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『ファンタジー、小学館文庫キャラブン!(ライトノベル)』の電子書籍一覧

1 ~53件目/全53件

  • 変わり者の姫の結婚相手は隣国の国王で!?

     この世には〈蠱毒(こどく)〉というものがある。壺に百の毒蟲(どくむし)を入れて互いに殺し合わせ、最後に生き残った一匹が猛毒を持つ〈蠱〉となるのだ。それを古来〈蠱術〉といい、操る術者を〈蠱師〉という。
     大陸でもっとも強大な斎帝国の第十七皇女・李玲琳は、気味の悪い蟲(むし)と、その蟲から生成される蠱毒をこよなく愛し、周囲からひそかに「毒の姫」とあだ名される風変わりな姫だ。ある日、最愛の姉である斎国の女帝・彩蘭の指示で魁国の王・楊鍠牙のもとへ嫁ぐ。ところが、結婚生活は前途多難。
     まず、せっかく大国から迎えた若く美しい花嫁が、華やかな衣裳やきらめく宝石よりも蟲が大好きで蠱毒をつくりまくる蠱師だと判明してしまい、魁国の者たちはドン引き。鍠牙の命が何者かに狙われている――という噂が立つと、毒殺犯の容疑をかけられた玲琳の立場はますます危ういものになって……。
     運命は自分で切り開く。最強毒姫の冒険!
  • 血染めの廃妃、後宮に帰還す――。

    「おまえを廃位する。しかるのち、極刑に処す」

     花婿である皇帝、司馬雪峰から突きつけられた言葉は、幸せな結婚を夢見ていた劉美凰の心を容赦なく引き裂いた。残虐非道な稀代の悪女と呼ばれる凶后の姪で、その寵愛をほしいままにしていたがゆえに、美凰は婚礼の夜に起きた政変で断罪され、天下万民の怨敵として刑場に引っ立てられた。

     そして十年の歳月が流れ、雪峰の崩御後に皇帝となった司馬天凱は、廃妃劉氏――美凰が幽閉されている離宮を訪ねる。都で猛威をふるう鬼病を鎮めるため、彼女の身に宿る奇しき力が必要になったからだ。幼き頃、姉弟のように過ごした二人はふたたび邂逅し、美凰はいまだ怨憎が煮えたつ禁城に舞い戻る。こたびは紅の面紗をかぶった天子の花嫁ではなく、白き喪服をまとった、皇太后として――。
  • 許されざる恋を描く和風王宮ファンタジー!

     神話に由来する八つの家が支配する国「千和」。八家の者は「術」と呼ばれる特別な力を持ち、なかでも特に強い術を持つ男が千和の王位に就くことになっている。
     七十年前、八家の中で最も神に近い家とされていた天羽家が、突然都を去り、政治を放棄した。天羽の強い力を必要とする七家は、新しい王の即位のたびに、天羽家から后と巫女を兼ねた女子を迎えて祭祀に関わらせるようになる。だが天羽と七家の関係は悪化、都に送り込まれる天羽の娘は、いまや人質同然に後宮で軟禁されることが慣例となっていた。
     このたび、新王・一嶺鳴矢の后に選ばれた天羽淡雪も、都での天羽の者である自分の立場はじゅうぶん理解していた。后とは名ばかりで、ここでは異端の者。逃げることもできず、逃げたところで帰る場所もない――。
     そんな淡雪には遠くの物事を見る能力があった。後宮からその術を使って鳴矢を見た淡雪は、彼が想像していたような厳しい王ではないことを知り、次第に興味を抱くようになるが……。
     触れあうことはおろか話すことも許されない王と后。禁じられた恋と八家の謎を描く和風王宮ファンタジー!
  • コテコテのアラサー大阪女子、後宮妃に転生。

    「理想の男性……そりゃあ、バースですわ」
     凰朔国一の豪商、鴻家の華やかな屋敷で、うっかりそう口にしたのは令嬢の鴻蓮華。蓮華には誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶があること。日本という国の大阪で生まれ大阪で育ち大阪で死んだアラサー女子、という前世だ。
     父親によって後宮に放り込まれることになった蓮華は、集められたたくさんの妃嬪候補たちとともに花嫁修業を始めるが、うっかり大阪弁が出てしまったり、成り上がりの娘と蔑まれたりとトラブル続き。だが、商魂たくましい蓮華は、妃になるより後宮で商売をして生き抜こうと心に誓っていた。
     そんなある日、蓮華の部屋に一人の男が現われる。不遜な態度を見せる男を不審に思う蓮華だが、ここは後宮。入ることができるのは、皇帝の天明だけだ。自分が皇帝に選ばれるわけはないと困惑する蓮華に、天明は極秘命令を下す。政治の実権を握る皇太后を倒すため、自分に協力せよ――。立場を利用して後宮で商売ができるなら、と考えた蓮華は、天明に協力を約束するが……。
     コテコテな大阪魂を持つ蓮華が、力業で後宮を変えていく!? 異色の転生×後宮×コメディ!
  • 地獄でまた会おう。

     古いアパートに引っ越してきた青年・炎真の正体は、休暇を過ごすため百年ぶりで現世へやってきた地獄の大王閻魔様。
     地獄で働き詰めの炎真の願いは、ひらすらだらだら過ごす癒やしの休日。ところが、ふらふらとさまよう幽霊を街角で見かければ説教してあの世に送ってみたり、目の前で起きている犯罪を見逃せず生者の面倒まで見てしまったり。そのたび「また働いてしまった!」と、秘書の小野篁に向かって嘆きながら、後悔ばかりしている。
     おまけに、現世で不動産業を営む地蔵菩薩からも霊がらみの案件を任されて、「面倒くさいことこの上ねえ!」と憤慨する炎真。駅の自動改札機に冷や汗をかき、人混みに目を回し、コンビニスイーツに舌鼓を打ちながら、トラブル解消のために百年ぶりの現代日本を駆け回ることに……!
     世話焼きな同居人の秘書・小野篁、記録係のお子さまズ・司録&司命も加わって、現世に閻魔様の裁きが下される!? にぎやかに繰り広げられる、地獄行き事件解決録!
  • 最凶の「即死魔法」を得た聖女の冒険譚!

     貴重な蘇生魔法の使い手であるアリス・ロザリオは、美しい外見に反して性格は男前。ただし冒険者として前線に出ない聖女の立場ゆえに、能力はあってもレベルは最弱。辺境の地で人々を癒やす職務に真面目に向き合っていたが、ある日、卑劣な盗賊団に襲われ、善良な住民たちや大切な仲間ともども命を落としてしまう。
    「貴様は死んだ。そして私は、死神だ」
     生と死の狭間で死神と名乗る謎の人物と邂逅したアリスは、理不尽に奪われる無辜の命を守りたい気持ちとともに、「即死魔法」を行使する能力を与えられる。こうして自らも「死神」の代行者となったアリスは、盗賊団の襲撃直前の時間軸に巻き戻された。
    「貴様らは、私が処すッ!!」
     漆黒の大鎌を携え悪を粛清するその姿は、まさに「死神」。
     ここに最弱聖女にして最凶の死神アリスが誕生した。
     悪をくじくため、仲間とともに旅に出たアリスは、ある町でユーロンという名の謎めいた男と出会う。彼はアリスに「魔女狩り」を依頼するが……。
     相手を即死させるがゆえに戦闘が経験値としてカウントされず、いつまでたってもレベル1のままの「最弱聖女」の冒険譚!!
  • 亡国の皇子と古き龍が隼夫(ホスト)に!?

     華国の首都にある伽藍街。そこは夢と快楽を与え、男と女の欲と金を吸い上げる華やかな色街――。
     この街で暮らす怜景は、有名妓楼・紫燕楼の稼ぎ頭で最上級の売れっ子隼夫(ホスト)。街をぶらついていたある日の午後、人々の視線を集めている一人の青年と出会う。細身の体のどこに入るのかという量の饅頭を食べていたその青年は、怜景を見るなり「ずいぶん重たいものをつけている」と謎の言葉を告げた。
     その晩、怜景に女を奪われたと激怒する男によって、危うく刃傷沙汰になりかけた怜景だが、昼間出会った青年に助けられる。蒼薇と名のる青年は、吃驚するような美貌ながら古くさい服を着て、老人のような言葉遣いをする。おまけに持ち金もないらしく、怜景は隼夫として働かないかと蒼薇をスカウトした。だが、どこか浮き世離れした蒼薇は頓珍漢な言動で騒動を起こしてばかり。隼夫を断念した怜景は、人には見えないものが見えるらしい蒼薇を祓霊師に仕立て、妓楼にやってくる女性客を相手に商売を始めるが……。
     凄絶な過去を抱え隼夫となった怜景。三百年の眠りから覚めたばかりだという謎の男・蒼薇。艶めく街を舞台に二人が繰り広げる、華風花街ファンタジー!
  • 皇女になった最強魔女の嫁入り先は……?

