『時代小説(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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藤原純友は、知略にたけて色を好むが、官途への望みを断ち、力による天下改革を夢見ていた。一方、坂東下総の住人で、官位を求めて京に上り、公家の専横と、盗賊・夜盗の跋扈(ばっこ)する都の退廃を目にし、やや憂鬱の色をたたえるも、強靭な体躯をもつ平将門。純友は朝廷転覆の驚くべき野心を将門にもらす……伊予掾(いよのじょう)に任じられて都を去った純友は、西海の海賊追捕の兵に加わって功名を求める将門の無事を画策する。将門は東国に帰り、一族争闘に巻き込まれ、ついに叛乱を起こした。純友もこの機に「海賊大将軍」となって、一気に都を攻略すべく、淀川河口に大船団を集結させた。このとき一筋の虹 が空にかかる。
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朝鮮海峡のはるか彼方に不気味な牙をむくフビライの蒙古。フビライは何度も使者をよこし、「友好」と称した臣従を日本に求めてきた。鎌倉幕府はおののき、国論は分裂した。幕府の執権北条時宗は悩みつつも強硬派に組していた。一方、幕府の御家人で伊予の豪族・河野通有はこの指針を危ぶみ、時宗に諫言しようと鎌倉をめざす。その途上の京都で、通有は公卿の中納言実兼に遭い、実兼が和平論者と知るが、疑念もいだく。事実、実兼には蒙古などどうでもよく、幕府の支持する現天皇をしりぞけて、上皇をかつぎだす思惑で動いていたのである。その手足が幕府の六波羅探題(京都)の長官赤橋義宗であり、鎌倉にいる義宗の弟義直であった。実兼はすでに肥後天草の武士・獅子島小一郎を籠絡し、天皇暗殺さえ企てていたが、これは小一郎に見抜かれて失敗していた。これらの人物たちに、日本に逃げてきているペルシャの王女と家来たち、それを援助するクグツの一団が絡む。さらにはおどり念仏を主唱する智真房、声高に救国を説く日蓮などの時代の動きをもまじえて、物語はアジアにまで広がる舞台と複雑な経緯を描きながら、ついに蒙古の襲来というクライマックスへ。
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輝きの強い眼をした男の子は虎千代と名付けられた。上杉謙信の生涯を描く歴史巨編
「これはおれの子ではないのかも知れない」為景は思った。長尾為景、63歳。妻は袈裟、21歳、その早過ぎる妊娠が、そんな疑惑を生んだ。が、生まれた赤ん坊は、輝きの強い眼を持つ男の子で、虎千代と名づけられた。のちの謙信である。虎千代は、父に疎んじられる不満を抱きつつ、百姓出の娘松江、忠臣金津新兵衛らに守られて育つ。越中・越後の争乱は絶え間無く、やがて父為景は合戦で討たれ、兄晴景が守護代を継ぐが、それを不満とする長尾俊景が兵を挙げた。
カバーイラスト/熊谷博人 -
幕末 ―― 激動の時代に、新時代の先駆けとなって散った志士たちがいた。
時は明治維新から遡ること五年、文久三年(1863年)八月。大和地方の十津川郷を、倒幕のため決起せんとする維新志士集団 『天誅組』 が訪れる。 十津川郷に住む少年・野崎雅楽は、兄であり天誅組の協力者である野崎主計、そして幕府により父を投獄され喪った少女・市乃とともに、戸惑いを感じながらもその行軍に同行することとなるのだが……。 新時代への理想にあふれた決起から、一転して逆賊とされ、幕府軍の討伐によって命を散らせることになった維新志士たち。その行く末を、彼らと道を共にした少年の成長とともに鮮やかな筆致で描きだす、新たなる歴史異聞譚。 -
医師の万象が男の変死体を検視して帰宅すると、娘の清乃に死体から這い出た虫が羽織に付着していると指摘された。さらに清乃に男の死因は鳥兜の毒のせいだと教えられた。清乃は人体に棲む9種類の虫が見え、会話することができる。直後、連続毒殺事件が発生した。書き下ろし時代小説の新機軸!
