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『文化、講談社(実用、新書)』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全307件

  • 「桃太郎や瓜子姫に隠された意味は?」「天狗や鬼や河童などの妖怪を昔の人はどう考えていたの?」「民話に3人兄弟が多いのは何故?」――誰にでもわかっているようで、わからないことが多いのが民話だ。話の題名だけでなく、動・植物名、神や妖怪や昔の職業、暮らしの道具など、300以上の項目から民話の内容がすぐにひける、民話のことなら何でもわかる、画期的なガイドブック。世界の民話や民族との関係もわかり易く解説。家庭でも学校でも必ず役に立つ待望の一冊!
  • 淫蕩、凶暴、冷血――女は誰でも突然、変身する!! 古今東西の悪女ベスト20、4タイプの悪女を知れ!
    あなたの近くに潜む悪女……そのタイプは、マリー・アントワネットか、則天武后か!?

    本書では、紀元前の中国、古代ローマ時代から、中世、現代に至るまで、「悪女」として語り継がれた20人の女性の悪女ぶりを、4つのタイプに分けて紹介しています。すなわち、凶暴な本性を余すところなく歴史に刻んだ「凄惨きわまる悪女たち」、けた外れの淫女として快楽の限りを尽くした「淫乱に徹した悪女たち」、女の魅力を使い、あるいは手段を選ばず、権力欲を遠慮会釈なく発揮した「政争に明け暮れた悪女たち」、なぜかその一生が醜聞の連続になってしまう「スキャンダルまみれの悪女たち」です。あなたの近くにも必ずいる悪女。彼女たちの悪行三昧ぶりを思い出しながら、4つのうちのどのタイプに当てはまるか考えながら読んでください。今後のつき合い方に生かせるでしょう。

    ●性に寛容なローマ帝国でのタブー
    ●「鉄の処女」と呼ばれる拷問道具
    ●殺された娘の肉を喰らうよう強要
    ●自らの子を殺め奪った皇后の座
    ●売春を非難する人間を次々と処刑
    ●わずか11歳で肉欲の虜に
    ●エリザベス1世の愛欲の日々
    ●権力維持のための「嫁いびり」
    ●ヌード写真でつかんだ幸運
    ●ダイアナが皇太子につけた注文
  • 「江戸文化」は商人が生んだものである。情報の乏しかった時代、彼らはいかにニーズをつかみ、成功者となったの!? 18人の豪商たちの実例を検証し、珠玉の手法を堪能する!!

    ●俗に300年といわれる江戸時代の商人の経営方法は、時代、時代によって違うが、それぞれの時代で活躍した商人たちは必ず、「今の世の中がどういう状況にあるか、そしてこれからどうなるのか」という先見力を発揮している。成功者に共通するのは、「今、同じ時代に生きる顧客は、いったい何を求めているのか」という、すぐれたマーケティング能力である。それによって、同時代人のニーズを知り、「自分の企業で、どうすればそのニーズに応えることができるか」ということを真剣に模索した。科学技術がまだ発達していないとき、彼らは一様にこういった。「カネがなければ、チエを出せ。チエがなければアセを出せ」。現在にも当てはまる至言(しげん)である。

    ●難工事を申し出て秀吉に接近
    ●嘘の名器・ルソンの壺で大儲け
    ●高瀬川を海に拡大し北前航路を
    ●よろこばれたノコギリ商売
    ●銭湯でマーケティングリサーチ
    ●「涼しい蚊帳」が江戸の名物に
    ●店名を「大文字屋」から「大丸」に
    ●「酒と肴を原価売り」の種あかし
    ●PRのため歌を流行らせる
    ●各藩の名産品競争を促す
  • 幕府に対し抗議の切腹! 婚活支援も代官の仕事! 「水戸黄門」が描く江戸時代は史実と正反対!? 借金だらけの質素な生活に文句もいわず、領民の生活向上のために汗を流した真の武士――今日、代官といえば「悪代官」が定番である。頭巾をかぶり、お忍びの姿で豪商を訪れ、山盛りの切り餅(二十五両の包み)を前に、「むふふ、お主もワルじゃのぉ」「お代官様にはかないません。わっはっはっ」と「賄賂を取り放題、悪行三昧」の場面をテレビなどで見かける。これは大正時代に一世を風靡した、立川文庫の講談本『水戸黄門漫遊記』から始まるようだ。そして、昭和44年(1969)8月から始まったテレビの『水戸黄門』により、代官は完全に悪役の汚名を着せられ、世間に定着させられたのである。しかし、江戸幕府の270年わたる繁栄を支えたのは紛れもなく代官たちであり、そこには多くのドラマが隠されている。

    ●徳川家康も一目置いた名代官とは
    ●「婚活」の世話も代官の仕事?
    ●代官と商人の涙ぐましい関係
    ●江戸時代の百姓一揆は1件だけ?
    ●代官も直面した中間管理職の苦悩
    ●超多忙だった南町奉行・大岡越前
    ●「遠山の金さん」のリアルな姿
    ●時代劇には登場しない無頓着代官
    ●代官が行った世界初の偉業とは
    ●アメリカの土を踏んだ代官の無念
  • 日本人の曖昧な体質はどこから生まれたのか。ヤマト建国、共存の着想を検証する。日本と日本人の正体!――日本人とはいったい何者なのだろう。どこからやって来て、どこに行こうとしているのか。たった一つのキーワードを掲げるだけで、おもしろいように「日本人の正体」がわかるようになってくる。そのキーワードとは「日本人の曖昧な体質」なのだ。しかし、この「曖昧な体質」は、ヤマトがいくつもの地方、多くの異なる文化を持った人々の集まりであったため、共存していくうえでの知恵であった。民族の誇るべき歴史といえる。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    水木しげるの妖怪図鑑が新しくなって登場!
    新たに200以上の妖怪や神さまを追加し、全面改稿した妖怪ファン必携の完全保存版。

    ※本書は、『図説 日本妖怪大全』(講談社+α文庫1994年6月刊行)と『図説 日本妖怪大鑑』(同2007年7月刊行)をあわせて、再編集し、改題したものです。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    みかえり仏像にアフロ仏像、モデル体型、色白美人……。仏像大好きイラストレーターが、独自の視点で日本の仏像の魅力をご紹介! 初心者にもわかりやすい基礎知識の解説も。この一冊で仏像の面白さが堪能できる!
  • シリーズ4冊
    440(税込)
    著:
    亀井勝一郎
    レーベル: 講談社文庫
    出版社: 講談社

    本書は、近代日本批評精神の強烈な具現者亀井勝一郎畢生の著作「日本人の精神史」四部作中の第1作で、わが国古典成立時代の人々は、どのような過程を経て精神を形成して行ったのか、その性格と特徴の歴史を、7世紀から8世紀後半にかけて、日本人の精神の原型をさぐった名著。芸術院賞、菊池寛賞受賞。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    阿修羅像(興福寺)の手は6本、顔は3つ。では耳はいくつ? 答えて、わかって、会いに行こう!――楽しくクイズに答えていくうちに忘れていた仏像の名前を思い出したり、基本知識が身につく本! かんたんなものから、深まったクイズ、コラムまでいろいろあってお寺に行ったときにも役立ちます。日本の仏像の素敵さ、美しさにあらためて感動。できるだけたくさんの仏像に会いに行って好きになれる像に出会って!

    ●千手観音は本当に手が1000本ある?
    ●お釈迦様のおでこの白いポッチは何?
    ●如来と菩薩、男? 女?
    ●奈良の大仏とガンダム、大きいのはどっち?
    ●髪をお下げにして花をつけたりしているのは誰?
  • 発音も不明な謎に満ちた文様――エジプト聖刻文字、楔形文字、ヒッタイト文書、ウガリット文書、ミュケーナイ文書。主要古代文字が解読されるまで推理、仮説、検証を重ねた、気の遠くなるような忍耐と興奮の軌跡を、言語学と旧約聖書研究の泰斗が、平易かつ正確に描写。数千年を超えた過去との交流を先人とともに体感できる、心躍る書!(解説・永井正勝)

    まえがき
    第一章 言語と文字 高津春繁
    第二章 エジプト聖刻文字の解読 関根正雄
    第三章 楔形文字の解読 関根正雄
    第四章 ヒッタイト文書の解読 高津春繁
    第五章 ウガリット文書の解読 関根正雄
    第六章 ミュケーナイ文書の解読 高津春繁
    学術文庫版解説 永井正勝(人間文化研究機構人間文化研究創発センター特任教授)
    索引
    地図

    内容紹介
    両者の解く古代文字解読の世界は、解読当時の学者達や社会の常識を踏まえつつ、解読者の心境を代弁するかのような語り口でなされている。そこに時折加えられる古代社会の記述も相まって、読者は解読当時の様子をこの目で見ているかの如く本書を読み進めていくことができる。(略)本書の魅力は、文化に対する深い理解と愛を持った卓越した研究者の手になる部分が大きい。         ――――――「解説」より

    *本書の底本は『古代文字の解読』(岩波書店 1964年10月刊)です。文庫化にあたり読みやすさに配慮して、旧字を随時、常用漢字に置き換え、送り仮名も新字対応とし、ルビの追加を行い、明らかな誤植は訂しています。
    経年などにより説明が必要と思われた箇所は、編集部註として[ ]で補足いたしました。「最近」「現在」などの表記につきましては、原本が出版された一九六四年時点の時制といたします。
    本書には現在では差別的とされる表現も含まれていますが、著者が故人であることと差別を助長する意図はないことを考慮し、原本刊行字の文章のままとしております。
  • 仏像に手を合わせると、ほとけさまの声が聞こえてくる――如来像、菩薩像、明王像などの仏像を、どう拝めば祈りは通じるのか。さまざまな「仏像の約束事」を知り、仏像を拝むことから、仏教の教えに入っていけるようになる!