    「光栄に思いなさい、九垓。このわたしが結婚してあげるわ」
     今や驍国の皇帝となった九垓に、そう高飛車に求婚したのは芳国の皇女・璃珠。しかし九垓は冷たくこう応えた。
    「誰があなたなど娶るか。俺が愛するのは百花の魔女ただひとり」
    この返事に愕然としたのは璃珠だ。九垓が件の「魔女」のことをそんなふうに思っているなんて知らなかった。
    なにより、この状況ではとても言えない。自分がその「百花の魔女」――かつて芳国最強の魔女とされ、いわれのない罪で斬首された「華陀」本人だということは。
     そもそも九垓は魔女の「愛し子」だ。華陀が幼い彼を拾い、長く育てた。いわば息子のような存在だった。だから奇跡が起きて自分がこの璃珠の身体に転生したとわかったときから、百花の魔女は心に決めていたのだ。彼の
    夢も未来も自分が守ってやると。そこで手始めに世界を奪い、九垓に与えてやること――それが愛し子を幸せにする方法だと分かっているのだ。
    すれ違う「魔女」と「愛し子」の想いの結末は? 風味絶佳の中華風ファンタジー!!
  • シリーズ2冊
    508704(税込)
    著:
    柊一葉
    イラスト:
    出版社: 小学館

    没落華族令嬢、式神付き。

     歴史ある陰陽師の一族、滝沢家直系の娘として特殊な能力を持って生まれた瑠璃。だが、両親の事故死によって家を乗っ取られ、瑠璃は本家令嬢という立場ながら母屋を追い出され、使用人のようにこき使われる日々を送っている。
     政略結婚の道具でもいい、今の境遇から抜け出したい…と思う瑠璃は、現当主に言われるがまま金銭と引き替えのようなお見合いを続けるが、そのお見合いも、なぜか瑠璃のそばに居続ける亡き父の式神・匂仁のせいで失敗続きだ。
     そんなある日、呪術医だという青年・土志田泉が滝沢家にやってくる。家に古くから伝わる道具や術具を鑑定する泉だが、その様子がおかしい。瑠璃の目には古道具の付喪神がはっきり視えているのだが、泉はまるで視えていないような態度なのだ。呪術医を名乗っておいて、あやかしを視る能力がないなんてあり得ない。なんとも怪しい泉だが、家を出る絶好の機会到来!? 瑠璃は彼の秘密を守る代わりに、押し掛け使用人として同居生活を始めることに――!
     呪術医として帝都一の腕を持ちながら、あやかしを視ることができない泉と、押し掛け使用人になった没落華族令嬢の瑠璃。不思議な縁が紡ぐ、明治陰陽ファンタジー!
  • もしかして皇帝と私、入れ替わってる!?

     田舎貴族の娘・白麗霞は、朝陽国の妃候補・静蘭に仕える後宮の侍女。仲春の満月の夜、後宮の池に落ちかけた皇帝・天陽を助けようとして一緒に池に落ち、ふたたび目覚めたとき、ふたりの中身が入れ替わっていたのだった。これでは大変なことになってしまう……と事情を知る関係者一同は頭を抱えたが、解決方法として提示された「次の満月の夜にもう一度ふたりで池に落ちてみる」を実行するまでの間、実際に中身が入れ替わった状態で生活してみたところ……元々、女子にしてはオトコマエな性格だった麗霞は、実際に男になってみるとカッコいいことこの上なく、のんびりした性格の天陽もまた、侍女役がしっくりハマってしまったのだった。
     元々は貰い事故で皇帝(中身)になった麗霞だったが、いざその最上位ポジションで見回してみると、後宮においては皇后である秀雅が強すぎるせいで、天陽自身は妃候補たちにナメられていることがわかった。これを改善すべく乗りだした麗霞は「皇后ぎゃふん計画」を立案。すなわち「自分が皇帝の中身でいるうちに妃候補たちを天陽に惚れさせ、皇后しか眼中にない妃たちをこちら側へ引き込もう作戦」がスタートさせるが……?
  • 嫌われ巫女、なぜか皇子に溺愛されてます!

    いにしえの時代、神鬼の意を占う巫女あり。神に通じ、鬼(死者)に通じる彼の者たちは、その力を以て王の治世を補佐したもう。よってその存在、あまねく国の行く末を占うものなり――。
     かつては王権のそばにあり、大変貴重とされた巫女。だがこの国ではいつからか、巫女は忌まわしい存在として迫害されるようになってしまった。今は 新しい王朝が立ち、それに従いようやく禁巫の令は取り消されたが、巫女の血を引く者は、長い迫害の期間を経て激減していた。そんな中、巫女の血を誇る祖母に地獄の英才教育をほどこされた螢那は、実はがっつり巫女の力を持っていた。……が、本人の感覚は「ちょっと霊が見えるだけの平凡な女の子」という程度。祖母亡き後、なさぬ仲の義母にいじめられつつも毎日やり過ごしていた螢那だったが、ある日、火事騒ぎに巻き込まれ、そこで出会った男にさらわれて後宮に入れられてしまう。
     人さらいはの正体はこの国の皇子・侑彗。いわく「王朝にかけられた呪いを解き、世継ぎ問題を解決できるのは巫女のみ」で、螢那を妻にしたいらしいのだが……!?
     後宮を舞台にした、中華風なぞときファンタジー!
  • 追放されて醜い神の溺愛花嫁に!?

    物が発する言葉にならない声。小夜は、その声を聞くことができる〈蝶の耳〉という繊細な能力を持っているが、そんなちっぽけな力など、異能を用いて神々を喜ばせ、神々を繋ぎとめる巫の役目を代々果たしてきた石戸家にあっては、何の意味もない。母が亡くなり義母がやってきてからは、小夜は使用人のような扱いを受け、虐げられるようになる。やがて義姉の企みによって石戸家を追放された小夜は、異界に棲む猩々に売り飛ばされてしまう。
     猩々の屋敷で裁定を受けていた小夜は、そこで火の神・鬼灯が作った勾玉の声を聞いたことが縁となり、鬼灯の屋敷の掃除を任されることに。
     それにしても、小夜には不思議に思うことがあった。醜く恐ろしい神と呼ばれ、呪われた存在として忌み嫌われ、過去六人の花嫁に逃げられたという鬼灯は、「普通の人間であれば、この醜さに目を背けるのに、お前はそうしなかった」と小夜に感謝の言葉を告げる。しかし小夜の目には、鬼灯が強く美しい男神にしか見えないのだ――。
     呪われた屋敷に入るための条件として契約花嫁になった掃除人・小夜と、あくまでも花嫁として小夜を扱いたい火の神・鬼灯の、大正溺愛ファンタジー!
  • 斎帝国の李紅蘭は冷徹非道の極悪女帝で……。

    「その男の首をお刎ね」
     大陸に君臨する大帝国・斎には絶世の美女がいた。その名は李紅蘭。いくつもの敵国を打ち倒し、内政においては邪魔者となった相手を容赦なく切り捨てる、極悪非道の女帝として畏れられていた。その紅蘭も即位して二年ほどが経ち、そろそろ世継ぎの心配をされるようになった。いっこうに誰とも結ばれる気がなさそうな紅蘭を案じて重臣たちが用意した婿がねは、属国・脩の第五王子、王龍淵。この男、大国一の美貌を誇る人物だったが……。
    「言っておくけど、私の夫になれる男はそういないわよ」
     戦闘態勢万全で強気の構えの紅蘭の前に現れたのは、白い髪に白い肌、瞳だけが血のように赤い、神仙のごとく浮き世離れした……ただし、紅蘭付きの女官を片っ端からタラしまくる不遜かつ魔性の美男だった。
    「俺が自分の意志であんたにひれ伏すことはない」
    「私はね、弱い者には優しいのよ。いい子にしなさい」
     獣と飼い主のような関係から始まった紅蘭と龍淵の関係は、なかなか夫婦という形にはおさまらない。が、どこか不思議な信頼のようなものは生まれつつあり……?
     ワケアリで反抗心旺盛な歳上の夫を掌で転がしつつ、国内外を容赦なく仕切る極悪女帝・紅蘭の明日はどっちだ!?
  • 旦那様は九尾狐に取り憑かれた大神官!?

