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『社会、一般財団法人東京大学出版会(実用)』の電子書籍一覧

1 ~22件目/全22件

  • 1998年から始まる民主化以降もなお残るインドネシアの非自由主義的な性質の解明に向け、スハルト体制が強固に作り上げた統治理念(「パンチャシラ」(=5つの国家原理))を明らかにし、一貫して窺える暴力の実態に迫る。未解明とされる過去の惨事の詳細な分析を通じて、現在のインドネシア政治との連続性を浮き彫りにする。


    【主要目次】
    第一章 無法の暴力が支える調和
    一 問題設定
    二 既存研究における位置づけ
    三 本書の構成

    第二章 パンチャシラ――変動する体制、変わらない国家原則
    一 はじめに
    二 パンチャシラの誕生――独立準備調査会
    三 国軍とパンチャシラ
    四 パンチャシラの変遷
    五 反政党とパンチャシラ
    六 スハルトのパンチャシラ
    七 スカルノとスハルト――その違いと連続性

    第三章 九・三〇事件
    一 はじめに
    二 スハルト体制が描く「大衆の自発的行動」
    三 地方における虐殺
    四 一体化する国家と民衆の暴力

    第四章 タンジュンプリオク事件
    一 はじめに
    二 事件の経緯
    三 スハルトのパンチャシラとイスラーム知識人
    四 タンジュンプリオクにおけるイスラーム・シンボル
    五 情報統制
    六 対イスラーム作戦としてのタンジュンプリオク事件
    七 統治手段としての「暴徒」

    第五章 「謎の銃殺」事件
    一 はじめに
    二 ペトルス事件の経過
    三 ペトルスに対する反応
    四 ペトルスに見るスハルト体制の国家と社会

    第六章 一九九八年五月暴動――体制崩壊と残された分断
    一 はじめに
    二 背景――激化する抗議運動
    三 暴動の発生
    四 陸軍における権力闘争
    五 暴動と体制崩壊

    終章 統治理念と暴力
    一 調和を支える暴力
    二 一九九八年五月暴動被害者のその後
    三 スハルト体制の遺産
    ロシアによるウクライナへの侵攻から、1年半以上が経過した。この間、この戦争にもっとも影響を受けたヨーロッパはどのように戦争に対処してきたのか。各国・各地域の研究を牽引する気鋭の研究者が、これまでを振り返り現況を再確認するとともに今後のゆくえについても言及する。


    【主要目次】
    序 ウクライナ戦争はヨーロッパをどう変えたのか(細谷雄一)

    I ウクライナ戦争が変えたヨーロッパ
    1 ロシアによるウクライナ侵略がEU拡大に及ぼした変化(東野篤子)
    2 NATOはどう変わったのか――新たな対露・対中戦略(鶴岡路人)
    3 ウクライナ「難民」危機とEU――難民保護のための国際協力は変わるのか?(岡部みどり)

    II ヨーロッパ各国にとってのウクライナ戦争
    4 ウクライナ戦争とイギリス――「三つの衝撃」の間の相互作用と国内政治との連関(小川浩之)
    5 ロシア・ウクライナ戦争とフランス(宮下雄一郎)
    6 ドイツにとってのロシア・ウクライナ戦争――時代の転換(Zeitenwende)をめぐって(板橋拓己)
    7 ウクライナ戦争とロシア人(廣瀬陽子)
    8 ロシア・ウクライナ戦争とウクライナの人々――世論調査から見る抵抗の意思(合六 強)
    9 NATOの東翼の結束と分裂(広瀬佳一)

    あとがき
  • 戦争はなにを変えたのか
    ロシアによるウクライナへの侵攻から、1年半以上が経過した。この間、この戦争にもっとも影響を受けたヨーロッパはどのように戦争に対処してきたのか。各国・各地域の研究を牽引する気鋭の研究者が、これまでを振り返り現況を再確認するとともに今後のゆくえについても言及する。


    【主要目次】
    序 ウクライナ戦争はヨーロッパをどう変えたのか(細谷雄一)

    I ウクライナ戦争が変えたヨーロッパ
    1 ロシアによるウクライナ侵略がEU拡大に及ぼした変化(東野篤子)
    2 NATOはどう変わったのか――新たな対露・対中戦略(鶴岡路人)
    3 ウクライナ「難民」危機とEU――難民保護のための国際協力は変わるのか?(岡部みどり)

