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『社会、亜紀書房(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全72件

  • 《 シカゴ大学の緊急救命医が告発する[人種差別×医療格差 ]の実態 》
    「差別と貧困」が医療ケアに爪を立てる日常に挑み続けた、あるシカゴER医師の葛藤と前進、そして憤懣と挑戦に満ちた熱きドキュメント。

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    〈 格差が分断する、医療という名の戦場 〉

    通院するカネがなくて病状を悪化させた者、銃撃事件に巻き込まれた者、麻薬中毒者……。
    救命救急室に担ぎ込まれるのは、社会構造と医療保険制度から取りこぼされた貧困層の黒人ばかり。

    ──アメリカ型資本主義の価値観は医療システムの中に勝者と敗者を生み続け、“敗者のいのち” は常に軽んじられてしまう。

    社会で正義がおこなわれないかぎり、医療もまた、正当に人を救えるものにはなりえない。
    これは、私たち日本人にとっても対岸の火事ではない。

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    〈序文寄稿〉タナハシ・コーツ(2016年タイム誌『世界で最も影響力のある100人』選出)

    「本書は、パンデミックさなかのERの1年を描いているのみならず、複雑な医療システム全体、そしてそれを捻じ曲げる分配の不平等について果敢に検証する。思い出してほしいのは、新型コロナウイルスの流行が始まったばかりの頃、ウイルスには〝肌の色は無関係〞と言われていたことだ。たぶん、本物の危機にあっては、人間誰もが共有する弱さを克服するため、誰もが立場を超えて力を合わせることになる、そう信じたかったのだろう。

    しかし、それから3年が経過した今、黒人とラテン系の人々はこのパンデミックのあいだに平均寿命が3年も短くなった。これは白人の3倍に当たる。あの時点で予想してしかるべきだったのだ。そして今こそ、利口になるべきだ」

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    〈訳者〉宮﨑真紀(「訳者あとがき」より)

    「全編を通して、ドラマ『ER』さながら救急医療現場に緊張感と切迫感がみなぎり、黒人コミュニティを少しでも癒そうとする著者の情熱と不平等への怒りが満ちあふれていて、読む者を圧倒する。そして、格差構造の根深さをあらためて思い知らされる。いや、日本でも、貧困層の無保険問題、地方と都市部の医療格差など、医療環境に確かに深い溝が存在していることを忘れてはならないだろう」

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    【目次】
    ■序文……タナハシ・コーツ 
    ■1………2020年2月 
    ■2………2020年3月
    ■3………ジャネットへの手紙
    ■4………2019年11月(パンデミックの前)
    ■5………ニコールへの手紙
    ■6………2020年5月
    ■7………ロバートへの手紙
    ■8………2020年7月4日
    ■9………ダニアへの手紙
    ■10………2020年8月
    ■11………リチャードへの手紙
    ■12………2020年9月
    ■13………フェイヴァースさんへの手紙
    ■14………2020年11月
    ■15………母への手紙
    ■謝辞
    ■訳者あとがき
  • 結婚しても、しなくても
    私たちは結局“ひとり”を共に生きていく生き物なのだ。
    ──前田エマさん(モデル)

    「非婚」は結婚の「否定」ではない。
    人と違う生き方に、大きな愛を贈ってくれる本。
    ──安達茉莉子さん(作家・文筆家)

     * * * * *

    累積聴取回数2000万回超!
    話題のポッドキャスト「ビホンセ」制作兼進行役による〝結婚しない〟という選択。

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      「結婚しないんですか?」
      「子供がほしくはないですか?」
      「ひとりで寂しくないですか?」

    ……非婚に対する偏見はまだまだ根深い。

     * * * * *

    非婚は結婚の反対ではなく、多様な生き方のひとつ。
    自分の選んだ道に責任を持ち、時には弱音を吐いて傷つきながらも、自分を愛し、前に向かって進んでいく。

    本書には、非婚でも結婚でも事実婚でも同性婚でも、人それぞれの生き方を尊重し、みんなが穏やかで楽しく暮らせるための温かなエッセンスが満載。

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    「結婚=幸せ」だなんてファンタジーじゃない?!
    自分で選んで決めればいい。

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    【目次】
    ■ <https://www.akishobo.com/akichi/tameshiyomi/v54> プロローグ──こんなテーマで本を書くなんて

    非婚宣言──何もそんな決心までしなくても
     ■ <https://www.akishobo.com/akichi/tameshiyomi/v55> こんにちは、非婚です
     ■住む家のために結婚はできない
     ■結婚までは愛せない、あなたを愛したのだ
     ■非婚主義者のくせになぜ恋愛するのか
     ■甥や姪がそんなにかわいいなら自分の子を産めばいい
     ■ロングタイム・ノ氏ですね

    非婚の冠婚葬祭──幸せと悲しみを分かち合うのに損も得もない
     ■私が暮らすあの家
     ■私もお母さんみたいに生きたい
     ■非婚者の結婚式
     ■非婚で生きるにはしっかり稼がないと
     ■私のお葬式で棺を担いでくれますか

    非婚ライフ──自分と連れ添って生きる
     ■大田で生まれた色黒の子
     ■私たちは互いの体を観察しながら成長した
     ■私のトリセツ
     ■好きだから線を引いたんです
     ■好みの発見
     ■おばあさんの瞳にチアーズ!
     ■夫はいません。でも、推しはいます

    非婚共同体──完璧に理解できなくても完全に愛することはできる
     ■ブックフェアに母が来た
     ■一緒に越えていく日曜日
     ■笑っているうちに一緒にいかだの上に、しかもこんなに遠くまで
     ■知らない犬と飛行機に乗った
     ■あなたが死んだら
     ■ <https://www.akishobo.com/akichi/tameshiyomi/v56> 私の祖母
     ■どうしてあなたが非婚をとやかく言うんですか

    ■エピローグ
    ■訳者解説
  • 〈 彼女たちは壁を破り、世界を動かした 〉

    19世紀にドイツのユダヤ人ゲットーから身を立て、世界有数の金融帝国を築き上げた名門一族。
    その栄光の裏には、女性たちの活躍があった。

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    株取引の天才、イギリス政治の影のフィクサー、ジャズのパトロン、 テレビでも活躍した在野の昆虫学者……。
    政治、経済、文化にわたる活躍を見せた才女たちは、一方では家の掟や政略結婚、ユダヤ社会の慣習に悩み、叶わぬ恋や自らの生き方、夫との仲を思って煩悶する。

    歴史の流れの中でひたむきに歩んだ生身の人間が息づく、これまでになかった人物絵巻。

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    19世紀から両大戦を経て現代に至る激動の欧米史を縦軸に、 男性中心に語られてきた一族の歴史を、女性の側から描き出す。

    [解説]佐藤亜紀氏 (作家)

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    【目次】
    ■まえがき

    〈 第一部・グトレ、ハナ、ヘンリエッタ 〉
     第1章……勃興の母
     第2章……ただの機械
     第3章……家庭を築く
     第4章……婿探し
     第5章……マダム・モンテフィオーリ
     第6章……より健康的な気候
     第7章……調和、誠実、勤勉
     第8章……裏切り
     第9章……ロスチャイルド夫人の並外れた財政手腕
     第10章……婚礼と葬式

    〈 第二部・シャーロット、ハナ・マイヤー、ルイーザ 〉
     第11章……「濃霧に満ちた憂鬱なこの世界」
     第12章……キリスト教徒と結婚して一族を離れる
     第13章……ユダヤ教徒として結婚し、ロスチャイルド家に入る
     第14章……幼児の養育
     第15章……芸術の女神
     第16章……「もちろん、われわれは嫌悪しすぎることをよしとはしません」
     第17章……底知れぬ深淵
     第18章……逃げ道と遺産
     第19章……ホテルでの暮らし
     第20章……母親の教育

    〈 第三部・コンスタンス、エマ、ハナ、ブランチ 〉
     第21章……恋のたわむれ
     第22章……跡継ぎとたしなみ
     第23章……薔薇と獅子
     第24章……初めての演説
     第25章……ボヘミアのブランチ
     第26章……王室の印章
     第27章……救出と防止
     第28章……登用
     第29章 ……「大砲が夜のうちに届き」

    〈 第四部・ロジカ、ドリー、ミリアム、ニカ、ロージー 〉
     第30章……国境を越えて
     第31章……入隊
     第32章……復興
     第33章……休暇
     第34章……戦火を前に
     第35章……姉妹の戦い
     第36章……残響
     第37章……男爵夫人、バードとモンク
     第38章……ノミの女王
     第39章……スペア・リブと刺繍の叛乱
     第40章……すばらしい小春日和
     第41章……母と娘

    ■謝辞
    ■原註
    ■[日本語版解説]佐藤亜紀
    ■家系図
  • 【 推薦!】ピーター・バラカン氏
    デトロイトやメンフィスより語られないシカゴのソウル・ミュージックを支えたコミュニティが目に浮かびます。
    共同体あってこその音楽シーン、そのことを痛感しました。

     * * *

    音楽産業とブラック・パワー、そして公民権運動の結びつきを、
    膨大な当事者インタビューと資料から解き明かす、決定的ノンフィクション!

    ---------

     ◆カーティス・メイフィールド
     ◆ジェリー・バトラー
     ◆ダニー・ハサウェイ
     ◆アース・ウィンド&ファイアー
     ◆ミニー・リパートン
     ◆チャカ・カーン
     ◆テリー・キャリアー……。

    ──ソウル界に燦然と輝く星々は、音楽とともに、世界を変革しようとした。

     * * *

    〈 音楽の変革 × 社会の変革 〉
    人種隔離の時代に、シカゴのソウル・ミュージシャンが行った変革とは何だったのか?
    自主レーベルの設立、黒人経営企業の立ち上げ、地元コミュニティ、メディアとの協働、独自の流通網の開拓……。

    シカゴ・ソウルの生成を中心に、ファンク、ハウス、Hip hopの時代まで駆け抜ける、唯一無二の音楽/社会のドキュメント!

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    【目次】
    ■はじめに

    第1章・廊下とラジオ
    ──コミュニティの変化と新しいメディアが音楽を変えた

    第2章・アイム・ア・テリング・ユー
    ──新興のアーティストと起業家が拓いた新時代

    第3章・ウィアー・ア・ウィナー
    ──ミュージシャン、活動家、教育者たちが音楽業界を築き、発展させた

    第4章・サイケデリック・ソウル
    ──シカゴの一九六〇年代のカウンター・カルチャーが社会運動と音楽の方向を変えた

    第5章・ア・ニュー・デイ
    ──一九六〇年代の闘いの答えとなったアフリカ中心主義と明確な政治的声明

    第6章・リズムがすべてではない
    ──企業の力が一九七〇年代のブラック・ミュージック、商業、政治を動かした

    第7章・サウンド・パワー
    ──ファンク、ディスコと結束、分断、希望

    第8章・未来予想
    ──リイシュー、サンプリング、若いアーティストたちが再考するソウルの歴史

    ■謝辞
    ■訳者あとがき
    ■原注
    ■ディスコグラフィー
    ■参考資料
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【推薦】竹田ダニエルさん(Z世代ライター・研究者)
    男社会がバカバカしいと感じるのは、自分だけじゃなかった──
    アホらしい世の中を生き残るための爆笑処世術

    * * *

    ★アイディアを盗まれたら「私が言いたかったことを明瞭にしてくれたのね」と返しましょう!
    ★キーボードは強めに叩きましょう。うるさいほど「仕事ができる!」と思われますよ。
    ★深夜に仕事のアイディアを共有すれば「なんて働き者なんだ!」と感心されるはず!

    * * *

    〈 Yahoo!やGoogleで働いたあと、コメディアンとなったサラ・クーパーがつづる女性たちに贈るエール 〉

    男性が気づかない、女性の「職場あるある」を豊富なイラストで風刺!
    「男性社会のサバイブ術」を笑い飛ばしながら、男性社会に過剰適応するよりも「自分が目指したい生き方」を貫くことの大切さに気づかされる、女性を応援する一冊が登場!

