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『哲学、講談社現代新書(新書)』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全86件

  • 社会のルールはどのように決めるべきか?

    すべての人が納得できる正義はあるのか?

    現代政治哲学の起点となった主著『正義論』を平易に読み解き、ロールズ思想の核心をつかむ!



    【本書のおもな内容】

    ●「多様性を認めながら対立をなくす」ことのジレンマ

    ●ロールズが語った正義の構想は綺麗事なのか

    ●「力こそは正義」は根本的な誤解である

    ●画期的な思考実験「無知のヴェール」

    ●「誰もが納得する格差」はあり得るのか?

    ●自尊心がなければ自由になれない

    ●「正義は人それぞれ」と言っていられない理由

    ●現代的にアップデートされた社会契約論

    ●ロールズがたどり着いた「公正としての正義」



    多様性の尊重と対立の回避のどちらかを諦めるのではなく、両方を取るためには、社会の構造(仕組みやルール)についての、何かしらの工夫が必要です。そして、そのような工夫を見つけ出すことこそが、ロールズの課題でした。『正義論』においてロールズが取り組んだのは、まさにこの問題、すなわち、人々が多様なアイデンティティをもっており、正義についても異なる意見を持っている、ということを前提にした上で、それでも正義が成立するとすればどのようなものとなるのか、という問題です。

    はたして私たちは、社会の中の答えのない対立を、乗り越えることができるのか。その問題を解く手掛かりが、ロールズの『正義論』の中にあります。これから全四章に分けて、そのことをみなさんと一緒に見ていきたいと思います。――「はじめに」より



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    100ページで教養をイッキ読み!
    現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!

    1:それは、どんな思想なのか(概論)
    2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
    3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

    テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
    「一気に読める教養新書」です!
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  • 西洋哲学と出会って150年、日本の哲学者たちは何を考え、何を目指してきたのか。日本哲学のオリジナリティに迫る、第一人者による入門書の決定版!

    【哲学を知るための10講】
    第1講「日本の哲学」とは/第2講 哲学の受容第/3講 経験/第4講 言葉/第5講 自己と他者/第6講 身体/第7講 社会・国家・歴史/第8講 自然/第9講 美/第10講 生と死

    【本書のおもな内容】
    ・日本最初の哲学講義はいつ行われた?
    ・「哲学」という呼び名はこうして生まれた
    ・西田幾多郎の「純粋経験」を知る
    ・経験と言葉のあいだにあるもの
    ・言葉の創造性を考える
    ・人間の生のはかなさと死に迫る
    ・心によって生かされた身体とは
    ・田辺元が生み出した「種の理論」
    ・「自然」という言葉の歴史
    ・和辻哲郎の「風土論」
    ・美とは何か、芸術とは何か
    ・移ろうものと移ろわぬもの
    ・光の世界と闇の世界
  • シリーズ2冊
    8691,045(税込)
    著:
    東浩紀
    レーベル: 講談社現代新書
    出版社: 講談社

    注目の批評家による画期的論考!! 物語からデータベースへ。オタクたちの消費行動の変化が社会に与える大きな影響とは? 気鋭の批評家が鋭く論じる画期的な現代日本文化論!
  • 1,023(税込)
    著:
    森村進
    レーベル: 講談社現代新書
    出版社: 講談社

    何が「正しい」のか、わからなくなった時代に。
    プラトン、カント、ベンサム、ロールズ……2400年にわたる知的格闘。
    人生や社会に関わる切実な問いを、哲学者たちはこう考えた!

    法哲学の第一人者があざやかに整理し、切れ味鋭く論じる、「正義」入門の決定版!


    【本書の構成】

    はじめに――いま、なぜ過去の正義論を見直すのか?
    序章 正義論のさまざまなパターン――本書のねらい
    第一章 正義とは魂の内部の調和である――プラトン
    第二章 正義とは他の人々との関係において現れる徳である――アリストテレス
    第三章 正義とは相互の利益になる契約を実行することである――ホッブズ
    第四章 正義とは自然権の保護・実現である――ロック
    第五章 正義とは慣習によって生じた財産権規則を守ることである――ヒューム
    第六章 正義とは非難が適切であるということと権利の保護である――スミス
    第七章 正義とは「定言命法」に従うことである――カント
    第八章 正義とは功利の原理の一適用にすぎない――功利主義
    第九章 正義とは社会制度の第一の徳である――ロールズ
    あとがき――文献案内をかねて
  • 電車の中や部屋の中、気が付けばいつもスマホをスクロールしている。本当は何が知りたいのか、自分に何が必要なのかわからないままSNSの世界に浸り続け、気が付けば自分自身を見失ってしまった――。
    スマホ時代の過剰な繋がりによって失われた〈私〉を私たちはどうやって取り戻すのか。気鋭の哲学者による現代を生き抜くための思考法!

    【本書の主な内容】
    第1章 デフォルトの〈私〉
    ――――動物になるか、善い人になるか
    ・ミニオンズの憂鬱
    ・パッケージ化された善に警戒せよ
    ・目を閉じて、〈私〉の声を聴く

    第2章 〈私〉を取り戻すための哲学的思考
    ・「新デカルト主義」宣言
    ・判断しなくてよいという判断
    ・批判的思考のプロトタイプ

    第3章 ポスト・トゥルースを終わらせる
    ・SNSを気にする学生
    ・「正しさをめぐる争い」は終わりにする
    ・陰謀論は理性と情動に訴える

    第4章  ネガティブなものを引き受ける
    ・対話とネガティブ・ケイパビリティ
    ・アルゴリズムと自己消費
    ・「弱いロボット」から考える
  • シリーズ「今を生きる思想」。

    人民主権、近代民主主義の提唱者とされる思想家・ルソー。
    そのラディカルな思考は近代の枠組みに大きな影響を与えた。
    民主主義が機能不全に陥り、私たちの社会は閉塞感に覆われている。
    行き詰まった近代社会を問い直すには、近代を準備した異端の思想家・ルソーに今こそ立ち返るべきだ。

    『社会契約論』『人間不平等起源論』『エミール』『告白』……。
    ジャンルを横断して刺激的な論考を残したルソー、そのラディカルな思想の核心。
  • 「20世紀最大の哲学者」ハイデガーが生涯を賭けて問い続けた「存在への問い」とはどのような「問い」だったのか? 変容し続ける思索の跡を丹念にたどり、その最後にたどり着いた境地に迫る。また、近年「黒ノート事件」によってスキャンダルを巻き起こした悪名高い「ナチス加担」がいかなる哲学的見地からなされ、そしていかなる理由からナチス批判に転じたのかについても徹底的に解明する。「道であって作品ではない」――ハイデガー哲学の魅力と魔力を余すところなく捉えた力作。
  • 電子メディアの発達に貧富の差の拡大、戦争によって世界中で分断が起きている現代において、「私」と「あなた」はどう繋がることができるのか。西田幾多郎の哲学から見る今を生き抜くためのヒント。

    本書のおもな内容
    ●日本初の哲学書『善の研究』が生まれるまで
    ●人生とは、いつも悲劇的である
    ●美しい夕日を見た瞬間の感動こそが「純粋経験」
    ●愛とは他者の喜びや悲しみに共感すること
    ●形なきものの形を見て、声なきものの声を聞く
    ●苦悩の果てに辿りついた境地「歴史的世界」
    ●世界は私たちの行為によって作られていく
    ●「今、ここ」の現実を生き切る

    西田の哲学的思索は、世界の真の姿を見極めようとする実在の探究であり、それは一つの根本的立場から世界のすべてを説明しようとする努力であった。それはまた、近代日本における個の自覚――個人としての自己の自覚――の思想という性格をもっていた。その内実は〈自己と世界の関係〉の思想として読むことができる。自己と世界の関係は、特定の時代のなかで具体的な表れ方をとるものであり、人々の分断が進む現代において、私たちの自己と世界との関係を西田哲学から捉え直してみることが本書のテーマとなる。このことはまた、視点を変えてみれば、現代に通じる西田の思想のアクチュアリティ(現実性)を問うことでもある。まさに「今を生きる思想」として西田を読み直すこと、それが本書の課題であるといってもよい。                                       ――――「はじめに」より

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    100ページで教養をイッキ読み!
    現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!

