セーフサーチ設定を変更しました
ページの先頭です
GWコイン大還元祭
期間限定!初めての予約購入で最大コイン+20%還元!

『海外文学、失われた時を求めて(グーテンベルク21)(文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~10件目/全10件

  • パリに戻った私はゲルマント大公夫人の邸で開かれた午後の集いに出かけた。多くの知り合いと再会するが、みな時の流れによって変わり果てていた。私は肥ってしまったジルベルトをジルベルトの母と取り違えた。サン=ルー侯爵のかつての愛人ラシェルはいまや有名な女優である。ゲルマント公爵は老齢のために身体が不自由になり、シャルリュス男爵は耄碌していた。さらにジルベルトの娘に初めて対面するにおよんで、いかに時が過ぎ、自らもどのくらい老いたかを実感するとともに、「スワン家の方」と「ゲルマントの方」が少女の内に結び合わされていることをはっきりと認めた。私は時によって損なわれた人生を救うために一冊の書物を著すことを決心する。この作品は長大なものとなるだろう。スワン氏が帰ることを知らせる鈴の音が記憶の中によみがえった。この音は永遠に心の中で響きつづけるのにちがいない。
  • 私は母とヴェネチアを旅した。スワン氏は他界し、未亡人となったオデットはかつての愛人であるフォルシュヴィル伯爵と結婚した。ジルベルトはフォルシュヴィル嬢となり、ロベール・ド・サン=ルーと結婚した。この結婚でゲルマント家と縁続きになったオデットはようやくゲルマント公爵夫人のサロンに招かれるようになった。しかしのちにサン=ルーは男色家となってジルベルトを裏切った。私は健康を崩し、第一次大戦の年間を療養所とパリの往復で過ごした。ヴェルデュラン夫人はサロンを開きつづける。男色家のシャルリュス男爵はホテルで鞭打たれながら快楽を追い求めつづける。ヴェルデュラン氏は逝去し、サン=ルー侯爵も戦死する。ゲルマント大公はドイツの敗戦で破産する。そのため、最初の妻マリーが死ぬと、ヴェルデュラン夫人と金目当てに結婚する。
  • 私はアルベルチーヌをパリに連れ帰り、同棲生活を始めた。恋人同士らしい密やかな暮らしが始まったが、謎めいたままの彼女は、倦怠と嫉妬と猜疑で私をさいなむ。その一方では、朝の夢想、パリの物売りの声を聞き、芸術について考えをまとめたりするうちに時は流れていく。ヴェルデュラン邸での社交は続いたが、スワンが死んだ。私はヴェネチアへの旅を考えたが、一通の手紙によってアルベルチーヌの失踪を知り、彼女が落馬で死んだことも知った。
  • シャルリュス男爵は青年ヴァイオリン奏者ともソドム的関係を持っていた。その一方で私はアルベルチーヌが、ヴァントゥイユ嬢とその女友達との間にゴモラ的関係をもっていることを疑うようになった。私の嫉妬と動揺は激しかったが、その苦悩のなかで、私はアルベルチーヌと結婚しなければならないとの思いに駆られ、母親にその決意を告げたのだった。
  • 私はある日、仕立て屋ジュピヤンとシャルリュス男爵との刺激的な出会いを盗み見、同性愛の生態の一端を知る。だがそれだけではなかった。男爵には多くの相手があったのである。シャルリュス男爵は奇妙な言動のある人物だったが、私はそれが男爵の倒錯した性癖に由来していることを知ったのだった。私はアルベルチーヌと再会したが、彼女の言動には一抹の不安もおぼえた。
  • 避暑地バルベックで夏を過ごすのは私にとって特別なものとなった。上流社交界のゲルマント一族との交際はむろん、アルベルチーヌとの魅惑に満ちたひととき、ユダヤ人たちとの交流、画家エルスチールのアトリエでの芸術創造の営みの瞥見、あるいは多くの個性的な人びととの多彩な方面にわたる談論まで、光あふれるノルマンディの海辺は、私にとってかけがえのない華やかな輝く時となって残った。
  • パリヘ戻った私は、ヴィルパリジ夫人らとのつきあいを通して、ゲルマント公爵夫人主催の高級サロンに出入りできるようになった。「私」は、女主人であるゲルマント公爵夫人の威光にオペラ座で触れ、ますます憧れを募らせていく。と同時に、ドレフュス事件や芸術の話に花を咲かせる社交界の人びとを目の当たりにする。サン・ルーとの友情はすすみ、祖母への思いはいや増していく。
  • 十数年後、私はパリのシャンゼリゼ公園でジルベルトに再会し、二人の関係は友達づきあいから、熱烈な恋愛へと変容した。一方で私はスワン夫人への情熱にも惹かれて夫人の邸を訪れた。しかししばらくすると私の勝手な行動と性格がジルベルトに嫌われるようになり、プライドを傷つけられた私は何年にもわたってジルベルトを避けることになった。二年後、私は祖母とともに、ノルマンディ地方にある海岸の保養地バルベックヘ行った。祖母の旧友でゲルマント公爵夫妻の叔母にあたるヴィルパリジ夫人に会い、夫人は甥のロベール・ド・サン=ルーを私に紹介した。サン=ルーと私はたちまち親友になった。ヴィルパリジ夫人は甥のシャルリュス男爵も私に紹介した。シャルリュス男爵は奇妙な言動のある人物だが、私はそれが男爵の倒錯した性癖に由来していることを、長いあいだ知らないままであった。バルペックでは美しい娘たちに出会ったが、その中でもアルベルチーヌに惹かれた。
  • 祖母がパリのシャンゼリゼ公園での散歩中に発作を起こした。祖母の容態は急速に悪化の一途をたどり、一家の介護のかいもなく、「うら若い乙女のような姿で」息をひきとる。そのときの騒ぎを垣間見た私は、裕福な社交界の付き合いがいかに内容が空虚で俗っぽいものかを知って驚く。パリの私の家をアルベルチーヌがふいに訪れ、彼女はバルベックでは拒んだ接吻を私に許す。ふたりはひとつ屋根の下に暮らしはじめる。
  • この作品は一般的な形式の小説とは異なり、近代小説のモデルを築いたといわれる。構造はあたかも交響楽のようであり、物語は筋や局面にたよることなく展開する。その一切の構造は、過ぎゆく時、あるいは過ぎゆくように思われる時の、雰囲気と感覚だけでできている。印象派の画家モネの作品を思わせるので、本電子本の表紙には、大半モネの作品を用いた。第1巻は語り手(私)が田舎のコンブレーに滞在していたころの、大叔母や祖母との暮らしの思い出だが、スワン氏が夕食に訪れたある夜の出来事ほど鮮明によみがえるものはなかった。後半では社交界の寵児スワン氏の恋が描かれる。もと高級娼婦オデットをめぐる苦悶の果てに氏は彼女と結ばれて娘ジルベルトをもうけた。「失われた時を求めて」は7編の小説からなり、本電子版ではこれを10巻にして提供する。「スワン家のほうへ」「咲く乙女たちのかげに」「ゲルマントのほう」「ソドムとゴモラ」「囚われの女」「逃げ去る女」「見出された時」がそれだ。井上究一郎氏の手になる流麗な訳でお贈りする。

・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。

ページ先頭へ

本を予約しました

※予約の確認・解除はこちらから

予約済み書籍

キャンセル及び解除等

発売日前日以降のキャンセル・返品等はできません。
予約の確認・解除、お支払いモード、その他注意事項は予約済み書籍一覧をご確認ください。