『科学、思想、講談社学術文庫(実用)』の電子書籍一覧
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「技術とは何か?」「技術といかに付き合うか?」ーー古代ギリシャからキリスト教的中世を経て、近代の科学革命、そして現代の最新テクノロジーーー生殖技術、原発、AI……ーーに至るまで、人類数千年の足跡を具体的な事象をベースに辿りながら、普遍かつ喫緊の問題の解答へと迫る、泰斗による決定版・入門書!
不確実で危険に満ちたこの世界を生き延びるための哲学が、ここにある!
[目次]
はじめに
序章 なぜ、現在、技術は哲学の根本問題となるのだろうか?
第一章 人間にとって技術とは何かーープロメテウス神話と哲学的人間学
第二章 宇宙の秩序に従って生きるーープラトンと価値の問題
第三章 自然の模倣ーー古代:アリストテレス
第四章 「無からの創造」の模倣ーー中世:キリスト教
第五章 自然の支配ーー近代:F・ベーコン
第六章 科学革命ーー近代科学の成立と技術の役割
第七章 イデオロギーとしての科学と技術ーー近代のパラドックス
第八章 技術は科学の応用かーー知識論の「技術論的」転回
第九章 技術と社会ーー技術決定論から社会構成主義へ
第一〇章 技術の解釈学ーー変革可能性のために
第一一章 技術の創造性と設計の原理
第一二章 フェミニスト技術論
第一三章 技術との新たな付きあい方を求めてーーJ・デューイとH・ヨナス
終章 技術・事故・環境ーー福島第一原子力発電所事故からの教訓
補論 日本における技術哲学ーー西田幾多郎、三木清、戸坂潤
引用・参考文献
索引 -
『脳とクオリア』に書かれていることは、それなりにオリジナルなことだと信じている。刊行から二十年以上が経った今でも、類書はあまりない。内容も古くなっていない。それは、本書の価値であると同時に、意識研究、より広く言えば脳科学研究、さらには人工知能研究の現状を示しているとも言える。――「文庫版へのあとがき」より*私たちの心の中で起こっていることは、すべてニューロンの発火である。これが、恐ろしく複雑な分子機械である脳の、単純な作動原理でもある。しかし、ニューロンがシナプス結合を通して、お互いに複雑に影響し合うことによって、私たちの心の中には、熱帯雨林の生態系のような豊かなクオリア(質感)が生じる。クオリアが多彩で、柔軟性に富んでいるということは、そのまま私たちの脳の中の情報処理の多彩さ、柔軟性の反映なのである。そして、この一つ一つのクオリアを、私たちの心は、他とは混同しようのない個性をもったものとして捉えている。つまり、私たちが感覚をとおして世界を認識するということは、クオリアの自己同一性を通して世界を認識するということである。クオリアという質的表現が、数字や量による表現とは比べ物にならないくらいの多様なものを感覚し、認識することを助けているのだ。自然科学としての「因果的自然」と、クオリアが表す「感覚的自然」――すなわち「脳」と「心」は、どのように結ばれるのか? 「クオリア」という感覚的自然にとっては自明な属性は、因果的自然と、どう結びつけることができるのか? 私が私であることの不思議、意識の謎に正面から挑む、科学者の主著!
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