セーフサーチ設定を変更しました
ページの先頭です

『歴史、中央公論新社、中公選書、古川隆久(文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~1件目/全1件

  • 天照大神の孫が高天原から降臨し、その孫である神武天皇がヤマトに東征、橿原宮で天皇の位に就く――『古事記』『日本書紀』に記されたこれらの神話が歴史的事実ではないことは、戦前の普通の々にとっても当たり前のことであった。史実ではないが、史実として扱い、そう振る舞っていたのである(こうした「建前と本音」的なものは、現代の私たちにも心当たりがある)。
    神話の「史実」化には、天皇による統治を正当化するという明治政府の政治的目的があったのはもちろんだが、一方で民主化(神々の話合いは「万機公論」の根拠とされた)や経済振興の手段でもあったことは、今ではあまり知られていない。もっとも、「神話」を「史実」として受け止めることには、さまざまに無理も生じる。とくに教育現場における混乱は、いくつもの「笑えない」笑い話を残した。
    本書は、幕末水戸学の尊王攘夷思想という建国神話重視の発端から、昭和天皇が「人間宣言」によって事実上、建国神話を否定するまで(そもそも、昭和天皇は科学者でもあった)、日本社会に起きた悲喜劇をエピソードたっぷりで描き出し、近代とは何か、歴史とは何か、国家とは何かを問い直す。

    目次より
    序 章 虚偽と史実の境界

    第一章 神話が事実となるまで
    一 日本の建国神話とは

    二 なぜ「事実」になったのか?

    三 教科書で「事実」とされたのはなぜか?
     
    第二章 「事実」化の波紋
    一 学校の外ではどうだったのか?

    二 学校の中ではどうだったのか?

    第三章 建国祭と万国博覧会
    一 政治にどう利用されたか?

    二 経済にどう利用されたか?

    第四章 満州事変の影響は?

    一 教室外でも始まる建国神話の「事実化」
      
    二 建国神話教育への影響は?

    第五章 日中戦争期の社会と建国神話

    一 紀元二千六百年をめぐって
      
    二 社会はどう受け止めたか?

    第六章 太平洋戦争期とその後
    一 国史教育のその後

    二 効き目はあったか?

    三 その後
     
    終章 「建国神話の社会史」の旅を終えて

・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。

ページ先頭へ

本を予約しました

※予約の確認・解除はこちらから

予約済み書籍

キャンセル及び解除等

発売日前日以降のキャンセル・返品等はできません。
予約の確認・解除、お支払いモード、その他注意事項は予約済み書籍一覧をご確認ください。