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『完結、小山田いく、101円~400円、雑誌を除く(マンガ(漫画))』の電子書籍一覧

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  • クリスマスイブを迎える日、その日はイチノの長野高専願書提出の日でもあった。
    出発しようとするイチノに声をかける担任の正木。
    正木はイチノにもう一人志望者がいる事を伝える。
    一方、妖精館(アルフヘイム)では晴ボンたちがクリスマスパーティーの準備を進めている中、理美はぼんやりと空を眺めていた。
    自分たちが受験生であるというのが、そしてイチノが長野高専へ行くというのが夢であってくれればと願う理美…だが、かがりは同じ立場にいながらもじっと現実を受け入れていた。
    やがて長野から帰って来たイチノたち。
    理美の想いを伝える春ボンやマッキーにイチノは一つの決心を告げる…。
    その他、笠地蔵の民話を聞いて近所の六地蔵にささやかなお供え物を置いてゆく7組の仲間たちを描いた「笠地蔵」。
    生物部の修一と美幸がペットのニョコとの別れを決意する「卒業は眠りの中で」。
    いよいよ受験本番!「MAXIMUM」など「小山田いく」が温かなハートで描く青春グラフティーの決定版!
    「すくらっぷ・ブック」が生まれるまでの小山田先生本人のエッセイコミック「どっぐいやあ」第4話も掲載!

    当時の小山田いく先生の単行本コメント
    『部屋の整理をしたら、出ました出ました、アマチュア時代の作品がいっぱい。
    10歳のころ、はじめて自分で話をつくって漫画をかきはじめてから、デビューするまでの13年分。物語の数は「すくらっぷ・ブック」10巻現在の93話に匹敵するくらい。
    もちろん人前に出せるシロモノではありませんが、当時のボクの写真以上に大事な記録として保存しておくつもりです。』
  • 秋を迎え、受験勉強も本番を迎えつつある晴ボンたち3年7組。
    そんな中、芦原中に一つの騒動が持ち上がる。
    校内の北側倉庫に幽霊が出るというのだ。
    元新聞部の八重沢奈美子はこの情報は間違いないと言い、自分一人で現場に張り込もうとする。
    危ないからと雅一郎やマッキーたちと共に一緒に現場に張り込む事を申し出るイチノや晴ボンたち7組メンバー。
    さて張り込み当日、おとりとなって倉庫前を歩くマッキーの前にうめき声と共に怪しい影が現れるがそこには人為的な何かが...。
    晴ボンたちはその影を追い詰めて行くが、やがてこの騒動の裏には思いがけない思惑があった事が判明して…!?

    その他、皆でのキノコ狩り、妙子の争奪戦を繰り広げながらも互いにフェアであろうとするアサとノーミンを描いた「ふたつ」。
    皆の受験を控え生徒たちの事を思いながらも厳しくすることで生徒たちの敵になってしまうのではないかと葛藤する正木先生の「風に落葉松」など、「小山田いく」が温かなハートで描く青春グラフティー。
    「すくらっぷ・ブック」が生まれるまでの小山田先生本人のエッセイコミック「どっぐいやあ」第3話も掲載!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『最近ろくな夢を見ません。でき上がった本を見るとなぜか「すくらっぷ・ブック」だけまっ白だったり、下絵のままだったり…。
    だから精神衛生上、眠る前にはできるだけ楽しい、民話なんかを読む事にしているんですが、そうすると今度は、徹夜してかいた原稿が、朝になると木の葉に変わってしまう夢を見たりして…』
  • 信州は長野県小諸市の芦ノ原中学校。
    3年7組の晴ボンは恋人のマッキーこと迎麻紀、同じクラスの市野清文、坂口光明、そして市野の恋人青木理美たちとにぎやかな学生生活を送っている。
    そんなある日、イチノのサッカーのライバル、南中サッカー部「鉄壁のライトバック」アサこと宇木朝実…この「鉄壁のライトバック」が神妙な顔でイチノたちを訪ねてきた。
    その理由は九州から来た転校生、恵庭妙子のことだった。
    アサに頼まれイチノ、晴ボンにクラスメイトの雅一郎やノーミンこと稲玉和夫までアサについて南中に行くが、晴ボンたちはその転校生と話をしてびっくり!
    彼女は修学旅行で晴ボンたちが交流し、ノーミンが針葉樹の種をプレゼントした相手、その人だったのだ!
    その時のお礼にとノーミンのほっぺにキスをする妙子。
    それはただの無邪気な感謝の気持ちだったのだが…ノーミンは舞い上がって妙子にラブレター攻勢をかけ始めたのであった。
    皆が一生懸命なだけ、皆が周りを思いやろうとしただけ、誰も悪くない、どこにも悪者はいない、そのはずなのに皆が傷ついてしまい…やりきれない思いを抱えた晴ボンたちが取った行動は…!?
    その他、民話によせて坂口や彼に想いを寄せるクラスメイト五島かがり、桜井光代の想いを描いた「乙女の紅つつじ」、など、「小山田いく」が温かなハートで描く青春グラフティー。
    すくらっぷ・ブック誕生秘話を描いた読み切りエッセイ漫画「どっぐいやあ」第1話も掲載。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『春休みや夏休みになると、旅行がてらボクを訪ねてきてくれるファンが増えて来ました。ボクが小諸市にいるという事だけを頼りに、あちこち訪ね歩いて、家を見つけるのだそうですが、たいていの人はまず、駅前交番で尋ねるようです。おまわりさん、いつもありがとう。』
  • 信州は長野県小諸市の芦ノ原中学校。
    3年7組の晴ボンは恋人のマッキーこと迎麻紀、同じクラスの市野清文、坂口光明、そして市野の恋人青木理美たちとにぎやかな学生生活を送っている。
    夏も終わり、芦ノ原中学校は学園祭の時期を迎えていた。
    晴ボンたち3年7組が挑むのは映画製作。
    晴ボンの脚本を基に準備を進めてゆくクラスメイトたちだが何かが足りない…物語にリアリティーが感じられない…。
    何故?何がたりないのか?
    悩む晴ボンを見かねた3年7組の知恵袋「ばーちゃん」こと土屋悦子は晴ボンの脚本を持って担任の正木のもとへ相談に行くのであった。
    文化祭当日。映画の幕が開く。
    晴ボンたち3年7組は納得のいく映画を作ることが出来たのか??
    その他、皆が夢を語り合う中でのマッキーの葛藤を描く「夢たち」など「小山田いく」が温かなハートで描く青春グラフティー。
    すくらっぷ・ブック誕生秘話を描いた読み切りエッセイ漫画「どっぐいやあ」第2話も収録。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『このあいだ、久しぶりに家の近くでアゲハチョウの幼虫を見つけました。その時ふいに『あ、飼ってチョウにしてやりたいな』と思ったんです。―中学生のころみたいに。
    まだ自分に、そんな気持ちの残っていたことが何だかうれしくなりました。
    仕事場で飼えない幼虫は、今も近くの草むらにいます。サナギになって冬を越し、来年の春、飛び立つ予定です。』
  • 常緑樹は若葉が揃うのをすべて見届けてからそっと散ってゆく。
    周りの緑が明るい中でのそれはひっそりと目立たず、秋の落ち葉より一層寂しく見える・・・。
    高専への進学を決心していたイチノ、だがそれは同時に街を出ること、理美と離れることを意味していた。
    イチノは理美に余計な心配を掛けないよう「進学」のことを黙っていたが、その話が噂として理美に伝わってしまう。
    動揺を隠せず、取り乱す理美。
    以前より理美からイチノの相談を受けていた坂口は彼女をなだめようとするが、そんな理美にすがり付かれ・・・
    同じ頃、イチノが無意識にノートに書いていたメモを周りに話したことがトラブルの原因と知った雅一郎は自力で解決に乗り出す。
    イチノと理美、二人の深くなった溝は埋まるのか?
    その他、「男まさりの栗きんとん」、かがりにも初恋の予感?の「かがりに吹いた春の風」、修学旅行先で出会った南国の少女との交流を描いた「クリスタル、グリーン」など「小山田いく」が温かなハートで描く青春グラフティー第6巻。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『「すくらっぷ・ブック」もこれで6巻目。そしてこの中の第51話で連載も一周年。ボクも晴れて漫画家二年生というわけですネ
    しかし、50編も話を作ったのに、本当にアッという間の一年でした。それだけ充実してたのかナ?…と少々自己満足
    …なんて、もっともっとがんばらなきゃいけないのにね。これからもよろしく…だいぶヒネた二年生だけど。』
  • 信州は長野県小諸市。
    市内の芦ノ原中学校に通う晴ボンこと柏木晴は同じクラスの親友、市野清文とその恋人、青木理美といつも一緒。
    ある日、ひょんな事から柔道部の信州ヒグマこと坂口光明が理美ちゃんにホレてしまい大騒動!
    そこに晴ボンに想いを寄せるオテンバ娘マッキーこと迎麻紀も加わって??

    恋に友情、そして時にはケンカも……真剣に悩み、語り、そして信じ合う仲間たち。
    信州小諸、芦ノ原中学校を舞台に「小山田いく」が温かなハートで描く青春グラフティー。
    読み切り作品『12月の唯』も収録した小山田いく青春3部作第1弾!!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『ボクの住んでいる信州・小諸は、軽井沢に近い小さな高原の街。そこで育った信州りんごの味をそのまま…ボクは漫画に描ききれたかナ?
    なにはともあれ、新種のりんご(?)「すくらっぷ・ブック』の初出荷。まずは味わってみてください。ボクが精魂こめて育てた“心のスクラップ・ブック”の味を……。』
  • 東京の動物病院で働く獣医師、鹿間一成(しかま かずなり)は院長を殴打する事件を起こしてしまい勤務先の病院を追われ、更には妻も家を出てしまう。
    一成は妻の連れ子で10歳になる諷子(ふうこ)と共に、両親を亡くした彼を育ててくれた信州の伯父夫婦の家を訪ね、そこで動物診療所をはじめることになるが…。

    うそ・・・つくよ・・・ある日の授業中、クラスメイトが教科書の動物はうそをつかないから好きだ、という文章を読んでいた時に諷子がポツリと、そうつぶやいた。
    授業の後、諷子の言葉を不思議に思って話しかけた担任の小絵(さえ)に彼女は動物だってうそをつく!と強く訴えかける。
    小絵はその諷子の様子にただならない何かを感じ取っていた。
    そしてその日の帰り道、小絵は見慣れない女性と話をする諷子を見かける。
    動物だってうそをつく…諷子がその言葉に込めた真意は?そして諷子が会っていた相手とは?
    その他、冬のある日、傷の癒えた小鳥を山に放すため一成と一緒に山の中を歩いていた諷子は、川沿いの氷の中にまるで夏のような風景があるのを見つける。それはクラスメイトの亘(とおる)が作ったものだった。ある日、亘と一緒に再びその場所に行った諷子はそこに予期しない物を見つけ…「氷の中の夏」。
    諷子が下校途中に出会ったバードウォッチングの男性。山を案内した諷子に男性はお礼として双眼鏡と撮影したフィルムを渡して別れるが、諷子の話を聞いた一成はそこにただならない雰囲気を感じとる…「みんないっしょに」。
    ある日、一成の元に泥だらけのボトルが送られてくる。それは東京にいた頃、一人の男が可愛がっていたペットの亡骸と共に土に埋めたものだった…「ウイスキーを飲める時」。
    ある雪の日、戻ってきた母親に連れ出された諷子は母親の車を飛び出し、山の中に逃げ込む。同時に往診帰りの一成も山中で事故を起こしていた。日が落ち、雪が降り続く中、伯父の袈裟次郎たちはなすすべをしらず・・・「心」など。
    田舎の暮らしと自然との関わり、そして昨今話題に上がる親子の絆…小山田いくが淡々と描く名作最終巻。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『ゆっくりと、七十二回の話を描いてきました。何だか「風の宿」は、ゆっくり、ゆっくり、描いてきた気がしています。そういう気持ちでいなければ、描けない物語でした。そんな気分が、読者のみなさんにも伝われば…と、願っています。』
  • 東京の動物病院で働く獣医師、鹿間一成(しかま かずなり)は院長を殴打する事件を起こしてしまい、勤務先の病院を追われ、更には妻も家を出てしまう。
    一成は妻の連れ子で10歳になる諷子(ふうこ)と共に、両親を亡くした彼を育ててくれた信州の伯父夫婦の家を訪ね、そこで動物診療所をはじめることになるが…。