    II ヨーロッパ各国にとってのウクライナ戦争
    4 ウクライナ戦争とイギリス――「三つの衝撃」の間の相互作用と国内政治との連関(小川浩之)
    5 ロシア・ウクライナ戦争とフランス(宮下雄一郎)
    6 ドイツにとってのロシア・ウクライナ戦争――時代の転換(Zeitenwende)をめぐって(板橋拓己)
    7 ウクライナ戦争とロシア人(廣瀬陽子)
    8 ロシア・ウクライナ戦争とウクライナの人々――世論調査から見る抵抗の意思(合六 強)
    9 NATOの東翼の結束と分裂(広瀬佳一)

    あとがき
  • ニューヨークの街角から、現代都市の「分断」を学びほぐし、「共生」の可能性をさぐる

    今世紀初頭以降、ニューヨーク・ブルックリンで拡大してきたジェントリフィケーション。その過程とメカニズムを考察し、人種やジェンダー、階級による「分断」が錯綜する時代に生きる住民たちの日常生活と闘争、そして「共生」への試みを、精彩に富む筆致で描き出す。


    【主要目次】
    序章 なぜブルックリンに注目するのか――ポスト・コロナ都市の実験室

    I ブルックリンの都市変容と住民コミュニティの再編――ジェントリフィケーションが引き起こす「身体的共存」
    1章 現代都市を変える力学――ローカルな都市空間とトランスナショナルな不動産・金融複合体
    2章 複数のブルックリンと予期せぬ共存

    Ⅱ 対立の争点としてのジェントリフィケーション
    3章  「立ち退き」というパンデミックな感覚
    4章 地元で「部外者」になる――その場にいながらの排除
    5章 地域の新たなアクターたち――ジェントリファイヤー論再考
    6章 空間にひもづけられた「差異のるつぼ」――ミクロな差異の可視化と空間的共存の帰結

    Ⅲ ジェントリフィケーションの再解釈と「共生」
    7章 反ジェントリフィケーションの多様な実践
    8章 人種横断的な共生の実践――再解釈されるジェントリフィケーション
    9章 パンデミック時代の共生

    終章 「分断」を学びほぐす
  • 日露戦争後から第一次世界大戦末にかけて、陸軍が独立した政治勢力として登場する過程を解明する。大陸政策、満州経営政策をめぐる対立、陸軍内部の権力状況に光をあて、政党政治確立過程における藩閥と政党の対抗=提携関係の中に位置づけた名著、待望の復刊。全て新しく組み直し、「復刊によせて」を付す。


    【主要目次】
    はじめに

    第一章 日露戦後における大陸政策と陸軍
    序 説 明治四〇年帝国国防方針の成立
    第一節 満州権益確立過程における陸軍
    第二節 桂園時代における陸軍

    第二章 明治末・大正初期における大陸政策と陸軍
    第一節 満州権益確立後における大陸政策の模索
    第二節 大正政変期における陸軍

    第三章 大戦期における大陸政策と陸軍
    第一節 積極的大陸政策の諸類型とその帰結
    第二節 長州閥陸軍の変容過程

    おわりに

    地図
    関係年表
    資料および文献について

    あとがき
    復刊によせて
  • 医療制度・改革論の決定版、待望の増補改訂

    医療費の増加に加え就業人口の減少が進むため、日本の国民皆保険は危機的状況にある。歴史分析と国際比較により日本の医療制度の構造を明らかにし、今後の改革の方向性と具体的な政策を提示。初版から約10年、最新の政策動向を含め大幅に加筆した待望の増補改訂版。

    【主要目次】
    序章 問題の所在と分析視角
    I 歴史――日本の医療制度の沿革
    1章 医療制度の基盤形成期
    2章 医療制度の確立・拡張期
    3章 医療制度の改革期
    II 比較――医療制度・政策の国際比較
    4章 医療制度・政策の国際比較――総論およびドイツの医療制度改革
    5章 米国の医療制度改革と日本への示唆
    6章 スウェーデンの医療制度改革と日本への示唆
    III 展望――医療制度の改革の方向性と政策選択
    7章 医療保険制度の基本問題
    8章 各医療保険制度の構造と政策課題
    9章 医療供給制度の構造と改革の方向性
    10章 医療供給制度の改革手法
    終章 総括――要約・結論および課題
  • 「革命」とセクシュアリティの政治思想史へ
    奇跡のように安定していた徳川体制――なぜ僅か4隻の米国船渡来をきっかけに、それが崩壊し、政治・社会・文化の大激動が起こったのか。当時を生きた人々の政治や人生にかかわる考えや思い、さらにジェンダーとセクシュアリティの変動を探る。驚きに満ちた知的冒険の書。東京大学出版会創立70周年記念出版。


    【本書「はしがき」より】
    本書は、広い意味での政治に関する、「日本」における思想の歴史を論ずる。時期は、徳川の世から、(従来、多くの人によって「明治維新」と呼ばれてきた)大革命を経て、おおむね「明治」の年号が終わる頃までである。主題は、その間の、特に重要で、しかも現代にも示唆的だ、と筆者の考えたものである。但し、その議論の方法と主題の選定は、(筆者の主観では)往々、かなり冒険的である。

