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『歴史、グーテンベルク21』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全164件

  • 幕末期の激動時代、ハリスは下田の玉泉寺に設けられた米国領事館に初代駐日領事として赴任した。彼は日本到着前日の日記に記している。「私は、文明国から日本に派遣される最初の公認の代理者となるであろう。このことは、私の生涯に一つの時期をかくするとともに、日本における新しい秩序の発端となるであろう。私は日本と、その将来の運命について書かれるところの歴史に名誉ある記載をのこすように、私の身を処したいと思う」ハリスは言葉どおりの活躍をみせ、ついに2年後、日米修好通商条約の締結に結実する。自身はその後、舞台から退くが、この間に記した詳細な日記が本書だ。日米交渉の虚々実々のやりとりのみならず、当時の日本人の暮らしのはしばしがうかがわれる貴重な記録である。翻訳者坂田氏による日本側記録の併載が臨場感を増している。
  • 幕末期の激動時代、ハリスは下田の玉泉寺に設けられた米国領事館に初代駐日領事として赴任した。彼は日本到着前日の日記に記している。「私は、文明国から日本に派遣される最初の公認の代理者となるであろう。このことは、私の生涯に一つの時期をかくするとともに、日本における新しい秩序の発端となるであろう。私は日本と、その将来の運命について書かれるところの歴史に名誉ある記載をのこすように、私の身を処したいと思う」ハリスは言葉どおりの活躍をみせ、ついに2年後、日米修好通商条約の締結に結実する。自身はその後、舞台から退くが、この間に記した詳細な日記が本書だ。日米交渉の虚々実々のやりとりのみならず、当時の日本人の暮らしのはしばしがうかがわれる貴重な記録である。翻訳者坂田氏による日本側記録の併載が臨場感を増している。
  • 幕末の万延元年(1860年)、日米修好友好条約批准のために、幕府は77人からなる大規模な使節団をアメリカへ派遣した。正使・新見(しんみ)豊前守、副使・村垣(むらがき)淡路守、監察・小栗(おぐり)豊後守であったが、役人、多数の従者、勘定方、目付方、医師、まかない方などまで同道した。年齢は30代前半くらいが最も多かった。この珍客を迎えて、アメリカは国をあげての大騒ぎ、歓迎の嵐だった。一行は臆することなく行動し、珍談奇行の数々を披露、そこには初めて触れる西洋文明への素朴な驚きと巧まざる批判も生まれた。だが、帰国した故国の風は冷たかった。一行を送り出した井伊大老は暗殺され、この痛快無類の親善旅行の成果も、時代の大波にのまれてしまった。本書は村垣淡路守の子孫、服部逸郎が長年をかけてまとめた行状記で、多くの図版とともに忘れられた歴史の1ページがありありと眼前によみがえる。
  • 世紀末ウィーンで多くの詩人、作家、音楽家たちの作品に親しんだツヴァイクは、ウィーン大学を卒えてベルリン大学に学び、パリ、ロンドンをはじめ、各国を旅行しながら知識人との交流に精をだす。少年時代に出会ったホーフマンスタールの衝撃にはじまり、リルケ、ヴェルハーレンとの交友、二つの大戦の同時代人であったロラン、ジイド、ヴァレリー、トーマス・マン、バルトーク、フロイト、ゴーリキーら知識人との回想を織り交ぜつつ、彼はヨーロッパの知性と文化を信奉する、よき意味での汎ヨーロッパ精神を具現する。だが、「私が物語るのは、私の運命ではなくて、ひとつの世代全体の運命である」彼はこのように記した2年後、ブラジルの寓居でみずからの命を絶った。ツヴァイクの事跡は世界史そのもののドキュメントとなり、ヨーロッパ文化のひとつの終焉をつげるものともなった。
