし、銭湯の帰り道、父と二人並んで歩いていると、まっくらな中で、これが自分と父なのだという、きわめて自然な血のつながりを感じたこともあった。」
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    古井由吉
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    水差しから救いの水を飲んだ直後息絶えた病床の母(「水」)。「死にたくない、俺ひとり」妻の胸で叫ぶ癌を病む夫(「谷」)。生と死のきわどさ、戦き、微かな命の甦りの感覚を、生理と意識の内部に深く分け入っていく鋭敏な文体で描出した、「影」「水」「狐」「衣」「弟」「谷」の6作による初期連作短篇集。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    庄野潤三
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    はかなく取りとめない日常の中に現代の至福を描き出す長篇小説。家族を愛し人生を慈しむ――丘の上に住む作家一家。息子たちは高校生・大学生になり、嫁いだ娘も赤ん坊を背負ってしばしばやってくる。ある時から作家は机の前に視点を定め、外に向いては木、花、野鳥など身近な自然の日々の移ろいを、内では、家族に生起する悲喜交々の小事件を、揺るぎない観察眼と無限の愛情を以て、時の流れの中に描き留めた。名作『夕べの雲』『絵合せ』に続く充実期の作家が、大いなる実験精神で取り組んだ長篇。
    ◎庭に来る鳥や、庭の樹木から書き起こされる章が多いが、人の心が自然現象のなかに融け、照らし出されているように感じられる。八章には、「四十雀が飛び立ったあと、水盤の水に映った空が揺れている。」という小景描写があった。水面が揺れているのではなく空が揺れている。こんなところを読むと、今、見ているような気がする。昭和の小説には、このような豊かさがあった。<小池昌代「解説」より>
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    山崎正和
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    日本文化の核を育み、社会の階層をかき回した、渾沌と沸騰の200年! 豊かな乱世の絢爛たる文化――
    日本の歴史の中でも室町時代の200年ほど、混乱の極みを見せた時代はなかった。が、一方では、その「豊かな乱世」は、生け花、茶の湯、連歌、水墨画、能・狂言、作庭など、今日の日本文化の核をなす偉大な趣味が創造された時代でもあり、まさに日本のルネサンスというべき様相を呈していた。史上に際立つ輝かしい乱世を、足利尊氏や織田信長らの多彩な人物像を活写しつつ、独自の視点で鮮やかに照射する。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで

    発酵学・微生物学の権威である「酒博士」坂口謹一郎の、酒をめぐる軽妙酒脱なエッセイと、500首に及ぶ短歌。愛酒の世界を語り、酔の境地を示す、坂ロイズムの集大成。「世界の酒の旅」「パリの生活から」「玩物喪志」ほかを収める歌エッセイ集『愛酒樂酔』に、「私の履歴書」を併録。
    ◎まことに人間にとって酒は不思議な「たべもの」である。迷えと知って神が与えたものであろうか。<本文より>
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    庄野潤三
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    こよなく愛したC・ラムを巡る英国への旅。香り高き紀行文学――英国の名文家として知られ、今もなお読み継がれているチャールズ・ラム(1775~1834)をこよなく愛した著者が、ロンドンを中心に、ラムゆかりの地を訪れた旅行記。時代を超えた瞑想が、ラムへの深い想いを伝え、英国の食文化や店内の鮮やかな描写、華やかなる舞台、夫人とのなにげない散歩が、我々を旅へと誘ってくれる。豊かな時間の流れは、滞在記を香り高い「紀行文学」へ。
    ◎「この『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』では、作者がいわばロンドンの空気の中に丸ごと溶け込み、心ゆくまでロンドンという大都会の古びた湯船にゆったりと身を横たえ、ラムへの尽きぬ思いに浸っているということだろう。この滞在記にただよう一種沁み沁みとした哀感は、ここに由来する。」<井内雄四郎「解説」より>
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    李良枝
