『ファンタジー、文春文庫(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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※2020年8月8日より、カバーが変更となりました。内容については変更ございませんので、ご注意くださいませ。
松本清張賞を最年少で受賞、そのスケール感と異世界を綿密に組み上げる想像力で選考委員を驚かせた期待のデビュー作は、壮大な時代設定に支えられた時代ファンタジー!
人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれの魅力を誇る四人は、世継ぎの座を巡る陰謀から若君への恋心まで様々な思惑を胸に后の座を競い合うが、肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。侍女の失踪、謎の手紙、後宮への侵入者……。峻嶮な岩山に贅を尽くして建てられた館、馬ならぬ大烏に曳かれて車は空を飛び、四季折々の花鳥風月よりなお美しい衣裳をまとう。そんな美しく華やかな宮廷生活の水面下で若宮の来訪を妨害し、后選びの行方を不穏なものにしようと企んでいるのは果たして四人の姫君のうち誰なのか? 若宮に選ばれるのはいったい誰なのか? あふれだすイマジネーションと意外な結末――驚嘆必至の大型新人登場!
解説・東えりか -
『神様の御用人』 浅葉なつの新作ファンタジーついに始動!
『古事記』からインスピレーションを得て生まれた「神」と「世界の謎」をめぐる壮大な物語。
★浅葉なつ先生による限定あとがき付き! ここでしか知れないキャラクター作成時の裏話が掲載されています。
(『神と王』あらすじ)
この世界に乱立する国々の中、古い歴史を持つ国・弓可留(ゆっかる)。
父の後を継ぎ、歴史学者として日々研究に励んでいた慈空(じくう)はあの日、すべてを失った。
他国の「神と歴史」を奪って肥大する隣国・沈寧(じんねい)が、弓可留の宮殿に攻め入って王族を殺し、信仰のよりどころである国の宝珠『羅の文書』を奪い去ったのだった。
命からがら逃げ出した慈空の前に、謎の二人組が現れ、ある「石」の在り処を問う。その石こそは、慈空が親友だった王子から託されたもの――弓可留のもう一つの宝珠「弓の心臓」だった。
「神はなぜ、国を見殺しにした?」
片刃の剣を持つ風天(ふうてん)、不思議な生物を手首に飼いならす日樹(ひつき)、そして行商集団・不知魚人(いさなびと)出身の瑞雲(ずいうん)らと交わり、信じていた世界が根底から覆ってしまいそうな日々の中で慈空は、『羅の文書』の奪還を決意する。
踏みにじられた故郷のため、亡き親友のため、そして――
構想に4年をかけ、緻密に作りこんだ設定、個性的なキャラクターたちが、誰も知らない魅惑の世界へと誘います!
●カバー画を担当するのは『キングダムハーツ』シリーズ『FF XIII』『グラブル』『Fate/GO』『NieR リィンカネ』等に携わったイラストレーターの岩佐ユウスケ氏。生き生きと躍動し、それぞれの信念を感じさせるキャラクター造形で『神と王』シリーズを盛り上げます。 -
横浜の神々のバトルロワイアル!?
第4回神奈川本大賞受賞の超絶エンターテインメント長篇登場。
ランドマークタワーの68階で、横浜の大神が「横浜大戦争」の幕開けを宣言。
横浜の“中心”を決めるべく、それぞれの区を司る“土地神”たちが、くんずほぐれつの戦いを繰りひろげる。
大洋ホエールズのユニフォームを着ている保土ケ谷の神を主人公に、戸塚・泉・栄の三姉妹。
それぞれ身勝手な鶴見や金沢や港南、港北・緑・青葉・都筑の擬似家族。
横浜中心部を司る中・西の姉弟などななど。
舞台は旧ドリームランド、山下埠頭、こどもの国などに展開し、驚くべき結末が待っている……。
巻末にはイラストによる「神々名鑑」も。
前代未聞にして空前絶後のエンタテイメント長編。
※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
“あやしの森”で出会ったのは、妖魔討伐を生業とする不思議な一族の青年だった
妖魔が蔓延(はびこ)る明治東京――。複雑な家に生まれ育った令嬢・深山奈緒は、失踪した友人を探すため不気味な噂の絶えない「あやしの森」に足を踏み入れる。そこで出会ったのは、不思議な一族の血を引いた青年・暁月当真だった。ひょんなことから奈緒は当真の嫁候補に選ばれ、共に妖魔がらみの事件を追うことに。恋愛ファンタジーの名手が贈る、浪漫綺譚シリーズの開幕!
