セーフサーチ設定を変更しました
ページの先頭です
KADOKAWA作品コイン50%還元キャンペーン

『思想、講談社文芸文庫(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~16件目/全16件

  • 神自身が信仰を投資に例えるイスラーム教のもとで、どうして逸早く資本主義が発達しなかったのか?クリスチャンの息子達を集めて皇帝の忠実な親衛隊に育て上げたオスマン帝国の「デヴシルメ」はなぜ実現可能だったのか?法を重視し、法に徹底した情熱を注ぎこんだはずのイスラム圏で、「法の支配」がなぜ崩壊したのか。など、イスラーム帝国の社会構造の本質に迫る。
    世界史の謎を新たに読み解く壮大なシリーズ、「古代篇」「中世篇」「東洋篇」に続く第四弾、待望のイスラーム篇。

    第1章 贖罪の論理
    第2章 純粋な一神教
    第3章 〈投資を勧める神〉のもとで
    第4章 「法の支配」をめぐる奇妙なねじれ
    第5章 「法の支配」のアンチノミー
    第6章  人間に似た神のあいまいな確信
    第7章  預言者と哲学者
    第8章  奴隷の軍人
    第9章  信仰の外注
    第10章 涜神と商品
    第11章 イスラームと反資本主義
  • 戦後思想界の巨人・吉本隆明の本質は詩人だった。
    吉本はまず私家版の詩集『固有時との対話』(1952年)、同じく私家版詩集『転位のための十篇』(1953年)で、まず詩人として歩みはじめる。その後、武井昭夫との共著『文学者の戦争責任』(1956年)に収められる戦前の左翼文学者の「転向」問題を扱う評論を発表しはじめることで、文壇や論壇でも知られるようになっていく。
    その後も吉本隆明は文芸評論家や思想家としての仕事と並行して詩の創作をつづけ、抒情、論理、抽象、追憶、喜怒哀楽…読むものを惹きつけてやまぬ、まさに豊穣というほかない世界を作り上げたのだった。
    本書は、著者自撰の『吉本隆明全集撰 1 全詩撰』(1986年)の後半部分(前半は文芸文庫既刊『吉本隆明初期詩集』に収録)を占める「定本詩集4」「定本詩集5」「新詩集」「新詩集以後」という1950年代半ばから80年代まで書き継がれた詩作群、70年代~80年代の雑誌連載をもとにした『記号の森の伝説歌』『言葉からの触手』という2冊の著作、90年代に雑誌掲載された「十七歳」と「わたしの本はすぐに終る」という2篇の詩で構成される。
    講談社文芸文庫既刊の『吉本隆明初期詩集』と併せ、吉本隆明による詩の世界を集大成するものとなっている。
  • 12世紀頃、経済・政治・軍事、あらゆる点において最も発展した地域であったにもかかわらず、その後、主導権と覇権を握ったのは、中国ではなく、アメリカを含む西洋諸国だった。どうしてなのだろうか。その原因を中国社会の特異性、インドのカースト社会、仏教と一神教との相違など、精緻な思想で読み解く。イエスの誕生と死を根底に置いた西洋文明の成長を描いた「古代篇」「中世篇」に続く第3弾。

    「問うこと」にこそ知性の働きの中心はある。本質的な問いは素朴な疑問に由来する。

    中国社会とインド社会は、互いに拒絶し合っていると言ってよいほどに影響関係が乏しく、また外見的にもおよそ似ていない。にもかかわらず、両者を同じ平面に位置づけることができるのである。いや、それどころか、その「同じ論理の平面」こそが、両者の間の影響の少なさや対照的な社会構造を説明することになるだろう。その平面を規定しているのは、贈与(とその展開)の原理である。(本文より)