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    二つの国と二つの言語。夭逝した芥川賞作家の内面の葛藤を描く長篇小説――若くして亡くなった、在日韓国人女性作家。日本で生まれ育ち、韓国人の血にわだかまりつつも、日本人化している自分へのいらだちとコンプレックス。母国に留学し直面した、その国の理想と現実への想い。芥川賞作家の女の「生理」の時間の過程を熱く語る長篇と、「私にとっての母国と日本」という1990年にソウルで、元原稿は直接韓国語で書かれた講演を収録。
    ◎アイデンティティを追求した李良枝の私小説は、「目に見えない」心のミステリーを解明しようとした鮮烈なテキストなのである。日本から、見知らぬ「母国」へやってきた「刻」の主人公は、だから、母語ではない母国語の文字の前で落ち着きを失う。その「私」の1日においては、だから、一刻一刻、親近感と距離感の間で心のゆらぎを覚えて、最終的には選ぶことができないのだろう。<リービ英雄「解説」より>
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで

    著者の50年に及ぶ文業のうちでも、第一の傑作短篇集――男女の関係性の善悪は、つねに社会の規範の中にあるが、ここに登場するヒロインたちは、もっとも女性的に生きることで、社会への反逆者となり、そこには満ちあふるるエロティシズムと頽廃とが生と死を越えて、抽象にまで至る愛のリアリティをもって存在する。表題作のほか「公園にて」「予兆」など、8篇を収録。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで

    明治17年、浅草・蔵前に生まれ、昭和20年、上海の路上に死んだ作家・田村俊子。みずからを信ずるままに、奔騰する愛を生き書いた先駆者・田村俊子に、深い愛惜とただならぬ共感を寄せる著者が、故人を知る人を尋ね、俊子の足跡を辿り、知られざる生涯を掘り起こした、決定版評伝。「田村俊子補遺」及び「田村俊子年譜」を付す、瀬戸内晴美の文学的デビュー作。第1回田村俊子賞受賞作品。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    曽野綾子
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    新鮮清澄、才気迸る源流の光景。初期の代表作7篇収録――進駐軍の接収ホテルで働く19歳の波子の眼をとおし、敗戦直後の日本人従業員と米国軍人らとの平穏な日常が淡々と描かれた、吉行淳之介の「驟雨」と芥川賞を競い、清澄で新鮮な作風と高く評価された出世作「遠来の客たち」をはじめ、「鸚哥とクリスマス」「海の御墓」「身欠きにしん」「蒼ざめた日曜日」「冬の油虫」、表題作「雪あかり」を収録。才気溢れ、知的で軽妙な文体の、初期の作品7篇を精選。
    ◎「ここに集められた作品はすべて、壁の手前の若書きの作品である。この頃以来半世紀間、私は書き続けて来た。平均して一年間に二千枚、それより多い年も少ない年もあるけれど、多分トータルで十万枚は書いたように思う。十万枚、絵でも書でも書けば、どんな凡人でも一つの世界は作るだろう。源流の光景を見て頂くのは、申しわけないが、光栄である。」<「著者から読者へ」より>
  • 886(税込) 2024/5/23(木)23:59まで
    著:
    塚本邦雄
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    正岡子規が称揚した『万葉集』の「写生」から『新古今集』の詩歌理念へ引き戻すことで、戦後日本文化の再建を目指して1975年に書下された『藤原俊成・藤原良経』。新字新仮名で刊行された同書を、塚本邦雄の信念=正字正仮名表記へもどして改題、さらなる深みと凄味を増し、新たな生命を吹き返した。新古今時代を支えた藤原俊成・藤原良経・藤原家隆・俊成卿女・宮内卿・寂蓮・慈円の7人を、渾身の力で論じ尽くした、歴史的名著。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    舟橋聖一
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    故・丸谷才一氏が愛した、花柳小説の金字塔――温泉芸者の子に生まれ、水商売の中で育った夏子。この宿命の絆を断ち切りたいと希いながらも、外に道はなく、夏子は15で芸者小夏となった。純情を捧げた初恋の教師に裏切られ、夏子は日ましに「女」になっていく……。若き日に色町に親しみ男女の機微を知る著者が、戦後の脂の乗りきった時期に書き継ぎ、「夏子もの」として人気を博した連作小説の第1作。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    舟橋聖一