     魑魅魍魎退治に勤しむ貧乏神社の娘・莇原四衣子。神社の収入だけでは暮らせない莇原家では、魑魅魍魎退治で日銭を稼がないとご飯にありつけないのだ。
     ある晩、帝都を見回る四衣子は不思議な男とすれ違う。銀色の長髪、真っ赤な瞳、絶世の美貌、それから……九本の尻尾!? 人々を襲うという噂の九尾狐だと気づいた四衣子は、護符を使って九尾狐を捕える。これで国の偉い人から褒美が貰える!と喜ぶ四衣子だが、なぜか黒衣の者たちに体を拘束され、どこかに運ばれてしまう。
     気づくとそこは名家らしき屋敷。目の前に現れた男によると、四衣子が捕えたのは九尾狐に取り憑かれた天満月家の当主・鳥海らしい。帝都を守護する大神官にして公爵でもある天満月家の当主が取り憑かれている!? 重大な秘密を知った四衣子に、このまま家に帰すわけにはいかないと男が告げる。そして――
    「あなた様には、天満月家の当主である鳥海様と結婚していただきます」
     花嫁になればご飯が食べ放題という言葉に、つい鳥海との結婚を承諾してしまう四衣子。ところが人間の姿に戻った鳥海は頑固で怒りっぽい性格。しかも莇原家は天満月家と犬猿の仲だったらしく……!?
  • 蘭方医と妖狐があやかし事件の謎を解く!

    留学先の長崎から江戸に戻り父親の診療所を継いだ武居多聞は、武家の出の蘭方医。ある日、大怪我の痛みで暴れる男の手当に難儀する多聞の前に、ひとりの薬売りが現れる。薬売りはハッとするほどの美貌の持ち主で、なぜか多聞に謎の薬を差し出し、治療を助けてくれた。
     数日後の往診帰り、暗い夜道を急ぐ多聞は、獣のようなうなり声を聞き足をとめる。そこにいたのは例の薬売り。だが彼は、見たこともないような恐ろしい姿の化け物と対峙していた――! 
     その夜の出来事が信じられず、なにもかも夢だったのではないかと思いはじめた頃、多聞は傷ついた狐を見つけ、屋敷で手当することに。そして同心・厚仁から、人々が何者かに斬りつけられる事件が続いていると聞いた多聞は、厚仁とともに事件を追う中で再び薬売りと出会う。薬売りは化け物退治をしているのだと語り、彼の手助けすることになった多聞は、やがて、人の恨みや苦しみから生まれる恐ろしい事件と、その裏に隠された妖狐の因縁を知ることに……。
     人の心の闇と千年の想いを描く和風ファンタジー!
  • 姫君を守るのは美しい鬼…平安恋物語!

     右大臣の跡取りである父親が怪しと関わったことが原因で、魔の姫に目を付けられてしまった娘の真珠。屋敷の中にまで物の怪が現れて家中が混乱し、陰陽師たちも対応に苦慮する中、三滝という家司が“近江の白銀”と呼ばれる鬼を呼び寄せる。白銀の一家は他の鬼のように人間を食わず、話が通じるのだと三滝は語るが、一同は半信半疑。だが、白銀は一瞬で物の怪を屋敷から追い払ってくれた。これで一安心、のはずが、白銀の息子である瑠璃丸によると、真珠には魔のにおいがつけられているらしい。数日後、またしても屋敷の中に物の怪が出現。襲われそうになった真珠は、思わず瑠璃丸の名を呼んでしまう…。
     魔のにおいを消すためには、それよりも強いもののにおいをつければいい。魔だろうが怪しだろうが俺が守ってやる――瑠璃丸のその言葉に、后候補のはずだった真珠は、瑠璃丸と結婚しようと決める。瑠璃丸は真珠の側にいるために、人間として生きることを選ぶが…!?
     白銀色の髪を持つ美しい鬼と魔に狙われた姫君の、平安恋物語!
  • 493(税込) 2024/5/2(木)23:59まで

    それは迷信だ!――明治あやかし事件解明録。

    明治時代、大阪。会社が倒産して失業し、手持ちの金も尽きて町をさまよっていた峯北修は、小さなビルの扉に掲げられた「妖怪科學研究所」の看板と所員募集の貼り紙を見つける。怪しげな名だが採用してくれるならありがたい。扉を開いた修は、大量の本の間で不機嫌そうに座る男――所長の八尋に対面する。八尋によるとこの研究所は、不可思議な事件を科学的に説明することで依頼人の問題を解決するらしい。迷信嫌いの修は八尋に共感、ここで働くことを決める。
     八尋の友人で小説家の飯窪恭之介とも出会い、研究所に馴染んできた頃、修は一人の青年の相談を受ける。青年の父が村長を務める村で、立て続けに人が行方不明になるが、村人たちは妖怪「ゆらさま」の仕業だとして行方不明者を捜そうとしないらしい。八尋と修、なぜか同行することになった飯窪の三人は、「ゆらさま」の事件の真相を探るため、村へと向かうが……。
    「妖怪など迷信だ!」と断じる所長の八尋。迷信を憎む修。妖怪の小説を執筆する飯窪。欧化の波に逆らうように、いまだ人々の心を恐怖させる「妖怪」の正体とは――? 大人気BL作家が初めて挑む、明治あやかし事件解明録!
  • 呪いの桜から生まれた娘が世界を変える!

     はるか昔、異能が栄える三大国があった。上河、貴陽、玉兎――これら三つは歴史ある国で、陰陽師や方術士の一族が住む土地だった。
     あるとき、上河の森の奥に、黒い花弁をもつ桜の樹「咒桜」と呼ばれる個体が現れた。桜は玉兎の高名な女方術士・有翠が作り出したものだったが、そこに或る呪いがふりかかり、さらにその咒桜が子どもを生むようになったことで、世界の近郊は崩れてしまった。
     陽桜李(ひおり)は、桜から生まれた娘だ。気づいたときには黒い桜の樹下にいて、自分か何か普通の人とは違う存在だと、うっすらと気づいていた。父の美春(みはる)は陽桜李を桜の森で拾ってくれた人で、血が繋がっているわけではない。美春には陽桜李のほかに息子がふたりいて、陽桜李は彼らを兄と慕うが、それぞれ誰一人として美春とは血が繋がっていないのだった。じつは美春は貴陽の陰陽師一族の次期当主と目されるほどの人物だが、陽桜李にはただ不器用で優しく美しい、誰よりも大切な父としか思えなくて――。
     人よりも高い身体能力と生命力をそなえた陽桜李は、得意の武術をきわめ、家族とともに咒桜の呪いを解く旅に出かけるが……。新感覚・和風ファンタジー!!
  • 無能の令嬢はあやかしを魅了する。

     遥か昔、恐ろしいあやかしである天狗が現れて帝都を荒らし、人々を殺戮したという。陰陽師により天狗は山に封じられたが、その結界は五百年後に効果を失うとされていた。
     その五百年後である今日、陰陽師のたくらみにより、天狗を殺すための「生きた毒餌」にされた中村紫乃は、天狗が現れるという山に瀕死の状態で置き去りとなっていた。貧しい村で暮らす家族を助けるために自らの身を売り、姉と帝都にやってきた紫乃。だが、姉妹は騙されて毒漬けにされ、姉は紫乃をかばいながら死んでしまった。ひとり残され絶望する紫乃の命もまた尽きようとしていたが、目の前に現れた白天狗の左京はなぜか紫乃を襲うことはせず、逆に紫乃を助けるという。
    「お前には他の人間とは違う何かがある」と左京に告げられる紫乃。あやかしを魅了する斎賀家の末裔ではないかと左京に問われるものの、紫乃に心当たりはまったくない。そんな左京もまた、黒天狗一族の中で唯一、白い羽を持つ特異な存在であった……。
     無能と言われ毒餌にされた娘・紫乃。一族を離れひっそりと生きてきた左京。辛い過去を持つふたりの出会いが、人とあやかしの関係を変えていく――!? 帝都あやかし婚姻譚!
  • 陰陽師の家を継ぐ「トンデモ」姫に婿現る?

