『思想、中公文庫(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧
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あらゆる書物は見えない連関(ネットワーク)で結ばれている。その解読の驚きと愉しみ、秘術と実践。
自分だけの「知の見取り図」は、いつの時代も蔵書から生まれる。20世紀前半、人文知再編の震源地となったアビ・ワールブルクの研究所およびワイマール文化を発端に、本書自体が、文化人類学的思考を通じてオルタナティヴな精神史・思想史を発見するための架空ライブラリーとして展開する、著者の代表作。
美術、演劇、音楽、文学、宗教学、人類学……さまざまな文化/学問領域の隠れたネットワークを、おびただしい過去の書物をたぐりながら曼荼羅のように描き出す、みずみずしい驚きに満ちた知的アクロバット。
1970~80年代のニューアカデミズム・ブームを牽引し、後世に巨大なインパクトを与えた伝説の一冊にして、普遍的な知の技術を示し/実践した名著を凱旋復刊。
まさに「文庫の中の文庫」といえるコンパクトにして圧倒的な情報量が詰まったこの神話的迷宮は、21世紀の今も来る者すべてに開かれている。
巻末に、「図書館」に関する講演録・エッセイを新たに増補。
〈解説〉山本貴光
【目次】
第一章 二十世紀後半の知的起源
第二章 ユダヤ人の知的熱情
第三章 モーツァルトと「第三世界」
第四章 「社会科学」としての芸能
第五章 もう一つのルネサンス
補 遺 物語作者たち
[新増補]
歴史と記憶(1995)
図書館との出遭い(2000)
解説 山本貴光 -
序章 死をそばに感じて生きる
團十郎の辞世
死生観表出の時代
自然災害のインパクト
どこから来てどこへ行くのか
二つの立場
テクノロジーの進化の果てに
1章 「知」の人の苦しみ
伝統的な宗教の後に
岸本英夫の実践
合理性の納得
頼藤和寛の世界観
はじまりのニヒリズム
「にもかかわらず」の哲学
自由意志の優位と揺らぎ
多田富雄の受苦
人格を破壊から守る
サイコオンコロジー
医療の現場で
ホスピスとデス・エデュケーション
遺族外来、がん哲学外来
禅の否定するもの
「わたし」を「なくす」
河合隼雄の遍歴
ユング心理学と仏教
切断せず包含
2章 スピリチュアリティの潮流
崩れつつある二元論
オルタナティブな知
理解できないものへの態度
時代という背景
第三の項へ
ポストモダンの現象
ベクトルの交わるところ
島薗進の視点
「精神世界」の隆盛
個人の聖化と脱産業化
鈴木大拙の霊性
宗教的でなくスピリチュアル
玄侑宗久との往復書簡
「而今」の体験
「いのち」との関係
潮の満つるとき
海のメタファー
親鸞の絶対他力
生死の中で生死を超える
日本的発現
ゆりかごとしての風土
3章 時間を考える
代々にわたり耕す
柳田国男の「先祖」
個体から集合体へ
つなぐラフカディオ・ハーン
田の神と山の神
時代からの問い
四つの類型
折口信夫の「海の他界」
野という中間地帯
身近な行き来
かのたそがれの国
うつし世、かくり世
帰ってゆく場所
先祖の時間
線をなす時間
層をなす時間
輪をなす時間
自然との親和性
季語のはたらき、リズム
津波を詠んだ句
山川草木悉有仏性
「衆生」の範囲
貞観地震と津波
暴れる国土
山川草木悉有神性
瞬間瞬間にふれる
不動の中心
技法としての行
色即是空
井筒俊彦による視覚化
縁起という実相
根源のエネルギー
式年遷宮
「木の文明」
生の造形
宣長の「悲し」と「安心」 -
江戸時代の思想の理解なくして近代日本の理解はない。伊藤仁斎、荻生徂徠、本居宣長……鎖国と封建制という厳しい条件下で発展を遂げた思想の諸相を明快に解説、その潜在的な近代性を明らかにする。江戸思想史の全体像をつかむうえで最上の入門書。新たに巻末エッセイ「自分と出会う」を付す。〈解説〉小島康敬
【目次より】
序 徳川時代の再検討
第一章 朱子学とその受容
第二章 陽明学とその受容
第三章 古学思想の形成とその展開
第四章 武士の道徳
第五章 町人と商業肯定の思想
第六章 十八世紀の開明思想
第七章 経世家の思想と民衆の思想
第八章 国学運動の人々
第九章 幕末志士の悲願
終 章 幕末から明治へ -