    目次
    第1章 世界史における圧倒的な不均衡
    第2章 新大陸の非西洋/ユーラシア大陸の非西洋
    第3章 受け取る皇帝/受け取らない神
    第4章 「東」という歴史的単位
    第5章 解脱としての自由
    第6章 二つの遍歴集団
    第7章 カーストの内部と外部
    第8章 救済のための大きな乗り物
    第9章 「空」の無関心
    第10章 曼荼羅と磔刑図
    第11章 インドと中国
    第12章 カーストの基底としての贈与
    第13章 闘争としての贈与
    第14章 自分自身を贈る
    第15章 双子という危険
    第16章 贈与の謎を解く
    第17章 供犠の時代の調停的審級
    第18章 国家に向かう社会/国家に抗する社会
    第19章 三国志の悪夢
    第20章 驚異的な文民統制
    第21章 国家は盗賊か?
    第22章 華夷秩序
    第23章 人は死して名を留む
    第24章 皇帝権力の存立機制
    第25章 「母の時代」から「父の時代」へ、そしてさらなる飛躍
    第26章 文字の帝国
    第27章 漢字の呪力
    第28章 「天子」から「神の子」へ
  • 【本書は『柄谷行人初期論文集』、のち『思想はいかに可能か』として刊行された単行本の文庫化です】
    2022年に「哲学のノーベル賞」と呼ばれるバーグルエン哲学・文化賞をアジア人として初めて受賞した柄谷行人が、1969年の群像新人文学賞評論部門当選作「〈意識〉と〈自然〉――漱石試論」以前に書いた「思想はいかに可能か」(東大新聞五月祭賞佳作)「新しい哲学」(同)や、群像新人賞当選作を読んだ「ユリイカ」編集長三浦雅士の依頼によって書かれた「サドの自然概念に関するノート」など、1966年から72年にかけて発表された7編からなる初期論文集。
    著者によれば「遠い過去でありすぎ」また「幼稚な考え方や言葉使いが多くて閉口」しつつも「近年において自分が考えていることに近いところが少なからずあって、驚きもした」テクストである。
    すでに思想家柄谷行人の思考の基本的構造が現れていたという意味において、本書を味読することは、最新刊『力と交換様式』読解にも役立つであろう。
  • 1969年に「〈意識〉と〈自然〉――漱石試論」が第12回群像新人文学賞評論部門当選作となり文芸評論家としての執筆活動をスタートして以来、柄谷行人氏はつねに思考を進化させ、また深化させてきた。また、折々の関心にしたがい、様々な相手と刺戟的な対話をおこなってきた。
    本書は講談社文芸文庫における決定版対話集の3巻目であり、『探究2』刊行直後の1989年からリーマンショックが世界経済に衝撃を与えた2008年までになされた10篇を収録する。
    この時期の柄谷氏は1989年に「季刊思潮」を、また1991年にその後継誌の「批評空間」を創刊して世間の注目を集める一方、「探究3」の連載を中断して執筆を始めた『トランスクリティーク』を2001年に刊行、並行して国家と資本への対抗運動であるNAM(New Associationist Movement)を立ち上げるなど、まさに縦横無尽の活躍だった。
    当時文壇と距離をとっているように見られがちだった柄谷氏だが、年長年少を問わず思いの外多くの作家や評論家と対談をしており、そのなかから今なお色褪せない対話を精選して収録する本書は21世紀以降の文学の行方への貴重な道標となるであろう。
  • 『言葉と物』、『差異と反復』、『グラマトロジーについて』。いまや古典となったフランス現代思想の名著をめぐって展開するこの「三つの物語」は、日本でニュー・アカデミズムが台頭する直前、1978年に衝撃とともに刊行された。フーコー、ドゥルーズ、デリダという哲学者が登場するものの、本書は哲学の概説書でも研究書でもない。それは思考の物語であり、「批評の実践」であり、「作品」を読むことの物語である。瑞々しく、極限までそぎ落とされた文体で、いまだ「読むことのレッスン」を体現し続ける批評家の、比類なき名著。