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    愛慕する年若い叔母・伊勢子の、自裁の謎を追ううちに、維子は、不実な男・泉中紋哉との官能の罠に、みずから墜ちていく。性愛に囚われた維子の現在、ミステリアスな伊勢子の過去、さらに情熱の歌人・和泉式部の生きた遠い昔……時空を隔てた3人の女人像を、巧緻な遠近法でとらえ、王朝文化と戦後風俗という「聖」と「俗」のあわいに、独得の官能美の世界を現出させた、筆者晩年の傑作。毎日芸術賞受賞作品。
  • 時を越え人々の日常に寄りそうもの──。
    「音」に着目し選びぬいた作品九篇。

    演奏家でもあった著者の音楽を扱った小説集。「南京小僧」「浪曲風ポルカ」など気高い小品や「日本遊民伝」といった骨太作品も収録。

    日劇ミュージックホールでの演奏など、ギタリストとしても活動した深沢七郎。エルビス・プレスリーを愛し、ジミ・ヘンドリクスを好んで聴いた彼の小説は音楽的と評されることも多い。その中から、俗謡、洋楽曲、楽団員といった、音楽を扱った作品を精選。著者の眼差しが見えてくる一冊。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    津島佑子
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    『八犬伝』の伏姫、『番町皿屋敷』のお菊、三ツ目小僧……。物語、伝説、夢、フォークロアなどを鮮やかな媒介として、「秩序」「制度」からはぐれ、はずれた生や、愛たちを問う、「新しい時代」の女性作家・津島佑子の果敢な力業。時代が生んだ「生」の新たな意味を問う、中篇連作集。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    深沢七郎
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    「笛吹川」の現代版
    庶民の無常の世界を独特の語りで描いた世捨て人の文学

    明治末から大正、昭和と三代にわたる日本近代の歩みが、笛吹川のそばに住む貧しいオカア一家を舞台に展開する一大ロマン。生糸の暴落と農村の貧窮、明治天皇の崩御、関東大震災、戦争と出征、空襲と食糧難、敗戦とヤミ商売――その間には息子・徳次郎の二十年近くのアメリカへの出稼ぎがあり、薄情者となって帰国した息子とその一家をオカアの眼差しから描く。土俗的な語りによる時代批判。
  • 懐かしの童謡、唱歌の世界。歌でたどる都市の風俗――折口信夫の高弟にして、日本芸能研究の重鎮である著者の歌と言葉をめぐる軽妙なエッセイの数々。小学生時代と重なる大正期、その時、口ずさんだ童謡や唱歌を記憶のなかから甦らせ、都市の風俗と言語生活の変遷をたどり、宝塚少女歌劇から戦後の歌謡曲まで、そこに息づく庶民の心を読み解く。軍歌の一方的排斥に異を唱え、歌詞のなかの言葉遣いへの辛辣な評言も著者ならでは。
    ◎「文学の歴史の叙述にも、文学作品そのもの、あるいは作者の歴史に対して、読者の歴史が書かれなければならないように、歌の場合にも、それを聴き、習い、歌った、つまり与えられた側の歴史が書かれてもいいと、わたしはかねて思っていた。わたし達のまわりにあるものは、それを制作して与えてきた側の記述が多く、それを聴き、習い、歌った側の記述がほとんどないからである。それには、わたしはかなり不満であった。」<「あとがき」より>
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    大岡昇平
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    尊皇攘夷、公武合体、権謀術数が渦巻く激動の幕末の文久2年、土佐の山奥の若き庄屋・吉村虎太郎は、脱藩を敢行。翌年8月、「天誅組」を組織、挙兵。その秋、激烈なる死を遂げた。草莽の志士たちへの著者の深い共感が、歴史に埋もれた「もう一つの転換期のエネルギー」を鮮やかに捉える。史料の博渉、明晰なる解読で、維新の先駆者の真実を追跡。「物語体」も一部駆使した、創見溢れる「史伝体歴史小説」。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    津島佑子
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    血の絆、性の葛藤の果てに、生の極致を望む女たち――雪の日にひとりこどもを殺した! ……少女時代の悪夢が、姉妹に遠い影を投げかける。血の絆に惹かれるように、妹の夫と関係を結ぶ姉・牧。抜き差しならない深みに入り込んでいく二人に、気づこうとしない妹・百合。性の地獄にさらわれながら、ついに女たちは生の明るみへと突き抜けていく。長編700枚。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    安東次男
