『哲学、講談社、その他(レーベルなし)(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧
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主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放つ!
「ほかならぬこのわたし」がその身体を労して獲得したものなのだから「これはわたしのものだ」。まことにもっともな話に思われる。しかし、そこには眼には見えない飛躍があるのではないか……? ロックほか西欧近代の哲学者らによる《所有》の基礎づけの試みから始め、譲渡の可能性が譲渡不可能なものを生みだすというヘーゲルのアクロバティックな議論までを著者は綿密に検討する。そこで少なくともあきらかにできたのは、「所有権(プロパティ)」が市民一人ひとりの自由を擁護し、防禦する最終的な概念として機能しつつも、しかしその概念を過剰適用すれば逆にそうした個人の自由を損ない、破壊しもするということ。そのかぎりで「所有権」はわたしたちにとって「危うい防具」だという根源的な事実である。主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放ち、未来における「手放す自由、分ける責任」を展望する。 -
資本主義をこえていく、新時代のグランドセオリー!
人新世から希望の未来へ向かうための理論。
英国で出版された話題書Marx in the Anthropocene(ケンブリッジ大学出版、2023年)、待望の日本語版!
いまや多くの問題を引き起こしている資本主義への処方箋として、斎藤幸平はマルクスという古典からこれからの社会に必要な理論を提示してきた。本書は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論から、プロメテウス主義の批判、未来の希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語るこれまでの研究の集大成であり、「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる新たな議論を提起する書である。
目次
第一部 マルクスの環境思想とその忘却
第一章 マルクスの物質代謝論
第二章 マルクスとエンゲルスと環境思想
第三章 ルカーチの物質代謝論と人新世の一元論批判
第二部 人新世の生産力批判
第四章 一元論と自然の非同一性
第五章 ユートピア社会主義の再来と資本の生産力
第三部 脱成長コミュニズムへ
第六章 マルクスと脱成長コミュニズム MEGAと1868年以降の大転換
第七章 脱成長コミュニズムと富の潤沢さ
【原書への賛辞】
自然科学に関するマルクスの手稿への詳細な検証を通じて斎藤幸平が私たちに想起させるのは、マルクスがなぜ自然と資本主義の関係が根本的に持続不可能と主張したのか、ということだ。本書は、忘れ去られていたマルクスを私たちのもとに復活させる。長らく顧みられることのなかったマルクスを手がかりに、斎藤は、「脱成長コミュニズム」を力強く主張する。この理論的なアプローチは、「豪奢なコミュニズム」という抽象的な概念を対象にするのではなく、むしろ〈コモン〉の幸福を対象にして「豊かさ」という概念そのものを再編成しようとしている。
ティティ・バタチャーリャ(共著書『99%のためのフェミニズム宣言』)
傑作。これこそわれわれが待っていた本だ。斎藤は、マルクスに基づいて「脱成長」と「エコ社会主義」のワクワクするような統合を成し遂げている。ここにポスト資本主義への転換の秘密が隠されている。
ジェイソン・ヒッケル(著書『資本主義の次に来る世界』)
斎藤幸平はマルクス思想を完結したシステムではなく、運動のなかにある思想としてとらえている。彼の「脱成長コミュニズム」という果敢な表明は、現代のエコロジカルなマルクス思想、すなわち「人新世のためのコミュニズム」への決定的な貢献である。
ミシェル・レヴィー(著書『エコロジー社会主義』) -
2500年の哲学の歴史に新たな展開が始まる。価値不在の現代に価値と意味の原理論を立て直す意欲作。「世界を分節するのは欲望だ。欲望が、価値と意味を世界の中に織り出してくるのだ」。プラトン、アリストテレスからデカルト、カント、ヘーゲルをへてニーチェ、フッサール、ハイデガーへと続く哲学の歴史を総覧し、さらにその先へと哲学の可能性を拓く。2000枚超!!
世界を分節するのは欲望だ。欲望が、価値と意味を世界の中に織り出してくる。価値不在の現代に、価値と意味の原理論を立て直す意欲作。
現代の哲学(思想)は、幻影の問題を抱えて虚妄な議論の巨大な迷路のうちへと迷い込んでいる。「本体」の観念を完全に(すなわち哲学的根拠において)解体することによって、われわれははじめて、認識一般にとって何が可能なのか。何が認識不可能なのか、普遍認識が成立する条件と構造が何であるかを解明できる。またこの解明からのみ、どのような新しい知と学の地平が開かれるのかを明らかにすることができる。本体論の完全な解体こそは、現代社会における哲学と思想の再生のための、不可避の始発点である。
「真」とは、「善」とは、「美」とは? 哲学究極の問いへの回答! -
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★「1枚の葉っぱの上に広がる温かい物語に心癒される」と、世界各国のメディアが絶賛!
★「スッキリ」「ヒルナンデス」(日本テレビ)、「サンデー・ジャポン」「アッコにおまかせ」(TBS)など、TVで話題沸騰!
★個展では作品が即完売! 葉っぱ切り絵アーティスト初の作品集
★見て、読んで、幸せな気持ちになれる1冊
空に透かして撮影された葉っぱ切り絵。その精巧さに驚かされるのですが、それだけでなく、見る人の心を揺さぶり、想像力を喚起する物語が、小さな1枚の葉っぱの上に広がっている……。それが、リトさんの葉っぱ切り絵です。
ほぼ毎日SNSで作品を発表するたびに、リトさんのもとには「優しい世界に癒されます」「見るだけで幸せな気持ちになれます」「明日も頑張ろうという気持ちになります」など、多くのコメントが寄せられます。
落ち込んいるとき。心がモヤモヤするとき。さみしいとき。1枚1枚が絵本作品のような葉っぱ切り絵作品集は、ページをめくるたびに、そこに自分だけの物語を見つけられるはずです。
SNS投稿時はタイトルだけだった作品にもすべて、ストーリーを書き下ろし。
リト流・葉っぱ切り絵のメソッドも収録。
【内容】
はじめに~葉っぱの上の優しい世界
Chapter1 動物たちの春夏秋冬
Chapter2 食いしんぼうバンザイ!