    1:それは、どんな思想なのか(概論)
    2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
    3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

    テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
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  • 一九世紀後半、西洋は近代文明のモデルである一方で、独立を阻む脅威でもあった。この文明と独立の矛盾を乗り越えるために、福沢が重視したのが学問であった。グローバル化の始まりを目撃した蘭学者の軌跡。

    【本書の内容】
    当たり前の常識を疑い、意見の異なる他者と討議する。それこそが自由な空間であり、社会は前進する――。
    学問と政治のあるべき姿を求めた福沢の思索を辿る。

    ●演説・討論を生んだ徳川期の知的共同体
    ●大坂の片隅でグローバル化の原理を探る
    ●攘夷思想とは異なる福沢の「兵学論」
    ●自由と専制の戦いだった明治維新
    ●自由は不自由のなかに生まれる?
    ●統計学ブームの火付け役
    ●トクヴィルを援用した「地方分権」論
    ●メディアの発展が情念をかりたてる
    ●蘭学者の「脱亜論」

    福沢自身、明治八(一八七五)年公刊の『文明論之概略』のなかで、儒学が主流であった徳川時代と、西洋文明が洪水のように押し寄せる明治日本とは大きく異なると指摘し、まるで一つの身体で二つの人生を生きているようだとして、「一身にして二生を経るがごとく」と評した。政治社会は、「革命」的に変わった。では、この大きな動乱のなか、なぜ福沢はそうした鋭く冷静な洞察を提示できたのか。それは、福沢が徳川期から「蘭学」を通じていち早く西洋学術に触れていたからに他ならない。歴史は重層的であり、江戸と明治を架橋する文化的鉱脈の持続と変容に光を当てる必要がある。
    徳川日本は、文化的な成熟を背景に、部分的とはいえ世界に開かれていた。その際、当時の学者たちが世界の情勢や学問を知るための手がかりとしたのが、蘭学であった。西洋世界との出会いについても、開国期からではなく、江戸期の西洋学である蘭学に遡って考えなければならない。――「はじめに」より

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    100ページで教養をイッキ読み!
    現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!

    1:それは、どんな思想なのか(概論)
    2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
    3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

    テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
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  • 資本主義が地球を包み込み、圧迫させ、ついには人間を窒息させてしまう現代社会。「包摂」という概念からマルクスの思想を読む決定版!
  • 【もっとも易しいヴィトゲンシュタイン入門!】

    なんで犬をイヌって呼ぶの?
    地球人の数学と宇宙人の数学は似てる?
    私とあなたの「痛い!」は同じ?

    私たちを支配する「社会のふるまい」のルール=「言語ゲーム」。
    そのヴィトゲンシュタイン哲学の核心を、36の練習問題を解きながら平易な言葉で解説!


    「約束しよう。
    この本は、ヴィトゲンシュタインに比べればまるでオモチャだ。小学校の算数だ。でもその問題が解けるかどうかで、自分の生き方も、ものの見方も、まるで違ってしまうという覚悟で考えよう。さもないと、ものを考えたことにはならない。
    子どもは、真剣に遊ぶ。真剣に遊ばなければ、遊んだことにはならない。
    おとなは、真剣に考えよう。考えることに、お金はかからない。その気になれば、誰でもできる。そして、真剣に考える大人が増えれば、この世の中はその分だけ、ちょっとましになると思う。」ーー第3章より


    【本書の内容】
    ・失われた文明の解読は、暗号の解読と同じ?
    ・言語を正しく使って、初めて人間は人間になる
    ・『論理哲学論考』と『哲学探究』の相違点
    ・言葉の意味は、言葉では説明できない
    ・私を私たらしめる「固有名」と「確定記述」
    ・人間は言語ゲームを抜けることができるか?
    ・クリプキの懐疑論と「くゎ算」という思考実験
    ・規範(価値)は同時に「事実」である   ……ほか


    【本書の構成】
    1、隕石衝突問題
    2、世界の終わり
    3、宇宙人を見分ける
    4、言葉と意味
    5、言葉と実物世界
    6、固有名
    7、ゲームとルール
    8、数列とルール
    9、偶然と自由と可能世界
    10、感覚と内面
    11、文の仕組み
    12、嘘
    13、ルール懐疑主義
    14、確実性について
    15、言語ゲームの応用問題
  • 権力はあらゆる関係に遍在し、私たちの生を規定する。そうした権力が織りなす現実を耐えがたいと感じたとき、状況を批判的に捉え、いまとは違った社会を、自分を、実現する道はどこにあるのか。

    私たちはなぜこのような状況に置かれているのか?
    何に我慢がならないのか?
    こんなふうに統治されないためにはどうすればよいのか?

    [本書のおもな内容]
    ●権力は誘惑し、行為を促す
    ●学校・会社・病院は、人を「最適化」する装置である
    ●完全競争実現のため、新自由主義は社会に介入する
    ●私たち「ひとり企業家」の能力(スペック)向上の努力に終わりはない
    ●政治とは、自他の統治が入り乱れる「ゲーム」である
    ●主体には、つねに別の振る舞いをする力が備わっている
    ●批判とは、「このようには統治されない技術」である
    ●哲学的に生きるとは、社会を批判的に捉え、真実を言い、自分自身を変えること

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    100ページで教養をイッキ読み!
    現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!

    1:それは、どんな思想なのか(概論)
    2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
    3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

    テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
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    約100ページで教養をイッキ読み!
    現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!