  • 世紀末ウィーンで多くの詩人、作家、音楽家たちの作品に親しんだツヴァイクは、ウィーン大学を卒えてベルリン大学に学び、パリ、ロンドンをはじめ、各国を旅行しながら知識人との交流に精をだす。少年時代に出会ったホーフマンスタールの衝撃にはじまり、リルケ、ヴェルハーレンとの交友、二つの大戦の同時代人であったロラン、ジイド、ヴァレリー、トーマス・マン、バルトーク、フロイト、ゴーリキーら知識人との回想を織り交ぜつつ、彼はヨーロッパの知性と文化を信奉する、よき意味での汎ヨーロッパ精神を具現する。だが、「私が物語るのは、私の運命ではなくて、ひとつの世代全体の運命である」彼はこのように記した2年後、ブラジルの寓居でみずからの命を絶った。ツヴァイクの事跡は世界史そのもののドキュメントとなり、ヨーロッパ文化のひとつの終焉をつげるものともなった。
  • 770(税込)

    江戸時代、幕府から俸禄を蔵米として受け取る旗本や御家人は、浅草の蔵前にあった幕府の米蔵から配給を受けることになっていた。しかし彼らのほとんどは、その地に店を構える札差にその仕事を頼んだ。札差は蔵米の換金、運搬の手数料を取り、のちには蔵米を担保に金を貸し、利息を取った。やがて彼らは巨富を蓄え、なかには十八代通と呼ばれるような金満家をも輩出して、江戸の経済を牛耳るようにさえなった。この札差の実態を詳述した「札差考」のほか、米価の変遷や米問屋による相場の壟断等を考証した「米価の話」など、江戸庶民や武家の生活を経済面から探った6編を収録した鳶魚江戸ばなし続編。
  • 矢田挿雲(やだそううん)の東京歴史散歩第七巻。本巻は「深川区(下)」で、花柳気質の粋をもって任じた辰巳芸者からはじまり、娘義太夫の流行、折からの天保改革に絡んでの『春色梅暦』の為永春水と『偐紫田舎源氏』の柳亭種彦と、遠山左衛門尉(金さん)とのかかわり、『江戸繁昌記』の寺門静軒の江戸払いなどにおよぶ。深川芸妓巳之吉と火消し元右衛門の話、遠島ゆかりの万年橋、間宮林蔵、女の髪風俗、日本左衛門、首切り朝右衛門ときて、最後に深川江戸ッ子の風俗と生活を縦横に物語る。本巻の表紙は北斎画「絵本隅田川両岸一覧」の「無縁の日中」である。
  • 矢田挿雲(やだそううん)の東京歴史散歩第九巻。掉尾をかざる本巻は関東大震災で中断を余儀なくされた「江戸から東京へ」を補完する4編からなる。「江戸の成るまで」は全体の巻頭におくにふさわしい内容。「三日コロリ雑記」は新型コロナ蔓延の今年(2020年)に復刊するのが不思議な縁ともいえる昔日のコロナ騒動記である。つづく「江戸から東京への地震ごよみ」も現代への多くの教訓に富んでいる。最後は「灰燼に帰した江戸名所」で、表題どおりに震災で消滅した場所を、数多くの写真とともに克明に物語る。本巻の表紙は北斎画「絵本隅田川両岸一覧」の「高輪の明烏」である。
  • 矢田挿雲(やだそううん)の東京歴史散歩第六巻。本巻は「向島・深川区(上)」で、向島は隅田川の源からはじまり、向島の桜、三囲神社縁起、長命寺と言問団子、白鬚神社、百花園の堂摺連、小松島の由来、木母寺と梅若塚、糸平のこと、鐘ヶ淵と水神の森、成島柳北の四顧皆花楼、幕末から明治期の新聞の消長まで、深川区は富岡八幡宮と祭礼からはじまり、永代橋墜落の椿事、横綱碑、深川不動、紀文と奈良茂を経て、芭蕉庵の跡とその詳しい足跡をたどり、瀟洒な江戸趣味の世界を漫歩する。本巻の表紙は北斎画「絵本隅田川両岸一覧」の「大川橋の月」である。