    ●野球で監督やコーチ、選手たちがさまざまなサインを出しているように、仏像もまた、さまざまなサインを出しています。仏像の手の指を見れば、「(略)説法をしておられるのだ」「坐禅をしておられる」(略)というようなことがわかります。手の指だけではありません。着ておられるもの、身につけておられる装身具のある・なしによって、そのほとけさまが出家された方であるか、在家の人間なのかがわかります。そうなんです、仏像にはさまざまな約束事があります。(略)仏像に手を合わせて拝むときにも、わたしたちは仏像の約束事を知っておいたほうがよいのです。仏像の約束事を知って仏像を拝んでいると、「仏像が語りかける声」が聞こえてきます。そしてその声を手がかり・足がかりにして、わたしたちは仏教の教えに入っていけるのです。

    ●仏像に関する1つの伝説
    ●原始仏教と大乗仏教の仏陀観
    ●偶像崇拝の禁止と仏像との関係
    ●仏像はほとけの最高の美を凍結
    ●請求書の祈り、領収書の祈り
    ●立体曼荼羅が持つエネルギー
    ●お寺が持っている3つの機能
    ●仏像の5分類
    ●お釈迦さまの3つの基本印相
    ●あなたのために語りかける説法
  • 1,210(税込)
    2024/5/15 (水) 配信予定
    著:
    西山松之助
    解説:
    内田樹
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    絵画、舞踊、演劇、武術、茶、花、刀剣鍛造・鑑定……体を使って文化価値を創造する「芸」は、いかに習得し、創造していくものなのか。師匠から弟子への相伝作法から見る日本人の精神構造。家元制度というシステムの背景。千利休や芭蕉、世阿弥の芸術論や「秘伝」の哲学と社会的役割など、「芸道」という独特の文化社会を考察する!

    目次)
    第一章 芸道の成立  芸と芸道/「型」の理論/芸道成立の実例
    第二章 芸道の系譜  遊芸の系譜/武芸の系譜/大衆芸能の系譜
    第三章 秘伝の相伝  秘伝伝授の歴史/家元制度と相伝
    第四章 芸の習得   一生修行の世界/仏道の行/遊芸の行/芸の習得と想像
    第五章 至芸の境   守・破・離/名人と天才
    解説「芸」における弟子の効用    内田 樹(神戸女学院大学名誉教授・武道家)


    本書は『芸の世界 ――その秘伝伝授』(1980年刊 講談社)を改題したものです
  • 劇場のように華やかな装飾。高い天窓からふり注ぐ陽光。シルクハットで通勤するしゃれた従業員。乗合馬車で訪れる客を待つのは、欲望に火を付ける巨大スペクタクル空間!
    帽子職人の息子アリステッド・ブシコー(1810-1877)と妻マルグリットが、様々な施アイデアで世界一のデパート「ボン・マルシェ」を育て上げた詳細な歴史を、当時を描く仏文学作品や、19世紀初頭のデパート商品目録など稀少な古書から丹念に採取。
    パリの世相や文化が、いかに資本主義と結びつき、人々の消費行動を変えていったのか、
    仏文学者にして古書マニア、デーパート愛好家の著者だから描けた、痛快・ユニークなパリ社会史!


    内容紹介)
    客の目をくらませてしまえ!世界だって売りつけることができるだろう!

    「白物セール」のときには、それぞれの売り場が白い生地や商品だけを優先的に並べたばかりか、上の階の回廊や階段の手擦りを白い生地で覆いつくし、造花も白、靴も白、さらに家具にも白のレースをかぶせるなど、全館をすべて白で統一し、
    1923年の「白物セール」では、「北極」というテーマに従って、アール・デコ調にセットされたシロクマやペンギンが、ホールに入った客を出迎えるようになっていた。
    ようするに、ブシコーにとって、店内の商品ディスプレイは、〈ボン・マルシェ〉という劇場を舞台にして展開する大スペクタクル・ショーにほかならなかったのである。
      ――第二章「欲望装置としてのデパート」より

    *本書は『デパートを発明した夫婦』(講談社現代新書 1991年11月刊)に「パリのデパート小事典」を加筆し、改題したものです。
  • 愛について、老いについて、死について。そして、政治、芸術、ゲイについて。生涯旅人生の著者が日本ばかりか外国でも〈盗み聴き〉して集めた日本人のホンネの言葉辞典。「これは!!」「ウーム!?」「こわ~い」の名語録が続々。権威もタテマエも関係ない〈無名人〉は強し!!『大往生』も実はこの本がモトなのだ!!
  • 649(税込)
    著:
    多田克己
    絵:
    京極夏彦
    レーベル: 講談社文庫
    出版社: 講談社

    不気味に魅了する妖怪たちの正体! 希代の妖怪案内書――妖怪とは何か? いかにその名と姿を与えられ、今に伝えられてきたのか? 姑獲鳥、魍魎、火車、絡新婦、ひょうすべ……京極夏彦の「妖怪シリーズ」に登場する妖しきものどもを網羅、解読し、学問的に位置づけた驚異のガイドブック。妖怪世界の奥深い魅力へと誘う、初心者から研究者まで必読の一冊。
  • いま、日本社会は停滞の渦中にある。その原因のひとつが「労働環境の硬直化・悪化」だ。長時間労働のわりに生産性が低く、人材の流動性も低く、正社員と非正規労働者のあいだの賃金格差は拡大している。 こうした背景を受け「働き方改革」が唱えられ始めるも、日本社会が歴史的に作り上げてきた「慣習(しくみ)」が私たちを呪縛する。 新卒一括採用、定期人事異動、定年制などの特徴を持つ「社会のしくみ」=「日本型雇用」は、なぜ誕生し、いかなる経緯で他の先進国とは異なる独自のシステムとして社会に根付いたのか? 本書では、日本の雇用、教育、社会保障、政治、アイデンティティ、ライフスタイルまで規定している「社会のしくみ」を、データと歴史を駆使して解明する。【本書の構成】第1章 日本社会の「3つの生き方」第2章 日本の働き方、世界の働き方第3章 歴史のはたらき第4章 「日本型雇用」の起源第5章 慣行の形成第6章 民主化と「社員の平等」第7章 高度成長と「職能資格」第8章 「一億総中流」から「新たな二重構造」へ終章 「社会のしくみ」と「正義」のありか
  • 古代インドに発祥する「地獄」は、この風土でどのような変容をとげたのか? 仏教典籍、『霊異記』、冥界めぐり譚、絵草紙、和歌・川柳や能・狂言などを広く渉猟して、地獄の構造とイメージを読み解く。また、火山・温泉や飢饉・災害など、現世にある地獄を史料に探る。天上の極楽浄土の対極には、地下の恐怖世界が広がっている。読む「地獄事典」です。
  • 近松も北斎も本当はイエスを信仰していた!江戸幕府が闇に葬ったキリシタンたちの真実。歌舞伎、浮世絵、稲荷信仰――。江戸文化に与えた意外な影響とは。
  • ※ この商品には出版社独自のフォントが実装されています。より良い読書体験を得るためには、iOS・Android端末での閲読を推奨します。それ以外の環境では、独自フォントでの正しい表示を保証できません(通常フォントでの閲覧には問題ありません)。

    「日本は第二の故郷です」ーーX30万フォロワーの人気ジョージア大使が語る、世界から見た知られざる日本の魅力、そして未来への提言。
  • 森と石、都市と農村が展いた後発のヨーロッパ文明は、どのようにして世界史の領導者になったのか。戦争・飢餓・疫病、ルネサンス・宗教改革・大航海を経てきたその歴史に建設と改新、破壊と停滞のリズムを読み取り、文明を一つのシステムとして通観する。西洋史の泰斗による格好のヨーロッパ入門!
  • 「あの世の闇」すら光り照らす猫の目を敬い、蛇の脱皮する姿に「復活」を想起し、糞玉を押す黄金虫に太陽を運ぶ神を想う……。ナイルの恵みで農業国として繁栄したエジプト中王国ー新王国時代。時に神と崇め、時に恐れ敵対した動物たちとエジプト人との関係や、動物ミイラの作り方、当時の社会や宗教観まで活写した、異色歴史書!

    内容一部紹介
    ◎古代エジプト人と猫の暮らし◎
    *夢に大きな猫が出たら吉兆。大豊作になる。
    *猫女神バステトは出産の神。新婚夫婦は欲しい子供の数だけ、護符に猫の絵を描く。
    *火事になったら火を消すよりも猫を助けよ。
    *飼い猫が死んだら家族全員、眉を剃って喪に服す…等

    序 文 
    第一章 猫
    世界最古の家猫図/オシリス神話/女神バステト/猫の聖地ベニ・ハッサン/パケト信仰/猫のミイラと棺/闇を退治する目/ネフルよ、ネフルよ/ブバスチスの「猫王」/バステトの祭り/猫の墓/エジプト人の愛猫心
    第二章 犬
    アヌビス信仰/西方の者/絵画と彫像/『二人の兄弟の物語』/エジプト犬のミイラ
    第三章 蛇
    二つのエジプト/『難破船水夫の物語』/悪蛇アポピス/翼ある蛇
    第四章 ライオン
    大スフィンクス/王たちとライオン/ライオン狩り
    第五章 黄金虫
    スカラベと太陽神/『死者の書』の図像/記念スカラベと印章スカラベ/護符スカラベ
    第六章 鰐
    ナイルの暴れん坊/ソベク神殿/オシリスを救う神
    第七章 ハゲワシ
    白い女神ネクベト/王冠飾りと棺の飾り/ハヤブサとトキ
    第八章 牛
    雄牛の神/雌牛の神
    第九章 驢馬、馬、駱駝
    砂漠と不毛の神/夷狄のもたらしたもの/洗浄の主役/奉仕のみの動物
    学術文庫版解説・・・・・・・ 河合 望(金沢大学古代文明・文化資源学研究所所長 金沢大学新学術創成研究機構教)
    古代エジプト略年表 

    本書は『古代エジプト動物記』(文藝春 1984年刊)を改題したものです。
    現在では差別的とされる表現が含まれていますが、本書が執筆された時代環境を考え、また著者が故人であることから、そのままにしてあります。差別の助長を意図するものではありません。
  • 「構造主義」は終わらない。「構造」が秘めた本当の「力」を解き明かし、その潜勢力を新展開させる決定版!
    仏教と構造主義そして真のマルクス主義に通底する「二元論の超克」は、革命的な人文「科学」を生み出す思考となりうるはずだ。新しい「構造主義」の可能性を著者は丁寧に取り出す。
    もう一つの人類学の可能性は、夭折した弟子のリュシアン・セバーグの中にもあった。師レヴィ=ストロースと若き研究者は、南米インディオの神話の構造分析に取り組んだ。マルクス主義をベースにした「構造主義」が創始された時に起こった師弟関係の美しくも悲しい物語。記号学的な枠組みを超えて、人間科学の「プロレタリア」としての人類学の使命を読み解いていく。
    さて、「構造」をレヴィ=ストロースはこのように認識している。
    「双分制の明白な諸形態を、その真の本性は、別のはるかに複雑な構造が表面的にゆがんであらわれたものとして扱ったほうがよいのではないかということであった」
    人類の思考は実は複雑なものなのだ。二元論と三元論が、動的に組み合わされて、さまざまな神話や事象が生み出される過程を解読することで見えてくる人類学とは、いかなるものなのか?
    「構造」の「奥(heart)」へと至る道を示す「人類学」の道標である。