    諷子の同級生、さとみが飼っている猫のユラには霊感があるという。
    さとみの寝室には時々お化けが出てとても怖い思いをするのだが、その時は決まってユラが助けに来てくれるというのだ。
    クラスメイトたちに、さとみの話を確かめるように言われた諷子は彼女の家に泊まり、その時の様子を一成に話した。
    すると一成は諷子の話の中にユラの異変を感じ取るのであった。
    ユラの身に何が?
    そして一人で夜を過ごす怖さとユラを失うかもしれない怖さ、2つの恐さの板挟みの中でさとみの出した結論は?
    その他、母を失った子狐が里に下り、そこで新たな母親と出会うがその母親は…「母ちゃん」、幼少の頃、犬に襲われたのがきっかけで犬嫌いになった少年。時が経ち、既に老犬となったその犬に仕返しをしようとするのだったが…「犬ぎらい」、祖父の袈裟次郎と一緒に山に入った諷子はそこで冬に備えて身を寄せ会う動物たちに出会う…「冬を越すために」等。
    田舎の暮らしと自然との関わり、そして昨今話題に上がる親子の絆…小山田いくが淡々と描く名作第7巻。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『猫は敏感で、予知に近い能力を持っているとも言われています。そこで、家の猫たちが何か変わった行動をとるたびに、メモをしたりしているのですが、未だかつて何か起きたためしがありません。飼い主に似て、家の猫はみんなただのボケ猫です。』
  • 東京の動物病院で働く獣医師、鹿間一成(しかま かずなり)は院長を殴打する事件を起こしてしまい、勤務先の病院を追われ、更には妻も家を出てしまう。
    一成は妻の連れ子で10歳になる諷子(ふうこ)と共に、両親を亡くした彼を育ててくれた信州の伯父夫婦の家を訪ね、そこで動物診療所をはじめることになるが…。

    ある日、一成の元へひとりの少女が訪れた。
    彼女が一成に治療してほしいと見せたもの、それはなんと掛軸に書かれた山女魚だった。
    亡くなった祖父が描いたというその山女魚は今まで毎朝掛軸の中を泳いでいたのに猫に爪を立てられて泳がなくなってしまったというのだ。
    そう必死に訴える少女に押された一成は掛軸を預かることにし、最初は少女をばかにしていた諷子も彼女の境遇を知ってから一転、一成にこの掛軸の山女魚を治すよう懇願する。
    本格的な調査に乗り出した一成がやがて見つけたものは…!?
    その他、祭りの夜に諷子が出会った女性。その女性が諷子の中に見ていた物は・・・「祭りの夜」、いやいや家にいる鳥の世話をしていた女の子、だがやがて彼女はそこにあった絆に気付き涙する「記念写真」、飼い猫が亡くなったとの電話を受けた一成、だがそれは既にこの世にいないはずの猫だった・・・愛猫と最後まで添い遂げようとする老婆の想いを描く「過去の中の猫」、等。
    田舎の暮らしと自然との関わり、そして昨今話題に上がる親子の絆…小山田いくが淡々と描く名作第6巻。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『動物を描くのは、本当にむずかしいものです。表情だけで、その時の動物の心を表さなければならないからです。──だから、今まで、満足のいく動物の絵が描けたことって、本当に一度か二度なのです。それが三度に…四度に…なるよう頑張っているのですが…。』
  • 東京の動物病院で働く獣医師、鹿間一成(しかま かずなり)は院長を殴打する事件を起こしてしまい、勤務先の病院を追われ、更には妻も家を出てしまう。
    一成は妻の連れ子で10歳になる諷子(ふうこ)と共に、両親を亡くした彼を育ててくれた信州の伯父夫婦の家を訪ね、そこで動物診療所をはじめることになるが…。

    ある日、諷子が通う小学校のクラスメイトや担任の小夜先生と一緒に山へ虫取りに行く事になった一成。
    ところが一行は雨に降られてしまい、同級生の持つ、今は使われていないペンションで雨宿りをする事になった。
    はしゃいでペンションの中を走り回るクラスメイト達。そんな彼らと一緒に走り回っていた諷子の前に一人の不思議な少女が現れた。
    何も言わず1匹の蝶を諷子に渡す少女。
    諷子にその蝶を見せられた一成の脳裏に、やがてその山で起きた一つの事件の記憶がよみがえり…!?
    その他、山中の渓流で見つかったクマの死骸。その胃から人の指が見つかった事から月科村は大騒ぎに「レンズの下」。
    一成も叔父夫婦も出掛けてしまい一人で留守番する事になった諷子。そんな諷子の元に連れてこられた1匹の犬と諷子の物語「留守番」、ある雨の日、一成の元に女性から送られてきた詩集。中に記された恋の詩に諷子は落ち着かず…「雨蛙」、等。
    田舎の暮らしと自然との関わり、そして昨今話題に上がる親子の絆…小山田いくが淡々と描く名作第5巻。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『いつも何気なく見ている動物や植物の図鑑。ふと、思いついて、今までに見た記憶のある動植物に、〇印をつけてみて、自分が知っている生き物が、いかに少ないか、よ~くわかりました。みなさんも、いっぺんためしてみては?』
  • 東京の動物病院で働く獣医師、鹿間一成(しかま かずなり)は院長を殴打する事件を起こし、病院をクビとなる。
    妻にも逃げられ、彼女の連れ子で10歳になる諷子(ふうこ)と共に両親がに亡くなって以来、一人立ちするまでの間、育ててくれた故郷の信州の伯父夫婦の家で動物診療所をはじめることになるが…。

    ある日、諷子の夢の中に子猫が現れた。しきりに鳴くぼんやりとした影。
    諷子は手を差しのべるのだが子猫の影は砂の様に崩れ落ちてしまう。
    そんな夢を繰り返し見た諷子はやがてその影はかつて諷子が名前をつけたがすぐに死んでしまったあの子猫ではないかと思う様になった。
    そんなある夜、目を醒ました諷子はその鳴き声が夢の中ではなく自分の部屋の床下から聞こえてくる事に気付いた。
    朝になって床下にもぐった諷子が見たもの、それはあの子猫に瓜二つな、しかも同じ病を患った子猫。
    諷子はその子猫を死んでしまった子猫の生まれ変わりだと信じて世話をしようとするが…。
    その他、一成が往診の帰りに出会った寒々とした風景を描き続ける少女。ひたすらに一人で絵を描き続ける少女の胸に去来する思いは…「冬色の川」、
    ある日、桜の咲く小学校跡で四人の年配の男たちに出会った一成。年に一度そこで集まるというその男たちには時代に翻弄され、幼い日にその場所に残してきた切ない想いがあった…「夜桜」、
    生まれた時からいつも少女と一緒にいた猫。少女のその猫に対する思いと最期の時を描いた「サブのいた日々」、など。
    田舎の暮らしと自然との関わり、そして昨今話題に上がる親子の絆…小山田いくが淡々と描く名作第4巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『野良猫を数匹世話しはじめてから、うちにごはんがあるというウワサが、猫の間に広まったのか、いろんな猫が姿を見せるようになりました。それを見るとあらためて、猫の毛色の種類の多さに驚かされます。今度、写真付きの猫のリストを作ろうかと思っています。』
  • 東京の動物病院で働く獣医師、鹿間一成(しかま かずなり)は院長を殴打する事件を起こし、病院をクビとなる。
    妻にも逃げられ、彼女の連れ子で10歳になる諷子(ふうこ)と共に両親がに亡くなって以来、一人立ちするまでの間、育ててくれた故郷の信州の伯父夫婦の家で動物診療所をはじめることになるが…。

    一成の元に現れた「もう一人の獣医師」…村で畜産を営む庄野は手塩にかけて可愛がっていた牛のフジコをめぐって厳しい判断を迫られていた。
    病気が進み、完治の見込みがないという。
    獣医師の進藤は庄野にフジコの処分を進めるが、生れたて時から特に手をかけてきたフジコを殺すに忍びない庄野は一成に延命治療を依頼するが…。
    その他、自らをきつねと名乗り、一成の元に「入院させて欲しい」と現れた不思議なおばあさん「うらみ葛の葉」、戦って傷ついたコウモリとフクロウ、そしてそれを治療する一成の姿をコウモリの視点で描く「おれたちの世界」、一成が東京にいた頃に会った親子と子犬の物語をふきのとうに寄せて贈る「フキみその味」、など。
    田舎の暮らしと自然との関わり、そして昨今話題に上がる親子の絆…小山田いくが淡々と描く名作第3巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『犬好きの人は犬に、猫好きの人は猫に、性格が似ているものだという話を、聞いたことがあります。そこで猫好きの自分のことを考えてみると…寒がりで、眠るのが好きで、気むずかしくて…悪いところだけ、よく似ているようです。』
  • 芹多実男(せり たみお)が小学生の頃に海で出会った少女。
    二人はすぐに仲良くなり一緒に遊んだが、その時、突如浜を襲った地震と津波に遭遇し、名前も聞けないまま、離ればなれに…。
    時が経ち、中学2年生になった多実男は、その海水浴場の近くに住む親戚の家にいた。
    親戚の五行家を久しぶりに訪れた多実男。
    そこには多実男と同い年のいとこ、彩(さい)がいたが、いきなり目の前に出てきた彩の姿に多実男はビックリ!
    なんと、彩は今や近所でも評判の霊感少女になっていたのだった。
    彩は多実男をタミーと呼び、多実男が幼少のころに海で出会った少女を探すことを条件に除霊のアシスタントとしてこき使われることとなる。
    そんなふたりが今回遭遇した事件は…?!
    ある日、彩にかかってきた一本の電話。
    それは祟りを起こすという海岸通りにある鳥居の調査依頼だった。
    気が乗らないまま現地に赴き、鳥居に話しかける彩。
    その時、一陣の突風が吹き、彩は地面に叩きつけられたのだった。
    …そして彩の能力が消えた…。
    果たして、彩の運命は?彩は力を取戻し、リンネの体を探し出すことが出来るのか?
    彩とタミーの凸凹コンビが繰り広げる、ちょっとほのぼの、たまにエッチな霊能コメディー最終巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『「あー楽しかった」と、これが「霊能バトル」を描き終えた今の、たったひとつの気持ちです。
    アマチュアのころの、まんがを描くのが楽しくてしかたなかった気持ちを、久しぶりに思い出させてくれた作品でした。そして読者のみなさんにも、ぼく同様楽しんでもらえたら、うれしいのですが……。』
  • 月白中学1年4組に転校してきたのは、風の中から、ふらりと現れたような不思議な少年、「むじな」クン。
    このお話は、「むじな」こと無品誠とクラスメイトたちの友情物語。

