『歴史、パンローリング(実用)』の電子書籍一覧
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本書は海賊たちの歴史書であり、何世代にもわたって歴史家、アーキヴィスト、系譜学者、新聞記者、そして著述家の方々が成し遂げてきた業績の恩恵に与っている。
当時のアメリカ・西インド諸島などの植民地行政官記録は、イギリスに残っている。また、イギリス海軍の艦長も海賊にかんする情報を集めており、彼らの手紙や航海日誌は海軍本部に届けられていた。海賊たちの裁判記録もロンドンに保管されている。
そうした膨大な情報の多くをロンドンで入手したのが、18世紀に書かれた『海賊史』の匿名作家だった。そして『海賊史』に描かれた内容が、刊行から3世紀近くがたったいまでも、バハマの海賊にかんする論説に多大な影響をおよぼしているのである。
しかし、そこには、まちがい・誇張・誤解も数多くふくまれる。20世紀になり歴史家が原本を確認することによって認識されていった。本書は、各地に残る資料に基づき、史実を再現している。
本書では、4人の主要人物の人生を通じて、海賊の黄金時代を語っていく。3人は海賊だ。“ブラック・サム”ことサミュエル・ベラミー、“黒ひげ”ことエドワード・サッチ、そしてチャールズ・ヴェイン。最後にウッズ・ロジャーズ。バハマ諸島に平和をもたらすべくイギリス国王から送りこまれた男である。
海賊共和国の誕生から衰退を順番に紐解いていこう。魅力あふれる史実と物語が広がっている 。 -
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戦争の悲惨さを伝えるドイツ発のグラフィックノベル
市民が空爆にさらされるウクライナ。77年前のベルリンでも同じ光景があった。
本書は、クラウス・コルドンの長編小説『ベルリン1945 はじめての春』(岩波書店)を原作としたグラフィックノベル。第二次世界大戦の末期を生きる少女の物語である。廃墟と化したベルリンで、恐怖と絶望を強いられながら平和を待ち望む人びとが市街戦を生きのびたようすを描いている。
クラウス・コルドンの「ベルリン3部作」は、それぞれ1918年、1932-33年、1945年という、ドイツ近代史における3つの重要な転換点に直面したある家族の暮らしが描かれている。この作品で特筆すべきは、物語で採用されている視点で、子どもや若者の目から歴史的な出来事を語り、主人公ゲプハルト家の生活を焦点を当ててストーリーを展開させているところだ。本書ではこの3部作のなかから、わたしたちの時代にもっとも近い3作目を原作として取り上げている。幼いころや10代のころに終戦を経験した多くの人たちは、すでに孫がいる年齢となり、悲惨な戦争の記憶を新しい世代に伝えようとしている。
作画のクリストフ・ホイヤーは、絵の細部にまでこだわり、綿密な調査にもとづいて、当時のベルリンを忠実に再現した。街は瓦礫に埋もれていたが、エネのような子どもたちは、破壊された国の希望だったのだ。
本書では、ベルリンで暮らす人びとの惨状だけでなく、出征していた家族や隣人、脱走兵、ナチスの少年兵、強制収容所の生還者、地下活動家、ソ連兵といった登場人物が、独ソ戦、ヒトラー政権、親衛隊(SS)の横行、強制収容所での過酷な生活をそれぞれ語る。当時のドイツを取り巻いていた歴史的背景が把握できる。
市民が空爆にさらされている、現在のウクライナと同じようなことが77年前のベルリンでも起きていた。
[あらすじ]
1945年春のベルリン。連合国軍が最後の空爆をおこない、地上ではソビエト連邦の赤軍が迫っていた。この街で暮らすエネは12歳。生まれてまもないころ、ナチスの共産党弾圧で両親が逮捕されたため、育ててくれた祖父母のもとで終戦やソ連軍の進駐を経験する。戦争のないはじめての春が訪れたある日のこと、ひとりの男が家の前にあらわれた。それはブーヘンヴァルト強制収容所から生還した、エネのお父さんだった。
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