    方法として特に努めたのは、日本を日本だけを見て論じない、ということである。「日本史」を、西洋や東アジアの異なる歴史をたどっている人々の側からも眺め、双方を比較し、双方に対話させようとしたのである。無論、それは、西洋や中国を基準として日本の「特殊性」をあげつらうということではない。それぞれの個性と、それにもかかわらず実在する共通性の両面を見ようというのである。日本史も、東アジア史の中で眺めるべきだとよく言われる。当然である。しかし、常にそこにとどまっている必要はない。日本史も人類史の一部である。


    【主要目次】
    はしがき

    I 「明治維新」とはいかなる革命か

    第一章 「明治維新」論と福沢諭吉
    第一節 「明治維新」とは?
    第二節 「尊王攘夷」
    第三節 ナショナリズム
    第四節 割り込み
    第五節 「自由」

    第二章 アレクシ・ド・トクヴィルと3つの革命――フランス(1789年~)・日本(1867年~)・中国(1911年~)
    はじめに
    第一節 「一人の王に服従するデモクラティックな人民」 《 Un peuple démocratique soumis à un roi 》
    第二節 中国――デモクラティックな社会
    第三節 デモクラティックな社会の特徴
    第四節 中国の革命(1911年~)
    第五節 日本の革命(1867年~)
    おわりに

    II 外交と道理

    第三章 思想問題としての「開国」――日本の場合
    はじめに
    第一節 「文明人」の悩み
    第二節 「日本人」の悩み

    第四章 「華夷」と「武威」――「朝鮮国」と「日本国」の相互認識
    はじめに
    第一節 通信使の目的と「誠信」
    第二節 「蛮夷」と軽蔑――朝鮮側の認識
    第三節 「慕華」と「属国」――日本側の認識
    第四節 破綻の要因
    おわりに

    III 「性」と権力

    第五章 「夫婦有別」と「夫婦相和シ」
    第一節 「中能」(なかよく)
    第二節 「入込」(いれこみ・いれごみ・いりこみ・いりごみ)
    第三節 「不熟」(ふじゅく)
    第四節 「相談」(さうだん)
    第五節 「護国」(ごこく)
    おわりに

    第六章 どんな「男」になるべきか――江戸と明治の「男性」理想像
    はじめに
    第一節 徳川体制
    第二節 維新革命へ
    第三節 明治の社会と国家

    第七章 どんな「女」になれっていうの――江戸と明治の「女性」理想像
    はじめに
    第一節 徳川体制と「女」
    第二節 「文明開化」と「女」
    おわりに

    IV 儒教と「文明」

    第八章 「教」と陰謀――「国体」の一起源
    第一節 「機軸」
    第二節 「道」
    第三節 「だましの手」
    第四節 「文明」と「仮面」
    第五節 「国民道徳」

    第九章 競争と「文明」――日本の場合
    第一節 「競争原理」
    第二節 徳川の世
    第三節 明治の代

    第十章 儒教と福沢諭吉
    はじめに
    第一節 福沢諭吉の儒教批判
    第二節 天性・天理・天道

    V 対話の試み

    第十一章 「聖人」は幸福か――善と幸福の関係について
    第一節 問題設定への疑問
    第二節 回答の必要
    第三節 応報の類型
    第四節 隠遁と方便
    第五節 「独立自尊」
    おわりに

    第十二章 対話 徂徠とルソー
  • メディアについての議論百出諸説紛紛。ベンヤミン、マクルーハン、ボードリヤール、エーコ、マクロビー、キットラー、マノヴィッチ、ラマール、ホイ……。彼ら/彼女らがメディアに関して紡いだ思考の核心を浮かび上がらせる。第一線で活躍するメディア研究者が執筆するメディア論を知り学ぶための最強テキスト。


    【主要目次】
    はじめに(伊藤 守)

    Ⅰ メディア論の目覚め
    ガブリエル・タルド:モナド論からメディア論へ(伊藤 守)
    ヴァルター・ベンヤミン:媒質から複製技術メディアへ(竹峰義和)
    テオドール・W・アドルノ:同一化と抵抗の弁証法(竹峰義和)
    レイモンド・ウィリアムズ:テレビのフォームとフォーメーション(山田雄三)
    マーシャル・マクルーハン:メディア論の発見者(門林岳史)