    ---------

    本書では、女性がいかにして夢を実現し、キャリアで成功を収め、リーダーになるのかをご説明します。
    男性が今やっているマンスプレイニングを終えたらすぐ始めますので、少々お待ちくださいね。
    ご心配はわかります。彼らのマンスプレイニングって永久じゃないかと思うくらい長く続きますよね。

    * * *

    ……はい、というわけで、本書は「男性が話したいだけ話し終わるのを辛抱強く待っている間に落書きをする空白ページ」をご用意しております。
    それだけでなく「男性のように語りながらも女らしさを失わないコツ」「男性を脅かさずにできる女性向けリーダーシップ戦略」をお教えしたいと思います。

    * * *

    女性のみなさん、本書から得た知識で武装しましょう。
    あなたの成功と幸せのために何が必要か、日頃の振る舞いを思い返しながらお読みください。

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    【目次】
    〈まえがき〉
    本書の執筆中に心を傷つけられた男性はおりません。

    1〈夢と希望〉
    演技し過ぎずに就職面接に成功するコツ

    2〈コミュニケーション〉
    男性のように語りながらも女らしさを失わないコツ

    3〈野心〉
    周囲からうっとうしがられずに出世するコツ

    4〈オーセンティックであること〉
    偽りない自分のままで職場に出勤し、その自分を完璧に隠す方法

    5〈多様性〉
    テック業界の多様性の実際

    6〈リーダーシップ〉
    男性を脅かさずにできる女性向けリーダーシップ戦略

    〈休憩〉
    男性がマンスプレイニングしている間に落書きをするための白紙ページ

    7〈ネゴシエーション〉
    初心者向けガスライティング

    8〈ハラスメント〉
    加害者男性のキャリアを傷つけないよう、上手にセクシャル・ハラスメントを受けるコツ

    9〈成功〉
    独自の冒険を選ぼう──貴方は、他人から好かれたいのですか? それとも成功したいのですか?

    10〈同盟関係〉
    男性のための「よくできましたシール」

    11〈起業家精神[アントレブレナーシップ]〉
    迫力満点の「レディー・ボス」のための完璧なピッチデック

    12〈セルフケア〉
    ストレスだらけでいながらリラックスする方法

    〈すべての結論〉怖い女になろう
    謝辞
    訳者あとがき
  • 〈 稀代の窃盗狂か、恐るべき審美家か? 〉

    ヨーロッパ各地から盗んだ3000億円分の美術品。
    そのあまりに華麗な手口と狂気的な美への執着を暴く、第一級の美術犯罪ノンフィクション。

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    若くして手を染めた美術品窃盗の道。
    使う道具はスイス製アーミ―・ナイフ、ただ一本。
    欧州を股にかけ恋人と盗みに盗んだ、輝くような日々。
    屋根裏部屋に飾っては眺め、撫で、愛し、また盗む。
    その先に待ち受ける想像を超えた結末とは……。
  • 〈「クレヨンしんちゃん」や「ちびまる子ちゃん」の家族はもういない。〉

    父の不在、母のワンオペ育児と家事──。日本の家族の現実は過酷だ。
    それでも多くの人が、「家族」を大切なものと考えている。

    低い出生率と世界一進んだ高齢化、ひとり親世帯の貧困率の、さらには同姓を強いられる唯一の制度を持つ現代の日本の家族とはどのようなものなのか。
    本書は、日本とイギリスの家族を調査、比較しながら、日本の家族の実相を探る。

    ---------

    「ひとりでも生きられるようになってきた現代社会において、それでもなお人が〝家族〟を形成するのはなぜなのか?」

    父が仕事で不在がちでも、ワンオペ育児と家事で女性たちが疲弊しても、意外にも今でも多くの人が、「家族」を大切なものと考えている。

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    保守派が目論む自助を担う器ではなく、フェミニズムが忌避する女性を閉じ込める檻ではなく、一人ひとりが自由で、かつ頼り合える家族をどのように作ることができるのか。
    社会学者たちが自らの体験を踏まえながら家族のこれからを語る。

    《社会学者が分析する日本の家族の実像。日本の未来も、少子化対策も、ここからだ!》

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    【目次】
    ■まえがき
    ■序章………幻想の家族像を捨てる[品田知美]
    ■1…………家族像の輪郭──生活時間の変化から[品田知美]
    ■2…………生活の充実感をもたらすものは何か[高橋幸]
    ■3…………リビングという空間──住まわれ方の日英比較[野田潤]
    ■4…………「郊外」から考える──「家族」と「幸福」の物語[水無田気流]
    ■5…………家族生活の意味論──日本とイギリスの価値意識[品田知美]
    ■終章………離れても共にいても家族[品田知美]

    ■調査概要
    ■座談会……日本の家族像を点描する[品田知美×水無田気流×野田潤×高橋幸]

    ■あとがき
    ■引用文献
  • 【WHITESHIFT[ホワイトシフト]】
    白人マジョリティが徐々に、白人の伝統的文化を身につけた混血人種のマジョリティへと変容していくモデル。
    英国では2100年代に混血の人々がマジョリティになると著者カウフマンは予見する。

    ──その時、世界はどう変わるのか?

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    〈大転換する世界情勢〉欧米で大きな話題を呼んだ必読書!

    地球規模での移民の加速化により、白人は各国で少数派となる。
    白人のアイデンティティが揺らぐなかで台頭するポピュリズム、ナショナリズム、多文化主義に、我々はどう向き合えば良いのか。難民問題への対処に正解はあるのか。
    人口学、社会学、政治学、統計学、心理学 などの知見を動員し、精密なデータをもとに 米・英・欧州・カナダの状況を分析。全ての人が希望を持てるような未来像を模索する。

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    《特別付録》西山隆行氏(成蹊大学教授)による長文解説。

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    【目次】
    ■第一章………白人がマイノリティになる世界―ホワイトシフト

    〈 第一部・闘争 〉
    ■第二章………ホワイトシフト前章アメリカ史におけるWASPから白人への転換
    ■第三章………トランプの台頭―移民時代の民族伝統主義的ナショナリズム
    ■第四章………英国― 英国保護区の崩壊
    ■第五章………欧州における右派ポピュリズムの台頭
    ■第六章………カナダ特殊論― アングロスフィアにおける右派ポピュリズム

    〈 第二部・抑圧 〉
    ■第七章………左派モダニズム―一九世紀のボヘミアンから大学闘争まで
    ■第八章………左派モダニズムと右派ポピュリストの戦い

    〈 第三部・逃亡 〉
    ■第九章………避難― 白人マジョリティの地理的・社会的退却

    〈 第四部・参加 〉
    ■第十章………サラダボウルか坩堝か? ―欧米における異人種間結婚
    ■第十一章……白人マジョリティの未来
    ■第十二章……「非混血の」白人は絶滅するのか?
    ■第十三章……ホワイトシフトのナビゲーション―包摂的な国の包摂的なマジョリティへ

    ■謝辞
    ■解説──西山隆行
    ■参考文献および原注
  • 《 民主主義の危機から、戦争は現れる 》

    格差、移民、差別、陰謀論……分断社会に解決策を示せないリベラル諸国。
    渦巻く不安と不信、露わになるナチズムの脅威。
    アメリカを代表する歴史家が描く、緊迫の第二次大戦前夜。

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    「他国が脅威として現れたとき、民主主義はどう対応すればいいのか」
    「自国のリーダーが無謀で危険、あるいは無能とわかったとき、私たちはどう行動すべきか」

    平和を望む民意を背景に、ヒトラーに譲歩を重ねる英首相チェンバレン。
    ナチの脅威を一人訴え続けるチャーチル。
    孤立主義の立場から機を窺う米大統領ローズヴェルト。
    国内で粛清の嵐を吹き荒らすソ連のスターリン。

    様々な思惑が交錯しながら、世界は戦争への道を進んでいく──。

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    アメリカを代表する歴史家が、1930年代から40年代初頭における民主主義の危機と覚醒を鮮やかに描く。
    〈 『ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか──民主主義が死ぬ日』続編 〉

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    【目次】
    ■主な登場人物
    ■プロローグ……民主主義の危機

    〈 PARTI・危機 〉
    ■1……首相の野望──「生存圏」の拡大
    ■2……グライヴィッツ市で何があったのか──ポーランド侵攻のきっかけ
    ■3……「同罪」──赤軍将校の命運
    ■4……「計画は模索中」──チャーチル、チェンバレン、ローズヴェルト
    ■5……「王は、ここでは理解していらっしゃる」──スキャンダル
    ■6……「将来がとても心配だ」──イギリス空軍戦闘機、スピットファイア
    ■7……鉄格子をこすり続ける──移民受け入れ

    〈 PARTII・ミュンヘン 〉
    ■8……「これだ、私が求めていたのは!」──将官たちの企て
    ■9……「この危険という茨のなかから」──ミュンヘン会談
    ■10……銃口を突きつけられて──民主主義の苦難
    ■11……「不和の種を蒔く」──分断と差別

    〈 PARTIII・戦争 〉
    ■12……「国民のみなさんに申し上げねばなりません......」──宣戦布告
    ■13……「これがプロイセンの将校か!」──指導者への抵抗
    ■14……「力を合わせて、ともに進もうではありませんか」──就任演説

    ■エピローグ……「始まりの終わり」──大西洋憲章

    ■訳者あとがき
    ■参考文献
    ■主な出来事
  • 〈 100年前の9月1日、町は大きく揺れた 〉
    そこに暮らす人びとは、どのように生き延び、記憶したのか。
    人びとの声と文学者などの日記から振り返る関東大震災。

    ---------

    〈 1923年に起きた関東大震災から100年 〉
    著者が地域雑誌『谷根千』を始めたころ、町にはまだ震災を体験した人びとが多く残っていた。
    それらの声とその界隈に住んでいた寺田寅彦、野上弥生子、宮本百合子、芥川龍之介、宇野浩二、宮武外骨らの日記など、膨大な資料を紐解き、関東大震災を振り返る。

    ---------

    「災害は忘れた頃にやってくる」── 寺田寅彦

    「東京の火災いよいよ猛に、一望大いなる熔鉱炉を見るが如し。田端、日暮里、渡辺町等の人人、路上に椅子を据え畳を敷き、屋外に眠らんとするもの少からず」── 芥川龍之介

     * * *

    地震の当日、人々はどのように行動したのか、その後、記憶はどのように受け継がれているのか。
    小さな声の集積は、大きな歴史では記述されない、もう一つの歴史でもある。
    そこから何を学ぶことができるのだろうか。

    《東京大学名誉教授、元東大地震研究所長の平田直氏のロングインタビュー掲載》

    ---------

    【目次】
    ■序言………災害は忘れた頃にやってくる──寺田寅彦
    ■第1章……一九二三年九月一日
    ■第2章……一夜が明けて、九月二日
    ■第3章……本所から神田、浅草など
    ■第4章……震災に乗じて殺された人びと
    ■第5章……救援──被災者のために
    ■第6章……震災で変わった運命
    ■第7章……帝都復興計画
    ■第8章……今までの災害に学ぶこと

    ■正しく怖がり適切に備えるために──東京大学平田直名誉教授に聞く

    〈コラム〉
    ■林芙美子──根津神社の野宿
    ■藤沢清造──小説家のルポルタージュ
    ■宮武外骨──『震災画報』でいち早く知らせる
    ■宮本百合子が二〇代の作家がつづった関東大震災
    ■永井荷風──江戸と明治の終わり

    ■あとがき
  • 〈マジョリティの〝恐怖〟が〝危険なマイノリティ〟の幻影を生む〉

    「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒を入れた」……。
    ──なぜ、根拠のない風説が伝染し、現実の虐殺を生んでしまったのか?

    豊富な資料により、日本近現代史の闇に潜む差別と排除のメカニズムを暴き出す、迫真の評論集!

    ---------

    〈不逞鮮人〉=テロリスト像はいつ、いかにして作られたのか?

    当時の新聞報道や行政文章、市民の証言から文学者・文化人の日記まで……。
    丹念なテクスト読解によって日本近現代史の歩みを辿り、「関東大震災 朝鮮人虐殺」発生の深層に迫る。

    《日韓同時刊行》

    ---------

    【目次】
    ■第1部……〈不逞鮮人〉とは誰か──関東大震災 朝鮮人虐殺を読む
    ■第2部……朴裕宏 ある朝鮮人留学生の死
    ■第3部……ハルビン駅で会いましょう──安重根と伊藤博文の十字路
    ■あとがき
    ■主要参考文献
  • 〈女性作家たちの生涯から読み解く〉
    少女だけでなく、大人の読者も魅了してやまない三人の少女小説作家──オルコット、バーネット、モンゴメリ。

    栄光に包まれた彼女たちの道のりは、決して平坦なものではなかった。
    彼女たちが闘ったジェンダーの壁を、その作品と生涯から読み解く。

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    【目次】
    ■はじめに

    ■第1章 『若草物語』
    反抗の叫び──ルイザ・メイ・オルコット

    ■第2章 『小公子』『小公女』から『秘密の花園』へ
    野ブドウを摘んだ少女──フランシス・ホジソン・バーネット

    ■第3章 「アン」と「エミリー」
    光と闇のはざまで──ルーシー・モード・モンゴメリ

    ■註
    ■おわりに
    ■作家たちが生きた時代
    ■略年表
    ■主な参考図書
  • 〈「もう、リベラルはうんざりだ」?〉
    極右に惹かれる若者たち、移民を不安視する労働者たち、敵視される団塊世代、そして高まるEUへの不信感……。

    近年、欧州で広がる「反リベラリズム」感情の底流には、一体何があるのか?