    1:それは、どんな思想なのか(概論)
    2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
    3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

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     経済学者・宇沢弘文は、半世紀も先取りして、行き過ぎた市場原理主義を是正するための、新たな経済学づくりに挑んだ。すべての人々の人間的尊厳が守られ、魂の自立が保たれ、市民的権利が最大限に享受できる。そのような社会を支える経済体制を実現するため、「社会的共通資本の経済学」を構築した。
     この小著では、経済学の専門的な話はできるだけ避け、宇沢が「社会的共通資本」という概念をつくりだした経緯や思想的な背景に焦点をあててみたい。宇沢が環境問題の研究を始めたのは半世紀も前であり、地球温暖化の問題に取り組んだのは30年あまり前からだった。先見の明というより、問題を見定める際の明確な基準、つまり、思想があったからこそ、これほど早く問題の所在に気づくことができたのである。

     ロシアがウクライナに侵略して戦争が始まったとき、欧州のある金融機関が、武器を製造する企業への投資をESG投資に分類し直すという動きがあった。ふつう、ESG投資家は人道主義の観点から、軍需産業への投資には抑制的だ。しかし、アメリカなどがウクライナに武器を供与する現実を目の当たりにして、「防衛産業への投資は民主主義や人権を守るうえで重要である」と態度を豹変させたのである。
     ESGやSDGsに先駆けて「持続可能な社会」の条件を探求した宇沢なら、このようなESG投資を認めることは絶対にあり得ない。思想が許さないからだ。「ステークホルダー資本主義」「ESG投資」「SDGs」を叫んでみたところで、一本筋の通った思想がなければ、結局は換骨奪胎され、より歪な形で市場原理主義に回収されてしまうのがオチだ。
     資本主義見直しの潮流が始まった直後、世界はコロナ・パンデミックに襲われ、ウクライナの戦争に直面した。危機に危機が折り重なって、社会は混沌の度を深めている。
    宇沢の思想に共鳴するかしないかが問題なのではない。生涯にわたって資本主義を問いつづけた経済学者の思考の軌跡は、かならずや混沌から抜け出すヒントを与えるはずである。(はじめに より)
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    1964年の創刊以来、半世紀以上愛され続ける講談社現代新書。2022年4月現在の講談社現代新書シリーズ目録が電子化!
  • 本書の主な内容

    第1章 哲学の本質
    第2章 本体論的転回と認識論の解明
    第3章 欲望論哲学の開始
    第4章 世界認識の一般構成
    第5章 幻想的身体論
    第6章 無意識と深層文法
    第7章 価値審級の発生
    第8章 「善と悪」
    第9章 「きれい-きたない」審級
    第10章 美醜
    第11章 芸術美
    第12章 芸術の本質学
    終章 芸術の普遍性について
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    100ページで教養をイッキ読み!
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    1:それは、どんな思想なのか(概論)
    2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
    3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

    テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
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    ショーペンハウアー

    苦しみに満ちた人生を、いかに生きるべきか。
    欲望を原動力とした現代社会の歪みが、生きづらさに拍車をかけている。
    苦悩や葛藤から自由になる道を考え抜いた哲学者が導く「生きるヒント」とは。

    叱咤激励、小気味よいアイロニー。
    人生の悩みに効く「求道の哲学」と「処世の哲学」。


    【本書の内容】

    ●幼少期に目撃した人間社会の「生の悲惨さ」
    ●世界は「にせもの」なのかもしれない
    ●欲望から自由になるための「意志の否定」
    ●<悪>から私たちを解放する「共苦」と「芸術」
    ●日本の若者たちに刺さった「青春の哲学」
    ●人付き合いは「仮面をつけた化かし合い」である
    ●欠点は隠すよりも見せたほうがよい
    ●「生まれてこなければよかった」反出生主義に対する「救済の道」

    ……ほか
  • 最強の水先案内人がプロに「読みどころ」を聞いてみた――。
    『神曲』『源氏物語』『わが闘争』『資本論』……、名著を読まなくても楽しめる、虫のよいガイド本、誕生!

    好きな女性とはセックスできず、添い寝しかできない男の悲哀――『源氏物語』
    莫大な印税収入でヒトラーは自信をつけた――『わが闘争』

    手に取ってみたけれど、挫折した……、でもあきらめるのはまだ早い! 聞き手=古市憲寿+構成=斎藤哲也の名コンビが贈る名著ショートカット。

    『神曲』――都市市民が生まれて、煉獄が生まれた 原基晶
    『源氏物語』――「宇治十帖」の不器用で流されやすい登場人物たち 大塚ひかり
    『失われた時を求めて』――宝探しのように自分の読みたいところを探す 高遠弘美
    「相対性理論」――時間も空間も一つではない 竹内薫
    『社会契約論』――「明日からこの国を、この世界をどうしよう」と考えるヒント 東浩紀
    『ツァラトゥストラ』――「神は死んだ」など好きなパワーワードを探してみる 竹田青嗣
    『わが闘争』――大衆を小馬鹿にした第6章「戦時宣伝」 佐藤卓己
    『ペスト』――「自分事」となると、一気に読みやすくなる 佐々木匠
    『古事記』――縄文系と弥生系の世界観が混在していた 三浦佑之
    『風と共に去りぬ』――単なる恋愛小説ではない 鴻巣友季子
    『国富論』――啓蒙の時代にお金儲けは肯定された 野原慎司
    『資本論』――「新しい世界」の秘密を明らかにしようとした 的場昭弘
  • 「自分の頭で考える力」が根本から身につく!
    答えなき時代に独学を深めるうえで必須の「考える技術」を、気鋭の哲学者が徹底解説。

    答えのない時代には
    自分の頭で考え、学びを深める力=「独学力」が必須だ!

    ◆勉強の質を高める哲学メソッド
    ◆「良い問い」と「不適切な問い」
    ◆「一問一答式知識観」を捨てる
    ◆「ソクラテス式問答法」の問題点
    ……など


    【本書の目次】

    はじめにーー答えなき時代に求められる「独学の力」

    プロローグ 「考える」とはどういうことか?
      ーーショーペンハウアー『読書について』から考える
  • 人生を変える哲学が、ここにある――。
    現代思想の真髄をかつてない仕方で書き尽くした、「入門書」の決定版。

     * * *

    デリダ、ドゥルーズ、フーコー、ラカン、メイヤスー……
    複雑な世界の現実を高解像度で捉え、人生をハックする、「現代思想」のパースペクティブ

    □物事を二項対立で捉えない
    □人生のリアリティはグレーゾーンに宿る
    □秩序の強化を警戒し、逸脱する人間の多様性を泳がせておく
    □権力は「下」からやってくる
    □搾取されている自分の力を、より自律的に用いる方法を考える
    □自分の成り立ちを偶然性に開き、状況を必然的なものと捉えない
    □人間は過剰なエネルギーの解放と有限化の二重のドラマを生きている
    □無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組む
    □大きな謎に悩むよりも、人生の世俗的な深さを生きる

    「現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち「差異」に注目する。それが今、人生の多様性を守るために必要だと思うのです。」 ――「はじめに 今なぜ現代思想か」より

     * * *

    [本書の内容]
    はじめに 今なぜ現代思想か
    第一章 デリダーー概念の脱構築
    第二章 ドゥルーズーー存在の脱構築
    第三章 フーコーーー社会の脱構築
    ここまでのまとめ
    第四章 現代思想の源流ーーニーチェ、フロイト、マルクス
    第五章 精神分析と現代思想ーーラカン、ルジャンドル
    第六章 現代思想のつくり方
    第七章 ポスト・ポスト構造主義
    付録 現代思想の読み方
    おわりに 秩序と逸脱
  • 「本当に存在するのは神のみであり、人間を含め、その他のものはすべて神の<様態>に過ぎない」――一見、もっとも「自由」からはほど遠いように見えるスピノザ哲学が、自由こそは人間の「本性」と考えるのはなぜなのか? 政治的閉塞に被われた現代社会に風穴を開ける、もっともラディカルな思想の魅力を平易な文体で綴る。まったく新しいスピノザ哲学の入門書。
    ・「自然の権利や決まりとは、わたしの理解では、個物それぞれに備わった自然の規則に他ならない。あらゆる個物は、こうした規則にしたがって特定の仕方で存在し活動するよう、自然と決められているのである」(スピノザ『神学・政治論』第16章2節)。
    ・「スピノザが『神学・政治論』後半部で提示した政治哲学は、恐らくそれまでの西洋哲学史上類を見ないほどの徹底性をもって、わたしたち一人一人の「哲学する自由」つまり思想・言論・表現の自由のかけがえのなさを強調しています。しかもただ闇雲に大事だと叫びたてるのではなく、大事なものである理由を人間の自然権という、存在論的な基盤にまでさかのぼって徹底的に根拠づけようとしているのです」(本書第8回 自由は国を滅ぼすか――スピノザの思想<四>より)
  • 國分功一郎、青山拓央、千葉雅也、伊藤亜紗、古田徹也、苫野一徳……
    哲学の最前線の旗手たちが「いま考えていること」がこれ一冊でわかる!