     慶長四(一五九九)年。安土桃山時代も末期、江戸時代が始まる前の京の都に、周囲が手を焼くトンデモ姫がいた。名は幸徳井桜子、年は十五。陰陽師を排出する家のひとつ、幸徳井家のひとり娘だ。名門というわけでもなく、ほどほど貧乏な公家の跡継ぎである桜子は、母を早くに亡くし、父は誰なのかわからないという有様。一部で「あやかしの子だ」と噂されるのは、桜子が生まれ持った神通力と剛力のせいだ。
    「私に触ると怪我するよ」――というのは誇張でもなんでもなく、触れればすぐさま物を壊し、遊べば人を壊す。この世のものはなにもかもヤワすぎて、人も獣も妖怪も桜子の相手にはならないのだ。そのくせなぜか、京に巣くう妖怪たちはこぞって桜子に懐く。ゆえに、花も恥じらうお年頃だというのに、桜子はあやかしの首魁扱いされてしまうのだった。
     そんなある日、桜子はひとりの剣士と出会う。陰陽の術にも長けたその青年は、柳生友景。どうやら彼は、桜子が本気をだして絡んでも「壊れない」理想の相手のようだが…?
     やわらかスピリッツでのコミカライズも大人気、「蟲愛づる姫君」シリーズの著者が贈る、もうひとりの「トンデモ姫」の物語、ここに開幕!
  • 416(税込) 2024/5/2(木)23:59まで
    著:
    櫻いいよ
    イラスト:
    とろっち
    出版社: 小学館

    過去と現在が交錯する図書室で出会った二人。

    居心地の悪い家に帰りたくない爽風は、放課後の時間を潰すために、学校の裏庭に建つ三階建ての古い図書室へ向かった。誰もいない図書室で本を探していると、物陰からひとりの男子学生が現れる。彼、笹木誠は同じ学年らしいが、まったく顔を知らない生徒。そして優しい笑顔を見せる彼の口元には、誰かにつけられたであろう痛々しい青痣があった。
    「この世界の神様になりたい」と呟く不思議な誠。彼に何が彼に起きているのか聞けないまま、爽風はその後もたびたび図書室で誠と会い、しだいに二人の心は寄り添っていく。
    だが、ある日偶然手にした数年前の卒業アルバムに、爽風は誠の姿を見つける。そして、かつて誠の担任だったという教師から、驚愕の事実を知らされて……!?
    時間が交錯する不思議な図書室で、繋がったふたりの「いま」。爽風は誠を未来の“死”から救おうと、事なかれ主義だった自分を奮い立たせる。諦めを希望へと変えるために――!
    胸がふるえる感動の青春ストーリー!!
  • 魔女ナユラは王子達のよき母を目指すが!?

     ――北の森には恐ろしい魔女が住んでいる。
     リンデンツ王国にはそんな言い伝えがある。森の奥に棲みつき、幾度も王国に災いをもたらしてきた「北の森の魔女」は、十年前、先代王妃が亡くなったあと王宮にやってきて、まんまと新たな王妃に座におさまってしまった……らしい。
     魔女の名はナユラ。見た目は十八歳ほどにしか見えない美女だが、実年齢は三百歳になる立派な化け物だ。口さがない連中は「魔女が国王や息子たちを洗脳したため、五人の王子は適齢期を迎えてもいっこうに結婚しない」などと囁くが、本当のところ、この王子たちは継母であるナユラにベタ惚れで、誰ひとりとして貴族の令嬢に目を向けないのだった。
     しかし、息子たちの熱烈過ぎる愛情にまったく気づかないナユラは「引きこもりの不気味な魔女(私)に育てられた王子だから、きっと普通の令嬢は怖がるのね……」と見当違いの懸念に心を痛めつつ、結婚から十年間こんこんと眠りつづける病床の国王の唯一の願い――「息子たちを守ってくれ」という言葉を胸に、全力の代理婚活を始めるのだった。
     「むしめづ」の宮野美嘉が送る《家族全員ヤバい!?》痛快ファンタジー誕生!
  • 《吸血鬼×殺人鬼》のダークファンタジー!

    「令和の切り裂きジャック」と畏れられる殺人鬼・神無が、自分に愛を告げる女を手にかける理由は――相手の体を裂いてまで探しているものは、たったひとつだ。
    「人は、誰かに対して『愛してる』って言うだろ。でも、その愛って何処にあるんだろうと思って」
     探しものを見つけることができない青年の前に現れたのは、陶器人形のような美しい少年・御影。
    「それが欲しいなら、おいで。愛してあげる」
     神無が招かれたのは、都心にあってそこだけ異空間のような古びた洋館だった。ここで一緒に暮らすのだと、御影は平然と神無に告げる。そのあまりに強引な展開に戸惑う暇もなく、すぐに神無は身をもって御影の正体を知ることになる。御影は、ひとの生き血を吸う吸血鬼だったのだ。
     これは、罪を犯して人の道を外れ、罰の証の如くスティグマと呼ばれる刻印を身に宿した、異能の者達の、血塗られた戦いの物語。……究極のダークファンタジー、始動!
  • 愛を知らない死神に嫁いだ没落華族の娘。

     正岡千鶴は、家族も家も失った元子爵令嬢。天涯孤独の身となった今は、帝都・小石川にある三条家で使用人として働いている。紡績業で成功した新華族の三条家は、小石川に工場を持ち地域のまとめ役にもなっていたが、もともとは立場が上の旧華族だった正岡家の千鶴には残酷な態度をとり続ける。千鶴は、日頃から嫌みや蔑みの言葉を投げつけられていたが、華族としての矜持を忘れずにいようと心に誓っていた。
     そんな頃、街で流行病が猛威を振るい、人々が次々と倒れる事態に。不気味なことに、亡くなる人は、枕もとに死神が立ったと言って息を引き取るらしい。三条家には恐慌状態の人々が押し寄せるようになり、死神の怒りを鎮めるためとして、千鶴は生贄の花嫁に選ばれてしまう。
     死神の花嫁――それは死を意味する。だが、苦しむ人々の役に立つのならと千鶴は覚悟を決め、夜の闇の中、花嫁衣装で死神が祀られている神社の鳥居をくぐる。ところが、現われた死神・八雲は「妻など娶らぬ」と冷たく千鶴に告げた。すでに帰る場所もなく、街の人々のためにも引き下がるわけにいかない千鶴は、生贄の花嫁として、愛を知らない死神のもとで暮らすことになるが…!?
  • 薙刀女子と堅物軍人の明治お見合い物語!?

     女学校に通う巴は侍より侍らしいと言われる、薙刀好きな変わり者。苦手な音楽の試験で失敗し、落第の危機に直面した巴は、母に命じられて洋琴(ピアノ)の稽古に通うことに。洋琴の長尾先生が住む立派な洋館で四苦八苦しながらの稽古の後、ひとり部屋に残された巴の前に現れたのは、陸軍の軍服を纏った見知らぬ青年将校。長尾先生の親戚だという彼、葛目三郎とともに、なぜかふたりきりでお茶を飲むことになった巴だが、葛目ときたらたいそう無愛想で口数も少ない。しかも、五年前に起きた陸軍兵士と警察官の乱闘事件以来、大阪の陸軍第四師団と大阪府警察本部は犬猿の仲で、巴の父親は警察官なのだ。気まずい時間だと思いながらも、甘いものが苦手らしい葛目の分の饅頭も頬張ってしまう食いしん坊の巴だった…。
     そんな頃、巴は女学校で洋館に幽霊が出るという噂を耳にする。しかも長尾家を悪く言う尾鰭も付き、さらには洋館に出入りする巴に関わると祟られるらしい、という話まで広まってしまう。憤慨する巴は噂の出所を探ろうとするが――。
     明治の大阪を舞台に繰り広げられる怪しい幽霊騒動。薙刀女子と堅物な青年将校がたどり着く真相とは!?
  • 陰陽師な女子社員の上司は京都から来た鬼?

     浅草の会社で働く永野遥香は、もう一つ、内緒の仕事を持っている。それは浅草の町を守る『陰陽師』の一族としての仕事。毎晩会社帰りに町を見回り、治安悪化の原因になる怪異を〈甘味祓い〉で祓っているのだ。
     昼は会社員、夜は陰陽師として忙しく働いていたある日、遥香の職場に京都支社から新しい係長がやってきた。彼の名は長谷川正臣。イケメンかつ有能で独身の長谷川の登場に、色めきたつ女子社員たち。互いをライバルとみなして火花を散らせる中、遥香は長谷川を見た瞬間に胸が激しく高鳴って、彼以外何も見えなくなる。……これって、もしかして恋!? いや違う。遥香は気づいてしまった。この気配は強大な邪気。彼は人間じゃない、最悪最強の“鬼”だ……!!
     遥香が陰陽師だと気づいているのかいないのか、なぜか好意的な態度をみせる長谷川係長。そんな彼に振り回されながらも、なんとか鬼に対抗すべく甘味祓いを仕掛ける遥香。だが、遥香の行動が他の女子社員には『抜け駆けのアプローチ』に見えて――!?
     浅草を舞台に、兼業陰陽師の女子社員と京都からやってきた鬼(ホンモノ)上司がスリリングなバトルを開始!? 危険なラブコメディ!
  • 満場一致の「アニバーサリー賞」受賞作!!