    【目次】
    プロローグ 革命的科学

    第一章 構造主義の仏教的起源
     レヴィ=ストロースと仏教/仏教の中の構造主義/構造主義の中の仏教

    第二章 リュシアン・セバーク小伝
     高等研究院での出会い/新しい神話研究/変換の論理/神話の公式/『神話論理』の朝/プエブロ神話学へ/アチェ族の夢分析/『マルクス主義と構造主義』/悲劇的な死

    第三章 構造の奥
      双分制/レヴィ=ストロースの弁証法/互酬性の謎/重力論と贈与論/フランス啓蒙主義/人間科学のアインシュタイン/対称性のほうへ

    第四章 仮面の道の彼方へ

     地震多発地帯/ブリティッシュ・コロンビアのレヴィ=ストロース/カミナリ鳥・クジ・ナマズラ/スワイフエ仮面/ゾノクワ鬼女

     剣とナマズ/ゾノクワと山姥/山の神の影/ポトラッチと市/仮面の道は続く

    エピローグ

    注および引用・参考文献
  • 東京大学が「帝国大学」だった頃、すべては始まった――
    「東大」出生の秘密を暴き、その虚像と実像を抉り出す!
     *
    明治19年の帝国大学の誕生は、のちの東京大学をも貫く基本性格を確立した歴史的特異点であった。エリート官僚養成、アカデミズムの独占的権威、立身出世・受験競争の頂点――伊藤博文、森有礼、井上毅ら設計者たちの政策的意図を辿りつつ、今日まで続く東大の本質とイメージの淵源を明らかに!

    [目次]
    第一章 帝国大学の出自――リヴァイアサンの生い立ち
    第二章 帝国大学のモデル――ドイツの大学から学ばなかったこと
    第三章 官庁エリートの供給源――工科系から法科系へ
    第四章 出身と出世――上昇気流にのって
    第五章 明治アカデミズムの体質――講座制と研究
    第六章 もしも帝大がなかったら――批判的展望
    あとがき
    解説 科学史/大学史を超えた「学問の歴史」 石井洋二郎
  • 1867(慶応3)年、パリ万国博覧会が開催された。日本が初めて参加した国際博覧会であり、幕府は徳川慶喜の弟である昭武を公使として派遣した。使節団には幕臣となっていた渋沢栄一が随行。帰国後、渋沢は、外国奉行支配調役として同行した杉村譲(愛蔵)とともに、全6巻の詳細な渡欧記録をまとめ、1871年(明治4)に刊行した。
    この記録には、フランスの繁栄を誇ったパリ万国博での見聞のほか、ナポレオン3世やイタリアのヴィットリオ・エマヌエレ2世、オランダ国王ウィレム3世ら欧州要人たちと徳川昭武の謁見、産業革命のただなかにあったイギリスの工業化や、政治・経済のシステムへの驚きなどが、生々しく描写されている。
    従来、この日記は、渋沢の単著として扱われてきたが、近年の研究により、旅の前半を幕臣として同行し、後に明治政府の官僚となった杉村譲の日記と渋沢の日記から編纂・執筆されたものであることがわかってきた。こうした旧幕臣の体験と知識が、その後の近代化に大きく生かされたのである。
    文庫化にあたっては、『世界ノンフィクション全集14』(筑摩書房、1962年)所収の大江志乃夫現代語訳を原本とし、「付録」として、一行の帰国の事情と帰国後の動向を記した、渋沢栄一談/小貫修一郎編著『渋沢栄一自叙伝』(渋沢翁頌徳会、1937年刊)の13章1節から4節までを収録した。
  • 巻頭に置かれるのは、夢野久作が読書界から顧みられることのほとんどなかった1962年に鶴見俊輔が雑誌「思想の科学」に発表した「ドグラ・マグラの世界」である。この評論により、日本の戦後期には忘れられた存在となっていた夢野久作は「再発見」される。
    「ドグラ・マグラの世界」の発表がきっかけとなり、鶴見と夢野久作の長男である杉山龍丸の交流が生ずる。やがて杉山龍丸の著書や杉山が編纂した夢野久作の日記などを資料としてじゅうぶんに咀嚼したうえで、鶴見は夢野久作論『夢野久作 迷宮の住人』が書き下ろされる
    夢野久作について少年期の鶴見俊輔が出会った夢野久作の『犬神博士』の紹介から、『夢野久作 迷宮の住人』の第一部は始まる。そして『氷の涯』という日本軍のシベリア出兵をモチーフにした作品、さらに異色の長篇推理小説『ドグラ・マグラ』へ。そして、これらの作品が昭和初期の読者にどのように受けとめられたのかと問いが生まれる。
    第二部では作家夢野久作の本名である杉山泰道の側からその生涯が辿られる。泰道の伝記的事実の多くは、さらにその長男杉山龍丸の著書によるが、伝記的事実と時代背景を結びつけて読み解くことで、より作品世界に深くわけ入ることができる。
    第三部では、夢野作品受容の変遷が綴られる。江戸川乱歩ほか同時代の探偵作家たちにはやはり異形のものとして解されている。しかし年少の読者だった福永武彦や中井英夫たちには強烈な印象が残っていた。敗戦後、占領期に夢野久作が思いおこされることはなかったが、1960年を境にふたたび関心が寄せられるようになり、作品研究・分析が進む。そこで見えてきたものは、中央から遠い地方で、土地の日常言語を駆使して人間の根本問題に迫る、きわめて独創的な作家の姿であった。
    本書により、夢野久作というきわめて独自性に満ちた作家に多角的に光が当てられ、読者にとってもそのイメージが鮮明となることが期待される。
  • 1,375(税込)

    【幕末に「志士」たちを生み出した最重要思想書、その全貌を読む!】

    ―臣ここを以て慷慨悲憤し、自から已む能はず、敢えて国家のよろしく恃むべきところのものを陳ぶ―
    「序論」「国体」「形勢」「虜情」「守禦」「長計」からなる全篇の本文読み下し。平易な現代語訳・懇切な語釈を掲載。
    さらに参考資料として、正志斎がのちに開国政策を提言した『時務策』を併載!

    文政八年(1825)、幕府は異国船打払令を出し、日本近海に接近する外国船全てに対して砲撃を加え、排除することを決定した。会沢正志斎が『新論』を完成させたのは、まさにその直後のことである。
    一読するとわかるように、その内容は西洋諸国と直面をせまられ始めた日本全体の、今後の政策を提言するものである。だが、水戸藩主を通じて幕府を動かそうという正志斎の期待は実現されることもなく、また異国船打払令も徹底されずに、沿岸には外国船が自由に航行することが常態化した。
    しかし本書は、正志斎の関係者から友人へ、その友人から別の友人へと筆写が重ねられ、日本全国へと広まっていくこととなる。それは匿名の著作ではあったけれども、人々を引きつける何かがあったのは確かであろう。天下太平と呼ばれた時代にあって、その裏にあった言いしれぬ不安というべきものを明らかにした、という理由もあろう。結果的にこの書は、全国の志ある多くの人々を目覚めさせることとなった……


    *本書は訳し下ろしです。
  • 日本人はなぜ、いつ、「読者」になったのか? そして何を、どのように、読んできたのか?
    出版資本と鉄道による中央活字メディアの全国流通、旅行読者の全国移動、新聞縦覧所と図書館という読書装置の全国普及――官・民による、これら三つの全国的要素の融合から、明治期に活字メディアを日常的に読む習慣を身につけた国民、すなわち「読書国民」が誕生してくる過程を、出版文化研究の第一人者が活写。私たちの読書生活の起源がここにある!

    [目次]
    はじめに
    ■第一部 流通する活字メディア
    第一章 全国読書圏の誕生
    第二章 「中央帝都の新知識」を地方読者へ――新聞社・出版社による地方読者支援活動の展開
    ■第二部 移動する読者
    第三章 車中読者の誕生
    第四章 「旅中無聊」の産業化
    ■第三部 普及する読書装置
    第五章 読書装置の政治学――新聞縦覧所と図書館
    第六章 図書館利用者公衆の誕生
    あとがき
    学術文庫版へのあとがき

    [主なトピック]
    ○暴力沙汰まで! 「東京vs.大阪」新聞市場争奪戦争
    ○過疎地域を開拓せよ! 新聞社・出版社による地方読者支援活動
    ○駅は戦場! 漫画雑誌の隆盛はここから始まった
    ○お部屋訪問! 温泉地の貸本屋
    ○「情報にお金を払う」習慣を生んだ新聞縦覧所
    ○自由民権運動は下からの「読書国民」の創出
    ○読書の価値を再発見した日清戦後の一等国意識
    ○まるで監獄……帝国図書館の規律空間
    ○樋口一葉も友人と……女性が一人で行けない図書館
  • 急成長を遂げた周辺国からの侵略恐怖、増加する貧窮移民の不安、友好国へのぬぐいがたい不信、新たな感染症の脅威……「ドラキュラ」の恐怖と魅力の源泉には、黄昏を迎えた大英帝国の外国恐怖症があった。ゴシック・ホラーの金字塔に織り込まれた、ヴィクトリア朝イギリス社会の闇を描き出す!

    世界でもっとも有名な吸血鬼「ドラキュラ」。
    数ある吸血鬼作品のなかでも特権的な地位を得て、現代に至るまで映像化が繰り返され、日本では吸血鬼の代名詞にもなっています。
    そのドラキュラの恐怖と魅力の源泉には、19世紀末イギリス社会に蔓延する深刻な外国恐怖症がありました。
    「太陽の沈まぬ帝国」、「世界の工場」と謳われた栄光は過ぎ去り、軍事・経済ともに急成長を遂げつつある周辺国からの侵略恐怖、増え続けるユダヤ人など貧窮移民への不安、搾取してきたアジアの植民地から入ってくる新たな感染症の脅威……。
    落日の大英帝国に生きる人々は心の奥底で何を恐れ、そしてドラキュラは生みだされたのか。
    『パンチ』などに掲載された風刺画をふんだんに使いながら、ゴシック・ホラーの金字塔から読み解く世紀末ヴィクトリア朝の社会!

