『ノンフィクション、小学館、その他(レーベルなし)、0円(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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1才の娘と、夫に遺した「愛」の記録。
<もう、3年のうち2年半が経過した。余命は統計。私は大丈夫。>(本文の日記より)
遠藤和(のどか)さんがステージ4の大腸がんを宣告されたのは、21才のときだった。
当時交際中だった将一さんには「私、がんだった」と告げた。
将一さんは「絶対、別れない」と応じた。
22才で結婚式を挙げた。その様子は、『笑ってコラえて』(日本テレビ系)の「結婚式の旅」というコーナーで放送され、大きな反響を呼んだ。
子供がどうしても欲しかった。抗がん剤を止めなければいけない。それでも「絶対後悔する。死んでも死にきれないよ」と将一さんを説得した。
<はじめて胎動を感じた。私、ママだよ。2~3か月後には、もう会えるね>
23才で長女を出産した。
21年5月、病院で余命は数週間と宣告された。家に帰った。「それでも人生でいまが一番しあわせ」と家族3人と猫1匹の、愛しき日々を送った。
21年9月、24才の若さで亡くなった。
和さんが亡くなる10日前まで、生と死を見つめて書き続けた日記。
それは、1才の娘と、夫に遺した「愛」の記録。 -
第40回講談社ノンフィクション賞受賞作品!
死の「瞬間」にまで立ち会った衝撃ルポ!
安楽死、それはスイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、アメリカの一部の州、カナダで認められる医療行為である。超高齢社会を迎えた日本でも、昨今、容認論が高まりつつある。しかし、実態が伝えられることは少ない。
安らかに死ぬ――。本当に字義通りの逝き方なのか。患者たちはどのような痛みや苦しみを抱え、自ら死を選ぶのか。遺された家族はどう思うか。
79歳の認知症男性や難病を背負う12歳少女、49歳の躁鬱病男性。彼らが死に至った「過程」を辿りつつ、スイスの自殺幇助団体に登録する日本人や、「安楽死事件」で罪に問われた日本人医師を訪ねた。当初、安楽死に懐疑的だった筆者は、どのような「理想の死」を見つけ出すか。
<医師は、老婦に向かって、「もう大丈夫よ、もう少しで楽になるわ」と呟いた。15、16、17秒、そして20秒が経過した時、老婦の口が半開きになり、枕にのせられていた頭部が右側にコクリと垂れた。まるで、テレビの前でうたた寝を始めたかのようだった。……死の直後、犯行現場に居合わせている気分に襲われた。私は老婦の横で、ただ祈りを捧げ、自らへの罪滅ぼしを演じていた>――プロローグより
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