    むじなは、ある日、クラスメイトの内山礼子(うちやま あやこ)、隣のクラスの神崎十伍(かんざき じゅうご)と一緒に歩いていた。
    そんな時、仙台に住んでいた頃の同級生、水沢双葉(みずさわ ふたば)に声をかけられる。
    むじなの両親が仙台に住むむじなの祖父を訪ねて来た事をむじなに伝えに来たというのだ。
    双葉との話を聞いていた礼子と神崎に、むじなは自分の両親が自分が3歳の時に失踪した事、それから親戚の家を転々として来たことを打ち明ける。
    そして…そんなむじなの前に突然両親が姿を現し、その時、むじなの中で何かが切れてしまった。
    彼は再び笑顔を取り戻す事が出来るのか?
    心にさわやかな風を残した青春グラフティ、ここに完結!
    秀作連作読み切り作品『ドリーマーの季節』も併せて収録!
    等身大の中学生たちのハートフルなストーリーで圧倒的な支持と共感を得た「すくらっぷ・ブック」から16年、小山田いくが再び中学生たちを描く学園ドラマの名作!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『むじなと礼子が好きでした。
    圭司と水葵と樹美子が好きでした。
    島と楠ちゃんと、一秀が好きでした。
    神崎や赤羽や津田クンが好きでした。
    旭子や弓絵や聖代さんが好きでした。
    山中先生と奥さん、チャボも好きでした。
    双葉や那々ちゃんも好きでした。───みんな、大好きでした。』
  • 東京の動物病院で働く獣医師、鹿間一成(しかま かずなり)は院長を殴打する事件を起こし、病院をクビとなる。
    妻にも逃げられ、彼女の連れ子で10歳になる諷子(ふうこ)と共に両親がに亡くなって以来、一人立ちするまでの間、育ててくれた故郷の信州の伯父夫婦の家で動物診療所をはじめることになるが…。
    ある日往診の帰りに何気なくバーで一杯引っ掛けようとした一成はそこで偶然、同級生の岩藤と地元商店会の面々に会う。
    岩藤に誘われ、商店会の将来などを熱く語り合いながらはしごする一成。
    やがて会はお開きになり一人歩いて家に向かう一成だったが、最後に飲んだ一杯が効いたのか突然腰が抜け、道端の地蔵のところで眠り込んでしまう。
    その頃、鹿間家では皆が一成の帰りが遅いことを心配していたが、玄関の物音に気づいた娘の諷子が玄関に出てみるとそこには酔いつぶれた一成があった。
    まるで地蔵が一成を送り届けてくれたような話に疑問を抱く一成だったが、一成は、かつてその地蔵で悲しい事件が有った事を知る…。
    その他、近くのゴルフ場で過って打ったボールをカラスに当ててしまった女性に母親の面影をみて、優しさを求める諷子の「心を洗いに」、霜が降りる頃になるとなぜか機嫌が悪くなる袈裟二郎とそわそわする家内の昌枝。不思議に思った諷子はある日偶然見かけた昌枝の後をついて行き、以外な事実を知る「冷たいだろうに」などを収録。
    田舎の暮らしと自然との関わり、そして昨今話題に上がる親子の絆…小山田いくが淡々と描く名作第2巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『仕事場にやってくる野良猫を、もう何十匹も見てきました。元気な猫とのつきあいは、なかなか楽しいものです。けれど、人に飼われていたらしい猫が、やせて、食べ物をねだりにくるのを見るのはつらいものです。そんな猫がいなくなるよう、願っています。』
  • 東京の動物病院で働く獣医師、鹿間一成(しかま かずなり)は院長を殴打する事件を起こし、病院をクビとなる。
    妻にも逃げられ、彼女の連れ子で10歳になる諷子(ふうこ)と共に両親がに亡くなって以来、一人立ちするまでの間、育ててくれた故郷の信州の伯父夫婦の家で動物診療所をはじめることになるが…。
    田舎の暮らしと自然との関わり、そして昨今話題に上がる親子の絆…小山田いくが淡々と描く名作第1巻。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『山国に住んで、庭の生き物たちや、山の様子などを毎日見ていると、時々、TVのドキュメンタリー番組で紹介される自然の驚異を見た以上の、驚きに出会うことが時々あります。そんなエピソードや、山で暮らす人々の気持ちを、少しでも描けたらと思っています。』
  • 月白中学1年4組に転校してきたのは、風の中から、ふらりと現れたような不思議な少年、「むじな」クン。
    このお話は、「むじな」こと無品誠とクラスメイトたちの友情物語。

    春休みも終わり、2年生に進級する、むじなクンたち。
    少しずつ成長しているみんなも心の中ではいろいろ考えているようで…ただ仲良くしてるだけじゃダメってことも多いみたいです。
    「礼子争奪戦勃発?!」…4月、新学期を迎え、むじなたちも2年生に。
    だが、皆が明るく新学期を迎える中でむじなのクラスメイト内山礼子(うちやま あやこ)は悶々とした日々を過ごしていた。
    むじなを一途に思う礼子に、むじなが「好きに順番はつけられない」と言い放ったからだ。
    とある日曜日、部屋で悶々とする礼子はレイ子に変身し、圭司をデートに誘うが…思いがけないアクシデントが発生して…?!
    その他、礼子争奪戦騒ぎの後、少し大人になったかに見える2年4組のクラスメイトたちを見ながら焦りを覚える塩沢楠(しおざわ なん)。楠はむじなにアドバイスを求めるが彼の答えは…「みんながまぶしく見える時」、新キャラ登場!乱暴者で何かと暴力をふるう神崎十伍(かんざき じゅうご)。だが、そんな神埼に決闘を挑んだ礼子に神崎は思わぬ弱点を曝け出す「最恐少女」など。
    等身大の中学生たちのハートフルなストーリーで圧倒的な支持と共感を得た「すくらっぷ・ブック」から16年、小山田いくが再び中学生たちを描く学園ドラマの名作!
    みんなをホッとさせるニコニコ顔で心のオブラートを溶かし、友情を紡ぎ出してゆきます…。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『「道端の名もない花」…なんて言い方が、むじなはきっと嫌いでしょう。
    「どんな目立たない花でも、ちゃんと名前はあるんだよ。」…と、「あなたが知らないだけでしょ。」…と、笑って行ってしまいそうです。』
  • 芹多実男 (せり たみお) が小学生の頃に海で出会った少女。
    二人はすぐに仲良くなり一緒に遊んだが、その時、突如浜を襲った地震と津波に遭遇し、名前も聞けないまま、離ればなれに…。
    時が経ち、中学2年生になった多実男は、その海水浴場の近くに住む親戚の家にいた。
    親戚の五行家を久しぶりに訪れた多実男。
    そこには多実男と同い年のいとこ、彩(さい)がいたが、いきなり目の前に出てきた彩の姿に多実男はビックリ!
    なんと、彩は今や近所でも評判の霊感少女になっていたのだった。
    彩は多実男をタミーと呼び、多実男が幼少のころに海で出会った少女を探すことを条件に除霊のアシスタントとしてこき使われることとなる。
    そんなふたりが今回遭遇した事件は…?!
    彩とタミーの凸凹コンビが繰り広げる、ちょっとほのぼの、たまにエッチな霊能コメディー第2巻!!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『江戸時代の、怪奇実話集を読んでいると、じつにいろんなおばけや幽霊が、日常茶飯事のように出たようです。中には、今の科学で説明のつく話もありますが、今よりずっと、目に見えないものに親しんでいた、当時の暮らしって何となくいいなと思います。』
  • 女神ノルンにでも運命を変えてもらうんだな…
    子どもの時からシスターこと石飛静里と、ミューナこと石飛美宇奈の姉妹に手こずらされていたアントこと佐和安人(さわ やすひと)は、ある日近所に住む占いのおじさんにそう告げられる。
    時は過ぎ、高校生になった安人だが、相も変わらずシスターとミューナに振り回される日々。
    そんな中で、アントは昼間は真面目な高校生、放課後は友人の大纒全と共に学校近辺の怪奇現象を調査するアルバイトを行いながら、いつか女神ノルンに出会える日を夢見ていた。

    シスターの友人で、古い温泉宿を営む水無月京美(みなつき きょうみ)に招かれたアントたち。
    その温泉には幽霊らしき人影や夜中の物音などの怪現象が続き、更には空を駆ける魔物の群れ、飛天魔軍を見た者までいるという。
    調査を始めるアントはやがて神話の世界に詳しい京美に美と豊かさの女神、フレイヤのイメージを重ねてゆく。
    そんな中、叔父に言われ魔除けの燈明をあげに行った京美たちに襲いかかる影…そして突如現れる飛天魔軍!
    過去、現在、未来を紡ぐという女神ノルン。
    それを追い求める旅の最後にアントが辿り着いた先は…?!
    女神ノルンに憧れる高校生とそれを囲む友人たちの織り成す青春ファンタジー最終巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『神秘的なものにひかれる心、怪異を恐れる心…。それはアニミズムという、自然現象全てが、神や霊の力で左右されるという、大変原始的な考え方のなごりだと言います。しかし原始的であるがゆえに、ある意味でなくてはならない考え方なのではないでしょうか?その心をなくした時、人間自身が魔物になって、歴史までも恐ろしい怪談にしてしまうのではないでしょうか?』
  • 芹多実男 (せり たみお) が小学生の頃に海で出会った少女。
    二人はすぐに仲良くなり一緒に遊んだが、その時、突如浜を襲った地震と津波に遭遇し、名前も聞けないまま、離ればなれに…。
    時が経ち、中学2年生になった多実男は、そんな事を思い出しながらその海水浴場のそばにいた。
    親戚の五行家を久しぶりに訪れた多実男。
    そこには多実男と同い年のいとこ、彩(さい)がいたが、いきなり目の前に出てきた彩の姿に多実男はビックリ!
    なんとも怪しい格好で多実男の前に現れた彩だが、なんと、実は彼女は今や近所でも評判の霊感少女だったのだ。
    多実男をタミーと呼び、有無を言わさず除霊の助手として引っ張り出す彩。
    散々な目に遭い、助手を断ろうとする多実男だったが、彩に海で出会った少女の事を言い当てられ、彼女を探し出してもらうため渋々助手を続けることになり…。
    彷徨える画家の霊からテレビスタジオの地縛霊、はたまた友達の家に取り憑いたちょっとエッチな幽霊まで、彩とタミーのドタバタ除霊が始まった?!
    彩とタミーの凸凹コンビが繰り広げる、ちょっとほのぼの、たまにエッチな霊能コメディー!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『昔、ある殿様が、悪さをした使用人を数人殺しました。すると夜毎その幽霊が出るので困った家来が殿様にそれを伝えると、殿様は「殺しただけでは飽き足らぬ連中だったが、極楽にも行けず迷っているとは、いい気味だ。」と言ったそうです。それ以来、幽霊は出なくなったとか…。あ~人間って怖い。』
  • 月白中学1年4組に転校してきたのは、風の中から、ふらりと現れたような不思議な少年、「むじな」クン。
    この物語は、そんな「むじな」こと無品誠とクラスメイトたちの物語…。
    月白中学1年4組、内山礼子(うちやま あやこ)は地味で内気な女の子。
    むじなに名前を覚えてもらった事がきっかけで、いつも「むじな」について回るが、今度はやる事なす事失敗ばかり。
    そんなある日、失敗に落ち込む礼子を見た永森樹美子(ながもり きみこ)、山野辺水葵、(やまのべ なぎ)、小羽石旭子(こばいし あきこ)の3人は気分転換にと礼子を買い物に誘う。
    地味な格好で樹美子の家に現れた礼子だが、眼鏡を外して旭子がメイクをしたところ思いがけない大変身!
    性格まで明るくなった礼子は、はしゃぎながら3人と買い物に出かけるが、そこにたまたま、むじなが通りかかる。
    礼子と気付かないむじなに礼子は一計を案じ!?
    その他、クラスメイトの赤羽正幸は生意気な妹の那々を少し脅かすよう、むじなに頼むが、脅かされて飛び出した那々の意外な本音は?…「お兄ちゃん」、行方不明になった山中先生の愛猫チャボ…心配するむじな達の元に意外な所から連絡が入る…「幸せな場所」、クラスメイトの女子を襲ったとの誤解を受けクラスで孤立する圭司。落ち込む圭司を元気付ける為礼子が再び変身!…「レイ子ふたたび」など、等身大の中学生たちのハートフルなストーリーで圧倒的な支持と共感を得た「すくらっぷ・ブック」から16年、小山田いくが再び中学生たちを描く学園ドラマの名作!
    みんなをホッとさせるニコニコ顔で心のオブラートを溶かし、友情を紡ぎ出してゆきます…。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『何年か前、プチトマトの苗を買って植えました。それから毎年、落ちた種が自然に芽を出し、たくさん実をつけています。
    その実は、買った年にできた実ほど、甘くも柔らかくもありません。
    でも店で売っているどのプチトマトより、トマトらしい味がします。
    たぶん、むじなって、そんな少年です。』
  • 女神ノルンにでも運命を変えてもらうんだな…
    子どもの時からシスターこと石飛静里と、ミューナこと石飛美宇奈の姉妹に手こずらされていたアントこと佐和安人(さわ やすひと)は、ある日近所に住む占いのおじさんにそう告げられる。
    時は過ぎ、高校生になった安人だが、相も変わらずシスターとミューナに振り回される日々。
    そんな中で、アントは昼間は真面目な高校生、放課後は友人の大纒全と共に学校近辺の怪奇現象を調査するアルバイトを行いながら、いつか女神ノルンに出会える日を夢見ていた。
    ある日、アントとちょっとしたことでケンカをしてしまったシスターは仲直りの方法を友人の朝倉一恵に相談し、二人で仲直りのプレゼントを買いに行くことに。
    そこでアントに似た古い人形を見つけたシスターは早速購入し手直しを始めるが、なんとその人形が夜中に一人で勝手に歩き出したのだった!
    その他、学校のそばで起きた連続切り裂き事件。不良グループの3年生、十里もとめが犯人として疑われるが、実は意外な真犯人がいた・・・「風よ透きとおれ」、アントの同級生、森泉美保子の元に1年前一緒にスキー中に行方不明になった男から手紙が届く。怯える美保子に調査を始めるアントたち。その真相は美保子にとってあまりにも…「ダイヤモンド、ダスト」、ある雨の日、アントは一人の少女をバイクに乗せるが、そこからアントの周りに不思議な事件が続く…「夢魔からの招待状」などを収録。
    女神ノルンに憧れる高校生とそれを囲む友人たちの織り成す青春ファンタジー第2巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『怪談が好きなわりに、僕はあまり怪奇現象に出会ったことがないのが残念です。
    しかし、本当に幽霊を見た人の話では、二~三日熱を出すほどの怖さだと言いますから、臆病な僕が本物の幽霊になど出会ったものなら、冷や汗、涙、よだれ…、出るもの全部出して、みっともない気絶のしかたをしそうです。
    やはり怪談は、物語の上のこととして楽しむのが健全なのでしょうか。』
  • 月白中学1年4組に転校してきたのは、風の中から、ふらりと現れたような不思議な少年、「むじな」クン。
    このお話は、「むじな」こと無品誠とクラスメイトたちの友情物語。