     イントロダクション
    第1章 ドラキュラの謎
    第2章 ドラキュラの年は西暦何年か
     帝国主義の世紀末
    第3章 侵略恐怖と海峡トンネル計画の挫折
    第4章 アメリカ恐怖と「栄光ある孤立」の終焉
     反ユダヤ主義の世紀末
    第5章 ユダヤ人恐怖と外国人法の成立
    第6章 混血恐怖とホロコースト
     パストゥール革命の世紀末
    第7章 コレラ恐怖と衛生改革
    第8章 瘴気恐怖と細菌恐怖
    おわりに――ヴィクトリア朝外国恐怖症の文化研究
    増補 もうひとつの外国恐怖症――エミール・ゾラの〈猥褻〉小説と検閲
    学術文庫版あとがき
    引用史料一覧

    コラム
    吸血鬼の系譜/シャルコーの催眠術/一八九三年一〇月二日のピカディリ・サーカス/ダイヤモンド・ジュビリー/火星人/海峡トンネル・パニック/ベアリング銀行の投機失敗/ロスチャイルド一族の結婚/ロンドンとテムズ川の汚染……ほか
  • 本書は当時最新の、音声にかかわるメディアであったレコードの検閲について、内務省当局の記録である『出版警察報』をメイン史料として浮き彫りにします。レコードは最新の音声・映像メディアであるラジオ・映画に比して、一般大衆が実際に手元に置けるという点で従来の書物と地続きのものでしたが、再生装置の必要性、享受の複数性・同時性などの特徴から従来の「活字の取り締まり」とは違う位相を呈することになりました。
    レコード検閲は内務省警保局図書課レコード検閲係(のち検閲官)がおこないましたが、官と民の意見のすり合わせをする「内閲」や「懇談」を通じて、やがて発禁を避けるためのレコード会社による自主検閲(=自粛)という仕組みができあがります。
    敗戦後、検閲は憲法によって禁止され、GHQによる占領期を除いて公式にはおこなわれてはいませんが、クレームを恐れるレコード会社や放送局の自主規制が検閲の役割を果たしているという点で、その仕組みはいまなお変わっていません。さらにSNSの普及によって検閲はいまや一般大衆の手に委ねられたとさえいえ、企業が自粛する構図ができあがっているのです。
    本書は「昭和」という時代における音声メディアと権力との関係、メディア自身のありようがどのようなものであったかをさぐります。また、本書ではこれまで取り上げられることのなかったレコード検閲係(官)小川近五郎という人物の実像に迫ります。レコード検閲で下級官僚が果たした役割をたどりつつ、その人間味をも含めて「現場からの歴史」を描きます。
  • バナナの皮は電車の床にポイ、病院で治療が受けられるかは医者の気分しだい、死んだら遺灰を公園にまくだけ、風呂代わり(?)の客でプールは体臭地獄、ゴミを分別しても収集車が結局ぜんぶ一緒に……。日本人が知らない英国人の仰天気質を、在英30年の著者が明かす。目から鱗の日英“徹底”比較文化論。(講談社文庫)


    「イギリスは紳士と淑女の国」だなんて、誰が言った!?
    不潔で、下品で、マヌケで、行儀が悪くて……、でも、最高な、愛すべきイギリス人!

    貴婦人が電車の中でバナナを食べだし皮はそのまま床に捨てた、病院で予約をしていても治療が受けられるかどうかは医者の気分しだい、男性医師が性転換していきなり女医に、死んでも墓なんて建てない……。日本人が絶対知らない英国人の仰天気質を、在英30年の著者が明かす。目から鱗の日英“徹底”比較文化論。

    ※本書は2012年6月に小社より刊行された『けっこう笑えるイギリス人』を改題したものです。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    花札が好きな小学生・もえの前に、きゅうに言葉を話すカエルがあらわれた!
    『麿のことは「かえる大納言」とよぶように』

    「おにぎりとおむすびの違いってなに?」
    「緑色なのに『青信号』とよぶのはなぜ?」
    「アメリカのことを『米国』とも書く理由は?」
    「『わたし』『オレ』『拙者』『まろ』……日本語はなぜこんなに一人称が多い?」

    などなど、よくよく考えれば理由がわからないさまざまな日本語のふしぎを、やたら日本語にくわしいカエルが徹底解説!(でもわからないことも多い……)

    ●日本語にオノマトペ(擬音語、擬態語)が多いわけ
    ●浅草(あさくさ)にある浅草寺(せんそうじ)のなぞ
    ●ひらがなとカタカナ、どっちが先に生まれた?
    ●日本は「にっぽん」?「にほん」?
    ●「卵焼き」と「玉子焼き」って同じもの?
    ●大手町(おおてまち)と永田町(ながたちょう)、漢字の読み方はどうやって決まる?
    ●二十歳のことを「はたち」と読むわけ
    ●「越南」、これはどこの国のこと?
    ……などなど

    知れば知るほどおもしろい、日本語のなぞをめぐる大冒険に出かけよう!
  • 1,562(税込)
    著:
    竹田ダニエル
    レーベル: ――
    出版社: 講談社

    マーケティング用語じゃない。これはまったく新しい「世代論」
    絶望的な世界に生まれた“Z世代”が
    「愛」と「連帯」で価値観の革命を起こす!

    「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」受賞!
    メディア・SNSで話題騒然!『世界と私のA to Z』の著者による画期的エッセイ

    お金、健康、人間関係、SNS、仕事――
    Z世代的価値観で分析する“私たちのいま”

    ・「ホットガール」とセルフラブ
    ・セラピーは心の必需品
    ・「リアル&楽しい」食に夢中
    ・エブエブ旋風の奇跡
    ・さよなら「インフルエンサー」消費
    ・つながりが広げる読書
    ・ブランド価値より「今」の価値
    ・「仕事≠人生」的な働き方
  • 夜の東京を散歩すればどこへでも行ける。夜の東京を散歩すればなんにでも会える。800万の光と800万の陰が不思議な景色をつくる東京を夜、歩こう。――<本書冒頭より>

    「闇からの凝視、それは本当の世界と向き合うための数少ない方法の1つだ。本書は未知の東京と出会うためのコンパスである。」――写真家・冒険家 石川直樹(2008年 開高健ノンフィクション賞、講談社出版文化賞受賞)

    ●都会の夜は、
    奇々怪々な闇だらけ
    モノトーンの世界に迷い込み、
    伝説に浸るーー
    1 夜は異界を歩く時間
    2 夜はタイムスリップの時間
    3 夜は宇宙を歩く時間
    4 夜はワープする時間
    5 昼も夜を歩く時間
    6 夜は過去を見る時間
  • 明日、何を着ていこう――冠婚葬祭をのぞけば、服選びで色がもつ意味を気にする人はいないだろう。ところが中世ヨーロッパではそうはいかない。たとえば緑は恋を、青は誠実さを意味し、黄は忌避される色だった。中世の色は現代よりもはるかに饒舌で、絵画や文学で描かれた人々の衣服の色には、単なる色の美しさや好みを超えた、さまざまな意味が託されている。中世の人びとはどんな色に囲まれ、どんな気持ちで色を身につけていたのか、あるいは目の前の人物が纏う色から何を読みとっていたのか。
    多彩な史料から複雑で精緻な色彩コードを読み解き、中世人の日々の感情生活を豊かに描き出す。あの絵画もこの伝説もいっそう深く理解できる、色が語る中世世界への招待!(カラー口絵付き。電子書籍版はオール・カラー図版)

    待ちに待った初めての逢瀬。恋焦がれた女性が鮮やかな青に緑のオウムをちらしたドレス着て現れたら、相手の男性は有頂天になるだろう。なぜなら、そのドレスの意味するところは「誠実にあなたを愛します」。ところがある日、夢に現れた彼女が全身緑の衣をまとっていたら、悲嘆に暮れてしまうかもしれない。青が意味する誠実さに対し、緑は恋の色であると同時に変動の色でもある。彼女の心変わりが青を脱がせ、緑を着せたのだ――。
    このように単なる色の好みや色づかいの美しさを越えて、中世の色は複雑な精神世界を織りなしている。「中世の色は饒舌であり、中世の人びとは意味もなく色をつけることはない」。たとえば黄色には負のイメージがつきまとい、縞柄は道化師や娼婦、気まぐれな運命女神のものである。権威と権力を示す赤、醜い色からやがて「悲しみの色」として大流行する黒……。
    ブリューゲルやジョット、ヤン・ファン・エイクの絵画、数々の華麗な装飾写本の挿絵に、アーサー王物語をはじめとする騎士物語、貴族の家計簿や財産目録など多彩な史料から、当時の染色技術も視野にいれつつ、色彩に込められたメッセージを読み解き、色から見えてくる中世世界を描き出すのが本書である。
    グリーンゲイブルスのアンはなぜ「赤毛」を嫌ったのか、ルーレットやバカラなどのカジノ台はなぜ緑のフェルトでおおわれているのか、囚人服は縞柄で、スーツにダークカラーが多いのはなぜなのか。現代社会に今なお息づく色彩に秘められた歴史に迫る!(原本:『色で読む中世ヨーロッパ』講談社選書メチエ、二〇〇六年)
    【本書の内容】
    序 章 色彩文明の中世
    第1章 中世の色彩体系
    第2章 権威と護符の赤
    第3章 王から庶民までの青
    第4章 自然感情と緑
    第5章 忌み嫌われた黄
    第6章 子どもと芸人のミ・パルティと縞
    第7章 紋章とミ・パルティの政治性
    第8章 色の価値の転換
    終 章 中世人の心性
  • 若き日の魯山人との出会いが辻の美意識を決定づけた!―― 当代随一の芸術家にして美食家の魯山人のもとに、果敢にも単身乗り込んだ「辻留」3代目。今その数々のエピソードをはじめ、辻留流の器使い、盛りつけの極意を明かす。

    ●食べることを愛し、旨いものを追い求めた魯山人先生のやきものは、そのほとんどが食器です。しかも先生の食器はどれも絶妙の寸法を持っていて、温かく料理を抱きかかえてくれます。「器は料理の着物である」という先生の言葉のとおり、どちらもでしゃばらず、互いを引き立て合う盛りつけができたときの感銘はなにものにも代えられません。これが料理人としての私が、魯山人先生に学んだいちばん大きなことだと思います。その後も私なりに日々精進を重ね、今日に至りましたが、自分自身の中にできた器考や料理考を、魯山人先生の思い出とともにこの機会にまとめてみました。
  • 1,320(税込)
    著:
    秋山賢司
    レーベル: ――
    出版社: 講談社

    紫式部と清少納言が打ったらどんな結果になるか、松尾芭蕉はどのくらい強かったのか。夏目漱石は? 正岡子規は? さらに杜甫は? 蘇東坡は? 残された作品(うた)だけが推理の材料。

