『日本文学、時代小説、その他(レーベルなし)(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」の書き出しで知られ、現代までの日本文学、芸術に大きな影響を与え続ける古典中の古典『平家物語』。人情小説、大衆小説の名手・尾崎士郎による現代語訳を新字新仮名遣いで読みやすく完全電子書籍化。
■目次
第一巻
序詞(祇園精舎)
殿上の闇討
鱸
禿童
一門の栄華
妓王
二代の后
額打論
清水炎上
東宮立
殿下の乗合
鹿ヶ谷
鵜川の軍
願立
御輿振
内裏炎上
第二巻
座主流し
西光被斬
小松教訓
少将乞請
教訓
烽火
新大納言流罪
阿古屋の松
大納言死去
徳大寺の沙汰
山門滅亡
善光寺炎上
康頼祝詞
卒都婆流し
蘇武
第三巻
赦文
足摺
御産
公卿揃
大塔建立
頼豪
少将都帰り
有王
辻風
医師問答
無文の太刀
灯籠
金渡し
法印問答
大臣流罪
行隆の沙汰
法皇被流
城南離宮
第四巻
厳島御幸
還御
源氏そろえ
鼬の沙汰
信連合戦
高倉宮園城寺へ入御
競
山門への牒状
南都への牒状
南都返牒
大衆そろえ
橋合戦
宮の御最後
若宮御出家
通乗の沙汰
鵺
三井寺炎上
第五巻
都うつり
新都
月見
物怪
大庭が早馬
文覚の荒行
勧進帳
文覚被流
伊豆院宣
富士川
五節の沙汰
都がえり
奈良炎上
第六巻
新院崩御
葵前
小督
廻文
飛脚到来
入道死去
経の島
慈心房
祇園の女御
洲股合戦
嗄声
横田河原合戦
第七巻
北国下向
竹生島詣
火打合戦
願書
倶利迦羅落し
篠原合戦
実盛の最後
牒状
主上都落
維盛都落
忠度の都落
経正都落
一門都落
福原落
第八巻
山門御幸
宇佐行幸
緒環
太宰府落ち
征夷将軍の院宣
猫間
水島合戦
瀬尾の最後
室山合戦
鼓判官
法住寺合戦
第九巻
小朝拝
宇治川
河原合戦
木曽の最後
樋口被斬
六箇度合戦
三草勢揃え
三草合戦
老馬
一二の懸
二度の懸
坂落し
盛俊の最後
忠度の最後
重衡いけどり
敦盛の最後
浜軍
落足
小宰相
第十巻
首渡し
内裏の女房
院宣請文
戒文
海道下り
千手の前
横笛
高野
維盛の出家
熊野参詣
維盛入水
三日平氏
藤戸
第十一巻
逆櫓
勝浦合戦
大坂越
嗣信の最後
那須与一
弓流し
志度浦合戦
壇の浦合戦
先帝御入水
能登殿の最後
内侍所の都入
一門大路渡され
文の沙汰
副将被斬
腰越
大臣殿被斬
第十二巻
重衡被斬
大地震
平大納言被流
土佐房被斬
判官都落
六代
六代被斬
灌頂の巻
大原入
大原入御
大原御幸
解説 -
天下人徳川家康の側近として権勢を誇っていた本多正純は、家康の死後、二代将軍秀忠に老中として迎え入れられる。しかし、幕閣には秀忠の信頼厚い土井利勝がいる。駿府での家康側近時代の正純はこの利勝を赤子の手をひねるがごとくに抑えつけてきたが、江戸城内での利勝はかつての利勝ではなかった。したたかな策士に成長していた利勝は、正純の正論を飄々とかわしながら、他の幕閣の声を巧みに吸収して我が意のままに政事を動かしていく。徐々に焦りを感じていく正純。行く末に不安を覚えながらも、これまでの己の行状を顧み、幕府のこれからに思いを馳せる。正純は、利勝の手腕に支えられた秀忠の狂気、キリシタン五十二名を火刑に処して平然としている冷酷な振る舞いに危険を感じる。比叡山の僧兵を焼き討ちにした信長。秀頼誕生後に養子秀次一族を処刑し、その一方で茶人千利休を自害させた秀吉。鉱山採掘に力を発揮した大久保長安の謀叛を疑い、その死後、一統を厳罰に処した家康。己の力で頂点を極めた信長、秀吉、家康の三人のそのいずれにも常人を超えた狂気が秘められていたが、その狂気は正純にとっては理で解けるものだった。しかし、策士の利勝が側近として仕える凡才秀忠が図らずも見せた狂気は正純の予測を超えた道理なき狂気だった。そんな危ない将軍でも全力で支えなければならないのが幕閣の役目なのか。理を説き正論を吐く正純に対して巧妙な罠が仕掛けられる。仕掛け人は土井利勝か、それとも家康の死後に発言力を増している老獪な大僧正天海か。最後に、宇都宮城御成御殿釣り天井事件の謎が明かされる。前作『青い瑕~天下人徳川家康の悔恨~』と併せて読むと興味と面白さが倍加する。
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全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞
第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が分冊版で登場!