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    現代詩の前衛にして、加藤楸邨を師と仰ぐ俳人。また、芭蕉、蕪村、藤原定家の独創的評釈で知られる古典探究者。昭和46年から48年、芭蕉の連句評釈に心魂を傾ける傍ら、二巡りする四季に寄せて万葉から現代俳句まで、秘愛の歌へのオマージュを「季節のうた」として書き続けた。俗解を斥け、鍛えぬかれた言葉で読み解く103篇の短章は、正に「秋水一閃」の達人の技を思わせる。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで

    仏文学が専門の学者・評論家であり、遊びや風俗から日本文化を独自に見つめていた多田道太郎は、私小説をこよなく愛していた。孤高の域にある、その語り口は軽妙かつ深遠で、「葛西善蔵の妄想」「諧謔の宇野浩二」「飄逸の井伏鱒二」「飄飄太宰治」と題された圧巻の文学評論4篇で、新たな視点から日本の私小説の真髄に迫る。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    大岡昇平
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    歴史小説、推理小説は「文学」に値するのか? ――大衆文化の隆盛とともに、文学の世界においても、大衆小説や中間小説が文壇の主流へと登場しつつあった1960年代初頭。こうした流れを、純文学にとってかわるものとして擁護する批評家の言も含め、歴史小説や推理小説の実体を根底的に批判した、ポレミックな文学論。<『蒼き狼』論争>となった井上靖への批判、深沢七郎の『風流夢譚』批判、松本清張批判など、スリリングな文芸時評16篇。
    「昨年中から大衆文学、中間小説の文壇主流進出を認容する論調があった。現象自体は現代の大衆文化進展の一環であり、別に不思議もないが、われわれの伝統や世界文学史に基いた文学の理念をこわしてまでこれを擁護しようとする批評家が一部にあった。(略)私はそれらに対して、文学の原理を争うのではなく、諸君の礼拝している淫祠邪教の実体はこれなのだ、と摘発する方法によった。」(「序」より)
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    中沢けい
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    二十歳前後の3人の女性たちが織りなす日常の風景――大学夜間部に通う主人公と、二人の女ともだち。私は、10代で書いた小説で賞を受け、嘘のような生活をしていたが、そこに高校の後輩・隆子が転がりこむ。若い女性たちの生々とした光と影を見事に描ききり、「海を感じる時」で衝撃的なデビューを飾った著者の豊かな感性が弾けた中篇小説。短篇「アジアンタム」も収録。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    庄野英二
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    戦地における命あるものの美しさと儚さ――作家・庄野潤三の兄で、数多くの児童文学作品を世に残した著者が、従軍した中国や東南アジアで胸に刻まれた命あるものの美しさ、尊さ、儚さを、異国情緒をまじえて綴った初めての随筆集。戦中の思い出と戦後の日本、欧州とが絡まり、作者自らが「何よりも愛着深い作品」と述懐した、エッセイストクラブ賞受賞の名作。児童文学の大家である著者が、従軍した際の経験をまとめた名随筆集にして、弟の庄野潤三をして「英ちゃんのいちばんの名作」と言わしめた作品。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    井上光晴
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    原子力発電所をかかえる閉鎖的な地域社会のなかで起きた一件の不審火。原発の危険性と経済的依存との葛藤を劇的に描きつつ、〈原爆文学〉と〈原発文学〉とを深く結びつけた記念碑的労作「西海原子力発電所」。チェルノブイリ原発事故を受け、核廃棄物輸送事故による被爆と避難生活がもたらした生活の破壊と人間の崩壊を予言した「輸送」。3・11でフクシマ原発事故を経験した現在から、先駆的〈核〉文学はいかに読み解かれるか。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    大岡昇平
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    「目がくらむような出会い」と交遊――小林秀雄、中原中也、三好達治、桑原武夫、そして「スタンダール」との邂逅。混沌とした青春の放浪時代を出発点に、戦争・戦場・俘虜という「経験と意味」を確認すべく、図らずも小説家として世に出た文学的生涯。常に、文学・政治などすべてに閃めく大岡昇平の鮮烈な「眼」。著者の小説・評論の原点と「志」を語る名エッセイの数々。小説家にして優れた批評家でもあった大岡昇平、珠玉のエッセイ集!