    ●こういうものが読みたかった! という一冊として躊躇なくこの本を挙げる。碁の対局をみるたびに、これは詩であり、哲学だという思いを深めるばかりだが、本書によって古今東西の囲碁の詩と出会い、囲碁のドラマに分け入る。詩人の心に湛えられた碁の真髄は勝・負の世界を少しく超えて永遠だ。盤上に生まれた味わいある詩の空間を共有するよろこびは、碁を打つ愉悦に劣るものではない。――馬場あき子
  • 「人間の生」とは一体何なのか。今から100年前、人類学者たちはその答えを知ろうとしてフィールドワークに飛び出した。マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドという4人の最重要人物から浮かび上がる、人類学者たちの足跡とは。これを読めば人類学の真髄が掴める、いままでなかった新しい入門書!
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    詩人、随筆家、翻訳家、また、クラシック音楽への造詣も深い著者は、山や自然を描いた詩や散文の秀品を多く残した。
    「この仕事について
    ジョルジュ・デュアメルの『わが庭の寓話』との語らいを漸ようやく終わり、私はやれやれという気持で今一息ついている。彼と手を連ねてゆっくりとその邸内や庭や近隣の田舎を歩きながら、どんなに彼の話を聴き、どんなに色々の物を見、どんなにたくさんの事柄を学んだことだろう。思えば友であると同時に先輩であり、又一人の賢者でもあるデュアメルという人間を、その日常生活の中で観察するという幸福を私は持ったのだった。そして又この友はさまざまな機会に暗示を与え、それとなく教えを垂れて私を賢くした。もしも彼がいなかったならば、もしも彼から注意されなかったならば、どれだけ多くの貴重な事を私が見過ごし、聴き流してしまったことだろう。
     「僕も寓話を書けたらばと思います。僕の庭の寓話を。しかし残念な事に僕は庭を持っていないのです」と言って嘆く或る青年の言葉が一晩じゅう彼を考えこませる。そして彼はこう言う。「まだ庭という物を持たなかった頃、私はリュクサンブールの林の中で寓話の咲くのを眺めたものだ。熱心な愛好者にとって、寓話を育てるためにならほんの小さな庭が一つあれば充分だ」そして控え目に言う、「私ならば窓のへりに置いた一鉢からでも、それを生長させるだろうと思うのだが」と。
     こう言われてみて、さて今自分の窓からの狭い谷間の風景を眺めただけでも、デュアメルのような心と眼とをもってすれば、寓話の花は此処にも彼処あそこにも咲いている。時しも秋の終わり冬の初めで谷を囲む山麓の林は黄に赤に、鳶色に紫に皆美しく彩られ、その上に拭き清められたような青空がひろがり、穏かな日光が燦然と照り渡っている。そしてたまたまその大空の西の方にたった一つ浮かんでいる白い小さい片積雲が、語られた物語の終わりの一句か、語られる話の書き出しのように見える。しかし「窓のへりの一鉢」どころか窓の向うの豊麗な風景からでさえ、もしもわれわれに表現の力と豊かな人生智とが無ければ、たった一つの寓話でも此処から生み出すことはできないだろう。」(本書より)

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    法学の泰斗であり、実務家として弁護士も務めた著者が、法にまつわるさまざまな話柄を取り上げ綴る随筆集。
    【目次】
    はしがき
    法律の視野からの文芸を見る
    シェークスピーアと法律
    チャタレー夫人の苦笑
    鴎外とユーモアと皮肉
    モデル問題
    肉体文学と法律
    創作か模倣か
    創作と模倣との境
    著作権・出版権と最近の出来ごと
    鰐と法律
    詩人と犯罪
    ポーとコナン・ドイル
    ユーゴーとゴーチェと著作権
    ノラは帰るか
    文芸と法律
    美術・師・友
    芸術と道徳
    美術品及び美術家の法律的保護
    日本文化の出なおし
    蔵書印と蔵書票
    牡丹を描く
    画友、葱南木下杢太郎を憶う
    杢太郎二十五周忌、喜久雄二十周忌に参じて
    医学・文学・南画
    阿部家正月画会のこと
    切支丹宣教師の見た慶長時代の日本
    蓬里雨子を想う
    ルヴォン先生と日本文学
    現代詩歌のころ
    富井先生を憶う
    織田萬博士と乃木大将
    鵜沢博士と人身売買
    ある哲学者の死
    老法学者の遺言を読む
    旅情点滴
    エルサレム紀行
    マンデルバウム門
    カイロ紀行
    壮大カルナックの柱列
    ヒットラーの山荘を訪う
    ヴェルレーヌの歩みし辺り
    真珠とコダック 其他
    真珠とコダック
    リヒドと法律
    法律大いに笑う
    遺産相続はうまくいっているか
    ソクラテスとある判事の死
    権利の善用
    天の逆鉾
    孔子と契約
    戴冠式事件
    重役の停年制・婚姻の目的
    素人の法律家
    素人の法律家後聞
    盥まわし
    三つの事故とその対策及び救済
    争議の目的と限界
    企業の取引逼迫と事情変更の原則
    七味からし
    鉛筆
    鮎釣りの解禁日を迎えて
    鰆の味
    真実とユーモア
    動物園と憲法
    猿と法律
    手形で釣銭をかせぐ話
    法律官僚
    真実は何よりも雄弁に弁護する
    幼児は叫ぶ
    光と水についての史話
    ディオゲネスと日照権
    眺望権について
    自然公害についての随想
    宝暦治水と明治維新
    皓川詩稿
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  • 1,980(税込)
    著:
    山口昌男
    解説:
    今福龍太
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    様々な学問分野を自由に越境し、「知ることの楽しさ」を生涯発信し続けた<知の道化師>、山口昌男。その学問の真髄とも言える「アフリカ」研究を、丸ごと1冊・通史に編纂。思いがけなくも豊かなアフリカの相貌、実験的とも言える日本との対比、自身が描いたスケッチや、貴重すぎる図版を193点も掲載! 彼の地で暮らし、深い人脈を得た泰斗だからこそ書けた本作は、参考文献すらただの文字情報に終わらない、圧巻の充実ぶり。没後10年。今こそ、目からウロコのアフリカ通史を、吟味する!


    *本書は、『世界の歴史 第6巻 黒い大陸の栄光と悲惨』(講談社 1977年)を改題したものです。

    目次
    はじめに 人類史とアフリカ

    1 アフリカの古代世界
    1)アフリカにおける人類の起源
    2)アフリカの古代的世界
    3)黎明の輝き・
    4)サヴァンナの帝国
    5)東アフリカの王国
    6)アフリカの王権文化――そのパラダイム

    2 大発見の神話学
    1)プレスター- ジョンの王国を求めて
    2)アフリカの「黄金伝説」――ジンバブウェ遺跡とモノモタパ
    3)探険ラッシュの世紀

    3 伝統国家の栄光
    1)草原の覇者たち
    2)古都の盛衰
    3)奴隷の故郷
    4)アフリカと奴隷貿易

    4 東海岸――交易都市の繁栄
    1)世界へ開かれたアフリカ
    2)制海権をめぐる争い

    5 南アフリカのナポレオンたち
    1)南アフリカの原住民たち
    2) 南アフリカの清教徒たち
    3)シャカ王のズールーランド
    4)スワジ王国
    5)バストランドのモシェシュ王
    6)ムジリカジのンデベレ

    6 ヨーロッパによる仮死
    1)ヨーロッパ列強のアフリカ分割
    2)開拓者たちの運命
    3)アフリカ侵略の二つの型
    4)セネガルーー仏領アフリカの優等生
    5)最後の抵抗者サモリ= トゥレ

    7 再生への胎動
    1)マフディー運動
    2)キリスト教的反抗

    8 試行錯誤の現代史
    1)両大戦間のアフリカ
    2)エティオピアの反抗
    3)第二次大戦後のアフリカ
    4)コンゴ動乱
    5)ナイジェリアの内戦
    6)アンゴラの独立と内戦

    おわりに
    参考文献
    年 表
    図版参考資料一覧
    索 引
    解説 今福龍太
  • 全部読まなければ、この本のすごさはわからない!

    日本民俗学の創始者である柳田の原点にして代表作には、いったい何が論じられ、企てられたのか。
    「平地人を戦慄せしめよ」という高らかな宣言に込められたものとは何か。

    「ザシキワラシ、オシラサマや河童たちが躍る不思議な世界」
    「叙情豊かな日本人の原風景」
    という本書がまとってきたイメージの奥にある真価を読み取るための、
    懇切な解説つき全文現代語訳。
  • 胃弱だった漱石が作品にちりばめた食のかくし味!――『吾輩は猫である』の牛鍋屋、『坊っちゃん』で清がくれた金鍔(きんつば)。 作品の中に出てくる洋食と日本の家庭食の意味は?  明治から始まる日本人の激動期を、食文化の視点から考察する!

    ●『吾輩は猫である』の家庭食
    ●胃弱な漱石と苦沙彌(くしゃみ)先生
    ●『坊っちゃん』と天麩羅蕎麦
    ●博覧会と『虞美人草』
    ●三四郎が行かなかった食堂車
    ●明治家庭のカレーレシピ
    ●本格仏料理店、精養軒
    ●『明暗』のりんごは何県産か
    ●サンドイッチとビスケット
    ●漱石は最期に何を食べたのか

    「漱石といえば胃が悪く、酒も弱い。ろくなもの、食べていなかったんじゃないのか?」
    そんな疑問を抱かれる向きもあろう。
    しかし、漱石だってやはり人間。食べてきたのである。彼が生まれたのは、まさに日本の夜明け。詳しくは本編と年譜を見ていただきたいのだが、江戸から東京に変化し、日本が西洋の料理をどんどん取り入れていく過渡期に彼は生きていた。そして小説のなかに、彼自身がつぎつぎと出合っていったさまざまな食べ物を書き込んでいったのである。
    漱石を読むと、新しい食べ物を前にして、ときに驚き、喜び、ときに懐疑的に対峙した明治の日本人がみえてくる。それは、とても新鮮である。
  • 21世紀の「第三次形而上学革命」を迎えるにあたり、旧石器人類の思考、国家の誕生、貨幣の発生、神の創造と一神教の成立まで、「超越的なもの」について、人類が考え得た全領域を踏破することをめざした伝説の講義録が、愛蔵版として装いも新たに登場!
    ※『カイエ・ソバージュ(合本版)』と同一の内容です。

    第一部では、「神話」とは、人類が最初の考え出した、最古の哲学です。今日の「哲学」は、神話が切り開いた領土で、自然児の大胆さを失った慎重な足取りで進められた後追いの試みでしかないのではないかと思われるほど、神話には根源的な問いに対する人類の果敢な試みが保存されています。

    第二部では、「国家=野蛮なるもの」はいかに誕生したか? 熊をカミとする狩猟民たちの「対称性の思考」とは? 「哲学」と「権力」が共存する冬の祭りの秘密とは? 王を戴く国家が「無法の野蛮」と結びつく根源へと遡行して、国家というものが持つ、本質的な問題に迫ります。

    第三部では、 本当の豊かさとは? 資本増殖の秘密とは?貨幣と魔術。愛と資本主義の不思議な関係を探る。全体性の運動としての経済と精神の構造は同一だろう。資本主義の彼方に出現する「未知の贈与論」を探究し、 モース、マルクス、ラカンを超えて、21世紀の贈与論へ!