    ある深い霧の日、1年4組の永森樹美子(ながもり きみこ)は通学途中に不思議な老人と出会った。
    川沿いの道、橋のたもとで霧の中から現れた影にぶつかって転んだ樹美子を優しく助け起こし、再び霧の中へ消えていった老人を、樹美子は小学校の頃に噂になっていた、霧の中から幸運を運んで来る「フォッグさん」ではないかと思い、クラスの皆に話をする。
    盛り上がるクラスの中で、一番にこの話に飛び付いて来たのは意外にも「コンピューター並の論理思考」と評される遠藤聖代(えんどう まさよ)だった。
    翌朝、橋のたもとでフォッグさんを待つ聖代の元に現れるむじな。
    聖代はむじなに昔フォッグさんに会った時の事をポツポツと話し始めたのだった…そんな聖代の話を受け、むじなが取った行動は…?
    その他、久しぶりの大雪にはしゃぐ1年4組の 生徒たち。そんな中で、島やガールフレンドの塩沢 楠は雪の夜の意外な一面を知る…「雪の声」、学校内で落書き騒ぎがあり、3年生の磯田が犯人として名乗り出るが、むじなは誰かを庇っていると確信して…「この学校を忘れない」、そして磯田たちの卒業式の風景を淡々と描く「飛び立つために」など。等身大の中学生たちのハートフルなストーリーで圧倒的な支持と共感を得た「すくらっぷ・ブック」から16年、小山田いくが再び中学生たちを描く学園ドラマの名作!
    みんなをホッとさせるニコニコ顔で心のオブラートを溶かし、友情を紡ぎ出してゆきます…。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『友達にも、いろんな人がいるでしょう?
    何年もつきあっているのに、なぜか印象の薄い人…今日初めて会ったのに、10年も前から知っているように思える人。
    きっとむじなは、いろんな人を知りたいんです。だから今日も、誰かにきっと、声をかけています。』
  • 生物資源局の一員として日々、変異体生物との戦いを続ける「フォーナ」こと布尾七樹(ふお ななき)。
    冥王高校の変異体コウモリ事件を通して知り合った小日向春日(おびなた はるひ)と川瀬、超能力猫「ミノー」の飼い主である五十川芙由子(いそかわ ふゆこ)と兄の良太は友人としてそんなフォーナをサポートしている。

    …今、東京はまさに戦場と化そうとしていた…

    フォーナの新たな敵、呂鬼宗司(ろき そうし)はかつて生物資源局の「N」こと能瀬調査部次長のライバルだった男。
    変異体を新たな進化の可能性と考えた彼は変異体の殲滅をとなえる能勢と対立し生物資源局を去ったが、その後変異体の研究を進め、ついに自らが作った変異体生物のデータを取るべくこれらを東京に放ったのだ。
    人々を襲う変異狼、ビルを倒壊させる変異シロアリ、そして変異ムカデの大量発生…東京はパニックに巻き込まれる。
    このパニックの中で父親が怪我をし、東京を離れざるを得なくなった春日。
    春日は別れの前にフォーナへの思いを込めて呂鬼と戦うための新たなシステムを開発するのであった!
    春日の想いと共に呂鬼に最後の戦いを挑むフォーナ。
    戦いの行方は!?
    そしてその戦いの先にフォーナが見た物は!?
    「ウッド・ノート」で鳥たちの生態を生き生きと描いた小山田いくが動物の生態系の破壊に鋭い警鐘を鳴らすサスペンスストーリー最終巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『一日一度は、家のまわりや庭を眺めていると、毎年そこの生き物が、けっこう変わっていくのがよくわかります。数年来多かったジャコウアゲハが今年は減って、ウスバシロチョウが目立つとか、日本タンポポが少しふえたとか…。そこから何かを読み取る力は、僕にはありませんが、それでも毎日、ながめ続けたいと思います。』
  • 六根広子、通称「ろこ」。この春に進級して今は笹五位小学校5年1組学校新聞「ささごい新聞」の記者だ。
    進級して皆同じ5年1組になった「クリ坊」こと甘栗敏、白井珠音「ジュネ」、井田飛男「タカ」と一緒にささごい新聞5年生取材班を務めている。

    ゴールデンウィークのある日、ろこは5年生取材班の3人の仲間とその家族と共に温泉旅行にやって来た。
    美しい景色や宿の岩風呂に夢中になる、ろこたち4人。
    そんな時、付近を散策していたジュネは美しい草笛の音を耳にする。
    草笛を吹いていた男の子、健一はジュネに親切に草笛の吹きかたを教えてくれるが、実は親も頭をかかえるいたずらっ子だった。
    ろこたちへのいたずらを親に怒られそうになった健一は近くの岩穴に隠れようとするが、追って来たジュネと一緒に崖から落ちてしまう。
    気を失う健一と怪我をしてしまったジュネ。
    絶体絶命の状況の中、ジュネは皆に届けとの思いを込め草笛を鳴らす…。
    その他、クリ坊だと思った正義の味方が実は?の「超人クリ人間」 、星祭りの夜に学校に集まる子どもたちの今は亡き小動物たちへの想いを描く「星祭り」、ささごい新聞取材班をこっそり覗く森耕助君。その想いの人は実は?!の「やみ汁にご用心」など。
    学校新聞の記者4人組が編集委員としての活動を通じ、走り、泣き、笑い、様々な出来事と出会う『こどもの光(現・ちゃぐりん)』(家の光協会)に掲載された小山田いくの学園ストーリー!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『ろこたち四人とも五年生になって、ますます暴れるようになってきました。イタズラしたり、泣いたり笑ったりしながら、笹五位小学校をとびだして、いつかあなたの町へも取材に行くかもしれません。その時は、イタズラのひとつも返しやってください。』
  • 生物資源局の一員として日々変異体生物との戦いを続ける「フォーナ」こと布尾七樹。
    冥王高校の変異体コウモリ事件を通して知り合った小日向春日と川瀬、超能力猫「ミノー」の飼い主である芙由子と良は友人としてそんなフォーナをサポートしている。
    あるクリスマスイブの夜、4人と食事に出かけたフォーナは殺人事件に遭遇。
    生物資源局の上司、田所と会う事になっていたというその被害者には変異体植物の種が着いていた。
    この種からある田舎で起こっていたツチノコ目撃事件に行き着いたフォーナは芙由子、良と共に現地に向かうが、それは新たな敵との戦いの幕開けだった…!!
    新たな敵の正体、そして生物資源局の「N」こと能瀬調査部次長との関係…事態は混迷の度を深めて行く。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『昔、インドの修行僧は、道を歩く時も、アリを踏み殺さぬよう、一歩一歩注意したそうです。人間が、他の動植物を栄養として取らねば、生きていけない動物である以上、最小限の生き物を殺していくのは、しかたがないですが、ほんのちょっと、インドの僧の心を思い出して、むだに生き物の命を奪わぬようにしたいですね。』
  • 女神ノルンにでも運命を変えてもらうんだな…
    子どもの時からシスターこと石飛静里と、ミューナこと石飛美宇奈の姉妹に手こずらされていたアントこと佐和安人(さわ やすひと)は、ある日近所に住む占いのおじさんにそう告げられる。
    時は過ぎ、高校生になった安人だが、相も変わらずシスターとミューナに振り回される日々。
    そんな中で、アントは昼間は真面目な高校生、放課後は友人の大纒全と共に学校近辺の怪奇現象を調査するアルバイトを行いながら、いつか女神ノルンに出会える日を夢見ていた。
    ある日、花を咲かせず夜に泣くという桜の木を調査に来たアントは桜の木のそばで不思議な少女に出会う。
    女神ノルン?期待するアントだが実は彼女は意外な正体を隠していた…。
    その他、ゼンに以前懲らしめられた事を逆恨みしイタズラを仕掛けた女の子が逆にゼンに惚れ込んで…の「首のない恋人」「月下美人」など。
    女神ノルンに憧れる高校生とそれを囲む友人たちの織り成す青春ファンタジー第1巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『毎日顔をあわせているのに、三日とあけず手紙をくれた女の子。何かとプレゼントをくれながら、一度も姿を見せてくれなかった女の子…。
    女の子は、時々不思議なことをします。女の子は、どこかに妖精の部分を持っています。そしてある日突然、普通の少女が、人間の運命を決める「女神ノルン」になることがあるのです。』
  • 六根広子、通称「ろこ」。笹五位小学校6年1組、学校新聞「ささごい新聞」の記者だ。
    同じ6年1組「クリ坊」こと甘栗敏、白井珠音「ジュネ」、井田飛男「タカ」と一緒にささごい新聞6年生取材班を務めている。
    月日は流れ、ろこたちもついに最上級生の6年生…なのだがクリ坊のイタズラはいまだに直らず、連日クラスメイトたちをかき回している。
    そんなクリ坊にろこたちはついに、イタズラを止めなければ絶交するとの最後通告を突き付け、さすがのクリ坊も観念して、イタズラはなりを潜めたのであった。
    そんな卒業も近付いたある日、笹五位小学校では6年生向けのお楽しみ会を催すのだが、手違いで必要な機材が届かなくなってしまう。
    会を楽しみにする児童たちを前に困惑する先生一同。
    その時、ろこが止めるのも聞かずクリ坊が動き出した。
    それは、絶交をも覚悟した、けれどもとてもとても心優しいクリ坊の最後のイタズラだった…!
    その他、紙飛行機勝負で耕助がクリ坊の野望を砕く?!「編集長はだれ?」、本当に人の心をひく写真って?「決定的瞬間」、ささごい新聞六根班最後の大仕事!「最後の取材」など。
    学校新聞の記者4人組が編集委員としての活動を通じ、走り、泣き、笑い、様々な出来事と出会う『こどもの光(現・ちゃぐりん)』(家の光協会)に掲載された小山田いくの学園ストーリー!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『ろこたちが笹五位小学校を卒業していきます。この物語の三年間、ろこはジュネやタカやクリ坊をいつも元気に引っぱってきました。英語の【ロコモーション】というのは、運動力…動きまわる力という意味です。だから、ろこはいつもみんなを引っぱって動きまわっているのです。たぶんこれからもずっとずっと…。』
  • 月白中学1年4組に転校してきたのは、風の中から、ふらりと現れたような不思議な少年、「むじな」クン。
    月白中学1年4組。優等生の島博文はいつも騒ぎを起こす柳原一秀、勝ち気でうるさいクラス委員の山野辺水葵(やまのべ なぎ)、頼りにならない同じクラス委員の芝浦圭司(しばうら けいし)たちに囲まれながら落ち着かない日々を過ごしていた。
    夏休みの登校日、暑さにフラフラしながら歩いていた島は見たことの無い男の子に話しかけられる。
    そんな時、1年4組では又も大騒動が持ち上がっていた。
    学校に着くや否や大騒ぎに巻き込まれ、疲れと暑さで倒れる島。
    そんな島の前に再びさっきの男の子が現れると、彼は島に問題解決のヒントを与えて立ち去った。
    不思議な男の子「むじな」こと無品誠と1年4組の、それが最初の出会いだった…。