Chapter3 ひとりじゃないよ
Chapter4 よい子の習慣
Chapter5 不思議ないきもの図鑑
Chapter6 葉っぱ世界紀行
Chapter7 世界のものがたり
Chapter8 小さな幸せ
葉っぱ切り絵ができるまで
もっと知りたい葉っぱ切り絵の世界
おわりに~葉っぱ切り絵が生まれた理由 -
自分のこと、社会のこと、国のこと、世界のこと……、考えなくてはいけないのに、考えようとすると、どう考えたらいいかわからなくなって、前に進めない。考えあぐねてしまう。――こんな時代だからこそ、哲学者は、しかつめらしい言葉を使わずにこの本を書きました。人生で一番大切なものは何か、どうして自殺をしてはいけないのか、など、むずかしいけど、私たちが気になって仕方ない問題からも逃げずに、向き合います。
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「私はいま、家を去る最後の瞬間にこの文章を書いています。このあとすぐに私は刑務所に再び入れられます」
2023年に獄中でノーベル平和賞を受賞したナルゲス・モハンマディの手記と、ナルゲスによる13人の女性受刑者へのインタビューをまとめた衝撃のノンフィクション。
●白い拷問とは?
イランのエヴィーン刑務所は、悪臭と恐怖に満ちた悪名高き場所。そこで繰り返されるのは、看守による自白の強要、鞭打ち、性的虐待、家族への脅迫、そして「白い拷問」だ。照明を操作した独房で昼夜の感覚を奪い、睡眠パターンを妨げ、時に目隠しをし、身体的接触をすべて奪うことで、囚人の身体と精神を蝕む非人道的な拷問である。
●突然の逮捕と奪われた日常
「女性にも権利を」「民主主義と人権を」「好きなことを言い、好きな服を着たい!」自由を求めて思いを表すだけで、服装が不適切というだけで、思想犯・政治犯として逮捕されてしまうイラン。ヒジャブ着用が不適切だと拘束されたのち死亡したマフサ・アミニ氏問題を巡り、国連調査委員会は「違法でありイラン政府に責任がある」と発表している。
本書に登場する女性たちも一方的な容疑をかけられ、拘束されている。幼いわが子を道端に置き去りにするかたちで逮捕・投獄された女性までいる。
著者ナルゲス自身、夫は政治亡命し、10代になった双子の子どもたちも父のもとで暮らし、孤独な闘いを強いられている。13回逮捕され、5回の有罪判決を受け、31回の禁固刑と154回の鞭うち刑を言い渡されても、ナルゲスが闘いをあきらめない理由は、女性の権利と暴力や死刑の廃止を求める信念に他ならない。
●世界選挙年とジェンダーの平等
ある囚人はインタビューでこう明かす。「独裁者が支配する不平等な世界で、人々は支配されるか従うか、どちらかしかないが、女性は普段からさまざまな不平等に傷ついているので、日々の経験を足掛かりに抵抗のレベルを一段あげることができる」と。さらに「男性優位の社会でヒエラルキーからこぼれ落ちた男性は、女性以上に弱い存在になってしまう」と喝破する。
本書は「遠い国のイスラム世界の物語」ではない。今、現実に起こっている人間の権利とジェンダーの平等の問題でもある。専制政治の支配と家父長制度の支配のなかでがんじがらめの女性たちの闘志は、すべての人に勇気を与える。
●推薦の言葉および海外での反響
・安藤優子――全人格を奪う「白い拷問」。その実態をつぶさに告発したナルゲスさんと証言者たち。彼女らが闘っているのは、この地球上の人権を踏みにじられているすべての人々のためだ。
・ニューヨーク・タイムズ絶賛。世界16か国で緊急出版。 -
◆花をよく観察していた紫式部
2024年のNHK 大河ドラマが、紫式部の生涯を描く「光る君へ」となりました。
ご案内の通り、紫式部の「源氏物語」といえば日本のみならず世界文学史上の名作で、源氏物語では約110種の植物が登場します。源氏物語は登場する植物の生態の記述や表現が至極正確で、しかも、各植物が物語の場面をつなぎ、人物表現や心理描写、場面転換に寄与しています。
源氏物語と植物の関係を知ることで、源氏がさらに面白くなります。
◆キャラクターや物語の進行に、効果的に植物が使われる
紫式部は、人物や巻名に植物の名をつけることで、読者のイメージをふくらませています。
重要な女性登場人物の名前には植物がからむことが多く、ヒロインの紫の上(ムラサキという植物があります)は臣下最上の色彩である紫色から、物語中最上の女性だと連想させています。現在、ありふれた植物であるアサガオは、当時は渡来したての新規な輸入植物で、朝顔の宮の楚々として清く貴い人物を示唆します。末摘花はベニバナの別名で、姫の赤鼻をもじったギャグです。
さらに、各場面や和歌の中にも、植物が使われます。源氏が紫の上を見初て詠んだ、
おもかげは身をも離れず山桜 心の限りとめて来しかど
(山桜の美しい面影が私の身から離れません。
私の心のすべてをそちらに置きとどめてきたのでしたが)
では、古来日本人に親しまれてきた桜をヒロインになぞらえています。
全編に散りばめられたウメ、サクラ、ヤマブキ、フジ、アサガオ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、モミジなど、今も私たちが慣れ親しんでいる花や樹木が、登場人物に艶やかな彩りを添えています。四季折々の美しさを湛えた花は多くの場合、歌に詠まれて贈答され、時に風景の中で情緒たっぷりに語られ、時に人物にたとえられ、そしてそれらを模した色目の衣服が雅な人たちによってまとわれます