    私たちを縛りつける不自由と向き合う、本当の自由のための哲学。

     * * *

    [本書の内容]
    第一章 「する」と「される」の外部へ――國分功一郎『中動態の世界』
    第二章 二人称のコミュニケーションと無自由の極北――青山拓央『時間と自由意志』
    第三章 非意味的切断の実践哲学――千葉雅也『勉強の哲学』
    第四章 身体のローカル・ルールと生成的コミュニケーション――伊藤亜紗『手の倫理』
    第五章 常套句の思考停止に抗うこと――古田徹也『言葉の魂の哲学』
    第六章 エゴイズムの乗り越えと愛する意志――苫野一徳『愛』
  • プラトン哲学の「おもしろくて大切なところ」をあえて一言で表わせば、「批判と変革の哲学」だ、と言いたい。こんなふうに表現すると、プラトンを旧式の左翼の一員に仕立てているように聞こえそうだ。だが、これは特定の政治的立場を表わそうとしたものではない。

    「批判」つまりクリティークとは、非難したり否定的な態度をとったりすることではなく、相手とする主張の論拠やそこからの帰結などについてよく考察し、事の是非を判断することを言う。

    「変革」も、政治体制だけではなく、日常的な考え方や生活を含む人間の営みの全体がその対象となる。そしてプラトンは「批判と変革」を自身の思考についても実践していた。

    これらすべての意味で、「批判と変革の哲学」なのだ。

    プラトンは探究し、執筆し、そして教育した。そうしたなかで彼が直面していたのは、森羅万象を支える根本原理は何か、よい生き方とは何か、といった「哲学的」問題だけではない。

    当時の人びとに人気を博したホメロスや悲劇・喜劇、あるいは幼年や少年時に施される体育や音楽の教育といった人びとの日常的営みに対してもプラトンは向き合っていた。いやむしろ、そこから哲学を考えていた。そして彼は、日々の暮らしから世界の根源にいたるまでの全体を相手に、批判的に、かつ包括的に考えたのだ。

    同時に、そのような考察がたどり着いたところを広く伝えることに腐心した。彼は一般に人びとに何かを伝える媒体(メディア)のあり方にきわめて意識的だったが、とりわけ自分自身の思考が人びとに届くよう工夫を凝らした。

    その著作に、それに触れる人びとの知性と感性にも訴え、反省的な思考だけでなく感情や想像力までも喚起し、そしてそれらを変更する力を与えたのである。

    それが彼の哲学、「批判と変革の哲学」である。

    【本書の内容】
    第一章 プラトンはどう書いたのか、プラトンをどう読むか
    第二章 プラトン哲学の原点
    第三章 自己と他者を変える対話
    第四章 魂・徳・知の関係
    第五章 変革へと促すイデア論
    第六章 魂の分割 『国家』その1
    第七章 哲学者と善のイデア 『国家』その2
    第八章 プラトン、その後に

    知、真理、魂のあり方を徹底的に考え抜いたプラトンが導く、思考の冒険!
  • 多くの日本人にとって、もっともなじみのある和歌集といえば『百人一首』。
    千年の時を超えて愛されてきた歌集を、現代を代表する歌人・水原紫苑が中世と現代を行き来し、一首ごとにやさしく丁寧にときほぐします。
    初学者も大人も楽しめる100のストーリーで、短歌がぐっと親しいものになります。

    ●百人一首を選んだ、大歌人・藤原定家のプラン
    ●「恋の歌」が天皇の「使命」だった?
    ●「鹿」の妻は「紅葉」か「萩」か?
    ●桜の名歌にみる「生の哲学」
    ●いかにして小野小町は千年のアイコンとなった?
    ●『源氏物語』と「あはれ」の美学
    ●定家の西行に対する嫉妬心
    ●小野小町のスピリットが宿る俵万智
    ●赤染衛門と和泉式部、二人の友情
    ●定家の父が詠んだ「老いのエロス」
    ●かるた取りに使える「決まり字」

    ※本書は、講談社のPR誌『本』2018年1月号から2020年1月号まで連載した「百人一首うたものがたり」を元に大幅に加筆しました。

    ……など、テーマは盛りだくさん。
    簡単でいて、読むだけで日本古典文学の神髄まで学べる一冊。
    ことばの豊かな世界がここにあります。
  • 21世紀の現代の善と悪の原点こそ、フォン・ノイマンである。彼の破天荒な生涯と哲学を知れば、今の便利な生活やAIの源流がよくわかる!

    「科学的に可能だとわかっていることは、やり遂げなければならない。それがどんなに恐ろしいことにしてもだ」

    彼は、理想に邁進するためには、いかなる犠牲もやむを得ないと「人間性」を切り捨てた。

    <本書の主な内容>

    第1章 数学の天才
    ――ママ、何を計算しているの?
    第2章 ヒルベルト学派の旗手
    ――君も僕もワインが好きだ。さて、結婚しようか!
    第3章 プリンストン高等研究所
    ――朝食前にバスローブを着たまま、五ページの論文で証明したのです!
    第4章 私生活
    ――そのうち将軍になるかもしれない!
    第5章 第二次大戦と原子爆弾
    ――我々が今生きている世界に責任を持つ必要はない!
    第6章 コンピュータの父
    ――ようやく私の次に計算の早い機械ができた!
    第7章 フォン・ノイマン委員会
    ――彼は、人間よりも進化した生物ではないか?

