『歴史、岩波新書(新書)』の電子書籍一覧
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古代世界において繁栄を極めたローマは,一方では,対外戦争や内乱を繰り返す戦闘姿勢の国家であり,兵士が皇帝位をも左右する軍事体制の国家であった.建国から西ローマ帝国滅亡まで,軍隊と政治・社会との関わりを多角的に追跡,兵士たちの生涯にも光をあてて新たなローマ史を描き,その盛衰をユーラシア史のなかに位置づける.
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「これは絶滅戦争なのだ」。ヒトラーがそう断言したとき、ドイツとソ連との血で血を洗う皆殺しの闘争が始まった。日本人の想像を絶する独ソ戦の惨禍。軍事作戦の進行を追うだけでは、この戦いが顕現させた生き地獄を見過ごすことになるだろう。歴史修正主義の歪曲を正し、現代の野蛮とも呼ぶべき戦争の本質をえぐり出す。
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〈一人前〉としてふるまう.すなわち,話し合いを通して他者と対等にわたりあい,自らの価値と地位を向上させた人びとが,戦後社会を築いてきた.向上にこだわる社会は,ありのままの人を認めないまま,生きづらい現在にいたる.働く場と暮らしの場の声を拾い上げながら,歴史の流れをつかみ,隘路を切りひらく方途を探る.
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一五~一八世紀,ヨーロッパ文明がまばゆい光を放ち始めたまさにそのとき,「魔女狩り」という底知れぬ闇が口を開いたのはなぜか.その起源・広がり・終焉,迫害の実態,魔女イメージを創り上げた人たち,女性への差別――進展著しい研究をふまえ,ヨーロッパの歴史を映し出す「鏡」としての魔女と魔女狩りを総合的に描く.
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暗黙のうちに男性主体で語られてきた歴史は,女性史研究の長年の歩みと「ジェンダー」概念がもたらした認識転換によって,根本的に見直されている.史学史を振り返りつつ,家族・身体・政治・福祉・労働・戦争・植民地といったフィールドで女性史とジェンダー史が歴史の見方をいかに刷新してきたかを論じる,総合的入門書.
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世界暦と黙示的文学が終末意識を突き動かすとき,ヨーロッパの歴史は大きく躍動した.古代末期に源流をもつ地中海=ヨーロッパの歴史を,人びとを駆動し「近代」をも産み落とした〈力〉の真相とともに探究する.「世界」を拡大し,統合した〈力〉とは何か.ナショナリズムと国民国家を超えた,汎ヨーロッパ世界展望の旅.
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パンデミックは世界を変えたのか――新型コロナの大流行を経験した私たちには,疫病と人類の関わりを問い直すという重い課題が突きつけられている.最新の知見をふまえて天然痘,ペスト,マラリアの歴史を振り返り,ポスト・コロナ社会への教訓をさぐる.パンデミックの記録と記憶を掘り起こし,未来を考えるための疫病史入門.
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国宝,重要文化財はもちろん,身近な文化財も私たちの生活にきわめて重要な意味を持つ.容易に失われてしまうそれらを,〈ものつくり文化〉とともに守り,つないでゆくには? 保存と活用とのあいだで揺れる文化財の過去と現在,未来と希望を,第一人者が語り尽くす.世界にも稀な文化財の宝庫日本を,真の「文化の国」へ.
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『百人一首』は,誰によって,何の目的で作られたのか.長らく藤原定家が撰者とされていたが,著者の最新の研究により,後人による改編が明らかとなった.成立の背景やアンソロジーとしての特色を解きほぐし,中世から現代までの受容のあり方を考えることで,和歌にまつわる森羅万象を網羅するかのような求心力の謎に迫る.
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1938年の創刊から、岩波新書は、赤版(1938-1946年)、青版(1949-1977年)、黄版(1977-1987年)を経て、1988年から現在の新赤版となり、およそ3500点が刊行されている。
創刊80年を期に刊行された『岩波新書解説総目録1938-2019』を増補して、2023年12月までのラインナップを収めた電子書籍オリジナル版としておくる。創刊以降のすべての書目を、刊行順に配列して、内容解説文を付す。書名・著訳編者名を網羅しての索引検索機能に加えて、電子書籍の有無も表示される。時代の中で培われてきた「現代人の現代的教養」の全貌を提示する、知のアーカイブである。 -
文学は戦争を抑止するために何ができるのか.連合国による戦争裁判が終結した後も,日本文学は,法が裁けなかった罪を問い直し,戦争の暴力に向き合い続けてきた.一九四〇年代後半から現在まで,時代の要請のもとに生み出されてきた,戦争裁判をテーマとした主要な作品と作家を取り上げて,新たな文学史を描く.