本書では、本編を彩る主要なキャラクターごとに、花や植物との関係をひも解きます。
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二つの世界大戦から、革命と共産主義、無意識とセクシュアリティ、言語論的転回、アメリカの亡命者たち、映画と精神分析とファシズム、ホロコーストの記憶、構造主義、「歴史の終わり」、情報テクノロジーの進展、世界文学、そして「廃墟としての未来」まで……時代の転回期に「二〇世紀の夢」を振り返る徹底討議。
■目次
第一回 世紀の開幕
第二回 世界内戦1.0
第三回 革命と共産主義
第四回 無意識とセクシュアリティ
第五回 言語論的転回とその〈谺〉
第六回 亡命者たちのアメリカ
第七回 「映像」の運命
第八回 世界内戦2.0
第九回 批評の革新
第十回 エイティーズ 『空白』の時代
第十一回 インターネットの出現
第十二回 〈世界文学〉のために
後記 -
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\一生モノの教養が身につく!/
人に自慢し、明日から使いたくなる学問図鑑。
これ1冊にこどもから大人まで、社会とお金の仕組みがわかる経済学の知識が盛りだくさん。
知っておくと役立つ経済思想や行動経済学の理論などが、短い文章とくすりと笑えるイラストで楽しく学べる。
〈小学上級・中学から・すべての漢字にふりがなつき〉 -
触れるでも、素通りするでもなく、「くぐり抜け」てみる。
共感とも感情移入とも違う――それは、「他者」を理解するための新しい方法論。
現象学から文学、社会学、生物学、人類学、リハビリテーション医療、舞踏、ゲーム・プレイ、男性性――
現代社会の諸相に向き合い続けることで浮かび上がる「弱さ」の正体。
個の強さが要請される今、他者とかかわり生き抜くための哲学的逍遥。
他者をくぐり抜けて理解するということは、その他者の周辺/環境情報を知るにとどまらず、その他者とのかかわりの中で自分自身を作り変えていくことなのだ。自分の身体に自分のものではない経験があって、それが動き始める局面をくぐり抜ける。(中略)その自分の変化に応じて、他者との距離が認知的にも、行為的にも変化する。そのような経験を積み重ねていくのだ。(本文より)
~~~「くぐり抜け」の哲学 目次~~~
はじめに ともに「くぐり抜ける」ために
1章 「くらげ」をくぐり抜ける――くらげの現象学
1.1 くらげの生にせまる
1.2 くぐり抜けの方法論:現象学というアプローチ
1.3 手を作ること
1.4 くらげの人文学史
1.5 踊るくらげと倦怠
2章 「現代社会」をくぐり抜ける――プレイとゲームの哲学
2.1 至高性のない世界へ
2.2 民主主義の他者をくぐり抜ける
2.3 傷つきしものはゲームを愛する
2.4 「人間のふるさと」へ向かって
3章 「男性性」をくぐり抜ける――新しい人間のふるさとへ
3.1 ゲームに傷つけられる
3.2 (再)プレイとゲームの哲学
3.3 共感できないものに近づく
3.4 マイクロ・カインドネスを信じる
おわりに くぐり抜けたその先へ
あとがき -
「友だちのことは好きだけど、いっしょにいると『しんどい』と感じることがある」
「会話についていくため、作業的に話題のコンテンツを見ている」
「メッセージの返信が遅くならないようにチェックしてしまう」
こんなふうに感じて、苦しくなっている人はいませんか。
じつはその苦しみ、あなただけが抱えているものではなく、いまの世の中の多くの人がもつ悩みです。
友だち関係について「しんどい」と感じるのは、じつはあなた個人の問題ではありません。
じつは、いまの社会が、多くの人に「友だち関係を維持すること」を強いるような構造になっているのです。
気鋭の社会学者が解き明かす、まったくあたらしい「人間関係の教科書」です。
●私がすべての人を「知り合い」とよぶ理由
●かつての社会と現代社会でまったく変わった「友だちの在り方」
●「ずっと友だち」でいなくてもいい
●インターネットとスマートホンが劇的に変えた、私たちのコミュニケーション
●古代の哲学者たちは「友だち」をどう研究したのか
●ゲーム理論から考える、正しい友たちとの付き合い方
●学校でも家庭でもない、ゆるやかな「場」をもつことの重要性
……ほか -
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\読むだけでキミも天才/世界は5分前にできた? 命の価値は同じ? 桃太郎の行動は正しい? こどももおとなもみんなハマる! 正解がないからおもしろい、7つのテーマの思考実験を42問収録。本書を読むだけで、これからの時代を生きるうえで必要な論理的思考力が自然と身につく。総ルビだからみんな読める! -
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心をスーーッとほぐしてみませんか?
10人のお坊さんがあなたのモヤモヤをスッキリ解決!
5つのモヤモヤ
イライラ、承認欲求、生きる意味、忘れられない過去、見た目
NHK番組『10人のお坊さん』を書籍化!
悩み、モヤモヤ、イライラ、苦しみ。
それでも生きていかなければならないのが人生。
<もう、イヤだっ!>
そんなときには、ちょっと一息。
お坊さんのお話〈説法〉に
耳をかたむけてみませんか?