    その他、ボーイフレンドの転校に落ち込む春日愛美(かすが まなみ)の前にふらりと現れたむじなが彼女に元気をお裾分けの「雨待ちむじな」、クラスでいつもひとりぼっちの女の子、内山礼子(うちやま あやこ)がむじなに名前を覚えてもらい涙する「あなたはだあれ?」、むじなに意外なストーカー!?の「追いかける人」など、等身大の中学生たちのハートフルなストーリーで圧倒的な支持と共感を得た「すくらっぷ・ブック」から16年、小山田いくが再び中学生たちを描く学園ドラマの名作!
    みんなをホッとさせるニコニコ顔で心のオブラートを溶かし、友情を紡ぎ出してゆきます…。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『たまには空を見上げていますか?
    たまには雲の形を追っていますか?
    たまには花の顔をながめていますか?
    ──毎日笑っていますか?
    むじなは今日も笑っています。』
  • 季節は廻り、聡たちにも卒業の季節がやって来た。
    父からデザインスクールへの進学の許しを得た聡、自らも専門学校へ進学し、聡の傍に住むことを決めた志保里、親戚のスナック「赴嶺夜(フレイヤ)」を継ぐことを決めた夕子、その中で、長尾の進路はまだ決まらずにいた。
    そんな時、一人の女性が長尾の元を訪れる。
    そしてそこから友幸の秘められた過去が少しずつ明らかになってゆくのだった…。
    聡たちが自らの道を歩き始める一方で先の見えない友幸。
    彼の軌跡(ローカス)はどこに向かって行くのか…。
    自分の道を模索する二木聡、聡を一途に想う志保里、ふざけながらも2人を暖かく見守る長尾と、友人たち。彼らの軌跡(ローカス)は交錯しながら物語を紡ぎ出してゆく…とある田舎町の高校生たちの青春群像を星の神話になぞらえて描く小山田いくの青春ファンタジーの最終巻!
    珠玉の短編読み切り作品『ヘスペリス・ブルー』『ドリュアス エン』『雪のポックル』も収録。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『「星のローカス」完結です。でも未だに気になることがひとつあります。「長尾のやつどこまで行く気だろ?」、「もう赴嶺夜(フレイヤ)に戻ったろうか?」等々、長尾のことばかり頭に浮かんでくるのです。
    全35話。たった35話でした。けれどまぎれもなく三年間でした。空ばかり見てすごした気持ちのいい三年間でした。』
  • 東京都内の冥王高校に通う1年生の小此木春日と2年生の川瀬は、ある日学内にある地下室で不思議な少年と出会う。
    「フォーナ」と名乗るその少年は生物資源局の一員として都内に生息する生物の変異体を追っていたところを空洞に住む変異体のコウモリに襲われ、地下室に転がり込んで来たのだった。
    それはこれから続く変異体との戦いの序章に過ぎなかったのである。
    フォーナを助けた事で事件に巻き込まれて行く春日と川瀬。
    コウモリの大量死に事件の匂いを嗅ぎ付け、フォーナを執拗に追い始めるTV番組制作会社「ナン・ロラン」の日月由清(たちもりゆきよ)。
    そしてフォーナをサポートする生物資源局の上司、田所分室長と「N」こと能瀬調査部次長。
    人々を巻き込みながら、いま、異変は彼等の足下で静かに進んで行く…。
    「ウッド・ノート」で鳥たちの生態を生き生きと描いた小山田いくが動物の生態系の破壊に鋭い警鐘を鳴らすサスペンスストーリー第1巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『ある、ひとつの地域には、さまざまな種類の動物、植物が住んでいます。これを動物相(フォーナ)、植物相(フローラ)と呼びます。今、そのバランスが確実にくずれはじめています。あなたのまわりでも、ちょっと注意すれば、それが見えるのです。生態系がくずれきらないように、願いをこめて、この作品を描きます。』
  • 迷い家駅…それは上越新幹線で東京から1時間ちょっとの在来駅「湯の屁」から走る第3セクター「虹湯鉄道」の終着駅。
    電化されておらず、湯の屁から1時間弱の道をディーゼル車が繋いでいる。
    そんな迷い家駅に勤める堺鉄行は今日も駅長を兼任する蕎麦屋の主人、安曇正直と共に乗客たちを見守っていた…。

    ある日、虹湯鉄道が国鉄だった頃の大先輩、久我に呼び出された鉄行は東京の出版社の記者、九城を紹介され、同時に驚くべき話を聞かされる。
    なんと戦争中、戦地に送られるはずだった蒸気機関車「C56」が迷い家駅近辺で姿を消したというのだ。
    C56が今も迷い家に眠っているかもしれない…!そこには、戦争の時代に鉄道を愛した男たちが下した苦渋の決断の物語があったのだった…。
    田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に務める人々と、鉄道を通して出合う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン最終巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『“駅”は、ひとつひとつ違う顔や性格を持っているようです。寒い日に降り立っても、何か夜まで、列車の出入り口を見ていたくなるような駅…新しくてきれいなのに、あまり長くいたくない駅…。迷い家駅は、あなたにとって、どんな駅に感じられたでしょうか?』
  • 生物資源局に籍を置く「フォーナ」こと布尾七樹(ふおななき)は都内に静かに広がりつつある動物たちの変異体を追っている。
    変異コウモリを追った時に知り合った冥王高校の生徒、小此木春日(おこのぎはるひ)と川瀬、生物資源局分室長の田所、調査部次長の「N」こと能瀬に支えられながら種々の変異体と戦う毎日だ。
    変異コウモリの大量死に事件の匂いを感じ取ったTV番組制作会社「ナン・ロラン」の日月由清(たちもりゆきよ)はそんなフォーナを執拗に追う…。
    ある日、フォーナは春日と新宿御苑でつかの間の休日を楽しんでいた。
    だが、緑の中でくつろぐフォーナの耳にスズメバチのような羽音が!
    同時に響く悲鳴に駆けつけたフォーナはそこで大型化した異様な寄生バチを見る。
    その頃、フォーナを追う由清たちの話を聞きつけ、「ナン・ロラン」の取材に大日TVの看板レポーター花里美沙が割り込んできた。
    由清たちを使いフォーナを追う美沙。
    だが、ある晩、新宿御苑でフォーナを追った美沙は襲ってきた寄生バチに刺されてしまう。
    寄生バチのイメージにとらわれパニックになった美沙の運命は…そして美沙の運命にTV制作の裏側を見た由清が取った行動は…。
    「ウッド・ノート」で鳥たちの生態を生き生きと描いた小山田いくが動物の生態系の破壊に鋭い警鐘を鳴らすサスペンスストーリー第2巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『ある説によると、地球の大きさに比べて、そこに住む生物として人間は、大きすぎるんだそうです。地球に最も適した大きさの生物は昆虫なのだといいますが、どう思いますか?
    確かに昆虫は、百万種近く…最も地上で繁殖しているのです。第一、昆虫は転落して死ぬことがない!
    高所恐怖症の僕には、うらやましい生物です。』
  • 六根広子(むつねひろこ)、通称「ろこ」。笹五位小学校4年1組、「ささごい新聞」の記者だ。
    同じく4年1組、「クリ坊」こと甘栗敏(あまぐりびん)、4年3組白井珠音(しらいじゅね)、通称「ジュネ」、4年2組、井田飛男(いだたかお)通称「タカ」と一緒にささごい新聞4年生取材班を務めている。
    ろこのお父さんは新聞社のカメラマン。
    ある日、ろこはお父さんからお古のカメラ・オリンパスOM30を譲り受け、大喜びしていた。
    そんな時、笹五位小学校に一つの事件が持ち上がった。
    3年生が飼っていたアヒルの「ガッピー」が行方不明になったというのだ。
    「ささごい新聞」4年生取材班、初の大仕事だ。はたして、あひるの「ガッピー」を見つけることができるのか??
    学校新聞の記者4人組が編集委員としての活動を通じ、走り、泣き、笑い、様々な出来事と出会う『こどもの光(現・ちゃぐりん)』(家の光協会)に掲載された小山田いくの学園ストーリー!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『僕は子どものころ、体育が苦手で、人を笑わせるのが好きで、髪の毛の長い女の子にあこがれていて、カメラがほしくてしかたありませんでした。
    そのころの夢を集めて、タカ、クリ坊、ジュネ、ろこを生み出しました。よかったらこの四人といっしょに走り、笑ってください。四人は思いきり走り回ります。なにせ僕の夢なんですから。』
  • 美術部への出入りを始めてから、イラストを再び描きだした聡ではあったが、部員にはならず、宙ぶらりんなまま夏を迎えていた。
    そんな中、聡は、皆で観たカシオペア座とその物語に惹かれ、描いてみたいと思うのであった。
    カシオペア…天の川に身をひたし、髪をくしけずる王妃のイメージを追う聡はプールで泳ぐ後輩、三戸田明日音にそのイメージを見出し、思わずプールサイドに歩み寄ってしまう。
    非難する女子たちを抑え、聡をかばいながらも何もかも中途半端な聡を非難する明日音。
    そんな明日音の想いに聡は美術部に入る決心をするが…。
    その他、卒業を控えた元美術部部長の小木あい子がその想いを志保里とユウに打ち明ける「足の下の栄光」など。
    自分の道を模索する二木聡、聡を一途に想う志保里、ふざけながらも2人を暖かく見守る長尾と、友人たち。
    彼らの軌跡(ローカス)は交錯しながら物語を紡ぎ出してゆく…とある田舎町の高校生たちの青春群像を星の神話になぞらえて描く小山田いくの青春ファンタジー!

    小山田先生の当時の単行本コメント
    『真夜中に星を見たくなって、よく人のいない通りを、空を見上げたまま歩き回ります。──そして道から外れて転ぶのです。
    雪の積もっている季節なら、転んだままでもボケッと空を見てるんですが、ふだんはそうはいきません。ケガをしないうちに、悪いクセは治そうと思うんですが……、やっぱり上を見ながら歩き回り、今日もたぶん転ぶんでしょう。』
  • 直江津で海を眺める聡の胸に去来するものは…。
    聡の学校でも進路について話題に上がる事が多くなってきた。
    聡はデザインスクールに進学したい旨を父親に告げるが即座に却下されてしまう。
    時を同じくして美術部の松井の親戚からイラストの基礎が出来ていない事を指摘された聡は迷い、直江津の大日方五色を訪ねて来たのだ。
    その頃、志保里は聡の父と賭けをしていた。
    聡が父に逆らって自分の道を追えるか、それとも父に従うだけなのか…。
    五色から聡が直江津にいる事を聞かされた志保里は聡を迎えに行く。
    目の前に現れた志保里の姿に聡は…?

    自分の道を模索する二木聡、聡を一途に想う志保里、ふざけながらも2人を暖かく見守る長尾と、友人たち。
    彼らの軌跡(ローカス)は交錯しながら物語を紡ぎ出してゆく…とある田舎町の高校生たちの青春群像を星の神話になぞらえて描く小山田いくの青春ファンタジー!

    小山田先生の当時の単行本コメント
    『まっ先に思いつく星座は? と聞かれたら、オリオン座、白鳥座…といった答えが多いでしょう。けれど僕の場合はうしかい座です。
    月刊誌に何をかこうか迷いながら、雪の夜道を歩いていた時、急に雪がやんで雲が切れました。
    そこにオレンジ色の顔をのぞかせたのが、うしかい座の主星アークチュルスでした。あれをかけたら…、それが「星のローカス」になったのです。だからうしかい座は、僕にとって記念すべき星座なのです。』
  • 信州は長野県小諸市の芦ノ原中学校。
    3年7組の晴ボンは恋人のマッキーこと迎麻紀、同じクラスの市野清文、坂口光明、そして市野の恋人青木理美たちとにぎやかな学生生活を送っている。
    そんな晴ボンたちにも、いよいよ受験、そして卒業の季節がやって来た。
    受験を終え、卒業を迎えた晴ボンたち。
    それは皆との別離とそれぞれの新たな決意を意味していた。
    坂口への想いを胸にしまい込んだ光代、イチノと離れる寂しさに葛藤する理美、晴ボンから離れ、一人で虹の橋を登っていこうと決意する香苗。
    晴ボンに寄り添うだけでなく自身の道も探し始めるマッキー、そして新天地に赴く担任の正木…。
    卒業式を終えたある日、喫茶「妖精館(アルフヘイム)」に集まった7組の面々と正木は小諸市内の懐古園へ出向き最後のひと騒ぎを行った。
    そして…日も暮れるころ、正木は皆を集め最後のホームルームを行って…!
    小山田いく青春3部作第1弾の感動のフィナーレ!!
    2009年「週刊少年チャンピオン創刊40周年記念名作読切シリーズのために書き下ろした「すくらっぷ・ブック特別編 夢のありか」も特別収録!