    Ⅱ メディア論の展開
    ジャン・ボードリヤール:モノの記号論からメディアのシミュラークル論へ(塚原 史)
    ウンベルト・エーコ:偶然からのメディア論!?(西 兼志)
    スチュアート・ホール:イデオロギー分析としてのメディア論へ(有元 健)
    アンジェラ・マクロビー:フェミニスト・カルチュラル・スタディーズの広がる領野(河野真太郎)
    レイ・チョウ:眼差す力とメディア(本橋哲也)
    フェリックス・ガタリ:Machine=「機械」の思想(伊藤 守)
    フランコ・ベラルディ(ビフォ):アウトノミア運動と自由ラジオ(毛利嘉孝)
    ポール・ヴィリリオ:メディア技術の速度(今関裕太)

    Ⅲ デジタルのメディア論
    フリードリヒ・キットラー:メディアの系譜学と技術への問い(大宮勘一郎)
    ベルナール・スティグレール:〈アテンション〉からのメディア哲学(西 兼志)
    マーク・B・N・ハンセン:テクノロジーと身体の媒介者(増田展大)
    レフ・マノヴィッチ:デジタル文化のメディア論(堀 潤之)
    アレクサンダー・ギャロウェイ:脱中心化以後のコントロールはいかに作動するのか(松谷容作)
    マシュー・フラー:ソフトウェア・スタディーズを組織するメディア実践者(毛利嘉孝)

    Ⅳ メディア論の最前線
    トーマス・ラマール:アニメを通して思考するメディアの理論化(藤木秀朗)
    ヘンリー・ジェンキンズ:媒介(メディエイト)される文化(渡部宏樹)
    ロザリンド・ギル:変容し続けるメディア・ランドスケープと女性性(飯田麻結)
    サラ・バネット=ワイザー:メディア文化と両義性の政治(田中東子)
    ジョディ・ディーン:メディア論と左翼政治の交点に立つコミュニスト政治学者(水嶋一憲)
    エルキ・フータモ/ユッシ・パリッカ:メディア考古学はどこへ向かうか(大久保 遼)
    ブライアン・マッスミ:〈不安/怖れ〉とテクノロジー(伊藤 守)
    ユク・ホイ:宇宙技芸の多様性(原島大輔)

    おわりに(伊藤 守)
  • 現代インドがモディ政権のもと,どのように変貌しつつあるのか,政治・経済,国際関係と社会の実態を明らかにする.コロナ禍にあっても支持を維持するモディ政権が,いかなる新しい政策を実施し,新しいインドを実現していこうとしているのか,グローバルな変化との関係のなかで描きだす.
  • 第16回大佛次郎論壇賞、第33回渋沢・クローデル賞受賞!
    2015年パリ同時多発テロ以来、注目を集める「ホームグロウン」の若者たち。そのような移民・マイノリティの若者が集住する「郊外」はどのように形成されたのか。「郊外」を起点にフランス主流社会とマイノリティの亀裂をたどり、暴力の背後にある排除と抵抗の実態にせまる。

    【序章「フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う」より】
    「しかしこの悲劇(出版社注:2015年パリ同時多発テロ)は「グローバル・テロリズム」とそれに抵抗する「民主主義」というような図式には容易に収まりきらない背景を持っている。それは過去30年にわたって深まってきた、フランスの主流社会と移民・マイノリティの間の亀裂である。実行犯の多くは、ヨーロッパで生まれ育った「ホームグロウン」のエスニック・マイノリティの若者たちであった。彼らをこのような暴力へと向かわせる社会構造とはいったい何なのだろうか。
    本書は、フランスで現在「紛争」と化している事態を、マジョリティとマイノリティの間にある「亀裂」という角度から考察していくものである。」


    【主要目次】
    序章 フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う
    1 フランスの移民統合の理想と現実――OECDの比較調査から
    2 移民からエスニック・マイノリティへ――呼称変化とアプローチの転換
    3 郊外「セーヌ・サン・ドニ県」への注目

    1章 フランス郊外研究の視座――空間と結びついたマイノリティの差別と排除
    1 日本とは異なる郊外像
    2 モラル・パニックとメディア、政治空間
    3 先行研究における「郊外」の位置づけ
    4 本書の枠組み――差別、排除、レイシズム
    5 本書の方法と構成

    2章 多様化する郊外とマイノリティ
    1 「移民」と「郊外」の関係を整理する
    2 郊外をめぐる複数の空間的アプローチ
    3 「移民」と居住の多様化――中産階級の台頭
    4 「移民」カテゴリー内部における分極化の進行――郊外貧困地区の状況の悪化と時間的変化
    5 「郊外問題地区」の類型化とセーヌ・サン・ドニ県の事例

    3章 排除空間の形成と国家の役割――フランス的例外か?
    1 「マイノリティ集住地区」としての郊外はどのように形成されたのか
    2 工業地区の郊外
    3 団地の郊外
    4 移民の郊外
    5 結びにかえて――排除空間としての郊外と国家