    ********

    ノイマンがいかに世界を認識し、どのような価値を重視し、いかなる道徳基準にしたがって行動していたのかについては、必ずしも明らかにされているわけではない。さまざまな専門分野の枠組みの内部において断片的に議論されることはあっても、総合的な「フォン・ノイマンの哲学」については、先行研究もほとんど皆無に等しい状況である。

     そこで、ノイマンの生涯と思想を改めて振り返り、「フォン・ノイマンの哲学」に迫るのが、本書の目的である。それも、単に「生涯」を紹介するだけではなく、彼の追究した「学問」と、彼と関係の深かった「人物」に触れながら、時代背景も浮かび上がるように工夫して書き進めていくつもりである。
    ――「はじめに」より

    ********

     ノイマンの思想の根底にあるのは、科学で可能なことは徹底的に突き詰めるべきだという「科学優先主義」、目的のためならどんな非人道的兵器でも許されるという「非人道主義」、そして、この世界には普遍的な責任や道徳など存在しないという一種の「虚無主義」である。

     ノイマンは、表面的には柔和で人当たりのよい天才科学者でありながら、内面の彼を貫いているのは「人間のフリをした悪魔」そのものの哲学といえる。とはいえ、そのノイマンが、その夜に限っては、ひどく狼狽(うろた)えていたというのである。クララは、彼に睡眠薬とアルコールを勧めた。          
    ――第5章「第二次大戦と原子爆弾」より

    ********

    人類史上 最恐の頭脳!
  • 絶頂にあったカントを襲った筆禍事件。若き哲学者フィヒテとの確執。尽きぬ好奇心の一方で忍び寄る老い…。人間カントの人生の黄昏。
  • 『精神現象学』と並ぶヘーゲルの代表作、超解読ついに完成。難解な「ヘーゲル語」をかみ砕き、近代社会の「原理」の書として読み直す。
    予備知識なしに、重要哲学書がわかる「超解読」シリーズ!
    所有、契約、責任、犯罪と刑罰――社会の基礎をなすさまざまなルールは、どのような根拠があれば「正しい」と言えるのか? そして「よき」社会、「よき」国家とは? まさにわたしたちが今生きている世界の「原理」を考える。
    ヨーロッパ哲学史上、最も重要にして最も難解なヘーゲルの主著を、おなじみのコンビがわかりやすく読み砕く。
  • 私たちはまだ、「自由」を知らない――。
    覆される常識の先に、ありえたかもしれないもうひとつの世界が浮かび上がる。
    気鋭の哲学者による、心揺さぶる倫理学(エチカ)入門。

    ★現代人の「思考のOS」を書き換えるスピノザ哲学のエッセンス★

    □すべての個体はそれぞれに完全である。
    □善悪は物事の組み合わせで決まる。
    □「力」こそ物の本質である。
    □自殺や拒食の原因は人の内側にはない。
    □一人ひとりの自由が社会の安定につながる。
    □必然性に従うことこそ自由である。
    □自由な意志など存在しない。
    □意志は行為を一元的に決定しない。
    □真理の外側に真理の基準はない。
    □新しい主体のあり方が真理の真理性を支える。

    *「NHK 100分de名著」『スピノザ エチカ』に新章を加えた増補改訂版*

    [目次]
    はじめに
    1. 組み合わせとしての善悪
     1)スピノザとは誰か
     2)哲学する自由
     3)神即自然
     4)『エチカ』はどんな本か
     5)組み合わせとしての善悪
     6)善悪と感情
    2. コナトゥスと本質
     1)コナトゥスこそ物の本質
     2)変状する力
     3)多くの仕方で刺激されうる状態になること
     4)コナトゥスと「死」の問題
     5)万物は神の様態
     6)神は無限に多くの属性から成る
     7)コナトゥスと社会の安定
    3. 自由へのエチカ
     1)「自由」とは何か
     2)自由の度合いを高める倫理学
     3)自由な意志など存在しない
     4)行為は多元的に決定されている
     5)現代社会にはびこる意志への信仰
    4. 真理の獲得と主体の変容
     1)スピノザ哲学は「もうひとつの近代」を示す
     2)真理は真理自身の基準である
     3)真理と向き合う
     4)物を知り、自分を知り、自分が変わる
     5)主体の変容と真理の獲得
     6)AIアルゴリズムと人間の知性
    5. 神の存在証明と精錬の道
     1)懐疑の病と治癒の物語
     2)真理への精錬の道
     3)精錬の道は自ら歩まねばならない
     4)対話相手としてのスピノザとデカルト
    おわりに
  • 経済学は、なぜ人間の生から乖離し、人間の幸福にはまったく役立たなくなってしまったのか? 経済学の堕落の跡をたどると同時にその再生の可能を探る。「科学的客観性」「ヴァリューフリー」を標榜し、いつしか「人間の心」を失ってしまった経済学。19世紀後半ドイツにおいて始まった経済学「科学化」の動き。ハイエク、「ゲーム理論」、さらには「シカゴ学派」の「ゴッドファーザー」シュルツへと至る、極端な経済の自由化と「脱倫理化」の強化。そして「クズネッツ曲線」をめぐる「新自由主義」の欺瞞。その一方での、上記の流れに抗して「人間の顔をした経済学」を目指した、ポランニー、イリイチ、あるいはウォーラーステインら世界システム論者などにによる、経済学における「社会的公正」理念復権への模索。経済学の歩みを「自由」と「正義」という二つの相対立する思想の相克の歴史と捉え、21世紀の「来たるべき経済学」の可能性を探る。
  • トランプ大統領をはじめとする「ポピュリスト」の跋扈、旧社会主義諸国および中国など権威主義国家の台頭など、近年の世界の政治状況は、民主主義という制度の根幹を揺るがすかのような観を呈しています。日本の状況を見てみても、現行の政権が「民意」の正確な反映、すなわち「民主主義的な」政権だといわれると、頸をかしげる人も少なくないのではないでしょうか。はたして民主主義はもう時代遅れなのか? それとも、まだ活路はあるのか? 
    それを議論するためには、まず何よりも、民主主義とは、そもそもどのような制度なのかを「正しく」知らなければならないでしょう。今では自明視されている「民主主義」という制度ですが、人が創ったものである限りそれもまた歴史的な制度として、さまざまな紆余曲折を経て現在のようなものになったのであって、決して「自然」にこのようなになったわけでではないのです。
    そこで本書では、ギリシア・アテナイにおける民主主義思想の「誕生」から、現代まで、民主主義という制度・思想の誕生以来、起こった様々な矛盾、それを巡って交わされた様々な思想家達の議論の跡をたどってゆきます。その中で、民主主義という「制度」の利点と弱点が人々にどのように認識され、またどのようにその問題点を「改良」しようとしたのか、あるいはその「改革」はなぜ失敗してしまったのかを辿ることにより、民主主義の「本質」とは何なのか、そしてその未来への可能性を考えてゆきます。
    またあわせて、日本の民主主義の特質、その問題点についても分析してゆきます。
    民主主義という思想・制度を知るための、平易な政治思想史の教科書としても最適です。
  • ●第1章 今の世界に至る道 19世紀~1970年
    ・日本の戦後レジームからの脱却・グローバル経済へ・極端に分離する階層・身分制と不平等・新自由主義が社会を再組織していく・自由と管理の反転・アメリカにネオナチがいる・ヨーロッパと第一次大戦・国際連盟とILО・第二次大戦とフィラデルフィア・ド・ゴールと移民世代・EUとフランス・ル・ペンの国民戦線・フランス・ファースト・国民の解体と再接着・人権と身分制社会
    ●第2章 アメリカの大転換 90年代末~対テロ政策へ
    ・アメリカという特殊形態・モンロー主義とアメリカの「解放」・『すばらしい新世界』・「例外国家」のスタンダード化・アメリカの標準化とネット・アドレス・アメリカ・バイアス・テクノ支配と一代成金・白人の不満と被害感情・平等と「差別」、「本音」を煽るトランプ・偉大な中国・征服王朝と中国・オランダとイギリスのヘゲモニー・帝国と平和・武器を売るアメリカ・ポスト・トゥルース・人権を求めて・西洋だけでなく世界にも・自由と平等は独り舞台
    ●第3章 日本と朝鮮半島
    ・米朝会談が不満・こじらせる近隣関係・日本に三権分立はない・問われなかった戦争責任・冷戦後と歴史修正主義・拉致問題と歴史没却の勝利・朝鮮半島ではどう思っていたか・なぜ北朝鮮は核を持つのか?・ベルリンの壁崩壊とドイツ統一・北の自立、南に呑まれないために・対米核武装の成功?・軟着陸のためには・悪い国でいてもらわないと困る・日本敗戦後の朝鮮半島統治
    ●第4章 日本の明治一五〇年
    ・西洋の世界展開と日本の参入・戦争で認知される・敗戦の世界史的意味・無条件降伏と自発的隷従・正当性の論理・民主制と交渉の主体(外交)・翻訳語をつくる・翻訳する独特の日本・日露戦争から国際連盟へ
    逆のドライブ・一世一元制・天皇の権威・「…名において」治める・なぜ元号に固執するのか・時代意識の造形・政治と宗教の区別・義勇兵起源ではない・独自権力になっていく軍部・装置としての天皇制・近代化の流れと逆行していく・戦後のフィラデルフィア宣言・農地改革でつくられた基盤・占領下の改革の受け止め方・西洋的価値は絶対か・冷戦の終わりと市場開放・なぜ「新」自由主義なのか・平成の三〇年で起きたこと・あらゆるものを市場化する・国策としての新自由主義・神道国家派の大攻勢・米軍と一体化する自衛隊・自由の底が抜けている・失われた三〇年で何を失ったか
    ●第5章 現在の日本と世界のこれから
    ・西洋的世界の変質・国、政治、経済・民主、平等、自由・連携における自立・人権のない存在、テロリストの発明・フランスとアメリカの歴史否認・日本では民主主義がいらなくなっている・ポイント・オブ・ノーリターン・「身分制のほうがいいんじゃないか」
  • ウィズ・コロナの新しい生き方を模索し始めた今こそ、私たちに必要な、脳に効く「美」を求めて、ぜひミュージアムに出かけてみてはいかがだろうか?