    小山田先生の当時の単行本コメント
    『「ありがとう」と言うのが、ボクは得意です。どんないやな過去でも、それがあったからこそ、今の自分の幸せがあるんです。だから、今まで出会った人や物みんなに、ありがとうと言い続けたいんです。過去をすべて、未来へ生かすために。
    ありがとう、みんな。「すくらっぷ…」を応援してくれたみんなの心が、これからのボクの力になっていくんです。だから、いつまでも、ありがとう。』
  • その日、鉄行は熱にうなされていた。
    鉄行の家に看病で訪れた母に鉄行は「自分が鉄道の中心から取り残されてゆくのでは」との不安を打明ける。
    そんな鉄行に、かつてEF63が好きだと話していたという母。
    EF63、それは群馬県横川から長野県軽井沢までの67/1000という急勾配を上る他の列車を助ける為だけに作られた機関車。
    ただ、ただ脇役に徹し、他の列車の手助けのために走る列車だ。
    一夜明け、昨日のすべては熱にうなされる中で見た夢だと知る鉄行。
    しかしEF63のイメージは鉄行の中にはっきりと蘇っていた。
    夏休みを取った鉄行は、EF63に会うために横川の実家に向かったのだが…!
    その他、台風で列車運行が困難な中、ケガをした子どもを虹湯の病院まで届けるために必死の運転を続ける運転士の間宮と鉄行を描く「台風」、かつてのライバルと正直の蕎麦打ち勝負をする「特急を知らない駅」など。

    田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に勤める人々と、鉄道を通して出会う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン!
  • 利用客が減れば、3年後に「迷い家駅」が廃止されるかも、という話を聞き、利用客を増やすため朝の掃除を始めた森人。
    しかし…朝の迷い家駅は猫の寄り合い所となっていて森人は少々イライラしていた。
    そんな猫たちの中には地元の利用客、伊藤さんの飼い猫ゴローもいた。
    ところが伊藤さんは、息子夫婦に呼ばれて最寄り駅が湯の屁駅の地域に引越してしまったのだった。
    利用客が減ってしまったと落ち込む森人に伊藤さんからゴローが姿を消したと連絡が入る。
    消息が分からないまま数週間が経ち、皆があきらめかけた頃、ゴローが傷だらけの姿で迷い家に姿を現す。
    そして、ゴローは迷い家に思わぬ利用客を連れてきて…?!
    その他、最期まで運転士として生き抜いた男の物語「ある運転士の肖像」などを収録。

    田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に勤める人々と、鉄道を通して出会う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン!
  • 淀みなく流れる街の“時間”にはさまざまな秘密が浮き…また沈む。
    その秘密を抜いて行くスリがいた。
    九頭竜と呼ばれる人形使い。前科0犯。
    1年待ってほしい。1年たったらルウや好子さんとくらべて…そうみのりに言われ、自らもスリから足を洗うことを決意した灯はスリの神様と呼ばれる三ツ池伝造の口利きでシマを他に譲り、スリの世界を離れる。
    しかし安堵もつかの間、灯の周りに新たな事件が起こるのだった。
    灯たち人形劇団V(ファイブ)を常にサポートし励ましてきた斗賀刑事が姿を消したのだ。
    灯は消息を探ろうとするが、彼は既にスリの世界から身を引いたため、その情報網は使えない。
    人形劇団Vの好子は灯が元の世界に戻らないように気遣い、自ら風のルウに情報提供を頼みに行くが、今度はその好子の行方がわからなくなる。
    意を決し、もう一度“九頭竜”に戻って事件を追う灯。
    だが、その灯の前に姿を現したのは思いがけない人物だった!

    その他、ルウと共に仕事をしていて瀕死の重傷を負った灯、その灯をめぐってのルウ、みのり、好子、それぞれの想いを描く「ひとつの愛し方として」、かつて忽然と姿を消したみのりの幼馴染をめぐる事件にみのりが一人で挑む「だるまさんがころんだ」など。
    「すくらっぷ・ブック」で温かな青春像を描いた小山田いくが一転、社会的テーマを絡めた人生劇の描き手として作品を通じ鋭い問題提起を行う、社会派少年漫画第最終巻!

    小山田先生の当時の単行本コメント
    『なぜ、この作品を描こうと思ったのか…、二年半描き続けて完結した今、ふり返ってみても、どうしてもそれが思い出せないでいます。たぶん、先へ先へ描くことで、毎日精一杯だったのでしょう。実際、今までで一番苦労の多い作品でした。けれど、その分、一番得たものも多い作品でした。何はともあれ、この作品が、僕は好きでした。』
  • 迷い家駅…それは上越新幹線で東京から1時間ちょっとの在来駅「湯の屁」から走る第3セクター「虹湯鉄道」の終着駅。駅に勤める検修、堺鉄行は今日も駅長を兼任する蕎麦屋の主人、安曇正直と共に乗客たちを見守っている…。

    虹湯鉄道に新人研修の季節がやって来た。
    今年迷い家駅に研修に来たのはなんと16歳の女の子、野田一葉。
    一葉は運転士志望で何にでも一生懸命で、のんびりとした鉄行のペースに不満気味だった。
    そんなある日、迷い家駅近辺に大雨洪水警報が発令され、線路の土が雨水に流される危険性が高まった!
    鉄行たちが線路を守るため、現場に急行する中、一葉も自らの意思で迷い家に留まり、現場に向かう。
    自然の猛威と鉄道を守る人々の戦いが始まった!
    その他、苦しい幼少時代を経て幸せをつかんだ女の子を正直たち親子が祝福する「別れ」、虹湯の蛍祭りの夜、鉄行と正直の娘、菜月が迷い家駅で自然の蛍を眺めながらひと時を過ごす「蛍祭り」などを収録。
    田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に勤める人々と、鉄道を通して出会う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン第2巻!

    当時の小山田いく先生の単行本コメント
    『小さい頃、“駅”は蒸気機関車を見に祖父に連れられていった所でした。
    学生時代、“駅”は下宿から帰省するための場所…それから“駅”は通勤の通過点になり、今は、旅行に出るための、心躍る場所になりました。
    今、その時々の“駅”に対する気持ちを思い出しながら、描いています。』
  • 街はドラマに満ちている…人は秘密に満ちている…
    その秘密を抜いていくスリがいる…
    人形使い、九頭見灯、いまだ前科0犯…

    偶然のように見えた出会いだったが…実は…。
    街で落とした荷物を拾った事から俊六が知り合った美しい女性、精霊田礼。
    礼は俊六が劇団Vの話をしたところ「田舎にある亡父の家に脚本に使えそうな資料が沢山保存してある」という。
    俊六はデートの誘いでは?と訝しがるみのりを連れて礼の家を訪れる。
    そこは膨大な資料が積み上げられた古民家だった。
    気味悪がるみのりをそっちのけに資料に夢中になる俊六。
    帰り際、礼の車が故障し、その家に泊まる事を余儀なくされる俊六とみのり。
    その時、闇が二人の前で口を開く…。

    その他、かつて名を上げた老スリの見事ながらも悲しい引き際…「疾風のダイ」。
    かつて共に医師の道を目指した幼なじみと再会した灯、その胸に去来するものは…「幼なじみ」。
    街中でばったり会った非番同士の蛍と斗賀、二人でのんびりするはずが思わぬ事件に巻き込まれる「ふたつの非番」など。
    「すくらっぷ・ブック」で温かな青春像を描いた小山田いくが一転、社会的テーマを絡めた人生劇の描き手として作品を通じ鋭い問題提起を行う、社会派少年漫画第9巻!

    小山田先生の当時の単行本コメント
    『僕は昔から、時折、夢で見た光景をマンガのアイデアに使っています。
    ここに収められた「幼なじみ」の話も、実は、夢で見た話をアレンジしたものなのです。-ただ、夢の中では、もっとずっと気の利いたオチがあったはずなのに…それが、どうしても思い出せずに、この話になってしまいました。
    …夢で見た最高のオチ(!)、あなたはどんなもんだと思いますか?』
  • 街はドラマに満ちている…人は秘密に満ちている…
    その秘密を抜いていくスリがいる…
    人形使い、九頭見 灯、いまだ前科0犯…。

    ある日、灯と俊六の元に奇妙な手紙が届いた。
    好子のアパートの大家に見せるとそれは「赤紙」- 充員召集令状だという。
    かつて、戦争中に大勢の人々を戦場へと送った忌まわしい手紙だ。
    その手紙が何故、今我々のところへ…不可思議に思いながら家へ向かう灯たちだったが、そのあとをつけてきた軍服の男たちに襲われてしまうのだった!
    連れ去られる灯と俊六。
    果たして、男たちの目的は!?
    灯たちは無事脱出する事が出来るのか!?

    その他、女スリ「風のルウ」に声をかけてきた女性、彼女はある事件でルウに恩を感じていたが実はその事件こそがルウをスリの道に走らせた…「6年目の幸運」。
    犬や猫が惨殺される事件が発生。その凶刃はやがて人に向かい、みのりに危機が…「“X”ザ、リッパ―」。
    ある寺の住職が残した宝物を巡り、奇怪な事件が起こる「火車」など。「すくらっぷ・ブック」で温かな青春像を描いた小山田いくが一転、社会的テーマを絡めた人生劇の描き手として作品を通じ鋭い問題提起を行う、社会派少年漫画第10巻!

    小山田先生の当時の単行本コメント
    『この巻には、落ち着いて描けたせいか、気に入った作品が多く収められています。「反逆水路」「雨宿り」「火車」などが自分では好きなのですが…特に「火車」は、小さなころ何かで読んだ火車の伝説が、とても怖かった思いがいまだに残っていたので、ぜひ…と思って描いた物です。みなさんはどう見るでしょうか。』
  • クラスメイトの松井の誘いで美術部に出入りをはじめた聡だったが、正式な「部員」として活動することに対してはまだ踏切りがつかないでいた。
    そんな中、部長の小木あい子は聡の美術部入りを強く勧めているが、聡はその中に「部長として」ではない感情も感じていた。
    そんなある日、聡がイラストに使うポーズ写真集を持っていないことを知った小木は聡にデッサンをさせるために、自ら服を脱ぎ始めたのであった!
    そしてそこに志保里が入ってきて…!
    その他、聡と長尾が旅先で出会った少女との交流を描いた「コーヌ、コピア」などを収録。
    自分の道を模索する二木聡、聡を一途に想う志保里、ふざけながらも2人を暖かく見守る長尾と、友人たち。彼らの軌跡(ローカス)は交錯しながら物語を紡ぎ出してゆく…とある田舎町の高校生たちの青春群像を星の神話になぞらえて描く小山田いくの青春ファンタジー!

    当時の小山田いく先生の単行本コメント
    『ぎょしゃ座、アルファ星・カペラ。この星を見るとなぜか、学生時代、下宿で仲間たちとおでんをつまみながら酒を飲んでいる光景が、頭にうかぶんです。笑っている自分の姿だけが目に浮かぶんです。
    聡もきっと、何年か後に、そんなふうに下宿時代を思い出すんじゃないかな、笑顔の自分と、その笑顔を得る為に苦労した自分に少々満足しながら…』
  • 迷い家駅…それは上越新幹線で東京から1時間ちょっとの在来駅「湯の屁」から走る第3セクター「虹湯鉄道」の終着駅。
    電化されておらず、湯の屁から1時間弱の道をディーゼル車が繋いでいる。
    そんな迷い家駅に勤めるのは運転士志望で今は検修(整備)を務める堺 鉄行。
    駅長は近所の蕎麦屋のオヤジ安曇正直。
    鉄行は正直の妻春子、娘の菜月、息子の森人と家族のように暮らしながら日々虹湯鉄道を守っているのであった。

    今日は虹湯鉄道を走って来た旧国鉄、キハ22型の最後の運行日…そして鉄行の運転士試験の結果発表の日だ。
    万感の思いを込めて迷い家へ向かうキハ22、そしてそれを迎えようとする鉄行たち迷い家駅の人々、しかし、そこに思いがけないトラブルが起こってしまう。
    決死の思いでトラブル対応の中、正直のもとにかかって来た1本の電話の内容は…!?
    田舎の第3セクター鉄道終着駅「迷い家駅」に勤める人々と、鉄道を通して出会う様々な人々との交流を等身大で描いた小山田いくの感動鉄道ロマン第1巻!

    当時の小山田いく先生の単行本コメント
    『旧国鉄の路線が、あちこちで今、第3セクター鉄道(地方公共団体や民間企業などが共同出資で運営する鉄道)となって、それぞれ個性的な列車を、走らせています。
    虹湯鉄道も、そんな鉄道のひとつです。その鉄道の終着駅、迷い家に一緒に行ってみませんか?』
  • 機械工場を経営する父親に従い嫌々、工業科の高校に進学した二木聡。
    入学条件として、希望の「家を出ての下宿暮らし」は認めてはもらったものの、志望していたイラストレーターの道に進めなかったことに悶々としながら同じ下宿の同級生、長尾友幸と共に毎晩窓から星を眺める日々を送っている。
    聡の幼馴染で同じ機械科に通う阿見志保里はそんな聡に想いを寄せ、聡の部屋に足しげく通って聡の面倒を見ているが、聡はそんな志保里のお節介が少し鬱陶しいのであった。
    そんなある日、聡は同じ高校の普通科に通う瀬ヶ崎美鈴からラブレターを受けとる。
    これを機に自分の生き方に自分なりの軌跡(ローカス)を描いてみたいと思う聡だったが、それを知った志保里は…。
    その他、大人の雰囲気と寂しさを持った女性、祖父江夕子との軌跡の交錯を描いた「アリアドネーの北のかんむり」「コル、スコルピオ」「ふり向いたオルフェウス」などを収録。
    自分の道を模索する二木聡、聡を一途に想う志保里、ふざけながらも2人を暖かく見守る長尾と、友人たち。彼らの軌跡(ローカス)は交錯しながら物語を紡ぎ出してゆく…とある田舎町の高校生たちの青春群像を星の神話になぞらえて描く小山田いくの青春ファンタジー!