〈仏教〉は
人間の悩みや苦しみに向き合い続けて2500年。
お坊さんの〈説法〉には、
生きる知恵がたくさんつまっています。 -
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自由の謳歌と敗北の屈辱と……ふたつの相反する感情があざなって「戦後」の時空間は形成された。ふとしたことから噴出するわれわれの無意識とナショナリズムの関係に光をあてる。――「歴史認識」のぶつかりあいが必至なこれからの時代にあって、日本人はなにを思考の土台に据え、言葉を発していけるのか。
【本文から】
国家がもっている記憶の集積としての歴史について、それに一定の敬意を払うことは当然ですが、それに服従しなければいけない、それと一致しなければならないという歴史教育はおかしい。みずからが、国家がもっている記憶の集積にたいして、地域や家族の記憶を突き合わせて「どこがどうちがうんだろうか」と自律しながら見ていく目は必要ですね。(保阪正康)
地益を地域のなかに生きている人びとがしっかりと自覚し、その地益に基づいて、地域と地域とが広域的に結びつく可能性に開かれていくならば、われわれは歴史の轍を踏まないで、これからの未来に、若い世代に、新しい日本、新しい朝鮮半島の可能性を用意してあげられるのではないかと思います。(姜尚中)
このところの憲法を変えろという議論に象徴される、威勢のいい、勇ましい傾向は、ある種の葛藤、集合的な無意識だと私は思っているんです。みんながほんとうに本質的にこれが正しいと思って論理的に選択しているのではなく、「見たくないもの」を回避するための症状ですね。(香山リカ)
※北海道新聞社は、2009年から毎年さまざまなゲストを招いて道新フォーラム「現代への視点~歴史から学び、伝えるもの」を札幌で開催、基調講演と討論、参加した若い人たちとの質疑を通して昭和史の教訓を今後にどう生かしていくかを考えてきました。今回は2012年11月25日に保阪正康、姜尚中、香山リカの三氏を招いて札幌の道新ホールでおこなわれたフォーラムの詳報です。
≪道新フォーラム≫活字化 第4弾
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哲学版「生きるヒント・考えるヒント」。窮屈な社会を生きぬくための87の技術――無制限な欲望が人間の本質だ。浪費の技術を習得し、洗練化することで、世紀末を人間らしく生きぬくのだ。
自由に生きる“不自由さ”に悩む現代人。無限の欲望=快楽を生きる原理として肯定し、自己をコントロ-ルするにはどうしたらよいか。生き方と思考の技術を道案内。
●よりよく生きる技術――人間通
●無限な欲望を持つのは人間だけだ
●人類史は「浪費の技術の進化」の歴史である
●言葉の障壁は、ボーダレス社会では力となる
●生産は善、消費は悪――オナンの罪
●富と人が移動する新しい歴史のステージ
●過剰な欲望に最適なシステムと社会
●欲望にリサイクルの車輪をつけよ
●無理と無駄の楽しみ、それがエコロジーだ
●1人で生きる、ネットワークで生きる
――目次より -
傍らで食べるもの――それはだれか?
ロラン・バルト、ブリア=サヴァラン、フーリエ、ルキアノス、キケロ、カール・シュミット、ディオゲネス、九鬼周造、北大路魯山人、石原吉郎、ポン・ジュノ、メルヴィル、アーレントらのテクストに潜む、友でも敵でもない曖昧な他者=「食客」。彼らの足跡をたどり、口当たりのよい「歓待」や「共生」という言葉によって覆い隠されている、「寄生」の現実を探究する。
第一章 共生
第二章 孤食
第三章 口唇
第四章 食客
第五章 海賊
第六章 異人
第七章 味会
第八章 坐辺
第九章 飲食
第十章 寄生(プロローグ)
あとがき -
梅原学の神髄ここにあり。不透明な時代こそ心に還れ。日本人の魂に訴えかける決定版!
今、私たちに求められているのは、次の時代を生き抜くための新しい世界観の構築であると言えるだろう。……私たちはよく、「自然との調和」ということを称えるが、そうではなく、一歩進んで、人間もまた自然の「循環の体系」の一部であると考える必要があるのである。21世紀へ向かう新しい世界観は、その考えを基本に作り上げられるべきなのである。――(本文より) -
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キイ・ワードは「身心脱落」――道元は、釈迦の正法を正しく読み取る智慧を、弟子たちや後世のわれわれに教えようとしました。それが『正法眼蔵』です。総ルビつき原文 著者オリジナル現代語訳つき。
●仏道をならふといふは、自己をならふ也。自己をならふといふは、自己をわするるなり。
角砂糖を湯の中に入れると、角砂糖は溶けてしまいます。しかし、角砂糖がなくなったのではありません。ただ溶けてしまったのです。――わたしたちは自分・自己に執着しています。その執着した自我意識の状態が角砂糖なんです。そして、この角砂糖が溶けてしまった状態が「身心脱落」であり、それを道元は別の言葉で“忘れる”と表現しました。――<本文より> -
豊かな未来のためには、なにが大切で、どう生きるべきか? 大人の世界へ踏み出していく少年少女たちへ、第一線で活躍する人生の先輩が贈る書き下ろしシリーズ「15歳の寺子屋」
「お刺身」と聞くと生ツバを飲みこむのに、「死んだ魚」と聞くと……? どうして言葉ひとつで、こんなに感じかたがかわるの?
日ごろ、何気なく使っている言葉の役割や、その不思議な力を、日本語の達人がわかりやすく解説。日本語力をアップさせる秘訣も伝授! -
選考委員からレベルが高いとの指摘があった第65回群像評論新人賞候補作、その中から優秀作に選ばれ、「群像」誌上に発表されると大反響と共に話題となった傑作批評に大幅加筆した増補改訂完全版。シールズの運動とその後を総括、我々と鷲田清一の平成における転向の軌跡、後続する臨床哲学の担い手たち。日本社会のひずみに鋭く切り込み、コロナ禍に顕在化したケアの問題にまで発展する極めてアクチュアルかつクリティカルな論考である。
目次
序 論駁するということ 射影の方法をめぐって
第一章 二〇一五年の鷲田清一
第二章 〈戦前〉から〈戦後〉へ
第三章 〈ふれる〉ケアと加害の反転
第四章 平成の転向者たち
第五章 〈戦中〉派としてのSEALs
第六章 鷲田清一から臨床哲学へ
第七章 軸と回転 谷川雁vs.鶴見俊輔
第八章 〈地方〉と〈中央〉
第九章 〈旗〉と〈声〉 臨床哲学再論
第十章 SEALsとその錯誤
終論 待兼山の麓から――エッセイストたちの実践 -
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マンガ史上に残る傑作「ちはやふる」は、このノートから生まれた!