  • 矢田挿雲(やだそううん)の東京歴史散歩第八巻。本巻は「小石川区」で、後楽園を中心に、徳川頼房、水戸光圀(黄門)にまつわるかずかずのエピソードからはじまり、将軍綱吉の生類憐みの令や犬の国勢調査などを記し、そのあと坂の多い小石川を探訪、切支丹屋敷の記述から切支丹殉教史を詳述、鳶坂、胸突坂とたどったあと、白山下に出て、幕末から大正期まで多くの学者を輩出した箕作阮甫の業績を記す。伝通院、白山御殿、小石川植物園を経て、本念寺ゆかりの大田蜀山人の奇才を記して巻をとじる。本巻の表紙は北斎画「絵本隅田川両岸一覧」の「大橋の網引」である。
  • 矢田挿雲(やだそううん)の東京歴史散歩第四巻。本巻は「本所区(上)」で、回向院、鼠小僧、京伝と京山、竹本義太夫などの話から、吉良屋敷にのこる赤穂浪士義挙の跡、さては、おいてけ堀、斬られ地蔵、牡丹燈籠、本所七福神の由来など数々の伝説を語り、話は大奥の暮らし向き、行事等に及ぶ。三遊亭円朝や蘭学の話も興味深い。本巻の表紙は北斎画「絵本隅田川両岸一覧」の「新柳橋の白雨・御竹蔵の虹」である。
  • 矢田挿雲(やだそううん)の東京歴史散歩第二巻。本巻は「浅草区(上)」で、浅草海苔から始まって、浅草寺、仲見世、蔵前の札差、町奴、首尾の松、駒形堂、水茶屋の女と江戸町人の暮らしをたどり、山谷堀、道哲寺をへて吉原にはいり、花魁道中や遊女のさまざま、遊廓の変遷を物語って、江戸の華やかな生活を生きいきと描きだす。本巻の表紙は北斎画「絵本隅田川両岸一覧」の「御船蔵の柳・広小路の群集」である。
  • 矢田挿雲(やだそううん)の東京歴史散歩第五巻。本巻は「本所区(下)」で、蘭方医伊東玄朴の活躍を始めに、シーボルト事件、ペリーやプーチャチンらのあいつぐ外国使節の来朝、吉田松陰の密航事件、唐人お吉、ジョン万次郎の話など、風雲急を告げる幕末の世相と堀田正弘、川路聖謨らの幕吏の対応を描く。また本所に縁の深い歌川派の浮世絵師らの活躍を記し、縛られ地蔵から亀戸天神にまつわる縁起や伝説に説きおよぶ。本巻の表紙は北斎画「絵本隅田川両岸一覧」の「駒形の夕日栄・多田薬師」である。
  • 本書は明治15年(1882)金沢生まれの矢田挿雲(やだそううん)が、1920~23年(大正9~12年)に「報知新聞」に連載した東京歴史散歩で、全9巻からなる。大正12年の関東大震災で瓦礫と化した街を見て、連載は中止となったが、江戸の面影が濃厚に生きていた当時の街と風俗を生き生きと物語る稀有な見聞記。綿密な考証を加えた豊富なエピソードが軽妙な筆でつづられる。第一巻は、築城当時の江戸から説きおこし、鹿鳴館、丸の内、越後屋、日本橋、福沢塾、湯島天神、丸橋忠弥、上野公園、寛永寺、笠森お仙と、麹町から神田・日本橋・京橋・本郷・下谷までをめぐる。各巻表紙を飾るのは葛飾北斎の「絵本隅田川両岸一覧」で本巻は「三俣の白魚」である。
  • 矢田挿雲(やだそううん)の東京歴史散歩第三巻。本巻は「浅草区(下)」で、納涼船と吾妻橋から始まり、馬道、浅草寺の秘仏、名物餅、蔵前あたりにのこる史蹟をあらためてたどる。そのあと、北斎、広重、歌麿、清長らの浮世絵師たちの日常や、黙阿弥、蜀山人らのエピソード、はては侠客、新門辰五郎の逸話や市井の事件など、江戸下町の庶民の暮らしを生きいきと描く。本巻の表紙は北斎画「絵本隅田川両岸一覧」の「橋場の田家・隅田の都鳥」である。
  • いわゆる「建武の中興」とよばれる新政権の成立とともに、護良親王と足利尊氏の対立が表面化する。公家らと、倒幕運動に参加した武士階級との利害の対立が原因であった。この争いは尊氏の勝利に終り、後醍醐天皇は吉野に行宮をかまえて、南北朝時代という天皇並立時代が現出する。両者の対立は新田義貞と尊氏の、武士の棟梁権をめぐる争いに発展し、まず湊川の合戦で楠木正成が戦死する。のち義貞も都へ還れぬままに無惨な死をとげ、吉野山中で後醍醐天皇も崩御する。高師直の北朝軍は四条縄手の合戦で楠木正行の南朝軍を破り、正行は弟と刺し違えて果てた。