    EU本部の置かれるベルギー・ブリュッセルに赴任した著者が、揺れる欧州の現場に取材し、不安の根源に迫る、渾身のルポルタージュ!

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    【目次】
    ■プロローグ……リベラリズムの行方
    ■第1章…………若者 vs. 団塊世代?──敵視されるリベラル
    ■第2章…………移民とグローバリゼーション──広がる経済不安
    ■第3章…………緊縮がもたらした分断──リベラル・パラドックス
    ■第4章…………ブレグジットの背後にあるもの──取り残された人々の怒り
    ■第5章…………ポルトガルの奇跡──「反リベラルのメロディー」を越えて
    ■第6章…………新型コロナとインフレ──問われるリベラリズム
    ■エピローグ……未来へと一歩を踏み出す
  • 〈デモでたたかう若者は何を守りたかったのか〉
    絶望的な状況にあっても人々は、文学を読み、音楽を聴き、未来を思い描く。
    迷いや葛藤を抱えて生きる人々、そして失われゆく都市の姿を内側から綴ったノンフィクション。

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    それでも香港はそこに生きる人が愛さずにはいられない文化が息づく街である。
    本土に吞まれていく旧植民地の矛盾や葛藤、そして魅力を柔らかく繊細な感性で描く。

    ---------

    都市から自由が消えていく様に、ともに迷い、引き裂かれつつも、 そこで生きようとする人々の姿に迫っていく。
    ミレニアル世代の著者が記録する激動の一九九七年から二〇二〇年。

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    【目次】
    ■はじめに
    ■断り書き
    ■二〇二一年、香港の地図

    第一部
     ■一九九七年
     ■祭りとしきたり
     ■パラレル・ワールド

    第二部
     ■二〇〇三年
     ■二十二人のルームメート
     ■二〇一四年
     ■五里霧中

    第三部
     ■インターナショナル・スクール出身者
     ■言語を裏切る者
     ■工場へようこそ
     ■煉獄の都市

    ■謝辞
    ■訳者あとがき
    ■原註
  • 1,760(税込)
    著:
    斉藤章佳
    レーベル: ――
    出版社: 亜紀書房

    《 小島慶子さん、推薦!》
    ついに解明された国民病。男性に重い下駄を履かせて死ぬまで働かせ、女性には報われないケア労働を押し付けてきた日本。
    男も女も苦しい社会を変えるために、しんどいあなたが楽になるために、必読の書です。

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    アルコール、薬物、痴漢、万引き、DV……。
    さまざまな依存症に共通する原因は社会構造にあった!

    ジェンダー・ギャップ指数を見るまでもなく、日本は男性優位の国である。
    夫婦別姓も叶わず、男女の賃金格差も世界ワースト2。
    わたしたちは性別役割分業──つまりは「男尊女卑」の考え方にどっぷりと浸かっている。

    ---------

    その社会を勝ち抜こうと男たちはワーカホリックになるまで働いて、ストレスからアルコールや薬物で気分をあげ、満員電車では痴漢や盗撮にはまる。
    日本を蝕む依存症の問題は、男尊女卑による社会の歪みを正さなければ解決しない。

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    〈依存症は男らしさ、女らしさの病〉
    アルコール依存症、痴漢、万引き依存症、盗撮、DVなど、多くの依存症を横断的に見てきた著者が、現代日本の病理を斬り、新しい人と社会のあり方について考える。

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    【目次】
    ◆まえがき──男尊女卑社会が依存症を生む

    1章……日本は男尊女卑依存症社会である
     ■男尊女卑依存社会が依存症を生む
     ■男性優位の社会構造
     ■らしさの価値観をインストールされる
     ■依存症とワーカホリック
     ■ワーカホリックは病気か?
     ■死にいたる働き方
     ■過労死について

    2章……男尊女卑社会とワーカホリック
     ■ワーカホリックはさまざまな依存症のトリガーに
     ■仕事と飲酒
     ■依存症と人間関係
     ■条件付けと報酬系の仕組み
     ■人は生き延びるために依存症になる
     ■依存症と自尊感情
     ■ワーカホリックと自尊感情
     ■ワーカホリックと認知の歪み
     ■加害者家族が抱える苦悩から見える世界

    3章……ワーカホリックと性別役割分業
     ■男性に履かされた下駄の重さ
     ■いまだに続く男は仕事、女は家庭に
     ■依存症は男らしさ、女らしさの病
     ■らしさへの過剰適応

    4章……「男らしさの病」と男尊女卑依存症社会からの脱却
     ■シラフで生きること
     ■感情をみつめる
     ■回復のためのガイドライン

    ◆あとがき
  • 「私は憤慨しとるんですよ」

    ジェンダー平等後進国といわれる日本で、100年前から女性の地位向上を訴えていた人がいた。
    戦前は男性にしかなかった「女性の参政権」を求め、戦後は無所属の参議院議員として人びとに慕われた。

    国際社会の外圧を使い、データを揃え、仲間を募り、社会に波を作る──市川房枝の方法論はいまも褪せない。

    ----------------------

    戦前は平塚らいてうと組んで、女性の参政権を獲得する運動をはじめ、戦後は、参議院員として、女性差別撤廃条約批准を推進させ、男女雇用機会均等法の成立を後押しした。

    戦前の米国行き、ILO(国際労働機関)事務所勤務、独立して婦選活動、終戦後の公職追放、60歳で参議院初当選、87歳で全国区トップ当選──。

    ----------------------

    いまよりさらに男尊女卑、性別役割分業意識が強い時代にあって、どのように社会を動かそうとしたのか?
    そして今、彼女の願った男女平等は、本当に達成されているのか……。

    〈働く女性のトップランナーとして、市川房枝87年の生涯をたどる〉

    ----------------------

    【目次】
    ■はじめに
    序章…………国際連合と日本女性をつなぐ
    第1章………「農家の娘」が一四歳で米国留学を目指す
    第2章………平塚らいてうと女性の参政権をめざす協会設立
    第3章………アメリカへ渡る
    第4章………ILO職員として女性の労働現場を歩く
    第5章………戦前の「婦選」活動
    第6章………戦争を生きぬく
    第7章………公職追放と参政権獲得と
    第8章………無所属の参議院議員として
    第9章………「政治と金」に抗して
    第10章………市川房枝のジェンダー政策
    終章…………ジェンダー平等に向けての「長い列」
    ■おわりに
  • 岩﨑さんの農の話は、種と実りと人の暮らしが巡りながら土地に根差すことの喜びを気づかせてくれる。
    ──皆川 明(ミナ ペルホネン・デザイナー)

     * * *

    野菜の人生について考えたことは初めてでした。
    野菜の一生に寄り添い、野菜と交流し、野菜から学んでいる岩﨑政利さんの言葉は詩人のようです。
    野菜には人間と同じように個性があり多様性を失えば絶えていくことを、この本を通して知りました。
    誇らかに花を咲かせる野菜の姿を見てみたい。日本の風景に野菜の花を取り戻したいと思いました。
    人間にとって「種」とは何かを、問いかけてくれるすばらしい哲学書です。
    ──田口ランディ(作家)

     * * *

    在来種を守るのに大切な視点は、経済や文化だけでない。
    岩﨑さんが語る「人と作物の幸せな関係」というもう一つの視点に、目を開かされた思いです。
    ──江頭宏昌(山形大学農学部教授 [植物遺伝資源学 ] )

    ----------------------

    〈種継ぎ農家が畑で学んだいのちの哲学〉

    長崎・雲仙の肥沃な大地で長年にわたり種採りに情熱を注いできた著者が、まだ見ぬ後継者たち、そして野菜を愛するすべての人に向けて綴った。
    ──農家であることの喜び、野菜と種がもたらす人生の醍醐味とは。

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    施設園芸で化学肥料を極めた若き日から、有機農業と出合いたどり着いた無肥料・不耕起の在来種野菜づくり。
    挫折と孤独、そして大いなる喜びもまた──。

    在来種野菜と種に人生を捧げつづける長崎・雲仙の農家が語る唯一無二の種採り哲学。

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    【もくじ】
    ◆はじめに

    〈第1章 雑木林が教えてくれた〉
     ■農家になりたくなかった
     ■最先端の農業を学ぶ
     ■父とはちがう農業をめざして
     ■原因不明の体調不良
     ■有機農家への転向
     ■消費者団体がいたからこそ
     ■自分がやってきた農業に向き合う
     ■雑木林が私の師
     ■雑木林から見つけた農法
     ■それぞれが農法を極める

    〈第2章 野菜の一生〉
     ■種と生きていく
     ■種を採るという営み
     ■種も人間と司じ
     ■種は心を映す鏡
     ■在米種とF1種
     ■端境期を乗り越える
     ■野菜の花は美しい
     ■花を中心とした多様性
     ■野菜の大往生
     ■種を採ることはひとつの手段
     ■手もとにある50種類の種たち

    〈第3章 個性豊かな種たち〉
     ■おいしさが大切
     ■種がもつ物語
     ■種を受け継ぐ
     ■さりげない野菜とは
     ■平家大根のロマン
     ■野菜を原種の姿へ戻す
     ■種は宝探し
     ■種を旅に出そう

    〈第4章 野菜と暮らす〉
     ■野菜の生きる姿に学ぶ農の世界
     ■食べてみて初めてわかること
     ■野菜の手紙
     ■種をあやす
     ■野菜と暮らしていく
     ■自然を聴いて心(み)る
     ■ひとりの農民ができること
     ■人と作物の良い関係

    〈第5章 また、種を蒔く〉
     ■種を100年残すために
     ■食べてつないでいく
     ■農業という枠から外れたとしても
     ■そこにしかない食を求めて
     ■地域のひとつのモデルとして
     ■種からはじまる
     ■次世代へのバトン

    ◆おわりに

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  • 2,970(税込)
    著:
    酒井隆史
    レーベル: ――
    出版社: 亜紀書房

    「ニッポンにいるのは、賢人気取りばかりだ」

    「ポピュリズム」「反知性主義」「ポスト・トゥルース」
    時代を「象徴」する言説に潜む〈大衆への差別的なまなざし〉。
    資本主義×知識人が一体となって管理・支配しようとする現況を問い、近代社会の土台に存在する、無名の人びとが蓄積してきた知や技術に光を当てる。

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    ◆「中立」の立場から差別する過激中道[エキストリーム・センター]
    ◆ 平等を求める動きへのシニシズム
    ◆ 格差と対立を無視し、円滑な社会運営を志す「秩序派」
    ◆ 愚かな群衆に囲まれていると感じるリベラル知識人のナルシズム

    知的ソースをあげて、スマートに切って捨てる態度、利得と犠牲の計算のような知的操作で、割り切ってみせる態度は根本的には、この世界とは別の世界にむかう衝動や想像力にむけられているようにおもわれるのである。

    〈支配する知ではなく、解放する知を求めて〉
    ──私たちが生き延びるための唯一の方法はデモクラシーを深化させることである。

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    【目次】
    ◆はじめに……賢人とドレイとバカ 二〇二三年、春

    第I部 無知と知、あるいは「大衆の恐怖」について
     01.現代日本の「反・反知性主義」?
     02.「反知性主義」批判の波動──ホフスタッターとラッシュ
     03.ピープルなきところ、ポピュリズムあり──デモクラシーと階級闘争
     04.「この民主主義を守ろうという方法によっては この民主主義を守ることはできない」──丸山眞男とデモスの力能
     05.一九六八年と「事後の生(afterlives)」──津村喬『横議横行論』によせて
     06.「「穏健派」とは、世界で最も穏健じゃない人たちのことだ」──「エキセン現象」をめぐる、なにやらえらそうな人とそうじゃない人の「対話」

    第II部 だれがなにに隷従するのか
     07.「放射脳」を擁護する
     08.「しがみつく者たち」に──水俣・足尾銅山・福島から
     09.自発的隷従論を再考する
     10.「自由を行使する能力のないものには自由は与えられない」──二〇一八年「京大立て看問題」をどう考えるか
     11.「中立的で抑制的」──維新の会と研究者たち
     12.「この町がなくなれば居場所はない」──映画『月夜釡合戦』と釡ヶ崎

    第III部 この世界の外に──抵抗と逃走
     13.「ブラジルで のブレザーなんて着たがるヤツはいない。 殴り倒されるからだ」──二〇二〇年東京オリンピックをめぐる概観
     14. 戦術しかない/戦略しかない──二〇一〇年代の路上における二つの趨勢
     15.「わたしは逃げながら、武器を探すのです」──ジョージ・ジャクソン、アボリショニズム、そしてフランスにおける「権力批判」の起源について
     16.ポリシング、人種資本主義、#BlackLivesMatter
     17.パンデミックと〈資本〉とその宿主
     18.「世界の終わりは資本主義の勝利とともにはじまった」──文明に生の欲動をもたらすもの
     19.すべてのオメラスから歩み去る人びとへ──反平等の時代と外部への想像力

    ◆あとがき

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  • 〈ジャーナリスト、研究者、エッセイストらが、今のネット空間を徹底解説〉

    炎上しない、人を傷つけない、無意識に差別しないため、どんな点に気をつければいいのか、SNSユーザーの基礎知識が満載!