百人一首の名歌について作者が学び、アイデアをふくらませた秘蔵ノート、ついに公開!
ちはやぶる神代も聞かず龍田川 から紅に水くぐるとは 在原業平朝臣
逢ひ見ての後の心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり 権中納言敦忠
瀬を早み岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ 崇徳院
百人一首は藤原定家から私たちに受け渡された切符だった――
千年受け継がれてきた名歌を、作者直筆のイラストと文字で学べ、千早、太一、新たちの名場面をもっと楽しめる!
百人一首は、もっとも身近な、手に取りやすい古典です。百の歌には、数多くの歌のエッセンスがつまっています。掛詞、歌
枕が入り、三十一文字をさらっと読んだだけではわからないような技巧が凝らされている歌が百人一首には多くあります。あなたのことが恋しいという気持ちをただ歌にするのではなくて、かつての本歌を踏襲して、自分の知識、感性をすべてつぎこんで作られたような歌があります。当代随一の歌人が集まって、技を競わせる歌合せのようなシステムがあったから、歌人たちは自分の技を磨いて磨いて磨き尽くそうとした。そうして作られた歌のなかから、定家によって選ばれた百の歌。一千年読み継がれてきた歌には、やはりそれだけの力があります。ノートを作りながら、このことを実感しました。――「はじめに」より
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『〈世界史〉の哲学 近代篇1 〈主体〉の誕生』、『〈世界史〉の哲学 近代篇2 資本主義の父殺し』の「近代篇」上下巻を一冊にまとめた合本版!
【収録内容】
『〈世界史〉の哲学 近代篇1 〈主体〉の誕生』
資本主義の生育の土壌としては、イスラーム教圏や中華文明のほうが遥かに有利であったように見える。しかし実際に、無限の資本蓄積を求める「主体」が生まれ出たのは「長い16世紀」を経た西洋キリスト教圏からだった! 見えない時間を先取りし、終わってはならない経済「ゲーム」が終わることへの恐怖によって動くシステムはいかにして生まれたのか? プロテスタンティズムの倫理の特異性をあらためて腑分けし、近代が生み出した新たな「人間」存在の本質を解明する。
『〈世界史〉の哲学 近代篇2 資本主義の父殺し』
近代には不思議な性質がある。近代はいわば自分自身を否定するのであり、その否定を含めて近代なのだ。その奇妙なメカニズムに迫るため、本書はまずドストエフスキーの小説に挑む。ドストエフスキーの小説を通じて何が解明されるのか。資本主義のメカニズムである。と、書くとびっくりされるかもしれない。ドストエフスキーの文学と資本主義とはあまり関係がないと思えるからだ。だが、両者のつながりを理解するには、資本主義の本質を理解しておく必要がある。資本主義は一種の宗教である。資本主義が宗教の一種であるならば、ドストエフスキーの文学を媒介にしてそのメカニズムへと通じる道があっても不思議ではない。考えてみると、ドストエフスキーの小説では登場人物がたいていおカネのことで苦労している。と同時に彼らは絶えず神のことで思い悩んでいるのだ……。小説同様に資本主義と骨がらみの産物として美術や歴史意識が生まれ、19世紀以降今日にいたるまでわれわれを規定している。その軛からのがれることは可能なのか? 精神の自由を求める認識の冒険はさらに佳境へ! -
いま、あなたの周りには、いったいいくつのスマートデバイスが存在するだろうか。もしかしたら、あなたのポケットにはスマートフォンが入っているかも知れない。あるいはあなたの腕にはスマートウォッチが巻かれているかも知れない。スマートスピーカーで音楽を聴き、スマートペンでメモを取っているかもしれない。スマートグラスをかけているあなたの家を、スマートロックが守っているかも知れない。そんなあなたはスマートシティに住んでいるかも知れない。
私たちの日常には多くのスマートなものが浸食している。私たちの生活はだんだんと、しかし確実に、全体としてスマート化し始めている。しかし、それはそうであるべきなのだろうか。そのように考えているとき、問われているのは倫理である。本書は、こうしたスマートさの倫理的な含意を考察するものである。
(中略)
もちろん、社会がスマート化することによって私たちの生活が便利になるのは事実だろう。それによって、これまで放置されてきた社会課題が解決され、人々の豊かな暮らしが実現されるのなら、それは歓迎されるべきことだ。まずこの点を強調しておこう。しかし、このようにスマートさに内在的な倫理的価値を認めることは、いささか性急であるようにも思える。なぜならそのとき、スマートさがもたらしうるネガティブな側面が覆い隠されてしまうからである。
……スマートさがそれ自体で望ましいものであるとは限らないのではないか。むしろ、スマートさによってもたらされる不都合な事態、回避されるべき事態、一言で表現するなら、「悪」もまた存在しうるのではないか。そうした悪を覆い隠し、社会全体をスマート化することは、実際にはとても危険なことなのではないか。超スマート社会は本当に人間にとって望ましい世界なのか。その世界は、本当に、人間に対して牙を剥かないのだろうか。
そうした、スマートさが抱えうるネガティブな側面について、つまり「スマートな悪」について分析することが、本書のテーマだ。
(中略)
……本書は一つの「技術の哲学」として議論されることになる。技術の哲学は二〇世紀の半ばから論じられるようになった現代思想の一つの潮流である。本書は、マルティン・ハイデガー、ハンナ・アーレント、ギュンター・アンダース、イヴァン・イリイチなどの思想を手がかりにしながらも、これまで主題的に論じられてこなかった「スマートさ」という概念にこれらを応用することで、日本における技術の哲学の議論に新しい論点を導入したいと考えている。(「はじめに」より) -
ことばを、
・だんまり
・つぶやき
・語らい
の三つの層で考えてみるというお話に入ろうと思います。
最初にひとつだけ質問させてください。
みんな、ことばって好きですか? 好きなひと、ちょっと手を挙げてくれます?