  • 近代化は、煎じ詰めれば、西洋化の過程だった。西洋に生まれた制度や文化やアイデアがそのローカリティを払拭し、グローバル・スタンダードになる過程が、近代化であった。ところで、その「西洋」とは何であろうか? いつ西洋ができあがったのだろうか? どうして、西洋だけが、そのような特権的な文明となったのだろうか?/……西洋が形成されたのは、「中世」と呼ばれる期間である。だから、本来の意味での中世は、西洋にしかない.そう断じて過言ではあるまい。本書の主題は、まさにその中世、西洋が形成された時代である。/……われわれは、本書で、中世が、キリストの死なない死体に取り憑かれた時代であったことを示すだろう。中世という時代を探究していると、われわれは、SFやホラー映画で何度となく繰り返されてきた紋切型のシーンを連想せざるをえなくなる。主人公が、宇宙人や怪物と闘い、彼らの身体を徹底的に破壊し、ついには「人間」的な原型をまったくとどめないまでにしてしまう。怪物たちの身体は、小さな断片やスライム状の物体にまでなっている。主人公は、怪物たちを殺害したと思って安心して背を向けるのだが、その途端に、断片化したり、粘液化したりした怪物の身体が再び動き出し、集合して、もともとの「人間」のような姿を取り戻す……。中世におけるキリストの身体──とその代理物──は、この種の身体を思わせる。(「まえがき」より)
    本書によって西洋中世史は書き換えられた! 都市はなぜ死体を中心に繁栄したのか。愛を説く宗教がなぜセックスを原罪とするのか。誰もが知っているのに誰も明確には答えられない世界史史上の謎。平易に語られる瞠目の真実が中世史を書き換える!
  • シリーズの最初の巻「古代篇」では、〈世界史〉の中のミステリー中のミステリー、イエス・ キリストの殺害が、中心的な主題となる。もし、〈世界史〉の中で、われわれの現在に最も大きな影響を残した、たった一つの出来事を選ぶことが求められれば、誰もが、迷うことなく、イエス・キリストの十字架上の死を挙げることになるだろう。
     どうして、イエス・キリストは殺されたのか? どうして、たった一人の男の死が、これほどまでに深く、広い帰結をもたらすことになったのか? われわれの現在を、社会学的な基礎において捉えるならば、それは「近代社会」として規定されることになる。近代化とは、細部を削ぎ落として言ってしまえば、西洋出自の概念や制度がグローバル・スタンダードになった時代である。その「西洋」の文明的なアイデンティティは、キリスト教にこそある。とすれば、キリストの死の残響は、二千年後の現在でも、まったく衰えることなく届いていることになる。キリストの死は、どうして、これほどの衝撃力をもったのだろうか?
     イエス・キリストは、わけのわからない罪状によって処刑された。その死は、今日のわれわれのあり方を深く規定している。必ずしもクリスチャンではないものも含めて、その死の影響の下にある。どうしてこんなことになったのか?……
    (「まえがき」より)
  • 〈他者〉そして〈言語ゲーム〉の共有――木村敏、自己免疫・エイズ・あるいは異物の肯定――小林登、文学の〈外部〉――岩井克人、「政治家した私」をめぐって――大岡昇平、江戸思想の世界性――子安宣邦、日本語で書くことの意味――リービ英雄。6人のエキスパートとの白熱の対論、第二弾。
  • 1969年に「〈意識〉と〈自然〉――漱石試論」が第12回群像新人文学賞評論部門当選作となり、文芸評論家としての執筆活動をスタートした柄谷行人氏は様々な相手と刺戟的な対話をおこなってきた。本書ではこのうち気鋭の文芸評論家として活躍していた1970年から『探究』連載開始前年の1983年になされた7篇を精選。現在は思想家としての執筆・発言が主な活動となっている柄谷氏が当時どのような知識人に関心を抱き、どのように語ってきたかあらためて知ることは、現代の社会を行きていくうえでも重要な道標となるであろう。柄谷ファンに限らず、知的刺戟を求める読者必読の書。
    第一弾は、吉本隆明、中村雄二郎、安岡章太郎、寺山修司、丸山圭三郎、森敦、中沢新一。
  • 聖書のもつダイナミズムを解き放ち、人間の救済を志向する。

