『社会、学問、デザイン(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧
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日本にいると想像しにくいかもしれないが、清潔なトイレを安心して使えない人は世界中に23億人もいる。そのうち5億人はトイレがない環境で生活しており、野外で用を足さざるをえないのだ。また世界には、学校に清潔なトイレがないために通学をあきらめる女子児童・生徒もたくさんいる。
教育を受ける権利や就労の機会も失うなど、トイレ環境の良し悪しが女性の人生に大きな影響を与えていることは知っておきたい。誰もが使えるトイレ環境の整備は、今日も世界各地で進められている。
先進国では当たり前の水洗トイレについても、一度立ち止まって考えてみたい。一人あたり年間10kgのCO2が水洗トイレから排出しており、地球温暖化に加担しているのだ。生活用水の2割をトイレが占め、一人あたり1日に45リットルも使っている計算である。深刻な水不足が懸念される日本において、見過ごすことのできない問題だ。
では、どうしたらよいのか。本書では、国内外の最新事情を熟知する執筆陣が、水を使わないドライトイレや雨水の活用など、これからのトイレの進むべき未来を考える。 -
海外からの旅行客が口を揃えて絶賛するのが、日本のトイレの素晴らしさだ。Made in Japanのトイレは、いまも衛生面や機能面で世界の最先端をリードし続けている。だが、日本のトイレ環境が劇的に改善されたのは、たかだか35年ほどの話なのである。
では、なぜ、どのようにトイレが快適になったのか。本書では、第一線で活躍を続ける有識者37名が総力を挙げて、この問いに挑む。
一口に快適といっても、人によって感じ方は異なる。ジェンダー、障害の程度、シチュエーションなどが異なれば、トイレに求めるものも多様になる。認知症や発達障害の人たちには健常者にはわからない苦労も多いし、子連れや介助者も同様だ。そこにきれいなトイレがあっても、安心して使えなければ、外出するのも億劫になる。
高速道路が渋滞してもサービスエリアのトイレが行列にならない工夫、トイレの最適な清掃頻度の研究など、快適さを維持するための努力は各所で進められている。快適さを求めて日々進化する日本のトイレの最前線を、あますところなく紹介する。
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