はい。ありがとう。
嫌いなひとは?
あら……。そうか、どちらでもないひとが圧倒的に多いみたいですね。
ことばが嫌いなひとがものすごく少ない。これ、ちょっと驚きです。
ぼくはですね……じつはことばが苦手、というか、嫌いな人間なんです(笑)。
それで、いまの若い世代の人って、ぼく以上に嫌いなのかなって思っていたんで、虚を衝かれました。
でも、みなさん。だれかとしゃべる、ひとと話すことって、読むとか書くよりしんどくないですか?
しゃべりたくないときでも、黙っていると場から浮いてしまうんじゃないか。
メールが来たらすぐ返さないと、なんか悪くとられてしまうんじゃないか。もうつきあってもらえなくなるんじゃないか
とか、いろいろありそうですね。
しゃべりたくないときには黙っている、しゃべりたくなったら口をひらくのがいちばんラクだと思うのに、なぜかいつもしゃべらないといけないような空気みたいなものがある。ぼくはそれを敏感に感じるほうです。
ことばって面倒くさいじゃないですか。
じゃないですかって、挙手をみるかぎり、みなさんのほとんどがそう思っていないようですから、ちょっと困るところではありますが(笑)、ぼくは、ことばってすっごく面倒くさいものだと思っているんですね。
というのは、たいていの場合、ことばのほうが過剰か過少であり、ピタリ、ズバリはまずない。そのアンバランスというか、チグハグさにひとは苦しみ悶える。……
2020年10月15日、コロナ禍のなか愛知県立一宮高等学校でおこなわれた講演の記録。碩学のあたたかい語りかけと生徒たちの真摯な応答に読者はいつしかわが身をふりかえることだろう。 -
『哲学探究』は、ウィトゲンシュタインの後期の主著として、哲学史上に燦然と輝く名著です。
すでに、邦訳も出ていますが、古すぎたり、哲学としての解釈に不足があったりして、歴史的な名著の割には、名訳に恵まれませんでした。
このほど、もっとも信頼のおけるテキストである最新第4版の版権を取ることができました。
翻訳は、現在の日本で、もっとも厳密かつ魅力的な研究を続けている鬼界彰夫氏が担当します。
鬼界氏は、『哲学探究』というテキストが、どのような構造になり、何をめざしているのか、日本語で明確にわかるよう、特に版権所有者の許可を得て、見出しや解説等を、十分に入れていきます。
この企画によって、ついに、決定版の『哲学探究』の訳が世に出ることになったのです。 -
民主主義と平等主義の欺瞞を暴け。
資本主義を加速せよ。
民主主義を棄て去り、資本主義を極限まで推し進め、
この世界から〈イグジット〉するのでなければ、真の自由は獲得できない――。
“現代思想の黒いカリスマ”が放つ、禁断の書。
* * *
「声などどこにもない、ただ自由な出口だけがある。」
近代の啓蒙のプロセスを嘲笑い、民主主義的かつ平等主義的な価値観をも転倒せんとするニック・ランドの「暗黒啓蒙(The Dark Enlightenment)」は、ピーター・ティールやカーティス・ヤーヴィンらリバタリアン起業家たちが主導する「新反動主義」に理論的フレームを与え、哲学の最新潮流である「思弁的転回」や「加速主義」、そして「オルタナ右翼」へのインスピレーションをも喚起しつづけてきた。
果たしてそれは、人類の進歩的プロセスを否認する反動主義であり、野蛮な人種主義にすぎないのか。それとも、来たるべき未来を照らすオルタナティヴな光源なのか――。
* * *
[目次]
序文 『暗黒の啓蒙書』への「入口」 木澤佐登志
Part 1 新反動主義者は出口(イグジット)へ向かう
Part 2 歴史の描く弧は長い、だがそれはかならず、ゾンビ・アポカリプスへと向かっていく
Part 3
Part 4 ふたたび破滅へと向かっていく白色人種
Part 4a 人種にかんする恐怖をめぐるいくつかの副次的脱線
Part 4b 厄介な者たちの発言
Part 4c 〈クラッカー・ファクトリー〉
Part 4d 奇妙な結婚
Part 4e 暗号に横断された歴史
Part 4f 生物工学的な地平へのアプローチ
訳者解説 なにから離脱するべきか 五井健太郎 -
暴発するテロ、迫るファシズム、広がるインターネットの闇、底なしの格差と貧困。世界を覆う「見えない危機」の正体を見抜き、現代を生き抜くための最強の読解力を指南する。〈危機とは、もともとギリシア語で峠とか分かれ道を意味する「クリシス」に由来する概念だ。分かれ道に関しては、選択を間違えると、とんでもない方向に進むことになり、目的地に到達することはできない。従って、われわれが危機について語るときは、単に危機という現象について、分析し、認識するだけでは不十分だ。危機から抜け出す処方箋についても考えなくてはならない。〉――佐藤優(まえがきより)同時多発テロ/オウム真理教/官僚の不正/トランプ現象/北朝鮮の脅威/ヘイト言説/日米同盟/沖縄基地問題/外国人労働者受け入れ/相模原事件/子どもの貧困…… 現代の危機を神学の知恵で読み解き、希望への処方箋を提示する。(目次より)1見えない危機の到来2資本主義の暴走3国家の本質4格差社会を超えて
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大乗仏教、哲学、量子論、言語学、精神分析、数学、生命科学、脳科学……を超えて、東洋知の結晶した華厳経の潜在力を大展開する未来のサピエンス学へ! 『チベットのモーツァルト』に始まった心と脳をめぐる探究の頂。文芸誌『群像』の連載「レンマ学」がついに単行本化!「レンマ」とは何か? 哲学者山内得立が著書『ロゴスとレンマ』で提出した概念によっています。「ロゴス」は「自分の前に集められた事物を並べて整理する」ことを意味しています。その本質は時間軸にしたがう線形性にあります。それに対し、「レンマ」は「直観によって事物をまるごと把握する」という意味です。西洋では伝統的に「ロゴス的知性」が重要視され、そのうちに理性といえばこの意味でばかり用いられるようになりました。ところが東洋では、「レンマ的知性」こそが、理性本来のあり方と考えられました。まさに仏教はこの「レンマ的知性」によって世界をとらえようとしたのです。大乗仏教、とりわけ『華厳経』が「レンマ的知性」による高度の達成を実現しようとしました。現在、人間的理性能力のうち、「ロゴス的知性」の部分をコピーしている、人工知能の急速な発達によって、より根源的なもう一つの理性能力である「レンマ的知性」の存在が逆説的に、鮮明に浮かび上ろうとしています。そして、「レンマ的知性」は、現代数学や量子論、言語学、精神分析、数学、生命科学、脳科学といった人間諸科学の解体と再編成をうながしていく可能性があります。この知的鉱脈を鈴木大拙や南方熊楠、井筒俊彦らは気づいていました。それを現在の知的装備を駆使して掘り起こす試みが、「レンマ学」です。 序第一章 レンマ学の礎石を置く第二章 縁起の論理第三章 レンマ学としての『華厳経』第四章 脳によらない知性第五章 現代に甦るレンマ学第六章 フロイト的無意識第七章 対称性無意識第八章 ユング的無意識第九章 レンマ的数論(1)第十章 レンマ的数論(2)第十一章 レンマ派言語論第十二章 芸術のロゴスとレンマエピローグ 付録一 物と心の統一二 レンマ的算術の基礎三 心のレンマ学/A Lemma Science of Mind あとがき主要参考文献索引