イスラーム教徒とキリスト教徒が抗争する十二世紀の地中海。勢力を広げるムワッヒド朝が突きつけた「改宗か死か」。神を求める人間の葛藤、迷い、失望と愛憎。マイモニデスはスペインからエジプトへと異郷を放浪しながら、言葉の力で迫害に抵抗し、人々に生きる勇気を与える。史実に基づき、中世最大のユダヤ思想家の波乱の生涯を描く歴史物語。
序 章
第一章 背教者
第二章 書状の決闘
第三章 ミルトスの庭
第四章 フスタート炎上
第五章 死者の町
第六章 王者と賢者
終 章
あとがき/表記上の注記/引用出典/参考文献 -
学友・谷崎潤一郎のほか、志賀直哉、高坂正顕、幸田露伴ら多彩な顔ぶれと自由闊達に語る。オリジナル編集による初の座談集。未収録三篇を含む全十篇。没後六〇年記念。〈解説〉苅部直
目次より
Ⅰ
春宵対談(谷崎潤一郎)
旧友対談(谷崎潤一郎)
戦争と平和(志賀直哉)
世界史における日本の運命(高坂正顕)
緑蔭対談――若い女性に望むこと(柳田國男)
Ⅱ
幸田露伴先生を囲んで(幸田露伴・徳田秋声・末広厳太郎・辰野隆・谷崎潤一郎)
日本文学に於ける和歌俳句の不滅性(幸田露伴・安倍能成・斎藤茂吉・茅野蕭々・寺田寅彦・野上豊一郎)
日本文化の検討(柳田國男・長谷川如是閑・大西克禮・今井登志喜)
漱石をめぐって(安倍能成・小宮豊隆・内田百閒)
文学と宗教(高坂正顕・竹山道雄・長與善郎) -
戦後の「正義」に抗い、自身の「私情」に忠実であることを表明した「戦後と私」、三島由紀夫、石原慎太郎、大江健三郎を論じた卓越した批評「神話の克服」。「私」三部作ほか、癒えることのない敗戦による喪失感と悲しみを文学へと昇華した批評・随想集。自作回想「批評家のノート」初収録。
〈解説〉「江藤淳と『私』」平山周吉
【目次】
Ⅰ
文学と私/戦後と私/場所と私/文反古と分別ざかり/批評家のノート
Ⅱ
伊東静雄『反響』/三島由紀夫の家/大江健三郎の問題/神話の克服
Ⅲ
現代と漱石と私/小林秀雄と私
解説 江藤淳と「私」(平山周吉) -
民俗学とは何か。表題作ほか「国史と民俗学」「実験の史学」など学問実践の体系化を目指した論考によって「方法としての民俗学」を浮き彫りにする文庫オリジナル論集。折口信夫との対談、生涯と学問について語った「村の信仰」を併せて収める、柳田学入門の決定版。〈解説〉佐藤健二
【目次】
I 日本の民俗学
郷土研究ということ/日本の民俗学/Ethnologyとは何か/日本の民俗学/ 郷土研究の将来 /国史と民俗学/実験の史学/ 現代科学ということ/日本を知るために
Ⅱ 柳田国男・折口信夫対談
日本人の神と霊魂の観念そのほか
民俗学から民族学へ――日本民俗学の足跡を顧みて
Ⅲ 村の信仰――私の哲学 -
22年前に刊行された哲学の名対談を完全復刊。「稀有の体系的哲学者」と「サブ・カルャーの旗手を任じる作家」という異色のふたりが、いかに生きるか、そして哲学に何ができるかという問いをめぐって、真摯な問答を交わした名著。本書に漲る異様な気迫は、両者が思索の場で真剣勝負をしているところから生まれたものだ。難解な哲学を、問答によってやさしく、しかし体系的に読める、ロングセラーにして哲学入門の必読書。
目次より
現代哲学とは何か
同時代の哲学
マルクス主義の行く方
現代哲学のたたかい -
昭和二十年八月十五日、終戦の玉音放送を拝したラジオの前の人びとは、一瞬の静寂のうちに、何を聞きとったのだろうか。太宰治、三島由紀夫、吉本隆明らによる、その日の言説を繙きながら、歴史の彼方に忘れ去られた至高の瞬間をさぐる、精神史の試み。
*目次から
第一章 折口信夫「神 やぶれたまふ」
第二章 橋川文三「『戦争体験』論の意味」
第三章 桶谷秀昭『昭和精神史』
第四章 太宰治「トカトントン」
第五章 伊東静雄の日記
第六章 磯田光一『戦後史の空間』
第七章 吉本隆明『高村光太郎』
第八章 三島由紀夫『英霊の聲』
第九章 「イサク奉献」(旧約聖書『創世記』)
第十章 昭和天皇御製「身はいかになるとも」
*著者紹介
長谷川三千子 1946年東京生まれ。祖母は作家・野上弥生子。東京大学文学部哲学科卒業、同大学院博士課程中退。東京大学文学部助手などを経て、埼玉大学教授。2011年退官、同大学名誉教授。2013年よりNHK経営委員。著書に『からごころ――日本精神の逆説』(中公叢書・中公文庫)、『バベルの謎――ヤハウィストの冒険』(中公文庫、和辻哲郎文化賞)、『民主主義とは何なのか』(文春新書)、『日本語の哲学へ』(ちくま新書)、『九条を読もう!』(幻冬舎新書)など。
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