『文芸・小説、SF、ゲンロン』の電子書籍一覧
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第5回ゲンロンSF新人賞 受賞作
歌姿勝ると申すべきや。勝ちて侍れ。
──円城塔
劉慈欣の漢詩SF「詩雲」(『円 劉慈欣短篇集』所収)を踏まえたのかどうか、宇宙人が登場した甲斐のある壮大なスケールの中編として決着している。
──大森望(「解題」より)
時は1236年、隠岐島に転送された藤原定家。
審判を命じられた歌合、その驚きのカードとは──
エイリアンvs.後鳥羽上皇、ついに対決。
<ゲンロン 大森望 SF創作講座>で第5回ゲンロンSF新人賞(選考委員:大森望、菅浩江、伊藤靖、東浩紀)に輝いた受賞作が、大幅な改稿のうえ電子書籍化。
書評家・翻訳家の大森望による解題を付す。 -
第5回ゲンロンSF新人賞 受賞作
私が幻想文学に求めるほとんどが、ここに姿をあらわした。
懐かしい作り物の世界、虹色の踊り子、言葉と霧と雨。それら世界を語る文章の美しさ。
もっと読ませてください。
──菅浩江
たいへん美しい文章で硬質な世界を築き上げた幻想的な短編。
──大森望(「解題」より)
からくり仕掛けの骨格に、パルプ鉱でできた肉をまとった人びとが暮らす街。
ある雨夜、からだの修復を行う「人体師」のわたしは、
体内に「強い言葉」を持つ踊り子に出逢う──。
<ゲンロン 大森望 SF創作講座>で第5回ゲンロンSF新人賞(選考委員:大森望、菅浩江、伊藤靖、東浩紀)に輝いた受賞作が、大幅な改稿のうえ電子書籍化。
書評家・翻訳家の大森望による解題を付す。 -
第4回ゲンロンSF新人賞 受賞作
魅力的な異界、迫るダンス描写、考え抜かれた「身体というもの」。
この設定あってのこの話であり、この話だからこそのこの思想。榛見あきるは「物語」の力を存分に発揮した。
さあ、隻手の声を聞け。
──菅浩江
エンターテインメントであると同時に、チベット文化への深い洞察と敬意をもって描かれた作品であり、長い間政治的抑圧状態にあるチベットをしっかりと見据え、そのような状況下でも自らの文化を未来へと継承していこうとする人々の、真摯な姿を描いた作品でもある。
ペーマが羅刹女のアヴァターと一体となって舞う姿は、チベットという土地に根ざした信仰のあり方を象徴しているとも言えるのである。
──星泉(「解説」より)
ルビを多用したサイバーパンク的な文体とエキゾチックな舞台、仏教文化とダンスのディテールが融合し、魅惑的な小説世界を構築する。
緻密な描写力で新たな美の創造にチャレンジした作品。
──大森望(「解題」より)
街を拡張現実で覆い、観光都市と化した近未来のチベット。少年僧ペーマは、かつて同地を襲った大火で左手を失って以来、どこか周囲から隔絶された感覚を抱いていた。その欠落を埋めるため、彼はひそかにダンス教室に通い、そこで貸与された「羅刹女」のアバターを身にまとってストリートで踊り続ける。だがある日、そのアバターのライセンスが僧院主催のダンスオーディションの景品となり、彼は使用権利を剥奪されてしまう。失われた身体を取り戻すため、オーディションへの参加を決意したペーマ。その果てに彼が垣間見た、チベット仏教の理想たる『虹の身体』の秘奥とは──。
〈ゲンロン 大森望 SF創作講座〉で第4回ゲンロンSF新人賞(選考委員:菅浩江、伊藤靖、大森望、東浩紀)に輝いた受賞作が、大幅な改稿のうえ電子書籍化。
チベット語・チベット文学研究者の星泉による解説、書評家・翻訳家の大森望による解題を付す。 -
第3回ゲンロンSF新人賞受賞作
力強い物語。3人の選考委員が揃って最高点をつけただけあって、のっけから尋常ならざる迫力を感じさせる。
一見、神話的な古代ファンタジーのようにも、先鋭的な(もしくは反動的な)フェミニズムSFのようにも見える作品だが、その人工的な設定にもかかわらず、単純な構造に還元しきれない荒々しい魅力を備えている。
「この作品には、書かれなければならなかった理由がある」(飛浩隆)、「自分が何を書こうとしているか、作者はよくわかっている」「候補作の中で、もっとも社会に出す価値のある作品」(東浩紀)と評された理由も、読めば納得できるはずだ。
ーー大森望(「解説」より)
その群れは多数の女とたった一人の「父」から成っていた。
「父」は女とちがい、全身を分厚い毛皮に覆い、頭上には枝角を冠のようにいただいていた。
「父」は年老いると女を殺しはじめ、最も強い女が男となり、
年老いた「父」を殺して新たな「父」となる。
13歳の少女ハイラはあるとき、自分の群れの「父」ではない、若い男の姿を見る……。
女とは、男とは、母とは、父とは。
ジェンダーに深く切りこんだ、
雄大なる社会派エンターテイメントSF!!
