『歴史、徳間文庫、志川節子(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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京都の幕府直轄御薬園で働く女薬師・真葛。
亡き母の仕込みを継ぐ色酢の麹造り職人・沙奈。
木肌の魅力に惹かれ根付職人に弟子入りするおりん。
妹の亥とともに秩父の峠で茶屋を切り盛りするそば打ち職人・蕗。
その身に霊を降ろす「口寄せ」を使う市子。
身体のみならず心の凝りもときほぐす揉み屋・絹。
当代の人気女性作家が、己の生きる道を自らの腕と業で切り開く女性職人の凛々しさを巧みな筆致で活写した、傑作時代小説アンソロジー。 -
江戸の音が聞こえる。光がみえる。
花火で織りなす人生模様。
「祝言は挙げられない」
簪職人のおりよは、突然許婚の新之助にそう告げられた。
理由はなんとなく思い当たる。新之助は形がよく、おりよは目が見えないから。
二人で歩いていると耳の後ろが熱くなる。女たちの視線が痛い。
どうして私だけこんなことに――。
悔しさを押し殺し、手に残る感覚を頼りに仕事に没頭するおりよだったが……
(「闇に咲く」)。
物語の舞台は愛知、山梨、長崎、東京、新潟、そして愛知へ。
のろし、弔い、には意味があるように、花火から生まれる時代小説もある。
音をテーマにした五感に響く物語。
遊女、船問屋、紙問屋、簪職人、花火師、旅籠屋……
市井の人情を掬い取る、珠玉の時代小説。
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