    第四部では、「宗教的思考」の3万年を語りつくします。内部視覚、瞑想、夢の時間(ドリーム・タイム)……「宗教的思考」の根源、そして精霊(スピリット)が超越を生む飛躍を探ります。さらに、高神から唯一神への道のりとは? <精神の考古学>が、神々の基本構造をあざやかに解き明かします。

    【目次概要】
    はじめに カイエ・ソバージュCahier Sauvage)について
    第一部 人類最古の哲学
    第二部 熊から王へ
    第三部 愛と経済のロゴス
    第四部 神の発明
    第五部 対称性人類学


    第五部では、神話、国家、経済、宗教を旅してきた私たちは、新たな知の営み「対称性人類学」へと向かいます。「圧倒的な非対称」が支配する世界の根源を問う冒険が、ここに堂々完結します。抑圧された無意識の「自然」は甦るのか?「対称性の論理」が切り開く新たな世界とは? 野生の思考としての仏教を媒介に、来たるべき形而上学革命への展望は私たちの未来をを示しています。
  • 1,210(税込)
    著:
    宮田登
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    世界が終わるとき、やってくる。
    蘇我馬子も藤原道長も惚れ込んだ弥勒(みろく)信仰。五十六億七千万年後に降臨し人々を救う、未来仏とは何か?

    広隆寺の国宝として有名な、弥勒菩薩半跏思惟像。弥勒とは、五十六億七千万年後に現れて衆生を救うという、阿弥陀や釈迦と並ぶ仏のことである。古代日本に伝わると、災害や飢饉と結びつき、末法思想(メシアニズム)として全国の民衆に広がった。戦後民俗学の泰斗が、中国・朝鮮との比較を通して、日本独自の弥勒信仰の歴史と民俗を復元し、日本文化の原型を描き出す。宗教民俗学を土台にした日本文化論!

    【目次】
    はじめに
    第一章 民間伝承としての弥勒
    第二章 宗教運動と弥勒
    第三章 比較宗教論における弥勒
    第四章 日本仏教における弥勒
    第五章 鹿島信仰と弥勒
    第六章 朝鮮半島と沖縄の弥勒
    第七章 世直しと弥勒
    第八章 大本教の中の弥勒
    まとめ
  • 全国30万姓から解明する苗字のルーツと歴史地理!――四月一日(わたぬき)、六月一日(うりわり)、三五月(もちづき)、十二月田(しわすだ)、三方一所(くつわだ)などの難読姓や、畭尾(はりお)などの難字姓の謎解きから日本の古代史を垣間みる。

    ●飲酒盃さん、飯酒盃さん ●一口さん、二口さん ●左右口さん、右左口さ ●瓜破さん、六月一日さん●颪さん、嵩さん
    ●鳴矢木さん、蕪木さん ●一尺八寸さん、三方一所さん ●目さん、耳さん、属さん ●十二月田さん、元日田さん
    ――あなたはいくつ読めますか、出身地がわかりますか。

    ●姓という姓もあり、苗字という苗字もある。
    姓は、昔はカバネともいい、その家のランクを示したこともあるが、いまは苗字のこと。その苗字はもと苗氏といい、祖先のルーツを示す古い言葉。中世は名字ともいって、名田(みょうでん)を支配して威張っていた人の家名。その大きいものを大名(だいみょう)といった。名田もミョウデンなどとしゃれていったが、名のついた田だから、ナダでいい。このほうが、ほんとうの日本語だ。言い換えると「やまと言葉」。
    苗字はだいたいこの「やまと言葉」でできている。訓で読んでいるのがそれだ。法務省は苗字を氏とよび、旧文部省やマスコミは名字の表記を使っているが、歴史的にみると苗字のほうが正しい。
  • 1,650(税込)
    編:
    安藤百福
    レーベル: ――
    出版社: 講談社

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    上海、北京から西域まで、現地取材の中国麺尽くし。中国の12の都市・地域の代表的麺約300種が撩乱。シルクロ-ドならぬメンロ-ドをたどりながら、麺文化を考える。

    ●私は中国を歩いて数多くの麺を見てきたが、その作り方、形状、味わい、具材や湯のとり方は違っても、原理は等しく同じであることを知った。つまり、雑穀を粉にして水を加えて練り、ドゥと呼ばれる固まりを作る。麺作りの根本はすべてここからはじまっている。
    麺は中国人の発明である。さらに、麺を蒸す、煮る、焼く、揚げるという技術の発明も中国人によるものである。 
    私は中国における麺の究極の表現は”拉麺(ラーメン)”だと信じて疑わない。もともと、ドゥを手でちぎったり、指で丸めたり、竹で削ったりしながら、人々は一番おいしい麺を志向してきたのである。 ――本文194頁より抜粋
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  • 「青春とは何か」とは男女ともに簡単には定義できない命題だが、前提として必要なのは「精神的親離れ」である。しかし青春期は、自分の将来への不安に迷い、徐々に自分の世界を見つけるが、同時に好きな人ができる時期でもある。
    日本の近代文学の主人公である青年たちは、恋を告白できず片思いで終わるケースが多い。たまに恋が成就しても、ヒロインは難病や事故などで、なぜか死ぬのだ。日本の男性作家には恋愛、あるいは大人の女性を書く力がないのではと著者は喝破する。
    たかが文学の話ではないかと思うなかれ、近代文学が我が国ニッポンの精神風土に落としている影は思いのほか深い。
    明治期の立身出世物語が青年たちの思想に与えた時代背景は見逃せない。同時に戦争が文学に与えた強い影響も。
    しかし夏目漱石『三四郎』から20年、女性作家の宮本百合子『伸子』で、「新しい女性」が恋愛や結婚に縛られない「生きる価値」を見つける時代が近代にも到来する。男女ともに時代の変遷とともに成長するのだ。
    近代文学で描かれた男女の生き方は、現代日本の「人生の成功と恋愛」にかける人々の思いを読み解く大いなる鍵となる。
  • なぜ熊楠は完成を嫌ったのか?
    驚くべき才能を多方面に発揮しながら、
    その仕事のほとんどが未完に終わった南方熊楠。
    最新の研究成果や新発見資料をとりあげながら、
    熊楠の生涯を辿り、
    その「天才性」と「未完性」の謎に迫る!

    <熊楠をめぐる13の謎>
    ・十数年前にとったノートの内容をそらで思い出せる記憶力
    ・51篇も論考を発表していた「ネイチャー」への投稿を中止
    ・渡英後、熱中していた植物学の研究を停止
    ・大英博物館に迎えられてから、何をしていたのか
    ・語学の天才・熊楠の勉強法とは?
    ・「エコロジーの先駆者」だが、数年でフェードアウト
    ・なぜ「希少な生物」だけでなく「ありふれた植物」も守ろうとしたのか
    ・「人類史上、もっとも文字を書いた男」と呼ばれる理由
    ・どうして一度も定職に就かなかったのか
    ・ともに民俗学の礎を築いた柳田国男と喧嘩別れ
    ・変形菌(粘菌)の新種は発表したが、キノコの新種は未発表
    ・なぜ夢の研究を長年続けたのか
    ・集大成となるような本を、どうして出版しなかったのか
  • 妖怪博士の妖怪退治!!
    「コックリ」「天狗」「狐憑き」から、「妖怪屋敷」「西瓜(スイカ)の幽霊」「経を誦(よ)む古木」まで、全国の妖怪事象を蒐集しつつ、御一新の世になお蔓延る迷信を一網打尽にせんとした奇特な哲学者を突き動かしたものとは一体何だったのか?
    「妖怪学講義録」「おばけの正体」など、妖怪学の創始者・井上円了の精華をオリジナルに厳選した、決定版アンソロジー。

    [目次]
    編者序文
    妖怪談
    妖怪学講義録
    『妖怪学雑誌』論説
    (真怪論/妖怪学と諸学との関係/忘憂術/論怪)
    おばけの正体
    補遺
    (妖怪学講義細目/妖怪学講義参考書目/井上円了調査地一覧)
  • 竹久夢二(1884-1934年)は、「夢二式美人」と呼ばれる美人画で今日も人気が高い。『夢二画集 春の巻』(1909年)がベストセラーとなって一躍その名を知られ、「大正ロマン」を象徴する存在となった夢二は、その他にも児童向け雑誌や詩文の挿絵を描き、書籍の装丁、広告をはじめとするグラフィックデザイン、雑貨や服飾のデザインを手がけ、「民衆芸術」と「産業美術」に数々の功績を残した。さらには詩や童話といった文筆活動も積極的に行い、詩「宵待草」(1918年)は曲を付されて大衆歌として日本全国に及ぶヒットとなる。
    その夢二が晩年になって「外遊」を行ったことは、あまり知られていない。1931年5月に出国し、アメリカ西海岸に到着した夢二は、慣れない異国に戸惑いながらも翌1932年9月にはヨーロッパに渡り、ドイツ、チェコ、オーストリア、フランス、スイスといった国をまわった。折しも、ナチスが政権を獲得した翌1933年のベルリンを体験した夢二は、同年9月に帰国したあと、10月には台湾に向かう。翌月帰国するが体調をくずし、長野県の八ケ岳山麓にある富士見高原療養所で療養したものの、翌1934年9月1日に死去する。
    みずからの死期を知っていたかのように最晩年になって集中的に敢行された外遊に、夢二は何を求め、実際に何を見たのか? そして、49歳の早すぎる死を迎えなかったとしたら、外遊から得たものをいかなる形で日本に活かそうとしたのか?――今も愛される画家が生涯最後に残した謎は、稀代の思想史家である著者のライフワークとなった。病魔に冒され、苦しい日々を送る中で全精力を費やした原稿は、完成稿に近い姿でわれわれのもとに残された。この遺稿を著者の二人の高弟による精緻な調査・編集を経て、ようやく1冊の書物としてお届けする。多数の図版とともに甦る、晩年の夢二が描いた軌跡。