  • 1,320(税込)
    訳者:
    山崎正和
    レーベル: ――

    動乱の南北朝時代を描いた軍記物語。この巻は後醍醐天皇による鎌倉幕府を倒す計画から始まる。全国の群小武士の蜂起によって倒幕の気運が高まり、足利高氏(尊氏)の参加によって京都における幕府政務の中心、六波羅探題が亡びる。続いて新田義貞を中核とする関東武士中心の勢力によって九代におよぶ北条政権は一挙に崩壊する。宮方の実質的統轄者である護良(もりよし)親王、楠木正成の活躍も語られる。天皇側近の俊基(としもと)朝臣の東下りの道行文の名文も巻二に収められている。太平記はとくに江戸時代には「太平記読み」によって武士・庶民のあいだに盛行した。
  • 俗説のなかに埋没している柳沢騒動をほりおこし、客観的な歴史の光をあてて再生したユニークな作品。作者は史実のなかにふかくふみこんで、丹念に素材を洗い出し、そこから当時の時代色をみごとに再現してくれる。将軍綱吉も、柳沢吉保も、牧野成貞も、また水戸光圀も、納得のゆく人物像として造型されている。海音寺の戦前の代表作の一つであり、戦後の「武将列伝」や「西郷隆盛」等に代表される歴史大作につながる作品。
  • 臆病者とさげすまれた間宮織部は、息子・和三郎に「武士」の心を打ち明けて死ぬ。後日、若殿のお供をした和三郎は、父の汚名を晴らす…「武道伝来記」。秀吉の妻妾たちの二派に分かれた争いに巻き込まれた千利休の娘お吟(ぎん)の悲劇と、芸術界の雄、千利休と俗界の雄秀吉とを対比させて描いた「天正女合戦」。海音寺潮五郎の直木賞受賞作2編を収めた。
  • 避雷針の尖端に大気全体の電気が集中するように、多くの事象の充満が、きわめて短い時間の中に集積される歴史の瞬間がある。そんな瞬間は、一個人の生活、一国民の生活を決定するばかりか全人類の運命の径路を決めさえもするのである。著者はそれを「星の時間」となづけた……「初めて太平洋を見た男」「トルコによるビザンチンの奪取」「ラ・マルセイーズの作曲」「ナポレオンのウォーターローの敗戦」「ロシア革命におけるレーニンの封印列車」など運命的な12の時刻を描くツヴァイク晩年の名作。
  • 武蔵を討ち取るべく、吉岡一門は総がかりであった。一乗寺村下り松で、迎える吉岡方は七十余人。武蔵には、百にひとつも生き残る道はない。疾風の如き敏捷さで、敵線を突破するだけだ。一方、魔神の燕斬りを会得した佐々木小次郎は…
  • 江戸幕府もようやく安定期に入った享保年間。将軍跡継ぎ問題の宿怨から、八代将軍吉宗と尾張の徳川宗春(むねはる)はことごとに対立した。綱紀を粛正し倹約を命ずる吉宗の政策を馬鹿にするように、大勢の供を連れて遊廓に通い、城下で芝居・遊興を催す宗春であった。江戸時代随一の風流大名、尾張宗春の豪胆奔放な半生を活写した長編時代小説。
  • 三歳にして眼前で両親を殺された幼き武蔵。三尺の小さな躰に、憎しみと怒りがみなぎる。敵を討つためには、強くならねば…。幼少にしてすでに兵法者の資質を持った彼は、想像を絶する修業に挑む。仇敵を倒し、新当流の使い手有馬喜兵衛と対侍して斬ってとる。この時わずか十三歳であった。果てることなき決闘者としての修業が続く…
  • 江戸には、十指にあまる剣豪が道場を構えていた。これらの一流の強者に挑戦するのが、武蔵の宿命であった。けれども、その前に宍戸梅軒を斬らねば。但馬守宗矩の柳生流を破り、佐々木小次郎と雌雄を決せねば。武蔵の血汐は湧きたつ。小次郎を余人の手で斬らせはしない。仕留めるのはこのおれだ。そして迎えた船島の朝…