「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介
<あらすじ>
天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。
忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。
「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな……
地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」
本書は2017年に小社より刊行された著作を上下巻に分冊したものです。 -
江戸川乱歩の「押絵と旅する男」から
【取り憑かれた人間】をテーマとして抽出、
江戸川乱歩、松本清張、正岡子規作品を読み解く。
物語・俳句が伝えるものと、
生命をかけてそれを生み出す人間の心理に迫る。
引用するテキスト、題材は以下の通り。
「押絵と旅する男」(江戸川乱歩)、
「段碑」「石の骨」「真贋の森」(松本清張)、
浦上玉堂の芸術、松尾芭蕉、正岡子規の俳句と生涯。
多岐にわたる作品、関係者の物語を縦横無尽に巡り、
比較文学の醍醐味を味わう。
人は一途に何かを追い求め、命を燃焼させて、この世を去っていく。
江戸川乱歩、松本清張、松尾芭蕉、正岡子規らの
作品・人生を通して見る、取り憑かれた人間の悲哀と幸福。
■目次
プロローグ 「押絵と旅する男」
・「押絵と旅する男」の詳しいあらすじ
・「押絵と旅する男」の分析
第1部 松本清張の短編小説から
・「断碑」
・第一章 「断碑」の詳しあらすじ
・第ニ章 藤森栄一と『二粒の籾』
・第三章 「断碑」の分析
・第四章 森本六爾と妻ミツギの軌跡
・「石の骨」
・第一章 「石の骨」の詳しいあらすじ
・第ニ章 「石の骨」の分析
・第三章 『旧石器の狩人』
・「真贋の森」
・第一章 「真贋の森」の詳しいあらすじ
・第ニ章 「真贋の森」の分析
第2部 浦上玉堂
第3部 芭蕉物語
第4部 正岡子規の世界
エピローグ 俳句あれこれ
■著者 佐藤義隆(サトウヨシタカ)
1948年、父光儀、母タツの次男として、長崎県大村市に生まれる。
南山大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程修了。
元岐阜女子大学文化創造学部教授
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
★広島県知事・湯崎英彦氏推薦
一瞬にして多くの生命と暮らしを奪った原爆投下。
しかし、その広島から時代や国籍を超えた
人間愛の物語を生み出す
『作家の想像力に心が震えた』
■広島の二人 友情を無慈悲に打ち砕く戦争と原爆の悲劇
脚本家・菊島隆三から未発表脚本「広島の二人」を託された保坂延彦が、
脚本の後日談となる「ミツ子の物語」も加えて小説化。
「8.6」を心に刻み、
受け継ぐ人々の姿を、時に切なく、時に逞しく描く。
1945年8月広島。
捕虜となった米国兵アーサーは、持ち前の反骨心により藤田軍曹と常日頃から対立していた。
一方の藤田は、捕虜生活の中でも誇りを失わないアーサーに対し、内心では秘かな敬意を抱いていた。
だが、藤田の内心を知らないアーサーは、かねてから画策していた脱走計画を実行する
アーサーの身を案じ、単身で追跡する藤田。
二人の奇妙な旅路はやがて奇妙な友情を生む。
しかし、そんな二人の頭上から、敵味方を問わない無慈悲な黒い雨が降る。
そして数十年後「広島の二人」の物語が再び始まる。
■著者 保坂延彦(ほさか のぶひこ)
映画監督・脚本家・小説家 1945年山梨県身延町生まれ。
明治大学文学部卒 「アフリカ物語」 80で監督補、総編集を経て監督デビュー。
斬新な映像感覚は80年代のヌーベルヴァーグとも評された。
(主な作品)「父と子」「愛しき日々よ」「国士無双」「そうかもしれない」「潜伏」の脚本・監督。
その他、ドキュメンタリー、アニメーション作品等を多数創作し独自の世界観に評価が高い。
■原案 脚本家 菊島隆三(1914~1989)(後にシナリオ作家協会により菊島隆三賞創設)
黒澤映画にも多数脚本を執筆し、日本映画遺産となる代表作品を生み出し海外からも高く評価されている。
菊島隆三作品は、時代や国境を超える普遍性を持っており、
国内外の映画やドラマのリメイク作品として多数製作されている。
■原案 脚本 安藤日出男 -
夢も妖怪も、人の心が生み出すもの。
