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『思想、読書人(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧

1 ~4件目/全4件

  • 1,012(税込)
    著者:
    佐藤嘉幸
    著者:
    田口卓臣
    著者:
    前田朗
    著者:
    村田弘
    レーベル: 読書人eBOOKS
    出版社: 読書人

     三・一一以後、原発問題に関する著作はとうてい数えきれないほど多く世に送り出されました。いまなお、学ぶべき素晴らしい著作が相次いで出版されています。それらの一部を手に取り数々の知見に学びながら、脱原発運動の末端をたどたどしく歩いてきましたが、原発問題の根深さとスケールの大きさに圧倒され、どこから手を付ければよいのかわからなくなることが度々でした。それは脱原発の必要性を確信しているにもかかわらず、思考の基本が定まっていなかったからです。「哲学」がなかったためと言っても良いでしょう。
     そんな折に、佐藤嘉幸・田口卓臣の共著『脱原発の哲学』に遭遇しました。遭遇と言うよりも、衝突したと言ったほうが正しいかも知れません。一回り以上年少の二人の哲学研究者が、福島第一原発事故が惹き起こした諸問題に真正面から激突し、しっかりと組み伏せ、鮮やかに分析していることにただならぬ感銘を受けました。そこで、スペース・オルタの佐藤真起さんに、この二人へのインタヴュー講座の開催を提案するや、佐藤真起さんも一読興奮冷めやらぬ趣で即座に開催を決めたのでした。
         *
     インタヴュー講座は次の三回です。第一回・二〇一七年一二月一七日、第二回・二〇一八年一月二一日、第三回・同年二月一八日、会場はいずれもスペース・オルタ(新横浜)。主催は平和力フォーラム(主宰・前田朗)、共催はスペース・オルタ、さらに協賛は福島原発かながわ訴訟原告団、福島原発かながわ訴訟を支援する会、市民セクター政策機構です。
     主催の平和力フォーラムは、同じ会場で、これまで二つのインタヴュー講座を実施しました。一つは、原発民衆法廷判事だった鵜飼哲(一橋大学教授)、岡野八代(同志社大学教授)、田中利幸(広島市立大学教授・当時)へのインタヴューです。その記録は、鵜飼哲・岡野八代・田中利幸・前田朗『思想の廃墟から――歴史への責任、権力への対峙のために』(彩流社)として出版されました。もう一つは、原発民衆法廷に証人として出廷した高橋哲哉(東京大学教授)へのインタヴューです。その記録は、高橋哲哉・前田朗『思想はいまなにを語るべきか――福島・沖縄・憲法』(三一書房)として出版されました。
         *
     佐藤嘉幸さんと田口卓臣さんへのインタヴューは、月に一回、三か月連続と、いささかハードスケジュールでしたが、お二人とも毎回入念に準備され、私の拙い質問に迅速的確に応答してくれました。原発問題に向き合い、脱原発を求める思考と運動を鍛え直すための講座ですから、話題はつねに重く、時に気分が沈みがちだったのはやむを得ません。しかし、お二人は、日本政府と東電の無責任に怒るだけではなく、立ち上がる被災者とともに悩み、ともに考え、ともに明日を見据えて「哲学する」俊秀でした。おかげで毎回、実に愉しいインタヴュー講座となりました。
     福島原発かながわ訴訟原告団の村田弘さんは、講座の中で、避難者に押し付けられた苦境を語ってくれましたが、本書のために新たにインタヴューに応じてくれました。
     最後になりますが、すべての記録を文字おこしして電子書籍にこぎつけ、本書に具体的な形を与えてくれた週刊読書人の明石健五さんに深甚の感謝を申し上げます。

    二〇一八年五月三日   
    前田 朗
  • 1,012(税込)
    著者:
    佐藤嘉幸
    著者:
    田口卓臣
    著者:
    小出裕章
    著者:
    西山雄二
    著者:
    渡名喜庸哲
    著者:
    岩田渉
    他4名
    レーベル: 読書人eBOOKS
    出版社: 読書人

     二〇一一年三月に起こった福島第一原発事故というカタストロフィは、私たちの生とそれをとりまく環境、社会に膨大な被害をもたらした。その膨大な被害を踏まえて、原子力=核エネルギーというテクノロジーが持つ科学的、社会的、政治的な矛盾について哲学的な観点から考察したのが、私たちが共同で執筆した『脱原発の哲学』である。
    本書では、『脱原発の哲学』が提示した様々なテーゼについて議論するために、まず著者二人の討論(『脱原発の哲学』をアップデートする論点を含む)を収録し、その後、慶応義塾大学と筑波大学で行われた二つの合評会での討論を収録した。二つの合評会では、いずれもコメンテーターと著者、フロアの間で長時間にわたる白熱した議論が展開されたが、本書にまとめる際に、時間の関係で当日展開できなかった幾つかの論点を書き足した。
    合評会の詳細は次の通りである。

    *『脱原発の哲学』合評会+小出裕章氏講演会
    第一部 『脱原発の哲学』合評会
    コメンテーター 西山雄二(首都大学東京)、渡名喜庸哲(慶応義塾大学)、岩田渉(元市民科学者国際会議)
    第二部 小出裕章氏講演会「熊取六人組と批判的科学」
    慶応義塾大学三田キャンパス、二〇一六年一一月一一日

