『思想、一般財団法人東京大学出版会、配信予定を除く(実用)』の電子書籍一覧
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ロングセラー教科書、待望の復刊
古代・中世から近代、そして現代思想のダイナミックな流れを通してヨーロッパ社会の根源をとらえた名著、新組による待望の復刊。新たに本書刊行以降の社会思想の展開をまとめた「あとがき」を付し、今日のグローバルな課題に向き合うための視座を与える。
【主要目次】
新版の読者へ
はじめに
Ⅰ 古代・中世
第一章 古代ギリシアの社会思想
1 ソフィストたちの社会思想
2 ソクラテスの挑戦と死
3 プラトンの国家論
4 アリストテレスの社会思想
第二章 古代末期と中世の社会思想
1 ストア学派の倫理・法思想
2 ヘブライズムと原始キリスト教
3 アウグスチヌスの「人間–社会」論
4 トマス・アクィナスの「人間–社会」論
5 中世後期の政治思想
Ⅱ 近代
第三章 政治・宗教・自然観の転換
1 ルネサンス期の政治・社会思想
2 宗教改革の諸思想
3 近代自然科学の思想
第四章 社会契約思想
1 抵抗権・主権論・国際法
2 ホッブズのリヴァイアサン思想
3 ロックのリベラリズム思想
4 十八世紀フランスのリベラリズム
5 ルソーの近代文明批判と直接民主主義思想
6 スピノザ、ライプニッツ、カントの平和思想
第五章 市民(経済・産業)社会論
1 スミスの自由主義経済思想
2 フランス革命後の社会思想
3 初期社会主義思想
4 マルクスの社会革命思想
Ⅲ 現代
第六章 理性的「人間‐世界」観への挑戦
1 ダーウィニズムと社会進化論
2 ニーチェとヨーロッパのニヒリズム
3 フロイトの「人間文化」論と精神分析
第七章 社会思想の二十世紀的展開
1 マルクス主義の発展と凋落
2 大衆社会論と批判的社会理論
3 社会思想の今日的課題
「社会思想の今日的課題」その後――あとがきにかえて
参考文献 -
近代の日本哲学のダイナミズムを気鋭の哲学者が活写
日本の近代思想において哲学を考えることは、日本の哲学的な経験を通じながら、そこに普遍化への努力をどう見ていくのかということになる。本書は、西洋哲学の受容と展開だけでなく、中国哲学やインド哲学などにも目配りをして、近代の日本哲学のダイナミズムを明らかにする。
【シリーズの特長】
●日本の近代思想を15のテーマに分け、その新たな読みなおしを提案する。
●近代を反映する重要テキストを精選・収録し、第一線の研究者が解説を付す。
●危機の時代である現代において、時勢に流されることのない基礎的かつ確実な内容を提示する。
【主要目次】
総論 哲学という問題系
Ⅰ 日本哲学の系譜学
一 日本哲学と中国哲学
二 二つの啓蒙――福沢諭吉と中江兆民
三 霊魂不滅論争
Ⅰ 資料編
Ⅱ アカデミズムとしての哲学の成立
四 東京学派の哲学
五 近代日本における中国哲学
六 近代日本におけるインド哲学
Ⅱ 資料編
Ⅲ 帝国の哲学
七 京都学派の礎――西田幾多郎
八 世界史の哲学――高山岩男
九 帝国日本を支える論理――田辺元
一〇 フィロロジーの行方――和辻哲郎
Ⅲ 資料編
Ⅳ 脱出の方位
一一 偶然性と未来への志向――九鬼周造
一二 ディアスポラの哲学――三木清
一三 マルクス主義哲学――戸坂潤
一四 東北大学で展開した哲学――高橋里美と高橋ふみ
Ⅳ 資料編
Ⅴ 戦後の哲学
一五 戦後民主主義――丸山眞男
一六 戦後マルクス主義哲学――梅本克己
一七 経験と思想――森有正
一八 神秘について――井筒俊彦
一九 立ち現われ一元論――大森荘蔵
二〇 共同主観性――廣松渉
二一 あわいの哲学――坂部恵
二二 装飾的思考――北川東子
二三 「自分」という謎――池田晶子
Ⅴ 資料編 -
スタンダードな入門書を、読みやすくなった新版で