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    生活になくてはならないスマホだけど、SNSではいつも誰かがケンカしているし、何か言ったら絡まれたりする。

    「エコーチェンバー」「フィルターバブル」「アテンション・エコノミー」……。
    ネット空間にはもともと人を孤立化させ、分断してしまう仕組みが組み込まれている。

    ──だけど私たちがスマホを手にして日は浅い。デジタルな時代は始まったばかりだ。

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    インターネットが広く使われるようになってから、まだたったの30年ほど。
    現在主流のSNSの誕生やスマホの普及からは20年も経っていない。
    私たちは今、デジタル人類史の旧石器時代を生きている。(本文より)

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    【目次】
    ■小島慶子……私たちはデジタル原始人──序論にかえて
    ■浜田敬子……眞子さまはなぜここまでバッシングされたのか」
    ■李美淑………炎上する「萌えキャラ」/「美少女キャラ」を考える
    ■田中東子……なぜSNSでは冷静に対話できないのか
    ■治部れんげ・山本恵子・白河桃子……なぜジェンダーでは間違いが起きやすいのか
    ■林香里………スマホ時代の公共の危機──ジェンダーの視点から考える

    ■〈特別対談〉君塚直隆×小島慶子……イギリス王室と皇室は何が違うのか?
    ■〈特別対談〉山口真一×小島慶子……ネット世論は世論ではない
    ■〈コラム〉石川あさみ……子ども向けアニメーションとジェンダー表現

    ■浜田敬子……あとがき
  • 2,090(税込)
    著:
    赤坂憲雄
    レーベル: ――
    出版社: 亜紀書房

    b>〈陸と海、定住と遊動、生と死、虚構と現実、セクシュアリティ…〉
    ──境界線が溶け合うとき硬直した世界に未来の風景が立ち上がる。

    ----------------------

    人は避けがたく、ほんの気まぐれな偶然から、ある者は生き残り、ある者は死んでゆくのです。巨大な災害のあとに、たまたま生き残った人々はどんな思いを抱えて、どのように生きてゆくのか。思えば、それこそが人間たちの歴史を、もっとも深いところから突き動かしてきたものかもしれません。(本文より)

    ----------------------

    いくつもの不条理なできごとの底知れぬさみしさを抱えて、それでもなお生きるための思考。

    ----------------------

    【目次】
    夜語りの前に
     ■災間を生きるために
     ■中世の訪れを予感し、抗いながら
     ■不安は数量化できない

    第一夜……しなやかにして、したたかに。汝の名は
     ■そのとき、友は巡礼に
     ■津波の痕を訪ねて
     ■世界の終わりのような
     ■幽霊と出会うとき
     ■生きとし生けるもの、すべての命のために
     ■山野河海を返してほしい
     ■いのちの思想を紡ぎなおす

    第二夜……東北から、大きなさみしさを抱いて
     ■被災体験に触れる
     ■なぜ、わたしが生き残ったのか
     ■人間の根源的な無責任について
     ■その理不尽に折り合いをつけるために
     ■巨大な体積をもったさみしさ

    第三夜……渚にて。潟化する世界のほとりで
     ■潟化する世界に出会った
     ■海岸線は揺らぎのなかに
     ■人間という原存在への問い
     ■無主の海からみんなの海へ
     ■海のかなたから訪れしもの

    第四夜……民話という、語りと想像力のために
     ■おれは河童を見たことがある
     ■大きな真っ白い鳥が飛んだ
     ■奇譚が遠野と会津を結びなおす
     ■狐に馬鹿にされた、という
     ■民話的想像力によって、布を織る

    第五夜……遊動と定住のはざまに、生きよ
     ■心の考古学は可能か
     ■あらたな飢えと村八分の時代に
     ■われらの内なる山人
     ■定住革命のはじまりに
     ■遊動という離合集散のシステム
     ■住まうことと建てること
     ■妬みや恨みを抱えこんで
     ■分裂病親和性と強迫症親和性
     ■あらたな逃げられる社会は可能か

    ■あとがき
  • ◆ひとは争わずにはいられないの? それは本能?
    ◆そして、戦争はなくならないの?
    ◆平和は達成される?
    ◆ウクライナをはじめ、世界の紛争の裏側は?

    対立、紛争、戦争の「しくみ」、そして「平和」について。
    小学生から大人まで、誰にでも必要な基礎知識がこの一冊に。

    ----------------------

    世界ではいつもどこかで、紛争や戦争が起こっている。
    だから「争い」は人間にとってさけられないことだと思いがちだ。

    でも、この本を読めば、人間は、平和についても不断の努力をつづけていることがわかるだろう。

    どうして人と人、国と国同士で「争い」が生まれるのか?
    ──まずは〈構造〉をしっかりと見つめて、「争い」を乗り越える目を養おう。

    ----------------------

    【目次】
    ■はじめに……紛争ってなに?
    ■1……………なぜ紛争は起きるんだろう?
    ■2……………人と人とを分ける線
    ■3……………協力するか、それとも戦うか?
    ■4……………平和に向かう
    ■5……………紛争の意味を理解する
    ■結論…………君はどう思う?
  • 《俺たちのアイドルは、レーニンじゃない。レノンだ!》

    ソ連時代、ロック少年だった画家スラバと結婚し、ロシアに暮らし始めて5年。
    そこに暮らす人々は破天荒でやけくそに明るい。

    戦争が始まって、ロシアの人々は何を思う?
    ──ロシア暮らしの「いま」をリポートする。

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    著者は、無類のビートルズファンである画家のスラバと結婚し、2018年からイルクーツクに暮らす。

    西側の情報が入らないソ連下で、ロック少年として暮らしたスラバは、ペレストロイカをくぐり抜け、激変する社会を生き抜いてきた。


    彼の波乱に満ちた人生と、自らの人生を重ねながら、別の価値観で動く社会のなか、人々はどのように暮らしているのか、アートや音楽や文学は、彼らをどのように支えているのか。

    〈イルクーツクの人々の本音や生き方に寄り添う、海外事情エッセイ集〉

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    スラバの数奇な半生を主旋律とし、そこに私の半生を対旋律のように織り交ぜつつ、両者が響き合うよう試みた。ドラムやベースの響きも聴こえてくるように、社会背景も適宜盛り込んだ。曲の合間には、個性あふれるスラバの友人たちの物語も、間奏のように挟み込まれている。──「はじめに」より

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    【目次】

    ■はじめに

    01.スラバの部屋
    ■1……シベリア、イルクーツク、Z通り一番地
    ■2……ビートルズで結ばれたきずな
    ■3……愉快でマイペースな仲間たち

    02.ソ連に生まれ、ロシアに生きる
    ■4……サバイバルの時代
    ■5……ペレストロイカ・ノスタルジー
    ■6……夢見がちな野心家たち

    03.二一世紀のビートルズ
    ■7……自分らしい表現を求めて
    ■8……遠ざかるソ連ロック・ビート
    ■9……過去との出会い
    ■10……戦争の暗雲

    ■あとがき
  • 権力者のメンツ、エスカレーションの必然性、内政とのバランス……。
    ──戦争の構造は、驚くほど、いつも同じだ。

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    1960年代、冷戦期に軍事アナリストとしてペンタゴンで働いていたダニエル・エルズバーグは、ベトナム戦争が権力者のメンツや選挙対策によってエスカレートしていくことに疑問を持ち、政府の機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」の暴露を決意する……。

    ----------------------

    インサイダーによるリークは正当化されるのか?
    戦争はどのように作られ、継続するのか?
    なぜ権力者たちは、戦争を止めないのか?
    彼らのメンツは、兵士や市民の命より大切なのか?
    報道の自由とは? 国民の「知る権利」とは?

    ──戦争の構造は、変わらない。
    ──権力は、その力の維持を自己目的化していく。

    資料を縦横無尽に駆使しながら、推理小説のように一気に読ませる歴史ノンフィクション。

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    キッシンジャーは、米機が攻撃しているのは軍事関連、工業関連施設だとして空爆を擁護した。たまたま民家や病院に爆弾が落ちたこともあったが、民間人の死亡は気に留める必要なしと思ったのか、キッシンジャーはさらりと流して終わった。「一般市民の死者数はおそらく四〇〇名から五〇〇名にすぎません」(本文より)
  • 《村井理子さん、推薦!》

    ずっと苦しかった。泣きたい気分だった。
    そんな私の気持ちを受け止めてくれた一冊だ。

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    ──時代が変わっても、家事はラクになっていない!

    なぜ家事は女性の仕事だったのか?
    明治から令和まで、家事と仕事の両立を目指してきた女性たちの歴史、それぞれの時代の暮らしと流行を豊富な資料で解き明かし、家事に対する人々の意識の変遷を読みとく。

    ----------------------

    ●メディアが広げた“幸せな”性別役割分担
    ●「本当は自分でやるべき」に縛られる
    ●育児をレジャー化する「名ばかりイクメン問題」
    ●令和の食卓における効率化と趣味化
    ●一汁一菜ブームが見落とすもの……etc.

    家事のモヤモヤをときほぐし、
    共働き時代の新しいパートナーシップのかたちを考える。

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    【目次】

    ■第1章 家事とお金のままならない関係
    1.家事のムーブメントを加速させた『逃げ恥』
    2.家事代行サービスという方法
    3.「名前のない家事」とは?
    4.家事をやった気になっていばる夫
    5.本当に養っているのは誰?
    6.「マッチョな夫=羊飼い」説
    7.夫婦のパートナーシップ
    8.ケアとクリエイティビティ

    ■第2章「家事=妻の労働」になったのは昭和時代だった
    1.手料理には愛情が必要ですか?
    2.女性たちを縛る「家事=愛情表現」という思い込み
    3.根深く残る母性愛神話
    4.主婦論争が示したもの
    5.女中が必要だった時代
    6.農家の女性たちの生活改善運動

    ■第3章 昭和・平成・令和 食事づくりの現場で
    1.「ていねいな暮らし」への愛憎
    2.男女の役割分担から脱出する
    3.一汁一菜ブームとは何だったのか?
    4.時短料理はなぜブームになったのか?
    5.巣ごもり生活でわかった、自炊力という武器

    ■第4章 家事を「大変!」にするのは何?
    1.カリスマたちが教える、片づけが秘める魔力
    2.お手入れしやすい住まいとは?
    3.実は高度な家事、買いものと献立
    4.「ひと手間」がわずらわしいのはなぜ?
    5.料理が苦痛になるのはなぜ?
    6.家事は一朝一夕には覚えられない
    7.グチを受け止めてくれる人はいますか?
    8.家族とライフスタイル

    ■第5章 シェアするのは難しい?
    1.頼りにならない父親たち
    2.育児に〝当事者意識〞を持っていますか?
    3.大掃除は、家事シェアを日常化させるチャンス!
    4.子どもに料理を教えると……
    5.平等な家事シェアは可能か?
    6.平等なシェアがゴールなのか?
    7.どうする? 家計管理

    ■第6章 ケアと資本主義
    1.『モモ』が描いたケア
    2.主婦たちの虚無感
    3.ケアとは何か?
    4.ケアを閉じ込めた家父長制
    5.資本主義のたくらみ
    6.私たちにできること
  • 《そうだ、大槌だけの新聞をつくろう!》
    町民の、町民による、町民のための小さな「大槌新聞」10年の奮闘記

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    自分が生まれ育った町に何の関心も持たず、文章もろくに書いたことがない引っ込み思案な「わたし」。
    震災を機に踏み出した、町と自身の再生への道のり……。
    被災地復興の光と影、真のメディアとジャーナリズムのあり方を忖度なくあぶり出した、自伝的ノンフィクション。