カバーイラストは、『結界師の一輪華』などの装画を手がけるボダックスさんです。 -
奇妙な古道具が、さまよえる男女たちを導く
その古道具屋の店長から問答無用で買わされたモノが、客の人生を変える。間違いながら懸命に生きる人々を描く傑作長篇ファンタジー。 -
故郷に帰るバスに乗ったユーリが迷い込んだのは、
遠近の概念が狂った世界だった。
目の前に見えるものがそばにあるとは限らず、
屋外に出ると道に迷ってしまう。
奇妙な現象に苦しむ街の人々を救うため、
ユーリは「30センチのものさし」を手に立ち上がるが……。
ある日突然、非日常の世界に連れ去られる冒険ファンタジーの傑作。
※この電子書籍は二〇一八年十月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
三冠達成の傑作幻想小説!
・第69回芸術選奨文部科学大臣賞受賞
・第39回日本SF大賞受賞
・第46回泉鏡花文学賞受賞
ジャンルの概念を超えた驚くべき物語。
* * *
シブレ山の石切り場で事故があって、火は燃え難くなった。
シブレ山の近くにあるシビレ山は、
水銀を産し、大蛇が出て、雷が落ちやすいという。
真夏なのに回遊式庭園で大茶会が催され、
「火を運ぶ女」に選ばれた娘たちに孔雀は襲いかかる。
――「I 飛ぶ孔雀」
秋になれば、勤め人のKが地下の公営浴場で路面電車の女運転士に出会う。
若き劇団員のQは婚礼を挙げ、山頂の頭骨ラボへ赴任する。
地下世界をうごめく大蛇、両側を自在に行き来する犬、男たちは無事に帰還できるのか?
――「II 不燃性について」 -
「キミはもしかして、大切な人を亡くした経験があるのかい?」
昭和40~50年代の景色の中で語られる、涙腺決壊必至の物語。
若い日の罪が眠る、懐かしい町・琥珀。
当時と変わらない喫茶店「青猫」で僕は、この世でもっとも聞きたくない最悪のひと言を聞いた。
彼女と通った銭湯、名物コロッケサンド、赤い公衆電話、サンダーバードのプラモデル、そして妖精のような白い犬。
昭和40、50年代を舞台に繰り広げられる、ひとりひとりの切実な人生模様。追憶と感動の連作集
文庫化で大幅に修正加筆!
※この電子書籍は2016年11月に日本経済新聞出版社より刊行された単行本の文庫版を底本としています -
「僕はこの終わらない夜を生きていくしかないんだ」
残酷なのに柔らかで美しい。至高のアクションホラー!
作条痕のない窒息死体が連続で見つかった。
この殺人事件に、あの男は関与しているのか。
のちに何件もの大規模テロ事件を起こし、特殊能力を持つ「在色者」たちが派遣を争う「途鎖国」で、やがて犯罪者たちの王として君臨する男、神山。
神山が闇に目覚める瞬間を描く表題作など、傑作ダーク・ファンタジー『夜の底は柔らかな幻』へと続く鮮烈な作品集。
解説・白井弓子
※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
イケメンの貴公子と恋をしたい!