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ガリレオ、デカルト以降、現代の原子核物理に至る近現代の「科学」=客観科学は、「自然」を人間の外部としてコントロールしようとします。レヴィ=ストロースはそれを「家畜化」と名付けました。その科学技術は、昨年この国で大惨事を引き起こしました。「科学」が覇権を握る近現代において、人類学や民俗学だけが、「科学」に細々と抗い、「野生型」の知識の豊かさが無尽蔵にあることを、明らかにしようとしてきました。その精神を引き継ぎ・発展させ、豊かで、具体的で、世界・自然と交感する新しい科学の創造を提示していきます。本書は、「野生の科学」の精神をもって、多岐に亘るテーマを扱っていきます。「科学」を乗り越えるインターフェイスの思想。「自然過程」で働く〈不思議な環〉を組み込んだ新しい人間科学。神話的思考による「ねじれ」、贈与的「新経済学」、「穴の幾何学」による「心的トポロジー」。柳宗理「民藝」運動、深沢七郎「普遍文学」。アール・ブリュット、アール・イマキュレ、現代美術と心の構造の関係、そして曼荼羅が表現する「心そのもの」。稲荷山(京都・伏見)、甲州(山梨)、熱海をアースダイビング。その上で、「土地」と脳の関係を「野生の地図学」として抽出します。
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比較思想から見る東西思想の軌跡と思惟様式。心と自然、有と無、肯定の論理と否定の論理などのテーマで東西思想の根幹をなす本質とその思惟様式を解析。人類の知的財産の比較思想的観点からの体系的な総決算。
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生存、表現、探求――人間の営みの本質とは何か。その果実としての形はどんな味わいなのか。今を良く生きるための哲学エッセイ。モノの形の味わい、生きることの難儀さ、芸術の偉力、考えることの深さ。多面体としての人間の営みとその様々な相に眼差しを向け織りなされる思索。日常を楽しみ味わいながら生きるための技法を、哲学者が軽やかに、しかも深く語るエッセイ80編余を収録。
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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
欧米では定番の科学計算ソフトの入門書。コマンドラインの利用やプログラムの開発などソフトの主要部分を解説するだけでなく、応用についても幅広く紹介。6000頁に及ぶ英文マニュアルにお困りの方へ特にお薦めの1冊。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
中村天風100周年記念企画。世界が認めた哲人天風の世界は、絶対積極。後ろ向きもネガティブも存在しない、「上向き」に生きる知恵。東郷平八郎、原敬、松下幸之助に多大な影響を与え、現代でも松岡修造、稲盛和夫、市川海老蔵、大谷翔平といった各界の著名人から強く支持を受ける中村天風がもし現代に現れたら、どんな表現でその教えを伝えるだろうか? 迷いと葛藤の日々が、今日から感謝と喜びに満ちた「感動の舞台」になる。
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式や記号が嫌いという気持ちがわかる著者が全体を組み立て、情報科学の専門家が1歩進むためのヒントを加えた。基礎がわかれば、自分の課題にいかせる。「集まってしまう」データを「使えるデータ」にするコツを知ろう。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
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デジカメで、携帯で、ゲーム機で、撮った画像を測って使う。 近年、パソコンおよびカメラなどの電子機器が急激に安価・高機能になることに伴い、視覚情報を「カメラで捉え」、「コンピュータで処理」して、誰もがその情報を活用する世界がはじまりました。そこで、本書では、カメラをパソコンに接続して画像を取得し、画像処理・画像計測を簡単にできる方法を説明します。――<本書より>※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
なぜ人間だけが言葉で話すようになったのか? 言語はコミュニケーションの手段ではなく、世界を俯瞰する眼としての自己を産み出した。人間のあらゆる認識、思考、行為の根幹をなす言語という現象の本質に迫るスリリングな論考。言語は内面に向かい、孤独は人を結びつける。
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小学生の悩みについてアンケートをとると、その筆頭は今も昔も、友達と上手くやっていけないことだといいます。中には仲間関係の悩みから自らの命を絶とうとする子どももいます。そして人間関係の悩みは大人になってもなくなることはありません。本書は、プラトンやアリストテレスの言葉を紹介しながら、親子、仲間、愛などのテーマをやさしい言葉で解説し、自分らしく幸せに生きていく考え方を提案します。
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西洋古代哲学専攻でありながら、その学識は西洋哲学史全般、ひいては現代思想にまで及んだ希代の碩学・神崎繁。政治と哲学の境界に立って、最期の際まで続けた思索をついに刊行。プラトン、ホッブズ、カール・シュミット、ハイデガーなどを縦横無尽に論じる文章は、まさに「これが哲学だ」というべきもの。巻末に付した中畑正志「「解題」のかわりに」、熊野純彦「思想史家としての神崎繁』も必読!