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    「町のため」と思って創刊しましたが、結局は「自分のため」でした。
    子どもがいない私にとって、大槌新聞の1号1号が子どもです。
    好きでやっている。それでいいんだと思いました。(「おわりに」より)

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    【目次】
    ■はじめに

    第1章……生きる意義を見失っていた震災前
    ■私が生まれ育った町、大槌
    ■大病続きの人生

    第2章……大槌町の新聞を作りたい
    ■津波が襲った日
    ■素人が「大槌新聞」を創刊 

    第3章……地域メディアミックスに挑む
    ■人口1万人の町だからこそ 
    ■選挙で状況が一変する 

    第4章……中断された震災検証
    ■調査不足だった初回の検証 
    ■二度目の検証をしたけれど 
    ■記録誌は「検証」ではない 
    ■誇れる民間のアーカイブ 

    第5章……解体された大槌町旧役場庁舎
    ■保存から一転、解体へ 
    ■解体に熟慮を求めた住民 
    ■訴訟にまで発展した末に 

    第6章……本当の復興はこれから 
    ■課題はいろいろ
     ・縮むまちづくり
     ・官民連携の難しさ
     ・地域情報はコミュニティの基礎
    ■地方自治の現実と可能性
    ・町役場で相次ぐ不祥事 
    ・議会好きだからこそ言いたい 
    ■復興とは何なのか 
     ・税金の無駄にならないために
     ・古くて新しい、お祭りの力

    第7章……創造的メディアをめざして
    ■大槌新聞とマスコミとの違い 
    ■いつか絶対良くなる 

    ■おわりに
  • 刻まれた傷跡と隠された死因。
    死してなお語りつづける骨たちの声に耳を澄ます──。

    DNA鑑定も利かないとき、「骨」の分析は最後の砦。
    解剖学・法人類学の世界的権威が冷静な筆致で解き明かす、人体の不思議とそれを支える骨に秘められた多様性とは?
    生々しい犯罪捜査の実録譚も収録した迫真のドキュメント。

    《頭蓋骨~足先のあらゆる骨片から遺体の身元と人生の物語を読み解く、スリリングな知的エンターテインメント》

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    本書はみなさんを、人体を巡る旅にお連れする。
    人の人生や経験がいかに骨に書き込まれているか。
    その物語を科学の力でどんなふうに明らかにするか。
    そこではきっと、驚くような事実に出合えるだろう。
    まさに、事実は小説より奇なり。

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    【目次】
    ■序章………骨格

    第一部 〈頭部〉頭蓋骨
    ■第一章……脳の容れ物(ブレイン・ボックス)──脳頭蓋
    ■第二章……顔──顔面頭蓋

    第二部 〈体〉頭蓋骨後中軸骨格
    ■第三章……背骨──脊柱
    ■第四章……胸──胸郭
    ■第五章……喉──舌骨と喉頭

    第三部 〈四肢〉頭蓋骨後付属肢骨格
    ■第六章……胸帯(肩帯)
    ■第七章……骨盤帯
    ■第八章……長骨
    ■第九章……手
    ■第十章……足

    ▶尾部
    ▶謝辞
    ▶訳者あとがき
  • 両親を射殺して出頭。しかし「刑事責任能力」はナシ。
    統合失調症により心神喪失した凶悪殺人犯はどこへゆくのか。

    犯罪精神医療界の構造的な歪みと限界を暴く第一級のノンフィクション。
    【精神医療、司法制度に関心のあるすべての人の必読書】

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    愛を知らない孤独な青年が、ある日、自宅で父と母を射殺した。
    しかし、統合失調症のため、司法精神病院へ措置入院となる。

    過剰投薬の拒否、回復の徴候、脱獄未遂、自ら弁護人となっての本人訴訟……。
    ――そして彼は、今なお病院から出られないでいる。

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    犯罪者は逮捕後、世の人々の前からは消えるが、いなくなったわけではない。人生は続くのだ。重警備の刑務所で、あるいは司法精神病院で……。

    本書は、評決が読み上げられ、判決が下されたところからはじまる物語だ。
    複雑かつ混沌としてはいるが、その後のストーリーはひっそりと、たしかに存在している――。


    《当代随一のノンフィクション作家にして精神分析医が描く、殺人犯の青年に降りかかった判決後の驚くべき人生とは》

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    【目次】
    ■はじめに

    1……止まった時間
    2……汝の父母を敬え
    3……想定外の誕生
    4……水よりも濃し
    5……罪の重さは
    6……「フォーカス・オン・フィクション」
    7……第八病棟
    8……リハビリと抗精神病薬
    9……「拘束衣を解いて」
    10……過剰に宗教的
    11……転換点
    12……薬男
    13……疑惑
    14……思考犯罪
    15……怒りと拘束
    16……煉獄
    17……レディ・キラー
    18……「みな恐れている」
    19……本人訴訟
    20……正気が回復するまで

    ■訳者あとがき
  • 戦争、洪水、貧困……世界は恐ろしいニュースにあふれている。
    世界はほんとにお先まっ暗なの? ——〈答えはNO!〉

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      民主主義の社会に暮らす人がいまほど多い時代はない。
      学校に通う子どもの数も一番多いし、女の子の数も一番多い。
      清潔な水やトイレを利用できる人の数もいままでで一番多い。
      多くのアートが自宅のソファで見られるようになっている。
      貧困率も下がっている。
      気候変動を抑えるために森を守る人が増えている。
      政治のトップには女性たちが入るようになった。

    ——「ね、世界や人間は捨てたものじゃない。希望は簡単に捨てられないんだ」

    データや事実を見れば、たくさんのよいニュースがある!
    たたかうに値する課題ばかりだ!

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    【目次】
    ■はじめに

    ■第1章 人はやさしさと共感と希望にみちている
    ■第2章 政治はよくなっている——リーダーとドリームチーム
    ■第3章 美しい地球を取りもどす——環境を守る
    ■第4章 すべての人をすこやかに——世界に医療と衛生を
    ■第5章 みんながかがやける社会に——不平等をなくす
    ■第6章 アートってすばらしい——エリートでなくてもOK

    ■これからのこと
    ■おもな情報源

    ■訳者あとがき

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  • 《コミュニケーションで悩む人たちへ》

    コミュニケーションや感情表現が上手できないと悩んだ著者はやがて、当たり障りなく人とやり取りする技術を身につけていく。

    だが、難なく意思疎通ができることは、本当に良いこと、正しいことなのか。
    なめらかにしゃべれてしまうことの方が、奇妙なのではないか。

    「言語とは何なのか」「自分を言葉で表現するとは、どういうことなのか」の深層に迫る、自身の体験を踏まえた「当事者研究」。


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    自分だけのものであるはずの感情を、多くの人に共通する「言葉で表す」ことなど、どうしてできるのだろうか。
    そして、人に「伝える」とはどういうことなのか――。

    言葉、存在、コミュニケーションをめぐる思考の旅が始まる。

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    【目次】
    ■はじめに

    ■1章 それぞれのタイムラインを生きるしかない——定型発達という呪縛
    ■2章 胚胎期間という冗長な生き延び方
    ■3章 社会なしに生きられないが、社会だけでは生きるに値しない
    ■4章 自律と自立を手にするための学習
    ■5章 絶望を冗長化させる

    ■あとがき


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  • 《竣工55周年記念出版》


    来る者を拒まず、去る者を追わず――
    その存在は常に変わりゆく時代とともあった。
    1966年から変転を続けるNBW(中野ブロードウェイ)の世界へようこそ


    屋上プール付き分譲マンションと「まんだらけ」などのサブカル店舗群が同居した異空間。活況のインバウンドとコロナ禍を経て、“昭和の不沈艦” は今なおアメーバ的進化を続ける。
    当地に暮らす著者がその全貌に迫った異色ルポ。


    中央線文化圏を先導した巨大建造物の伝説と現在


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    〈本書に登場する中野ブロードウェイのお店とゆかりの人々〉
    ■古川会長率いる「まんだらけ」
    ■激安弁当の「シャルマン」
    ■8段ソフトクリームの「デイリーチコ」
    ■店内コンサートで賑わう「中野名曲堂」
    ■高級時計店の老舗「ジャックロード」
    ■占いの「染心堂」「ばるばら」
    ■村上隆の「Tonari no Zingaro」

    「TRIO」三田隆司、渡辺浩弐、大槻ケンヂ、タブレット純、沖縄電子少女彩、春日武彦、青島美幸、金子義孝……他多数。

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  • 《ささやかだけど、かけがえのないことが、世界を変えていく》

    環境問題の先駆者として名高い科学者レイチェル・カーソンが、愛する甥に遺した『センス・オブ・ワンダー』。
    その小さな本には、危機の時代を生きるための大きなヒントが詰まっている。

    仕事や人間関係など身近な生活のレベルから気候変動までを貫く不滅のメッセージを、批評家・若松英輔が読み解く。


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    私たちは確かに自分に必要なものを、自分で見つけることができます。ただ、 そのときの「自分」とは他者に開かれた「自分」なのです。

    「よろこび」が先にあれば、必ず「学び」は起こる。本当に、深いところでよろこびを経験すると、私たちのなかで「学ぶ」というもう一つの本能が開花する、そうレイチェルは感じています。


    ――「ただ、相手と共にいて、一緒に驚き、よろこぶこと」が育む、未来を切り開くちからとは。

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  • たまかさんほど被害者目線に立って性暴力について書いてきた人を知らない。
    もう社会は変わらなければいけない。
    ――長田杏奈(ライター)



    日本では、多くの女性が痴漢に遭う。
    みんな、あまりにも日常的すぎて、なんでもないことのようにやり過ごしてしまう。

    日本では、レイプに遭ったら、必ずしも法律が被害者を守ってはくれない。長い間、これはおかしいと声を上げてきた人たちがいるが、その声はかき消されてきた。

    性犯罪や性暴力に対して声を上げてもなかなか信じてもらえない。
    単に告発だと受け取られる。
    でも、その声からは、内省も、やさしさも、前に行こうと信じる力も感じられるはずだ。


    2017年性犯罪刑法が改正され、#metoo が続き、2019年4つの性犯罪裁判が立て続けに無罪となり、フラワーデモが起こった。
    本書は、まだ社会に届かない小さな声の集積だ。


    あなたの隣人、友人、家族も当事者になりうる。
    性犯罪、性暴力への偏見や誤解をほぐし、やさしい社会を築くため、2017年から2021年、女性たち、支援者たちの声の記録。


    ___________________

    【もくじ】

    はじめに

    1 性犯罪刑法と#me tooとフラワーデモ
    2 高校生が、電車で、性暴力被害にあう
    3 キメツけられる
    4 人はフェミニストになる
    5 女は怖いのか
    6 境にいる人
    7 未来のことを考え隊
    8 男社会の門番
    9 痴漢は短いスカートのせい
    10 痴漢が「お客様」だった頃

    あとがき
  • 「面白おかしくしたいから聞いているんだろ」
    「いや、何が問題かと思っているかを聞きたいから、聞いているんです」
    2021年2月4日。
    女性蔑視発言に関する謝罪会見で森喜朗氏に迫った澤田記者の「更問い」は、世論のうねりを引き起こし、社会を動かすきっかけとなった。
    特別なことをしたわけではない。
    おかしいと思ったことに声を上げ、真意を確かめ、その声を放送にのせる。
    人数は絶滅危惧種並み、取材予算もテレビや新聞と比べてはるかに少ない「ラジオ記者」。
    マイク一本で伝えられることは限られているのか? そんなことはない。
    逆境をものともせず日々取材に奔走する記者から届いた、令和の時代のラジオ論。

    TBSラジオ「Session」「アシタノカレッジ」など、
    ニュースを日々声で伝える #澤田記者、初の著書!