ドラマティック恋を求めて突き進む月冴姫とやんちゃな妖怪たちの王朝ファンタジー。
内大臣の美しい姫君・月冴姫は東宮の妃として入内を待つ身。
ある夜、屋敷の者が寝静まった頃、ひとり舞っていた月冴姫だが、ひとしきり舞い、休んでいると涙があふれて止まらない。
そこへ童子の姿をした天狗・外道丸が現れた。
入内する予定だった東宮が急死し、第二皇子が立太子されたが、御年まだ3歳。
入内まで10年あまり、恋もできず尼のような生活を送らなければならないので、毎日気分が滅入って仕方がない。
それが月冴姫の涙の理由だった。
「イケメンの貴公子と恋をしたい」と強く願う月冴姫の前に、妖怪たちが現れる。
化けるのが得意な狐の紫々、河童の猩々、鮫と人との間に生まれた人魚のような姿の鮫児……。
彼らの助けを借りながら、運命の恋に突き進んでいくヒロインの平安ファンタジー。
解説・木原敏江 -
日本SF大賞受賞の『華竜の宮』で人類滅亡の危機と闘いもがく人々を描き話題を呼んだ著者が、初めて紡ぐたおやかなる少女のビルドゥングスロマン&至高のファンタジー。
生態系が一変した未来の地球。その熱帯雨林の〈カナピウム〉と呼ばれる地上四十メートルの林冠部で少女は暮らす。
豊かなる生態系を誇る樹上には多彩な動植物が集まり、少女たちは彼らが発散する匂いを手がかりに、しなやかに樹上を跳び回る。一方で、彼方には銀糸のごとく煌く軌道が見え、森の住民には作れない先端テクノロジーも存在する。
ある日やってきた旅の者たち。そして森に試練が与えられる――。
解説・池澤春菜 -
妻の顔が、むかし捨てた女の顔になっていく!
平田篤胤「仙境異聞」の天狗小僧寅吉が見た人間の業、病理とは!?
妻と娘の3人で暮らすマイホーム。幸せを手にしたかに思えた俊男だが、いつしか希望は失われ……。
そんな時、妻の静佳の顔が変わっていることに気づく。整形を繰り返す静佳は、若い頃に捨てた女・あゆみとそっくりに!?
(表題作「貌孕み」)
幼い頃、天狗にさらわれ仙境で暮らした童子・天狗小僧寅吉こと嘉津間。
平田篤胤は嘉津間の話をまとめて「仙境異聞」を著したが、やがて嘉津間は忽然と姿を消した。
その15年後、嘉津間は再び篤胤の前に現れ、時空を超えた旅の中で見た、人間たちの深き業が渦巻く魔境の有様を語り始める――。
平田篤胤の「仙境異聞」に材を取り、現在の人間社会をあえて“魔境”と捉えた、著者ならではの超異色ホラー作品。
〔収録作〕「太祖墓陵」「猫女」「童翁」「鬼母神」「火札」「貌孕み」「妖魔」 -
郷愁を誘う大河的青春吸血鬼小説!
中国の山奥からきた吸血種族バンブーは人間そっくりだが若い姿のまま歳を取らない。
マフィアによる一家皆殺しから命を救われた少年は、バンブーとその相棒の3人で暮らし始めるも、
人間との同居は彼らの掟では大罪だった。
禁断の、だが掛けがえのない日々――。
郷愁を誘う計3篇からなる大河的青春吸血鬼小説。
【目次】
ちいさな焦げた顔
ほんとうの花を見せにきた
あなたが未来の国に行く
解説・金原瑞人 -
勝海舟が二人いた!? 小説家を目指して、歴史の謎に取り組む主人公は、師匠である大衆作家・長谷川竜五郎の家にせっせと通っている。ところが長谷川の美貌の夫人が、自邸でのパーティで惨殺される事件に遭遇する。……小説には、現実の殺人事件を解く鍵がいくつも隠されていた。奇抜な構成のため、これ以上詳細は書けない長篇「勝海舟の殺人」と文庫初登場の「日本のピラミッド殺人事件」を収録。作家生活35周年を記念して刊行された初の自選文庫選集の第1回配本という著者の自信作。
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ドリームタイムとは、オーストラリアの先住民族アボリジニの時間概念。スピリチュアルな世界における、時間の感覚みたいなものを指す言葉。ピエロ男、トイレの神様、フリーダ・カーロの女、乳房に紫色の肉の花が咲いているおばあちゃんなどが現われては消え、アイヌのシャーマンと沖縄のヌルが霊能力で対決する……まさに『千夜一夜物語』の趣き。夢ではない。現実でもない。この地球に起こっていながらふっと別の時空に迷い込んでしまうような、世にも奇妙な13の物語。
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顔の左半分を覆う真っ黒な痣(あざ)。喬史は、その醜い風貌から「スナメリの祟り」と忌み嫌われ、苛烈ないじめを受けていた。同じように疎外されていた哲彦は、悲惨な境遇にも心が折れない喬史と親友になり、やがて喬史の左目を横切る不思議な青い光に気付く。目の中で動くそれは…(表題作)。異形のものたちへの憎悪や呪いをモチーフにした6つの短篇。残酷な現実にさらされた人の絶望感を、卓抜した描写力で描き、不気味なのに温かい。気鋭の著者のデビュー作!