    当時の小山田いく先生の単行本コメント
    『冬が好きです。人一倍寒がりのくせに、冬が好きです。日の沈んだ後、南の空に青白く輝くシリウス…明け方近く、東の空に顔を出すオレンジ色のアークチュルスと純白のスピカ……それを積もった雪の中から見上げるのが好きです。
    だれでも一度はそうするように、ボクも星々の間に物語を描いてきました。今までずっと…そしてたぶん、こらからもずっと…』
  • それは、出会ってはいけない二人の男が出会った事から始まった…。
    ある日、俊六とみのりが歩いているところに見知らぬ男が現れ、灯宛の手紙を預けた。
    「どうせろくでもない内容だろ」俊六が手紙を開けようとしたところ手紙が爆発。
    これを灯に知らせに走ったみのりも姿を消した…。
    折しも台風の接近で街は荒れ模様に。
    「泡雲」と親交のある人形劇団「エレボス」の倉庫も川の氾濫の影響を受けそうになり、連絡を受けた桜辺たち「泡雲」のメンバーは荷物の運び出しを手伝いに出向くが、その倉庫の隅で桜辺はエレボスを辞めたはずの佐野を見かける。
    桜辺は不審に思い声をかけるが、振り返った佐野の手にはナイフが握られていた。
    行方がわからなくなった桜辺を探す泡雲のメンバーたち。
    その前にもう一人の男が現れる。
    その男、「手長ウサギ」こと宇佐美 元。
    彼は佐野が持っていた爆薬を使って、灯たちに復讐しようとしていたのだ。
    台風に翻弄される中、灯と宇佐美が相まみえる。果たして灯の、そして劇団泡雲の運命は!?
    その他、灯、好子、みのり、俊六が再び共に歩き出す「V(ファイブ)」など。
    「すくらっぷ・ブック」で温かな青春像を描いた小山田いくが一転、社会的テーマを絡めた人生劇の描き手として作品を通じ鋭い問題提起を行う、社会派少年漫画の決定版!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『本巻の「修羅と緑」のもとになる漫画を描いてから5年。その時、資料にとサボテンを買ってから、少しづつ買い足して、今は7種、10株のサボテンを育てています。信州は寒いので、気を遣って育てているうちに、Vのような装置なしでも、何となくサボテンのきげんがわかるようになった今日このごろです。』
  • 語り、悩み、考え…西夜は泊を、一帆は鈴をそれぞれのパートナーとして選んだ。
    だが同時にその過程の中で、寮長としての一帆と西夜の絆はより強いものとなっていったのであった。
    夏が過ぎ、迎えた文化祭「蒼風祭」。
    寮生たちは皆、力を合わせ、寮に黄金の羊毛を探す冒険船「アルゴー船」の艤装を施す。
    それは、アルゴー寮が男女の垣根を越え一丸となった事を証明するものだった。
    後夜祭で歌い、喜びあう寮生たち。
    そんな中、一帆の元に父親から一通の手紙が届く。
    そしてその手紙は寮生たちを新たな渦に巻き込んでゆく…。
    いろいろな思いが交錯する中、一帆が出した結論は…!?
    「出帆旗(ブルーピーター)ヨーソロー!」一帆が、お鈴が、西夜が、そして寮生たちが、今、新しい航海へと出帆する!
    女子寮を束ねる紅尾鈴(べにおりん)、一帆の隣部屋の十文字唱、南部希美、三郷西夜(みさとせいや)ら女子寮生と、一帆や亀、壱岐たち男子寮生の交流を描いた学園ドラマ。
    『すくらっぷ・ブック』に続く、小山田いく青春3部作第2弾最終巻!!
    特別読み切りエッセイ漫画「航跡(ウェーキ)ひいて」第3話も収録!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『連載物の最終回を描き終えた時は半分虚脱状態に陥るのが常です(といっても、まだ二度目ですが)。あまり見られた図ではないので、今回はすぐ旅行に出てみました。初冬の十和田湖畔、奥入瀬渓流は、みごとな紅葉。何もかも忘れて歩きまわり、帰りのバスに乗ったとたん、あたり一面霧と雪に閉ざされました。旅の終わりは雪の中…でもかえってスッキリしたようです。少々寂しくても、終わりは終わりの心で迎えよう...と。』
  • 一帆と恋人、西夜の間にできたほんのわずかのボタンの掛け違い。そのわずかのはずの掛け違いが次第に大きくなって行き…。
    ある日、カメが盗撮した女子更衣室の写真を一帆の机に隠したことがきっかけで一帆と西夜がケンカ。
    いつもの些細なケンカのはずだったが、互いに素直になれない二人のすれ違いはだんだん大きくなってゆく。
    そんな時西夜の前に現れた泊 順(とまり じゅん)に西夜は一帆にない優しさを見る。
    一方、一帆への想いを隠していたお鈴だったが、ある日、その想いを爆発させ一帆にキスをしてしまう。
    動揺し女性への不信感を募らせる一帆。
    そんな一帆に業を煮やしたかえでは、皆で二人がつきあい始めた海に行き、そこで二人の仲が壊れない事を証明するよう一帆に迫る。
    だが、そこでは思いもかけない結末が!
    女子寮を束ねる紅尾鈴(べにおりん)、一帆の隣部屋の十文字唱、南部希美、三郷西夜(みさとせいや)ら女子寮生と、一帆や亀、壱岐たち男子寮生の交流を描いた学園ドラマ。
    特別読み切りエッセイ漫画「航跡(ウェーキ)ひいて」第2話も掲載。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『ぼくは人の顔や名前を覚えるのが大の苦手です。二・三度会った人でも、忘れている事の方が多いので、時々困ったことになります。先日も街を歩いていると、学生風の女の子が、にこっと笑って頭を下げて…はて、だれだったかな?と考えているところへ、今度は太ったおばさんと、セールスマン風の男の人がぺこり。
    ―――結局その三人、誰だったのか未だにわかりません。誰か記憶術教えて。』
  • 魔鳥バジリスク。その怪物は毒を吐き、周りの土地を不毛の砂漠に変える…。
    いつものホームグラウンドでバードウォッチングをするウッド・ノートのメンバーたち。
    だが、その日は何かがいつもと違っていた。
    妙に落ち着きなく飛び立って行く鳥たち。不審に思う唐須たちの前に一人の女が現れた。
    彼女の名前は堤まりも。彼女は石蕗ノ台高校に通う井津母の中学校の同級生だった。
    まりもはウッド・ノートのホームグラウンドから「ウッド・ノートが出ていくよう」井津母に告げ、仲間たちとウッド・ノートの邪魔を始めたのであった。
    「魔鳥バジリスクめ…」家が同じ養鶏場でありながら鳥を嫌い、鳥を虐めるまりもが井津母には、周りの土地を不毛の砂漠に変える魔鳥バジリスクに思えたのだった。
    果たして…ウッド・ノートはホームグラウンドを守り切れるのか!?
    その他、渡り鳥の情報を求め皆に内緒で世界中に手紙を送る拓也の「テリトリーは無限大」。
    パッフィン、拓也、まりもの三角関係勃発?!の「鳥難の相あり」など。
    特別読み切りエッセイ漫画「鳥とんだ!」第4話も収録。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『ウッド・ノートをはじめてよかったことは、なまけグセが出るひまもないほど、勉強しなければならないこと。取材と称して旅行に行けること。巣箱やエサ台のおかげで、わが家に姿を見せる鳥がふえたことなど…。
    悪かったことは、焼き鳥を食べる時、タレのしずくに哀愁を感じてしまうようになったこと…です。はい。』
  • 渡り鳥の行く先を知りたい― ホームグラウンドに来るサンコウチョウの行き先を突き止めるため、そのサンコウチョウの特徴を手紙にしたため世界の文通希望者に出していた拓也。
    その努力が実る日が来た…!
    クリスマスを迎え、ウッド・ノートのメンバーはパーティーの準備中だ。
    特に唐須は浮かれている様子。
    なぜなら彼が尊敬する動物カメラマンの和木貴彦が一年ぶりにウッド・ノートに立ち寄るからだ。
    パーティーの準備が終わる頃、ついに和木が現れた。それも新聞記者と一緒に!
    新聞記者に不思議がる唐須たちに和木は一枚の写真を見せた。
    和木が中国、広東省で撮ったというその写真には何と拓也が追っていた、サンコウチョウそのものだったのだ!
    手を取り合い喜ぶウッド・ノートのメンバーたち。
    それは高校の同好会に起きた一つの奇跡だった。
    明けて翌日、いつもと変わらずホームグラウンドに出かけるメンバーだが、まりもだけ寝坊してしまい和木の車でホームグラウンドまで送ってもらうことに。
    その中で和木が口にした言葉は・・・?!
    その他、ホームグラウンドに現れた密漁者にウッド・ノートのメンバーが立ち向かう「光の弾丸」。
    ウッド、ノートのメンバーがそれぞれ未来に向かって歩き出す「そして2年後」など。
    『すくらっぷ・ブック』『ぶるうピーター』に続く小山田いく青春三部作第3弾の最終巻!!
    ウッド・ノート特別読み切り(第0話)も掲載!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『強い鳥、弱い鳥、きれいな鳥…大きな鳥、小さな鳥、いろんな鳥がいます。すごい速度で飛べる鳥、泳ぎがうまい鳥、木の実をじょうずに割る鳥、猟が得意な鳥、本当にさまざまな鳥を見てきました。
    今、振り返って、このステキな生き物たちの、ほんのわずかのエピソードしか描けなかったのが残念です。しかしつきあっていくことは一生できそうだ…と思っています。』
  • 街はドラマに満ちている。
    人は秘密に満ちている。
    その秘密を抜いて行くスリがいる。
    九頭見 灯、人形使い。前科0犯。