     ある寒い冬の日、新月の真夜中のこと。東京駅を訪れた青年・西渕真澄は、不可解な現象に巻き込まれる。突然スマホの位置情報画面に現れた《東京幽世(かくりよ)壱番街》の文字。現れる謎の地下街。直後、何か強い力に撥ね飛ばされ、真澄は命にかかわる重傷を負った。そのとき彼を救ったのは、金色の狐耳の少女・こがね。高位のあやかし――天狐であるこがねは真澄の体に入り、消えかけた命を繋いだ。しかし同時にこの出会いは、真澄を「人ならざる者」に変化させてしまったのだった。
     不幸な事故からしばらくして、奇跡的に回復した真澄のもとへ「東京幽世公安局」の職員を名乗る戸塚という男が現れた。彼いわく、この世にはふたつの世界が存在していて、ひとつは人間が暮らす「現世」、もうひとつはあやかしが生きる地下異界「幽世」という。戸塚率いる特務課は人と人外の者の混成部隊で、ふたつの世界の均衡を保つため、日々秘密裏に働いているらしい。そして真澄については、きわめてレアな後天的半妖なので監視を兼ねて特務課のメンバーに迎えたい、と戸塚は告げるが……。
     小学館文庫キャラブン!「アニバーサリー賞」を満場一致で受賞した傑作ファンタジー、ここに開幕!
  • この世ならざるものがみえる一凛子教授は…。

    時は9月。ねっとりとからみつくような厳しい暑さが続く盆地の京都には、新学期初日を迎えたにもかかわらず朝起きられずにベッドでくだをまく女子大生……のように見えるが実際にはその倍以上生きている年齢不詳女子・一凛子がいた。「一」と書いて「にのまえ」、おともは白くてまんまるな綿飴みたいなわんこ、ビション・フリーゼの「にぬき」。そう、一風変わった凛子さんは京都の大学で民俗学を教えるれっきとした教授なのだ。基本的にズボラでダメ寄りな人間ではあるのだが、彼女にはなんと「この世ならざるものがみえる」という、他の追随を許さぬ特殊能力があるのだった。
     さて、その日のろのろとベッドから起きだして、愛犬にぬきの朝の散歩に出かけた凛子さんは、道端でひとりの女性に出会った。いろいろマズイものに憑かれて半死状態の彼女の名は富士宮咲子。あまりに悲惨な状態を見るに見かねて(霊的に)助けて以来、咲子さんは凛子さんの秘書的相棒となるのだが……。
    年相応にオトナでしっかり者の咲子さんと、全般的に浮き世離れした凛子さん。両極端ながら、なぜだか気の合う同年代凸凹コンビのもとに、次々と舞い込むオカルトなトラブルとは!?
  • 485(税込) 2024/5/2(木)23:59まで
    著:
    遠藤遼
    イラスト:
    由羅カイリ
    出版社: 小学館

    現代日本の警察官、江戸時代へ跳ぶ……!?

     山口北斗は交番勤務の警察官。ある日「不審者が暴れている」という通報を受け、北斗が文京区の小石川植物園に駆けつけると、そこには袴姿で日本刀を振り回す謎の男がいた。時代錯誤もはなはだしいコスプレ不審者を確保しようとした北斗は、そのまま男と共に植物園の池に落ち――ハッと気づくと、そこは見知らぬ場所だった。謎の地にたどりついた北斗が一番最初に知り合ったのは、若武者姿の初音という女性。彼女は言う。
    「ここは小石川養生所。つい最近、八代将軍徳川吉宗さまによって作られた、誰でも受け入れる診療所さ」
     そう。どういう運命のいたずらか、北斗は吉宗のいる時代へとタイムスリップしてしまったのだ。
     元いた現代へ戻る方法もわからぬまま、江戸の町へ飛ばされて途方に暮れる北斗だが、わずかに救いもあった。それは現役警察官ゆえに剣道のたしなみがあり、父や兄が医者なので、ケガの応急処置や病気に対する知識が一般人より豊富なこと。それを活かして、小石川養生所の手伝いをすることになったが、ここでさらに問題がひとつ。なんと北斗の顔は、ときの将軍・吉宗とうりふたつだというのだ……。時をかける警察官の運命や如何に!?
  • 485(税込) 2024/5/2(木)23:59まで

    2月に現れるうさぎの幽霊が、幸せを運ぶ!

     2月はじめの雪降る朝、二宮茉奈が勤め先のデザイン事務所の自分の席で見つけたのは、白い仔うさぎだった。ところがこの両手にすっぽりおさまるカワイイ毛玉には、なぜか影がない。どうやらこのうさぎは「幽霊」のようなのだ。この幽霊の出現には由来があって、かつてここに出ていたのは男の幽霊だったという。というのも事務所のある土地には明治のころ、学生相手の下宿があり、そこで死んだ男が化けて出るようになったらしい。下宿の主人は男の幽霊に、恐ろしい見た目をどうにかするならずっと居ていいと持ちかけ、晴れて男はキュートなうさぎの幽霊になったとかならないとか……。
     そんな噂を本気にしたわけではないけれど、その後茉奈の席にはうさぎの幽霊が居座りつづける。その理由が実は自分自身にあるのでは、と思い至った茉奈は、改めて自分が抱える悩みを直視することになる。
     2月にだけ現れるふしぎな幽霊うさぎと、2月だけ山をおりて事務所にやって来るお茶づくりの紳士。東京の片隅にあるデザイン会社にひっそり伝わる二大都市伝説は螺旋のように絡み合って、悩める妙齢女子を救う……のか!?
     やさしくてあたたかいお茶の風味の現代おとぎ話!
  • 485(税込) 2024/5/2(木)23:59まで
    著:
    片瀬由良
    イラスト:
    吉野花
    出版社: 小学館

    一度死んで冥府の姫となった宵華の冒険譚!

    「わたしは宵華。人は屍人姫(しびとひめ)と渾名する」
     冥府の都・ほう都に流星の如く現れた、愛と正義の英雄は、鬼神の如き強さを持つ十三歳の少女。数百年前に実在したといわれる伝説の英雄・焔崇(えんすう)の大ファンを自認する暴力系女子だ。しかし実のところ生前の宵華はといえば、穹国の第二皇女でありながら、病弱すぎてあっという間に死んでしまう、かわいそうな姫君だった。さて、前のめり気味に最強屍人(=ゾンビ)となった宵華には「冥府の王に嫁入りする」という大きな目標があった。噂ではその王様はとんでもない美形で、文武両道に優れた完全無欠の英雄らしい。ヒーローが大好物な宵華は意気込んで王城へ向かうが、先代の英雄「東嶽大帝」から理由あって代替わりしたばかりの、新しい冥府の王「ほう都真君」は、職務放棄も甚だしい、すこぶる無気力な《働いたら負けだと思っている》駄目男だった。予想外の人物像にドン引きの宵華だが、この真君、ただのサボりキングではなさそうで? 諸般の事情により互いの利害が一致してしまった冥府の王と屍人姫は、ひとまず形ばかりの夫婦となった。 ノンストップ中華風ファンタジー、ここに開幕!
  • 癒やしの大聖女はオーバーワーク気味で!?

    永翔帝国には「癒やしの大聖女」がいる。名は蔡蘭華。帝国の公立医療院でも最強の力を誇る唯一無二の聖女だ。
     聖女──男性であれば聖人──と呼ばれる存在は、永翔帝国だけでなく、近隣諸国や亜人の国にも数多くいて、大抵はその能力を活かし、医療従事者となってそれぞれの国家に仕える。高度な術を使いこなす彼らは貴重な癒やし手として大切にされるが、蘭華の力はその誰よりも強いとされているのだった。……とはいえ、いかな大聖女といえど所詮は生身の人間。目の前の病人やけが人を放っておけない性格の蘭華は、治療行為に没頭してオーバーワークを極めた結果、ある日いきなり、仕事の途中で倒れてしまい、そこから何日も目を覚まさなかった。
     大聖女ダウンの報は国中を駆け巡り、このままでは国家の威信を揺らがしかねないと危ぶんだ皇帝の命令で、蘭華は急遽、人生初の完全長期休暇をとって、帝国領地の田舎島で休養という名のバカンスを楽しむことに。
     いよいよあこがれのスローライフ生活……と考えていたのに、現実はなかなか一筋縄ではいかなくて――。
     多忙生活を強制リセットした「癒やしの大聖女」の明るい未来はどっちだ!?
  • 千年を生きる猫又の仮花嫁になりました。