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    遠藤周作
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    作家としての精神を育んだフランス留学時代の内的記録――1950年6月、第1回カトリック留学生として渡仏し、1953年2月、病によって帰国するまでの2年7ヵ月の、刺すような孤独と苦悩に満ちた日々。異文化の中で、内奥の〈原初的なもの〉と対峙して、〈人間の罪〉の世界を凝視し続けた、遠藤周作の青春。作家としての原点を示唆し、その精神を育んだフランス留学時代の日記。
  • 「人間の存在的な渇望は現実以上に真実である」――我々の現代と西欧の現代、その背後に脈々と流れる、我々が「本能的」に持つ汎神的血液と西欧の一神的血液。生涯のテーマ「日本人でありカトリックであること」を追求する、著者の最初のエッセイ「神々と神と」をはじめ、遠藤文学を確立した昭和40年代までを新編成。文学と信仰の原点と決意を語る熱きエッセイ。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    大岡昇平
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    ファブリスを中心にみれば、『パルムの僧院』は宛然一個の冒険小説である。―――スタンダールに魅了され、それを終生問い続けた当代屈指のスタンダリアン=大岡昇平。綿密な探究と思考、対象を徹底的に見極めようとするダイナミックな意志。鮮明な自己認識の大いなる軌跡を示す〈スタンダール論〉34篇を収録した決定版。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    広津和郎
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    明治・大正・昭和の文学的追想。ことに大正から昭和の時代風俗、文壇の裏面史をぎっしりと埋め込み、芥川龍之介をはじめ同時代の作家の風貌をいきいきと捉えた、自伝的文壇回想録。正篇を上下二巻に編集、上巻には大正4年終生の友人・宇野浩二との親交を深めた三保松原の旅行、父・柳浪が病気療養のため東京から知多半島師崎に転ずる前後までを収録。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作品。<上下巻>
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    広津和郎
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    文芸評論家となる切っかけとなった「洪水以後」入社前後から、小説を書き始めた頃の滝田樗陰との出会い、尾崎士郎、宇野千代との大森馬込時代、関東大震災後の市井の不穏、プロレタリア文学抬頭期の本郷菊富士ホテル周辺、畏友・宇野浩二の病、芥川龍之介の自殺、葛西善蔵の死、父・柳浪の他界など、自伝的要素を加えた屈指の文壇回想録。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作品。正篇上下2巻完結。
  • 498(税込) 2024/5/30(木)23:59まで
    著:
    広津和郎
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    野間文芸賞受賞作『年月のあしおと』の続篇。父・柳浪のことから筆をおこし、五・一五事件、二・二六事件、太平洋戦争へと傾斜する、暗鬱な時代を背景に、昭和初年前後から敗戦までの苦悩を生きた作家たちとの交流やX子とのことなど、著者の辛い記憶を鮮やかに描く、自伝的文壇回想記。85項上下2巻。上巻には「菊池寛の率直さ」「愛国心とニヒリズム」ほか、47項までを収録。

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