    澤田さんの声は、
    1人の「記者」あるいは職業人である前に
    まず1人の個人として、1人の父として、
    そしてこの国に生きる市民として
    精一杯の叫びを届けているように感じます。
    だからこそ、どんな権威にも屈せず、
    私たちの声を届ける力があると思うのです。
    ――辻愛沙子さん(クリエイティブディレクター)


    【もくじ】

    ■ プロローグ

    ■ 第一章 自分にとってラジオとは
     ラジオの原点
     TBSラジオとの出会いは「アクセス」
     TBSラジオへ
     社内で新聞を読む日々
     森本毅郎さんに学んだ、ニュースを複眼で見る力
     「人脈を作ってこい!」……突然のテレビ出向
     「オン日程」と「オフ取材」
     「代表おろし」で出し抜かれ、そして出し抜き返す 
     男性記者、育休をとる
     「サンデーモーニング」でテレビ番組の作り方を学ぶ
     大人になって実感した得手不得手

    ■ 第二章 ラジオ記者とはどういう仕事か
     ニュース番組ディレクターとして再出発
     森友学園・籠池理事長の生インタビュー! ラジオでの発言が国会へ
     「薬物報道ガイドラインを作ろう!」が変えた薬物報道 
     国会をもっと身近に、「国会論戦・珍プレー!好プレー!」
     既存のニュース番組に対する受け手側の不満
     ラジオ記者とは何者か? 
     ラジオ記者は説滅危惧種!?
     〝非主流メディア〟だからこそできること
     「パンケーキ懇談」に見るメディアと政治の距離

    ■ 第三章  森喜朗会見と東京オリンピック・パラリンピック報道
     それは前日から始まった
     会見場ではなく〝ぶら下がり〟
     怒濤の十九分が始まった
     元首相との対峙
     あっけない幕切れ
     会見に対する森氏、組織委員会の姿勢 
     電撃辞任、後任人事のゴタゴタ  
     Clubhouseでリスナーと作戦会議 
     準備万端で会見へ……のはずが
     橋本会長の誕生、女性理事の就任、組織委員会のジェンダー平等
     「声を上げる」大事さ
     国民感情は無視! オリンピック・パラリンピック関係者取材

    ■ 第四章 国会はいかなる場所か――ニュースの現場を歩く
     国会担当ラジオ記者は何をしているのか?
     国会が好きすぎるラジオ記者
     入れないなら裏側をしゃべる――ひとり記者の戦い方
     映像では伝えられないニュースの一面を伝える
     継続して伝える
     永田町を飛び出し、チームで取り組む「新型コロナ取材」
     ひとり記者、だけど「ひとり」じゃない
     会見・囲み取材はチーム戦――更問いで言質をつかむ

    ■ 第五章 声を上げる、声を届ける――ラジオジャーナリズムはどこへ
     経験の上に成り立つリアリティ
     細部から本質を見る――東日本大震災取材
     市町村によって被災の景色が変わる理由
     内に向けて話すこと、外に向けて話すこと
     東京から伝え続ける意味、演劇を通して福島に向き合う
     ラジオは斜陽メディアなのか――始まった新たな取り組み
     声を上げ続けること
     顔の見えるメディアへ

    ■ あとがき
  • 「病院に入りたいなら、頭がおかしいふりをしなくちゃ」

    脳炎を精神病と誤診された過去を持つジャーナリストは、かつて全米医学会を大きく揺るがした心理学実験――精神病患者になりすまして病棟に潜入する「ローゼンハン実験」の調査・取材を開始する。やがて、実験に隠されたある奇妙な点に気が付く。次第に明らかになる衝撃の真実とは...!?

    「これは患者5213号の初入院の模様である。名前はデヴィッド・ルーリー。39歳のコピーライターで、子どもが2人いる。頭の中で声が聞こえるという。しかしそこには問題があった。彼はコピーライターでもないし、ルーリーという名字でもない。じつはそんな人物は存在しないのだ。実在しない『デヴィッド・ルーリー』は偽患者だった。約50年前、医師が精神病患者とそうでない人を区別できるのかどうか確かめるために、精神科施設にみずから入院した8人の健常者のうちの最初の1人なのである」(本書より)

    「調査報道の偉業。探偵小説のような説得力」(「エコノミスト」誌)



    【目次】
    ■ はじめに

    第1部
     第1章 鏡像
     第2章 ネリー・ブライ
     第3章 狂気の存在する場所
     第4章 狂気の場所で正気でいること
     第5章 謎が謎に包まれている謎の男

    第2部
     第6章 デヴィッドの本質
     第7章 「ゆっくり進め、場合によっては足踏みのままでもいい」
     第8章 「わたしなら、正体を隠しとおせるかもしれない」
     第9章 入院許可
     第10章 マッドハウスで過ごした九日間

    第3部
     第11章 潜入する
     第12章 ……結局、人が正気かどうかわかるのは正気でない人だけだ
     第13章 W・アンダーウッド
     第14章 クレイジーエイト
     第15章 第一一病棟
     第16章 氷の上の魂
     第17章 ローズマリー・ケネディ

    第4部
     第18章 真実の追求者 
     第19章 「ほかの疑問はすべてここから生まれる」
     第20章 標準化
     第21章 SCID

    第5部
     第22章 脚注
     第23章 「すべては君の頭の中に」
     第24章 影の精神衛生ケアシステム
     第25章 決定打
     第26章 疫病
     第27章 木星の月

    ■ エピローグ

    ■ 謝辞
    ■ 訳者あとがき
    ■ 原注
    ■ 図版・資料許諾
  • 〈代案があります!〉野党の主張に耳を傾けるインタビュー集

    アベノミクスであなたは豊かになりましたか?
    なぜ賃金がずっとあがらないままなのでしょうか?
    日本はなぜ景気が浮上しないのでしょうか?

    ――野党の経済政策の達人たちが、その疑問に答えます。


    【本書でお話ししてくださった方々】
    ■立憲民主党………江田憲司氏、落合貴之氏
    ■日本共産党……………大門実紀史氏
    ■日本維新の会……浅田均氏、藤田文武氏
    ■国民民主党………大塚耕平氏
    ■社会民主党……………大椿ゆうこ氏
    ■れいわ新選組……北村イタル氏
    ■旧NHKから国民を守る党……浜田聡氏
    ■亀井静香氏


    大多数の国民が普通に暮らせる国には、健全な政治が必要です。

    消費税を下げ、所得税、法人税等の歪みを直せば、財源は作れます。
    そして健全な財政出動をすれば、日本は暮らしやすい国に生まれ変わります。

    方法は様々だけれど、緊縮財政が必要、財政健全化は必須の声に惑わされてはいけません。
    先が見通せれば、私たちの財布の紐も緩みます。そうすれば必然的に景気は上がっていくのです。


    本書は希望の経済学への招待だ――宮台真司さん
    これで景気は良くなる! 間違いない――長井秀和さん
  • 「#検察庁法改正に抗議します」のTwitterデモ仕掛け人による、初の著作!


    男性中心の広告業界でがむしゃらに働いてきた20代。
    気が付けば、同世代の男性は結婚し、仕事でも飛躍している。
    なのに自分は彼氏もできない。
    焦って婚活したものの、高学歴・高所得・仕事での成功が壁となる。

    容姿で判断されたり、会議で意見が通らなかったり、男性との賃金格差だったり、――なんだか辛くて生きにくい。


    あるとき、その理由がわかった。
    それは、女性がひとりで生きていくことが難しくなるように、男性に依存しなければいけないように、この社会が作られているからだった。

    「…………ぜんぶ運命だったんかい」
    「私の運命は、この社会の構造の上に敷かれたものだったんだ」


    ひとりの女性がフェミニズム、そして社会活動に目覚めるまでを涙と笑いで綴るエッセイ集。



    【もくじ】
    ■ おじさん社会と女子の青春
    ■ おじさん社会と婚活女子
    ■ おじさん社会の真実
    ■ おじさん社会からの脱落
    ■ おじさん社会への逆襲
    ■ 声を上げてみたくなったら
    ■ あとがき
  • 刊行以来、賛否両論を巻き起こしたエスノグラフィ、ついに翻訳。

    社会学の巨人アーヴィング・ゴッフマンを父にもつ著者・アリスは、フィラデルフィアの黒人居住地区「六番ストリート」に六年間暮らし、さまざまな罪状で追われる若者たちと日々を過ごす。

    頻繁に行われる逃走劇や、警察による家宅捜索、刑務所を訪れる恋人や犯罪に加担する家族たち——。
    麻薬や殺人とも深く結びついた生々しい営みをつぶさに観察していく中で、アリスは大きな事件に巻き込まれていく。


    犯罪が日常化した暮らし、巨大な影響を及ぼす司法システム、それに対する人々の一筋縄ではない関わり……。「これが、アメリカで生きる黒人たちのリアル」



    【目次】
    ■ プロローグ
    ■ まえがき
    序章
    第一章 六番ストリートの少年たちと彼ら彼らの法律上の問題
    第二章 逃走術
    第三章 警察がドアをガンガン叩くとき
    第四章 法律上の問題を個人的に使える手立てに変える
    第五章 犯罪者となった若者たちの社会生活
    第六章 保護と特典の市場
    第七章 クリーンな人々
    結論 逃亡者のコミュニティ
    ■ エピローグ——六番ストリートを離れる
    ■ 謝辞
    ■ 付録——方法論ノート
    ■ 原注
    ■ 訳者解説
  • ウイルスは「敵」なのか? それとも――?

    人類学、哲学、批評、アート、小説、精神分析、ビッグヒストリー、妖怪、科学史……。
    ジャンルを異にする俊英たちが、コロナ禍が露わにした二元論の陥穽をすり抜け、「あいだ」に息づく世界の実相を探る。刺激的な八つの対話集。


    刻々と迫りくる感染症と、その対策に奔走する我々。
    緊急事態宣言下の日本で行われた八つの対談は、未曾有の事態を普遍的な観点から見つめ直す、二つのまなざしが直交する対話の記録である。



    【目次】

    ■ TALK 01 奥野克巳 × 近藤祉秋
    ウイルスは人と動物の「あいだ」に生成する

    ■ TALK 02 逆卷しとね × 尾崎日菜子
    接触と隔離の「あいだ」を考える

    ■ TALK 03 吉村萬壱 × 上妻世海
    私と国の「あいだ」を/で問い直す

    ■ TALK 04 清水高志 × 甲田烈
    既知と未知の「あいだ」の政治

    ■ TALK 05 松本卓也 × 東畑開人
    心と身体の「あいだ」を考える

    ■ TALK 06 山川冬樹 × 村山悟郎
    隔離され、画像化された二つの「顔」、その「あいだ」で

    ■ TALK 07 辻村伸雄 × 石倉敏明
    歴史と神話の「あいだ」の実践

    ■ TALK 08 塚原東吾 × 平田周
    グローバルとローカルの来たるべき「あいだ」へ
  • リストラ、大病、災害、パンデミック……危機は必ず、またやってくる!
    貯蓄ゼロのあなたへ――ちょっとした工夫と考え方、公的資金の賢い使い方で、今度こそ達成!

    ■「保険を整理したい」あなたは… → 2章
    ■「年金がもらえるか心配」なあなたは… → 3章
    ■「消費税がさらに上がったら困る」あなたは… → 5章


    【佐藤式の貯蓄術】とは……
    ① 必要なお金、楽しいことに使うお金を削るのではなく、無駄な支出を見直すこと
    ② お金だけを貯めるだけではなく、年金、公的支援などの知識を貯めること
    ③ 状況に応じて、うまく生活を変化させていく対応力のある生活スタイルを
    ④ 良好な人間関係を蓄えておくことも、貯めておきたいこと
    ⑤ 困っている人に優しい制度を国が整備してくれるように政治の動きに興味を持つ


    ムダをなくして、老後のために今を犠牲にせずに、軽やかに生きる。
    「貯蓄は安心と自由のために」をモットーに、危機に耐えうる生活術と考え方を伝授します。
  • 1,980(税込)
    著:
    白田秀彰
    レーベル: ――
    出版社: 亜紀書房

    「えっちなのはいけません!」という社会規範は、いかにして生まれたのか?

    気鋭の法学者が、性表現規制の東西の歴史を読みとき、その背後にある政治的な力学を鮮やかに描きだす、必読文献!

    東浩紀さん、宮台真司さん 推薦!