古典から現代のコミック作品まで。
幅広いテキストから汲み取る、心の世界の不思議。
不思議で怖い「夢」と「妖怪」は、作家にとっても読者・観客にとっても魅力あるテーマ。
『雨月物語』『怪談』などの古典から現代の人気コミック・映画まで、幅広い作品をテキストにして、
物語が伝えるものとそれを生み出す人間の心の謎に迫る。
第一章「夢について」では、
長い間夢は、神や悪魔のお告げであると考えられていましたが、
近代以降は、夢は深層心理の現れであると考えられるようになってきたことを見ていきます。
第二章「夢の考察」では、
『邯鄲の夢』、明恵上人の『夢記』、『華厳経』の世界、
河合隼雄氏が解き明かす明恵上人の『夢記』、『胡蝶の夢』を取り上げて、夢の考察を行います。
第三章「夢野文学」では、
アニメ映画『君の名は。』、宮沢賢治の「シグナルとシグナレス」、
川端康成の『掌の小説』、夏目漱石の『夢十夜』、黒澤明監督の映画『夢』を取り上げて、
それらが伝えているものを見ていきます。
第四章「妖怪の造形化」では、
どのようにして妖怪が造形されてきたかを知ります。
第五章「妖怪の意義」では、
妖怪は「共同幻想」の1つであり、恐怖を和らげるための工夫であることを見ていきます。
■目次
●第一部 夢物語
・第一章 夢について
1 日本人と夢
2 夢は神や悪魔のお告げ
3 夢は深層心理・無意識の現れ
4 シュルレアリスム
5 SF映画における夢
・第二章 夢の考察
・第三章 夢の文学
1 『君の名は。』
2 『シグナルとシグナレス』
3 川端康成の『掌の小説』
4 夏目漱石の『夢十夜』
5 黒澤明監督の映画『夢』
●第二部 妖怪物語
・第四章 妖怪の造形化
・第五章 妖怪の意義
・第六章 妖怪物語
1 『ゲゲゲの鬼太郎』
2 『地獄先生ぬ~べ~』
3 『雨月物語』
4 『怪談』
5 『怪談』の中のいくつかの作品のあらすじ
■著者 佐藤義隆
1948年、父光儀、母タツの次男として、長崎件大村市に生まれる。
南山大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程修了。
元岐阜女子大学文化創造学部教授。
著書『物語が伝えるもの―『ドラえもん』と『アンデルセン童話』他』(近代文藝社、2017年)
論文「『赤毛のアン』の魅力を探る」「英語と日本語の語彙の比較」他多数 -
推古天皇(飛鳥時代)、清少納言(平安時代)、葛飾応為(江戸時代後期)……時代の制約にしばられ反発しながらも懸命に生き抜いてきた10人の女たちが、波乱の人生を自らの言葉で語ります。当時の資料、研究成果に基づき主人公たちのキャラクター、台詞に思いをはせた筆者が現代の言葉に置き換えて描く異色の女性史。時代を超えて語りかける10人の言葉は、今まで見えてこなかった「日本女性の歴史」、さらには「もうひとつの日本の姿」を浮き彫りにします。
[目次]
野の声、森の声 縄文のシャーマン
女王と呼ばないで 台与
日出処のわたし 推古天皇
この平城京の片隅で 笠女郎
おもろい女たち 清少納言
水の音 建礼門院右京大夫
森に溺れる 森女
私たちの戦国 高台院おね
月が私について来る 遊女勝山
世界はこの手の中に 葛飾応為
おわりに
[人物紹介と解説]
【著者】佐々木 和歌子(ささき・わかこ)
青森県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。専門分野は日本語日本文学。(株)ジェイアール東海エージェンシーにて歴史文化講座の企画運営に携わりながら、古典文学の世界を、やさしくわかりやすく解き明かす著作を重ねる。著書に『やさしい古典案内』(角川学芸出版)『やさしい信仰史―神と仏の古典文学』(山川出版社)など。『古典名作本の雑誌』(本の雑誌社)では中古文学・中世文学を担当。
※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『日本史10人の女たち』(2018年9月20日 第1刷)に基づいて制作されました。
※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。 -
歴史上の偉人の妻たちの短編集。英雄たちの偉業には必ず内助の功があった。楠木正成の妻、久子。夫を始め我が子を次々に戦で失うが、涙を見せずに気丈に振る舞う。その姿に心を打たれずにはいられない「大楠公夫人」。豊臣秀吉の正室寧子(ねね)。猿と言われ当時は身分も低く貧しかった藤吉郎。しかしそんな藤吉郎に惹かれ嫁ぐ。やがて藤吉郎は頭角を現わし出世する。秀吉は浮気をするがねねは生涯秀吉に尽くす。ねねの人柄がしのばれるエピソード「太閤夫人」。その他「谷干城夫人」「小野寺十内の妻」「細川ガラシャ夫人」「静御前」「田崎草雲の妻」「山陽の母」全八話収録。