カントの批判哲学から、フィヒテ、シェリングをへてヘーゲルの哲学体系までドイツ観念論を平明に解説した入門書。旧版の坂部恵による解説に加え、新たに納富信留・東京大学教授による序文を収録する。1977年の刊行以来、長年読み継がれてきた名著を、読みやすい新組みでおくる。
【主要目次】
序文 哲学者との対話としての哲学史――本書を読むために(納富信留)
第一章 カント
1 カント哲学の背景と意図
2 生涯と著作
3 批判哲学の意図
4 数学および自然科学の基礎づけ
5 伝統的形而上学の否定
6 実践的形而上学の基礎づけ
7 自然界と道徳界との統一
第二章 フィヒテ
1 生い立ちからイエナ赴任まで
2 前期思想
3 無神論論争
4 ベルリン時代
5 後期思想
第三章 シェリング
1 生い立ちからイエナ時代まで
2 前期思想
3 ヴュルツブルク、ミュンヘン、ベルリン時代
4 後期思想
第四章 へーゲル
1 ヘーゲルに対する相反する評価
2 生涯と著作活動
3 根本思想
4 弁証法
5 体系の概観
6 『精神現象学』序論と『法の哲学』
7 後世への影響
解説(坂部 恵) -
日本のゲーム研究を牽引する著者の主要論考をすべて集成
電子回路をもつゲームであるデジタルゲームを知覚や認知、ゲームプレイ、メディア、音、eスポーツ、文化資源などの視点から多面的に論じつつ、さらには大塚英志と東浩紀による「ゲーム的リアリズム」論争をも詳細に跡付ける、日本のゲーム研究を牽引する著者によるゲームを考えるための必読文献。
【主要目次】
序 ゲーム研究とはどういうものか
I 知覚と認知――プレイヤーはゲームをどう感じるのか
第1章 スクロール
第2章 視点と空間
第3章 ゲーム空間の記号学――二重化する知覚
II ゲームプレイ――プレイヤーはゲームをどう遊ぶのか
第4章 ゲームプレイと他者への信頼
第5章 カウンタープレイ――ゲームに抗うプレイヤー?
第6章 ゲームと公平性――社会革新としてのプレイ
III メディア――コンピュータで遊ぶ/コンピュータを遊ぶ
第7章 プレイヤーとキャラクター――ゲームにおける死の問題
第8章 メタゲーム――自己批評するゲーム
第9章 メディアとしてのゲーム
IV 文化のなかのゲーム――多面化するゲーム研究
第10章 ゲームと音・音楽
第11章 eスポーツはスポーツなのか
第12章 ゲームの文化資源学 -
古典入門、かつ美学概説の一冊
美学は18世紀半ばに作られた哲学的学問であり、「感性」「芸術」「美」という主題が収斂するところに成立した。美学の古典といえるカント『判断力批判』(1790年)を題材にし、そこでの重要なテーマをめぐって、古代ギリシアから21世紀までの美学史を概説する。美学を深く学ぶための決定版。
【主要目次】
序文
第I章 美の無関心性
A 美しいものの分析論――質に即して
B カント『判断力批判』前史
C 実践的無関心と美的関与
第II章 趣味判断の普遍妥当性
A 美しいものの分析論――量に即して
B 趣味の普遍性ならびに快の本性
C 二〇世紀の趣味論
第III章 目的なき合目的性
A 美しきものの分析論――関係に即して
B 美と合目的性
C 目的なき合目的性のゆくえ
第IV章 趣味判断の範例性
A 美しいものの分析――様相に即して
B 範型・実例・模範
C 範例性のゆくえ
第V章 感性の制約と構想力の拡張
A 崇高なものの分析論
B 言語の崇高さから自然の崇高さへ
C 崇高論のその後
第VI章 構想力と共通感官
A 美的判断の演繹論
B 共通感覚論の系譜
C 二〇世紀の共通感覚論
第VII章 美しいものから道徳的なものへ
A 美しいものへの関心
B 社交人・未開人・隠遁者
C 自然の暗号文字
第VIII章 「美しい技術」としての芸術
A 美術論(その一)
B 芸術の誕生
C 範例的独創性
第IX章 「美的理念」と芸術ジャンル論
A 芸術論(その二)
B ライプニッツ的感性論の系譜
C カント的芸術論のゆくえ
第X章 美しいものと超感性的なもの
A 美的判断力の弁証法
B 認識・感情・欲求
C 美的なものと生
あとがき
用語解説
読書案内 -