     上司のパワハラとブラックな会社の空気に耐えながら、憂鬱な毎日を送っている弥琴。もう限界…と思いつつの帰宅途中、気づくと弥琴は見知らぬ街に迷い込んでいた。深夜にもかかわらず営業している結婚相談所を見つけた弥琴は、今の状況を変えようと婚活を決意。相談員の狐塚から勧められるまま、「ウチ一番の優良物件」だと紹介された燐という青年とお見合いをすることに。
     ようやくとれた休日。直接先方を訪ねてください、と狐塚に指示された弥琴は、渡された地図をもとに燐の家へと向かう。だが、目的地は建物の隙間にのびる狭い路地の先にあるらしい。訝しみながらも先へ進むと、その奥には不思議な雰囲気の古い街並みの通りが開けていた。
     通りの突き当たりにある大豪邸が燐の家だと気づいて気後れするものの、意を決し、門の向こうに声をかける弥琴。そして出迎えてくれた着物姿の美形青年・燐を見て、弥琴は内心ひどく動揺する。目が離せないのだ……燐の猫耳と尻尾から!
     お見合い相手は、齢千年を超える猫又!? この街と燐の事情を聞いた弥琴は、お互いの目的のために“仮の結婚”をすることになるが――。
  • 462(税込) 2024/5/2(木)23:59まで
    著:
    三木笙子
    イラスト:
    桐矢 隆
    出版社: 小学館

    異国の美青年が語る〈帝都妖霊物語〉。

     帝都・京橋区にある滝澤旅館の主人は、無口で無愛想な男、和恭。彼が時折、宿の中庭を眺めながら縁側でともに茶を飲むのは、しばらく前からこの宿に滞在している異国の青年サレハだ。
     サレハは一年ほど前、遥か遠い砂漠の国から、主命により故郷の品を商うために帝都にやってきた。今は銀座の勧工場を借りて店を開き、故国の華麗な絨毯や優美な道具に囲まれて商売をしている。まるで人形のような美貌を持つサレハだが、意外にも人懐っこく話好きで、時間があれば故郷の風物や闇に沈む者たちの話を和恭に語って聞かせ、和恭も熱心に耳を傾けるのだった。
     そんなふたりの周囲で、奇妙な出来事がたびたび起こり人々の心を惑わせる。人を若返らせる水差し、夜店の向こうにあるバザール、香りが消えた金木犀――山伏姿の警視総監・虚空に依頼され、サレハと和恭は、この地にやってきた異国の妖霊たちが関わっているらしき不思議な事件の謎を探ることに……。 
     人ならざるものを見る青年が帝都で語る、妖霊(ジン)たちの物語。
  • 462(税込) 2024/5/2(木)23:59まで

    陰謀渦巻く後宮に、突然放り込まれて!?

     上帝・黄龍王のもと、東西南北をそれぞれ青・白・紅・黒の各龍王が統べる大瓏帝国に、十年に一度の『選秀女』の季節がやってきた。これは各龍王家の当主がそれぞれひとりずつ、自分の家からこれぞと思う才色兼備の姫君を上帝陛下の後宮へ上がらせ、妃の座を競わせるという大切な儀式なのだった。
     うまくいけば超玉の輿のチャンスとなるこの『選秀女』だが、三流の家の姫を自認する朱瑛には、本来まったく縁のない話のはずだった。……そう、選ばれし者の証である《龍玉》を握って生まれた朱瑛を、紅龍王が養女に迎えて、上帝陛下の後宮へ投入するまでは。
     そもそもこの朱瑛、美しさや女性らしさで上帝の寵を競うお妃候補には、まるで向いていない人材なのだ。不老不死の妙薬――仙丹を作るという煉丹術に執念を燃やし、危険で妖しげな研究に日夜耽溺する変わり者で、実の兄すらドン引きするほど雑な性格の持ち主なのだから。
     しかし大方の予想に反して、上帝・棣棠の覚えがめでたくなってしまった朱瑛は、否応もなく大きな運命の渦に巻き込まれていく。果たして朱瑛が直面する《龍の後宮》の秘密とは……? 痛快☆中華風ファンタジー!
  • 拾われた鬼の子は、恩ある姫の親衛隊に!?

     世界は五国に分かれていた。それぞれの国には龍神が灯したと言われる「はじまりの火」が灯されており、それを絶やさず守ることが各国の王族の努めとされている。さて、東の地にある桜春国の王族には、代々女しか生まれない。その桜春国の女王を母をもつ白妙姫は幼いある日、難民の生き残りで、全身ぼろぼろになって倒れていた鬼の少年・樒を拾った。鬼は龍神の末裔といわれていて、頭に生えるのは龍の角とも考えられる「人とは異なる者」たちだ。本来とても誇り高い一族で、人間を見下す鬼も多いとされているが、磨いてみれば樒は美しい白鬼で、これを気に入った白妙は、樒を「しぃ」と呼び、そばに置くことを決めるのだった。
     やがて成長した樒は、王個人に仕える官吏「花守」の一員になることを望むが、当代の女王・吉乃が、自らの命を薪のようにくべて、内裏に流行した特殊な病によって消えかけていた「はじまりの火」を復活させたことを知り、代々の王が火の生け贄となるために存在している事実を知ってしまう。樒は花守として、全力で白妙を守ろうと心に決めるが……。
     主従の愛にきゅんとする、ネオ和風ファンタジー!
  • 不本意ながら「見える系」になりました…。

    三十オーバー、仕事にやりがいはあるけれど、そろそろ長年付き合った彼氏との結婚も視野に――と思っていた矢先にその彼氏が別の女性と結婚することになり、突然失意のどん底に落ちた中川世絆。さらに不幸は重なるもので、傷心のまま道を歩いていたときに、世絆は交通事故に遭ってしまう。彼女を車ではねたのは地元・亀有で不動産会社に勤務する綾瀬暁大。責任をかんじた綾瀬は何かと気を遣ってくれて、多少は心が慰められた世絆だったが……その事故以来、なんと彼女は幽霊が「見える」ようになってしまう。いや、正確にいえば、昔は少し見えていたのだが、いつの間にか消えていたその「見える」能力が、このタイミングで復活してしまったのだった。
     妙な縁で知り合った綾瀬はといえば、「見えない」けれどそういう事象に興味津々なタイプで、年下の遠慮のなさで世絆にぐいぐい近づいてくる。そんな綾瀬の仕事が不動産の仲介業ということもあり、心機一転、新居を探してもらうことにした世絆は、そこからなぜか、仕事とは関係ない部分でも綾瀬と行動を共にすることになり……?
     東京都葛飾区亀有を舞台に、オトナ女子の迷いと元気回復をえがく、ほっこり癒やしのオカルトストーリー!
  • あやかしが跋扈(ばっこ)する中華風ファンタジー!

    紫微国の西、侶州の役人として任地へ赴いた脩徳は、そもそも昔から運の悪い男だった。若くして難関試験を通過し、皇帝にまで目をかけられたエリートのはずなのに、赴任先では人外のモノたちに絡まれて……。
  • 416(税込) 2024/5/2(木)23:59まで
    著:
    美波フユ
    イラスト:
    壺也
    出版社: 小学館

    現代の青年が突如、華夏国の皇子に……?

     中国の古代遺跡を旅していた日本人の連城愁也は、その道すがら、現地で店を営む朝井侑次郎という青年と出会った。しかしその直後、愁也は暴走したトラックにはねられて瀕死の状態に。駆け寄ってきた朝井に「死んではいけません」と手を握られるが、そのまま意識を失い――次に目覚めたときには、古代中国にも似た「華夏国」という国の少年皇子・廉愁になっていた。しかも、目の前にはあの朝井とどこか似ている男・李鳳麗がいる。どうやら愁也は現代日本人としての意識を保ったまま、謎だらけの中華風世界に迷い込んでしまったようなのだ。
     華夏国の皇子・廉愁はもうすぐ迎える16歳の誕生日に、冠礼の儀を執り行い、同時に皇太子として立つことになっていた。が、不慮の事故か何者かの陰謀によって、一度は呼吸が止まっていたのだという。それを「死人寄せ」をして生き返ったのが今の廉愁で、どうやらその中に愁也は取り込まれてしまっているようなのだ。
     何らかの事情を知っている様子の鳳麗に支えられながら、廉愁として生きるほかなくなった愁也は、いつか元いた世界に戻ることを夢見つつ、皇子の周囲のきな臭い状況と、その誕生の秘密を把握し始めるが……。
  • 493(税込) 2024/5/2(木)23:59まで

    誰かの夢の中に入り込めるとしたら?