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皇位継承者には成り得なかったにもかかわらず,藤原氏の奇計により即位した桓武天皇.長岡京,平安京への二度の遷都と,蝦夷との戦争を決断し,実弟・早良親王との骨肉の確執を乗り越えた多端な生涯を読み解く.血統に頼らず,政治的パフォーマンスに優れた「造作と軍事の天皇」の新たな実像と,日本古代史の転換点を描く.
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新大陸「発見」以降,世界中の人や物が頻繁に往来する結節点となってきたアマゾン.そこは,「人跡未踏の静謐な秘境」ではなく,欧米各国や日本など,各時代の列強の欲望が交錯し,激しい覇権争いが繰り広げられる開発のフロンティアであり続けてきた.そのグローバルな移植民の歴史を俯瞰し,従来のイメージを大きく覆す.
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オスマン帝国崩壊と過酷な独立戦争を経て,世俗主義の国家原則をイスラム信仰と整合させる困難な道を歩み,共和国建国一〇〇年を迎えたトルコ.度重なる軍事クーデタ,議会政治の混乱,膠着するEU加盟問題,未解決のクルド問題など様々な課題に直面しつつ,新たな自画像を模索した波乱の過程をトルコ研究の第一人者が繙く
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一八世紀末,カリブ海の島で黒人たちが立ち上がり,自らの手で史上初の奴隷解放を達成した──長く忘却されてきたハイチ革命は,いまや近代史の一大画期だと認識されている.半世紀に及ぶ著者の研究をもとに,反レイシズム・反奴隷制・反植民地主義を掲げたこの革命と,苦難にみちた長いその後を,世界史的視座から叙述.
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私たちが日々実践している文字による言語活動は,長い時をへて形づくられてきたものだ.古代における漢字の受容から,往来物による学びの時代へ.近世の文字文化の多様な展開から,近代学校の成立へ.──世界の事例にも目くばりしながら,識字の社会的意味を広くとらえ,今も揺らぎのなかにあるリテラシーの歩みを描く.
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ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年.核兵器の使用も懸念される非道で残酷な戦争を終結させる方法はあるのか.周辺国や大国をはじめとする国際社会,そして日本が果たすべき役割とは何か.隣国での現地調査を踏まえ,ベトナム,アフガニスタン,イラクなど第二次世界大戦後の各地の戦争・内戦を振り返りつつ模索する.
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七〇年以上前,占領下の日本において,アメリカ人によって無数のカラー写真が撮影され,いま,それらが続々と世に出てきている.「敗者」を撮ったそれらには,当時の人々,日常,風景が,驚くほどあざやかな色とともに焼き付けられている.目を奪われてはならない.そこから何が分かるのか? 資料として活用するには?
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この困難な時代に問いかけよう.恣意的な暴力と,制度的な権力をわかつものはいったい何か? ローマ法の〈再発見〉から近代日本にいたる,法と国家の正統性をめぐって繰り返されてきた議論の歴史と,その舞台裏たる秩序創造の隘路.それでもなお,私たちが人間的な生を享受するために論じるべきことは,そこにあるのだ.
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誰にも等しく訪れる一日という時間を,見ぬ世の人々はいかに過ごしていたのだろう.暁の別れを描いた『源氏物語』.白昼堂々と跋扈する不気味な強盗.夕暮れに感じる人の命のはかなさ.月や夜景を愛でるこころ.──古典文学のなかの「とき」に眼を凝らし,そこに息づく人々の生きざまや感性を活写する.時を駆ける古典入門!
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マルクス・アウレリウスの生涯は,「哲人皇帝」にふさわしいものであったのか.終わらない疫病と戦争というローマ帝国の実態のなかに浮かび上がるのは,心労を重ねながらも,皇帝の職務をひたむきに遂行しようとする人間の姿であった.歴史学の手法と観点から,『自省録』の時代背景を明らかにすることで,賢帝の実像に迫る.
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無学で無節操な裏切り者の「陰険な権力者」と,日本でも中国でも悪評ばかりの袁世凱.しかし,なぜそんな人物が激動の時代に勢力をひろげ,最高権力者にのぼりつめ,皇帝に即位すらできたのか.褒貶さだまらぬ袁世凱の生涯を,複雑きわまりない中国のありようを映し出す「鑑」として描きだす.