<ゲンロン 大森望 SF創作講座>第3期で「ゲンロンSF新人賞」(選考委員:飛浩隆、大森望、東浩紀)に輝いた受賞作が電子書籍化!
改稿のうえ、大森望による解説を付す。 -
アイドルSFは、ほぼすべて、AI(またはアンドロイドまたはサイボーグ)がアイドルになるパターン。進藤尚典の本編「推しの三原則」は、そうしたふつうのアイドルSFとは一線を画している。
なんと、ここでAIで置き換えられるのは、アイドルではなくヲタク……ドルヲタなどと総称されるアイドルファンのほうなのである。
ヲタクをAIで置き換えるという革命的な発想により、「推しの三原則」はアイドルSF史に残る作品となったのである。
ーー大森望(「解説」より)
ソロアイドル・大月みくりは自分のファンたちのあまりの粗暴ぶりに心を痛め、悩んでいた。天才的なロボット工学の知識を持つ彼女は、礼儀正しく清潔感のある「AIヲタク」を開発する。
やがて、どのアイドルの現場も「AIヲタク」で埋めつくされるようになってゆく……。
騒然とするアイドル現場を生々しく、
そしてバカバカしく書いた、
まったく新しい爆笑必至のエンターテイメントSF小説!!
<ゲンロン 大森望 SF創作講座>第3期で「ゲンロンSF新人賞」(選考委員:飛浩隆、大森望、東浩紀)の「大森望賞」に輝いた作品が電子書籍化!
改稿のうえ、大森望による解説を付す。 -
麦原遼は知性のゲンコツで「宇宙の果て」をゴンゴン殴りにいく。それも一発や二発ではない。
パンチを最後まで数え終わったとき、あなたもマットに沈んでいるのだ。
ーー飛浩隆
宇宙そのものの成り立ちをテーマにした、バリントン・J・ベイリー/グレッグ・イーガンばりの一大奇想ハードSF。
日本で言えば、草野原々『最後にして最初のアイドル』や、高島雄哉『ランドスケープと夏の定理』の向こうを張る、スーパーハードかつ野心的な宇宙小説。麦原遼は、この一作で、日本SFの最前線に躍り出たと言っていいだろう。
ーー大森望(「解説」より)
「宇宙の果て」をめざし、ふたりは光の船〈方舟〉で旅立った。
だが出発から四億年後、〈方舟〉がある惑星に衝突。
脱出するために、この星の生命が技術文明を築き、〈方舟〉を宇宙へ放出してくれるまで導かなくては……。
宇宙とむきあう記憶、人格、個体。
新時代の訪れを告げる、愛に満ちた本格SFの誕生!
『SFの書き方』(早川書房)も話題の<ゲンロン 大森望 SF創作講座>第2期で「ゲンロンSF新人賞」(選考委員:山田正紀、大森望、東浩紀)に輝いた受賞作が電子書籍化。
完全改稿のうえ、大森望による解説を付す。 -
第1回ゲンロンSF新人賞受賞作
またもや神の子が死んでいる。
異邦人来訪から約100年を経た17世紀はじめ、地球から遠く離れた不毛の植民惑星。
そそりたつ十字架の上で、キリストそっくりの死体が磔になって現れた。
地球・バチカンから派遣された奇跡調査官たちは、次々に信じがたい地異に見舞われるーー。
「レム『ソラリス』、小松左京「氷の下の暗い顔」、シモンズ『ハイペリオン』、チャン「地獄とは神の不在なり」など、さまざまな名作を想起させる本格SFだが、作中には唖然とするような情景が大胆に放り込まれている」
「2020年代の日本SFを背負って立つ才能の出発点を、しっかり見届けてほしい」
(大森望「解説」より)
『SFの書き方』(早川書房)も話題の<ゲンロン 大森望 SF創作講座>第1期で「ゲンロンSF新人賞」(選考委員:飛浩隆、大森望、東浩紀)に輝いた受賞作が電子書籍化!
新たな才能の登場を見逃すな!!! -
第2回ゲンロンSF新人賞受賞作
21世紀半ば、泥沼の9年戦争により破綻寸前に陥ったナイジェリアを救ったのは、「ネオモート」と呼ばれる生体装置を用いてラゴスをアーコロジー「生体都市」へと発展させる措置だった。
国家存亡の危機は免れたが、格差は拡大、市民の心は生体都市による「ムード制御」の管理下に置かれた。出生も都市に管理され、セックスが禁じられた。
映画監督ブギ・ナイツはこれに反発、ポルノ映画の製作を始める。「ゲットー」と呼ばれる貧困層がブギに共鳴し、ポルノ映画は社会現象になる。
政府機関「保全局」によるゲットー粛清が間近に迫る中、保全局のリムーヴァー・アッシュは、政府側に身を置きながらブギ・ナイツと密通し、ゲットーに与する。幻の映像「X-ビデオ」を入手したアッシュは、この映像が人の心を動かし世論をひっくり返す強力なムード喚起力を秘めていると知るーー。
話題沸騰の「ゲンロン 大森望 SF創作講座」が送り出す、疾走感満点の新感覚ディストピアSF!!
解説は大森望。
※本書籍は、『ゲンロン9』所収の同名の作品と解説を電子化したものです。
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