     毎晩、同じ世界の夢を見ることができるツキコ。一本の巨大樹を中心に、豊かな緑が広がるその広大な夢の世界には、ツキコ以外は誰もおらず、鯨や怪獣に似た不思議な生き物だけが静かにのんびりと動き回っている。現実世界――通っている高校でツキコは少し浮いた存在で、友人と呼べるのは幼馴染みのヒナタだけ。相手を和ませる性格のヒナタは皆に好かれているが、誰ともかかわろうとしない自分は孤立気味だ。そんなモヤモヤする現実に比べ、誰の目も気にせずのんびりと過ごせる夢の世界は、ツキコにとって癒しの場。心からリラックスできる空間なのだ。
     ところがある晩、ツキコの大事な夢の世界に見知らぬ青年が入り込んでくる。ギョッとするツキコに青年は名乗りもせず、なぜか不機嫌そう。不遜な態度の彼を問い詰めたところ、彼は「裏世界」と呼ぶ他人の夢の世界を旅しているらしい。青年とともに「裏世界」を巡ることになったツキコは、ミステリアスな世界の謎を解き明かしていくが…?
     『最後の医者は桜を見上げて君を想う』の著者が描く、感動と発見の青春ファンタジー!
  • 新米陰陽師と美形あやかしの迷コンビ誕生!

    「来たれ。そして、我に仕えよ!」
     ときは平安、華やかなりし京の都のそこかしこ――夜の闇やよどみには、目に見えない物の怪たちが跋扈していた。さて、まだ幼い顔をした陰陽寮の新米役人・大江春実の夢は、いつか一人前の陰陽師になることだ。しかしまだまだ未熟ゆえ、うかつに召喚したあやかしに、圧倒的な能力差で敗北し、食事がわりに自らの寿命を提供することになってしまった。
    「式神がほしかっただけで、自分が物の怪の保存食になりたかったわけじゃない……」
     嘆く春実に、美形のあやかし・雪羽はせせら笑う。
    「悔しかったらあたしに勝てばいい。寿命が残っているうちにな」
     かくしてここに新米陰陽師と、飄々とした式神もどきという世にも奇妙な凸凹コンビが誕生した。
     春実は同僚の頼尚とともに、左大臣の邸・万華院へと向かう。そこでは夜な夜な青白い謎の人影が徘徊し、ついには使用人の男が頓死したのだという。春実らはこの問題を解消するため、陰陽寮から派遣されたのだった。
     果たして春実は、豪邸で起きる怪事件を解けるのか?
  • 旦那さまは龍神でした――

     子どもの頃に両親を亡くし、叔父夫婦に引き取られた小夜子。何をしても叱られてばかりで、叔父が営む土産物店でもこき使われているが、お客様のためにと毎日笑顔で頑張っている。
     ある日、大事な取引先である泉宮酒造の経営者、泉宮浅葱が店にやってくる。叔父の店は経営難で、泉宮への支払いを滞らせていたらしい。冷酷で無慈悲、従業員も夜逃げする…と悪い噂が多い浅葱だが、泉宮の酒は評判がよく、取り引きを打ち切られると叔父の店は大打撃だ。心配する小夜子だが、後日、叔父から衝撃的な言葉を告げられる。なんと、浅葱が小夜子との結婚を望んでいるらしい。叔父は小夜子の気持ちも聞かず、店のためだと強引に話を進めてしまう。
     婚礼の日、緊張する小夜子を出迎えた浅葱は、無表情ではあるものの意外にも細やかな気遣いをみせてくれる。だがその晩、浅葱と契りの口づけを交わした小夜子は、驚くべきものが見えるようになる。なんとこの泉宮酒造は、あやかしたちが働く酒蔵で、浅葱の正体は龍神だったのだ! 恐ろしさのあまり、小夜子は泉宮の家を飛び出してしまうが――。
     龍神と犬神に囲まれて送る新婚生活は、予測不能で波乱万丈!? あやかし夫婦ストーリー!
  • 彼と僕の関係が変わる――日常の非日常。

    ある夏の日のこと。高校生の鏑木摂は親友の名和秀真に告白し、見事玉砕してしまう。直後、暑さに倒れた摂は保健室で目覚めたが、そこはすでに「今までいた世界とそっくりなのにまるで違う世界」に変わってしまっていた。
    周囲の人々との関係も以前とは違う。いるはずのない人が存在している。これが夢でないのなら、自分は何かのはずみで別の世界へ移動したんだ――そう考えた摂を、「こちらの世界」の秀真は祖父が管理する水神社へ連れていく。どうやら彼は、この不思議な入れ替わりの事情を知っているようで……? 新感覚パラレル・ストーリー!
  • 祖父の後を継いだ新卒女子の診療所生活は?

    大学の獣医学部を卒業したばかりの、新米獣医師コハル。春からは晴れて田舎の瑞杜町で、獣医である祖父の診療所を手伝おうとしていた矢先、頼みの綱にして仕事の大先輩だった祖父が急逝してしまう。
    急遽、跡継ぎとしてたったひとりで診療所を再開することになったコハルのもとに、再開初日に急患がやってくる。それは血まみれの黒犬で、自分のことを「蒼灯(そうび)」だと名乗った。「まさかしゃべる犬が診療にくるなんて!?」と内心大パニックのコハル。なんとか傷口の縫合手術をやってのけたその翌日、診療所の台所には当然のような顔で朝食を作る見知らぬ青年の姿が……。
    「妖怪って知ってる? 結構あちこちにいるんだよ。人間が気付かないだけで」――あっさり言ってのける青年・蒼灯の言葉どおり、それからの診療所には、ごく普通の患畜に混ざって、いろいろな妖怪が訪れてくるように。蒼灯の説明によれば、そもそもコハルの亡き祖父のアキトモが、彼らの間では有名な存在で、獣医の傍ら妖怪の診療もしていたというのだ。動物の診療もままならない新米獣医だというのに、未知の存在である妖怪の面倒までみることになったコハルの運命は……?
  • イマドキ女子と幽霊少女の感動吹奏楽小説!

     女子高生の美香が帰宅途中のゴミ捨て場で見つけたのは、トランペットより一回り小さい金管楽器、コルネット。なんの気なしに美香がその楽器を掴むと、なぜか近くから女の子の声がした。
    「あ、そこ触らないでほしい」
     なんとそのコルネットには、かつての所有者で、天才演奏家だった少女・紫乃の幽霊が憑いていたのだ!
     小さい頃から練習漬けで十七歳で病死したという幽霊の紫乃。普通の高校生活を送って青春してみたかった、という紫乃の願いを叶えようと、美香は吹奏楽部に入ることを決意する。
     紫乃に体を預けることでコルネットが吹けるようになった美香は、学校にコルネットを持ち込み、突然天才的な演奏を披露して周囲を驚かせる。吹奏楽部からの誘いも受けて意気揚々と入部した美香だが、意外とキツい練習が続き、気持ちはだんだんと引き気味に。音楽の知識もないうえ、もともと努力なんて無縁の性格、何事にも真剣味が足りない美香の態度は、紫乃に怒らせるばかりか、クラスメイトの吹奏楽男子・川崎も苛立たせてしまって……。
     天才幽霊少女とともに生み出す音色が、イマドキ女子高生を変えていく。感動の青春×吹奏楽小説!
  • 呪いの解決法が書かれた本は延滞中!?

     術師を生業としていた兄の命日に部屋へ黒い風が入り込んで以来、あやかしの姿が見えるようになってしまった有末かなで。ふわふわした喋る埃の塊のようなものに「呪い」だと言われ、対価(チョコレート)と引き換えに、「ひいらぎ文庫」に行けば呪いを解ける方法が書かれた本があるはずだと教えてもらう。
     次の日の放課後、枯れ草だらけの原っぱと林を越えてなんとか「ひいらぎ文庫」にたどりついたかなでだったが、玄関前に寝ていた金色のキツネのしっぽをうっかり踏んづけてしまう。そのキツネに男の声で文句を言われ、喋るキツネなのか動物の言葉までわかるようになったのか混乱するかなで。そんなかなでを「ひいらぎ文庫」の中へ招き入れてくれたのは、「ひいらぎ文庫」の室長で浮世離れした美貌の長谷川柊だった。
     ところが、かなでの目的の本は延滞中! 困るかなでを見かねた長谷川の厚意で、長谷川の式神だという喋るキツネの未明(みはる)を留守番役に、かなでは長谷川と一緒に延滞本を取り立てに行くことに。しかし、本の借主と一緒に本の行方がわからなくなっていて!?
     あやかし×本がもたらす、心に響く思い出の物語。
  • 447(税込) 2024/5/2(木)23:59まで

    和カフェの店主は、幼なじみの拝み屋さん。

     結婚予定の恋人と、天職だと思っていた仕事をいっぺんに失った、不運すぎるアラサー女子の藤堂朱音は、傷心を抱えて東京から地元・仙台へと戻ってきた。ところが久しぶりに帰った実家はもぬけの殻で、両親とは連絡がとれない上に、二人そろって海外へ長旅に出かけたらしいと知り、朱音は途方に暮れる。
     そこへ救いの手を差しのべたのは、幼なじみで少し意地悪な金ケ崎玲二。実は彼は、朱音の祖父母宅をリフォームして「巡縁堂」という和カフェを始めることにした店主兼オーナーで、不可思議な現象に悩む人々を救う「拝み屋」でもあるのだという。
     巡縁堂は「憑かれた」者たちを救う駆け込み寺だと豪語する幼なじみを、「詐欺師なんじゃないか」と疑う朱音だったが、玲二の作る優しい料理に癒やされ、ついでに厄介な「憑きもの」も落とされて、やがて信じるように。
     あれよあれよという間に、なぜか助手として彼の仕事を手伝うことになってしまい……?
  • 鬼神と白虎が作る京の和菓子のお味は?