    [本書の内容]
    はじめに
    第一章 外遊に至る道
     1 誕生から上京まで
     2 キリスト教と社会主義
     3 『夢二画集』の成功
     4 関東大震災
    第二章 アメリカ合衆国の世界
     1 多様なハワイ
     2 地震と恐慌のサンフランシスコ
     3 別荘地帯ポイント・ロボス
     4 恐慌下のロスアンゼルス
     5 アメリカ滞在をめぐって
    第三章 あこがれのヨーロッパ
     1 ヨーロッパ上陸
     2 芸術の都パリ
     3 織物と戦争のジュネーヴ
     4 ベルリンとヒトラー
    第四章 最後の旅・台湾
     1 日本最初の植民地
     2 昇る武二と沈む夢二
     3 帰国、そして夢二の死
    夢二の「異国」──まとめにかえて

    文献一覧
    エッセイ(廣田真智子)
    解 題(高木博志・長志珠絵)
  • いま日本はどんな国なのか?
    私たちはどんな時代を生きているのか?
    意外と見えていなかった「日本の謎と論点」

    【本書のおもな内容】
    ●「日本人は集団主義」という幻想
    ●中国で見た「日本衰退の理由」
    ●なぜ若者は結婚しないのか?
    ●「ハーバード式・シリコンバレー式教育」の落とし穴
    ●日本の学校から「いじめが絶対なくならない構造」
    ●地方で拡大する「移動格差」
    ●「死後離婚・夫婦別墓」の時代
    ●「中国の論理」に染まるエリート学生たち
    ●若者にとって「個性的」が否定の言葉である理由
    ●なぜご飯は「悪魔」になったのか?
    ●「ていねいな暮らし」ブームと「余裕なき日本社会」
    ●災害大国の避難場所が「体育館」であることの違和感
    ●女性に大人気「フクロウカフェ」のあぶない実態
    ●性暴力加害者と被害者が対面したらどうなるのか?
    ●アフリカ人と結婚した学者が考える「差別とは何か」
    ●“褐色肌・金髪・青い眼”のモデルが問う「日本社会の価値観」

    「『移動できる者』と『できない者』の二極化が進んでいる。かならずしも地方から出る必要がなくなるなかで、都会に向かう者は学歴や資産、あるいは自分自身に対するある種無謀な自信を持った特殊な者に限られているのである。
    問題は、そのせいで地方社会の風通しが悪くなっていることである。学歴に優れ、資産を持つ『社会的な強者』だけが抜けていく地方になお留まる人びとには、これまで以上に地元の人間関係やしきたりに従順であることが求められる。
    結果として、地方では『地域カースト』とでも呼べるような上下関係が目立つようになっている。移動の機会の減少は、それまでの人間関係を変え、ちがう自分になる可能性を奪う。その結果、親の地位や子どものころからの関係がより重視される社会がつくられているのである」――「日本人が『移動』しなくなっているのはナゼ? 地方で不気味な『格差』が拡大中」より
  • 「恋愛作法の達人になるのは、ふふ、無理だろうけど、「恋する私」や「失恋した私」をながめる眼鏡くらいは、手に入るかも」(「シラバス(2019前期)」より)
    「恋愛学」と学生の間で呼ばれた都立大学の人気授業を書籍化! 
    恋愛に正解はない――だからそれは自分や他人について考える絶好の機会になる。
    オペラ、文学、哲学、映画、ドラマなど多彩な素材から繰り出される問いの数々と、出席者の等身大の声でつくりあげられた異色にして極上の授業の報告。

    金曜4限の「ドイツ語圏ドイツ文化論」、学生たちがつけたまたの名を「恋愛学」。2010年頃に始まったこの授業は、「彼(彼女)にも受講してほしい」と口コミで広がり、ついには参加者200名超にも及ぶ人気講義になりました。
    《カルメン》や《ドン・ジョヴァンニ》などのオペラ、太宰治の恋文、ヴィトゲンシュタインの哲学、『存在の耐えられない軽さ』にドラマ『あまちゃん』まで、多彩な素材をもとに恋愛について考えます。
    授業を彩るもうひとつの重要な要素が授業のリアクションペーパー、通称「紙メール」。「草食化」、「恋愛離れ」というレッテルを貼られがちな20代の等身大の声を導きの糸に、授業は縦横無尽に展開していきます。
    恋は、がんばったからといって上手くいくものではありません。相手の気持ちはもちろん、自分の気持ちもコントロールできない。「私は、私という家の主人ですらない」(フロイト)のが人間です。コントロールできない局面でどうふるまうか――。恋愛に正解はありません。だからこそ恋について考えることは、「私」やコミュニケーションについて考えを深める、またとない機会でもあります。
    「パルラ・バッソ(低い声で語れ)」、「捨恋」、「オイラー図」、「136問題(「伝えたいことが10あったとする。文字情報で伝わるのは1。声の調子や表情や身ぶりなどで伝わるのは3。残りの6は伝わらない」)」……ユニークで一度聞いたら忘れられない合言葉の数々。思わず自分の恋も語りだしたくなる? 感情揺さぶる〈実況中継〉講義。

    【本書の内容】
    「あしたの天気は、晴れか曇りか雨です」――反証可能性
    モテる男は叫ばない――136問題
    「カタログの歌」――ドン・ジョヴァンニの哲学
    めざせ10連敗!――ヴィトゲンシュタインの教え
    「さあ聞け。男(女)が思ったが、言わなかったことを」
    自分の無力に思い上がるな
    手紙に書いたキス
    恋愛のピリオド奏法
    ふりをする――世界は舞台/そして男も女も役者にすぎない?
    なぜドン・ジョヴァンニはトリスタンになったのか
    非接触系の愛――1対(1)
    「絶望するな。では、失敬」
    ……など。
  • 『忘れられた日本人』で知られる民俗学者・宮本常一とは何者だったのか。その民俗学の底流にある「思想」とは?

    「大きな歴史」から零れ落ちる「庶民の歴史」。日本列島のすみずみまで歩き、聞き集めた小さな歴史の束から、世間や民主主義、多様な価値、さらには「日本」という国のかたちをも問いなおす。傍流として、主流が見落としてきた無名の人びとの「語りの力」を信じて――。

    【本書のおもな内容】
    ●「庶民」が主役の歴史を構想
    ●盲目の「」乞食の自分語りに見出した意味
    ●村をよくするために尽くした「世間師」
    ●釣り糸を変えると豊かになる
    ●「寄り合い民主主義」の可能性
    ●日常生活に潜む「深い心のかげり」に着目
    ●「ふるさと」を起点として広い世界を見る
    ●旅に学ぶ――父の10ヵ条
    ●男性による女性支配の「東西での違い」
    ●人が人を信じることで人間全体が幸福になる

    「宮本の民俗学は、私たちの生活が『大きな歴史』に絡みとられようとしている現在、見直されるべき重要な仕事だと私は考える。これほど生活に密着し、生活の変遷を追った仕事は、日本の近代でほかにはみられないからだ。宮本は庶民の歴史を探求するなかで、村落共同体が決して共同性に囚われてきただけではなく、『世間』という外側と絶えず行き来し流動的な生活文化をつくってきたことも明らかにする。そしてそれは、公共性への道が開かれていたと解釈することができるのだ。また近代を基準にみたとき、さまざまな面で遅れているとされてきた共同体の生活、あるいは慣習のなかに、民主主義的な取り決めをはじめ、民俗的な合理性があったことも裏づける」――「はじめに」より

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    100ページで教養をイッキ読み!
    現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!

    1:それは、どんな思想なのか(概論)
    2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
    3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

    テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
    「一気に読める教養新書」です!
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  • 2,310(税込)
    編:
    齋藤孝
    レーベル: ――
    出版社: 講談社

    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    齋藤孝氏が提案する「新時代の教養」! 200枚以上の写真、図版と300以上の問いから構成され、視覚とテキストの両面から読者に訴えかける、新しいスタイルの図鑑です。すべてのトピックは相互につながりを持ち、「プラトンといえば、アリストテレス」「アリストテレスといえば、アレキサンダー大王」、「葛飾北斎といえば、ジャポニズム」「ジャポニズムといえば、ゴッホ」というように、トピックからトピックを連想しながら読み進むことができ、いつの間にか多様なジャンルの様々な知識を学ぶことができます。
     美術、文学、歴史、人類学、科学、21世紀の最新情報まで、様々なジャンルを縦横無尽に横断する盛りだくさんの教養図鑑です!
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 1,562(税込)
    著:
    松村圭一郎
    レーベル: ――
    出版社: 講談社

    文化人類学ってどんな学問?

    黎明期の先駆者たちから、ラトゥール、インゴルド、グレーバーまで。
    繰り返されてきたパラダイム・シフト(=転回)と研究者たちの「格闘」の跡をたどり、現在地を探る。

    6つのテーマ(人間の差異、他者理解、経済行動、秩序、自然と宗教、病と医療)を取り上げ、
    ぐるぐるめぐり歩きながら考える、文化人類学の新しい入門書。

    【「はじめに」より】
    「文化人類学ってどんな学問ですか?」そう聞かれると、いつも言葉に詰まる。「昔は未開社会といわれた民族を研究していたんですが、いまは病院とか、企業とか、軍隊とか、現代的な場所も対象になっています」。そんな言い方をして顔色をうかがう。納得いかない様子なら、「ただフィールドワークという現場に深く入り込んで調査する手法は一貫しています」などと言葉をたす。

    うまくストレートに説明できないのは、文化人類学が何度も大きなパラダイム・シフト(=転回)を経験してきたからだ。研究対象が変わるだけでなく、学問の前提となる理論的枠組みがたびたび入れ替わってきた。その変化は、かならずしも連続的な「発展」ではない。むしろ「断絶」や「亀裂」でもあった。そこには、人類学者たちが先人の築いた基盤やその時代の支配的概念を批判的に乗り越えようと格闘してきた足跡が刻まれている。

    (中略)
    私たちはいったいどんな世界をつくりだそうとし、現実にどう世界を変えてきてしまったのか。それは、人類学という一学問に限らず、いまの時代を生きるすべての人にとって切実な問いである。人類学の一筋縄ではいかない旋回の軌跡をたどりなおす過程は、その問いへの向き合い方がいくつもありうることを確認していく作業でもある。