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圧倒的、感動!史上最強の愛―――信じるものを守るために命をかける男たちがいた。 動乱の時代――精いっぱい生きた新選組と、彼らと一生を共にした一人の少女の切なすぎるラブストーリー
1850年、江戸。浪人に襲われ、最愛の母を殺された少女・凪。天涯孤独となった凪は、近藤勇に助けられ、近藤が営む道場「試衛館」で暮らすことになる。 捻くれ者の美青年・土方歳三、強気な美少年・沖田総司、個性豊かな男たちとのにぎやかな日々に、凪は明るさを取り戻していく。 しかし、幕府への反発が高まり、世の中は徐々に不穏に。 倒幕運動が激化するなか、幕府を命がけで守る人斬り集団“新選組”となった彼らには、壮絶な運命が待ち受けていた――。 -
織田信長に翻弄された伊賀国と若者たちの運命。長編歴史小説!
平和を享受してきた伊賀国に暗雲が垂れ込める。隣国の伊勢を手中にした織田信長の侵攻が、いよいよ始まろうとしていた。伊賀国衆の子弟たち、忠兵衛、小源太、勘六、左衛門の4人は、押し寄せる信長の軍勢を前に、それぞれの選択を迫られる。信長の走狗となる者、屈辱に耐えようとする者、信長の命を狙う者、そして、特別な道を選ぶ者。故郷を愛した竹馬の友は、非情な運命に引き裂かれていく…。注目の気鋭が描く、戦国巨編!
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新婚早々失踪した妻は、実は凄腕くノ一だった! 大人気シリーズ第1弾!
平戸藩の御船手方書物天文係の雙星彦馬は、三度の飯より星が好きという藩きっての変わり者。そんな彦馬のもとに上司の紹介で美しい嫁・織江がやってきた。彦馬は生涯大切にすることを心に誓うが、わずかひと月で新妻は失踪してしまう。じつは織江は、平戸藩の密貿易を怪しんだ幕府が送り込んだくノ一だった! そうとは知らず妻を捜しに江戸へ赴く彦馬だったが…。人気著者が放つ「妻は、くノ一」シリーズ第1弾。〈文庫書き下ろし〉 -
生きてゆくのは、これでなかなか切ないもので…。ほろ苦くも切ない、青年武士の江戸の青春を描く時代小説。
仙石藩士・刑部小十郎は、藩の御長屋を出て、江戸市中の借家に居を移した。仙石藩はかねてより隣接する島北藩と不仲だったが、仙石藩主が島北に面子を潰される事件「檜騒動」が勃発、小十郎の朋輩・正木庄左衛門は義憤に駆られ、藩主の汚名をそそごうとしていた。小十郎は、その助太刀を命じられたのだ。大家である古道具屋・紅塵堂の娘・ゆたとの淡い恋をはじめ、人情篤き人々に囲まれた、ほろ苦く切ない江戸の青春時代小説。 -
「鬼平」の原点ともいうべき江戸捕物帳・鬼平外伝!
ふた月前の夜、池ノ端仲町の日野屋に賊が押し入り、金を奪って逃げた。あるじ久次郎は奉行所に届け出たが、恋女房のおきぬが犯されたことは隠していた。もう忘れようと夫婦が互いにいたわりあっていた矢先、再び同じ賊が日野屋に押し入る…。火付盗賊改方の頭に就任した長谷川平蔵は、神出鬼没の盗賊団捕縛を命じられ、正念場を迎える。「江戸怪盗記」をはじめ、人の世の哀感を滲ませる、「鬼平」の原点ともいうべき傑作捕物帳。 -
スリルと緻密な時代背景。松本清張の時代短篇は光っている!