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さまざまな社会集団や権力が併存し,紛争の解決手段としてしばしば暴力をふるう.より強大な力をもつ幕府が,それらを統合・支配しようとする.日本の中世は殺伐とした時代だ.本書は,千年の命脈を現代にまで保つ京都・西京神人に焦点をあて,生業と祭祀を紐帯に,苛烈な世界をたくましく生き抜いた民衆の姿を描く.
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近代世界に入る清朝の困難な舵取りをした政治家・李鴻章(1823-1901).旧式の科挙官僚だった彼は,太平天国の平定に貢献することで実務官僚の第一人者に登りつめ,「洋務」と「海防」を主導する.そして外国列強と渡り合うも,敗北を強いられる.清朝末期の時代と社会とともにその生涯を描き出す評伝.
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江戸の人びとにとって,漢詩文は,自らの存在を伝統的な美意識の世界と結びつけるものであると同時に,日々の暮らしにおけるさまざまな想い,悩み,人生の悲喜こもごもを記すための身近な表現手段でもあった.具体的な作品を読み解きながら,人びとの感情や思考のあり方を広く掬い上げて,詩の奥深い魅力へと迫る随想集.
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ひとつのデモクラシーがはかなくも崩れ去っていった.――2021年におきた軍事クーデター以降,厳しい弾圧が今も続くミャンマー.軍の目的は? アウンサンスーチーはなぜクーデターを防げなかった? 国際社会はなぜ事態を収束させられない? 暴力と分断が連鎖する現代史の困難が集約されたその歩みを構造的に読み解く.
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死者数千万人といわれる世界史上最悪の内戦,太平天国の乱を平定した文人にして軍人.稀代の名文家でアジテーター,その一方で,小心翼々とした謹直居士.地味でマジメな山出しの秀才が,激動する一九世紀世界で果たした画期的な役割と,身の丈を超えた「英雄」像が転変するメカニズムを描き,中国史の論理を剔抉する.
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恋愛,性欲,大逆,殉死──多彩な,時に問題視される小説を次々に発表.翻訳や論争や雑誌活動にも精魂傾け,軍医高官として論文執筆や公務もこなす.荷風や啄木や一葉など後進の作家にも目をかけ,子どもたちからは優しいパッパと慕われる.「時代より優れ過ぎた人」鷗外の歩んだ遥かな道程を,同時代の証言とともに辿る決定版評伝.
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「人種」という根拠なき考えに基づいて,人を差別・排除する.人種主義(レイシズム)は,ナショナリズム,植民地主義,反ユダヤ主義等と結びつき,近代世界に計りしれぬ惨禍をもたらし,ヘイトスピーチや黒人差別など,現代にも深い影を落としている.大航海時代から今日まで,その思想と実態を世界史的視座から捉える入門書.
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一夜にして一〇万人もの民間人を殺害した東京大空襲.戦災孤児,障害者,PTSDなど,苦難のなかで戦後を生きざるを得なかった多くの人たちがいる.社会の無知や偏見に苦しめられながら,自分たちを切り捨てようとする国に対して救済を求めて立ち上がった空襲体験者たちの闘いをたどり,この国の「戦後」とは何であったのかを問う.
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アスリートたちの活躍を通して,国家が自らの存在を国際社会に誇示する.時に,生々しい政治的闘争の場ともなる.それが国際スポーツ大会だ.とりわけ東アジアで行われた大会には,参加各国の思惑と時々の情勢とが鋭く刻印されてきた.政治が作りだし,深めた分断と,アマチュアリズムの理想はどのように向き合ったのか.
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クリミア編入後に,約二〇年関与してきた「G8」の枠組みと決別したロシア.経済的苦境に直面し,ナショナリズムと軍事力に訴える大国の動向は,混迷する中東情勢にも関わり,国際秩序の動揺を加速しかねない.著者自身の長期取材をもとに,ウクライナ危機の推移を追うことで,プーチン大統領が展開する政策の本質に迫る.
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長い戦乱をへて平和がもたらされた近世とは,世代から世代へと〈知〉を文字によって学び伝えてゆく時代の到来であり,そうした「教育社会」こそが,個性豊かな思想家を生みだした.朱子学から,山崎闇斎,伊藤仁斎,荻生徂徠,貝原益軒,心学,そして国学まで,〈学び〉と〈メディア〉の視点から広くみわたす江戸思想史入門.