    4章 「赤い郊外」の変容と都市政策の展開
    1 問題設定
    2 「都市政策」の誕生と展開
    3 脱工業化のインパクトと「赤い郊外」の変容
    4 市政と住民をつなぐ新たな媒介の模索
    5 「都市問題」という解読格子の誕生と定着
    6 階級問題から「都市問題」へ――「赤い郊外」における解読格子の変化

    5章 再生事業と住民コミュニティへの影響
    1 地域社会の底上げか、下層マイノリティの排除か?
    2 「ソーシャル・ミックス」の評価
    3 住民はどこに行ったのか?
    4 「ミックス」の実情と課題
    5 都市政策と地域社会の再編

    6章 郊外マイノリティの多様な抵抗
    1 エスニック・マイノリティの若者たちをめぐる参加と抵抗
    2 アソシエーション活動を通した抵抗――文化表現から政治活動へ
    3 問題化される「参加」――ラップの事例
    4 おわりに

    7章 風刺新聞社襲撃事件と「見えない断絶」――フランス統合モデルの限界・弊害とマイノリティの疎外
    1 追悼デモに来なかった「郊外の住民」たち
    2 事件直後の「郊外の住民」の反応
    3 「テロ対策」としての3つの改革――治安、教育、郊外
    4 カラー・ブラインド原則とその実態――まなざしの人種化
    5 文化的統合の深化と(それゆえの)問題化というパラドクス
    6 ダブル・スタンダードが生み出す問題
    7 プラグマチークな解決にむけた道のり

    終章 脱領域的なマイノリティ研究をめざして
    1 亀裂を生じさせる二重の「乖離」
    2 郊外の比較社会学に向けて――変容する日本の郊外へのまなざし
    3 「客観性」としてのマイノリティの視座

    文献一覧
    あとがき
    地名・人名索引
    事項索引
  • コロナ・パンデミックをはじめとする災禍の時代。露わになる格差の拡大、社会の分断、民主主義の危機などに、私たちはどのように立ち向かうのか。社会学理論の知見やデータをもとに、第一線の社会学者たちが未来へ向けて発信する市民へのメッセージ。


    【主要目次】

    まえがき

    I 災禍が拡大した格差と孤立
    1.コロナ・パンデミックと雇用格差(有田 伸)
    2.コロナ・パンデミックとジェンダー格差(筒井淳也)
    3.コロナ・パンデミックと教育政策(中村高康)
    4.コロナ・パンデミックと住宅問題(村上あかね)
    5.コロナ・パンデミックと日本の自殺(江頭太蔵)

    Ⅱ 民主主義社会のゆらぎと危機
    6.コロナ禍は民主主義国への評価を低下させたか(園田茂人)
    7.新しい介入主義に市民社会はどう対峙するか(町村敬志)
    8.危機に瀕する民主主義:ヴァイマル共和国の歴史から考える(友枝敏雄)
    9.民主主義の二つのかたちと日本の選択:教育から考える価値観と市民像(渡邉雅子)
    10.社会のゆらぎと社会理論のゆくえ(山田真茂留)
    11.文化戦争と文系学問の危機(盛山和夫)

    Ⅲ 未来をどのように創るか
    12.〈生〉を包摂する社会へ:ケアとジェンダーの視点から(落合恵美子)
    13.モビリティーズと〈共〉の社会理論(吉原直樹)
    14.持続可能な民主主義へ向けて(今田高俊)
    15.ウィズコロナ、ウィズAI時代の民主主義と社会学5.0(佐藤嘉倫)
    16.災禍の時代を超えて:孤立から語り合う世界へ(遠藤 薫)

    あとがき
  • ルーマンの思考が切り開く
    新たな社会学の地平

    ニクラス・ルーマンが切り開いた社会の自己産出系論を経験的な社会科学のひとつとして位置づけ、鍛え抜かれた思考をより広い地平へ解き放つ。「社会学の溶解」が問われる現在、新たなルーマン像を「中範囲の理論」として描き出し、社会科学へ回帰させる試み。


    【主要目次】
    序論 経験的システム論への転回――社会学における理論の地平とマスメディア

    I メディアと社会
    1.サブカルチャー/社会学の非対称性と批評のゆくえ――「世界を開く魔法」社会学編
    2.制度と技術と民主主義――ネット社会の政治システム
    3.世論と世論調査の社会学――「前面化」と「潜在化」の現在と未来
    4.現代メディアと批評する個人――ジャーナリズムのシステム論から
    5.機能的に分化した社会のマスメディア――報道するシステムと知のあり方
    6.「社会学の知」の位置と資産