    性表現規制の歴史は、
    「自分より道徳的に劣る人々」を発見し、保護する歴史にほかならなかった!
    表現規制に関心のあるすべての読者、必携の書。
    (東浩紀)

    法の猥褻と習俗の猥褻はどのように異なるのか。
    習俗の猥褻は社会の階層構造に沿って変化する。
    法の猥褻はそれを参照しつつも統治目的に従う。
    本書は猥褻を規定する社会の力を徹底解明した。
    (宮台真司)

    装画=山本直樹

    【目次】
    第一章(基礎編) 「猥褻」とはそもそも何なのか 
    第二章(歴史編) 「性(えっち)」の比較社会論
    第三章(近代史編) 市民社会と道徳
    第四章(法制史編) 「えっちな表現」はいかに取り締まられてきたか 
    第五章(法制史編その2) 「えっちな表現」規制はいかに制度化されたか
    第六章(日本編) 日本における性表現規制の歴史
  • 想像を絶する悲惨な体験を記憶し続けるために——

    18世紀末、新天地を求めロシアに渡り農業で繁栄したドイツ人移民たちはその後、ロシアの体制変化の中で権利を剥奪されていく。
    飢饉と疫病、強制移動、強制労働など、相次ぐ悲惨な出来事を生き抜き、やがて世界各国へ再移住していった人々の姿を、近代ロシア民衆史研究に身を捧げてきた歴史家が鮮やかに描き出す。

    権力に翻弄されながら悲劇を生き抜いていった不屈の民の息遣いが、当時の文献や新聞記事、手紙、世界各国に散った子孫たちの証言によって浮かび上がる、歴史研究の精華。

    他民族の社会への移住と受容・同化、戦争における民族問題、難民・飢餓にたいする国家の対策と国際支援、強制移住と強制労働、再移住先を探す国際的交渉、苦境からの脱出といった問題を潜り抜けてきた彼らの経験から、我々は現代への歴史的メッセージをどれだけ引用し得るのか、自らの知恵が厳しく試されている。——本文より



    【目次】
    総説 「移動を強いられた民」ロシアドイツ人
    序説 ドイツからロシアへの移住(ヴォルガ地方、南ロシア)——一八世紀末—一九世紀初頭

    第Ⅰ部 ロシアの歴史のなかに生きる——帝政・世界大戦・革命・飢饉・圧政

    第二章 帝政期ヴォルガ下流域におけるドイツ人入植地の社会経済生活
    第三章 第一次世界大戦とロシアドイツ人——忠誠・従軍・捕虜・土地収用・強制移住
    第四章 ロシア革命・内戦とロシアドイツ人——マフノ軍・赤軍と戦う
    第五章 ヴォルガに鳴り響く弔鐘——一九二一—二二年飢饉とドイツ人移民
    第六章 アンナ・ヤウクの生の軌跡——戦争・革命・飢餓・ドイツ移住
    第七章 強制移住(一九四一年)と強制労働(労働軍)——体験者の証言

    第Ⅱ部 苦境からの脱出——国外移住

    第八章 北アメリカへの移住——合衆国北西部の甜菜栽培
    第九章 南アメリカへの移住——アルゼンチン移住当初のロシア的共同体秩序
    第十章 スターリン体制を逃れて中国ハルビン、そして南北アメリカへ——アムール川、ウスリー川を越えて
    [補説] 満洲の異文化社会に生きたリップハルト家一族
    第十一章 祖国ドイツへの移住——帝政期、ソ連およびソ連邦崩壊以後

    ■ おわりに
    ■ あとがき
    ■ 初出一覧
    ■ 史料・参考文献
    ■ Danksagung
    ■ Inhaltsverzeichnis
  • 日系移民の子孫たちの言葉から浮かび上がる、もう一つの日本近代史

    移民たちはみな未知なる世界へと旅に出たが
    それは“同一性・帰属意識”を探求する旅でもあった
    だが彼らは帰る場所を探しているわけではない
    陽が昇る未来に向かい今も旅を続けているのだ
    --宮沢和史氏

    出会えば出会うほどわからなくなる。それでも少しずつわかっていく。
    期待を現実で溶かしていくための、ゆっくりで誠実な旅の記録。
    --望月優大氏

    私もそうだけど、もう誰もかもがじつは日系移民なんだな、
    たまたま日本に住み続けてまだ移動してないだけで。
    そのあり方は私たちが思っている「日本人」よりはるかに多彩だ。
    --星野智幸氏

    この本を読み進めていて何より実感できたのは、
    私たちがどんな国に帰属していようと、どこに移り住もうと、
    所詮は誰しも地球という惑星の、逞しき住民ということだ
    --ヤマザキマリ氏


    沖縄からペルーへ移住した先祖を持ち、首都リマで生まれた演出家。
    二〇年ぶりに訪れた生まれ故郷で、沖縄系日系人の祭りに参加する。
    ——自分もここで日系人として育っていたかもしれない。
    かつて多くの日本人が南米へ渡った。
    その子孫にあたる若者たちの話を聞きたい。
    ペルー、アルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、ボリビア。
    彼らをたずねる旅が始まった。



    【目次】
    1.Perú ペルー
    ■ 沖縄
    ■ ペルーに生まれて
    ■ ステージの上

    2.Argentina アルゼンチン
    ■ フアン一家
    ■ 出生地主義

    3.Paraguay パラグアイ
    ■ ブエノスアイレス → ラパス移住地
    ■ サッカーを遊ぶ
    ■ 若者たちへのインタビュー
    ■ 蜜蜂の巣箱

    4.Brasil ブラジル
    ■ 港町サントス
    ■ サンパウロとサッポロ
    ■ ヨシオさん

    5.Bolivia ボリビア
    ■ 低地ボリビア
    ■ キャンプ
    ■ めんそ~れ
    ■ 沖縄の人だもん
    ■ 飲み会にて
    ■ ボリビア大移動
    ■ ルレナバケの日本祭り
    ■ リベラルタ、旅のおわり

    en Kioto 京都にて

    謝辞
    参考文献
    初出
  • すべてを「ウザい」の一言で済ませてしまう大学生。「いまのお気持ちは?」以外に聞くことができないマスメディア。問題が勃発するたびに口を閉ざす政治家……。日本社会の停滞は、言葉が圧倒的に足りないことが原因なのでは?
    こうした閉塞感を打開するべく、「豊かな言葉とたくさんのおしゃべりこそが、これからの日本を救う」と一人のセンセイが立ち上がった。
    教育現場、会社、メディア、国会など、さまざまな例をあげながら、日本の現状と未来について語り尽くす。言葉の問題をとおして考えた〈現代日本論〉。
  • バージョンアップせよ、これが左派の最新型だ!

    日本のリベラル・左派の躓きの石は、「経済」という下部構造の忘却にあった!
    アイデンティティ政治を超えて、「経済にデモクラシーを」求めよう。

    左派の最優先課題は「経済」である。

    「誰もがきちんと経済について語ることができるようにするということは、善き社会の必須条件であり、真のデモクラシーの前提条件だ」
    欧州の左派がいまこの前提条件を確立するために動いているのは、経世済民という政治のベーシックに戻り、豊かだったはずの時代の分け前に預かれなかった人々と共に立つことが、トランプや極右政党台頭の時代に対する左派からのたった一つの有効なアンサーであると確信するからだ。
     ならば経済のデモクラシー度が欧州国と比べても非常に低い日本には、こうした左派の「気づき」がより切実に必要なはずだ。(ブレイディみかこ/本書より)

    【目次】
    第1章:下部構造を忘れた左翼
    第2章:「古くて新しい」お金と階級の話
    補論1:来るべきレフト3.0に向けて
    第3章:左と右からの反緊縮の波
    第4章:万国のプロレタリアートは団結せよ!
    補論2:新自由主義からケインズ、そしてマルクスへ
  • 悲しいと感じるとき、亡き愛する人を感じたことはないだろうか。
    悲しいのは、亡き人が近くにいるからだ、そう思ったことはないだろうか。

    西田幾多郎、鈴木大拙、田辺元、井筒俊彦、小林秀雄、柳田國男、池田晶子、須賀敦子……。
    日本思想史に連なる人々との「対話」を通過して、「死者の哲学」が立ち上がる。
    若松英輔のエッセンスが詰まった初期の代表作に三篇の新原稿を加えて編む。


    2011年の3月11日、君は大切な人を亡くした。
    ——その前年2月7日、ぼくも妻を喪った。
  • 分断、移民、グローバリズム、フェイクニュース……
    独裁者は見慣れた場所から生まれる。


    ナチ党の活動は、第一次大戦後に英米が押し進める国際協調、経済的にはグローバリゼーションに対する抵抗だった。
    戦後賠償だけがドイツを追い詰めたわけではない。

    ロシア革命などによる東方からの難民、共産主義への保守層の拒否感、社会の激しい分断、正規軍と準軍事組織の割拠、世界恐慌、「ヒトラーはコントロールできる」とするエリートたちの傲慢と誤算……アメリカを代表する研究者が描くヒトラーがドイツを掌握するまで。

    ——現代は1930年代の再来?



    【目次】
    イントロダクション
    1 八月と一一月
    2 「信じてはいけない、彼が本当のことを言っていると」
    3 血のメーデーと忍び寄る影
    4 飢餓宰相と世界恐慌
    5 国家非常事態と陰謀
    6 ボヘミア上等兵と貴族騎手
    7 強制的同質化と授権法
    8 「あの男を追い落とさねばならない」
    訳者 あとがき
    ナチ党が政権をとるまでの主な出来事
  • 1,540(税込)
    著:
    尹雄大
    レーベル: ――
    出版社: 亜紀書房

    ジェーン・スーさん推薦!
    「個人的な経験を丁寧に解していくと、そこに社会が現れる。
    読後、自分の話にじっくり耳を傾けてもらえたような充足感を得る人は多いだろう。
    私もそのひとりだ」


    僕らはいい加減、都合のいい妄想から目を覚まさなければならない。
    圧倒的な非対称を生きる僕らは、どうしてその事実に気づけないのか。
    真に女性と、他者とつながるために、乗り越えねばならない「男性性」の正体とは何か。

    50歳となった著者が、自らの体験を出発点に「いかにして男はマッチョになるのか」「どうすれば男性性を脱ぎ去ることができるのか」を問う。
    ——これまでにない男性をめぐる当事者研究!



    【目次】
    はじめに
    1章 どのようにあたかも自然と男は男になってきたのか
    2章 恐怖と勇気が与え、奪い去ったもの
    3章 切断の恐怖と悲しみと痛み
    4章 猥談とノリ
    5章 男性性と女性性
    終わりに
  • 学費のため風俗に走る女子大生、貧困地域で蔓延する主婦の売春、低賃金で部品のように働かされる介護現場。
    ——「貧困」は社会のいちばん弱い部分を直撃する。

    バブル崩壊から日本社会は転げ落ちはじめた。
    終身雇用、労働組合のあり方、すべてが時代遅れとされ、ネオリベ(新自由主義)と自己責任論が社会を席捲した。

    そこで犠牲になったのは、主に女性たちと若者。
    そして、いま中年男性が狙われている。

    国が決めたマクロな政策はときに末端の人々を壮絶な現実に陥れる。
    ——衰退途上国で、次に堕ちるのは、中年の男たちだ。

    衰退途上国・日本の現状を徹底討論したノンフィクションライターと政治学者による平成30年史。そして未来は?

    【目次】
    プロローグ 新自由主義とは
    1 コロナ禍が浮き彫りにした見たくなかった現実
    2 コロナがなければ、中年男性が死ぬはずだった
    3 どうして団塊の世代だけが恵まれるのか
    4 分断をこえて、ポストコロナを生きる

    あとがき
    ・なによりも死にたくないという覚悟を——中村淳彦
    ・政治の行き詰まりと私たちのこれから——藤井達夫
  • 本書の鏡に映っているのは、過去に膨大な書物のなかに見ていたアメリカであり、そのアメリカを通してみる日本の姿だ。

    岩倉使節団の一員・久米邦武『米欧回覧実記』や、江藤淳『アメリカと私』を頼りに、サンフランシスコを歩き、アーリントン墓地を訪ね、大陸横断鉄道に乗る。
    否応なく関係を迫られる大国アメリカ。
    過去の日本人がどうアメリカを見、刺激を受け、自己規定をしていったのか。
    過去と現在を行ったり来たりしながら、アメリカを通して日本のこれからを考える歴史エッセイ。

    ——僕らは一五〇年以上、翻弄されつづけている。

    【目次】
    Tokyo,Haneda,August 19,2019
    旧グランドホテル前にて
    開国とはなにか
    即ち日本士人の脳は白紙の如し
    一七年ぶりの再会
    分断社会
    ジョージタウン大学での講義
    講演会の日
    Pearl Harbor,December 7,1941
    私の保守主義観
    カリフォルニア・ゼファー
    最後のサンフランシスコ
    あとがき
  • 2,530(税込)
    著:
    志樹逸馬
    編:
    若松英輔
    レーベル: ――
    出版社: 亜紀書房

    曲った手で 水をすくう
     こぼれても こぼれても
     みたされる水の
     はげしさに
     いつも なみなみと
     生命の水は手の中にある
     指は曲っていても
     天をさすには少しの不自由も感じない
     (「曲った手で」)


    大きな困難の中にあって、生きることの喜びと光を求め続け、言葉を紡ぎ続けた伝説の詩人。
    キリスト教信仰に裏打ちされたひたむきで純粋なことばたち。長く入手困難だった詩作品が、ついによみがえる。

    これまでに刊行された二冊の詩集『志樹逸馬詩集』(方向社、1960年)、『島の四季』(編集工房ノア、1984年)に収録された全詩に加え、遺稿ノートから未公刊の詩を選んで編む。

    付録の投げ込み栞(若松英輔、込山志保子執筆、8ページ)を電子版では巻末に収録しました。

    【もくじ】
    詩集『島の四季』
    詩集『志樹逸馬詩集』
    未公刊詩選
    解説(若松英輔)
    年譜(込山志保子)
    栞(若松英輔、込山志保子)
  • 母は甘やかなのか、重たいのか?