  • 江戸時代、諸大名の家には多種多様なお家騒動があった。それぞれの騒動は、その藩独自の事情、武士の気質、関係諸人物の個性、そのときの時勢等の要素がからみあって出来した。海音寺潮五郎は鋭い人間観察、博い学識と精確な考証とを駆使して、どこまでもその真実の姿を追求する。この下巻では、越後・仙石・生駒・檜山・宇都宮・阿波の諸騒動をとりあげる。
  • 江戸時代、諸大名の家には多種多様なお家騒動があった。それぞれの騒動は、その藩独自の事情、武士の気質、関係諸人物の個性、そのときの時勢等の要素がからみあって出来した。海音寺潮五郎は鋭い人間観察、博い学識と精確な考証とを駆使して、どこまでもその真実の姿に肉薄する。上巻では、島津・伊達・黒田・加賀・秋田・越前の諸藩の騒動をとりあげる。
  • 城にもそれぞれ個性がある。岐阜城主はただ一人を除いてすべて非業の死をとげている、小田原城の歴史は震災史ともいうことができ、姫路城には女のからんだ秘話が多い。南は熊本城から、高知城、姫路城、大阪城、岐阜城、名古屋城、富山城、小田原城、江戸城、会津若松城、仙台城、北は函館五稜郭まで、12の名城にまつわる史話を歴史文学の第一人者であった著者が縦横に語った興趣つきない作品。
  • 幕末動乱の時代、勤王か佐幕か、攘夷か開国か、それぞれの立場は異なっても、激変する世相の中であくまでも己が志に忠実であろうとした維新期の人物群像を活写。その苛烈な生き様を、著者は極限まで潤色を排した筆致で鮮やかに描き上げる。上巻では有馬新七、平野国臣、清河八郎、長野主膳、武市半平太、小栗上野介の6人を、下巻では吉田松陰、山岡鉄舟、大久保利通のほか、田中新兵衛、岡田以造、河上彦斎の3人の刺客を取り上げる。綿密な実証に基づく海音寺潮五郎の「史伝」文学は、司馬遼太郎を始め多くの後進作家に大きな影響を与えた。
  • 幕末動乱の時代、勤王か佐幕か、攘夷か開国か、それぞれの立場は異なっても、激変する世相の中であくまでも己が志に忠実であろうとした維新期の人物群像を活写。その苛烈な生き様を、著者は極限まで潤色を排した筆致で鮮やかに描き上げる。上巻では有馬新七、平野国臣、清河八郎、長野主膳、武市半平太、小栗上野介の6人を、下巻では吉田松陰、山岡鉄舟、大久保利通のほか、田中新兵衛、岡田以造、河上彦斎の3人の刺客を取り上げる。綿密な実証に基づく海音寺潮五郎の「史伝」文学は、司馬遼太郎を始め多くの後進作家に大きな影響を与えた。
  • 官軍を率いて勇躍江戸に入った西郷隆盛、動揺する徳川慶喜と幕閣のあいだにあって和平の道を探る勝海舟。両者が対峙した二日間は、その後の日本の行方を決定づけた。幕末動乱の頂点で実現した史上最高の名場面の、千両役者どうしの息詰まるやりとりと、そこに至るまで、そこを経てからの歴史の歩みを、的確な資料を駆使して浮かび上がらせた、傑作長編。
  • 家康の女性関係を扱った「神君(しんくん)御寵女十七人」「甲州の女狩り」を中心にして、「春日局の焼餅戦争」、家光の男寵に触れた「家光の初恋」「月夜の三代将軍」、吉宗の素行不良を考証した「不良将軍吉宗」などのほか、綱吉・家慶ら、徳川将軍と周辺の性をめぐる隠れた私生活を描く「鳶魚江戸ばなし」。かつて「公方様の話」としてまとめられた底本の復刊。
  • この下巻では、ペルシア戦争の顛末に最も多くの筆がさかれる。「マラトン戦役」「テルモピュライの戦い」「サラミスの海戦」をへて「プラタイアの戦い」で雌雄が決するまで、歴史を大きく動かした戦いの詳細が、ペルシアのダレイオス、クセルクセス、ギリシア軍のレオニダス1世らの行動とともに描かれる。