    実は、ミュージアムは「美」が展示されているだけの場所ではない。知れば知るほど、とてつもなく奥が深い世界なのだ。人類の記憶のアーカイブに潜っていくような、(良い意味での)妖しさ、ヤバさがある。

    東京藝大には大学美術館があるが、大学美術館准教授の熊澤弘先生はいわば「ミュージアムの達人」で、世界のミュージアムの成り立ち、展示、ミュージアムの持つ資料から博物館学の実習に至るまで、私が教えを乞うている先生の一人である。

    ここからは熊澤先生の力をお借りして、仮想ゲームのミュージアムよりも、リアルなミュージアムこそがはるかに熱いのだ――ということを読者の皆さんと一緒に体験していきたい。言ってみれば、探検家・中野信子が、案内人・熊澤弘先生とともに、ミュージアムの深遠なる魅惑の世界に分け入っていこうというわけだ。

    この「探検本」を読み終えるころ、読者の皆さんは、世界各地のミュージアムの歴史やそこに所蔵された作品の面白さはもちろんのこと、その舞台裏で静かに働いている学芸員の役割やアートの鑑賞術などの基礎知識も身につけているはずだ。

    ミュージアムは、入る前と後とで物の見方が変わる体験ができる場所だと思うが、この基礎知識を身につけることで、ミュージアムに行く体験自体がこれまでよりもより深まるかもしれない。 (中野信子)

    <主な内容>
    はじめに ミュージアムは脳に似ている(中野信子)
    第1章 ミュージアムの誕生:その華麗にして妖しい魅力に満ちた世界
    はじまりは「驚異の部屋」/記憶の三段階/コレクターと「絶対美感」/美術品は誰のものか
    第2章 ミュージアム、その陰の部分:論争・ワケあり・ヤバいもの
    ナチスに翻弄されたコレクション/マインド・パレスを支配する/学芸員の使命/大量殺人犯の作品の展覧会
    第3章 実際に鑑賞してみる:どんな作品をどのように観たらよいか?
    中村キース・ヘリング美術館の感性/金沢21世紀美術館の賢さ/正しい鑑賞法なんてないか?/ルーヴル美術館で遭難しかける
    第4章 これからのミュージアム体験:アートはなぜ必要なのか?
    アフター・コロナの課題/現代アートはわかりにくい?/アートが社会にもたらす絶大な効果
    おわりに 日本は世界に類を見ないミュージアム大国(熊澤弘)
  • 近年、「自閉症」について多くの書物が書かれ、論じられるようになっています。これは、21世紀になって突出してきた現象で、20世紀にはなかったものです。しかもこれは、日本に限った話ではないのです。
    著者は、21世紀という時代の1つの特徴が、この「自閉的傾向」の突出化には現れているのではないかと考えています。その1例に伊藤若冲のブームがあります。前世紀まで若冲は「奇想の画家」として、美術史においてはアウトサイダー的な存在に過ぎませんでした。ところがその彼が、今では昨今の「日本美術ブーム」を引っ張る存在になっています。あるいは、『君の名は』『天気の子』が立て続けに大ヒットになったアニメ作家の新海誠。彼の作品もその「自閉症的」傾向が初期の段階からしばしば指摘されていました。
    この2人に共通するのは、ディテールへの過剰なまでのこだわりです。それゆえに画面は異常なまでに高精密になり、と同時に非常にフラットなものになります。一言で言えば、非常にデジタルな感じがするのです。デジタルとは、完璧なコピーと同一なものの繰り返しが可能になる技術ですが、この「高精密」で「完璧に同一なもの」の繰り返しこそは、まさに自閉症者が大好きなものです。現代アートに革命を起こしたアンディー・ウォーホールを早い例として、「ミニマルアート」と呼ばれるものの現代美術、現代音楽における流行も、この同じ時代の「好み」に即したものなのではないでしょうか。
    そしてこの時代精神をもっとも端的に表すのが、コンピュータの存在です。開発の祖に当たるチューリング、ノイマンから始まって、スティーブ・ジョブスやフェイスブックのザッカーバーグなど、IT、AIに関わる科学者、技術者に「自閉症的傾向」が強いことは、つとに指摘されている通りです。というか、そのような人たちの存在があってこそ、コンピュータ的なものは、ここまでの洗練を見たのです。いまや「デジタル的なもの」は、否応もなく21世紀人の感性の基盤になった感があります。とすればその底に自閉症的な美意識が伏在しているのは、むしろ当然ではないでしょうか。
    本書は、上記の視点のもと、21世紀という時代そのものの「自閉症的傾向」を明らかにするものです。
  • 人生は苦。それでも生きる。日々、生きづらさを感じているすべての人へ。ベストセラー『嫌われる勇気』の著者が送る力強いメッセージ!
    人生は苦しい。苦しいこともあれば、楽しいこともある、ではなく、本来的に人生とは苦しいもの。それゆえ仏教は「生老病死」の苦しみを説き、聖書は人生を嘆きの谷になぞらえる。でも、それでも死んでしまうのではなく、この事実を認め、受け入れた上で生きていこう。いじめられている人も、会社でハラスメントを受けている人も、死んでしまうのではなく、とにかく生きよう。どんなに孤独に思えても、かならずどこかに「仲間」はいる。だから絶望することなく、希望を持って生きてゆこう。人生を「生きる」ことが、この世に生を受けたすべての人に課された課題だから。
    仏教、キリスト教、ギリシア哲学--いにしえの知恵をたずね、アドラー心理学、三木清の『人生論ノート』など、さまざまな思想に学び、築き上げた、岸見一郎の総決算としての人生論!
  • 何が分からないかが分かる――、これは素晴らしい技能と言える。ある学問分野において何が分かっていないのかを正確に説明できるのは、その分野を相当に理解している人だけだ。