花莚問屋の主人庄兵衛は報恩講の席で、娘婿への相続を発表し、仕合せの中にいた。しかしその夜、店の蔵で、雇人が殺された――「蔵の中」。中風の夫のために信心詣りを欠かさない袋物問屋のお房が落ちた罠――「西蓮寺の参詣人」。穀物問屋大黒屋に出入りする厄介者留五郎が惨殺され、その死体には大八車の轍の跡があった――「大黒屋」。わずかな手がかりをもとに岡っ引きが真相に迫る、スリリングな時代短篇集。
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生き延びて討入りの生き証人となれ。大石の命により四十七士ただ一人の生き残りとなった男の哀歓
吉良邸討入りから引揚げる途次、足軽・寺坂吉右衛門は大石内蔵助に、生き延びて戦さの生き証人となるよう命じられた。義に殉じる事も出来ず、世間の視線に耐えて生きる吉右衛門は、十六年の後、討入前夜に脱盟した瀬尾孫左衛門と再会する。同じ境遇にある旧友にも、実は内蔵助から密かに託された後事があった。苛酷な半生を選んだ二人の武士の信義と哀歓を描いた表題作など、連作四篇「仕舞始」「飛蛾の日」「命なりけり」「最後の忠臣蔵」を収録。 -
二人の気持ちはぴったりと重なり合っていたはずだった。せつなくも凛々しい時代長編。
道三堀から深川へ、暮らしに欠かせない飲み水を届ける水売りたちは、皆自分の仕事に誇りをもって働いている。そんな水売りの一人、龍太郎には、蕎麦屋の娘・おあきという許嫁がいる。日本橋の大店が蕎麦屋を出すとの報せに、「美味い水」が必要だと思い知らされ、協力して美味い水造りを始めるが、いつしか二人の間に微妙な隙間風が吹き始めて…。人の気持ちに翻弄されつつも、せつなく凜々しい、江戸の「志」を描く長編時代小説。 -
異才・冲方丁が『天地明察』に次いで放つ、大河エンタテインメント小説!
何故この世に歴史が必要なのか。生涯を賭した「大日本史」の編纂という大事業。大切な者の命を奪ってまでも突き進まねばならなかった、孤高の虎・水戸光圀の生き様に迫る。『天地明察』に次いで放つ時代小説第二弾! 「小説 野性時代」連載時の獅子猿氏のイラストが入ったデジタル特別版で配信!! -
心温まる江戸人情の世界。ロングセラー短編集。
向島で三代続く料理屋・笹屋の一人娘、お京もこの正月で20歳になった。しっかり者の看板娘として店をきりもりし、今や親が手を出すすきもない。舞い込む縁談を断り、親の反対を押し切って選んだ相手はかつぎ豆腐売りの信吉だったが、あっさり断られてしまう…。しっかり者の女たち、それゆえに悲しくもおかしい。平岩作品の醍醐味、豊かな江戸人情を描いた珠玉と呼ぶにふさわしい10編を収録。 -
「御宿かわせみ」の原点となる作品を含む、人気短編集。
花の季節、花見客で賑わう乗合船で起こった強盗騒ぎで、若い娘が機転を利かせ、強盗を川に投げ込んだ。人々がはやし立てる中、「女のくせに見苦しい」と嘲笑した侍に腹を立てた娘。だが、旗本の次男坊と料亭の蔵前小町はやがて恋に落ちた。時は幕末、時代の波が2人を飲み込んでいく…。「御宿かわせみ」シリーズの原点ともいうべき表題作をはじめ、平岩文学の原型を凝縮した7編を収録する短編集。 -
武士の本義を貫くため、今夜、吉良を暗殺する――。忠臣蔵三百年の歴史に挑んだ歴史小説の傑作!
赤穂浪士の討入りから三百年、忠臣蔵の歴史に聳立する画期的な傑作が誕生した。公儀が赤穂藩に下した理不尽な処断に抗して、大石内蔵助は吉良上野介暗殺という非情のテロを決意する。塩相場の操作で資金を集め、謀略を駆使して吉良の喉元に迫る大石。藩主の実父を護るため、財力を傾け知嚢を絞ってこれを阻もうとする上杉家。武門の意気地をかけて死力を尽くす両者の暗闘は、ついに幕府権力をも脅かす。 -
江戸の町に、巨大な人魂、現る!? 人気著者が放つ、シリーズ第1弾!