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太平洋戦争の陸戦の全局面を,物動,編成,兵器,動員人員などあらゆる角度からはじめて総合的に把握し,記録した画期的な書.元陸軍大佐で参謀本部の中枢にあり,敗戦時陸相の秘書官であった著者が,苦労をはらい収集した豊富な資料を駆使して正確に記述する.
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これは問答か,謗法(ほうぼう)か.平安時代初期,天台宗の最澄と法相宗の徳一が交わした批判の応酬は,仏教史上まれにみる規模におよぶ.相容れない立場の二人が,五年間にわたる濃密な対話を続けたのはなぜだったのか.彼らは何をどのように語り合ったのか.「真理」を求める論争を解きほぐして描く,仏教史の新たな見取り図.
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キリスト教勢力とイスラーム勢力とが対峙・共存した中世,「太陽の沈まぬ帝国」を築きあげた近世──ヨーロッパとアフリカ,地中海と大西洋という四つの世界が出会う場として,独特な歩みを刻してきたスペイン.芸術・文化・宗教や,多様な地域性に由来する複合的国家形成にも着目して,個性あふれるその通史を描く.
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ヒトラー(一八八九─一九四五)とは何者だったのか.ナチ・ドイツを多角的に研究してきた第一人者が,最新の史資料を踏まえて「ヒトラー神話」を解き明かす.生い立ちからホロコーストへと至る時代背景から,死後の歴史修正主義や再生産される「ヒトラー現象」までを視野に入れ,現代史を総合的に捉え直す決定版評伝.
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秀吉の刀狩りによって民衆は武装解除されたという「常識」がつくられてきたが,それは本当だろうか.調べていくと,それに反する興味ぶかい史実が次々と浮かび上がってくる.秀吉からマッカーサーまで,刀狩りの実態を検証して,武装解除された「丸腰」の民衆像から,武器を封印する新たな日本民衆像への転換を提言する.
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グローバル化が進み,ますます一体となりつつある現代世界.従来のヨーロッパを中心とした世界史像は,もはや刷新されるべき時を迎えている.いまこの時代にふさわしい歴史叙述とはいかなるものか.歴史認識のあり方,語り方を問い直し,「世界はひとつ」をメッセージに,地球市民のための世界史を構想する.
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1873年の徴兵令の制定以来,文明開化の推進力となり,全国に近代秩序を浸透させた日本の軍隊.それが反近代的な皇軍へと変貌を遂げたのは,なぜか.日本の民衆にとって,軍隊経験とは,どのような意味があったのか.豊富な史料をもとに,「天皇の軍隊」の内実を解明することで,日本の近代を描き出す.
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ASEANによる統合の深化,民主化の進展と葛藤.日本とも関わりの深いこの地域は,歴史的にさまざまな試練を経ながらも,近年ますます存在感を高めている.最新の研究成果にもとづき,世界史との連関もふまえつつ,多様な民族・文化が往来し東西世界の要となってきた東南アジアの通史を学ぶ.「歴史10講」シリーズ第五弾.
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イギリス独自の重層的なセーフティネットの中で,社会の「錨」のように今日まで働き続けてきたチャリティ.自由主義の時代から,帝国主義と二度の大戦をへて,現代へ.「弱者を助けることは善い」という人びとの感情の発露と,それが長い歴史のなかでイギリスにもたらした個性を,様々な実践のなかに探る.
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モボ・モガが闊歩した一九一〇~三〇年代の日本では,国民の識字率の向上やマスコミの隆盛,日露戦争と第一次世界大戦の勝利など背景に,外来の言葉と文化が爆発的に流れ込んだ.博覧強記で知られる歴史学者が,当時の流行語を軸に,人々の思想や風俗,日本社会の光と影を活写する.『図書』連載のエッセイ,待望の書籍化.
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「滅満興漢」を掲げて清朝打倒をめざし,皇帝制度を否定した太平天国.その鎮圧のために組織され,台頭する地方勢力の筆頭となった曽国藩の湘軍.血塗られた歴史をもたらした両者の戦いの詳細を丹念にたどり,中国近代化へと続く道に光をあてるとともに,皇帝支配という権威主義的統治のあり方を問い直す.
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一面を同じ色で彩り,一斉に散っていくソメイヨシノ.明治初めに見出されたこの桜は,凄まじい勢いで全国に拡がって行った.さまざまな語りが生み出される中で,どんな意味をあたえられてきたのか.語られた桜と現実の桜の往還関係を追いながら,そこから浮かび上がってくる「日本」の姿を,近代という時代とともに考える.
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