責任ある主体として語りふるまう我々の近代は、なぜ殺したはずの神の輪郭をいつまでも経巡るか。臓器の所有、性のタブー、死まで縦横に論じ反響を呼んだ小会PR誌『UP』連載に、著者の思考の軌跡をふんだんに注として加筆した渾身の論考。すべてが混沌とする現代の問題に、自分で思考することを試みる。
【本書「はじめに」より】
神は死んだ。世界は人間自身が作っていると私たちは知り、世界は無根拠だと気づいてしまった。もはや、どこまで掘り下げても制度や秩序の正当化はできない。底なし沼だ。幾何学を考えるとよい。出発点をなす公理の正しさは証明できない。公理は信じられる他ない。どこかで思考を停止させ、有無を言わせぬ絶対零度の地平を近代以前には神が保証していた。だが、神はもういない。
進歩したとか新しいという意味で近代という表現は理解されやすい。だが、近代は古代や中世より進んだ時代でなく、ある特殊な思考枠である。科学という言葉も同様だ。科学的に証明されたと述べる時、迷信ではなく、真理だと了解する。しかし科学とは、ある特殊な知識体系であり、宗教や迷信あるいはイデオロギーと同じように社会的に生み出され、固有の機能を持つ認識枠である。科学的真理とは、科学のアプローチにとっての真理を意味するにすぎない。
人間はブラック・ボックスを次々とこじ開け、中に入る。だが、マトリョーシカ人形のように内部には他のブラック・ボックスがまた潜んでいる。「分割できないもの」を意味するギリシア語アトモスに由来する原子も今や最小の粒子でなくなった。より小さな単位に分解され、新しい素粒子が発見され続ける。いつか究極の単位に行き着くかどうかさえ不明だ。
内部探索を続けても最終原因には行き着けない。そこで人間が考え出したのは、最後の扉を開けた時、内部ではなく、外部につながっているという逆転の位相幾何学だった。この代表が神である。手を延ばしても届かない究極の原因と根拠がそこにある。正しさを証明する必要もなければ、疑うことさえ許されない外部が世界の把握を保証するというレトリックである。そして、神の死によって成立した近代でも、社会秩序を根拠づける外部は生み出され続ける。
このテーゼが本書の通奏低音をなす。虚構なき世界に人間は生きられない。自由・平等・人権・正義・普遍・合理性・真理……、近代を象徴するキーワードの背後に神の亡霊が漂う。表玄関に陣取る近代が経糸を紡ぐ。その間を神の亡霊が行きつ戻りつ、緯糸のモチーフを描く。
【主要目次】
はじめに
序 近代という社会装置
第1回 死の現象学
第2回 臓器移植と社会契約論
第3回 パンドラの箱を開けた近代
第4回 普遍的価値と相対主義
第5回 「べき論」の正体
第6回 近代の原罪
第7回 悟りの位相幾何学
第8回 開かれた社会の条件
第9回 堕胎に反対する本当の理由
第10回 自由・平等・友愛
第11回 主体と内部神話
最終回 真理という虚構
あとがき -
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カリキュラム改革が進む東大教養学部で、93年度から文系1年生の必修科目として開設されたゼミ形式の「基礎演習」のテキスト。最先端の学問の魅力を紹介し、論文の書き方・口頭発表の仕方・資料の集め方等を収めた「究極の参考書」。 -
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現代論理学という知の風景へ誘う、文科のための入門書。初心者の素朴な疑問と驚きに満ちた、不思議の国への旅だち。豊富な問題・論題を設け、説き明かすことよりも、読者への問いかけを意図した。 -
ラッシャー木村の「こんばんは」に,なぜファンはズッコケたのか.ユーミンの名曲を,なぜ「恋人はサンタクロース」と勘違いしてしまうのか.日常にある言語学の話題を,ユーモアあふれる巧みな文章で綴る.著者の新たな境地,抱腹絶倒必至!
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