元は江戸屋敷勤番の侍だった月村四十郎。この男、からすにつきまとわれているため“からす四十郎”と綽名されている。病気の妻を抱え、用心棒稼業で糊口をしのいでいたが、借金は増えるばかり。易者に「死相が出ている」と言われ自棄になった彼は、礼金は高いが用心棒仲間も嫌がる化け物退治を引き受ける。油問屋に巨大な人魂が出るというのだ。だがその人魂の正体は…。人気著者が放つ、「四十郎化け物始末」シリーズ第1弾。 -
粋な柳橋芸者・お玉の秘密。時は幕末、携帯小説サイトの人気作品が登場!
花魁と違い、芸は売っても体は売らない。それが芸者。が、江戸・柳橋の売れっ子芸者、お玉には秘密がある。お座敷に出る裏で、ひそかに男に抱かれている。身分ある武家や、時には大名の相手もする。そして相手の家紋を、気心の知れた女刺青師の多緒に、体のいちばん奥に彫ってもらうのだ。紋を千個集める「千人信心」のため…。男たちの思いがすれ違う世相騒がしい幕末を、「紋ちらしのお玉」が行く。携帯小説の人気連載が文庫デビュー! -
異色の武将、小西行長の生き様を描く新たな娯楽歴史小説、誕生。
豊臣秀吉政権下、キラ星のような武将がひしめく中、ひときわ異色を放つ武将がいた。キリシタン大名、小西行長 ――。洗礼名アウグスティヌス。堺の商家に生まれ、秀吉の家臣として才覚を発揮し、のちに肥後二十数万石の領主にまで登りつめた武将。熱心なキリシタンでありながら、朝鮮出兵(文禄の役)の折りには、豪傑・加藤清正を抑え、先鋒として果敢に戦う一面も見せた。時代に流されることなく、自らの信ずる道を真摯に歩き続けた一人の男の生き様を、圧倒的な筆致で永田ガラが描く。戦国時代を新たな切り口で見せる娯楽歴史小説、誕生。 -
地獄から蘇った信長と光秀。本能寺を目指す彼らの目的は!?
ときは戦国時代。本能寺ノ変が起きる、まさにその夜。本能寺のそばを、ふたつの人影が歩いていた。親しげに語り合っているのは、なんと織田信長と明智光秀。実はこの二人、ある茶器を求め、地獄から蘇ってきたのだ。冥府王の命令で、名器 「つくもがみ」 の行方を探っていく主従二人。そして彼らの前に現れる、悩める若き絵師・狩野元秀と謎の少女なべ。抗いがたい運命を背負った彼らは、それぞれの目的を胸に抱き、激動の時代を強く生き抜こうとする。そんな四人の人生が行きつく先は、果たして――。 -
若き日の観阿弥を巡る、魅惑的な女性たちの艶やかな恋模様
室町初期の京。咲き誇る桜の下でも、不安定な経済、消えぬ内乱の予感に人々は先の見えぬ日々を過ごしていた。裕福な結婚相手を探しに清水に参籠した宮家の女官・小宰相の君は、野心家の猿楽師・三郎太夫に見初められる。一方、盗賊として町を跳梁しながら生き方に悩む秋春は、父親との不和にもめげず明るく生きる少女・於次に恋をするが……。動乱の時代、それぞれの場所で自分なりの道を模索する男女の人生が交錯して走り出す――。若き日の観阿弥を巡る物語、三部作の完結編。今回は、魅惑的な女性たちが繰り広げる恋模様を、色鮮やかに描いていく。 -
純粋にして実直。まだ若かりし真田幸村の初陣となる上田城攻防戦の行方は──。
天正十三年、晩夏。上杉家の人質として春日山で槍の稽古に励む真田幸村の許に届いたのは、徳川家による上田攻めの一報。上野沼田の地を巡り、徳川・北条両家による真田家討伐がついに始まった。まだ初陣前の幸村も上杉景勝の許しを得て上田城に急行し、真田家存続をかけた一戦に参加することに……。だがそこで目の当たりにするのは、絶対的な戦力差と、父・昌幸が描く老獪な作戦だった。北条征伐のきっかけとなる攻防戦。その裏に渦巻く秀吉・家康の陰謀の中、まだ若かりし幸村が戦場を駆け抜ける──。出海まことが贈る、まだ若かりし幸村の青春大河小説開幕! -
心を無にして、彼は舞った。舞って舞って、さらに舞い続けた。後世、観阿弥とともに初期能楽に一時代を築いた、犬王太夫の波乱の少年時代を描く!