  • この書は、人間の功業が時のたつうちに忘れ去られるようなこと、また、ギリシア人と異邦人によって示された驚嘆すべき偉業が顧みられなくなるようなこと、特に、彼らが互いにしのぎを削るに至った原因が不明になるようなことがないようにするために発表するものである──「歴史の父」ヘロドトスは巻頭にこう記し、紀元前5世紀のアケメネス朝ペルシアと古代ギリシア諸ポリス間の戦争(ペルシア戦争)を中心に、小アジア、エジプトをはじめ、オリエント世界各地の歴史・風俗・伝説を豊饒絢爛な見聞記としてまとめた。この上巻では、ペルシアの勃興と覇権の確立、「エジプトはナイルのたまもの」という有名な言葉で知られるエジプトの地誌、スキタイ人の生活習慣などが興味深く描かれる。エドワード・ボーデンの親しみを増すイラストを多数収録。
  • 天保に生まれ昭和まで生きた、唯一の大名生活経験者、もと広島藩主の浅野長勲(ながこと)侯の貴重な聞書きにはじまり、武士道にたいする独自の見解を示した「武士道についての話」、大名気質を探った「殿様の研究」、大名の経済問題を探った「お大名の蔵入り」、さらには「武家の暮し向き」「御家人生活を説明する古着屋」など、興味深い十六編を収録した独自の「武家生活事典的」論考。
  • おなじみ神田お玉が池に住まいをかまえる人形佐七に焼き餅焼きの女房お粂、手先をつとめる辰と豆六。どれを読んでも絢爛と繰り広げられる横溝正史の世界!
  • おなじみ神田お玉が池に住まいをかまえる人形佐七に焼き餅焼きの女房お粂、手先をつとめる辰と豆六。どれを読んでも絢爛と繰り広げられる横溝正史の世界!
  • おなじみ神田お玉が池に住まいをかまえる人形佐七に焼き餅焼きの女房お粂、手先をつとめる辰と豆六。どれを読んでも絢爛と繰り広げられる横溝正史の世界!
  • おなじみ神田お玉が池に住まいをかまえる人形佐七に焼き餅焼きの女房お粂、手先をつとめる辰と豆六。どれを読んでも絢爛と繰り広げられる横溝正史の世界!
  • 「親分ッ」飛込んで来たのは、ガラッ八の八五郎でした。「何というあわてようだ。犬を蹴飛ばして、ドブ板を跳ね返して、格子をはずして、――相変らず大変がびっこ馬に乗って、関所破りでもしたというのかい」平次は朝の陽ざしを避けて、冷たい板敷をなつかしむように、縁側に腹ん這いになったまま、丹精甲斐のありそうもない植木棚を眺めて、煙草の煙を輪に吹いておりました。…平次とガラッ八との絶妙なコンビが織りなす江戸の風物詩。「捕物仁義」「禁制の賦」「忍術指南」「二人浜路」の4編を収録。
  • 「仏《ほとけ》喜三郎」「桐の極印」「浮世絵師」「お舟お丹」「針妙《しんみょう》の手柄」の5編を収める平次シリーズ続編。「親分、変な奴が来ましたよ」ガラッ八の八五郎は、長《な》んがい顎《あご》を鳶口《とびぐち》のように安唐紙へ引っ掛けて、二つ三つまたたきをして見せました。「お前よりも変か」なんという挨拶でしょう。平次はこんなことを言いながら、日向《ひなた》にねそべったまま、粉煙草をせせっているのです…「桐の極印」より。
  • 「親分、凄いのが来ましたぜ。ヘッ」「何が来たんだ。大家か借金取りか、それともモモンガアか」庭木戸を弾《はじ》き飛ばすように飛び込んで来たガラッ八の八五郎は、相変らず縁側にとぐろを巻いて、閑々《かんかん》と朝の日向を楽しんでいる銭形平次の前に突っ立ったのです。「そんなイヤな代物《しろもの》じゃありませんよ。その辺中ピカピカするような良い新造」「馬鹿だなア、涎《よだれ》でも拭きなよ、みっともない、お客様なら大玄関から通すんだ。いきなり木戸を開けて、バァと長んがい顎《あご》を突き出されると、肝《きも》をつぶすじゃないか」……お馴染み平次とガラッ八。
  • 作者の岡本綺堂は半七老人のことを「江戸時代における隠れたシャーロック・ホームズであった」と書いた。「半七捕物帳」は日本の探偵小説、時代推理小説の正真正銘のルーツである。本巻には「かむろ蛇」「河豚太鼓(ふぐだいこ)」「幽霊の観世物」「菊人形の昔」「蟹(かに)のお角(かく)」の5編収録