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螺旋(らせん)が屋上まで続き、今度はその道と入れ子のような下りの螺旋に変わる。珍しい造りだが世の中に皆無というものでもない。実際に会津若松の飯盛山にはおなじ構造の『さざえ堂』と呼ばれる塔が現存している。──(本文より) 山奥の村の古い時計塔、そこに住む古風な令嬢に隠された秘密をめぐる表題作ほか、「寝るなの座敷」「花嫁」「子をとろ子とろ」「蛍の女」「猫屋敷」「首継ぎ御寮」と、現代に甦る東北地方の怖くて甘美で不思議な七つの話。
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「大きくなること、それは悲劇である」――この警句を胸に11歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指す。その名もリトル・アリョーヒン。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、自分の姿を見せずに指す独自のスタイルから、いつしか“盤下の詩人”と呼ばれ奇跡のように美しい棋譜を生み出す。架空の友人インディラとミイラ、海底チェス倶楽部、白い鳩を肩に載せた少女、老婆令嬢……少年の数奇な運命を切なく描く。小川洋子の到達点を示す傑作。
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若い頃は無頼の限りを尽くして悪の道にはまりかけ、しかしいまは「赤鬼」の綽名を持つ南町奉行の根岸肥前守(ねぎしひぜんのかみ)。その奉行のもとに、商いの評判が良かったもろこし屋の主人、伝次郎が殺されたとの知らせが寄せられる。現場近くでは、「かのち」という謎の書き付けを残して失踪した大店の若旦那が目撃されるが…。奇談集「耳袋」を千編も書き記した根岸肥前守(=歴史上実在の人物)が、江戸の怪事件を解き明かす好評シリーズ、新展開の第一巻。
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太平の世を謳歌する中国・唐代の都長安。利発な少年黄良は、病母が所望する桃を買うため、夜光の牡丹をつくりだす。折しも牡丹の花競べが大変盛んに行われていて、名花奇花は大金で売れるのだ。そこに異国の身なりをした偉丈夫と西域の美貌の舞姫の思惑がからみあい、仲間となった3人は一攫千金を図るが、狡猾な宦官が花と舞姫をつけ狙い……第3回松本清張賞を受賞した表題作の他、妖美と機知と冒険満載の、雄大華麗な中国奇想小説を5篇収録。
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ようやく新人賞はもらったものの、執筆に行き詰まっている作家の孝夫は、医者である妻・美智子が心の病を得たのを機に、故郷の信州へ戻ることにした。山里の美しい村でふたりが出会ったのは、村人の霊を祀る「阿弥陀堂」に暮らすおうめ婆さん、そして難病とたたかっている明るい娘・小百合ちゃん。静かな時間と豊かな自然のなかで、ゆっくりと自分を回復してゆく二人が見つけたものとは……。極上の日本語で語られる、大人のためのおとぎ話。2002年秋、映画化原作!
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三蔵法師のシルクロードより更に危険な南洋海路で天竺をめざした変人・義浄。姓は張、字は文明。斉州生まれの、まれにみる頑固者にして異相の持ち主がなしとげた波乱万丈の取経の旅を、史実とファンタジーを巧みに織りまぜて描いた傑作冒険譚。妖術あり、海賊あり、謎めいた美女あり。文庫オリジナル短篇を収録。
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