    *『脱原発の哲学』合評会
    コメンテーター 五十嵐泰正(筑波大学)、早尾貴紀(東京経済大学、311全国受入協議会)、本間信和(筑波大学大学院)
    筑波大学、二〇一七年五月一八日

    『脱原発の哲学』を読んで濃密なコメントを下さったすべてのコメンテーターの方々、そして、私たちの求めに快く応じて心に響く講演を行って下さった小出裕章先生に、深い感謝を捧げる。また、『脱原発の哲学』を評価し、合評会の電子出版を企画して下さった、『読書人』編集長の明石健五さんにも、最大限の感謝を捧げたい。
     本書を機に、より多くの読者が『脱原発の哲学』の問題提起に触れ、福島第一原発事故がもたらし、また明らかにした諸問題と、脱原発の「切迫性」について考えて下さるなら、著者としても本望である。本書に収録した討論でも述べたように、脱原発についての生産的な議論が交わされる場であるなら、私たちはいつでもそこに赴く準備ができている。
     本電子書籍は、『脱原発の哲学』をめぐって行われる新たな対話を、今後「改訂版」として、その都度アップデートしていく。ダウンロードされたサイトに再度アクセスしていただければ、無料で「改訂版」がダウンロード可能となる。改訂版に関する情報は、「週刊読書人」のホームページ(http://dokushojin.com/)などで告知する。第一回目のアップデートは、二〇一八年三月を予定している。

    【追記】
    2018.03.08 改訂版を配信開始しました。
  • 本書は、横浜国立大学で二〇一六年度において開講された特別セミナー科目「文系学部解体――大学の未来」(全五回)の講演会・討議を記録したものである。その趣旨は、横浜都市文化ラボ(代表=室井尚)のHP上で、以下の通り記されている。
    「横浜国立大学では、29年度から文理融合の新学部【都市科学部】が設置されることになっています。そのうち、人間文化課程の教員の多数が配属される【都市社会共生学科】の日本人学生定員は60名であり、これまでの150名から大幅に縮小されることが決定済みです。 こうした国・文科省の「文系縮小」の政策に対して異議を唱えた室井尚著『文系学部解体』(角川新書)は、大きな話題を呼び四刷(15000部)まで増刷されました。本特別セミナーは、この話題をめぐって多彩なゲストを迎えて特別講演会を行うものです。」

     各回のゲストとタイトルは次の通りである(カッコ内は開催日時)。

     第一回=内田樹「『文系学部解体』以降の日本の大学」(六月十六日)
     第二回=吉見俊哉「『文系学部解体』vs.『「文系学部廃止」の衝撃』(七月一一日)
     第三回=ハヤシザキカズヒコ・三浦翔「なぜ誰も声を上げないのか/なぜ伝わらないのか?―福岡教育大学問題から考える」(十月二一日)
     第四回=日比嘉高・増田聡「大学はこのままでいいのか?――自由と多様性を求めて」(十一月二二日)
     第五回=竹下典行・小林哲夫「文部科学省との正しい付き合い方―こじれた関係を修復するために」(一月三一日)
    (第一回から第三回までの討議は、『週刊読書人』紙上に掲載された)。
  • 2016年3月20日、京都大学人文科学研究所で行われた市田良彦・王寺賢太共編『現代思想と政治――資本主義・精神分析・哲学』(平凡社刊2016年1月)公開合評会の模様を載録したものに、各発言者の若干の加筆修正を加えた発言録。合評会の評者としては、発言順に、檜垣立哉(大阪大学人間科学研究科教授)、森川輝一(京都大学公共政策大学院教授)、鵜飼哲(一橋大学言語社会研究科教授)の3氏が招かれ、それぞれのコメントに、市田氏をはじめとする『現代思想と政治』寄稿者が順次応答する形で議論は進行した。会は総計およそ7時間にわたって、活発な討論が繰り広げられた。読者の方々には、7時間の議論の醍醐味を十分味わっていただけるのではないか。
    『現代思想と政治』の寄稿者には、以下の19人が名を連ねている。市田良彦、王寺賢太、小泉義之、佐藤淳二、上田和彦、箱田徹、布施哲、長崎浩、沖公祐、佐藤隆、中村克己、廣瀬純、長原豊、中山昭彦、佐藤嘉幸、松本潤一郎、上尾真道、立木康介(敬称略)。日米安保闘争以来の日本の新左翼の思想と運動の一線を担ってきた長崎氏から、市田氏、小泉氏、長原氏といった現代思想論・現代政治論で広く知られる論客たちを経て、経済学・精神分析・文学・哲学・思想史など幅広い分野から、中堅・若手の実力ある研究者たちを糾合してなった書物であることが見てとれる。合評会当日、廣瀬氏と中山氏は欠席だったが、それぞれが、現時点における考察と評者のコメントに対する回答を短いテクストのかたちで執筆、巻末に補記として付した。『現代思想と政治』の目次、及び檜垣・森川・鵜飼の三氏が合評会のため準備したレジュメも、同様に巻末に収録した。

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