    II システムの公理系
    1.自己産出系の公理論――システム論のsyntaxとsemantics
    2.自己産出系のセマンティクス――あるいは沈黙論の新たな試み
    3.回帰的なネットワーク――社会の自己産出系の解説1
    4.「固有値」と機能的分化――社会の自己産出系の解説2

    III システムとネットワーク
    1.ネットワークと境界性――「第三世代」システム論からの考察
    2.オートポイエティック・システム論から組織を見る――「二次の観察」としての理論の射程

    終章 人と学術
  • 世界の分断と対立を乗り越えるために――
    コネクティビティと信頼を鍵として、イスラーム文明の知を可視化する
    シリーズ刊行開始!
    「イスラーム的コネクティビティに基づいた信頼構築」とはいかなるものなのか。国家体系や経済、境域における翻訳と規範の変容、思想と戦略知の展開、移民が形成するコミュニティ、紛争地域での平和構築、人文情報学の可能性といった切り口から全8巻のシリーズのねらいを総合的に論じる。


    【主要目次】
    序章 イスラームから考える「つながりづくり」と「信頼」――今後の世界を見通す鍵として(黒木英充)
    第1章 瀬戸内から世界に広がるつながり――ある日本人ムスリムの足跡をたどる(岡井宏文)
    essay1 他者を理解するために必要なこと――幕末の「日本人」のイスラーム経験から(黒田賢治)
    第2章 多様なひとびとをつなぐ翻訳――イスラームの各地への展開と知の伝達(野田 仁)
    第3章 異なることばをつなぐ言語――インド洋世界におけるウルドゥー語の役割(須永恵美子)
    第4章 未来を拓くイスラーム経済のつなぐ力――その思想と歴史から学ぶ(長岡慎介)
    第5章 イスラームで国をつくる――宗教・国家・共同体(近藤信彰)
    essay2 宗教がひしめきあう都市で人がつながる――18世紀イスタンブルの公衆浴場から(守田まどか)
    第6章 不信から生まれる信頼――モロッコ、ベルベル人の「寛容」を中心に(池田昭光)
    essay3 信頼と不信が垣間見えるとき――シリアで見聞きしたこと(黒木英充)
    第7章 信頼のためのイスラーム思想と戦略――現代南アジアにおける政治運動の正当化(山根 聡)
    essay4 中東で政治的な信頼をはかる――イラクでの世論調査から考える(山尾 大)
    第8章 神の教えの実践とヴェール――信頼から信仰を読み解く(後藤絵美)
    第9章 「テロリスト」に対する暴力による解決と信頼のゆくえ――フィリピンからの問い(石井正子)
    第10章 見えないつながりを描き出す――デジタル人文学の可能性(熊倉和歌子)
    essay5 保育園で「つながり」を考えてみた――双方向的探究から広がる新しい世界(太田(塚田)絵里奈)

    付録 文献リストとサイト案内(荒井悠太)
  • 戦争の時代に生み出された
    コスモポリタニズム(世界市民主義)の秩序構想
    戦争が絶えない18世紀のフランス、そしてヨーロッパ。平和を求め続けた人々の世界秩序構想とはいかなるものだったのか。啓蒙の時代に生み出されたコスモポリタニズム(世界市民主義)の多様な相貌を明らかにし、その意義を捉え直す。争いのない世界をめざす、思想的格闘の軌跡。

    【主要目次】
    序論
    第一章 祖国への愛と人類への愛
    第二章 世界市民の肖像――ル・ブランとフジュレ・ド・モンブロン
    第三章 平和のための制度
    第四章 商業平和論の展開
    第五章 ジャン=ジャック・ルソーにおける戦争と平和
    終章 カントの平和論――一八世紀フランスのコスモポリタニズムのプリズムを通して
    結論
  • 領域を超える課題になぜ対応できないのか
    地方政府は広がる都市の問題を解決できるのか。住民投票は地方の究極の民主主義なのか。日本の地方政治が抱える構造的問題を抉り出し、解決の糸口まで示唆する。サントリー学芸賞・大佛次郎論壇賞を受賞した注目の地方政治研究者による最新の論考。

    【「終章」より】
    地方政府を動かす基層的な政治制度の鍵は、政党という組織になると考えられる。政治家個人が有権者の支持をめぐって競争し、分裂した意思決定を生み出すのではなく、地方政府の領域という空間を超えて有権者に支持を訴え、政治家個人が辞めても組織としての決定が残る政党という存在こそが、空間と時間を超えて民意に対して責任を持ちうる。


    【主要目次】
    第1章 政治制度が生み出す分裂した意思決定
    1 領域と結びつく地方政府
    2 地方政府と領域を超える課題
    3 領域への拘束をもたらす政治制度
    4 政治制度の帰結
    5 本書の議論と構成

