『戦記、中公新書、0~10冊(新書)』の電子書籍一覧
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かつて「軍神」と呼ばれる存在があった。彼らは軍国主義的思潮の権化として意図的に生み出されたわけではない。日露戦争における廣瀬武夫少佐の例をみればわかる通り、戦争によって強まった日本人の一体感の中から、期せずして生み出されたのである。だが、昭和に入ると、日本人が共感できる軍神像は変化し、それは特攻作戦を精神的に支えるものとなる。本書は、軍神を鏡として戦前の日本社会の意識を照射する試みである。
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(上巻)1945年に第二次世界大戦が終わると大国の協調は崩壊し、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営による冷戦が始まった。ヨーロッパではドイツが東西に分断され、東アジアでは中国の国共内戦、朝鮮戦争という「熱戦」が勃発。さらに脱植民地化の潮流に米ソが介入し、冷戦は第三世界にも拡大した。上巻では、1962年のキューバ・ミサイル危機で核戦争寸前に至るまでを描く。世界的な視野から冷戦を俯瞰する通史。
(下巻)キューバ・ミサイル危機後、泥沼化するベトナム戦争が世界に衝撃を与えた。1960年代末から米中ソはデタント(緊張緩和)へ向かうものの、70年代末には再び対立が深まり「新冷戦」と呼ばれた。だが、その背後では西側経済の優位と東アジア経済の躍進により、第三世界の国々が社会主義を放棄しつつあった。そしてソ連にゴルバチョフが登場し、冷戦は終焉を迎えるが――。戦争と対立が続く現代に、冷戦は何を遺したのか。 -
連合国軍最高司令官として日本占領の責任者となり、日本人にとって最も印象深いアメリカ人の一人となったダグラス・マッカーサー。彼の考え方や行動を知ろうとしても、厚木飛行場に降り立ったとき以降を見ただけでは判明しないことが多い。本書では、父の代から関係の深いフィリピンとの関係、またコレヒドール島脱出時に同行した側近たちについて詳しく足跡を辿りながら、稀代の英雄の全貌を明らかにするものである。
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ペリー来航などの「西洋の衝撃」を受け、1855年に創設された幕府海軍。長崎海軍伝習、勝海舟らによる咸臨丸の太平洋横断航海、幕長戦争などを経て近代海軍として成長してゆく。鳥羽・伏見の戦いにより徳川政権は瓦解し、五稜郭で抵抗を続けた榎本武揚らも敗れて歴史的役割を終えるが、人材や構想などの遺産は明治海軍へと引き継がれた。歴史研究者・現役海上自衛官の二つの顔を持つ筆者が、歴史と軍事の両面から描く。
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大東亜共栄圏とは、第2次世界大戦下、日本を盟主とし、アジアの統合をめざす国策だった。それはドイツ・イタリアと連動し世界分割を目論むものでもあった。日本は「自存自衛」を掲げ、石油、鉱業、コメ、棉花などの生産を占領地に割り振り、政官財が連携し、企業を進出させる。だが戦局悪化後、「アジア解放」をスローガンとし、各地域の代表を招く大東亜会議を開催するなど変容し、迷走する。本書は、立案、実行から破綻までの全貌を描く。
目次
序 章 総力戦と帝国日本―貧弱な資源と経済力のなかで
第1章 構想までの道程―アジア・太平洋戦争開戦まで
第2章 大東亜建設審議会―自給圏構想の立案
第3章 自給圏構想の始動―初期軍政から大東亜省設置へ
第4章 大東亜共同宣言と自主独立―戦局悪化の1943年
第5章 共栄圏運営の現実―期待のフィリピン、北支での挫折
第6章 帝国日本の瓦解―自給圏の終焉
終 章 大東亜共栄圏とは何だったか -
日清戦争の結果、朝鮮王朝は清の「属国」から脱し大韓帝国を建国、皇帝高宗のもと独自の近代化を推進した。だが帝国日本は朝鮮半島での利権を狙い侵食。日露戦争下、日韓議定書に始まり、1904~07年に三次にわたる日韓協約によって外交・財政・内政を徐々に掌握し、10年8月の併合条約により完全に植民地化する。本書は日韓双方の視点から韓国併合の軌跡と実態を描く。今なお続く植民地の合法・不法論争についても記す。
<目 次>
序 章 中華秩序のなかの朝鮮王朝
第1章 真の独立国家へ―1894~95年
1 日清戦争の勃発
2 甲午改革
3 宗属関係の終焉
第2章 朝鮮王朝から大韓帝国へ―1895~97年
1 閔妃暗殺、露館播遷
2 「皇帝」即位の熱望
3 大韓帝国の成立
第3章 新国家像の模索―皇帝と知識人の協和と不和
1 独立協会の結成
2 皇帝のロシア接近と独立協会の反対
3 独立協会の強制解散
第4章 大韓帝国の時代―皇帝統治の現実と限界
1 儒教宗主の専制君主
2 皇帝国の文化
第5章 保護国への道程―日露戦争前夜から開戦のなかで
1 大韓帝国の外交
2 日韓議定書
3 第1次日韓協約の締結
第6章 第2次日韓協約の締結―統監府設置、保護国化
1 欧米の承認、皇帝への強要
2 調 印
3 ハーグ密使事件
第7章 大韓帝国の抵抗と終焉―1910年8月の併合へ
1 一進会と義兵運動
2 南北巡幸と伊藤博文の思惑
3 韓国併合条約の締結
終 章 韓国併合をめぐる論争―歴史学と国際法 -
一九三〇年代に満洲の地で、日本陸軍が関与し、モンゴル人へ軍事教育を施す目的で作られた興安軍官学校。日本の野心と中国からの独立を目論むモンゴルの戦略が交錯する中から生まれた場所だ。本書は軍事力により民族自決をめざすモンゴル人ジョンジョールジャブや徳王らの活動、軍官学校生らが直面したノモンハン戦争から敗戦にいたる満蒙の動向などを描く。帝国日本に支援され、モンゴル草原を疾駆した人びとの物語。
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