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【目次】美とは目的なき合目的性である/美しいものは倫理の象徴である/哲学の領域とその区分について/反省的判断力と第三批判の課題/崇高とは無限のあらわれである/演繹の問題と経験を超えるもの/芸術とは「天才」の技術である/音楽とは一箇の「災厄」である/ 「自然の目的」と「自然目的」/目的論的判断力のアンチノミー/ 「究極的目的」と倫理的世界像/美と目的と、倫理とのはざまで
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『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』――ふたつの作品には論理学者だった作者ルイス・キャロルがちりばめた知的お遊びがいっぱい。子ども向けのおとぎ話をよそおいながら、立派な教訓などは出てこない。論理といっても屁理屈といってもいいけれど、作者がしかけた知的遊戯を、さらに徹底的に論理的に考えてみると……。アリスと分析哲学と、一冊で二度おいしい哲学書。もしかして作者は映画や絵本よりこっち寄りだった!?
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私が見たり聞いたりしているこれは、本当に世界そのものなのだろうか。かつては誰も見通すことができなかった、知覚し感覚するという経験を解き明かす、思考のドキュメント。著者は、こうして、ついに世界と心ある他者に出会えた!
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「すべての出来事は、あらかじめ決まった因果関係により、必然的に起きている!」 というのが運命論者である。そんなバカな、と思うか、そうかもしれないと納得するか、人類は運命論・反運命論に分かれて論争してきた。これは、じつは、過去・現在・未来を問い直す時間論であり、因果関係を見直す論理の問題でもある。運命論をスリリングな哲学として展開する快著!
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家の納屋を食べ物でいっぱいにすることは、父親の務めだが、それ以上に、一家の長たる者はすべてに目を配り、同居する者みんなを監督し、知っていなければならない。家の内外での平生の行動を吟味し、家族のなかの誰であれよからぬ習慣を持っていたら、感情的に怒るよりもむしろ理を説いて、それをいちいち正し、改めさせなければならない。一方的に命令するより、何が役に立つかを助言してみせ、謹厳実直、必要とあらば厳格でもなければならない。家族のひとりひとりが美徳と賞賛に恵まれるように導く努力をし、また助言を怠らないが、つねに家族全体の福利・安寧・平穏に気を配らなければならない。父親は世間の風向きや好意や潮流、同輩の市民たちの厚情をうまく読んで、名誉や尊敬や権威という港に入る術を知らなければならない。――<「第1書」より抜粋>
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【第36回サントリー学芸賞 芸術・文学部門 受賞作】 ギリシアから近現代にいたる「言語起源論」の流れを追えば、それはそのままヨーロッパの思想展開史に重なる。把握不能な「言語生成の瞬間」を、それでも見ようとした無数の試みは、近代に至って何を見出したのか。気鋭の著者による渾身の西洋思想史。
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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
ふたたび地球にやってきた星の王子さまと、各界をリードするトップランナー10人。会田誠(芸術家)、上田泰己(生命科学者)、開沼博(社会学者)、金田一秀穂(言語学者)、釈徹宗(宗教学者)、泰羅雅登(脳科学者)、立川志らく(落語家)、名越康文(精神科医)、西内啓(統計家)、村山斉(物理学者)が、ナビゲーターとなった王子さまの素朴な問いに答え、常識や愛など「目に見えない、かんじんなこと」を探求する! -
世界は多元的であるがゆえに一つである。われわれの思考、言葉と表現の生まれた場所とは!? 近代思想史を斬新に塗りかえる画期的論考。
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折口学成立の起源と秘密に迫る本格的論考! 柳田國男と折口信夫の対立の根源を台湾の「蛮族調査報告」を初めて読み解きながら明らかにし折口学の世界的普遍性を論じる力作。「群像」新人文学賞優秀作収録。
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デカルト、スピノザ、ホッブズ、ライプニッツ。この大哲学者たちには教科書ではとうていわからないアブなさと魅力がある。2+3=5なのは、神がそうしたからであって、2+3=6の世界だって神は創造できるのだ、と、デカルトは本気で考えた。この世の現実はぜーんぶ神でできている、とスピノザはいう。何かを行為したら、後からそのつもり(意志)はなかったとは言わせない、というのがホッブズの国家論。神と国家の哲学とは。
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本書は「学びの塔」である東大の総長を務め、かつ政治思想史の碩学で政治という「歴史の中で人間を動かす学問」を研究と現実とで行ってきた著者が、長年の教育実践をもとに、福沢諭吉、アリストテレス、ヘーゲルやマルクスの知の軌跡に分け入りつつ示す、「勉強」を超えて到達する「学び」の境地。旧来の常識や手本を学び、それを超えて自由になることは、人生の可能性を大きく切り開く。
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「どうして勉強しなきゃいけないの?」「なぜスカートの丈を短くしたら叱られるの?」「『いじめ』はなくならないの?」「僕らの生きている『世界』って?」「『死ぬ』のはどういうこと?」中学生諸君!テツガクシャ校長が一緒に考えます。
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