    成績がよいことですべてが免罪される男たち。それを支える母と息子。
    その濃密な関係が日本社会の骨組みを作っている。

    ——男性にとって女性は恐るべき母でしかないとしたら、
    社会の中での女性への差別もミソジニーも当然かもしれない。


    西原理恵子『毎日かあさん』、のぶみ『ママがおばけになっちゃった!』、古典ともいえる江藤淳『成熟と喪失』、村上春樹の小説群や、ひきこもり、教育ママ、相模原障害者殺人事件など、社会で起こる様々な事例を引きながら、母と息子の関係性をものさしとして、日本社会のいまを考える。


    【目次】
    まえがき
    第1章 母親業はやめられない——過酷で甘美な母というお仕事
    第2章 母は捧げる——自己犠牲という弱者の戦略
    第3章 母の愛は有償である——イエの継承者をつくる
    第4章 イギリスに「いい息子」はいない?——ジェントルマンの予備軍たち
    第5章 母は稼いで世話もする——「ダメ息子」と「しっかり娘」のお約束
    第6章 恐れられる母は女性蔑視を生む——マザコンを隠蔽するセクハラ
    第7章 繭のなかから世界を眺める——幽閉される息子たち
    第8章 豊かな世界と「ママっ子男子」の登場——友だち化する母と息子
    第9章 「教育ママ」の現在と未来——マニュアルをつくる母親たち
    第10章 母は見捨てる——切断する母の論理
    第11章 母の喪失と崩壊——「父」なき社会の底知れぬ不安
    終章  母と息子が離れるとき、日本は動き始める
    あとがき
  • 【推薦!】
    77発の銃弾が9人を殺戮。戦慄の果てに希望は見えるか。
    ——保坂展人氏(『相模原事件とヘイトクライム』著者、世田谷区長)

    家族を殺した男をあなたは赦せますか?
    ——高橋ユキ氏(『つけびの村』著者)
     
    2015年6月17日、アメリカ南部・チャールストンの由緒ある教会で事件は起きた。
    「チャールストン教会銃乱射事件」である。
     
    その日の夜、男は、毎週水曜日恒例の聖書勉強会に参加していた黒人信徒に向け銃を乱射。参加者12人のうち9人が死亡した。
    ——それはインターネットで仕入れた差別思想に影響を受けての凶行だった。
     
    だが、事件後早々、生存者と遺族は犯人に対し「あなたを赦します」と発言。
    全米を震撼させた理不尽な動機による大量殺人事件は、この発言によってさらに注目を集めることになった。
     
    克明にあぶり出される事件の一部始終、
    耳を疑うほどの犯行動機の論理破綻、
    ネットをきっかけにヘイトスクラム(憎悪犯罪)が生まれる過程、
    そして、残された人々の尽きせぬ悲しみの軌跡……。
    ——ピュリッツァー賞を受賞した地元紙の記者が生々しく描き出した、第一級のノンフィクション。
     
    【目次】
    プロローグ
    第一部 邪悪な存在と目が合った
    第二部 癒しを求めて
    第三部 真相が明るみに出る
    エピローグ
    弔辞——クレメンタ・ピンクニー師に宛てたアメリカ合衆国大統領による追悼演説
    謝辞
    訳者あとがき
  • 私たちが暮らす世界では、なぜ〝ことば〟がここまで空疎なものになってしまったのか!?

    森友・加計、検事長の定年延長をめぐる数々のデタラメ、新型コロナウイルスをめぐるアレコレ、世界を、日本を跋扈するポピュリストたちのワンフレーズ、機能不全に陥っているメディア……。

    世の中を真摯にそして斜めに睨みつづける〈至高のコラムニスト〉が、雨後の筍のごとく湧いて出る様々な問題を、舌鋒鋭く、ユーモアいっぱいに斬り捨てる!

    ——あえて、ムシ返すことにする!
     
     
     【目次】
    1 あの人にさよならを。
    2 言葉と空気。
    3 ワンフレーズの罠。
    4 がんばれ、記者諸君。
    あとがきにかえて
  • ロングセラー、待望の完全版刊行!
    旧版での抄録部分、原注などを完全収録し、
    60ページに上る増補でおくる決定版。

    解説「レベッカ・ソルニットを読み解く」(渡辺由佳里)も新たに収録。

    ブレイディみかこ氏、推薦!
    「エリートがビビッて失敗するとき、地べたは生き生きと機能し始める」

    大地震、大洪水、巨大なテロ……私たちの日常に裂け目が入るとき、
    そこにはいつもユートピアが出現した。

    災害時になぜ人々は無償の行為を行うのか?そのとき、なぜエリートはパニックを起こし、人びとは自発的な秩序をつくり上げるのか?
    1906年のカリフォルニア大地震から、ニューオーリンズの巨大ハリケーン、9.11テロまで、危機の最中に現れる人々の自発的な相互扶助のメカニズムを追った、珠玉のノンフィクション。


    【目次】
    プロローグ 地獄へようこそ
    第1章 ミレニアムの友情:サンフランシスコ地震
    第2章 ハリファックスからハリウッドへ:大論争
    第3章 カーニバルと革命:メキシコシティ大地震
    第4章 変貌した都市:悲嘆と栄光のニューヨーク
    第5章 ニューオリンズ:コモングラウンドと殺人者
    エピローグ 廃墟の中の入り口
    謝辞
    解説「レベッカ・ソルニットを読み解く」 渡辺由佳里
    原注
  • こんな話、聞きたかった。
    偏見や思い込みを丁寧にならしていく作業は時間と根気が要るけれど、楽しいものでもある。
    「家族」の定義なんか決められたくないよね。——能町みね子さん、推薦!


    法律婚ではない契約を取り交わして結婚生活を送る夫婦。
    恋愛関係にはないが、同性パートナーシップ制度を利用して「家族」になることを検討中の女性二人。
    「家庭が欲しい」と 精子バンクを利用して子どもを産んだXジェンダーの当事者。
    母の呼びかけで集まった多くの人たちによる共同保育で育った子ども。

    自分らしく、深く息をして生きるために。
    「愛」と「家族」の多様な形を実践する人々にインタビューし、自らに問い直す。

    自分がほんとうに安心できる「愛と家族のかたち」は、どこにあるのだろう?
  • アメリカ人の欲望や不安や未来は、ベストセラーを見ればわかる

    「アメリカで話題になっている本はなんですか?」は、
    人気レビュアーである著者がビジネスリーダーたちから常に聞かれる質問だ。

    本の良し悪しというより、話題となる本は、アメリカ人の興味を如実に映す。
    数々のトランプ本、ミシェル・オバマやヒラリーの回想録、ITビリオネアが抱く宇宙への夢、黒人や先住民から見える別の国アメリカ、ジェンダーの語られ方……

    「ニューズウィーク日本版オフィシャルサイト」の連載を中心に、人気レビュアーが厳選して伝えるアメリカのいま。
  • 競争? 淘汰? いや違う。
    ――ダーウィンの知恵は、私たちを共生へと導く。

    がん細胞、免疫系、ミツバチのコロニーから、「多細胞社会」としての人間まで…。
    進化生物学の最前線から、人間の社会・経済活動のメカニズムを解剖する、知的興奮の書!


    「わかりやすい文体と、深いアイディアと洞察。
    日常生活からグローバル政策決定まで、進化論を軸にした驚くべき探求」
    ――ロバート・M・サポルスキー(『サルなりに思い出す事など』著者)

    「常識への挑戦の書。新たな思考を開く」
    ――ダロン・アセモグル(『国家はなぜ衰退するのか』著者)

    『ネイチャー』誌など、各界で話題騒然!
  • 〈みんな〉が心地よい表現を考える
    男性中心に作られるジャーナリズムの「ふつう」は社会の実像とズレている。
    メディアが世界を映す鏡なら、女性の「ふつう」も、マイノリティの「ふつう」も映してほしい。

    ――女たちが考える〈みんな〉のためのジャーナリズム。


    「家事をするのはお母さんだけ」と断言するCM、いじめを笑いの種にするテレビのバラエティ。
    たびたび炎上するメディアのトップは、ほぼ男性で占められ、女性たちには決定権がない。
    メディアには「理想の女性」が闊歩し、女たちのリアルも声も消されている。
    メディアが世界の鏡なら、女やマイノリティの姿も映してほしい。
    誰もが住みやすい社会にするために、メディアはどのように変わるべきなのか。
    ジャーナリスト、研究者、エッセイストらが女性としての体験から、メディアのあるべき姿を考える。


    【特別対談】
    *女装パフォーマー・ライターのブルボンヌさん、企業の経営陣である伊東正仁さん、ライターの武田砂鉄さんたちに、
    それぞれ、LGBT に関する表現や言論のあり方、企業のダイバーシティの重要性、自然に意見を言ったり声をあげたりするにはどうしたらいいか、お尋ねしています。

    ●ブルボンヌさん、どうして、女装するのですか ●伊東正仁さん、なぜ企業にとってダイバーシティは成長戦略のひとつなのですか ●武田砂鉄さん、フェミニズムは怖いものですか


    【「足をどかしてくれませんか。」について】
    タイトルの「足をどかしてくれませんか。」は、2018年に公開された映画「RBG最強の85才」の主人公ルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)のセリフから発想しました。
    実際は“All I ask of our brethren is that take their feet off our necks”と言っていて、日本の字幕では「男性の皆さん、私たちを踏み続けているその足をどけて」となっています。
    RBGは生涯をかけて弁護士として女性やマイノリティのために闘いました。
    そして彼女もまた奴隷制に反対したSarah Grimke、第一波のフェミニストたちに影響をあたえた活動家のセリフからこの言葉を引用しているのです。
  • ラインハルトに帝王学をまなび、
    ヤンの苦悩に民主主義の逆説を読み解く

    銀英伝には政治学のエッセンスがつまっている!
    銀英伝に感化され政治学者になった著者たちが贈る、ファンのための政治学入門。

    「本書は、『銀河英雄伝説』から政治学者になるきっかけを得た筆者たちが、政治学の専門知識を携えて、現実世界と銀英伝の世界をつなげることを試みたものである。銀英伝には、軍事戦略から歴史学、陰謀、紅茶の楽しみ方までいろいろなテーマが含まれている。読者は、現実世界を通じて銀英伝を楽しみ、銀英伝を通じて現実世界を考える長征に出ていただきたい」(本書より)

    2019年9~11月、新アニメ版「銀英伝」が劇場上映!

    【目次】
    ・ラインハルト型リーダーとヤン型リーダー
    銀英伝にリーダーシップを学ぶ
    ・国家権力の「奪い方」
    クーデターに学ぶ民主主義の逆説
    ・「民衆のための専制」はありうるか
    ヤンの苦悩から読み解く「民主主義」の意義
    ・拠点さえ押さえれば勝てるのか
    イゼルローン攻略の地政学
    ・必勝の「兵法」は存在するか
    アスターテ会戦に見る戦略/戦術論
    ・ヤンの信念と現実世界
    テロリズムの肯定は可能か
    ・「正しい」戦争はあるのか
    銀英伝に学ぶ「正戦論」とその限界
    ・銀英伝は何を描かなかったか
    戦争の「罪悪」について
    ・権力者たちを悩ませる永遠の難問
    カリスマ指導者たちの後継者問題
  • 誰も探しに行かない所に恐るべき“宝の山”があった

    森 繁和(中日ドラゴンズ監督/元編成部海外渉外担当)、アレックス・ラミレス(DeNA監督)、渡辺俊介(元千葉ロッテ)、フリオ・フランコ(元千葉ロッテ)らがラテン野球の真髄を語る貴重なインタビューも収録。

    ダイヤの原石はこうして磨かれ、
    メジャーへ、日本へやってくる!

    強靱な肉体に天性のバネ、スピード感あふれる守備とパワフルかつシュアな打撃――
    きらめく才能を発掘し、育成する確かなシステム、それこそが中南米野球界のサバイバル戦略であり、爆発的な世界シェア拡大の秘密なのだ

    日本球界を逆照射する“発見”の数々!!
    足かけ4年に及んだ旅と取材の熱き記録

    2017年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞!!

・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。

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