    本書では、「心にとって時間とは何か」がどれだけ未知であるのかを探る。私の専門は哲学だが、哲学だけでなく科学についても、さまざまな知見を参照していこう。だれにも分かっていないことを謎としてうまく描き出すには、それがどのような知識によって囲まれているかを示さなくてはならない。私たちの知識の地図に、未踏の地の「輪郭」を描き込んでいくわけだ。

    あとで改めて言い添えるが、私はこの目的のために、章ごとに違うサブテーマを定めた。〈知覚〉、〈自由〉、〈記憶〉、〈自殺〉、〈SF〉、〈責任〉、〈因果〉、〈不死〉という、各章の章題がそれにあたる。つまり、少なくとも八つの謎が本書には描き出されており、それらの不思議さや面白さ、そして、一つの謎から別の謎への道が見えてくる高揚感とが、私なりの言葉で綴られている。

    第一章 〈知覚〉――時間の流れは錯覚か
    第二章 〈自由〉――私はいつ決めたのか
    第三章 〈記憶〉――過去のデッサンを描くには
    第四章 〈自殺〉――死ぬ権利は、権利なのか
    第五章 〈SF〉――タイムトラベルは不可能か
    第六章 〈責任〉――それは、だれかのせいなのか
    第七章 〈因果〉――過去をどこかに繋ぐには
    第八章 〈不死〉――死はいつまで続くのか

    8つのテーマと謎を手がかりに、「心と時間の不思議」に迫る!
  • 891(税込)
    著:
    苫野一徳
    レーベル: 講談社現代新書
    出版社: 講談社

    本書でわたしは、「愛」の本質を明らかにした。性愛、恋愛、友愛、親の子に対する愛……。愛にはさまざまな形があるが、これらはいずれも、本来まったく異なったイメージを与えるものである。にもかかわらず、なぜこれらは「愛」の名で呼ばれうるのか?それは、そこに「愛」の、ある“理念性”の本質が通奏低音のように響いているからである。性愛も恋愛も友愛も親の子に対する愛も、その「愛」の通奏低音の上に、それぞれ独自の音色を響かせているのだ。本書の目的は、これら「愛」の名のもとに包摂されるありとあらゆる「愛」の本質を明らかにすることにある。「愛」とは何か、そしてそれはいかに可能か? これが、本書でわたしが挑み、そして明らかにした問いである。
  • 847(税込)
    著:
    南直哉
    レーベル: 講談社現代新書
    出版社: 講談社

    普通「仏教入門」と言えば、広汎にして複雑な仏教の思想・実践の体系、そしてその変遷の歴史などを、要領よく整理して大方の便宜に供する、という書物になるだろう。ということを十分承知の上で、今私が提出しようとしているのは、著しく個人的見解に着色され、偏向極まりない視点から書かれた入門書である。私はこれまで、仏教の思想や実践について、何冊かの本で自らの解釈を述べてきてはいるが、それを全体的にまとめて読める書物は出していない。そこで、ここらあたりで、自分の仏教に対する考え方を見渡せるものを作っておきたいと思った、というのが本書上梓の正直な理由である。しかし、これは要するに自己都合である。そこで、あえて読者の益になりそうなことを述べさせてもらえば、仏教を「平たく」解説する本などは、ずっとふさわしい書き手が大勢いるはずで、私に書かせても役にも立たないし、読んで面白くもないだろう。さらに言うと、およそ「平たい」記述など、私に言わせれば幻想にすぎない。すべては所詮書き手の見解である。ならば、本書ではその「見解」の部分を極端に拡大して、読者の興味をいくばくか刺激し、仏教をより多角的に考える材料を世に提供できたなら、そのほうが私の仕事としてふさわしいのではないか。こう愚考した次第である。(「はじめに」より)
  • 1,485(税込)
    著:
    大澤真幸
    レーベル: 講談社現代新書
    出版社: 講談社

    本物の教養がこんなに頭に染み込んで、ものの見方がすっかり変わる経験をあなたに!マルクスもフロイトもフーコーも、実は社会学者なんです。「社会学はもちろん、その周辺の学問を理解するためには、どうしても、社会学史全体を知っておく必要があります。それなのに、なぜか、社会学史の本がほとんどないのが現状です。だから、この仕事に私は、強い社会的な使命感を持っています」――大澤真幸
  • 科学万能の現代に、なぜこのような「時代遅れ」の問いが発せられなければならないのか? だがしかし、本当に、「神」の問題は哲学的にはすでに解決済みなのか? 人間存在の根源に迫る、齢90の碩学からの、近代人への挑戦状。
  • この本はおそらく日本ではじめての「あなた」論です。少なくとも日本語で書かれた「あなた」についてのたぶん唯一の、最初の徹底した考察でありましょう。ギリシア以来、哲学は「わたし」を問い続ける反面で、とても大事なものを取りこぼしてしまいました。それが「他者」ではない「あなた」を考察することで見えてきます。
  • 935(税込)
    著:
    菅原潤
    レーベル: 講談社現代新書
    出版社: 講談社

    西田幾多郎に始まる「京都学派」の思想は、西洋哲学にも匹敵するオリジナルな哲学として、高く評価されています。しかし一方、戦前日本の海外侵略的姿勢に思想面からのお墨付きを与えたとして、厳しい批判にもさらされています。本書では、いったん彼らの「政治的な誤り」はカッコに入れた上で、客観的なその哲学的評価を試みます。その上で、なぜ彼らは過ちを犯すことになったのか、その深い理由に迫ります。
  • ポピュリズム、再魔術化、アート・パワー、思弁的実在論、OOO、新しい唯物論、ポスト・シンギュラリティ、フィルターバブル、超監視社会、ニュー・プラグマティズムシェアリング・エコノミー、効果的な利他主義……ポスト・グローバル化が進行する新時代を生き抜くために、最低限おさえるべき思想がここに! 混沌とした時代だからこそ、「私」と社会をいかにつなぐかを考える、まったく新しい公共哲学を打ちたてよう!
  • ●探せばどこかにじぶんはある? ●女の子は「女装」によって女になる ●過敏になったじぶんの先端 ●小さな不幸がひきたて幸福 ●アイデンティティの衣替え ●わたしはだれにとっての他者か ●他者のなかに位置を占めていない不安 ●泳ぐ視線、のぞく視線、折れ曲がる視線 ●他人の視線を飾る行為 ●じぶんがぼやけることの心地よさ
  • 本書は、可能な限り日常の日本語で『存在と時間』を理解することを目指します。章立てに従って、原文を忠実に読解した上で平易な日本語で解説して行きますので、翻訳書で『存在と時間』を読むよりもはるかに容易にその内容を理解することができます。また、なぜハイデガーはこの書を完成させることができず、未完のままに終わったのか、その「限界」についても、本書を読み進めていけば、おのずと理解できるでしょう。
  • 本気で考え始めると、抜け出られなくなってしまいそうで、何となく、怖い。そんな気がして、あまり考えないようにしてきた、という方も、少なくないようです。……そんなあなたがこの問題について真剣に考え抜き、そして、心の底から納得できる「人生のほんとうの意味と目的」を探し求める旅に出るための、ガイドブックのような本です。――<本文より>
  • 「『空虚な承認ゲーム』をどう抜け出すか。その『答え』ならぬ『考え方』を教える本書は、規範喪失の時代における希望の書である」(斎藤環氏)。現代社会に蔓延する承認の問題を真正面から捉えた注目書! 私たちを覆う「生きにくさ」の本質に迫る。
  • スピノザの思想史的評価については多くのことが言われてきた。デカルト主義との関係、ユダヤ的伝統との関係。国家論におけるホッブズとの関係。初期啓蒙主義におけるスピノザの位置。ドイツ観念論とスピノザ。現代では、アルチュセール、ドゥルーズ、ネグリ、レヴィナスといった名前がスピノザの名とともに語られる。スピノザはいたるところにいる。が、すべては微妙だ。――<本書より>
  • 「われわれは、どんな過去にさかのぼっても音楽に出会う」。ビッグバンから始まった「宇宙の音楽」の歴史では、ベートーヴェンもビートルズもちっぽけな砂の一粒に過ぎない。鳥や鯨の「作曲術」から人体という楽器が奏でる音楽まで。ピタゴラスの天球の音楽からアボリジニのソングラインまで。「音」と「調和(ハーモニー)」をキイワードに壮大なスケールで描く、これまでにないユニークな書。
  • 781(税込)