    幼い頃から「あやかし」が見える芹沢天音。そのせいでずっと「おかしな人」「嘘つき」と言われていた天音は職場でもうまくやれず、仕事を辞めて、生前祖父が和菓子店を営んでいた京都の家で暮らそうと上賀茂を訪れる。だが、無人のまま放置されていたはずの家に見知らぬ青年が。しかも一階の店舗は開いていて、雲龍庵と書かれた祖父お気に入りの看板も入り口の上に掲げられている。一体どういうこと? おどろく天音に、店主だという青年・北条成清は、祖父に頼まれて味を受け継ぎ、小太郎・小菊という幼い双子と三人で雲龍庵を続けているのだと語る。祖父から「いつか天音が訪ねてくるだろう」と聞かされていたという成清の言葉に、天音は少々怪しく思いながらも菓子作りを手伝うことを決める。ところが、かわいい双子のきょうだいは、眠くなるとなぜか小さな虎に変身!? しかも成清の頭には小さな角が見えて……。
     あやかしが営む和菓子店で、あやかしとともに始めた不思議で優しい同居生活。やがて天音は、祖父の和菓子を作り続けることが、あやかしと人間を繋ぐことになると知る――。京都和菓子×あやかしストーリー。
  • 431(税込) 2024/5/2(木)23:59まで

    不思議な扉の先で出会ったのは青年ホームズ。

    東京の名門・英王学院高等部一年生の塔野仁は、父親の会社が倒産したことで突然、極貧状態に。生活費を稼ぐためのアルバイトに明け暮れた夏休みが終わり、久しぶりに登校する仁の激変ぶりに、お坊ちゃま揃いの級友たちは戸惑いを隠せない。そんな彼らのクラスに転校生がやってきた。彼、神木律は芸能界を引退し、もう一度、高一からやり直そうとしている二歳年上の元・人気俳優。全部リセットしようとする律に、仁は自分の境遇を重ねて共感を抱く。
     そんなある日、学校のはずれにある古い図書館にやってきた仁と律は、西日に照らされた特別書庫の扉が不思議な輝きを放っていることに気付く。誘われるように扉をくぐった仁と律が目にしたのは……なぜかヴィクトリア朝のロンドン!? 混乱する二人の前に現れたのは、諮問探偵(コンサルティング・ディテクティブ)を生業とする青年シャーロック・ホームズ。ミステリー小説の登場人物が実在していることに驚く二人は、やがて好奇心旺盛なシャーロックとともに、事件に巻き込まれることに――。
     時空も現実も超えてシャーロック・ホームズと出会った男子高校生たちの、スリリングな冒険が始まる!!
  • 454(税込) 2024/5/2(木)23:59まで

    宿命の公主をめぐる絶品中華風ファンタジー。

    遙か昔、荒涼とした大陸に、五人の神仙が舞い降りた。これが五仙大陸の始まり。そして五つの国が生まれる。東に發、西に肅、南に焦、北に幽、中央に雀。仙人の五羽の神鳥の名が国号の由来であるといわれ、この大陸では王朝が滅びる際に、青、白、赤、黒、黄――国ごとに色の異なる凶鳥が現れるという言い伝えがある。
     大陸の南、焦の国王の第二公主として生まれた瑠蘭は、「夢視」の能力者によって、国に災厄をもたらすと予言された「凶鳥姫」。殺せば更なる災厄が起きるという理由で籠の鳥のように生かされてはいるが、他人の「過去」を読む能力まで持っていたがゆえに、いつも周囲に疎まれ、孤独だった。それでも瑠蘭は「いつか国の役に立ちたい」と願って日々を過ごしていた。
     ある日、王宮が青い炎に包まれた。火を付けたのは前王朝を滅ぼしたとされる蒼焔だ。この凶悪な神仙に唯一太刀打ちできる力を持つのは鵬天という仙人だと知って、瑠蘭は彼が隠棲する漉冥山へ向かう。ところが、ようやく目通りがかなった鵬天は偏屈な変わり者。国の一大事にもいっさい力を貸す気はないようで……?
     宿命の公主をめぐる絶品中華風ファンタジー!
  • 447(税込) 2024/5/2(木)23:59まで
    著:
    沖田円
    イラスト:
    爽々
    出版社: 小学館

    世界が終わる前に探し出した、本当の自分。

     わたしはこの世界が嫌いだ。
     そんな気持ちを誰にも知られないように、周りが期待する「わたし」らしさを装って、当たり障りのないよう生きてきた女子高生の佐伯真魚。ある日、差出人不明の手紙で校舎の屋上に呼び出された真魚は、手紙の送り主がクラスメイトの九条シキだと知って驚く。いつも暗い雰囲気を漂わせて教室の隅にいる九条。だが、目の前の九条は晴れやかな笑顔を見せている。そしてその背中には、白く大きな翼が。人畜無害だと思っていた地味な男子生徒が、実は天使を演じるイタい人種だった…? そっと引き返そうとする真魚に、九条は謎めく言葉を告げた。
    「佐伯さん、聞いて。あと七日で世界が終わるんだ」
     世界を滅ぼすかどうかの選択者に、真魚を選んだという自称・天使の九条。そして滅亡を避ける方法は、真魚自身をこの世界から消す、というものだった。九条の言葉を信じられない真魚だが、翌日、いつもの景色から何かが失われていることに気づいてしまう――。
     世界の未来をその手に握る真魚が、最後の一週間で見つけた“答え”とは? 若者の圧倒的支持を集める沖田円が描く、感動の青春小説!
  • ちっちゃな女神様と一緒にグルメなお仕事!

    栗原綾乃は編集者だ。文芸作品の担当になりたくて憧れの出版社に就職したけれど、仕事で致命的なミスをして、有無を言わさずとばされた先は、よりによって料理情報誌『食彩記』の編集部だった。実は綾乃は重度の食品アレルギーもちで、数ある編集部の中でもここだけは避けたかったのが……。
     絶対絶命の綾乃は、これまでのアレルギー人生を呪いつつ、夢うつつの境で食べ物への恨みつらみを盛大にぶちまける。するとその言葉を聞きつけた通りすがりの女神『花比売(はなひめ)』が、「食の素晴らしさを教え、改心させてやる」と綾乃に契約を持ちかけてきた。
     強引な展開に困惑するしかない綾乃だったが、一心同体となった花比売のおかげか、あれほどひどかったアレルギー症状が消えてしまって万々歳。しかし自分の中に居候している女神のぶんも大量のカロリー摂取が必要らしく、食べても食べても、すぐにお腹がすいて仕方がない。しかし女神は「美味しいものでなくてはイヤ」と言うし……。かくして、ちっちゃい女神様と元アレルギー体質編集者の、グルメ追及二人三脚生活が始まった!
  • 439(税込) 2024/5/2(木)23:59まで
    著:
    朝比奈希夜
    イラスト:
    mocha
    出版社: 小学館

    あやかし猫が起こす再会の奇跡!

     ストレスで体調を崩し、会社を退職。初めての彼氏にも浮気されてあっさり失恋。うまくいかない人生に打ちのめされた美琴が逃げこんだのは、亡くなった祖母が住んでいた田舎の空き家だった。
     誰とも接触せず、引きこもり気味に一人暮らしをはじめた美琴だが、気分を切り替えようと訪れた近くの神社で、見習い神主の青年・千早と、人の言葉を話す猫・モーと出会う。モーの不思議な力によって過去の自分の姿を見せられた美琴は、心の奥に押し込めていた後悔と向き合うことに……。
     花咲神社は生者死者の再会が許されている場所。神様の眷族だというモーは、それを必要としている人々の手助けをするのだと千早は言う。特別なこの神社で、美琴が選んだ未来とは――?
     心から誰かに再会したいと願えば、きっと叶えてくれる神様の猫がここにいる。現世〈うつしよ〉と隠世〈かくりよ〉をつなぐ花咲神社で、優しい神主見習いと毒舌猫とともに働くことになった美琴の、奇跡と涙と感動の物語!

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