    第2章 都市の中心をめぐる垂直的な競争――県庁所在市の庁舎
    はじめに
    1 戦前の府県庁舎
    2 県庁舎の位置づけの変化
    3 地方自治再編期の庁舎
    得られた知見

    第3章 都市を縮小させる分裂した意思決定――2つの港湾都市
    はじめに
    1 港湾都市の発展と凋落
    2 変化への対応
    3 人口減少という課題
    得られた知見

    第4章 大都市の一体性と分節――国際比較と日本
    はじめに
    1 大都市への注目とその比較
    2 地方政府による分節と大都市の成長
    3 大都市比較のためのデータ
    4 計量分析
    5 比較の中の日本の大都市
    得られた知見

    第5章 民意をどこに求めるか――住民投票と地方議会
    はじめに
    1 住民投票の類型化
    2 住民投票の目的
    3 地方議会と住民投票の受容
    4 分析
    得られた知見

    第6章 領域を再編する民意――平成の大合併
    はじめに
    1 「平成の大合併」における住民投票の位置づけ
    2 住民投票の分析
    得られた知見

    第7章 大都市における分裂した意思決定と民意――2010年代の大阪
    はじめに
    1 大阪都構想の展開
    2 住民投票への過程
    3 静かな制度変化
    4 住民投票というハードル
    得られた知見

    終章 分裂した意思決定の克服に向けて
    本書は何を明らかにしたか
    都市政治の再構築





    砂原庸介(すなはら・ようすけ): 1978年大阪に生まれる。2001年東京大学教養学部卒業。2006年東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得退学。現在神戸大学大学院法学研究科教授。博士(学術)。主要著書に『地方政府の民主主義──財政資源の制約と地方政府の政策選択』(有斐閣、2011年)、『分裂と統合の日本政治──統治機構改革と政党システムの変容』(千倉書房、2017年)、『新築がお好きですか?──日本における住宅と政治』(ミネルヴァ書房、2018年)などがある。
  • 異例の3期目にはいる政権は何をめざすのか?
    経済発展、少子高齢化、イノベーション、環境問題、統治体制、民主化、人民解放軍、新疆ウイグル、香港、台湾、外交戦略、日中関係など様々な課題・政策・理念を最新の知見をもとに分析し、今後を見通す中国研究の最前線。

    【「はじめに」より】
    ……習近平政権の輪郭を理解することはある程度できるのだが、日本から見ていると中国はわかりにくい。日本社会には、中国は分裂するものであるとか、社会にまとまりがないとか、権力闘争があるとか、一君万民、上位下達であるとか、さまざまな見方が流布している。隣国ゆえの経験則の結果だとも言えるだろう。かつて、共青団vs.太子党vs.上海派という見方が広がった。これは三国志的な理解と重なったのだろう。そして現在も、この三派の対立、あるいはそのようなものを敢えて探そうとする向きが強い。一旦、ステレオタイプ化した見方が広がると、なかなかそこから脱することができない。また、近代以降に日本が身につけた西洋近代、先進国的価値観や、冷戦期前後に形成された、社会主義、共産主義への懐疑も根強い。そして、日中間の(すでに中国側にも、日本の若年層にもないかもしれない)ライバル意識があるためか、日本を抜き去る/去った中国への懐疑や衰退願望などもあるのかもしれない。いずれにしても、中国を観る際には、さまざまな「眼鏡」が眼前に立ちはだかり、またいろいろなバイアスが思考のプロセスに入り込んでいるようでもある。これはその日本社会で中国研究をおこなっている研究者にも言えることかもしれない。


    【主要目次】
    はじめに――問いの解説(川島 真)  

    I 中国の発展は保たれるのか 中国の経済発展はサステイナブルなのか(川島 真)
    1 中国経済はバブルだったのか もしそうならバブルは弾けるのか(岡嵜久実子)
    2 中国はイノベーション大国となれるのか(高口康太)
    3 高齢化は中国に何をもたらすか(片山ゆき)
    4 環境問題の解決はどこまでできるのか(大塚健司)

    II 中国共産党の統治は保たれるのか(小嶋華津子)
    5 共産党は「良い統治」を実現できるか──法の支配、党組織の健全化、社会の安定化(金野 純)
    6 「中華民族の父」を目指す習近平、あるいは「第二のブレジネフ」か「第二のプーチン」か──権力、理念、リーダーシップ、将来動向(鈴木 隆)
    7 中国は民主化しないのか(小嶋華津子)
    8 人民解放軍は暴走しないのか(八塚正晃)