紅の衣を纏い、少年は未来を拓く。室町初期。将軍臨席のもと、大観衆を集めて行われた華やかな田楽興行で、見物の桟敷が崩れ落ち、数百人が死傷する惨事が起きる。戦災孤児の少年・犬弥はどさくさにまぎれ、死んだ舞い手・花夜叉の遺骸から美しい紅の衣を奪い取るが、そこから思いもかけなかった運命が開けてゆく。後世、天女舞の名手として世阿弥や足利義満に絶賛され、観阿弥とともに初期能楽に一時代を築いた犬王太夫の、傷つき、悩みながらも懸命に自分の生きる道を見い出そうとする波乱の少年時代を描く。 -
迸る熱い夢を胸に猿楽師は疾走する――。後の観阿弥の若き日を鮮烈に描く!
天性の美貌と才能を持つ猿楽師の三郎は、父の死をきっかけに兄の一座を離れた。そして自分の一座を建て、将軍の前で舞いたいという野望を抱く。能楽の大成者・観阿弥が新たな芸術の創造に向け試行錯誤する若き日の姿を鮮烈に描く。 -
不穏な時代に生きる女学生たちの短くも美しい一瞬を描く青春時代小説
日本が世界の戦乱に巻き込まれつつある、大正二十九年。芸術志向の女性たちが集い、活況を見せる逢坂女子美術専門学校に、四人のひときわ個性的な女学生がいた。 画家としての才能あふれる池田千種。武道に没頭する男勝りな星野逸子。身体は不自由ながら想像力豊かな犬飼華羊。素直で女性らしい優しさに満ちた緒方陽子。 戦争の足音が近づく不自由な時代にありながら、彼女たちは短い青春を精一杯謳歌していた。しかし彼女たちの明るい日々に、不穏な影が忍び寄り……。奇才・牧野修、渾身の青春時代小説が登場! -
戊辰戦争最後の戦場・五稜郭――箱館病院長の弟のもとに、重傷の兄が送られてきた…。古屋佐久左衛門・高松凌雲兄弟の数奇な軌跡を描く長篇歴史小説。
江戸末期の天保年間、筑後久留米領内の庄屋高松家に生まれた9人の兄弟姉妹。二男勝次と三男権平は、おもに医者を志して国元を出奔。旗本の養子となって古屋作左衛門と名も改めた勝次を江戸に訪ねた権平こと高松凌雲は、医学の道に進んで一橋家の奥詰医師となる。幕府瓦解後、旧幕軍の脱走歩兵「衝鋒隊」を率いて奥羽を転戦、箱館に走った兄と出会った凌雲は、箱館病院長として戦火の中で敵味方の区別なく傷病兵の治療にあたる……。 -
「腹ふり党」と称する新宗教がもたらす厄災とは!? すべての常識を覆す、空前絶後の傑作時代小説
江戸時代。ある晴天の日。街道沿いの茶店に腰かけていた牢人は、そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、抜く手も見せずに太刀を振りかざし、ずばりと斬り捨てた。居合わせた藩士に理由を問われた牢人・掛十之進は、かの老人が「腹ふり党」の一員であり、この土地に恐るべき厄災をもたらすに違いないから事前にそれを防止した、と言うのだった……。圧倒的な才能で描かれる諧謔と風刺に満ち満ちた傑作時代小説!! -
日本を今一度、洗濯いたし申し候。――時代を超えて、日本人を魅了し続ける坂本龍馬の実像に迫る歴史巨篇!
土佐郷士の家に生まれた坂本龍馬は、ジョン万次郎からアメリカの文明について聞かされ、まだ見ぬ世界への期待に夢を膨らませていた。嘉永六年、親友の妹と結婚の約束を交わした龍馬は一年間の江戸遊学へと旅立つ。小千葉道場で剣術修行に励む一方、佐久間象山を知るなど見聞を広めるが、折しもペリー率いる黒船が来航し、外国の脅威を目の当たりにする。土佐では、思わぬ悲劇が待ち受けていた。等身大の英雄像に挑む歴史巨篇。
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