    理性への信頼に基づく近代主義、あるいは人間中心主義を根底とした自由主義神学の内部から、それを打ち破るかのように登場したカール・バルト。神学を人間学へと解消する潮流に抗し、キリストと行動をともにした使徒によるドキュメントとして聖書をとらえ、神の言葉と啓示がもつ直接性の復活を果たす。使徒という存在に近代の超克を読みとり、来るべき人間として思想と文学の起点にすえる、画期的な長篇評論。

    佐藤優
    使徒は、人間を救済するという自覚を持つ人間だ。この救済は、個別具体的である。救済の一般理論は存在しない。(略)神の存在が生成において人間に理解されることに対応し、富岡氏の思想的営為も常に生成過程にある。イエス・キリストという名に徹底的に固執することによって、日本人の歴史物語、特に天皇と救済の関係について、いつか適切な言葉が見つかることを信じながら、富岡氏は評論活動を展開しているのだと私は見ている。――<「解説」より>

    ※本書は、講談社刊『使徒的人間――カール・バルト』(1999年5月)を底本として使用しました。
  • 1985年になされた最初の対談「オリエンタリズムとアジア」で、柄谷行人は「政治と離れた言説などはありえないということを、もう一度強調すべき時期にきて」いると言う。本書では、思想や芸術など多様な話題を次々繰り出しつつ、かならず世界そして日本はいかにあるべきかという問いかけに戻っていく。二人の知識人は縦横無尽に語り合うことを通して、読む者に思考と発言を続けることの重要性を訴えているのである。日本を代表する知識人二人が、自在に語りあった諸問題――解決にはほど遠くさらなる混迷に突き進む世界の現在を予見した、奇跡の対話集。目次オリエンタリズムとアジア昭和の終焉に冷戦の終焉に「ホンネ」の共同体を超えて歴史の終焉の終焉再びマルクスの可能性の中心を問う あとがき 浅田彰と私(柄谷行人)
  • 1,771(税込)
    著:
    柄谷行人
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    1969年、漱石論で文芸評論家として出発した著者が、『日本近代文学の起源』を経て85年の『探究』連載を前に格闘した、哲学的評論「内省と遡行」と「言語・数・貨幣」。否定に否定を重ねながら、〈内部〉に留まることを徹底して〈内部〉を自壊に導き、〈外部〉へ出ることをめざした本書は思想家誕生の軌跡であり、「驚くべき戦争の記録」(浅田彰)でもある。極限まで思考する凄味に満ちた名著。
  • 「禅」を世界的に広めた屈指の仏教学者、鈴木大拙。若き大拙は滞米中にスウェーデンボルグ(大拙の表記はスエデンボルグ)に衝撃を受け、帰国後まず出版したのが『天界と地獄』であった。霊的世界を天界、精霊界、地獄界に分け詳細に記述した本書は、神秘主義思想のバイブルとしてドストエフスキー、ボルヘスらにも強い影響を与えている。大拙思想の一つの源流を成す重要書。
  • 1,254(税込)
    著:
    三木清
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    なにを、どう読み、いかに生きるか。真摯な問いかけが深い感動を呼ぶ、永遠の読書論。ファシズムに抗し獄死した近代日本を代表する哲学者による読書案内であり、秀逸な人生論でもある。混迷の時代を生きる現代人必読の書。
  • 戦後日米関係の根底を問う鮮烈なるデビュー作。江藤淳の『成熟と喪失』および一連の占領研究を精細に追跡することで、彼の戦後言説空間への強烈な批判意識とその背後に隠されたアメリカへのナイーブな思いとの落差に、戦後社会の変容を読み解き、また、原爆投下を可能とした<無条件降伏>という思想それ自体を問うことで、日米関係の<原質>に迫る。文学者としての鋭い直観と斬新な視座から日本の戦後をとらえ直した。

・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。

ページ先頭へ

本を予約しました

※予約の確認・解除はこちらから

予約済み書籍

キャンセル及び解除等

発売日前日以降のキャンセル・返品等はできません。
予約の確認・解除、お支払いモード、その他注意事項は予約済み書籍一覧をご確認ください。