  • 「いやもう、驚いたの驚かねえの」八五郎がやって来たのは、彼岸過ぎのある日の夕方、相変らず明神下の路地いっぱいに張り上げて、走りのニュースを響かせるのでした。「なにを騒ぐんだ、ドブ板の蔭から、でっかいミミズでも這い出したというのか」平次は昼寝の枕にしていた、三世相大雑書を押し退けると、不精煙草の煙管《きせる》を取り上げます。「そんな間抜けな大変じゃありませんよ、いきなり頭の上から、綺麗な新造が降って来たらどうします、親分は?」「ヘエ、不思議な天気だね、三世相にも今年は新造や年増が降るとは書いてなかったが…」
  • 「二人(ににん)女房」「白蝶怪(はくちょうかい)」の2編を収録。後者は全作品69編の掉尾をかざる最も長い重厚な作品である。
  • 「御免」少し職業的に落着き払った声、銭形平次はそれを聞くと、脱いでいた肌(はだ)を入れて、八五郎のガラッ八に目くばせしました。生憎きょうは取次に出てくれる、女房のお静がいなかったのです。「ヘッ、あの声は臍(へそ)から出る声だね」ガラッ八は頸(くび)を縮(すく)めて、ペロリと舌を出しました。「無駄を言わずに取次いでくれ」…お馴染み平次とガラッ八。
  • 「親分、何をしていなさるんで?」ガラッ八の八五郎は、庭口からヌッと長んがい顎を出しました。「もう蟻《あり》が出て来たぜ八、早いものだな」江戸開府以来と言われた名御用聞き、銭形平次ともあろう者が、早春の庭にしゃがんで、この勤勉な昆虫の活動を眺めていたのです。…この「買った遺書」ほか、「痣《あざ》の魅力」「雪の精」「くるい咲き」の4編を収録。
  • 「八、遊びに行こうか」平次もたまにはこんなこともありました。お小遣いはふんだんにあり、差し迫っての仕事はなし、隅田川を渡って、堀切あたりの菖蒲《しょうぶ》でも眺め、ヨシキリの声でも聴いて、田園趣味にでも浸ろうかと思ったのでした。相棒には八五郎があり、帰りに一杯きこし召せば、それで文句を言う八五郎ではありません。「そいつはありがたいが、親分、大変なことが始まったんで」八五郎はまだ朝飯前と見えて、寝ぼけた顔を二階から差しのぞかせました。「お前の大変が来ないので、江戸は淋しくてかなわないよ、どうしたんだ八」…平次とガラッ八との絶妙なコンビが織りなす江戸の風物詩。
  • 日本の探偵小説、時代推理小説の正真正銘のルーツ。本巻には「青山の仇討(かたきうち)」「吉良(きら)の脇指(わきざし)」「歩兵の髪切り」「川越次郎兵衛」の4編を収録
  • 「ヘッヘッ、親分、今晩は」ガラッ八の八五郎、箍《たが》のはじけた桶《おけ》のように手のつけようのない笑いを湛《たた》えながら、明神下の平次の家の格子を顎で平次に言わせると開けて入るのでした。それは両の手で弥蔵《やぞう》をこしらえて、格子をまともに開けられるはずはないからだというのです。五月のある日、爽《さわ》やかな宵、八が来そうな晩でしたが、お仕着《しき》せの晩酌を絞って、これから飯にしようという頃になって、ようやく個性的な馬鹿笑いが、路地の闇をゆさぶるのでした。
  • 「おっと、待った」「親分、そいつはいけねえ、先刻待ったなしで行こうぜと言ったのは、親分の方じゃありませんか」「言ったよ、待ったなしと言ったに相違ないが、そこを切られちゃ、この大石(たいせき)がみんな死ぬじゃないか、親分子分の間柄だ、そんな因業(いんごう)なことを言わずに、ちょいとこの石を待ってくれ」「驚いたなア、どうも。捕物にかけちゃ、江戸開府以来の名人と言われた親分だが、碁(ご)を打たしちゃ、からだらしがないぜ」…この 「名馬罪あり」のほか、「幽霊の手紙」「庚申横町」「迷子札」を収録。