    【目次】

    1章 人間の差異との格闘
    1 「差異」を問う
    2 構造のとらえ方
    3 未開と近代


    2章 他者理解はいかに可能か
    1 他者理解の方法
    2 揺らぐフィールドワーク
    3 存在論へ

    3章 人間の本性とは?
    1 社会から個人へ
    2 形式主義と実体主義
    3 近代への問い

    4章 秩序のつくり方
    1 法と政治の起源
    2 国家と政治
    3 国家なき社会

    5章 自然と神々の力
    1 宗教とアニミズム
    2 神の概念
    3 自然と人間

    6章 病むこと、癒やすこと
    1 災いの原因
    2 医療人類学の地平
    3 ケアの視点

    7章 現在地を見極める
    1 二分法の問い直す
    2 変革と実践の学問へ
  • 「日本語の勝利」は著者が『星条旗の聞こえない部屋』で野間文芸新人賞受賞決定直後、世に問われた最初のエッセイ集。
    日本語という言語や「新宿」という場所との関わり、文学との向き合いが様々な切り口で描かれており、興味深い。
    それから4年半を経て2冊目のエッセイ集「アイデンティティーズ」が刊行される。そこでは日本とアメリカとの往還だけでなく、中国というもうひとつの大陸への探訪が始まったことが記される。そこで目にする中国人や中国語はこれまでになかった姿であり、読者の固定観念を揺るがす。
    文学をそして人間の営みをつねに複眼的に捉え、生き生きとした日本語で描写する著者、リービ英雄のエッセイ群は東西冷戦後の世界の枠組みがさらに大きな変化を生じ始めていると見られる2020年代の今こそ、深く受け取ることのできる貴重な文学の表現なのである。
  • 1,155(税込)
    著:
    栗本慎一郎
    レーベル: ――
    出版社: 講談社

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    内から腐食する文明、思考を停止させた人類……その行くつく先は?――全地球的視座から文明興亡の法則を解き明かし、21世紀を予見する経済人類学の壮大な啓示!

    文明論の“常識”はもう通用しなくなった! 東欧の大激動、共産主義の瓦解は何を意味しているのか? 14世紀に始まった近代文明は1993年に大転機を迎えようとしている。今こそ文明とは何かを考える時だ。

    <いま地球上で何が起きているのか>
    ●東欧発火は当然の帰結
    ●ヒットラーの台頭を予言した経済人類学
    ●マルクスの失敗はヘーゲルの失敗
    ●はたして自由社会が「勝った」のか?
    ●一度滅びた文明は二度と栄えない
    ●人類は集団的躁状態に入りつつある
    ●太陽黒点が多くなると歴史は激動する
    ●現代人はなぜ麻薬を手離せなくなったのか?
    ●近代は思考停止を好む
    ●社会はひとつの「生命体」である
    ●南米の指導者は社会の「生理」をこわした
    ●人類は「民族」を超えられるか
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    【内容紹介・目次・著者略歴】
    イギリス封建社会の実態はいかなるものであったのか? 教会、貴族、修道院、農業、国家、州、法と裁判など、具体的に検証する。

    【目次より】
    凡例
    まえがき
    第I部 経済と社会
    第一章 イギリス封建制社会の特質に関する若干の問題
    第二章 一一世紀イギリス領主制の構造分析 イースト・アングリアの一教会所領の土地台帳を中心として
    第三章 イギリスにおける自由農民層《分解》の歴史的性格について その予備的考察
    第四章 一二・一三世紀イギリスにおける修道院のインムニテートの構造 修道院の所領経営と国家権力の関係についての序論
    第五章 中世修道院所領の経営者サムソン
    第六章 イギリスにおける封建地代の生成について 主として田中正義教授の諸研究をめぐって
    第II部 封建制社会の構造
    第七章 イギリス封建社会における「貴族」の存在構造
    第八章 イギリス封建制の発達過程における政治的権力構造 第一部《属領的支配体制》段階の基本的特徴
    第九章 貴族による「政治的改革」運動の構造 「封建制確立」の歴史的把握のための一試論
    第一〇章 一二・一三世紀の西ヨーロッパ諸国 イギリス
    第一一章 集権的統治の構造 一二世紀前半のイングランド
    第一二章 後期サクソン=イングランド研究の課題
    第一三章 前期プランタジネット朝の歴史的地位 「イングランド国民国家」形成史論覚え書
    第III部 教会と国家
    第一四章 イングランドにおける財務府の成立について
    第一五章 カンタベリー大司教トマス・ベケットの闘い 一二世紀の国制と教会の一側面
    第一六章 イングランド中世における法と裁判 グランヴィルの『法と慣習』分析
    第一七章 中世イングランドにおける州共同体 裁判集会民および審判員の学説史的検討
    第一八章 中世中期イングランドの「教会」と王権 転換期としての一二世紀
    第一九章 一三世紀イングランドにおける教会と国家 裁判管轄権をめぐって
    ヨーロッパ構造史研究会会員一覧
    佐藤伊久男先生 著作一覧
    佐藤伊久男先生 略年譜

    引用文献一覧
    略語表

    佐藤 伊久男
    1930~2010年。西洋史学者。東北大学名誉教授。東北大学卒業、同大学院西洋史博士課程中退。
    著書に、『中世イングランドにおける諸社会の構造と展開』『歴史における宗教と国家 ローマ世界からヨーロッパ世界へ』(共編)『ヨーロッパにおける統合的諸権力の構造と展開』、
    訳書に、ポスタン『イギリス封建社会の展開 』ポスタン『中世の経済と社会』(共訳)などがある。

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    【内容紹介・目次・著者略歴】
    たくましい生活力に内的規律を! 原水爆という形で尖端的に現れた科学主義による野蛮化の危機がひしひしと世界に迫っている今日、われわれは深い反省をもって「現代の賢者」オルテガの所論に耳を傾けるべきであろう。文化的荒廃のなかで若き世代の人たちは、オルテガのうちにこそ生の方向決定に、己がよき助言者と導師を見出すに違いない。

    『目次』
    1 テーマとの最初の小競合い
    2 「在る」ことと「よく在る」こと/陶酔の「必要性」/必要としての過剰/技術の相対性
    3 努力を節約するための力は努力である/節約された力の問題 創作された生
    4 技術の深層地帯をパトロールする
    5 自己を製造することとしての生/技術と願望
    6 人間の超自然的運命/人間を導いてきた存在の諸プラン/チベットにおける国家の起源
    7 「ゼントルマン」という類型/その技術的要求/「ゼントルマン」と「ヒダルゴー」
    8 事物とその存在/物以前/人間・動物・道具/技術の発展
    9 技術の諸段階
    10 手仕事としての技術/技術者の技術
    11 人間と技術はいかなる関係にあるか/古代の技術者
    12 近代のテクニシズム/科学と仕事場/現代の奇蹟
    知識人と他者
    訳注
    あとがき


    オルテガ
    1883~1955年。スペインの哲学者。マドリード大学で学士号、博士号取得。「生の理性」の思想を提唱。主著に、『ドン・キホーテをめぐる思索』『大衆の反逆』がある。
    著書に、『オルテガ著作集(全8巻)』など多数ある。


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    【内容紹介・目次・著者略歴】
    タイのチャオプラヤ・デルタを対象に、農業生産の基盤としての自然、稲作の実態、そしてデルタの開拓の歴史を明らかにした地域研究。気候・地形・水文・稲作技術など多岐に亙る視点からデルタ農業の歴史的発展を辿り、その全体像を解明する。

    【目次】
    まえがき
    1 チャオプラヤ水系概観
    1.1 アジアの中でのチャオプラヤ水系
    1 地形学的位置づけ 2 気候学的位置づけ
    1.2 チャオプラヤ・デルタ
     1 デルタとはどんな所か 2 チャオプラヤ流域の構成
    2 チャオプラヤ・デルタの農業景観
    2.1 稲作区の設定
    2.2 各稲作区の農業景観
     1 Rangsit 地区 2 Noi・Lopburi 氾濫原 3 Sena 凹地帯 4 West Bank 5 Bang Pakong 氾濫部 6 沿岸湿地 7 瀕海部 8 古デルタ 9 Dan Chang 扇状地 10 Mae Khlong 扇状地 11 Lopburi グルムソル地区 12 Prachinburi ラテライト地区 小結
    3 摸式的にみたチャオプラヤ・デルタ
    3.1 地形発達史学的にみたデルタ
     1 地形 2 地層 3 地形発達史学的にみたデルタ・モデル
    3.2 土壌からみたデルタ
     1 地形面と土壌 2 新デルタ細分 3 土壌からみたデルタ・モデル
    3.3 水文学的にみたデルタ
     1 モンスーン 2 洪水 3 水文からみたデルタ・モデル 4 水理工学的にみた洪水
    3.4 植生からみたデルタ
     1 環境の指示者 2 植生区
    3.5 灌漑・排水工事によるデルタの変貌
     1 灌漑・排水事業 2 改造された水利
    3.6 稲作からみたデルタ
     1 伝統的栽培法 2 最近の稲作 小結
    4 開拓史
    はじめに:三つの核心域
    4.1 アユタヤ期
     1 アユタヤ王朝とデルタ
    4.2 バンコク遷都後19世紀最末期まで
     1 バンコクの発展 2 運河掘削 3 土地利用 4 19世紀後半の稲作
    4.3 20世紀前半
     1 20世紀初期の状態 2 van der Heide の業績 3 1910年より第二次大戦まで
    4.4 戦後
     1 古デルタにみる大チャオプラヤ・プロジェクト 2 West Bank の変容 3 戦後デルタの発展の方向 小結
    稲作文化史的にみたチャオプラヤ・デルタ――むすびにかえて――
    付論 地域区分と各地区の記載
    引用文献
    あとがき
    事項索引
    地名索引

    高谷 好一
    1934~2016年。地理学者。京都大学名誉教授、滋賀県立大学名誉教授。京都大学理学部卒業。専門は、東南アジア地域研究。
    著書に、『多文明共存時代の農業』『湖国小宇宙 日本は滋賀から始まった』『〈地域間研究〉の試み 上下巻 世界の中で地域をとらえる』『地域研究から自分学へ』『多文明世界の構図』『世界単位論』『新編・「世界単位」から世界を見る (地域研究叢書)』『地域学の構築―大学改革の基礎』『新世界秩序を求めて―21世紀への生態史観』『東南アジアの自然と土地利用』『熱帯デルタの農業発展』『マングローブに生きる』『コメをどう捉えるの』などがある。


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