    風のように近付き、風のようにさりげなくスる女スリ、風のルウこと風無草 留宇。
    彼女は灯と間違えて俊六にスリ勝負を挑み、灯に止められた事がきっかけで灯に好意を抱くようになる。
    ある日、花屋でシクラメンを見つけ、それをそっと灯の家の前に置いてくるルウ。
    それはただの無垢な乙女心だったのだが、それを利用しようとする者がいた。
    灯がシクラメンの鉢に気付き、手を伸ばした時に鉢が破裂、周りに飛び散った液体はなんと濃硫酸だった。
    咄嗟に身をかわし難を逃れる灯。
    灯の話を聞いて怒り、ルウを探し出して激しく詰め寄るみのりだがルウには全く心当たりがない。
    更に激しく詰め寄るみのり。
    その時、ルウはみのりの背後から不審な人影が近付いてくるのを見る。
    危険を感じたルウが取った行動は!?
    灯は二人を守れるのか?
    その他、恵まれない家庭で必死に妹を守って生きる少年に劇団Vが送ったクリスマスプレゼント「街路樹」、かつて毎年「泡雲」で来ていた雪山のロッジ、その新しいオーナーに忍び寄る影「飛雪秘話」など。
    「すくらっぷ・ブック」で温かな青春像を描いた小山田いくが一転、社会的テーマを絡めた人生劇の描き手として作品を通じ鋭い問題提起を行う、社会派少年漫画第8巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『この8巻には偶然、動物や人の命をテーマにした話が、数本入ってしまいました。最近新聞を読むたびに、命をモノとしか見ていないような事件が目につくからかもしれません。そんな風潮を悲しいと思う好子や九頭竜を描きたかったからかもしれません。』
  • 九頭見 灯。 マリオネットを連れたスリ。財布につまった色とりどりの物語を抜いて食べて行きながらいまだ前科0犯・・・。
    灯の元に送り付けられた差出人不明の手紙。
    封筒の中には灯がスリを働くところを撮影した写真が入っていた。
    灯はバードウオッチャー・堤まりもの協力を得て、カラスを使って灯を尾けていた男を捕らえるが、それは新たな恐怖の序章に過ぎなかった・・・。
    ある雨の晩、スリ仲間のたちきり竜二がズタズタに刺された状態で発見される。
    傍らには灯に似せた穴だらけの人形。
    灯は何者かが自分を狙っていると手懸かりを探し出すが、その間に今度はみのりが狙われたのであった。
    間一髪でみのりを救う灯だったが、その時、敵の魔の手は姉・蛍をはじめ九頭見家全体に及ぼうとしていた・・・!
    男が九頭見家を狙う理由は?
    そして灯は蛍を、家族を守りきれるのか?
    その他、電車の中で灯が出合ったのは既に世を去った友人たちだった...「幽霊電車」、海上を遺体となって漂っていた美しい女性は灯のかつての同級生だった...「水中花」など。
    「すくらっぷ・ブック」で温かな青春像を描いた小山田いくが一転、社会的テーマを絡めた人生劇の描き手として作品を通じ鋭い問題提起を行う、社会派少年漫画第6巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『最近、歴史に凝っています。江戸時代の風俗や事件の記録などは、特におもしろいし、漫画の参考になることも、しばしば見つかるので、実益をかねて楽しめるのです。
    今は昔のスリのことを知りたいのですが…よい本があったら、どなたか教えてください!』
  • まさか・・・アネゴが・・・
    寮に伝わるジンクス『寮長を努めると国立大学に落ちる』を知りつつあえて国立大受験に挑んだアネゴこと紅尾 鈴。
    しかし、彼女はジンクスを打ち破る事は出来なかった。
    冷静を装うアネゴにアルゴー寮の仲間達は安堵するが一帆は感情を隠すアネゴに苛立ち、彼女に手を上げてしまう。
    一帆の直情に自らの思いを爆発させたアネゴは一帆に殴り掛かってゆく・・。
    本音をぶつけ合う一帆とアネゴ。
    それを見守る西夜達アルゴー寮の仲間たち。
    彼らの胸に去来するものは・・・。
    その他、実は一帆は寮生たちに、いいように使われてる??「影の寮長」。
    アネゴが旅の途中ふらりと立ち寄ったお寺は実は...「亀山寺ララバイ」など。
    女子寮を束ねる紅尾鈴(べにおりん)、一帆の隣部屋の十文字唱、南部希美、三郷西夜(みさとせいや)ら女子寮生と、一帆や亀、壱岐たち男子寮生の交流を描いた学園ドラマ。
    『すくらっぷ・ブック』に続く、小山田いく青春三部作第2弾!!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『故郷(ふるさと)小諸にもどって暮らしはじめてから、もう四年になります。当時、東京ほど遊ぶところはありませんし、もともと人ごみや狭苦しいところが嫌いなので、本当にノンキに暮らしています
    が…「漫画家たるもの、いろいろ遊ぶことも勉強だ!」と、オニの担当さんのキツいおしかり。もっともだ!と思いながらも、あ…やっぱり山のタヌキと遊びたい。』
  • 恋人のひわが隣の部屋に引越してきた!
    ウッド・ノートも順調!
    飼っているカラスの九郎に子供ができて!と平和で安穏とした日々を送る唐須。
    だが、ある夜、家のそばに現れたヨタカを追った唐須はふと疑問にとらわれる。
    今の自分はこのヨタカを追いきれるのか?
    このままの自分ではすべてが中途半端になってしまうのではないか?
    ・・・本当に好きな事、今やらないでいつできるんだ・・?
    唐須は存分に鳥を追うため、旅に出ることを決意する。

    旅先から届く手紙に唐須の様子を知りたくなったひわは卓也と共に唐須を泊めていたという老婆の家へ。
    既に次の目的地に向かっていた唐須は道中で知り合った、トキのロボットを作っているという少年にアドバイスを与えるため新人に連絡を入れた。
    すかさず、新人はひわたちの帰りも待たずに唐須の元へ行ってしまう。
    浮き足立つメンバーたちに危機感を抱く、ゆずり。
    そんな時、ウッド・ノートの存在を揺るがす事件が!
    その他、唐須が出合った、タカだけを見るバードウォッチャーとは?…「カラス対ハヤブサ」など。
    特別エッセイ漫画『ウッド・ノートの素 鳥とんだ!はばたき・2 宿題の鳥』も追加収録した『すくらっぷ・ブック』『ぶるうピーター』に続く小山田いく青春三部作第3弾!!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『半年ほど前、直江津(なおえつ)の海岸通りを歩いていた時のことです。ハシボソガラスが数羽、車が通らない時を見はからっては、クルミをくわえて数メートル飛び上がり、硬い道路に落としてカラを割っているのです。そして実を食べている時の、カラスの得意そうな、うまそうな顔!
    ──ふだん人にきらわれることの多いそんなカラスが、大好きです。』
  • 「あたし、死んじゃったの、灯さんがあまりも冷たいから・・・」、「本当に・・・本当に好きだったよ灯さん」・・・真夜中の電話の後、みのりが姿を消した。
    そんなある日、とある河川敷で黒焦げになった女性の遺体が見つかる。
    ニュースは女性をみのりではないかと報道していた。
    現場に来た灯は同じく現場に来ていたみのりの同級生から、みのりがある日、男に追われていた通りすがりの外国人女性に助けを求められていたことを知る。
    俊六と共に女性を追っていたという男を辿ってゆく灯。
    やがて灯は男が暴力団「六七ハチ組(むなはち組)」の者であることを突き止め、追い詰める。
    むなはち組が隠し持っていた武器、弾薬に爆破のタイマーを仕掛けた灯は男の口から「みのりがまだここに生きて監禁されている」ことを聞かされるが…タイマーは既に時を刻んでいた!
    果たして、灯と俊六はみのりを救えるのか!?
    その他、カルガモを通してのバードウォッチャーとの触れ合いを描いた「七色の森」、霧の中で起きた連続殺人事件に灯が挑む「霧の人形伝説」など。
    「すくらっぷ・ブック」で温かな青春像を描いた小山田いくが一転、社会的テーマを絡めた人生劇の描き手として作品を通じ鋭い問題提起を行う、社会派少年漫画第5巻!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『先日、しばらく見なかった悪夢を、久しぶりに見てしまいました。それは、寝る前の仕事の続きをやっている夢なのです。見事原稿が完成したとたん、目がさめる…
    ああ、その瞬間の脱力感。その時だけは、石の下のワラジムシにでもなってしまいたいっ!!──本気で思うこともあるのでした。』
  • 雪娘・・・冬と共に北からやって来て、春になると、また北国へ帰ってゆく雪の精・・・。
    晴ボンたちは菅平高原へスキーにやって来た。
    滑れなかった晴ボンだったが、皆に教えて貰いながら何とか滑れる様になってきた。
    楽しくなってきた晴ボンは、夢中になって滑っているうちに皆とはぐれてしまう。
    不安げな晴ボンの前に現れた一人の娘。
    娘は晴ボンを山荘まで送り、姿を消したのだった。
    「雪娘だ・・・」娘を雪娘だと言う晴ボンを皆は笑うが・・・実は彼女は?
    その他、イチノを撮ったという写真のフイルムをめぐっての大騒動が起こる「フィルム奪取作戦」、雪娘と晴ボンたちが再開する「風花の円舞曲」など…「小山田いく」が温かなハートで描く青春グラフティー第5巻。

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    「なぜ『すくらっぷ…』のキャラクターは、まんまる顔が多いの?」という質問を、何通かいただきました。
    それは、え~~、ボクが身長165センチ、体重48キロ、ウエスト27インチという細身で小柄な体型をしているからです。だから何となく、ちょっと太めの女の子にひかれたりして…。
    それにしても、なぜボクは、何をやっても太れないのでしょう? だれか太り方を教えてください。』
  • 部室の施錠ミスで起きた学校荒らしの責任を問われ、1年間部活登録抹消の通告を受けたウッド・ノート。
    知らせを聞いて旅から戻った唐須は休学を取り消し、生徒会長に直談判しに行くが決定は覆らなかった。
    失望の中で部室の片付けを進めるなか、ゆずりは一冊のノートを見つける。
    それは、前部長の尾久が残したウッド・ノートの記録だった。
    そして、そのノートにはウッド・ノートが生き残るカギが記されていたのであった!
    その他、プールで泳いでいたゆずり達女子部員の脇をすり抜けていった者の正体は?の「水中飛行」。
    台風に巻き込まれてウッド・ノートのフィールドに飛ばされてきたアジサシを故郷に戻そうとする唐須達の奮闘を描いた「ブルースカイ」など。
    特別エッセイ漫画『ウッド・ノートの素 鳥とんだ!はばたき・3 アワガラスの話』も追加収録した『すくらっぷ・ブック』『ぶるうピーター』に続く小山田いく青春三部作第3弾!!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『いつでしたか、家の近くでブンチョウを見たことがあります。最近、セキセイインコなどの外来種の飼い鳥が、逃げ出して殖えているようです。
    鳥が自由に飛びまわるのを見るのはうれしいんですが、かつての米国の、強いアメリカザリガニが日本中に殖えて、日本在来種のザリガニが減ったようなことが、鳥の世界で起こらないように願いたいですね。』
  • 新しい季節を迎え、一帆たちも2年生へ進級。
    新入生を迎えて活気づくアルゴー寮だが、中には元生徒会長の常盤井幹子のようになかなか大変な子も・・・。
    突然の指名を受け、寮生たちの支持で寮長を引き受けることになった一帆と西夜。
    ある日、いつものように寮生会室に集まって事務仕事をしていた一帆たちだったが、皆が退室したあと…亀たちが悪ふざけに使っていた道具が原因でボヤ騒ぎを起こしてしまう。
    幸い被害は軽微だったものの寮の貴重な資料である寮生会史を焼失。
    幹子たち寮生は一帆に責任を取って寮長を辞任するよう迫るが、一帆は断固として辞任を拒否したのであった。
    それは全てを元に戻してから身を引くと言う一帆の強い責任感だった。
    一帆の思いを知った幹子は協力を申し出、仲間たちは失われた記録を求めて奔走する。
    果たして一帆たちは失われた記録を取り戻せるのか!?
    その他、寮長に専念するため、ヨット断ちする一帆の「コルキスに進路をとれ」など。
    特別エッセイ漫画『航跡(ウエーキ)ひいて ぶるうピーターの素 [その1:アルゴー号と出会った日]』も追加収録した『すくらっぷ・ブック』に続く、小山田いく青春三部作第2弾!!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『海へのあこがれには二通りあるようです。海辺で暮らす人が、海に感じる親しみと、山に住む人が、普段見ることのできない海に惹かれる心と…。
    ぼくはまぎれもなく後者なので、「ぶるうピーター」もついそんな視点で描いてしまうことが多いのです。もしぼくが、海辺で育っていたら、どんな「ぶるうピーター」ができたか…。想像するのも楽しいかもしれません。』
  • 私立水瀬高等学校に転入し、そのバードウォッチング部を「ウッド・ノート」と名付けた唐須一二三。
    部の一体感は日増しに高ってゆき、部員たちは共に鳥たちの姿を追い、美しさに惹かれ、時に寄り添い、その厳しい環境で寄り添い生きてゆく姿に涙する、という充実した日々を過ごしていた。
    唐須一二三と恋人、穂刈田ひわの絆も深まってゆくが、部長の大潟新人の幼馴染であり、ウッドノートの部員でもある小椋ゆずりは突っ走る唐須について行こうとする「ひわ」がいつか壊れてしまうのではないかと懸念していた。
    そんな中、自分のかつて在籍していた小雀高校バードウォッチング部の制作したビデオに刺激を受けた唐須はひわを連れて冬の海にウミウを撮影しにゆき、これを知ったゆずりも後を追う。
    一人でウミウを撮影しに崖下に降りた唐須を追って自らもを崖下に降り、これ以上無茶をしないようにと唐須を諫めるゆずり。
    だが使っていたロープが切れてしまい、唐須とゆずりは崖下から動けなくなってしまう。
    強風と荒波にさらされ絶体絶命の二人。
    ゆずりを救うため唐須が下した決断は……!?
    『すくらっぷ・ブック』『ぶるうピーター』に続く小山田いく青春三部作第3弾!!

    小山田いく先生の当時の単行本コメント
    『昔はたくさん、昆虫や馬、魚といった動物のプラモがあったのに、最近はメカ物ばかりで、とんとその姿を見せなくなりました。
    鳥のプラモがあったら、羽毛の質感をあらわすのにいくら苦労しても、たくさん作るんだがな~…などとボヤきながら、紙ネンドの原型の上に、色づけした綿をはっては、オリジナルの野鳥模型を作っています。』

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