    「余生」などいらない!長生きが簡単な時代だから、いい死に方を真剣に考える長寿社会にあって、人生の円熟期を私たちはどのように生きていけばよいのか。何を考えながら、余生を過ごせばよいのか。著者は、自然に生きること、仕事は年老いてもずっと続けること、書く人間になること、つねに締め切りを設定して生きてゆくこと、がんばらないこと……など様々な提言をしてゆく。
  • 従来のハイデガー『存在と時間』解説書はアリストテレスや中世スコラ哲学、新カント学派、フッサール現象学、ユクスキュルの生物学等からの影響や相関関係をめぐる専門的な問題に集中しすぎるきらいがあった。それがどうして当時のドイツやフランスの若者を引き付けたのか、現在でも多くの哲学者を魅了するのか、思考の枠組みは従来の哲学とどう違うのか、普通の人の人生にどのような意味があるのか等、哲学学習者の興味に答える。
  • なぜ、自分の欠点ばかりを気にするのですか。どうして、そんなに小さな殼にとじこもっているのですか。人は、絶対的で無限の愛を求めるあまリに、不完全な愛を拒んでしまいがちです。自己嫌悪をのり越え孤独の深みから自己を解き放ち、欠点つきの自分、ありのままの自分を表現しつつ共に分かち合うことによってこそ、本当の愛と信頼が生まれてきます。一人では、けっして幸せになれないだけでなく、本当の自分にもなれないのです。
  • いつの時代も、変化している。私たちはいつも、今は大変な時代だと思っている。では、人類史という長い目で見たら、今はどういう時代なのか。私たちが体験しているこの変化は、たとえば中世から近代への移行に相当するような大きなものなのか。それともよくある変化にすぎないのか。どうやったらそのことを知ることができるのか。気鋭の科学史家が、科学から歴史まで、文理の垣根を越えて飛びまわる愉快な知的冒険の書!
  • 深く考えてみるまでもなく、音声と概念とはまったく性質が違うものです。音声は波ですから見たり触ったりすることはできないにしても、とにかく物理的な実体であるのに対し、概念は決して物理的な実体とは言えません。それなのに、私たち人間がコトバを使う時には、その似ても似つかない2つのものを対応させています。しかも、その対応のさせ方は、同じ言語を使う人々であればまったく同じなのです。もちろんだからこそコトバを使って意味の伝達ができるようになっているのですが、これほど性質の異なる2つの要素を、同じ言語を使う人々がどうして正しく結びつけることができるのかは、考えてみれば不思議なことです。――〈本書より〉 (講談社現代新書)
  • プラトン、アリストテレス、デカルト、ルソー、ヘーゲル、ウェーバー、ハイデッガー、アーレント、サルトル、ストロース、ロールズ、福澤諭吉、西田幾多郎……。古今東西の古典をどう読むか。1970年生まれの行動する哲学者ふたりが、22冊の古典を前に、そのおもしろさ、奥深さを語り尽くす。知的興奮必至の知の入門書。
  • 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『官僚制』『職業としての学問』等、代表作からウェーバーの思考を知ることは、我々の社会と歴史を深く学ぶことである。そして現在の世界・日本が抱える諸問題を考える示唆に富み興味深い。また社会科学の根本概念に言及した書物は、宗教・経済・政治・法律など主要な分析対象を定義、論理的体系化を試みており、読み直す課題は大きい。思想・哲学を再考したい人への最適の入門書。(講談社現代新書)
  • 小学校入学と同時に覚えた「小さく前へならえ」。それ以来ずっと、私たちは社会が求める「正しい」鋳型に自分の体をあわせてきた。その結果、何が本来の自分なのか、わからなくなっている。自分の体は、自然界最大の謎なのだ。あらかじめ体に装備された力とは何か? どうすればそれを取り戻せるのか? 気鋭のライターが、自らの武術体験から、体に眠っている能力の引き出し方を明かす。(講談社現代新書)
  • 「現実」って何だろう? 私たちが知覚している世界と「現実」は、実はかなりズレている!? 「現実」ではノイズとしてカットされているかすかな五感のささやきに、異能の作家・坂口恭平が耳を澄ます。そこで浮かび上がってきたものとは? 驚きの(そしてどこか懐かしい)世界をありありと体験できる本。私たちは本当は、見えないものたち、触れることのできないものたちに包まれて生きているのだ。(講談社現代新書)
  • 西欧文明中心の近代に終わりを告げ現代思想に新しい地平を拓いた構造主義。レヴィ=ストロースの親族・神話研究の、鮮やかな方法と発想の背景に見えてくる、ソシュール言語学やモースの贈与論。そして遠近法にまでさかのぼる、数学史の水脈に隠された〈構造〉のルーツ。モダニズムからポスト構造主義への知の戦線に、軽快な文章で歯切れよく迫る! (講談社現代新書)
  • 自分ひとり裸一貫で哲学することのすすめ。なぜ悪いことをしてはいけないのか。なぜぼくは存在するのか。この二つの大問題に答えはあるだろうか。脳に汗して考え、自分の答えを見つけるプロセスを語る。(講談社現代新書)
  • 自己の完成を願う、教養観を覆す画期的論考。哲学のすべてを修め、最後に靴直しの仕事につく――江戸時代や西洋中世の学問のあり方、公共性と「世間」の歴史的洞察から、集団の中で生きる教養の可能性を探る。(講談社現代新書)
  • 超難問「過去はどこへ行ったのか」を考える。過去体験はどこか空間的な場所に消えたのか。未来は彼方から今ここへと到来するのか。過去―現在―未来という認識の文法を疑い、過去が発生する場を見きわめる。(講談社現代新書)

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