    III 中国はどう世界で振る舞うのか(川島 真)
    9 中国では「人権」をどのように考えているのか──「少数派」と周辺地域への帰順の強制(倉田 徹・熊倉 潤)
    10 中国の目指す覇権と国際秩序とはなにか(山口信治)
    11 習近平は台湾を「統一」できるのか──対台湾政策の理念・政策・課題(福田 円)
    12 日本は中国とどう付き合うべきか──崩れゆく五要因と新たな関係構築の可能性(川島 真)

    あとがき


    【編者】
    川島 真(かわしま・しん):東京大学大学院総合文化研究科教授
    小嶋華津子(こじま・かずこ):慶應義塾大学法学部教授
  • 政治学のエッセンスが学べる好評テキストの改訂版。最新の政治状況をふまえて全面改訂。民主政治のしくみと基本的な考え方を明快に解説する。選挙制度、議会と政党、戦後の国際政治とグローバル化など、日本と世界の今がわかるテーマをカバー。学生、社会人必携の一冊。

    【編者からのメッセージ】
    本書を通読した読者が、あたかも高い塔から見渡すように、現代政治に対する明快な見通しを得ることができるような、小さいながらも完結した一冊を目指したつもりである。それゆえ本書は、大学1年生、政治学を必ずしも専門としない学部生・大学院生、また、社会に出て経験を積んだ後にあらためて政治の仕組みを勉強し直したいという大人の読者に、ぜひ読んでいただきたい。少し背伸びしたい高校生にも手に取っていただければ嬉しい。
  • 2022年2月24日にロシア・プーチン政権のウクライナ侵攻は世界に衝撃を与え、いまなお、日々リアルタイムに戦争の状況は報道され、戦争の終結は、今現在も見えていない状況である。本書は、いまもっともアクチュアルに活躍する地域・国際関係の研究者がこの状況を各専門分野から、ロシア・ウクライナ戦争と今後の世界を見通す。
  • 2019年、香港の大規模デモと政治危機、2020年5月、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警官に首を圧迫されて死亡した事件からのBlack Lives Matter(BLM運動)、2021年2月のミャンマー国軍のクーデターによる民衆への弾圧、そして、2022年2月のロシア・プーチン政権によるウクライナ侵攻……。世界は今、暴力で覆われている。これらの暴力を生み出しうる構造を解き明かす。
  • ★講評・宇野重規(東京大学教授)
    「人権の哲学」とはあまりに大きなテーマと思われるかもしれない。言うまでもなく、人権に関して、その普遍性や歴史をめぐって数多くの議論が積み重ねられてきた。さらに、憲法学や法哲学、政治学や倫理学などの分野において、個別の思想家や理論家、あるいは学派についての研究も数多くなされてきた。

    しかしながら、本書が注目するのは、人が人であるがゆえに持つ権利である人権についての哲学的な根拠である。特に近年の英米圏の政治哲学における、人権の正当化根拠をめぐる「政治的構想」と「自然本性的構想」の対立に焦点を定めている点に最大の特徴がある。選考にあたっては、膨大な先行研究を丹念に整理し、自らの立場を明確に示していることが高く評価された。(中略)

    人権を根拠に「人道的干渉」が行われる現在、人権をめぐる議論がますますグローバルな文脈で展開されるようになっている。本書の理論的示唆はもちろん、実践的示唆もきわめて大きい。多くの方に読んでいただけることを期待したい。
  • トランプ前アメリカ大統領を僅差で破り、2021年1月に就任したバイデン大統領。就任2年目を迎え、バイデン政権は内政・外交ともになにを目指すのか? 超大国アメリカの実像を気鋭の研究者が読み解く、アメリカ研究の最前線。
  • 古典古代から近代に至る通史。主題はヨーロッパ、重点はクリスト教的ゲルマン世界の近代におかれる。直接政治を論じたものにとどまらず、神学や哲学、宗教改革や観念論などのテーマを、思想と理論の相互往復に焦点をあわせる視角から究明。
  • 友だち同士から国際政治まで,互いに異なる人たちがどうしたら一緒に暮らしていけるのか.各地で頻発するテロ事件,英国のEU離脱やトランプ大統領の誕生,そして日本社会や東アジアの行方.変わりゆく世界のなかで,政治の根本を考え抜く5つの講義.

    「人と一緒にいる」のは素晴らしいことであると同時に,時としてつらいことでもあります.自分とまったく同じ人間は,世界のどこにもいません.当然,人と人には,いつも「違い」があります.「違い」があるからこそ,人と一緒にいることはおもしろいし,楽しいけれど,時には対立が起き,すれ違いが生じます.講義では,このような基本的感覚からスタートして,「政治」というものを考えてみようとしました.(「はじめに」より)

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