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作者の岡本綺堂は半七老人のことを「江戸時代における隠れたシャーロック・ホームズであった」と書いた。本巻には「お文の魂」「石燈籠」「勘平の死」「湯屋の二階」「お化け師匠」「半鐘の怪」の6編を収録。この電子ブックシリーズでは、全68作品を各巻5編くらいずつ、読みやすい形にして提供の予定。全14巻。
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太閤秀吉の使いの紀伊守は利休にむかい「娘を差し出せ、そなたにも、娘にも、誓って悪いようにはからわぬ」という秀吉の言葉を繰り返した。利休は答えた。「大名衆では、何とお言いなされているか存ぜぬが、町人の世界では、利得を目的として物を人に渡すを売ると申す。娘を殿下に差出すことは、拙者の利得となり申す。されば、これは売るのでござる。売買を本業とする町人の世界でも、娘を売るは恥ずべきことと致しております。平に御辞退……あの人々は、詮(せん)ずるところ、ただの大名衆。百年の後、二百年の後、三百年の後、名前の残る人々ではござらぬが、拙者は芸道に生きる者、自ら申すもおこがましくはござるが、いつの世までも名の残る者でござる」……大坂城を舞台に、秀吉と利休、淀(お茶々)殿と北政所、利休の娘お吟、石田光成、小西行長ら武将たちがくりひろげる虚々実々の人間模様を描く海音寺潮五郎の初期の代表傑作。
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作者みずから「和製シャーロック・ホームズを念頭において書いた」という半七捕物帳は、岡っ引を主人公にすえた日本最初の捕物帳であり、かつ最初の時代ミステリーだった。この捕物帳は大正6年から昭和12年までのあいだ、時に中断を含みながら書き継がれ、全69作品が残された。明治の雰囲気と江戸の濃厚な香りのただよう、またとないこの好読み物全作を一冊におさめたお得用版。
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藤原純友は、知略にたけて色を好むが、官途への望みを断ち、力による天下改革を夢見ていた。一方、坂東下総の住人で、官位を求めて京に上り、公家の専横と、盗賊・夜盗の跋扈(ばっこ)する都の退廃を目にし、やや憂鬱の色をたたえるも、強靭な体躯をもつ平将門。純友は朝廷転覆の驚くべき野心を将門にもらす……伊予掾(いよのじょう)に任じられて都を去った純友は、西海の海賊追捕の兵に加わって功名を求める将門の無事を画策する。将門は東国に帰り、一族争闘に巻き込まれ、ついに叛乱を起こした。純友もこの機に「海賊大将軍」となって、一気に都を攻略すべく、淀川河口に大船団を集結させた。このとき一筋の虹 が空にかかる。
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朝鮮海峡のはるか彼方に不気味な牙をむくフビライの蒙古。フビライは何度も使者をよこし、「友好」と称した臣従を日本に求めてきた。鎌倉幕府はおののき、国論は分裂した。幕府の執権北条時宗は悩みつつも強硬派に組していた。一方、幕府の御家人で伊予の豪族・河野通有はこの指針を危ぶみ、時宗に諫言しようと鎌倉をめざす。その途上の京都で、通有は公卿の中納言実兼に遭い、実兼が和平論者と知るが、疑念もいだく。事実、実兼には蒙古などどうでもよく、幕府の支持する現天皇をしりぞけて、上皇をかつぎだす思惑で動いていたのである。その手足が幕府の六波羅探題(京都)の長官赤橋義宗であり、鎌倉にいる義宗の弟義直であった。実兼はすでに肥後天草の武士・獅子島小一郎を籠絡し、天皇暗殺さえ企てていたが、これは小一郎に見抜かれて失敗していた。これらの人物たちに、日本に逃げてきているペルシャの王女と家来たち、それを援助するクグツの一団が絡む。さらにはおどり念仏を主唱する智真房、声高に救国を説く日蓮などの時代の動きをもまじえて、物語はアジアにまで広がる舞台と複雑な経緯を描きながら、ついに蒙古の襲来というクライマックスへ。
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。