  • 「八、なんか良い事があるのかい、たいそう嬉しそうじゃないか」「ヘッ、それほどでもありませんよ親分、今朝はほんの少しばかり寝起きがいいだけで――」ガラッ八の八五郎は、そう言いながらも湧き上がってくる満悦《まんえつ》を噛み殺すように、ニヤリニヤリと長んがい顎《あご》を撫で廻すのでした。「叔母さんからまとまったお小遣いでももらった夢をみたんだろう」「そんなケチなんじゃありませんよ、はばかりながら濡れ事の方で、ヘッ、ヘッ」「朝っぱらから惚気《のろけ》の売り込みかい、道理で近頃は姿を見せないと思ったよ」…この巻には「雪の夜」「雛の別れ」「娘の役目」「子守唄」「権三は泣く」の5編を収録。
  • 作者の岡本綺堂は半七老人のことを「江戸時代における隠れたシャーロック・ホームズであった」と書いた。「半七捕物帳」は日本の探偵小説、時代推理小説の正真正銘のルーツである。
  • 大久保彦左衛門の武士の心意気、堀部安兵衛をめぐる赤穂浪士異聞、ご落胤天一坊、ゆすりで名高い旗本河内山宗俊、有馬の猫騒動、五代将軍綱吉物語など、徳川三百年の歴史をいろどった武士と庶民の暮らしを描いた柴錬ならではの12話。
  • 神田錦町(にしきちょう)の古い呉服屋「甲州屋」の番頭喜兵衛が佐七のもとを訪れた。甲州屋の二十歳になる総領娘「錦町小町」のお松が身重になったので隔離しているところだが、その相手がだれかを捜してくれという奇妙な相談。それもそのはず、喜兵衛の話では、肝心の本人も、相手がどこのだれだかわからないのだという。この「くらやみ婿」のほか、「化け物屋敷」「雷の宿」「鶴の千番」「団十郎びいき」の5編を収録。
  • 夜遅く、深川の八幡前までの使いからの帰り道、辰と豆六は永代橋の上で点々とつづく血のしたたりを見つける。あとを追ってみると、ふらふらとおぼつかない足取りで行く籠から垂れている血だとわかり、酔っ払った籠かきを呼び止めて調べてみると、籠には匕首で胸をえぐられた年増女が乗っていた。…「鬼の面」より。
  • 佐七一家が近所に越して来た俳諧の師匠に弟子入りして連句をひねりはじめた。だが師匠の家にある池の中に鏡らしきものがあり、しかも幽霊が出るという。やがて師匠が殺されているのが見つかり、池の中からは千両箱と何者かの死体があがる…連句には謎がこめられていた…この「お玉が池」のほか、「ふたり後家」「三日月おせん」「狸ばやし」「若衆かつら」の5編を収めた。
  • 佐七は寄り合いの帰り道、「鶴亀」という比丘尼宿(びくにやど、売春宿)に御用聞き仲間と一緒にひやかしに立ち寄る。だがお姫という十七、八のきれいな女が「明晩、ひょっとすると大川端で人殺しがあるかもしれない」と佐七にささやく…この「比丘尼宿」のほか「万歳かぞえ唄」「神隠しばやり」「吉様まいる」「お俊ざんげ」の5編を収める。
  • 作者の岡本綺堂は半七老人のことを「江戸時代における隠れたシャーロック・ホームズであった」と書いたが、この「半七捕物帳」は日本の探偵小説、時代推理小説の正真正銘のルーツである。
  • 私はテレビや映画の時代劇で作られた誤った江戸のすがたを、本来の、ありしままの江戸に戻したい…時代考証の第一人者がつづる「江戸の面影」。上野・谷中・湯島・根津から御徒町・入谷・根岸の里まで。数多くの気の利いた川柳、俳句をちりばめた好個の読み物。
  • 「大奥といえば、何か妖艶で残忍な印象を受ける。そこは女ばかりの住む女人国で、嫉妬や陰湿な勢力あらそいが渦巻いている。寵愛を独占するために、相手を呪ったり毒殺したり、あまたの侍女によって黒髪地獄が現出する…」著者は「時代考証事典」「武家事典」などの多数の著書とテレビや映画の時代考証でよく知られる、その道の第一人者である。

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