『時代小説、西條奈加、1001円~(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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武士から菓子職人に転身した変わり種の主、治兵衛。父を助ける出戻り娘、お永。看板娘の孫、お君。
親子三代で切り盛りする江戸麹町の評判の菓子舗「南星屋」には、味と人情に惹かれやって来るお客が列をなす。
麹町を大火が襲った夜以来、姿を見せなくなった気のいい渡り中間を案ずる一家だったが、ある日、思わぬところから消息が届き……。
「誰だって、石の衣は着ているもんさ。中の黒い餡を、見せねえようにな」
やさしい甘みで包む親子の情、夫婦の機微。
諸国の銘菓と人のいとなみを味わう直木賞作家の大人気シリーズ最新刊!
〈収録作〉
饅頭くらべ
母子草
肉桂餅
初恋饅頭
うさぎ玉ほろほろ
石衣
願い笹 -
歴史小説家たちが紡ぐ時代の違う5つの物語が、あるひとつの「怪異」で繋がる。
読後に訪れるこの震えは、恐怖か、驚愕か――?
異端にして傑作の歴史小説集、ここに誕生。
5つの「畏怖」が、この国の歴史を塗り替える
矢野 隆 有我 ――鎌倉時代、壱岐。元寇に抗う男に訪れたある異常。
天野純希 死霊の山 ――室町時代、近江比叡山。霊峰に現れた狐憑きの正体は。
西條奈加 土筆の指 ――江戸時代初期 中部地方。墓の土饅頭から土筆が生え……。
蝉谷めぐ実 肉当て京伝 ――江戸時代後期、江戸市中。山東京伝の妻は、自らを「人魚」だという。
澤田瞳子 ねむり猫 ――江戸時代末期、大奥。城内に現れる不可思議な病。 -
江戸を舞台に、個性豊かな三人の婆たちの日常と
その周りで起こる悲喜劇をコミカルに描く
「女性の老後」をテーマにした長編小説。
名手宅の祐筆(文書や記録を取り扱う職)を得て静かな余生を
過ごしたいお麓(ろく)は、おはぎ長屋という長屋に住んでいた。
これで老後の安泰は約束されたと思い込んでいたが、
その平穏な暮らしはわずか一年で終わりを迎えた。
お菅(すげ)が越してくると、さらに半年後には
お修(しゅう)がやってきたのだ。
二人の幼馴染はお麓の長屋を毎日欠かさず訪ねてきては、
心底どうでもいい話をしゃべり散らす。
お麓はこの先、二人とうまくやっていけるのか。
安穏に暮らすはずの余生はどうなってしまうのか。
さらには、いろいろな事件に巻き込まれていき……。 -
優雅な余生を送るはずの隠居家は、今日も子供たちで大にぎわい。
老舗糸問屋・嶋屋元当主の徳兵衛は、還暦を機に隠居暮らしを始めた。
風雅な余生を送るはずが、巣鴨の隠居家は孫の千代太が連れてきた子供たちで大にぎわい。
子供たちとその親の面倒にまで首を突っ込むうち、新たに組紐商いも始めることとなった。
商いに夢中の徳兵衛は、自分の家族に芽吹いた悶着の種に気が付かない。
やがて訪れた親子と夫婦の危機に、嶋屋一家はどう向き合う?
笑いあり涙ありの人情時代小説『隠居すごろく』、待望の続編! -
万両店の末弟、鷺之介が齢十一にして悩みがつきない原因とは――。
時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる大江戸謎解き物語。
万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介は、齢十一にして悩みが尽きない。
かしましい三人の姉――お瀬己・お日和・お喜路のお喋りや買い物、芝居、物見遊山に常日頃付き合わされるからだ。
遠慮なし、気遣いなし、毒舌大いにあり。三拍子そろった三姉妹の傍にいるだけで、身がふたまわりはすり減った心地がするうえに、姉たちに付き合うと、なぜかいつもその先々で事件が発生し……。そんな三人の姉に、鷺之介は振り回されてばかりいた。
ある日、母親の月命日に墓参りに出かけた鷺之介は、墓に置き忘れられていた櫛を発見する。その櫛は亡き母が三姉妹のためにそれぞれ一つずつ誂えたものと瓜二つだった――。 -
祝言の翌日に、隠居の申し渡し⁉
小さな楊枝屋の四男坊・鈴之助は、相思相愛のお千瀬の生家、大店の仕出屋『逢見屋』にめでたく婿入り。誰もが羨む逆玉婚のつもりが……
「鈴之助、今日からはおまえも、立場上は逢見屋の若主人です。ですが、それはあくまで建前のみ。何事も、最初が肝心ですからね。婿どのにも、しかと伝えておきます」
鈴之助の物問いたげな表情に応えてくれたのは、上座にいる義母のお寿佐であった。
「この逢見屋は代々、女が家を継ぎ、女将として店を差配してきました。つまり、ここにいる大女将と、女将の私、そして若女将のお千瀬が、いわばこの家の主人です」(本文より)
与えられた境遇を受け入れ、商いの切り盛りに思い悩むお千瀬を陰で支える鈴之助。
“婿どの”の秘めた矜持と揺るぎない家族愛は、やがて『逢見屋』に奇跡を呼び起こす……。 -
「人の罪を映す」目を持つ少女と出会い、数々の事件に巻き込まれていく央介。しかし彼女の過酷な運命を知り……。感動の長編時代小説。
おめえの鏡は罪じゃあなく、人に残った人らしいところを映すんだ。人にとっていちばん大事な、あったかい心だ。ある東北の村から日本橋の酒問屋に招かれた一人の少女・イオ。彼女は「人の罪を映す」という不思議な目を持っていた。荒れた生活を送っていた酒問屋の跡取り息子・央介は、彼女の目をみたことで激しい良心の呵責に襲われ、かつて自分が犯した罪を贖おうとする。やがて更生した央介とイオは、彼女の目を使って、江戸で起こる数々の事件を解決していくことに。しかし、イオの出生の秘密を知る侍が現れたことで、二人の運命は大きく動き始める……。人にとって「罪」とは何か。そして「許し」とは何か。イオの不思議な能力の源泉に隠された秘密とは何か。そしてイオの過酷な運命を、央介は救うことができるのか。日本ファンタジーノベル大賞でデビューした著者が贈る、感動の時代小説。
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